JP2001524306A - ガラス化による不安定な生物学的サンプルの保存 - Google Patents

ガラス化による不安定な生物学的サンプルの保存

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、外界温度で無定形で非常に粘性の高いまたはガラス状態で脱水することによる、生物学的に活性な分子、細胞および小多細胞試料を含む産業規模の生物学的溶液および懸濁液の長期保存法を開示する。スケールアップ法は、減圧下でボイルして機械的に安定な泡を形成させる第1の乾燥工程と、安定性を増大させる第2の乾燥工程とを包含する。ガラス化は、ガラス転移温度より低い貯蔵温度に物質を冷却および乾燥することによって最終的に達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 〔発明の背景〕 本発明は、生物学的に活性な分子、ウイルス(ワクチン)、細胞および小多細
胞試料を含む溶液および懸濁液の保存法に関する。より詳細には、本発明は、こ
れらの外界温度で不安定な生物学的物質の、脱水され、非常に粘性の高い無定形
の液体またはガラス状態(glass state)での長期貯蔵法に関する。
【0002】 生物学的に活性な物質、ウイルス、細胞および小多細胞試料の溶液または懸濁
液の保存および貯蔵は、食料および微生物産業、農業、医学および研究目的に重
要である。脱水された生物学的に活性な物質の貯蔵は、多大な利点を有する。脱
水された試薬、物質および細胞は重量が減少し、より小さな貯蔵のスペースで澄
むだけでなく、安定も増大する。
【0003】 脱水形態における不安定な生物学的物質の安定性を増大させた調製物を提供す
るための先行技術における提案には、凍結乾燥および減圧または風乾が含まれる
。凍結乾燥物質は産業規模に拡大可能であるが、このような方法によって乾燥さ
れた物質は、外界温度での長期保存は不可能である。さらに、凍結乾燥の凍結工
程は、多くの不安定な生物学的物質に非常に損傷を与える。あるいは、化学的な
分解反応がこのような乾燥調製物において進行し続け得るので、減圧および風乾
法では、産業規模に拡大可能で外界温度での長期保存に対して安定な生物学的物
質の調製物を生産しない。
【0004】 凍結および乾燥のストレスに対して生物学的物質を安定化させることが見出さ
れている保護分子(特に、炭水化物)を添加することによって、凍結および乾燥
による保存に関するいくつかの問題に取り組んでいる。しかし、保護剤の存在に
も関わらず、拡散による化学的分解反応を阻害するために長期的安定にはいまだ
低温貯蔵が必要であり得る。従って、外界温度で不安定な生物学的物質の長期保
存を提供するためのさらなる新規の方法が考察されている。
【0005】 外界温度での乾燥物質の貯蔵は、低温貯蔵を必要とする場合と比較した場合費
用効果があるだろう。さらに、ワクチンおよびホルモンなどの生物学的物質の外
界温度のでの貯蔵は、たいてい冷蔵が不可能な第三世界に現代医療を持っていく
のに非常に価値がある。生物学的試料の保存の多くの利点は評価されているので
、研究者らは長期保存中の分解プロセスに対して生物学的物質を保護する手段と
してガラス化を利用するように努力している。その結果、「ガラス」状態を達成
するこの技術は、今後最初の保存技術として出現すると予想されている。
【0006】 ガラスは、最初は液体状態である物質の連続的な不十分な冷却によって得られ
る無定形の固体状態である。ガラス化された物質(つまり、ガラス)の分散は、
非常に低速で生じる(例えば、ミクロン/年)。その結果、1つを超える部分の
相互作用を必要とする化学的または生物学的変化は、実質的に完全に阻害される
。ガラスは、通常均質で透明な脆性の固体であり、すり潰すか粉砕して粉末にな
り得る。ガラス転移温度(Tg)として公知の温度を超えると、粘性は急速に低下
し、ガラスは変形可能になり、その物質はさらにより高温で液体に変わる。長期
貯蔵用のガラス化のさらなる利点は、Tgが貯蔵温度を超える条件下でのみ安定で
あり得る。Tgは水の存在量に直接依存し、それにより水和のレベル、水の減少、
Tgの上昇を調節することによって改変することができる。
【0007】 残念ながら、不安定な生物学的物質に外界温度での長期安定性を付与する手段
としてのガラス化技術の利点は完全には利用されていない。乾燥による外界温度
での保存の現在の方法は、非常に少量の物質の研究室での処理用にデザインされ
ている。その結果、このような方法は、大規模の商業的操作には適用できない。
ガラス転移温度の監視に関する他の技術的問題は、商業的発展の妨げにもなって
いる。従って、乾燥およびガラス化技術が生物学的物質の拡大可能な長期保存法
として潜在的に魅力的であるが、市場性を高めることができるガラス状態での保
存の利点の前に克服すべき問題が残されている。
【0008】 〔発明の要旨〕 -15℃〜70℃の温度範囲の減圧下でボイルすることによってサンプルを乾燥す る工程を包含する、不安定な生物学的物質を含む溶液および懸濁液の産業規模で
の保存法を開示する。濃縮溶液の薄い無定形フィルムからなる機械的に安定な(
mechanically-stable)泡を形成する。このような泡は、減圧下で貯蔵したとき 、-20℃で少なくとも1時間崩壊しない。安定性を増大させるために、泡を0〜1
00℃の温度範囲の減圧下で、少なくとも12時間を超える時間さらに乾燥させるこ
とができる。ここで、乾燥温度は、0〜70℃の範囲内で選択された所望の貯蔵温
