JP2002023538A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2002023538A
JP2002023538A JP2000206325A JP2000206325A JP2002023538A JP 2002023538 A JP2002023538 A JP 2002023538A JP 2000206325 A JP2000206325 A JP 2000206325A JP 2000206325 A JP2000206325 A JP 2000206325A JP 2002023538 A JP2002023538 A JP 2002023538A
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heat
fixing
layer
heat ray
light
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JP2000206325A
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Masayasu Onodera
正泰 小野寺
Satoru Haneda
哲 羽根田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱線照射手段からの熱が、熱線定着用回転部
材の各層で時間遅れなしに伝達され、均一で、安定した
熱線吸収層の加熱がなされる定着装置を提供すること。 【解決手段】 隣り合う2つの層について単位熱容量当
たりの発熱量を比較したとき、より表層に近い層の単位
熱容量当たりの発熱量の方が、内側に隣接するもう一方
の層の単位熱容量当たりの発熱量よりも大きいことを特
徴とする定着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置に関
し、特にクイックスタートが可能な定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、FAX等の画
像形成装置に用いられる定着装置として、技術的な完成
度が高く安定したものとして、金属パイプ(基体)の内
部にハロゲンヒータ(加熱手段)を設け、金属パイプの
外側のゴム層(弾性体)を加熱する構造の熱ローラを用
いる熱ローラ定着方式が、低速機から高速機まで、モノ
クロ機からフルカラー機まで、と幅広く採用されてい
る。
【0003】しかしながら、従来の熱ローラを用いる熱
ローラ定着方式の定着装置では、ハロゲンヒータを内部
に有する熱ローラにより転写材やトナーを加熱する際
に、熱容量の大きな定着用の熱ローラを加熱する必要が
あるため省エネルギー効果が悪く、省エネ面で不利であ
り、また、プリント時に定着装置を暖めるのに時間がか
かりプリント時間(ウォーミングアップタイム)が長く
なってしまうという問題がある。
【0004】これを解決するためフィルム(熱定着フィ
ルム)を用い、熱ローラを熱定着フィルムという究極の
厚みまで持っていき低熱容量化し、温度制御されたヒー
タ(セラミックヒータ)を熱定着フィルムに直接加圧接
触させることで熱伝導効率を大幅に向上させ、省エネル
ギーとウォーミングアップタイムを殆ど必要としないク
イックスタートとを図ったフィルム定着方式の定着装置
やそれを用いた画像形成装置が提案され、最近用いられ
てきている。
【0005】また、熱ローラの変形として透光性基体を
熱線定着ローラ(熱線定着用回転部材)として用い、内
部に設けたハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線
をトナーに照射して加熱定着し、ウォーミングアップ時
間を要せずクイックスタートを図った定着方法が、特開
昭52−106741号公報、同57−82240号公
報、同57−102736号公報、同57−10274
1号公報等により開示されている。また、透光性基体の
外周面に光吸収層(熱線吸収層)を設けて熱線定着ロー
ラ(熱線定着用回転部材)を構成し、円筒状の透光性基
体内部に設けたハロゲンランプ(熱線照射手段)からの
光を、透光性基体の外周面に設けた光吸収層で吸収さ
せ、光吸収層の熱によりトナー像を定着させる定着方法
が特開昭59−65867号公報により開示されてい
る。
【0006】しかしながら、上記特開昭52−1067
41号公報等の開示による定着装置では、ハロゲンラン
プ(熱線照射手段)からの熱線を透光性基体を通して照
射し、トナーを加熱定着する方法により、また特開昭5
9−65867号公報の開示による定着装置では、透光
性基体の外周面に光吸収層(熱線吸収層)を設けて熱線
定着ローラ(熱線定着用回転部材)を構成し、ハロゲン
ランプ(熱線照射手段)からの熱線を透光性基体を通し
て熱線吸収層に照射し、該熱線吸収層の熱によりトナー
を定着する方法により、それぞれ省エネルギーとウォー
ミングアップ時間を短縮したクイックスタートとを図ろ
うとしたものであるが、定着性が悪いので、本願発明者
らは、ハロゲンランプ(熱線照射手段)を用い、透光性
基体と光吸収層(熱線吸収層)との間にゴム材層よりな
る透光性弾性層を設けてソフトローラの熱線定着ローラ
(熱線定着用回転部材)を形成し、ハロゲンランプ(熱
線照射手段)からの熱線により熱線吸収層を加熱し、ク
イックスタート(急速加熱)が可能で、且つトナー像の
定着性を向上する定着装置を特開平11−327341
号公報等にて提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案の熱線定着用回転部材において、熱容量の小さい表層
の熱線吸収層の昇温は速く、表層の熱線吸収層は熱い
が、内部の透光性基体や透光性弾性層の昇温は遅く、ウ
ォーミングアップ時や定着時に表層の熱が内部にとられ
易く、表層の熱線吸収層の温度が不安定となったり、不
均一となったりするという問題が起こる。
【0008】本発明は上記の問題点を解決し、熱線照射
手段からの熱が、熱線定着用回転部材の各層で時間遅れ
なしに伝達され、均一で、安定した熱線吸収層の加熱が
なされる定着装置を提供することを第1の目的とする。
【0009】また、前記提案の熱線定着用回転部材にお
いて、表層の熱線吸収層は熱容量が小さく、表層の熱線
吸収層は熱いが、蓄熱がなく、また内部の透光性基体や
透光性弾性層は温度が低く、転写材の通紙時に熱線定着
用回転部材の表層の熱線吸収層の温度低下が大きく、転
写材の先端部と後端部において定着性が異なり、安定し
た高画質の定着がなされないという問題が起こる。ま
た、カラー画像形成時とモノクロ画像形成時とで定着性
が異なるという問題も起こる。
【0010】本発明は上記の問題点をも解決し、転写材
の通紙時における、熱線定着用回転部材表層の熱線吸収
層の温度低下を防止する温度制御により、転写材の先端
部と後端部における定着性を均一化し、高画質の定着が
なされる定着装置を提供することを第2の目的とする。
【0011】また、前記提案の熱線定着用回転部材にお
いて、熱容量の小さい表層の熱線吸収層の応答性は良
く、表層の熱線吸収層は熱いが、内部の透光性基体や透
光性弾性層の温度は低く、転写材の連続通紙時に熱線定
着用回転部材の表層の熱線吸収層の温度の安定化と均一
化、特に横方向(転写材の送り方向と直交する方向)の
温度の均一化が得られず、安定した高画質の定着がなさ
れないという問題が起こる。
【0012】本発明は上記の問題点をも解決し、転写材
の連続通紙時の熱線定着用回転部材の表層の熱線吸収層
の温度の安定化と均一化、特に横方向の温度の均一化を
図った定着装置を提供することを第3の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、熱線
を発する熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対して
透光性を有する円筒状の透光性基体と、前記透光性基体
の外側に前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光
性弾性層と、前記透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収
する熱線吸収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部
材を形成し、転写材上のトナー像を加熱と加圧とにより
前記転写材に固定する定着装置において、隣り合う2つ
の層について単位熱容量当たりの発熱量を比較したと
き、より表層に近い層の単位熱容量当たりの発熱量の方
が、内側に隣接するもう一方の層の単位熱容量当たりの
発熱量よりも大きいことを特徴とする定着装置(第1の
発明)によって達成される。
【0014】また、上記第2の目的は、熱線を発する熱
線照射手段を内部に有し、前記熱線に対して透光性を有
する円筒状の透光性基体と、前記透光性基体の外側に前
記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性弾性層
と、前記透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線
吸収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成
し、転写材上のトナー像を加熱と加圧とにより前記転写
材に固定する定着装置において、前記転写材の通過時に
おいて、前記熱線定着用回転部材を所定温度に維持する
ための通常温度制御から、前記熱線定着用回転部材の前
記通常温度制御にかかわらず前記熱線照射手段を動作さ
せることを特徴とする定着装置(第2の発明)によって
達成される。
【0015】また、上記第3の目的は、熱線を発する熱
線照射手段を内部に有し、前記熱線に対して透光性を有
する円筒状の透光性基体と、前記透光性基体の外側に前
記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性弾性層
と、前記透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線
吸収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成
し、転写材上のトナー像を加熱と加圧とにより前記転写
材に固定する定着装置において、前記熱線定着用回転部
材と当接する外部加熱ローラ部材を設けると共に、前記
熱線定着用回転部材に対する前記外部加熱ローラ部材の
熱容量の比(%)を、10〜30%とすることを特徴と
する定着装置(第3の発明)によって達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の
意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の
実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示
すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限
定するものではない。
【0017】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形
成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構に
ついて、図1ないし図5を用いて説明する。図1は、本
発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施
形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図
2は、定着装置の構造を示す説明図であり、図3は、図
2のロール状の熱線定着用回転部材の拡大断面構成図で
あり、図4は、図2のロール状の熱線定着用回転部材の
熱線吸収層の濃度分布を示す図であり、図5は、図2の
