JP2002000090A - マルチフィルム回収機 - Google Patents

マルチフィルム回収機

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JP2002000090A
JP2002000090A JP2000185126A JP2000185126A JP2002000090A JP 2002000090 A JP2002000090 A JP 2002000090A JP 2000185126 A JP2000185126 A JP 2000185126A JP 2000185126 A JP2000185126 A JP 2000185126A JP 2002000090 A JP2002000090 A JP 2002000090A
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pulley
film
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film collecting
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JP2000185126A
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Moritsugu Senoo
盛次 妹尾
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Minoru Industrial Co Ltd
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Minoru Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチフィルムの巻き取り速度を無段階に変
速可能にすると共に台車をも自走可能にして、作業者の
負担軽減を図る。 【解決手段】 前輪12a、b及び後輪13a、bを含
む台車13上の巻取装置16の駆動をエンジン18より
無段変速機31を介在させて伝達すると共に、エンジン
18で前輪12a、bをも駆動して自走可能にしてい
る。作業者は、無段変速機31を操作してマルチフィル
ムFの巻き取り量に応じて巻き取り速度を調整してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマルチフィルム回収
機に関し、詳しくは、マルチフィルムの巻き取り速度を
調整可能にすると共に台車自体を自走可能にして、マル
チフィルム回収機の使用性を高め、マルチフィルム回収
にかかる作業効率の向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】作物の育成促進等のため畝に被覆された
マルチフィルムは、作物の成長に伴い剥ぎ取って回収す
る必要がある。この回収作業には、従来より種々のマル
チフィルム回収機が使用されている。一般に、マルチフ
ィルム回収機は、車輪を有する台車上でマルチフィルム
が巻き取られるリールをエンジン等で回転させるものが
多い。また、台車の移動には、作業者自身が台車を押す
場合や、巻き取りにかかるマルチフィルムの張力を利用
する場合がある。
【0003】図10(A)は、本出願人が、特願200
0−135011号で開示しているマルチフィルム回収
機1であり、前輪2a及び後輪2bを有する台車2上
に、回転規制フレーム3を介して巻き取りフレーム4を
設け、この巻き取りフレーム4上に、エンジン6と巻取
装置5を設けている。巻取装置5はリール8を取り付け
る回転部5aを有しており、回転部5aがエンジン6に
より回転駆動されマルチフィルムを順次リール8に巻き
取っている。
【0004】なお、台車2上には、上記以外にも揺動装
置9と停止装置7を設けている。揺動装置9は、リール
8の斜め上方に位置し、エンジン6により揺動レバー9
aを上下に揺動させている。マルチフィルムFは揺動レ
バー9aに設けられた案内ローラ9bを介してリール8
へ導かれ、揺動レバー9aの揺動で上下に振られ、地面
から剥がれやすくしている。また、停止装置7は、台車
2の後端に位置し、マルチフィルムFが地面から剥がれ
にくい場合などに、地面との剥ぎ取り角度の変化でマル
チフィルムFが停止装置7を押圧し、この押圧に連動し
て巻き取りを停止させてマルチフィルムFの切断を防止
するものである。