度より高い温度である。
【0009】 ガラス状態での生物学的溶液および懸濁液の長期保存を得るために、機械的に
安定な泡は、0℃〜100℃の範囲で、ガラス転移温度を増大させるのに十分な期 間0〜70℃の範囲内の選択された貯蔵温度を超える温度に減圧下で乾燥する第二
の工程に供することができる。最後に、非還元単糖類、二糖類(スクロースなど
)および生物学的ポリマーを含む、前記の乾燥およびガラス化プロセスの間に細
胞およびウイルスの保護するための組成物が開示される。
【0010】 〔発明の詳細な説明〕 外界またはそれより高い温度での生物学的物質の保存手段としてのガラス化の
開発を意図するために、出願人は、ガラス化プロセスに存在する特定の理論的制
限が完全に認識されていないことを発見した。結果として、先行技術でクレーム
された多くのガラス化では、生物産業および製薬産業でガラス化の利点を利用す
る際に導かれる努力を妨げ誤解させる技術的欠点が含まれる。多くの先行技術の
ガラス化法にはいくつかの潜在的な欠点が存在する。第一に、Tgを同定するため
の標準的な方法である、示差走査熱量測定(「DSC」)は単一の糖およびその混 合物には信頼できるが、生物学的サンプルを安定化させるために頻繁に使用され
るフィコールおよびヒドロキシエチルスターチなどのポリマー溶液には信頼でき
ない。実際、出願人は、最近、1997年のSociety of Cryobiology会議で、ヒドロ
キシエチルスターチの濃縮液で比熱の変化が非常に小さく(DSCでの検出不可能 )、乾燥サンプルにおける広範な温度範囲を超えて生じることを証明している。
その結果、実際の目的のための重合物質の相変化はDSCによって検出不可能であ る。
【0011】 第1図は、室温(第1A図)および70℃(第1B図)で5日間の第2の乾燥後
のスクロースおよびラフィノース(左側のパネル)の1:1混合物についてのDS
Cスキャン(2℃/分で行った)および室温(第1C図)および70℃(第1D図)
で5日間乾燥されたフィコール(右側のパネル)について得られたそれらのDSC の結果の比較を示す。スクロース−ラフィノースについてのTgを、明確に識別で
きる変曲点を参考にして測定した。スクロース−ラフィノースについてのTgは、
乾燥温度が室温での乾燥後では1.86℃および70℃での乾燥後では59.71℃で劇的 に増加する。それに対して、フィコールについては、図1(第1C図および第1
D図)に示されるように明確な意味のある変曲点は認められない。従って、フィ
コールのようなポリマーの保護剤の存在下において脱水された生物学的サンプル
のDSCによるTgの評価は、信用できない。
【0012】 ガラス化法における別の技術的制限は、広く一般には認識されていないようで
あるが、脱水が水分子の拡散によって制限されるプロセスであることである。サ
ンプルが乾燥されるにつれて、サンプルの粘稠性がより高くなるので拡散および
その結果としての脱水が減速し、ガラス状態に近づくと実質的に停止する。従っ
て、更なる脱水は不可能である。同様に、Tgは達成される脱水レベルに依存する
ので、Tgの更なる増加は不可能である。従って、一定の静水圧で脱水温度を超え
るTgを達成するのは技術的に不可能である。その結果、ガラス状態は、その後の
冷却のみを行うことができる。従って、X℃より高いTgを得るためにX℃で乾燥さ
せる工程を開示した先行技術文献は不可能であり、おそらくDSCによるTgの間違 った測定に基づいている。
【0013】 多くの先行技術の方法が外界貯蔵温度(すなわち、Tg>20℃〜30℃)でのガラ
ス状態を達成したと主張しているが、これは比較的短い脱水期間および低い脱水
温度で証明されている。このような開示は、実際には、理論的理由付けおよび経
験的な方法が真のガラス化を妨げているという欠点を含んでいる。これらの方法
は、せいぜい非常に粘度の高い液体状態を達成しているだけだが、ガラス状態は
現れていないであろう。先行技術の方法では操作不可能であることを示すために
、第2図は、Tgの3つの異なる温度における第2の乾燥時間の依存性を示す。ス
クロースおよびラフィノースの1:1混合物溶液(10μl)を、最初に室温で一 晩減圧下で乾燥させ、その後、表示温度で第2の乾燥を行った。Tgは単糖の混合
物では信頼性のあるDSCで測定した。フィコールはスクロースのポリマーである ので、スクロースのTgを引き上げるために必要とされる条件が等量のスクロース
濃度を有するフィコール溶液と類似することを推論するのに妥当である。明らか
に、Tgは乾燥温度を決して超えない。例えば、第2の乾燥時間は、Tgを室温に近
づけるためには70℃でさえも12時間を超えるはずである(第2図)。
【0014】 一般に認められていないが、ガラス化の市場的開発に非常に重要な別の技術的
制限は、乾燥時間が水の分散係数に反比例し、サンプルサイズの平方に比例する
ことである。その結果、70℃での10μlの球状の一滴のスクロース−ラフィノー ス混合物の脱水には、25℃より高いTgに達するのに12時間を超える時間を必要と
する(第2図を参照のこと)。しかし、70℃で同じTgに達するには、100μlのサ
ンプルでは55時間、1mlのサンプルでは258時間を超える時間がかかるであろう。
同様に、50℃での10μlのスクロース−ラフィノースサンプルの脱水には、室温 以上のTgに引き上げるのに2日以上の時間を必要とする。しかし、100μlのサン