ロール状の熱線定着用回転部材の透光性基体の外径と厚
さとを示す図である。
【0018】図1によれば、像形成体である感光体ドラ
ム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の透光
性部材によって形成される円筒状の基体の外周に、透光
性の導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体層を形
成したものである。
【0019】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により、透光性の導電層を接地された状態で図
1の矢印で示す時計方向に回転される。
【0020】本発明では、画像露光用の露光ビームは、
その結像点である感光体ドラム10の光導電体層におい
て、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対し
て適正なコントラストを付与できる波長の露光光量を有
していればよい。従って、本実施形態における感光体ド
ラムの透光性の基体の光透過率は、100%である必要
はなく、露光ビームの透過時にある程度の光を吸収する
ような特性を有していてもよい。要は、適切なコントラ
ストを付与できればよい。透光性の基体の素材として
は、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモ
ノマーを重合したものが、透光性、強度、精度、表面性
等において優れており好ましく用いられるが、その他一
般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
トなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、露光
光に対して透光性を有していれば、着色していてもよ
い。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(I
TO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅
や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持
した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着
法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CV
D法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用できる。
また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が
使用できる。
【0021】光導電体層の感光層としての有機感光層
は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層
(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電
荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光
層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いた
めに有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。
なお有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送
物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされ
てもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、
通常バインダ樹脂が含有される。
【0022】以下に説明する帯電手段としてのスコロト
ロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系1
2、現像手段としての現像器13は、それぞれ、イエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色
(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されて
おり、本実施形態においては、図1の矢印にて示す感光
体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順
に配置される。
【0023】帯電手段としてのスコロトロン帯電器11
は像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して
直交する方向(図1において紙面垂直方向)に感光体ド
ラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム
10の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持さ
れた制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極11
aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性の
コロナ放電とによって帯電作用(本実施形態においては
マイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な
電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他
ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0024】各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像
露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を
感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた
線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセル
フォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた
露光用ユニットとして構成される。露光光学系保持部材
としての円柱状の保持体20に、各色毎の露光光学系1
2が取付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容さ
れる。露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、
EL(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放
電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のもの
が用いられる。
【0025】各色毎の画像書込手段としての露光光学系
12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロト
ロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対
して感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態
で、感光体ドラム10の内部に配置される。
【0026】露光光学系12は、別体のコンピュータ
(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像デ
ータに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感
光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に
潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の
発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い6
80〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面か
ら像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に
有しないこれより短い波長でもよい。
【0027】各色毎の現像手段としての現像器13は、
内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)
若しくは黒色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像
剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外
径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるい
はアルミ材で形成された現像剤担持体である現像スリー
ブ13aを備えている。
【0028】現像領域では、現像スリーブ13aは、突
き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の
間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保
たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置におい
て順方向に回転するようになっており、現像時、現像ス
リーブ13aに対してトナーと同極性(本実施形態にお
いてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流
電圧ACを重畳する現像バイアス電圧を印加することに
より、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転
現像が行われる。この時の現像間隔精度は画像むらを防
ぐために20μm程度以下が必要である。
【0029】以上のように現像器13は、スコロトロン
帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光に
よって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非
接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のト
ナー(本実施形態においては感光体ドラムは負帯電であ
り、トナーは負極性)により反転現像する。
【0030】画像形成のスタートにより不図示の像形成
体駆動モータの始動により、感光体ドラム10が図1の
矢印で示す時計方向へ回転され、同時にYのスコロトロ
ン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10に電位
の付与が開始される。感光体ドラム10は電位を付与さ
れたあと、Yの露光光学系12において第1の色信号す
なわちYの画像データに対応する電気信号による露光
(画像書込)が開始され感光体ドラム10の回転走査に
よってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の
画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの
現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体
ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が形成され