【0005】マルチフィルム回収機1によるマルチフィ
ルム回収作業は、畝Uに敷設されたマルチフィルムFを
折り返してリール8へ導き、マルチフィルムの敷設側に
位置するマルチフィルム回収機1の台車2を図中の黒矢
印方向に作業者が押して移動することで、エンジン6に
より図中時計方向へ回転するリール8にマルチフィルム
Fを巻き取っている。
【0006】また、マルチフィルムFの両側が土中に深
く埋まって剥がしにくい時などは、図10(B)に示す
ように、回転規制フレーム3に沿って巻き取りフレーム
4を台車2の前端を中心に回転することで台車2に対し
て斜めに位置させている。この状態で、マルチフィルム
Fが敷設された畝Uと平行にマルチフィルム回収機1が
移動するように作業者が押して、斜め上方よりマルチフ
ィルムFを巻き取るようにすることもある。
【0007】なお、図10(A)とは逆に、マルチフィ
ルム回収機1をマルチフィルムFの敷設されてない側に
位置させてマルチフィルムFの端部をリール8に導き、
リール8の回転でマルチフィルムFを巻き取ると共に、
巻き取りにかかる張力でマルチフィルム回収機1を敷設
側へ移動させて回収を行う場合もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マルチフィルムFはリ
ール8に順次巻かれていくので、作業が進むにつれ、リ
ール8にマルチフィルムFが巻き取られた部分の半径も
増加していく。すると、リール8の巻き取り箇所の周速
度は巻き取られた部分の半径に比例するため、リール8
の回転数は一定でも、巻き取り速度は徐々に増加してい
く問題がある。
【0009】その結果、巻き取り速度の上昇に合わせて
作業者が台車を移動させる速度も向上させる必要があ
り、作業者は、常に、巻き取り速度の上昇具合に気を配
りながら台車を押す速度を変化させることとなり、作業
者にかかる負担が大きいものとなっている。また、巻き
取り速度の変化に台車の移動速度が追従できなくなる
と、マルチフィルムが引張りに抗しきれず切断されるの
で作業も中断されてしまう。
【0010】上記巻き取り速度は、エンジンの回転数を
アクセルレバーで調整することで、ある程度変化させる
ことも可能であるが、回転数の変動で巻き取りに必要な
回転トルクが得られなかったり、燃料消費量が増大する
等のデメリットが生じるため一般にアクセルレバーで巻
き取り速度を調整することは行われない。
【0011】さらに、マルチフィルムは巻き取りに伴
い、巻き取った量の分だけ台車重量も増加するので、台
車の移動に要する押す力も大きくする必要がある。即
ち、マルチフィルムの全重量は、通常20〜30kg程
度あるので、作業者は作業開始時に比べて巻き取りの終
了頃は上記重量の増加に対応する必要がある上に、上述
した巻き取り速度の変化にも対応する必要があり、ます
ます作業者の負担を大きくさせる要因になっている。
【0012】なお、上記のような作業者にかかる負担を
軽減するため、台車自体の移動をエンジン等で駆動して
自走式にすると共にリールの巻き取り速度を段階的に調
整可能にしているマルチフィルム回収機も存在してい
る。しかし、このマルチフィルム回収機は、台車を移動
させる操縦位置と巻き取り速度の調整部の位置が装置の
構成上離反しているため、巻き取り速度を調整しようと
すると、台車の運転を一旦停止して操縦位置を離れて巻
き取り速度を調整する必要があり、連続して作業が行え
ず作業性および使い勝手が良くない問題がある。
【0013】一方、畝の端で台車の向きを転換する場合
等、高さのある畝を跨いでいる後輪を持ち上げる必要が
あるが、図10(A)のマルチフィルム回収機1は、巻
き取りにより重量が増加するリール8が前輪2aの軸芯
より前方に位置すると共に、前輪2aと後輪2bとの軸
間も短い。よって、リール8の重量が増加している場合
は、台車2の重量バランスが前寄りとなり、移動が安定
しにくいこともあり、また、方向転換時等に台車2の後
側を持ち上げると、台車自体が前方へ反転しそうになる
おそれがある。
【0014】また、リール8に余りマルチフィルムが巻
かれていない場合であっても、台車2のほぼ中央に重量
のあるエンジン6が存在しているので、台車2の後側の
持ち上げに力を要する問題がある。故に、マルチフィル
ムの巻き取り具合にかかわらず何れにしても、台車の後
側を持ち上げて方向を転換させることは作業者にとって
困難なものになっている。
【0015】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
