JP2002003238A - 新規なガラス系抗菌剤 - Google Patents

新規なガラス系抗菌剤

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JP2002003238A
JP2002003238A JP2000184749A JP2000184749A JP2002003238A JP 2002003238 A JP2002003238 A JP 2002003238A JP 2000184749 A JP2000184749 A JP 2000184749A JP 2000184749 A JP2000184749 A JP 2000184749A JP 2002003238 A JP2002003238 A JP 2002003238A
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antibacterial
glass
resin
mol
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Noriyuki Yamamoto
則幸 山本
Koji Sugiura
晃治 杉浦
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂に配合して優れた抗菌性を発揮すると共
に、耐変色性、耐水性、外観にも優れたガラスからなる
抗菌剤を提供することを課題とするものである。 【解決手段】 構成成分の合計量を基準として、ZnO
を40〜80モル%、SiO2を5〜35モル%、Ca
Oを5〜30モル%を含有するガラスからなる抗菌剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化亜鉛を高濃度で
含有するガラス系の無機抗菌剤及び該抗菌剤と樹脂とか
らなる抗菌性樹脂成形体に関する。無機抗菌剤は樹脂、
合成繊維の成形時に練り込み、プラスチック成形品や繊
維製品等の表面に付着した細菌を死滅させ、又はその増
殖を抑制するために使用され、さらにはコーティング材
料中に分散させてプラスチック製品、繊維製品、木工製
品、紙製品、セラミック製品等各種成形物に塗布し、そ
の表面に抗菌性さらには防かび性た防藻性を付与する目
的で使用されている。本発明の無機抗菌剤は、これら抗
菌、防かび、防藻製品の製造に有用なものである。
【0002】
【従来の技術】従来から無機系の抗菌剤として、銀や銅
等の抗菌性金属をアパタイト、ゼオライト、ガラス、リ
ン酸ジルコニウム、シリカゲル等に担持させたものが知
られている。これらは有機系の抗菌剤と比較して安全性
が高いうえ、溶出しにくく、揮発及び分解しないため抗
菌効果の持続性が長く、しかも耐熱性にすぐれる特長を
有している。そのため、これらの無機抗菌剤は各種高分
子化合物に混合することにより、繊維、フィルム又は各
種成形体等の抗菌性樹脂製品の製造に、広い用途で用い
られている。
【0003】中でもガラス中に銀、銅又は亜鉛等の抗菌
性金属を含有させたガラス系抗菌剤は、粒度の調節が容
易であり、ガラス成分の組成を種々変更させることによ
って屈折率及び抗菌性金属の溶出速度等を目的に応じて
容易に制御することができるという特性を有している。
【0004】銀を含有するガラス系抗菌剤として特公平
4−74453号公報、銀又は銅を含有するガラス系抗
菌剤として特開平2−307968号公報及び亜鉛を含
有するガラス系抗菌剤として特開平7−257938号
公報において、各発明が提案されている。しかし、従来
の銀含有ガラスからなる抗菌剤は、抗菌効果が高い利点
を有する反面、樹脂に練り込み加工する際の熱や成形後
の紫外線暴露等の影響で、樹脂加工製品が変色したり、
樹脂自体が変質する等の劣化が起こりやすいという問題
があった。
【0005】また、銅含有ガラスからなる抗菌剤は青く
着色しており、これを練り込み加工した樹脂成形品をも
着色してしまうため、白色・淡色製品への使用が困難で
あり、それ以外の色彩の製品でも色合わせに支障をきた
す等、使用範囲が限定される問題があった。さらにま
た、銅または亜鉛を含有するガラスからなる抗菌剤は、
銀を含有するガラスと比較して抗菌性が低いため、樹脂
組成物において抗菌効果を十分発揮させようとすると、
樹脂への添加量を多くせざるを得ず、本来の樹脂物性を
低下させてしまう問題があった。
【0006】これらの問題を解決するために、P
を40〜55モル%、ZnOを35〜45モル%、Al
を5〜15モル%、Bを1〜10モル%含