る。
【0031】次いで、感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11
の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12
の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに
対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、M
の現像器13による非接触の反転現像によって前記のイ
エロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー
像が重ね合わせて形成される。
【0032】同様のプロセスにより、Cのスコロトロン
帯電器11、露光光学系12及び現像器13によってさ
らに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像
が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系1
2及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色
(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体
ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー
像が形成される。
【0033】このように、本実施の形態では、Y、M、
C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有
機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より
透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及
び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成
されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形
成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム1
0の外部から露光してもよい。
【0034】一方、転写材としての記録紙Pは、転写材
収納手段としての給紙カセット15より、送り出しロー
ラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号な
し)により給送されてタイミングローラ16へ搬送され
る。
【0035】記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動
によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナ
ー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器1
50の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域
へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された
記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態に
おいてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段とし
ての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上の
カラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0036】カラートナー像が転写された記録紙Pは、
転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより
除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置
17へと搬送される。
【0037】定着装置17はカラートナー像を定着する
ための上側のロール状の熱線定着用回転部材としての熱
線定着ローラ17aと、上側の熱線定着ローラ17aと
対をなす下側のロール状の定着部材としての定着ローラ
47aとにより構成され、熱線定着ローラ17aの内部
中心には、光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは
遠赤外線等の熱線を発するハロゲンランプHLaやキセ
ノンランプ(不図示)等が熱線照射手段として配設され
る。
【0038】熱線定着ローラ17aと定着ローラ47a
との間で形成されるニップ部Nで記録紙Pが挟持され、
熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラートナ
ー像が定着され、記録紙Pが排紙ローラ18により送ら
れて、装置上部のトレイへ排出される。
【0039】転写後の感光体ドラム10の周面上に残っ
たトナーは、像形成体クリーニング手段としてのクリー
ニング装置19に設けられたクリーニングブレード19
aによりクリーニングされる。残留トナーを除去された
感光体ドラム10はスコロトロン帯電器11によって一
様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
【0040】図2に示すように、定着装置17は転写材
上のトナー像を定着するための上側の弾性を有するロー
ル状の熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17
aと、上側の熱線定着ローラ17aと対をなす下側のロ
ール状の定着部材としての定着ローラ47aとにより構
成され、弾性を有する熱線定着ローラ17aと定着ロー
ラ47aとの間で形成される、幅5〜20mm程度のニ
ップ部Nで記録紙Pを挟持し、熱と圧力とを加えること
により記録紙P上のトナー像を定着する。上側に設けら
れるロール状の熱線定着用回転部材としての熱線定着ロ
ーラ17aには、ニップ部Nの位置より熱線定着ローラ
17aの回転方向に、定着分離爪TR3、クリーニング
ローラTR1、熱均一化ローラTR4、オイル塗布ロー
ラTR2が設けられ、オイルを含浸させたフェルト部材
を円筒状のアルミパイプや紙管等に巻き付けたオイル塗
布ローラTR2により熱線定着ローラ17aにオイルが
塗布される。クリーニングローラTR1により熱線定着
ローラ17aの周面上のトナーやオイルがクリーニング
される。従って熱均一化ローラTR4、及び後述する、
熱線定着ローラ17aの温度を測定する温度検知手段で
ある温度センサTS1は、クリーニングローラTR1と
オイル塗布ローラTR2との間のクリーニングされた熱
線定着ローラ17aの周面に設けられる。定着分離爪T
R3により定着後の転写材が分離される。また、アルミ
材やステンレス材等の熱伝導性の良好な金属ローラ部材
やヒートパイプを用いた熱均一化ローラTR4により熱
線吸収層171bにより加熱される熱線定着ローラ17
a周面の発熱温度分布が均一化される。熱均一化ローラ
TR4により転写材の通紙に伴う熱線定着ローラ17a
の縦方向及び横方向の温度むらが均一化される。
【0041】上側に設けられ、転写材上のトナー像を定
着するための熱線定着用回転部材としての熱線定着ロー
ラ17aは、円筒状の透光性基体171aと、該透光性
基体171aの外側(外周面)に透光性弾性層171d
と熱線吸収層171bと離型層171cとをその順に設
けた、或いは後段の図3において詳述するように、円筒
状の透光性基体171aと、該透光性基体171aの外
側(外周面)に透光性弾性層171dと、該透光性弾性
層171dの外側(外周面)に、前述した熱線吸収層1
71bと離型層171cとを一体とする熱線吸収層17
1Bとをその順に設けた、外径25〜50mm程度のソ
フトローラとして構成される。透光性基体171a内部
中心に、光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠
赤外線等の熱線を発する熱線照射手段としてのハロゲン
ランプHLaやキセノンランプ(不図示)が設けられ
る。熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17a
は、後述するようにして弾性の高いソフトローラとして
構成される。ハロゲンランプHLaやキセノンランプ
(不図示)より発された熱線が熱線吸収層171b(或
いは熱線吸収層171B)により吸収され急速加熱が可
能なロール状の熱線定着用回転部材が形成される。
【0042】また、上側の熱線定着ローラ17aと対を
なす下側のロール状の定着部材としての定着ローラ47
aは、例えばアルミ材を用いた円筒状の金属製のパイプ
471aと、該金属製のパイプ471aの外周面に例え
ばシリコン材を用い、ゴム硬度が10Hs〜40Hs
(JIS、Aゴム硬度)で、厚さ(肉厚)2〜7mm厚
の厚肉ゴム層よりなるゴムローラ471bを形成した、
外径25〜50mm程度のソフトローラとして構成され
る。下側のロール状の定着部材を断熱性の高い弾性ゴム
ローラを用い、上側の熱線定着用回転部材から下側の定
着部材への熱の拡散を防止すると共に、広いニップ幅も
確保する。また、ゴムローラ471bの表面にも当接し
て従動回転する、アルミ材やステンレス材等の熱伝導性
の良好な金属ローラ部材を用いた熱均一化ローラTR4
が設けられ、熱均一化ローラTR4により定着ローラ4
7a周面の発熱温度分布が均一化される。熱均一化ロー
ラTR4としては、熱の蓄熱と放熱とを兼ねるヒートパ
イプを用いることが好ましい。さらに、金属製のパイプ
471aの内部中心に発熱源としてのハロゲンランプH
Lbを設けてもよい。むろん、本発明である上側の熱線
定着ローラ17aと同じ構成を、下側の定着部材に用い
てもよい。
【0043】上側のソフトローラと下側のソフトローラ
との間に平面状のニップ部Nが形成されトナー像の定着
が行われる。
【0044】TS1は上側の熱線定着ローラ17aに取
付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサ
ーミスタを用いた温度検知手段である温度センサであ
り、TS2は下側の定着ローラ47aに取付けられた温
度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用
いた温度センサである。温度センサTS1、TS2とし
ては接触タイプの他に、非接触タイプのものを用いるこ
とも可能である。
【0045】図3によれば、熱線定着ローラ17aの構
成は、図3(a)に断面を示すように、円筒状の透光性
基体171aとしては、厚さ(肉厚)1〜5mm、好ま
しくは1〜4mm厚で、ハロゲンランプHLaやキセノ
ンランプ(不図示)よりの赤外線或いは遠赤外線等の熱
線を透過するパイレックス(登録商標)ガラス、サファ
イヤ(Al 23)、CaF2等のセラミック材(熱伝導
率が(5〜20)×10-3J/cm・s・K)が主とし
て用いられる。ポリイミド、ポリアミド等を使用した透
光性樹脂(熱伝導率が(2〜4)×10-3J/cm・s
・K)等を用いることも可能である。上記の如く、透光
性基体171aはあまり熱伝導性が良くない。
【0046】透光性弾性層171dは、厚さ(肉厚)
0.5〜5mm、好ましくは1〜4mm厚の例えばシリ
コンゴムやフッ素ゴムを用い、熱線(光源によっては可
視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線)を透過する熱線透
過性のシリコンゴム層或いはフッ素ゴム層(ベース層)
で形成される。透光性弾性層171dとしては高速化対
応のために、ベース層にフィラーとしてシリカ、アルミ
ナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末を配合させ
て熱伝導率を向上させる方法がとられ、熱伝導率が(1
〜3)×10-3J/cm・s・K程度のシリコンゴム層
やフッ素ゴム層を用いる。シリコンゴム層やフッ素ゴム
層は熱伝導率がガラス部材を用いた透光性基体171a
(熱伝導率が(5〜20)×10-3J/cm・s・K)
より低いので、断熱性層の役割をする。熱伝導率を高め
ると一般的にゴム硬度が高くなる傾向があり、例えば通
常40Hsのものが60Hs(JIS、Aゴム硬度)近
くまで高くなってしまう。好ましいゴム硬度は10〜5
0Hsである。熱線定着用回転部材の透光性弾性層17
1dの大部分はこのベース層で占められており、加圧時
の圧縮量はベース層のゴム硬度で決定される。透光性弾
性層171dの中間層はオイル膨潤防止のために耐油層
としてフッ素系ゴムが、好ましくは20〜300μmの
厚さで塗られている。また、透光性弾性層171dを通
過させる熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは
0.3〜3μmであるので、先に記した硬度や熱伝導率
の調整剤として用いられるフィラーは、粒径が熱線の波
長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒子
を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm
以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含んだ赤外
線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭
酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに
分散させたもので透光性弾性層171dを形成してもよ
い。層中で1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以
下、好ましくは0.1μm以下であることが光散乱を防
ぎ、熱線吸収層171bに到達させるのに好ましい。透
光性弾性層171dを設けることにより、熱線定着用回
転部材としての熱線定着ローラ17aが弾性の高いソフ
トローラとして構成される。
【0047】熱線吸収層171bとしては、ハロゲンラ
ンプHLaやキセノンランプ(不図示)より発せられ、
透光性基体171a及び透光性弾性層171dにて吸収
された残りの熱線で、透光性基体171a及び透光性弾
性層171dを透過した熱線の略100%にあたる90
〜100%、好ましくは95〜100%の熱線を熱線吸
収層171bにより吸収し急速加熱が可能な熱線定着用
回転部材を形成するように、樹脂バインダにカーボンブ
ラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェライト及び
その化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ(Fe2
3)等の粉末を混入した熱線吸収部材を用い、厚さ1
0〜500μm、好ましくは20〜100μm厚の熱線
吸収部材を透光性弾性層171dの外側(外周面)に吹
付け或いは塗布等により形成する。熱線吸収層171b
の熱伝導率は、カーボンブラック等の吸収剤の添加によ
り、前記透光性弾性層171dのベース層(熱伝導率が
(1〜10)×10-3J/cm・s・K)と比べて高め
の(3〜100)×10-3J/cm・s・Kに設定する
ことができる。熱線吸収層171bとしてはニッケル電
鋳ローラ等の金属ローラ部材を同様の厚さで設けてもよ
い。この時、熱線を吸収するために内側(内周面)は黒
色酸化処理をしておくことが好ましい。熱線吸収層17
1bでの熱線吸収率が90%程度よりも低く、例えば2
0〜80%程度であると熱線が漏れて、漏れた熱線によ
り熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aが
モノクロ画像形成に用いられた場合、フィルミング等に
より熱線定着ローラ17aの特定位置の表面に黒トナー
が付着すると漏れた熱線により付着部から発熱が起き、
その部分でさらに熱線吸収による発熱が重ねて起こり熱
線吸収層171bを破損する。またカラー画像形成に用
いられた場合、カラートナーの吸収効率が一般に低く、
かつカラートナー間に吸収効率の差があることから定着
不良となったり、定着ムラとなる。従って、ハロゲンラ
ンプHLaやキセノンランプ(不図示)より発され、透
光性基体171a及び透光性弾性層171dにて吸収さ
れた残りの熱線で、透光性基体171a及び透光性弾性
層171dを透過した熱線が熱線吸収層171bで完全
に吸収されるように熱線吸収層171bの熱線吸収率を
略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜
100%とする。これにより、分光特性が異なることで
熱線により定着することが困難なカラートナーの溶融が
良好に行われ、特に図1でのカラー画像形成において、
分光特性が異なることで熱線により定着することが困難
なトナー層の厚い転写材上の重ね合わせカラートナー像
の溶融が良好に行われる。また、熱線吸収層171bの
厚さが10μm未満で薄いと、熱線吸収層171bでの
熱線の吸収による加熱速度は速いが、薄膜による局所的
な加熱による熱線吸収層171bの破損や強度不足の原
因となり、熱線吸収層171bの厚さが500μmを越
えて厚過ぎると、熱伝導不良となったり、熱容量が大き
くなり急速加熱が成しにくくなる。熱線吸収層171b
の熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好
ましくは95〜100%としたり、熱線吸収層171b
の厚さを10〜500μm、好ましくは20〜100μ
mとすることにより、熱線吸収層171bでの局所的な
発熱が防止され、均一な発熱が行われる。また、熱線吸
収層171bに投光される熱線の波長は0.1〜20μ
m、好ましくは0.3〜3μmであるので、フィラーと
して硬度や熱伝導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱
線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2
次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.
1μm以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含ん
だ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バイ
ンダに5〜50質量%分散させたもので熱線吸収層17
1bを形成してもよい。こうすると、熱線を熱線吸収層
171bの内部まで進入させ、界面での発熱を防止でき
る。このようにして、熱線吸収層171bは温度がすぐ
に上がるように熱容量を小さくしてあるので、熱線定着
用回転部材としての熱線定着ローラ17aに温度低下が
生じ、定着むらが発生するという問題を防止する。熱線
吸収層171bとしては、弾性を有するシリコンゴムや
フッ素ゴムに、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe3
4)や各種フェライト及びその化合物、酸化銅、酸化
コバルト、ベンガラ(Fe23)等の粉末を混入したも
のを用いてもよい。熱線吸収層171bとしてはニッケ
ル電鋳ベルトのように金属フィルム部材を用いることも
できる。この時、熱線吸収のために内側(内周面)は黒
色酸化処理をしておくことが望ましい。
【0048】また熱線吸収層171bと分離して熱線吸
収層171bの外側(外周面)に、トナーとの離型性を
良好とするため、厚さ20〜100μmのPFA(フッ
素樹脂)チューブを被覆したものや、フッ素樹脂(PF
AまたはPTFE)塗料を20〜100μm塗布したも
のや、層厚20〜500μmのシリコンゴムやフッ素ゴ
ムを成形したもので、熱伝導率が(3〜100)×10
-3J/cm・s・Kの離型層171cを設ける(分離
型)。
【0049】さらに図3(b)に断面を示すように、カ
ーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe 34)や各種フェラ
イト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ
(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材と、バイ
ンダと離型剤とを兼ねたフッ素樹脂(PFAまたはPT
FE)塗料或いはシリコンゴムやフッ素ゴム等とを混入
して配合し、図3(a)にて前述した熱線吸収層171
bと離型層171cとを兼用し、熱線吸収層171bと
離型層171cとを一体として離型性を有する熱線吸収
層171Bを、透光性基体171aの外側(外周面)に
形成された透光性弾性層171dの外側(外周面)に形
成し、弾性を有するロール状の熱線定着用回転部材を形
成することが好ましく、後段において詳述する各実施形
態においては、熱線吸収層として上述した熱線吸収層1
71bと離型層171cとを一体とする熱線吸収層17
1Bにて説明する。また、熱線吸収層171bと離型層
171cとを一体とする熱線吸収層171Bとしては、
厚さ20〜100μm程度のカーボン入りのPFA(パ
ーフルオロアルコキシ)チューブを被覆したものが好ま
しく用いられる。上述した熱線吸収層171bと離型層
171cとを一体とする熱線吸収層171Bの熱伝導率
は熱線吸収層171bの熱伝導率と略同様で、(3〜1
0)×10-3J/cm・s・Kである。前述したと同様
に、ハロゲンランプHLaやキセノンランプ(不図示)
より発され、透光性基体171a及び透光性弾性層17
1dにて吸収された残りの熱線で、透光性基体171a
及び透光性弾性層171dを透過した熱線が完全に吸収
されるように熱線吸収層171Bの熱線吸収率を略10
0%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100
%とする。熱線吸収層171Bでの熱線吸収率が90%
程度よりも低く、例えば20〜80%程度であると熱線
が漏れて、漏れた熱線により熱線定着用回転部材がモノ
クロ画像形成に用いられた場合、フィルミング等により
熱線定着用回転部材の特定位置の表面に黒トナーが付着
すると漏れた熱線により付着部から発熱が起き、その部
分でさらに熱線吸収による発熱が重ねて起こり熱線吸収
層171Bを破損する。またカラー画像形成に用いられ
た場合、カラートナーの吸収効率が一般に低く、かつカ
ラートナー間に吸収効率の差があることから定着不良と
なったり、定着むらとなる。従って、ハロゲンランプH
Laやキセノンランプ(不図示)より発され、透光性基
体171a及び透光性弾性層171dにて吸収された残
りの熱線で、透光性基体171a及び透光性弾性層17
1dを透過した熱線が熱線定着用回転部材内で完全に吸
収されるように熱線吸収層171Bの熱線吸収率を略1
00%にあたる90〜100%、好ましくは95〜10
0%とする。また、熱線吸収層171Bでの局所的な発
熱も防止され、均一な発熱が行われる。また、熱線吸収
層171Bに投光される熱線の波長は0.1〜20μ
m、好ましくは0.3〜3μmであるので、フィラーと
して硬度や熱伝導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱
線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2
次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.