プルについては9日、1mlのサンプルについては43日を超える時間がかかるであ ろう。従って、サンプルサイズにおける制限は、ガラス化技術による大量生産の
開発を妨げる結果となる。
【0015】 ガラス化の利点を利用する工業的試みのうち、Walkerら(米国特許第5,565,31
8号)は、少なくとも1つの生物学的に活性な試薬ならびに炭水化物、炭水化物 の誘導体、糖の混合物、およびタンパク質(特に、フィコールポリマー)などの
ガラス形成賦形剤を含む半球体の試薬の作製法を記載している。見かけの「ガラ
ス状の多孔性組成物」は、10℃〜50℃の温度の減圧下で、1〜4時間(好ましく
は、10℃で1時間)、300 Torrで乳濁液の小滴の脱水によって達成される。一方
、Walkerは、30℃と45℃の間のTgで達成される限り他の乾燥プロフィール(時間
および温度範囲)を使用することができることを示しているが、30℃のTgは10℃
での脱水を決して達成できないであろう(第2図を参照のこと)から、この方法
は操作不可能である。誤って上昇したTgはフィコールベースの貯蔵媒体中で乾燥
したサンプルについてWalkerがDSCによって測定した。従って、Walkerはガラス 化状態での生物学的サンプルの貯蔵を開示しているが、この文献ではガラス化プ
ロセスの理論的拘束および技術的困難性を認識または克服することができない。
【0016】 同様に、Jollyら(米国特許第5,250,429号)は、制限酵素の保存のためのガラ
ス化技術の特定の適用をクレームしている。炭水化物の安定剤(好ましくはフィ
コール)および制限酵素を含むガラス化組成物の作製用のこの方法は、室温の減
圧下で一晩脱水し、その後50℃でさらに2時間乾燥させる工程を包含する。最終
的に「ガラス化」された化合物は、少なくとも30℃の好ましいTgおよび20℃の貯
蔵温度を有する。しかし、この文献によって開示された50℃での短時間のインキ
ュベーションは、室温を超えるTgを上昇させるには不十分であろう。
【0017】 Franksら(米国特許第5,098,893号)は、室温で生物学的物質に貯蔵安定性を 付与するためのガラス化法を記載している。見かけの「ガラス状の無定形状態」
は、炭水化物キャリア物質および少なくとも1つの貯蔵すべき物質を含む混合物
の脱水によって生産される。いくつかのガラス化プロトコールが開示されている
。好ましくは、最初の乾燥インキュベーションは、減圧下で20℃と30℃との間の
温度で24時間〜36時間行われる。次いで、Tgが十分に上昇した後(DSCで約30℃ であると同定された)、第2の蒸発を40℃〜70℃で2時間行う。少なくとも30℃
のTgが、室温(20℃)で安定な貯蔵を可能にするのに十分である。残念ながら、
Franksらは、Jollyらのように、乾燥ポリマーのDSC測定を誤っており、室温を超
えるTgを得るために十分に上昇させた温度での乾燥時間を明らかに過小評価して
いた(第2図を参照のこと)。
【0018】 生物学的試料を保存するために使用した本発明のガラス化法は、第1の乾燥工
程および第2の乾燥工程(これらによって得られた選択された貯蔵温度を超える
温度での脱水は、所望の貯蔵温度を超える温度にTgを増加させるのに十分である
)ならびに乾燥物質をガラス化を達成するための貯蔵温度に冷却する工程を包含
する。機械的に安定な多孔性構造の最初の形成工程に加えて、サンプルを4Torr
未満の減圧下でボイルすることにより、大量の生物学的物質を処理するための保
存法のスケールアップを促進する。さらに、ポリマー物質のTgの測定用にデザイ
ンされた熱刺激減極電流(TSDC)技術の適用によって、糖ポリマーを用いて安定
化された生物学的物質におけるガラス化プロセスの監視を信頼することができる
。従って、本発明の方法は、選択された貯蔵温度を超えるTgを有するガラス状態
の乾燥生物学的物質を生産し、それによりこれらの不安定な物質の長期保存を可
能にする。
【0019】 本発明の方法によって保存することができる生物学的に活性な物質には、ペプ
チド、タンパク質、抗体、酵素、補酵素、ビタミン、血清、ワクチン、ウイルス
、リポソーム、細胞および特定の小多細胞試料を含む生物学的溶液および懸濁液
が含まれるが、これらに限定されない。上昇させた温度での生物学的試料の脱水
は、例えば、使用した温度が適用可能なタンパク質の変性温度を超える場合非常
に有害であり得る。温度上昇に関連する損傷からサンプルを保護するために、脱
水プロセスは本発明の工程で行うことができる。第1の脱水は、生物学的活性の
損失なく脱水させるのに十分に低い温度で行われるべきである。零下での脱水が
好ましい場合、減圧下で部分凍結状態から脱水を適用することができる。あるい
は、サンプルが高温で安定な場合、吸引または風乾技術を使用することができる
【0020】 種々のポリオールおよびポリマーが当該分野で公知であり、それらが乾燥およ
び貯蔵に耐えるための生物学的に活性な物質の能力を増大させ、かつ特定の生物
学的活性を干渉しない限り、保護剤として機能することができる。実際、保護分
子は、脱水中の生物学的物質の安定化に加えて保存中の他の利点を提供する(泡
形成の補助として以下を参照のこと)。これらには、グルコース、マルトース、
スクロース、キシルロース、リボース、マンノース、フルクトース、ラフィノー
スおよびトレハロースなどの単糖、ソルビトールのような炭水化物誘導体、ポリ
エチレングリコール、ヒドロキシエチルスターチ、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリルアミド、ポリエチレンイミンなどの合成ポリマーならびにフィコールお