むガラス100重量部に対して、AgOを0.01〜
1.0重量%含有する抗菌剤が提案されている(特開平
8−175843号公報)。しかし、この抗菌剤の抗菌
性を高めるために加えられているAgOは、銀イオン
に起因する変色を抑制するために添加量が制限されてい
る点で抗菌性が今一歩である。また、ここで用いたガラ
スは、抗菌性金属(Zn)の溶出速度が大きく、初期の
抗菌性は高いものの、抗菌効果の持続性が十分ではな
い。
【0007】また、特開平11−29343号には、Z
nO−B23−SiO2系(ZnO25〜80モル%、
5〜50モル5、SiO21〜70モル%で
あり、実施例中におけるこれら3成分の合計は72.5
〜100モル%である。)の組成からなり、Na2Oの
含有量が4モル%以下である抗菌性ガラス粉末が提案さ
れている。Na2O含有量を4モル%以下にすることに
より、ガラス粉末を混合した樹脂製品の外観、すなわち
ざらつき感や経時的な光沢の低下を改善しようとするも
のである。しかし、この抗菌剤は、ガラス網目形成成分
(SiO2、B23)と中間的成分(ZnO)が大半を
占め、結合力の低いガラス網目修飾成分であるアルカリ
金属イオンを極少量しか含んでいないため、ガラスの溶
解性が低く、抗菌性が十分ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂に配合
して優れた抗菌性を発揮すると共に耐変色性、耐水性、
外観にも優れたガラスからなる抗菌剤を提供することを
課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、ZnOを極めて
高濃度で含有するとともに、SiO2、およびCaOを
特定濃度含有するケイ酸塩系ガラスは、抗菌性が高く、
また懸念される耐変色性、耐水性にも優れ、上記の課題
をことごとく解消する優れた抗菌剤であることを見出
し、本発明を完成させるに到った。即ち、本発は、Zn
Oを40〜80モル%、SiO2を5〜35モル%、C
aOを5〜30モル%含有するガラスからなる抗菌剤で
ある。以下、本発明における上記ガラスを抗菌ガラスと
いう。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 ○抗菌ガラス 本発明の抗菌ガラスは、ZnOを40〜80モル%、S
iO2を5〜35モル%、CaOを5〜30モル%含有
するガラスからなる。一般にガラスに含まれる酸化物成
分は、骨組みとなるガラス網目を形成する成分とその隙
間に位置する網目修飾成分及び両者の中間的成分とに分
けられることが知られている。本発明の抗菌ガラスにお
いて、ガラス網目形成成分であるSiO2は主として安
定したガラス骨格を保持するために作用し、中間成分で
あるZnOは主として抗菌作用の発現に寄与し、網目修
飾成分であるCaOはガラスの溶融や成形性を容易に
し、溶解性の調整に寄与すると考えられるが、これら3
成分の比率を最適となるように選択することにより本発
明を完成した。好ましいZnOの含有割合は、53〜7
0モル%であり、より好ましくは、55〜65モル%で
ある。ZnOを80モル%より多く配合すると、安定し
たガラスが得られにくいという問題があり、50モル%
未満では本発明のガラスの抗菌性が不十分となる。
【0011】SiOの好ましい含有割合は、7〜25
モル%であり、より好ましくは、10〜20モル%あ
る。SiOを35モル%を超えて配合すると、本発明
のガラスからなる抗菌剤の水溶解性が小さくなってしま
い、抗菌性が不十分となり、5モル%未満では安定した
ガラスが得られにくいという問題がある。
【0012】CaOの好ましい含有割合は、5〜25モ
ル%であり、より好ましくは、7〜20モル%ある。C
aOを30モル%を超えて配合すると、本発明のガラス
からなる抗菌剤の水溶解性が大きくなり過ぎて、耐水性
が低下するという欠点が生じ、5モル%未満では抗菌性
が不十分となる問題が起きる。
【0013】本発明における必須のガラス網目形成成分
は、SiO2であるが、所望によりその他のガラス形成
成分を追加することができる。その他のガラス網目形成
成分の好ましい例として、ZrO、TiO、P
、Al23等がある。その他のガラス網目形成成分の
好ましい含有割合は、5モル%以下である。
【0014】又、本発明の抗菌ガラスには所望により、
MgO及びCaF等を適宜含有させることができる。
これらの所謂「網目修飾成分」は、ガラスの溶融や成形
性を容易にするのに有効であるが、多量に含有させる