1μm以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含ん
だ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バイ
ンダに分散させたもので熱線吸収層171Bを形成して
もよい。
【0050】なお、後段において詳述する各実施形態に
おいては、熱線吸収層として上述した熱線吸収層171
bと離型層171cとを一体とする熱線吸収層171B
にて説明するが、透光性基体171aとしてはパイレッ
クスガラス(米国コーニング社製)、透光性弾性層17
1dとしては透明シリコンゴム、熱線吸収層171Bと
してはPFA(パーフルオロアルコキシ)を用い、成型
により熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17
aを形成したものを例として用いる。
【0051】透光性基体171aとしてパイレックスガ
ラス(米国コーニング社製)、透光性弾性層171dと
して透明シリコンゴム、熱線吸収層171BとしてPF
A(パーフルオロアルコキシ)を用いる熱線定着ローラ
17aの各部材の物性値(密度(kg/m3)、比熱
(J/kg・K)、単位熱容量(kJ/m3・K))は
表1に示す通りであり、また色温度が2250Kのハロ
ゲンランプHLaを用いた場合の吸収率は表2に示す通
りである。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】図4によれば、ロール状の熱線定着用回転
部材としての熱線定着ローラ17aの熱線吸収層171
b(或いは熱線吸収層171B)に前述した熱線吸収部
材の濃度分布を、点線(a−1)に示すように均一に設
けると、熱線吸収層171b(或いは熱線吸収層171
B)の発熱分布は、曲線(b−1)に示すように境界に
ある熱線吸収層171b(或いは熱線吸収層171B)
で発熱が集中することになり、透光性弾性層171d
(或いは熱線吸収層171B)側へ熱が流失しやすいの
で、濃度分布を設けて熱線吸収層171b(或いは熱線
吸収層171B)の内部で熱を発生させることが発熱分
布を分散させる観点から好ましい。このため、熱線吸収
層171b(或いは熱線吸収層171B)の濃度分布を
点線(a−2)で示すように、内接する透光性弾性層1
71d側の界面を低濃度とし外周面側に向かって傾斜を
つけ順次高くし、外周面側の手前(熱線吸収層171b
(或いは熱線吸収層171B)の厚さt1に対し、透光
性弾性層171d側から1/2〜3/5程度の位置)で
100%吸収する濃度となるようにして飽和するように
する。これにより、熱線吸収層171b(或いは熱線吸
収層171B)での熱線の吸収による発熱分布は、曲線
(b−2)に示すように熱線吸収層171b(或いは熱
線吸収層171B)の最大値が、界面から熱線吸収層1
71b(或いは熱線吸収層171B)の厚さt1に対
し、透光性弾性層171d側から1/3〜2/5程度に
位置するように移行され、熱の流出が少なくなると共
に、特に、熱線吸収層171Bを用いた場合にも、外周
表面層が削られても影響の無いようになる。さらに点線
(a−3)で示すように、傾斜を設けて飽和層を形成す
ることが好ましく、これにより、曲線(b−3)に示す
ように、熱線吸収層171b(或いは熱線吸収層171
B)の発熱分布は熱線吸収層171b(或いは熱線吸収
層171B)の中央部近傍に最大値を有し、熱線吸収層
171b(或いは熱線吸収層171B)の界面や外周面
近傍で最小値をとる放物線状に形成されて、外周表面層
の削れの影響も少なく、特に熱の流出の影響の無いよう
にする。要するに、十分に内部で吸収が行われれば外側
での濃度の影響はなくなる。削れの影響も生じない。ま
た、濃度分布に上記傾斜を設け、傾斜角の変更により発
熱分布を調整することもできる。
【0055】また図5に示すように、ロール状の熱線定
着用回転部材としての熱線定着ローラ17aの円筒状の
透光性基体171aの外径φとしては、15〜45mm
程度のものが用いられ、厚さtとしては、厚い方が強度
の点で良く、薄い方が熱容量の点で良いが、強度と熱容
量との関係から、円筒状の透光性基体171aの外径φ
と厚さ(肉厚)tとの関係は、 0.02≦t/φ≦0.20 とし、好ましくは 0.04≦t/φ≦0.10 とする。透光性基体171aの外径φが40mmでは透
光性基体171aの厚さtは、0.8mm≦t≦8m
m、好ましくは1.6mm≦t≦4.0mmのものが用
いられる。透光性基体171aでのt/φが0.02未
満では強度不足となり、t/φが0.20を越えると熱
容量が大きくなり熱線定着ローラ17aの加熱が長引く
ことになる。また、透光性基体171aといっても材料
によっては5〜25%程度の熱線を吸収する場合があ
り、強度の保てる範囲で薄い方が好ましい。同様に、透
光性弾性層171dといっても材料によっては5〜25
%程度の熱線を吸収する場合があり、強度の保てる範囲
で薄い方が好ましい。
【0056】図2にて説明した定着装置17を用いるこ
とにより定着部(ニップ部)での変形に強いと共に、ク
イックスタート(急速加熱)が可能な定着装置が可能と
なり、さらに、熱線定着用回転部材の弾性によるソフト
な定着部(ニップ部)での加圧と、該熱線定着用回転部
材の熱線吸収層による加熱とにより、分光特性が異なる
ことで熱線により定着することが困難なカラートナーの
溶融が良好に行われ、カラートナーのクイックスタート
(急速加熱)定着が可能となる。また省エネルギー効果
が得られる。
【0057】実施形態1 しかしながら、上記定着装置の熱線定着用回転部材にお
いて、熱容量の小さい表層の熱線吸収層の昇温は速く、
表層の熱線吸収層は熱いが、内部の透光性基体や透光性
弾性層の昇温は遅く、ウォーミングアップ時や定着時に
表層の熱が内部にとられ易く、表層の熱線吸収層の温度
が不安定となったり、不均一となったりする。
【0058】これを解決するために、熱線定着用回転部
材の各層の単位熱容量(kJ/m3・K)当たりの熱容
量(J/K)に設定条件を設ける。
【0059】具体的には、図3における熱線定着用回転
部材の各層の単位熱容量(kJ/m 3・K)は表1に
て、また各層の吸収率は表2にて前述した如くである
が、熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17a
の、透光性基体171aとして、肉厚が1.50mm
で、外径が28.00mmのパイレックスガラスを用
い、透光性弾性層171dとして、肉厚が1.00mm
で、外径が30.00mmの透明シリコンゴム、熱線吸
収層171Bとして、肉厚(厚み)が0.05mmで、
外径が30.10mmのPFA(パーフルオロアルコキ
シ)を用い、長さ350mm(A−3サイズ縦送り幅
(297mm)を定着可能な発光部を有する幅)で、色
温度が2250K、電力が760WのハロゲンランプH
Laを用いた場合の、熱容量(J/K)、発熱量(J/
sec)及び単位熱容量当たりの発熱量は下記の表3に
示す通りである。
【0060】
【表3】
【0061】隣り合う2つの層について単位熱容量当た
りの発熱量を比較したとき、より表層に近い層の単位熱
容量当たりの発熱量の方を、内側に隣接するもう一方の
層の単位熱容量当たりの発熱量よりも大きく設定するこ
とが好ましく、また、表層の単位熱容量当たりの発熱量
を、表層以外の透光性弾性層171dや熱線吸収層17