ものであり、リールの巻き取り速度を無段階で調整可能
にして回収機の使用性を高めることを第一の課題として
いる。また、台車自体も自走可能にして作業者の負担を
軽減することを第二の課題としている。さらに、台車自
体の重量バランス等を適切にして、台車の方向転換を容
易に行えることを第三の課題としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、前輪及び後輪を含む台車に、マルチフィ
ルムの巻き取り手段と、該巻き取り手段を回転させる駆
動手段と、を含むマルチフィルム回収機において上記巻
き取り手段と駆動手段との間に、無段変速機を介在させ
て巻き取りに要する動力を伝達し、該巻き取り手段の巻
き取り速度を自在に変化させる構成としていることを特
徴とするマルチフィルム回収機を提供している。
【0017】このように、巻き取り手段を無段変速機を
介して駆動すると、巻き取り速度を無段階で調整できる
ので、マルチフィルムの巻き取り量が増加しても、無段
変速機を操作するだけで巻き取り速度を一定に保つこと
ができる。よって、作業者はマルチフィルムの巻き取り
速度に規制されることなく台車の移動ができ、作業者の
負担を軽減できる。
【0018】上記無段変速機は、駆動手段側の駆動用軸
に取り付けられる出力プーリーと巻き取り手段の被駆動
用軸に取り付けられる入力プーリーとの間で、上記出力
プーリー側と入力プーリー側の何れの方向にも移動可能
な中間プーリーを有し、上記中間プーリーは、中間プー
リの回転軸の軸方向に移動可能な中間板を設けてテーパ
ー形状の二つのベルト用溝を形成し、一方のベルト用溝
には上記出力プーリーにかけられた第一ベルトをはめる
と共に、他方のベルト用溝には上記入力プーリーにかけ
られた第二ベルトをはめて、上記中間プーリーの移動に
よる中間板の移動で、各ベルト用溝のプーリー径が変位
して伝達比を無段階で変化する構成としている。
【0019】上記のように、無断変速機を入出力プーリ
ーに加えて中間プーリーを設け、これらを第一及び第二
ベルトで連結することで、簡易な構成で駆動力を伝達可
能とした上に、中間プーリーの移動で伝達比を無段階に
調整できるので、コストが大きく増大することもなくマ
ルチフィルム回収機に適用でき、メンテナンス等も容易
に行える。
【0020】さらに、上記駆動手段は、台車移動用変速
機を有して、前輪あるいは/および後輪を駆動すること
で台車を自走させる一方、上記無段変速機は上記台車移
動用変速機から独立しており、台車の移動速度にかかわ
らず巻き取り速度を調整可能としている。このように、
駆動手段で台車自体も自走可能にすると、作業者は台車
を押す必要が無くなり、作業者の労力を軽減できる。ま
た、台車の移動と巻き取り手段の駆動はそれぞれ独自の
変速手段で行うことにより、独立して速度を調整でき
る。
【0021】よって、台車の移動速度を速めても巻き取
り速度を適宜調整でき、また、巻き取り速度を速めても
台車の移動速度を適宜調整でき、作業状況に応じて台車
の移動速度および巻き取り速度を夫々独立して適切に調
整できる。なお、上記台車移動用変速機や無段変速機の
操作レバー等は、作業者が把持するハンドル周囲に設
け、台車の移動中も各種操作を素早く行えるようにして
使い勝手を高めることが好ましい。
【0022】また、本発明のマルチフィルム回収機は、
上記巻き取り手段により回収されるマルチフィルムを巻
き付けるリールを前輪の上方に位置させている。回収作
業の進捗により重量の変動するリールを上記位置に設け
ると、重量が変動しても台車の走行時における重量バラ
ンスに影響が生じにくく安定した移動を確保できる。ま
た、台車の方向転換時に台車の後側を持ち上げる場合
も、リールの重量がかかる前輪を支点にして持ち上げを
容易にできる。なお、駆動手段等も前輪より前方で台車
の下方に位置させると、マルチフィルム回収機の低重心
化を図れ、一段と台車を安定して移動できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態にかかる
マルチフィルム回収機を図面を参照して説明する。図
1、2は、本発明にかかるマルチフィルム回収機10を
示しており、前輪12a、12bおよび後輪13a、1
3bを有する台車11上に、回転規制フレーム14を介
在させて巻き取りフレーム15を設けている。
【0024】巻き取りフレーム15上には、巻き取り手
段として回転部35を有する巻取装置16、揺動レバー