よびデキストランのような糖のコポリマーおよびそれらの組み合わせが含まれる
がこれらに限定されない。タンパク質もまた、保護剤として機能する。
【0021】 本発明の1つの実施形態では、細胞またはウイルスが保存される場合、保護組
成物は、低分子量の糖、二糖類、および高分子量の生物学的ポリマーの混合物を
さらに含むことができる。低分子量の糖を使用して脱水中の細胞内構造を浸透し
て保護する。低分子量で浸透性の糖は、中性またはより高いpHで非還元性の種々
のケトースまたはメチル化単糖から選択することができる。非還元ケトースには
六炭糖(フルクトース、ソルボースおよびピスコー)、五炭糖(リブロース、キ
シルロース)、四炭糖(エリトルロース)および三炭糖(1,3−ジヒドロキシジ メチルケトン)が含まれる。メチル化単糖は、グルコ、マンノおよびガラクトピ
ラノシドのαおよびβメチル化形態である。メチル化五炭糖化合物は、アラビノ
およびキシロピラノシドのαおよびβ形態である。スクロースのような二糖類は
、それらが生物学的膜および高分子の表面上で水和している水と置換されるので
乾燥中の効果的な保護剤として公知である。さらに、出願人は、減圧下で乾燥さ
せた場合、スクロースは、濃縮糖の薄い無定形のフィルムからなる安定な形態に
効果的に変換することができることを見出した。
【0022】 出願人はまた、フルクトースのような低分子の非還元糖とスクロースのような
二糖類との組み合わせは、脱水中の二糖類の結晶化を効果的に阻止することを見
出した。最終的に、ポリマーを使用して混合物のガラス転移温度を増加させるが
、これは低分子量の単糖類の封入によって減少させることができる。濃縮糖溶液
中で溶解性の高い全ての生物学的ポリマーが機能する。例えば、フィコールおよ
びデキストランのような多糖類ならびにヒドロキシエチルスターチ、ポリエチレ
ングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドのような合成ポリマ
ーならびに高溶解性の天然または合成バイオポリマー(例えば、タンパク質)は
、生物学的膜の安定化およびTgの増加の一助となる。
【0023】 乾燥およびガラス化工程のスケールアップを促進するために、第1の乾燥工程
には、減圧下でのボイルによって機械的に安定な多孔性構造の形成を包含するこ
とが好ましい。この機械的に安定な多孔性構造、すなわち「泡」は、濃縮糖の薄
い無定形のフィルムからなる。このような泡は、減圧下の20℃で維持した場合少
なくとも1時間崩壊しない。より好ましくは、機械的に安定な泡は、減圧下での
70℃までの温度で貯蔵された場合少なくとも3日間崩壊しない。泡形態は、特に
、ガラス化前の大量のサンプルの効果的な乾燥および工業的的用途に適切な容易
に分割することができる製品の調製を補助するのに適する。好ましくは、減圧下
でボイルする前に、希薄な物質を水の部分的な除去によって濃縮して粘稠性溶液
を形成する。この濃縮は液体または部分的な凍結状態からの蒸発、逆浸透、他の
膜技術、または当該分で公知の任意の他の濃縮法によって達成することができる
。あるいは、いくつかのサンプルは、糖保護剤の添加後十分に粘稠性であり得る
。その後、実質的に100℃未満の温度でのさらに乾燥している間にボイルさせる ために、還元/粘稠性の液体をさらに強い減圧に供した。言い換えれば、生物学
的に活性な物質の粘稠性溶液または懸濁液を減圧してボイルの間に溶液または懸
濁液に泡を形成させ、そして泡形成プロセスの間に更なる溶媒の除去によって機
械的に安定なオープンセルまたはクローズドセルの多孔性泡を最終的に生産させ
る。
【0024】 濃縮された粘稠性溶液を生産するための最初の蒸発を促進するために低い減圧
(0.90〜0.1atmの範囲)を適用することができるが、さらにより強い減圧(0〜
24Torr)を使用してボイルさせる。ボイル工程用の減圧は好ましくは、0〜10 T
orrであり、最も好ましくは4Torr未満である。この文脈におけるボイル工程と は、水蒸気を含むが空気または他の気体を含まない泡の核形成および成長を意味
する。実際、いくつかの溶液において、室温での弱い減圧によって溶解気体を除
去するのに有利であり得る。このような「ガス抜き」は、溶液の乾燥容器からの
噴出を防止するための一助となり得る。一旦溶液が十分に濃縮されて粘稠性を有
すると、ボイルおよび泡形成を調節するために強い減圧を適用することができる
。最初の蒸発の間の5〜70重量%の範囲での上記の保護分子の濃縮はその後の強
い減圧下での凍結防止の一助となり、粘稠性を付加するので、泡形成を促進する
が調節不可能な噴出を防止する。
【0025】 圧力または温度の迅速な増加は、泡を崩壊させる可能性がある。この場合、多
孔性構造の機械的安定性を促進するために、界面活性剤を添加することができる
が、これらの添加物が乾燥した泡への変換が意図される溶質の生物学的活性に干
渉しない場合に限る。さらに、保護ポリマーの乾燥はまた、多孔性構造の機械的
に安定させる。本発明で調製された泡は、減圧下で、N2のような乾燥気体およ び/または化学乾燥剤中で、第2の乾燥工程またはその後のガラス化の前、また
は細分もしくは粉砕前、またはそれらの元の生物学的活性を回復させるための再
水和前に貯蔵することができる。
【0026】 乾燥プロトコールと減圧下でのボイルとを組み合わせた本発明が一旦認識され