1Bの単位熱容量当たりの発熱量よりも大きく設定する
ことが好ましいことが確認された。
【0062】表1から、透光性基体171aの単位熱容
量当たりの発熱量を1とするとき、透光性弾性層171
dの単位熱容量当たりの発熱量は1〜5倍程度に、また
透光性弾性層171dの単位熱容量当たりの発熱量を1
とするとき、熱線吸収層171Bの単位熱容量当たりの
発熱量は20〜60倍程度に設定することが好ましいこ
とが確認される。
【0063】上記において、色温度は2250Kとして
計測を行っており、熱線定着ローラ17aの昇温は31
secで、定着適正温度として設定した180℃に達す
るが、色温度を上げ実用範囲の上限の2500K程度と
すると、ハロゲンランプHLaの波長が短波長となり、
表層の方が吸収率が高くなり、表層の方が単位熱容量当
たりの発熱量の値が高くなり、定着適正温度として設定
した180℃に達する時間が速くなる。色温度を270
0K程度とすると、定着適正温度に達する時間は速くな
るが、ハロゲンランプHLaの断線による寿命が短くな
って実用的でない。色温度によって各層の単位熱容量当
たりの発熱量は変化するが、設定条件は上記の範囲に設
定することが好ましい。
【0064】上記の如く、熱線定着用回転部材の各層の
単位熱容量当たりの発熱量の条件設定により、各層の熱
伝達の制御性が向上されて、熱線照射手段から供給され
る熱が、熱線定着用回転部材の各層で時間遅れなしに伝
達され、ウォーミングアップ時や定着時の表層の熱線吸
収層での、安定して、均一な加熱がなされる定着装置の
提供が可能となる。
【0065】実施形態2 また、前記定着装置の熱線定着用回転部材において、表
層の熱線吸収層は熱容量が小さく、表層の熱線吸収層は
熱いが、蓄熱がなく、また内部の透光性基体や透光性弾
性層は温度が低く、転写材の通紙時に熱線定着用回転部
材の表層の熱線吸収層の温度低下が大きく、転写材の先
端部と後端部において定着性が異なり、安定した高画質
の定着がなされない。また、カラー画像形成時とモノク
ロ画像形成時とで定着性が異なる。
【0066】これを解決するために、転写材の通紙時に
おける、転写材の先端部と後端部とでの定着性を均一化
する熱線定着用回転部材表層の熱線吸収層の温度制御を
行う。
【0067】具体的には、図2における転写材としての
記録紙Pの通過時において、熱線定着用回転部材として
の熱線定着ローラ17aを所定温度(定着適正温度)に
維持するための通常温度制御から、該通常温度制御によ
る熱線定着ローラ17aの温度にかかわらず熱線照射手
段としてのハロゲンランプHLaを強制的に動作させる
ようにする。
【0068】通常温度制御とは、待機時における熱線定
着ローラ17aを定着適正温度に維持するための制御で
あり、一般的には不図示の定着制御部を通してハロゲン
ランプHLaのon−off制御が行われ、例えば所定
の設定温度(定着適正温度)が170℃であれば、16
5〜170℃程度に熱線定着ローラ17aの温度を維持
するようにハロゲンランプHLaがon−offされ
る。いわゆる省エネルギーモードであり、より低い設定
温度の場合でも構わない。これに対して、記録紙Pの通
過時においては、通常温度制御と異なる制御、即ち、ハ
ロゲンランプHLaを強制的にon(動作)するように
制御するものであり、基本的には熱線定着ローラ17a
の温度に関わらず、記録紙Pの通過時にあわせて不図示
の定着制御部を通してハロゲンランプHLaをon状態
とさせる。
【0069】転写材の通過時の検知は、一般的に画像形
成装置において用いられる、例えば、通紙経路を構成す
るタイミングローラ15b(図1参照)の転写材搬送方
向の後部に設けられる紙検知センサ(図1不図示)や感
光体ドラム10の転写材出口側に設けられるジャム検知
センサ(図1不図示)、転写材の先端検知センサ(図1
不図示)等にて行う。ハロゲンランプHLaのon状態
(動作状態)とさせるタイミングは、不図示の定着制御
部により、上記センサの位置と転写材の搬送速度から定
着装置17(図1参照)までの時間を見込み、それにあ
わせてハロゲンランプHLaを強制的にon(動作)さ
せる。
【0070】具体的な実験結果として、電力800Wの
ハロゲンランプHLaを用いた熱線定着ローラ17aの
モノクロ画像形成時において、ハロゲンランプHLaを
off状態として転写材を通紙したときの熱線定着ロー
ラ17aと定着ローラ47aとの温度変化を表4に、ま
たハロゲンランプHLaを強制100%のon状態とし
て転写材を通紙したときの熱線定着ローラ17aと定着
ローラ47aとの温度変化を表5に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】ハロゲンランプHLaをoff状態として
転写材を通紙したときの熱線定着ローラ17aの温度変
化は表4に示すように50℃程度あり、ハロゲンランプ
HLaをon状態として転写材を通紙したときの熱線定
着ローラ17aの温度変化は表5に示すように20℃程
度と小さく保たれる。
【0074】上記の如く、連続プリント時など、熱線定
着ローラ17a全体の温度が上昇してきた場合は、記録
紙Pの通過時でもハロゲンランプHLaをon状態(動
作状態)としなくてもよい。ハロゲンランプHLaをo
nしなくてもよい温度は、定着時の設定温度(定着適正
温度)+20℃以上の場合とする。設定温度+20℃以
上ではホットオフセット(高温オフセット)により正常
な定着が出来なくなるためである。なお、電力が120
0WのハロゲンランプHLaによる強制100%のon
状態では、熱線定着ローラ17aの温度が上がりすぎる
ので、80%でのon状態とする。
【0075】上記の如く、転写材の通紙時に、熱線照射
手段を強制的に動作状態とし、通紙時の熱線吸収層の温
度低下が防止されて、転写材の先端部と後端部における
定着性が均一化され、高画質の定着がなされる定着装置
の提供が可能となる。
【0076】さらに、カラー画像形成時(カラートナー
像の定着の場合)は、定着温度が変化すると光沢度が変
化する。光沢度の変化幅は、定着温度20℃の変化で光
沢度は約8%程度変化する。画質の観点からは、光沢度
変化は8〜10%に抑えなければならない。このため、
カラー画像形成時とモノクロ画像形成時とで、転写材の
通過時のハロゲンランプHLaのonの割合を変更させ
るように不図示の定着制御部を通して制御することが好
ましい。これにより、モノクロ画像形成時やカラー画像
形成時における安定して高画質の定着がなされる定着装
置の提供が可能となると共に、モノクロ画像形成時やカ
ラー画像形成時における転写材の先端部と後端部におけ
る定着性が均一化され、高画質の定着がなされる定着装
置の提供が可能となる。
【0077】実施形態3 また、前記定着装置の熱線定着用回転部材において、熱
容量の小さい表層の熱線吸収層の応答性は良く、表層の
熱線吸収層は熱いが、内部の透光性基体や透光性弾性層
の温度は低く、転写材の連続通紙時に熱線定着用回転部
材の表層の熱線吸収層の温度の安定化と均一化、特に横
方向(転写材の送り方向と直交する方向)の温度の均一
化が得られず、安定した高画質の定着がなされない。
【0078】これを解決するために、転写材の連続通紙
時の熱線定着用回転部材の表層の熱線吸収層の温度の安
定化と均一化、特に横方向(転写材の送り方向と直交す
る方向)の温度の均一化とについて、図6ないし図8を
用いて説明する。図6は、図2の定着装置への外部加熱