41a等を有する揺動装置41、停止装置17を設けて
いる。なお、本実施形態では、リール40を取り付ける
回転部35は、マルチフィルムの巻き取り量により台車
11の前後重量バランスに影響が生じないように、前輪
12の上方となるほぼ真上に位置させている。
【0025】また、台車11の台車フレーム11aの前
方下側には、駆動手段としてエンジン18および台車移
動用の変速機19が固定され、台車フレーム11aの後
方には作業者用の左右ハンドル20a、20bを突出さ
せている。このように重量のあるエンジン18および変
速機19を上記位置に配置することで、マルチフィルム
回収機10を低重心化し、安定した移動を確保してい
る。
【0026】マルチフィルム回収機10の駆動経路は、
図3に示すように、エンジン18から前輪12a、bに
至る台車移動用の駆動経路と、エンジン18から途中、
無段変速機31を介在させて巻取装置16へ至る巻き取
り用の駆動経路を有している。駆動源であるエンジン1
8からの出力の取り出しは、エンジン18に遠心クラッ
チ21を介して変速機19へ伝達している。
【0027】変速機19は前輪駆動用の出力軸19a、
19bを左右に振り分けて設けていると共に、巻取装置
16の駆動用の出力軸19cも設けている。台車移動用
の駆動経路は、出力軸19a、19bにドライブシャフ
ト22a、22bを取り付け、ドライブシャフト22
a、22bの端部に取り付けられたドライブ側のスプロ
ケット23a、23bと前輪12の車軸に取り付けられ
たドリブン側のスプロケット24a、24bをチェーン
25で連結して、前輪12a、12bを駆動している。
なお、変速機19は台車11を前進2段、後進1段で変
速して移動可能にしている。
【0028】なお、図4に示すように、ドライブシャフ
ト22a、22b及び台車フレーム11aより延出する
前輪12の支持アーム25a、25bは、外筒部と内筒
部に分かれ内筒部を伸出可能にして、本回収機10を適
用する畝の幅に合わせて左右の前輪間距離を調整可能に
している。また、後輪13a、13bの車軸26a、2
6bも上記同様の構成にして前輪に合わせて後輪間距離
も調整可能にしている。
【0029】一方、巻取装置16の駆動経路は、出力軸
19cに、出力プーリー27、中間プーリー28、入力
プーリー29を第一及び第二ベルト30a、30bから
なる無段変速機31を介在させて端部にベベルギア(か
さ歯車)32aを有する被駆動用軸である第一中間シャ
フト32へエンジン18の駆動力を伝達している。
【0030】次に、この第一中間シャフト32に対して
鉛直方向に軸芯を有する垂直シャフト33を介在させて
第二中間シャフト34へ駆動力は伝達され、第二中間シ
ャフト34の端部のスプロケット34aと、リール40
が取り付けられる回転部35の回転軸35aのスプロケ
ット35bにチェーン36を介在させて、リール40を
回転させている。なお、第二中間シャフト34は揺動装
置41の揺動レバー41aとも別のチェーン42で連結
され、揺動レバー41aを駆動している。
【0031】上述した垂直シャフト33は、図5に示す
ように、両端にベベルギア33a、33bを設けて、台
車フレーム11aの下方に位置する第一中間シャフト3
2の回転駆動を台車フレーム11aの上側の巻き取りフ
レーム15の上方に位置する第二中間シャフト34へ駆
動力を伝えている。このように巻取装置16の駆動は、
無段変速機より各シャフト32、33、34をギアで連
結しているので、駆動経路を簡易にして、信頼性を向上
させると共にメンテナンス性も良好にしている。なお、
各駆動経路の駆動力の伝達の入り切りは、遠心クラッチ
21等で行っており、左右の前輪12a、bおよび出力
軸19cをそれぞれ独立して伝達の遮断および接続を可
能にしている。
【0032】また、垂直シャフト33は、台車フレーム
11aの長さ方向の略中央でかつ幅方向の中心に位置さ
せており、この位置と巻き取りフレーム15の回転中心
を一致させることにより、巻き取りフレーム15を台車
11の略中心で回転可能にして、従来に比べて回転範囲
を拡大させている。よって、回転規制フレーム14の形
状も、図2に示すように、従来の円弧形状から円形状に
変更している。
【0033】巻取装置16の回転部35の回転数を無段
階で増減させる無段変速機31は、台車フレーム11a
の下方に位置し、図6(A)(B)に示すように、出力
軸19cに取り付けた出力プーリー27と第一中間シャ
フト32に取り付けた入力プーリー29との間に、台車