ると、最も簡単な実施形態では、本発明の装置は減圧ポンプと温度調節デシケー
ターデバイスとの新規の組み合わせであると理解することができる。このような
組み合わせの選択可能な部品には、温度および静水圧測定用のセンサー、加熱お
よび減圧(0〜24 Torrの範囲)調節器ならびにこれらおよび他のセンサーから 回収したデータに基づく他のプロセスのパラメータ計算用のマイクロプロセッサ
ーなどが含まれる。このようなデバイスは、乾燥のための新規の二次元減圧およ
び温度プロトコールの実行を可能にする。
【0027】 以下の作業実施例は、機械的に安定な多孔性の泡の形成を例示する。
【0028】 (1)59.4単位/mlの活性を含むSigma Chemical社の50%グリセロールイソシ
トレートデヒドロゲナーゼ水溶液を、0.1M TRIS HCl緩衝液(pH 7.4)中で5時 間透析した。0.1M TRIS HCl溶液での透析後のイソシトレートデヒドロゲナーゼ の活性は、26±1.8単位/mlであった。活性の減少は、透析中の希釈による酵素 濃度の減少に関連する。
【0029】 0.1M TRIS HCl緩衝液(pH 7.4)中の50μlの50重量%のスクロース溶液および
50μlのイソシトレートデヒドロゲナーゼ懸濁液を含む100μlの混合物を、1.5ml
のプラスチックチューブに入れ室温での乾燥によって保存した。第1に、サンプ
ルを減圧下(0.2atm)で4時間乾燥させた。第2に、サンプルを強い減圧下(0.
01atm未満)で4時間ボイルした。この工程の間、機械的に安定な乾燥泡がチュ ーブ内で形成された。第3に、サンプルを減圧下の室温でDRIERITEにて8日間貯
蔵した。
【0030】 8日後、サンプルを500μlの水で再水和した。乾燥泡を含むサンプルの再水和
は、数秒で完了する容易なプロセスであった。再構成したサンプルを、NADPを還
元する能力を340nmでの分光測定でアッセイすることによって活性をアッセイし た。反応混合物には、2ml 0.1M TRIS HCl緩衝液,pH 7.4、10μlの0.5重量%NA
DP+、10μlの10mM MnSO4、10μlの50 mM 1−イソシトレートおよび10μlのイ ソシトレートデヒドロゲナーゼ溶液が含まれる。活性は、2.6±0.2単位/mlであ
り、これは乾燥およびその後の室温での貯蔵中に活性の損失がなかったことを意
味する。
【0031】 (2)50μlの50重量%スクロースおよび50μlの氷核形成細菌((INB)Pseud
omonas Syringae ATCC 53543)懸濁液を含む混合物(100μl)を、1.5 mlのプラ
スチックチューブに入れ、室温で乾燥することにより保存した。第1に、サンプ
ルを減圧下(0.2atm)で4時間乾燥させた。第2に、サンプルを強い減圧下(0.
01atm未満)で4時間ボイルした。強い減圧下でボイルした後、機械的に安定な 多孔性の泡がチューブ内で形成された。第3に、サンプルを減圧下の室温でDRIE
RITEにて8日間貯蔵した。
【0032】 8日後、サンプルを500μlの水で再水和した。乾燥泡を含むサンプルの再水和
は、数秒で完了する容易なプロセスであった。次いで、該サンプルを、コントロ
ールサンプルとの比較のため、氷核形成活性についてアッセイした。本方法によ
って保存したサンプルとコントロールサンプルにおける1,000個の微生物あたり の氷核形成活性の間には有為な差が認められないことを見出した。
【0033】 (3)氷核形成細菌(INB)Pseudomonas Syringae ATCC 53543とスクロースと
の1:1混合濃縮懸濁液を含むサンプルを使用した。サンプルを全てのスクロー
ス結晶が溶解するまで混合することにより、最終懸濁液はスクロース50重量%に
なった。該懸濁液を20mlバイアルに入れ、2gの懸濁液を各バイアル内に入れた 。バイアルを減圧チャンバー内で乾燥した。これらバイアルを、チャンバー内の
ステンレススチール棚の表面に置いた。棚の温度を、循環エチレングリコール/
水不凍液で棚内の調節温度に調節した。減圧を行う前に、棚温度を5℃に下げた
。次いで、チャンバー内の静水圧を、0.3 Torrに下げた。これらの条件下で懸濁
液を30分間ボイルした。棚温度をゆっくりと(30分間)25℃まで上昇させた。こ
れらの実験条件下で、バイアル内で視覚的に安定な乾燥泡が、3時間以内に形成
された。その後、サンプルを、室温の減圧下で1日を超える期間維持した。サン
プルを10 mlの0.01M リン酸緩衝液で再水和した後、保存INBの氷核形成活性を測
定した。氷核形成活性を、-5℃で5分間10μlの緩衝液滴中で氷結晶を核形成す ることができる氷核形成中心の濃度として測定した。アッセイの結果は、保存サ
ンプルの新鮮なコントロール中の核形成活性を示す。
【0034】 (4)その後の使用のために、濃縮INB懸濁液を-76℃に凍結した。6gの凍結 懸濁液を、4℃で融解し、4gの9:1スクロース:マルトリン混合物と混合し た。サンプルを糖が完全に溶解するまで混合することにより、最終的に懸濁液は
35重量%のスクロースおよび4重量%マルトリンを含んだ。懸濁液を20mlバイア
ルに入れ、2gの懸濁液を各バイアルに入れた。バイアルを減圧チャンバー内で 乾燥した。バイアルを、チャンバー内のステンレススチール棚の表面に置いた。
棚の温度を、循環エチレングリコール/水不凍液で棚内の調節温度に調節した。
減圧を行う前に、棚温度を5℃に下げた。次いで、チャンバー内の静水圧を、0.