ローラ部材の適用を示す図であり、図7は、図6の熱線
照射手段の発光部を示す図であり、図8は、外部加熱ロ
ーラ部材の有無での昇温速度及びプリント時の熱線定着
用回転部材の温度変化を示す図である。
【0079】図6ないし図8によれば、図2または図3
にて前述したと同様に、定着装置17は転写材上のトナ
ー像を定着するための上側の弾性を有するロール状の熱
線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aと、上
側の熱線定着ローラ17aと対をなす下側のロール状の
定着部材としての定着ローラ47aとにより構成され、
さらに上側に設けられる熱線定着ローラ17aは、円筒
状の透光性基体171aと、該透光性基体171aの外
側(外周面)に透光性弾性層171dと熱線吸収層17
1bと離型層171cとをその順に設けた、或いは、円
筒状の透光性基体171aと、該透光性基体171aの
外側(外周面)に透光性弾性層171dと、該透光性弾
性層171dの外側(外周面)に、熱線吸収層171b
と離型層171cとを一体とする熱線吸収層171Bと
をその順に設けた、外径25〜50mm程度のソフトロ
ーラとして構成され、また上側の熱線定着ローラ17a
と対をなす下側のロール状の定着部材としての定着ロー
ラ47aは、円筒状の金属製のパイプ471aと、該金
属製のパイプ471aの外周面に厚肉ゴム層よりなるゴ
ムローラ471bを形成した、外径25〜50mm程度
のソフトローラとして構成される。
【0080】弾性を有する熱線定着ローラ17aと定着
ローラ47aとの間で形成される、幅5〜20mm程度
のニップ部Nで記録紙Pを挟持し、熱と圧力とを加える
ことにより記録紙P上のトナー像を定着する。
【0081】上側に設けられるロール状の熱線定着用回
転部材としての熱線定着ローラ17aには、図2にて前
述した熱均一化ローラTR4に代えて外部加熱ローラ部
材としての外部加熱ローラTR5が設けられ、ニップ部
Nの位置より熱線定着ローラ17aの回転方向に、定着
分離爪TR3、クリーニングローラTR1、外部加熱ロ
ーラTR5、オイル塗布ローラTR2が設けられる。熱
線定着ローラ17aの温度を測定する温度検知手段であ
る温度センサTS1は、クリーニングローラTR1と外
部加熱ローラTR5との間のクリーニングされた熱線定
着ローラ17aの周面に設けられる。また下側の定着ロ
ーラ47aのゴムローラ471bの表面には当接して従
動回転する、熱均一化ローラTR4が設けられ、熱均一
化ローラTR4により定着ローラ47a周面の発熱温度
分布が均一化される。
【0082】熱線定着ローラ17aの内部には熱線照射
手段として、ハロゲンランプHLcとハロゲンランプH
Ldとが配設され、また、定着ローラ47aの内部には
必要に応じてハロゲンランプHLbが配設されるが、図
7に示すように、熱線定着ローラ17a内部のハロゲン
ランプHLcは、A−4サイズ縦送り幅(210mm)
の発光部を有し、ハロゲンランプHLdは、ハロゲンラ
ンプHLcの発光部に対応する位置の両側端の外側に発
光部が設けられる。A−4サイズ縦送りの記録紙P上の
トナー像の定着の際には、ハロゲンランプHLcのみ点
灯し、A−4サイズ横送り(297mm)やA−3サイ
ズ縦送り(297mm)での記録紙P上のトナー像の定
着の際には、ハロゲンランプHLdをも点灯してA−3
サイズ縦送り幅(297mm)の定着幅を確保する。こ
れにより、通常A−3サイズ縦送り幅(297mm)の
発光部を有する1本の熱線照射手段を用いる場合に、A
−4サイズ縦送り(210mm幅)の記録紙Pのトナー
像の定着の際に生じる、熱線定着ローラ17aの両端部
の過度の温度上昇が防止され、熱線定着ローラ17aの
劣化が防止される。
【0083】熱線定着ローラ17aに当接して回転され
る外部加熱ローラTR5は、厚さ(肉厚)が1〜3mm
程度であり、外径25〜50mm程度の熱線定着ローラ
17aに対して、外部加熱ローラTR5の外径は、熱線
定着ローラ17aの外径の1/3〜2/3程度とし、小
径で太い、例えばアルミ材等を用いた熱伝導性の良い金
属パイプ(符号なし)で外部加熱ローラTR5を構成す
る。外部加熱ローラTR5の内部には、A−3サイズ縦
送り幅(297mm)の発光部を有する熱線照射手段と
してのハロゲンランプHLeを設ける。点灯されるハロ
ゲンランプHLeを内部に有し、熱伝導率が低く、低い
電力で即応性(即温度上昇)の可能な外部加熱ローラT
R5により、記録紙Pの通紙により生じる熱線定着ロー
ラ17aの温度低下や横方向(転写材の送り方向と直交
する方向)の温度差の不均一性が抑止される。
【0084】このため、具体的には、熱線定着ローラ1
7aの熱容量Q1(J/K)に対する、外部加熱ローラ
TR5の熱容量Q2(J/K)の比(%)を、10〜3
0%と設定することが好ましい((Q2/Q1)×10
0=10〜30)。比Q2/Q1が10%未満で外部加
熱ローラTR5の熱容量が小さいと、通紙時の外部加熱
ローラTR5による熱の供給能力が足りず、横方向(転
写材の送り方向と直交する方向)の熱の均一化がなされ
ない。また比Q2/Q1が30%を越えて、外部加熱ロ
ーラTR5の熱容量が大き過ぎると、外部加熱ローラT
R5の即応性ある昇温がなされない。
【0085】また、定着ローラ47aのハロゲンランプ
HLbは設けぬ場合で、定着装置17に用いられる電力
は、全体で1000〜1200W程度であるので、例え
ば熱線定着ローラ17aのハロゲンランプHLcとハロ
ゲンランプHLdとの合計の電力としては800W程度
が用いられ、外部加熱ローラTR5のハロゲンランプH
Leの電力としては300W程度が用いられるが、熱線
定着ローラ17aに対する外部加熱ローラTR5の電力
配分の比(%)を、20〜50%(熱線定着ローラ17
aのハロゲンランプHLc,HLdのフル点灯に対し
て)と設定することが好ましい。電力配分の比が20%
未満で外部加熱ローラTR5の電力が小さ過ぎると、外
部加熱ローラTR5による熱線定着ローラ17aの横方
向(転写材の送り方向と直交する方向)の熱の均一化が
できない。また、電力配分の比が50%を越えて外部加
熱ローラTR5の電力が大き過ぎると、熱線定着ローラ
17aの適正な電力配分ができない。
【0086】上記熱容量と電力配分で規定される昇温速
度としては、熱線定着ローラ17aに対する外部加熱ロ
ーラTR5の昇温速度の比は、2〜5倍程度とされ、外
部加熱ローラTR5の昇温速度及びプリント時の温度曲
線は、図8の曲線(a)に示すように、直ぐに定着適正
温度Tcに昇温し一定に保たれ、また、外部加熱ローラ
TR5により加熱される熱線定着ローラ17aは、図8
の曲線(b)に示すように、略定着適正温度Tcに達し
た時点で、プリント可能となり、プリント時の温度降下
が少なく、またプリント終了後のオーバーシュートも少
なく、横方向(転写材の送り方向と直交する方向)の熱
の均一化が保たれて、良好な定着が常時可能となるが、
外部加熱ローラTR5を設けぬ場合は、定着適正温度T
cに昇温後のプリント時において、図8の曲線(c)に
示すように、温度降下が大きく、またプリント終了後の
オーバーシュートも大きく、横方向(転写材の送り方向
と直交する方向)の熱の均一化が保たれず、定着不良を
生じる傾向となる。
【0087】上記の如く、外部加熱ローラ部材の配設に
より、転写材の連続通紙時の熱線定着用回転部材の表層