フレーム11aのガイドバー11bに前後動可能に設け
られたホルダー45に回転自在に軸着された中間プーリ
ー28を設けている。なお、ホルダー45にはロッド4
6の先端が取り付けられており、ロッド46の他端は、
台車11後端のハンドル20a、bの近辺に取り付けた
変速レバー50と連結し、変速レバー50を上下に動か
すことでロッド51を前後させ、中間プーリー28も移
動させるようにしている。
【0034】中間プーリー28は、両側の側板28a、
28bの間に中間プーリー28の回転軸28dの軸芯方
向に移動可能な中間板28cを設けて、二箇所のベルト
用溝29a、29bを形成している。無段変速機31で
使用する第一及び第二ベルト30a、30bは断面が台
形形状のVベルトを使用しているので、上記側板28
a、bおよび中間板28cのベルト接触面は台形形状の
傾斜したベルト側面に合致させたテーパー形状に形成し
ている。なお、出力プーリー27、入力プーリー29の
ベルト用溝もテーパー形状に形成されている。
【0035】中間プーリー28の一方のベルト用溝29
aには、出力プーリー27に掛けられた第一ベルト30
aをはめると共に、他方のベルト用溝29bには、入力
プーリー29に掛けられた第二ベルト30bをはめて、
出力軸19cの駆動力を第一中間シャフト32へ伝達し
ている。
【0036】無段変速機31の変速は、中間プーリー2
8の位置を前後に移動させることにより行っている。図
6(A)(B)は、中間プーリー28が前側へ位置して
いる状態であり、この状態では、第一ベルト30aがは
められた一方のベルト用溝29aは最大のプーリー径と
なっており、一方、第二ベルト30bがはめられた他方
のベルト用溝29bは最小のプーリー径となっている。
この状態より、変速レバー50を操作してロッド46を
後方へ引っ張ると、図7(A)(B)に示すように、中
間プーリー28は後方へ移動する。
【0037】この状態では、出力プーリー27と中間プ
ーリー28との軸間距離は、図6(A)(B)の状態に
比べ、中間プーリー28が移動した分だけ増大している
が、出力プーリー27と中間プーリー28を繋ぐ第一ベ
ルト30aのベルト長は一定である。よって、軸間距離
の増大分を吸収するためには、ベルト用溝29aのプー
リー径を縮径せざるを得ず、上記中間プーリー28の移
動に伴い、中間板28cは側板28bの方へ移動してい
る。一方、入力プーリー29と中間プーリー28との軸
間距離は、上記とは逆に、中間プーリー28の移動分だ
け縮小しており、この縮小に対応するには、ベルト用溝
29bのプーリー径を拡径する必要があり、上記中間板
28cの移動によりベルト用溝29bの拡径にも同時に
対応している。
【0038】上記ベルト用溝29a、29bの変動で出
力軸19cから第一中間シャフト32への伝達比も連続
して無段階で変位している。即ち、中間プーリー28の
側板28a、28bおよび中間板28cのベルト接触面
はテーパー形状なため、ベルトの接触箇所が上記ベルト
接触面に沿って連続して移動するため、連続的に無段階
で伝達比を調整可能にしている。よって、中間プーリー
28を前後移動で、巻取装置16の巻き取り速度も無段
階で調整できる。なお、図6(A)(B)の中間プーリ
ー28の位置は低速状態で、図7(A)(B)は高速状
態であり、中間プーリー28は前側から後側に至る途中
の任意位置で保持して、巻き取り速度を低速から高速の
範囲で任意に設定できる。
【0039】一方、作業者が位置する台車11の後側の
左右ハンドル20a、20b周囲には、各種操作レバー
等を設けており、図2に示すように、左ハンドル20b
の外側方には、上述した中間プーリー28を移動させる
無段変速機31の変速レバー50を設けており、左ハン
ドル20aの内側方には変速機19の移動用変速レバー
51を設けている。さらに、左右ハンドル20a、20
bの端部には左右の前輪12a、12bの伝達の入り切
りを行うサイドクラッチレバー51a、51bを設けて
いる。
【0040】その上、左右ハンドル20a、bを繋ぐジ
ョイントバー52には、右端にエンジンのアクセルレバ
ー53を設け、その近辺には、エンジンのON/OFF
スイッチ54、スターターロープ55aの把持部55を
配置し、中央には巻取装置16の伝達の入り切りを行う
巻取装置用クラッチレバー56を設けている。このよう
にマルチフィルム回収機10の操作に必要なレバー類を
全て左右ハンドル20a、20bの周囲に配置している