5 Torrに下げた。この条件下で懸濁液を30分間ボイルした。次いで、棚温度をゆ
っくりと(30分間)25℃まで上昇させた。これらの実験条件下で、バイアル内で
の視覚的に安定な乾燥泡が、2.5時間以内に形成された。いくつかのバイアルを 減圧チャンバーから取り出し、チャンバーを再び減圧した。その後、温度を50℃
に上昇させ、残りのサンプルを減圧下で7日間維持した。
【0035】 サンプルを10 mlの0.01M リン酸緩衝液で再水和した後、保存INBの氷核形成活
性を測定した。氷核形成活性を、-5℃で5分間10μlの緩衝液滴中で氷結晶を核 形成する氷核形成中心の濃度として測定した。
【0036】 本発明者らは、25℃での乾燥後に減圧チャンバーから取り出したサンプルの氷
核形成活性は、凍結融解INBの初期活性の約50%であることを見出した。(氷核 形成活性の測定における相対標準誤差は20%未満である。)INBの凍結は氷核形 成活性を有為に減少させないことが公知であるので、本実験において認められた
活性の50%減少は、おそらく、さらなる凍結工程がINBの乾燥による保存に対す る感受性が増加したことによる。同時に、本発明者らは、50℃での減圧下でさら
に7日間の乾燥後のINBの活性の更なる減少は認められなかった。
【0037】 (5)1mlの60重量%スクロース溶液を、減圧チャンバー内の20mlガラスバイ
アルに移した。バイアルを、チャンバー内のステンレススチール棚の表面に置い
た。棚の温度を、循環エチレングリコール/水不凍液で棚内の調節温度に調節し
た。本実験の棚温度を20℃に維持した。チャンバー内の静水圧を、0.3 Torrに維
持した。このような条件下で溶液をゆっくりとボイルして、無定形状態での濃縮
スクロースを含む薄いフィルムからなる泡を形成させた。これらの実験条件で、
バイアル内に視覚的に安定な乾燥泡を形成するのに2〜3時間かかる。
【0038】 (6)ウロキナーゼの凍結乾燥サンプルを、2mlの40重量%スクロースで再水
和した。次いで、乾燥による更なる保存用に、溶液を20ml滅菌ガラスバイアルに
移した。乾燥前に、グレイスロットのゴム製のストッパーでバイアルを覆った。
バイアルを減圧チャンバー内で乾燥した。バイアルを、チャンバー内のステンレ
ススチール棚の表面に置いた。棚の温度を、循環エチレングリコール/水不凍液
で棚内の調節温度に調節した。減圧を行う前に、棚温度を5℃に下げた。次いで
、チャンバー内の静水圧を、0.5 Torrに下げた。このような条件下で懸濁液を30
分間ボイルした。棚温度を30分間でゆっくりと25℃まで上昇させた。これらの実
験条件下で、バイアル内に視覚的に安定な乾燥泡を3時間で形成させた。更なる
12時間の室温での乾燥後、温度をさらに24時間で45℃に上昇させた。その後、チ
ャンバーを乾燥N2ガスで満たした後、ゴム製のストッパーを押し下げて、形付 けをしたアルミニウムシールでバイアルをシールした。
【0039】 サンプルを、乾燥直後および40℃で30日間の貯蔵後にアッセイした。ウロキナ
ーゼの乾燥後、活性は初期の活性の93%であった。この減少は、最初のバイアル
からウロキナーゼを乾燥するためのバイアルに移したときのウロキナーゼの損失
に関連した。40℃で30日の貯蔵後、活性は90%であった。言い換えれば、40℃で
1カ月間の貯蔵の間のウロキナーゼ活性の更なる有為な減少は認められなかった
【0040】 (7)アンホテリシンBの凍結乾燥サンプルを、バイアルあたり5mlの40重量
%スクロースで再水和した。次いで、乾燥による更なる保存用に、溶液を50ml滅
菌ガラスバイアルに移した。乾燥前に、グレイブチルスロットのゴム製のストッ
パーでバイアルを覆う。バイアルを減圧チャンバー内で乾燥した。バイアルを、
チャンバー内のステンレススチール棚の表面に置いた。棚の温度を、循環エチレ
ングリコール/水不凍液で棚内の調節温度に調節した。減圧を行う前に、棚温度
を5℃に下げた。次いで、チャンバー内の静水圧を、0.5 Torrに下げた。このよ
うな条件下で懸濁液を30分間ボイルした。次いで、棚温度をゆっくりと(30分間
)25℃まで上昇させた。これらの実験条件下で、バイアル内の視覚的に安定な乾
燥泡は、3時間後に形成された。更なる12時間の室温での乾燥後、チャンバーを
乾燥N2ガスで満たし、バイアルの一部のゴム製のストッパーを押し下げた。バ イアルをチャンバーから取り出した後、形付けをしたアルミニウムシールでシー
ルした。サンプルを、乾燥直後および27.5℃および40℃で30日間の貯蔵後にアッ
セイした。結果を、次の実験で得られた結果と共に表1に示す。
【0041】 アンホテリシンBの別のセットの凍結乾燥サンプルを、バイアルあたり5mlの
40重量%スクロースで再水和した。次いで、上記と同様に乾燥による更なる保存
用に、溶液を滅菌ガラスバイアルに移し、さらに45℃で24時間乾燥させた。その
後、チャンバーを再び乾燥N2ガスで満たし、ゴム製のストッパーを押し下げ、 バイアルをシールした。サンプルを、乾燥直後および27.5℃および40℃で30日間
の貯蔵後にアッセイした。結果を、表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】 乾燥直後のアンホテリシン活性の減少は、アンホテリシンを最初のバイアルか
ら乾燥させるバイアルに移す間のアンホテリシンの損失に関する。アッセイの結
果(表1)は、有効性の損失は、25℃での乾燥中の最高温度を有するサンプルの
みに検出された一方で、40℃での貯蔵では検出されず、これは本発明者らの請求
項と一致することを示す。
【0044】 (8)Stratagene社のE. coli(Epicurian Coli XL-10-GOLD)の凍結(-78℃ )懸濁液を含む1.5mlチューブを氷浴で解凍した。100μlアリコートを50mlのNZY
Mブロス(カゼイン消化酵母抽出培地)に移し、オービタルシェイカーで37℃で 一晩インキュベートした。14時間増殖させた後、10mlのこの増殖培地を100mlの 滅菌NZYMブロス中でインキュベートして37℃で培地増殖を継続した。培地増殖中