と、ガラスの耐水性が低下する恐れがあるので、多くと
も3モル%以下とするのが好ましく、より好ましくは1
モル%以下である。
【0015】本発明の抗菌ガラスを樹脂に配合する際、
通常粉末状とし、一般的には平均粒径で20μm以下の
ものが樹脂への分散加工上好ましく、繊維製品や塗料、
フィルム等に加工する場合には、物性低下を生じさせな
いために平均粒径5μm以下、最大粒径20μm以下の
ものが好ましい。
【0016】本発明の抗菌ガラスを製造する方法に制限
はなく、既知の製造方法を採用できる。一般には、ガラ
スの原料調合物を溶融釜で1000〜2000℃で溶融
した後、溶融物を急冷して、ガラスを調製後、得られた
塊状ガラスを粉砕することにより粉末状のガラスを容易
に得ることができる。
【0017】本発明の抗菌ガラスは、格段に優れた抗菌
性を発揮させるように、従来のガラス系抗菌剤に比較す
ると酸化亜鉛(融点:約2000℃)を多量に含んでいるの
で、ガラス網目骨格を形成し難しい性質を持つが、適当
な溶融温度を選択し、溶融物の冷却特性に合った急冷手
段を用いることによって、本発明の組成を有するガラス
を得ることができる。
【0018】急冷効果を高めるには、溶解物と冷却体と
の接触面積を大きくすることが有効であり、例えば水等
の冷媒で冷却された2個の回転する金属ローラー間にガ
ラスの溶解物を高速で通すことにより、極めて大きな冷
却効果が得られ、この冷却方法を用いれば、ガラス化は
極めて容易である。又、この方法により冷却すると、ロ
ーラー間から出たガラスは薄い板状に成形されているの
で、粉末状に粉砕することも極めて容易に行うことがで
きる。
【0019】本発明の抗菌ガラスを樹脂や繊維に練り込
んだ場合、抗菌性能は樹脂成形品や繊維などの表面に存
在する抗菌ガラスにより発現しているが、摩擦、洗浄、
洗濯等により抗菌ガラスが脱落することがある。脱落が
著しい場合には抗菌効果が低下し、極めて短期間に効果
が消失してしまう例もある。本発明の抗菌剤を樹脂等に
練り込み加工する場合に、密着性や接着性を向上させ、
脱落を防止するためには、シランカップリング剤等によ
り抗菌ガラスの表面を処理することが好ましい。
【0020】本発明に用いられる表面処理剤は、用途や
樹脂種類、加工方法等により適宜最適なものを選択すれ
ばよく、従来より無機粉体の表面処理用のカップリング
剤として使用されているものはいずれも使用可能であ
り、特に制限はない。表面処理剤の具体例としてビニル
トリエトキシシランやビニルトリメトキシシランなどの
ビニルシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)トリメト
キシシランやγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランなどの(メタ)アクリロキシシランあるいはグリシ
ドキシラン、テトラエトキシシラン、シリコーンオイ
ル、テトライソプロポキシチタン、アルミニウムエチラ
ート等が挙げられる。表面処理の方法は、特に制限はな
く、従来より無機系紛体の表面処理法として知られてい
るいかなる方法、例えば、乾式法、湿式法、スプレー
法、ガス化法等が使用できる。
【0021】本発明の抗菌ガラスは、それ自身単独で用
いることができるが、銀系無機抗菌剤を併用すると、そ
の抗菌性を一層高めることができる。これは本発明の抗
菌ガラス中に含まれる亜鉛イオンと銀系無機抗菌剤中に
含まれる銀イオンという2種の異なる抗菌成分の相乗効
果によるものである。
【0022】本発明の抗菌ガラスと併用する銀系無機抗
菌剤は、銀を担持させた無機化合物であれば特に制限は
なく、銀を担持させる無機化合物としては、例えば以下
のものがある。即ち、活性アルミナ、シリカゲル等の無
機系吸着剤、ゼオライト、リン酸カルシウム、リン酸ジ
ルコニウム、リン酸チタン、チタン酸カリウム、含水酸
化ビスマス、含水酸化ジルコニウム、ハイドロタルサイ
ト等の無機イオン交換体がある。
【0023】これらの無機化合物の中で、無機イオン交
換体は銀イオンを強固に担持できることから好ましく、
特に無機イオン交換体としてリン酸ジルコニウム塩を用
いた下記一般式〔1〕の銀系無機抗菌剤は、抗菌効果が
長期的に安定している点で好ましいものである。 AgaAbZr2(PO4)3・nH2O [1] (Aはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アンモニウムイオンまたは水素イオンから選ばれる少な
くとも1種のイオンであり、nは0≦n≦6を満たす数