の熱線吸収層の温度の安定化と均一化、特に横方向(転
写材の送り方向と直交する方向)の温度の均一化が図ら
れた定着装置の提供が可能となる。
【0088】
【発明の効果】請求項1ないし4によれば、熱線定着用
回転部材の各層の単位熱容量当たりの発熱量の条件設定
により、各層の熱伝達の制御性が向上されて、熱線照射
手段から供給される熱が、熱線定着用回転部材の各層で
時間遅れなしに伝達され、ウォーミングアップ時や定着
時の表層の熱線吸収層での、安定して、均一な加熱がな
される定着装置の提供が可能となる。
【0089】請求項5によれば、転写材の通紙時に、熱
線照射手段を強制的に動作状態とし、通紙時の熱線吸収
層の温度低下が防止されて、転写材の先端部と後端部に
おける定着性が均一化され、高画質の定着がなされる定
着装置の提供が可能となる。
【0090】請求項6によれば、モノクロ画像形成時や
カラー画像形成時における安定して高画質の定着がなさ
れる定着装置の提供が可能となる。
【0091】請求項7ないし9によれば、外部加熱ロー
ラ部材の配設により、転写材の連続通紙時の熱線定着用
回転部材の表層の熱線吸収層の温度の安定化と均一化、
特に横方向(転写材の送り方向と直交する方向)の温度
の均一化が図られた定着装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装
置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図
である。
【図2】定着装置の構造を示す説明図である。
【図3】図2のロール状の熱線定着用回転部材の拡大断
面構成図である。
【図4】図2のロール状の熱線定着用回転部材の熱線吸
収層の濃度分布を示す図である。
【図5】図2のロール状の熱線定着用回転部材の透光性
基体の外径と厚さとを示す図である。
【図6】図2の定着装置への外部加熱ローラ部材の適用
を示す図である。
【図7】図6の熱線照射手段の発光部を示す図である。
【図8】外部加熱ローラ部材の有無での昇温速度及びプ
リント時の熱線定着用回転部材の温度変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光光学系 13 現像器 17 定着装置 17a 熱線定着ローラ 47a 定着ローラ 171a 透光性基体 171b,171B 熱線吸収層 171c 離型層 171d 透光性弾性層 HLa,HLb,HLc,HLd,HLe ハロゲンラ
ンプ P 記録紙 TR5 外部加熱ローラ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱線を発する熱線照射手段を内部に有
    し、前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性基
    体と、前記透光性基体の外側に前記熱線に対して透光性
    を有する円筒状の透光性弾性層と、前記透光性弾性層の
    外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層とを設けてロール
    状の熱線定着用回転部材を形成し、転写材上のトナー像
    を加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置に
    おいて、 隣り合う2つの層について単位熱容量当たりの発熱量を
    比較したとき、 より表層に近い層の単位熱容量当たりの発熱量の方が、
    内側に隣接するもう一方の層の単位熱容量当たりの発熱
    量よりも大きいことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 表層の単位熱容量当たりの発熱量が、表
    層以外の単位熱容量当たりの発熱量よりも大きいことを
    特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記透光性基体の単位熱容量当たりの発
    熱量を1とするとき、前記透光性弾性層の単位熱容量当
    たりの発熱量は1〜5であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記透光性弾性層の単位熱容量当たりの
    発熱量を1とするとき、前記熱線吸収層の単位熱容量当
    たりの発熱量は20〜60であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 熱線を発する熱線照射手段を内部に有
    し、前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性基
    体と、前記透光性基体の外側に前記熱線に対して透光性
    を有する円筒状の透光性弾性層と、前記透光性弾性層の
    外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層とを設けてロール
    状の熱線定着用回転部材を形成し、転写材上のトナー像
    を加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置に
    おいて、 前記転写材の通過時において、 前記熱線定着用回転部材を所定温度に維持するための通
    常温度制御から、前記熱線定着用回転部材の前記通常温
    度制御にかかわらず前記熱線照射手段を動作させること
    を特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】 モノクロ画像形成時とカラー画像形成時
    とで、異なる温度制御を行うことを特徴とする請求項5
    に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 熱線を発する熱線照射手段を内部に有
    し、前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性基
    体と、前記透光性基体の外側に前記熱線に対して透光性
    を有する円筒状の透光性弾性層と、前記透光性弾性層の
    外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層とを設けてロール
    状の熱線定着用回転部材を形成し、転写材上のトナー像
    を加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置に
    おいて、 前記熱線定着用回転部材と当接する外部加熱ローラ部材
    を設けると共に、 前記熱線定着用回転部材に対する前記外部加熱ローラ部
    材の熱容量の比(%)を、10〜30%とすることを特
    徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】 前記熱線定着用回転部材に対する前記外
    部加熱ローラ部材の電力配分の比(%)を、20〜50
    %とすることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 前記熱線定着用回転部材に対する前記外
    部加熱ローラ部材の昇温速度の比を、2〜5倍とするこ
    とを特徴とする請求項7または8に記載の定着装置。
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