の光学濃度(620nmでのOD)を、1時間毎に測定して細菌の対数増殖の終わりを 同定した。移行期に達したとき(OD=1〜1.06)、細胞を回収し始めた。5mlの培
地を遠心管にピペッティングし、10分間遠心した。ついで、上清を流し捨て、ペ
レットの重量を測定して細胞のおおよその濃度を同定した。
【0045】 細胞を、5mlのNZYMブロスまたはMRSブロス中に25%スクロースおよび25%フ ルクトースからなる保存溶液で際懸濁した。NAYMブロスで再懸濁した細胞を、コ
ントロールとして使用した。MRSブロス中の25%スクロースおよび25%フルクト ースで再懸濁した1mlの細胞を20mlのガラスバイアルにいれ、実施例2でINBを 乾燥したのと同様の減圧下で乾燥させた。その後、サンプルを、室温で24日間ま
で減圧下で維持した。乾燥サンプルを選択した時間間隔でアッセイした。保存細
胞の生存数を、室温で0.1%ペプトン水溶液で際懸濁させた後測定した。生存細 胞の濃度を同定するために、懸濁液を適切に希釈してLB Miller寒天のペトリ皿 にプレーティングし、その後37℃で36〜48時間インキュベートした。本発明者ら
は、乾燥して減圧下で1日貯蔵した後にコントロール細胞の25±10%が生存して
いることを見出した。本発明者らはまた、これらの生存細胞の同じ部分が、その
後室温での減圧下で24日の貯蔵している間減少しないことを見出した(第3図)
【0046】 部分脱水サンプルまたは機械的に安定な泡は、第1の乾燥ですでに安定化され
ており、上昇させた温度で第2の乾燥を行うことができる。Tgは、サンプルの含
水量に依存し、かつTgは脱水の増加に伴って増加するので、その貯蔵温度に冷却
する際ガラス化に一致したTgを得るために、異なる第2の乾燥プロトコールを所
望の貯蔵温度に従って適用することができる。しかし、一旦ガラス状態に入ると
物質の脱水は実質的に不可能であるので、外界保存温度を所望する場合、本発明
のガラス化の重要な点は、外界温度よりも非常に高い温度で脱水を行うことであ
る。
【0047】 貯蔵温度は、0℃〜70℃の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、一
般的な貯蔵温度の選択は、0℃、4℃、20℃、40℃および50℃より高いか同等で
ある。いくつかの場合、ガラス化プロトコールの実行は、冷蔵貯蔵が選択された
場合、室温で脱水し、その後冷却貯蔵用に室温未満に冷却することのみが必要で
あり得る。しかし、他の例では、外界温度での安定性が所望される場合は、室温
を超える温度で脱水しその後室温に冷却すべきである。
【0048】 保存すべき任意の所定の試料について、試料の性質および安定性の特徴は、第
1の乾燥工程に耐え得る最高温度を決定する。酵素保存の場合、室温での第1の
乾燥後、第2の乾燥温度は酵素活性の損失なしに50℃まで増加させることができ
ることが示された。次いで、脱水プロセスは、より高い温度での第2の乾燥中で
も継続することができる。従って、脱水の範囲および脱水温度の連続的刺激また
は段階的刺激の増加によって、不安定なタンパク質は、それらの変性温度より十
分に高い温度で熱安定状態に置くことができる。
【0049】 選択された貯蔵温度より高い温度での第2の乾燥を行うのに加えて、この乾燥
は、貯蔵温度を超えるTgに実質上引き上げるのに十分な時間行われることが重要
である。スクロース−ラフィノース混合物を用いた観察結果(第2図)に基づい
て、25℃を超えるTgに引き上げるためには70℃を超える温度で12時間を超える第
2の乾燥が必要とされることが示された。これらの実験における第1の乾燥は、
室温(20℃)で12時間であった。この結果は、室温を超えるTgを増加させるため
には、第2の乾燥時間の延長(70℃では12時間、50℃では36時間を超える)が必
要とされ得ることを示唆する。熱に対して不安定ではないいくつかの生物学的物
質について、より高い温度での第1の乾燥は、選択された貯蔵温度を超える温度
にTgを増加させるのに必要とされる上昇させた温度での第2の乾燥時間を減少さ
せるであろう。
【0050】 Tgが実際に貯蔵温度を超えていることを保証するために、温度分析によってTg
を評価する少なくとも2つの方法が公知である。示差走査熱量測定(DSC)は、 使用される技術の中で最も一般的である。しかし、DSCは、ポリマーを含むサン プルのTgを測定するには信頼できない(第1図)。あるいは、熱刺激減極電流(
TSDC)法は、ポリマーの分析に特に適合する。TSDC法は全てのサンプルで信頼性
があるので好ましいが、少しばかり多いサンプルを必要とする。
【0051】 ガラス化によって水または再水和溶液中での溶解時間が増大し得るが、それ自
身はいくつかの場合いくつかの試料に対して特定の損傷を引き起こし得るとして
も、この所望でない効果は、ガラス化試料へのその適用の前に再水和溶液の注意
深い加熱によって改善することができる。サンプルの損傷を最小限に調節するに
は、加熱を注意深く行う。しかし、いくつかのサンプルでは、より低い温度での
再水和によって安定性を増加させることができる。
【0052】 本発明は、例示の目的で詳細に記載されているが、このような詳細が単にその
目的のためであり、以下の請求項によって規定される本発明の精神および範囲か
ら逸脱することなく、当業者によって変更することができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1A図。スクロースおよびラフィノースの混合物のDSCスキャン に関する図である。
【図2】 第1B図。スクロースおよびラフィノースの混合物のDSCスキャン に関する図である。
【図3】 第1C図。フィコールの混合物のDSCスキャンに関する図である。
【図4】 第1D図。フィコールの混合物のDSCスキャンに関する図である。
【図5】 第2図。3つの異なる温度でのTgと脱水時間の間の関係を示すグラ
フである。
【図6】 第3図。室温での貯蔵時間の関数として、乾燥E.coliの生存を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物学的サンプルの保存法であって、減圧下で15℃〜70