である。a 及びbはいずれも正数であり、a+mb=
1である。但し、mはAの価数である。)
【0024】本発明の抗菌ガラスを各種樹脂に配合する
ことにより、抗菌性樹脂組成物を容易に得ることができ
る。使用できる樹脂の種類に制限はなく、天然樹脂、合
成樹脂、半合成樹脂のいずれであってもよく、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。具体的な
樹脂としては成形用樹脂、繊維用樹脂、ゴム状樹脂のい
ずれであってもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ナイロン
樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリアセタ−ル、ポリカ−ボネイト、PBT、アク
リル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタンエラストマ−、ポ
リエステルエラストマ−、メラミン、ユリア樹脂、四フ
ッ化エチレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、レ−ヨン、アセテ−ト、アクリ
ル、ポリビニルアルコ−ル、キュプラ、トリアセテ−
ト、ビニリデン等の繊維用樹脂、天然ゴム、シリコ−ン
ゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、クロルスルホン化ポリ
エチレンゴム、ブタジエンゴム、合成天然ゴム、ブチル
ゴム、ウレタンゴムおよびアクリルゴム等のゴム状樹脂
がある。
【0025】抗菌性樹脂組成物中に含まれる抗菌ガラス
の好ましい配合割合は、抗菌性樹脂組成物100部当た
り0.01〜10部、より好ましくは0.1〜5部であ
る。0.01部より少ないと抗菌性樹脂組成物の抗菌性
が不充分となる恐れがあり、一方10部より多く配合し
ても抗菌効果の向上がほとんどない。成形時、抗菌ガラ
スの分散性を高めるため、抗菌ガラスと樹脂の混合物を
そのまま成形機に投じることをせず、抗菌ガラスを最終
製品中の濃度より高濃度となるよう樹脂を予め混合した
マスターバッチといわれる中間製品を調製し、このマス
ターバッチと抗菌ガラスを配合していないストレート樹
脂とを成形機に投入することによって抗菌性成形物を得
ることが好ましい。この場合、マスターバッチ中の本発
明に係る抗菌ガラスの好ましい配合割合は、マスターバ
ッチ100重量部当たり10〜200重量部、より好ま
しくは10〜40重量部である。
【0026】本発明の抗菌ガラスを樹脂に配合する際、
樹脂への練り込み加工性やその他の物性を改善するため
に、必要に応じて種々の他の添加剤を混合することもで
きる。具体例としては顔料、染料、酸化防止剤、耐光安
定剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、ガ
ラス繊維、金属石鹸、防湿剤及び増量剤、カップリング
剤、流動性改良剤、消臭剤、木粉、防汚剤、防錆剤など
がある。
【0027】また、有機系抗菌・防カビ剤をさらに併用
することにより、効果の速効性、防かび効果向上をはか
ることもできる。本発明の抗菌ガラスに併用する有機系
抗菌防カビ化合物の好ましい例として、第4アンモニウ
ム塩系化合物、脂肪酸エステル系化合物、ビグアナイド
類化合物、ブロノポ−ル、フェノ−ル系化合物、アニリ
ド系化合物、ヨウ素系化合物、イミダゾ−ル系化合物、
チアゾ−ル系化合物、イソチアゾロン系化合物、トリア
ジン系化合物、ニトリル系化合物、フッ素系化合物、キ
トサン、トロポロン系化合物及び有機金属系化合物(ジ
ンクピリチオン、OBPA)等がある。
【0028】本発明の抗菌ガラスを樹脂へ配合する方法
として、公知の方法が採用できる。例えば、抗菌ガラ
スの粉末を、添着剤や分散剤とともに、ペレット状また
はパウダー状の樹脂にミキサーで直接混合する方法、
押し出し成形機により抗菌ガラスと樹脂を含むペレット
状組成物を成形した後、そのペレット状組成物を抗菌ガ
ラスを含まないストレート樹脂に混合する方法、ワッ
クスと高濃度の抗菌ガラスを含むペレット状組成物を成
形後、その成形物と抗菌ガラスを含まないストレート樹
脂に配合する方法、抗菌ガラスをポリオ−ル等の高粘
度の液状物に分散混合したペ−スト状組成物を抗菌ガラ
スを含まないストレート樹脂に配合する方法等がある。
【0029】抗菌ガラスと樹脂からなる上記で得られた
配合品の成形には、各種樹脂の特性に合わせてあらゆる