ので、作業者は、作業中ハンドル位置にいれば、作業に
必要な操作を全て行うことができる。
【0041】なお、上述した以外の停止装置17や巻き
取りフレーム15の回転位置のロック係止等は従来と同
様の構造にしている。
【0042】次に、上述したマルチフィルム回収機10
を用いたマルチフィルム回収作業を、図8に示すマルチ
フィルムを斜めから剥ぎ取って回収する場合を例にして
説明する。先ず、マルチフィルム回収機10の前輪12
a、12bおよび後輪13a、13bの間隔を本回収機
10が移動する畝の幅に調整して、敷設されたマルチフ
ィルムFと平行に位置させている。次に、巻き取りフレ
ーム15を回転させてマルチフィルムFを斜めから剥ぎ
取る角度に設定すると共に、マルチフィルムFの端部を
折り返して本回収機10の停止装置17と揺動装置41
を経由してリール40に巻き付けている。
【0043】上記状態で、スターターロープ55aを引
っ張ってエンジン18を回転させると共に、移動用変速
レバー51を操作して、台車11を前方へ移動させてい
る。なお、エンジン18の始動と共に巻取装置16の回
転部35も回転を開始してマルチフィルムFの巻き取り
を始めているが、台車11の移動速度に適合してマルチ
フィルムFが弛んだり或いは張りすぎた状態にならない
ように、変速レバー50を操作して適切な巻き取り速度
になるように調整している。
【0044】上記状態で、エンジンの駆動により台車1
1を移動させていくと、マルチフィルムFが順次リール
40へ巻き取られていく。また、マルチフィルムFの巻
き取り量が多くなって、台車11の移動速度に対して巻
き取り速度が速すぎるようになれば、変速レバー50を
操作するだけで、最適な巻き取り速度に設定している。
このように、本回収機10は自走するため、作業者Sは
台車11を押して移動させる必要が無く、方向の微調整
をするためハンドル20a、bに軽く手を添えておくだ
けでよい。また、巻き取り速度の変化に対応して台車の
移動速度を変化させる必要も無いので回収作業にかかる
作業者の負担を軽減している。
【0045】また、畝の端で、本回収機10の方向転換
を行う場合は、図9に示すように、作業者Sが台車11
の後側を持ち上げて、一方の後輪13aが畝Uを越える
ようにする必要がある。しかし、リール40は前輪12
a、bの上方に位置するため、リール40に多量のマル
チフィルムが巻き取られていても、持ち上げの支点とな
る前輪12a、bの荷重が増すだけで、持ち上げに要す
る力には影響を与えない。
【0046】さらに、重量のあるエンジン18及び変速
機19も前輪12a、bの前方に位置させているので巻
き取り量に関係なく容易に持ち上げを可能にしている。
なお、方向転換時は、ハンドル20a、bを把持して持
ち上げると共に曲がりたい方向のサイドクラッチレバー
を握って一方の前輪の駆動を遮断することで小さい回転
半径で曲がれるようにしている。
【0047】また、台車11のみを移動して、巻取装置
16の回転部35を回転させたくない場合は、巻取装置
用クラッチレバー56を握ると回転部35への駆動が遮
断されるので、フィルムが絡まった時なども適切に対応
できるようにしている。なお、本回収機10は、上記以
外にも巻き取りフレーム15を回転させずに台車フレー
ム11aと平行に配置すれば、従来と同様にマルチフィ
ルムの敷設された畝上を移動してマルチフィルムを回収
する作業にも、もちろん適用可能である。
【0048】また、本回収機10は、上記形態に限定さ
れるものではなく、全長を縮める必要性がある場合など
は、エンジン位置等を必ずしも前輪の前方に位置させな
くてもよく、駆動力を高めるため、前輪と共に後輪も駆
動可能にしてもよく、使用状況によっては後輪を駆動さ
せるようにしてもよい。なお、駆動手段には、エンジン
以外にモーターの使用も可能である。さらに、上述し
た、無段変速機のみを従来の作業者が台車を押すタイプ
の回収機に適用して、作業者が台車の移動速度を巻き取
り速度に合わせることなく作業できるようにしてもよ
い。
【0049】
【発明の効果】上記した説明より明らかなように、本発
明にかかるマルチフィルム回収機を適用することで、マ
ルチフィルムの巻き取り量の増大に伴い巻き取り速度が
増大しても、無段変速機により巻き取り速度を作業者が
所要速度に調整できるため、巻き取り速度に左右されず
に回収作業を行える。しかも、上記調整は無段階で可能
なため、作業状況に応じて適宜回転速度をきめ細かく調
整でき、作業者の負担も軽減できる。