公知の加工技術と機械が使用可能であり、成形は適当な
温度で加熱し又は適当な圧力で加圧又は減圧しながら常
法により行えば良く、成形物の形状は塊状、スポンジ
状、フィルム状、シート状、糸状又はパイプ状或いはこ
れらの複合体等の種々の形態可能である。
【0030】この様にして得られた抗菌性樹脂成形体
は、優れた抗菌性と耐変色性を有する本発明の抗菌ガラ
スが配合されているため、抗菌性が高く成形時及びその
後の保存中又は使用中に劣化、変色することがない。
【0031】本発明の抗菌ガラスの使用形態には特に制
限はなく、上述のように樹脂に混合して使用する以外
に、そのまま粉末状、粒状で用いることが出来る他、用
途に応じて適宜他の成分と混合したり、他の材料と複合
させ、例えば液状分散体やエアゾ−ル状等の種々の形態
で用いることができる。
【0032】○ 用途 本発明の抗菌ガラスは、抗菌、防かび及び防藻を必要と
される種々の分野で利用することが出来る。具体的用途
としては、例えば、食器洗浄機、食器乾燥機、冷蔵庫、
洗濯機、ポット、テレビ、パソコン、CDラジカセ、カ
メラ、ビデオカメラ、浄水器、炊飯器、野菜カッタ−、
レジスタ−、布団乾燥器、FAX、換気扇、エアコンデ
ョナ−等の電化製品、食器、まな板、押し切り、トレ
−、箸、旧茶器、魔法瓶、包丁、おたまの柄、フライ返
し、弁当箱、しゃもじ、ボ−ル、水切り篭、三角コ−ナ
−、タワシいれ、ゴミ篭、水切り袋等の台所用品、シャ
ワ−カ−テン、布団綿、エアコンフィルタ−、パンス
ト、靴下、おしぼり、シ−ツ、布団側地、枕、手袋、エ
ポロン、カ−テン、オムツ、包帯、マスク、スポ−ツウ
ェア等の繊維製品、化粧板、壁紙、床板、窓用フィル
ム、取っ手、カ−ペット、マット、人工大理石、手摺、
目地、タイル、ワックス等の住宅・建材製品、便座、浴
槽、タイル、おまる、汚物いれ、トイレブラシ、風呂
蓋、軽石、石鹸容器、風呂椅子、衣類篭、シャワ−、洗
面台等のトイレタリー製品、薬包紙、薬箱、スケッチブ
ック、カルテ、折り紙等の紙製品、人形、ぬいぐるみ、
紙粘土、ブロック、パズル等の玩具、靴、鞄、ベルト、
時計バンド、内装、椅子、グロ−ブ、吊革等の皮革製
品、ボ−ルペン、シャ−プペン、鉛筆、消しゴム、クレ
ヨン、用紙、手帳、フロッピ−(登録商標)ディスク、
定規、ポストイット、ホッチキス等の文具、その他にも
インソ−ル、化粧容器、タワシ、化粧用パフ、補聴器、
楽器、タバコフィルタ−、掃除用粘着紙シ−ト、吊革握
り、スポンジ、キッチンタオル、カ−ド、マイク、理容
用品、自販機、カミソリ、電話機、体温計、聴診器、ス
リッパ、衣装ケ−ス、歯ブラシ、砂場の砂、食品包装フ
ィルム、スプレ−等の製品がある。
【0033】
【作用】本発明における抗菌ガラスが優れた抗菌性、耐
変色性を有する機構については、以下のように推定され
る。本発明におけるガラスは高濃度のZnOを含有して
いるため、高い抗菌効果が得られる。一方、SiO2
CaOが特定量配合されていることにより、ZnOを高
濃度で含有するガラス網目構造が安定し、しかも適度の
水溶性を有しているため、耐水性や耐変色性に優れ、か
つ抗菌性、特に抗菌効果の持続性に優れた抗菌ガラスと
なる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。 ○実施例1(抗菌ガラスの調製) 表1に示した組成(抗菌ガラスNo.A,B)の原料調
合物を1000〜1400℃で加熱溶融した後冷却し、
得られたガラスをボ−ルミルにて粉砕して平均粒径約8
μのガラスからなる粉末状抗菌剤を得た。
【0035】
【表1】
【0036】○実施例2 実施例1で得た抗菌ガラスNo.A 5kgをヘンセル
ミキサーに入れ、攪拌しながらγ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン50gを含むエタノール溶液200gを
噴霧し、取り出した後、120℃で12時間加熱処理す
ることにより表面処理を行なった(処理後の抗菌ガラス
を試料No.Cという)。
【0037】○比較例1(抗菌ガラスの調製) 実施例1において抗菌ガラスNo.A、Bの代わりに、
実施例1と同様の方法で表1の組成を持つ抗菌ガラスN
o.D〜Eを得た。
【0038】○試験例1 微粒子シリカを配合したイソフタル酸系不飽和ポリエス
テル樹脂100重量部に対して、実施例1、実施例2及
び比較例1において調製した各種抗菌剤(抗菌ガラスN
o.A〜E)を1.0重量部添加、混合した後、さらに硬
化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド、及び硬