【0050】さらに、本回収機は巻取装置を駆動するエ
ンジンを、台車の移動にも利用することで、台車自体を
移動可能にしているため、作業者が台車を押す必要がな
くなり、さらに、作業負担の低減できる。また、台車の
移動速度と巻取装置の巻き取り速度は、連動することな
く独立して変速可能にしているため、巻き取り速度を調
整しても台車の移動速度を一定に保つことができるの
で、安定かつ効率的な回収作業を行える。
【0051】その上、本発明は、リールを取り付ける回
転部を前輪の上方に配置しているので、マルチフィルム
が巻き取られて重量が増加した場合であっても、重量バ
ランスに影響が生じにくく、台車の方向を変える場合
に、後側を持ち上げるときも空車時とほとんど変わらな
い力で持ち上げることができ、マルチフィルム回収機の
扱い易さも確保できる。また、重量のあるエンジン等は
台車の前方下部に位置させて低重心化を図って安定した
移動を可能にすると共に、作業者が把持するハンドル回
りに各種操作に必要なレバー等を配置することで、操作
性も高めて作業効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるマルチフィルム回収機の側面
図である。
【図2】 マルチフィルム回収機の平面図である。
【図3】 駆動経路の概略図である。
【図4】 左側前輪の正面図である。
【図5】 図2のA−A断面図である。
【図6】 (A)(B)は無段変速機の低速位置の概略
図である。
【図7】 (A)(B)は無段変速機の高速位置の概略
図である。
【図8】 マルチフィルム回収作業を示す概略平面図で
ある。
【図9】 マルチフィルム回収機の方向転換状況を示す
概略図である。
【図10】 (A)(B)は、従来のマルチフィルム回
収機の概略図である。
【符号の説明】
10 マルチフィルム回収機 11 台車 11a 台車フレーム 12a、12b 前輪 13a、13b 後輪 14 回転規制フレーム 15 巻き取りフレーム 16 巻取装置 17 停止装置 18 エンジン 19 変速機 20a、20b ハンドル 27 出力プーリー 28 中間プーリー 29 入力プーリー 31 無段変速機 35 回転部 40 リール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪及び後輪を含む台車に、マルチフィ
    ルムの巻き取り手段と、該巻き取り手段を回転させる駆
    動手段と、を含むマルチフィルム回収機において上記巻
    き取り手段と駆動手段との間に、無段変速機を介在させ
    て巻き取りに要する動力を伝達し、該巻き取り手段の巻
    き取り速度を自在に変化させる構成としていることを特
    徴とするマルチフィルム回収機。
  2. 【請求項2】 上記無段変速機は、駆動手段側の駆動用
    軸に取り付けられる出力プーリーと巻き取り手段の被駆
    動用軸に取り付けられる入力プーリーとの間で、上記出
    力プーリー側と入力プーリー側の何れの方向にも移動可
    能な中間プーリーを有し、 上記中間プーリーは、中間プーリの回転軸の軸方向に移
    動可能な中間板を設けてテーパー形状の二つのベルト用
    溝を形成し、 一方のベルト用溝には上記出力プーリーにかけられた第
    一ベルトをはめると共に、他方のベルト用溝には上記入
    力プーリーにかけられた第二ベルトをはめて、上記中間
    プーリーの移動による中間板の移動で、各ベルト用溝の
    プーリー径が変位して伝達比を無段階で変化する構成と
    している請求項1に記載のマルチフィルム回収機。
  3. 【請求項3】 上記駆動手段は、台車移動用変速機を有
    して、前輪あるいは/および後輪を駆動することで台車
    を自走させる一方、 上記無段変速機は上記台車移動用変速機から独立してお
    り、台車の移動速度にかかわらず巻き取り速度を調整可
    能としていることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のマルチフィルム回収機。
  4. 【請求項4】 上記巻き取り手段により回収されるマル
    チフィルムを巻き付けるリールを前輪の上方に位置させ
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項に記載のマルチフィルム回収機。
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