化促進剤としてナフテン酸コバルトを所定量添加し、ゲ
ルコート用塗料組成物No.1〜5を得た。比較のた
め、抗菌ガラスを配合しない塗料組成物No.6を調製
した。成型型の内側にスプレーガンにより塗料組成物を
厚さが約0.5mmとなるように塗布し、室温で硬化さ
せた。引き続き水酸化アルミニウムを50重量%含有す
る基材樹脂組成物を型内に注入、室温で硬化、脱型させ
ることにより表面にゲルコート層を有する人工大理石成
型体を得た。作製した成型体の色彩を目視で確認するこ
とで外観評価とした。
【0039】また、作製した成型体の抗菌力を、以下の
方法により評価した。被検菌には黄色ブドウ球菌を用
い、抗菌性人工大理石成型体を5cm×5cmに切断
し、大理石表面1枚当りの菌数が105〜106個とな
るように菌液0.5mlを表面に滴下し、その上から4.
5cm×4.5cmのポリエチレン製フィルムを被せ表
面に一様に接触させ、温度35℃、湿度95RH%で2
4時間保存した。保存開始から0時間後(理論添加菌
数)及び24時間保存した後に、菌数測定用培地(SC
DLP液体培地)で供試品片上の生残菌を洗い出し、こ
の洗液について、普通寒天培地を用いる混釈平板培養法
(37℃2日間)により生菌数を測定して、抗菌性プレ
ートの5cm×5cm当りの生菌数に換算した。なお、
初発菌数は2.2×105、24時間後のサンプルを用
いずに同様の操作を行った対照の菌数は2.5×105
であった。さらに、試験片を、50℃の温水に500時
間浸漬させた後の外観、及び90℃の温水に16時間浸
漬させた後の抗菌力を評価した。上記の試験の結果を合
わせて表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の抗菌ガラスは、優れた抗菌性、
耐変色性及び耐水性を有しており、抗菌効果を長時間持
続させることができる抗菌剤として極めて有用である。
又、本発明の抗菌ガラスを樹脂に配合し成形した抗菌
性樹脂成形体は、成形加工時及び長時間の保存時及び使
用時における変色等の外観劣化が極めて少なく、かつ安
定して抗菌効果を示す優れた抗菌性製品となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 Fターム(参考) 4G062 AA10 AA15 BB01 CC10 DA03 DA04 DA05 DB01 DC01 DD01 DE05 DE06 DE07 DF01 EA01 EB01 EC01 ED01 EE03 EE04 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM15 NN40 PP13 4H011 AA02 BA01 BB18 BC16 BC18 DA02 DC03 DC10 DD05 4J002 AC011 AC031 AC081 BB031 BB121 BB151 BB181 BB271 BC031 BC051 BC061 BD041 BD091 BD101 BD151 BE021 BF021 BG001 BG101 BN151 CB001 CC181 CF001 CF071 CF211 CG001 CK011 CK021 CL001 CP031 DL006 FA086 FD186

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成成分の合計量を基準として、ZnO
    を40〜80モル%、SiOを5〜35モル%、Ca
    Oを5〜30モル%を含有するガラスからなる抗菌剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の抗菌剤と樹脂とからなる
    抗菌性樹脂成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005002216A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Shin Etsu Polymer Co Ltd 食品包装用塩化ビニル系フィルム
US8034732B2 (en) 2006-03-17 2011-10-11 Koa Glass Co., Ltd. Antimicrobial glass and method of producing antimicrobial glass

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