    ℃の範囲の温度でボイルして、減圧下の−20℃において少なくとも1時間崩壊
    することのない機械的に安定な泡を形成する前記サンプルの乾燥工程を包含する
    方法。
  2. 【請求項2】 前記生物学的サンプルは、少なくとも1つの生物学的に活性
    な分子を含む溶液である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記生物学的サンプルは、ペプチド、タンパク質、酵素、抗
    体、補酵素、ビタミン、血清、ワクチン、ウイルス、リポソーム、細胞および小
    多細胞試料からなる群から選択される少なくとも1つの生物学的に活性な物質を
    含む溶液または懸濁液である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記機械的に安定な泡は減圧下で一定温度で貯蔵されたとき
    崩壊しない請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記減圧は0Torrと24Torrとの間である請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記減圧は0Torrと10Torrとの間である請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記減圧は約4Torrより低い請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記生物学的サンプルを減圧下でボイルする前に、濃縮して
    粘稠性のある溶液または懸濁液を形成する工程をさらに包含する、請求項1記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 前記濃縮は、液体からの蒸発、部分的な凍結状態からの蒸発
    、逆浸透および任意の他の膜技術からなる群から選択される方法によって達成さ
    れる、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 減圧下でボイルする前に、減圧下で前記生物学的に活性な
    物質から溶解気体を取り除く、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも1つの界面活性剤を、前記生物学的に活性な物
    質に添加して減圧下での前記泡の機械的安定性を増大させる、請求項1記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 生物学的サンプルの保存法であって、 前記サンプルを減圧下で15〜70℃の範囲の温度でボイルして機械的に安定
    な泡を形成する第1の乾燥工程と、 0〜100℃の範囲の温度であって、0〜70℃の範囲の選択された貯蔵温度
    より高い乾燥温度における、少なくとも12時間にわたる減圧下での前記泡につ
    いての第2の乾燥工程と を包含する方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の乾燥工程は50℃より高い温度である請求項1
    2記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記第2の乾燥工程は70℃より高い温度である請求項1
    2記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記第2の乾燥工程は24時間より長いかそれと同等の期
    間にわたる請求項12記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記第2の乾燥工程は36時間より長いかそれと同等の期
    間にわたる請求項12記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記機械的に安定な泡は前記第2の乾燥工程の後減圧下で
    貯蔵される請求項12記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記機械的に安定な泡は前記第2の乾燥工程の後乾燥空気
    またはN2下で貯蔵される請求項12記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記生物学的サンプルは糖、ポリオールおよびポリマーか
    らなる群から選択される保護剤と組み合わされる、請求項12記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記保護剤は非還元単糖類、二糖類およびポリマーを含む
    混合物をさらに含む、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記非還元単糖はフルクトース、ソルボース、ピスコース
    、リブロース、キシルロース、エリトルロース、および1,3−ジヒドロキシジ
    メチルケトンからなる群から選択されるケトースである、請求項20記載の方法
  22. 【請求項22】 前記非還元単糖はメチル−α−D−グルコピラノシド、メ チル−β−D−グルコピラノシド、メチル−α−D−マンノピラノシド、メチル−
    β−D−マンノピラノシド、メチル−α−D−ガラクトピラノシド、メチル−β−
    D−ガラクトピラノシド、メチル−α−D−アラビノピラノシド、メチル−β−D −アラビノピラノシド、メチル−α−D−キシロピラノシド、メチル−β−D−キ
    シロピラノシドからなる群から選択されるメチル化単糖類で置換される、請求項
    20記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記二糖類はスクロースである、請求項20記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ポリマーはヒドロキシエチルスターチ、ポリエチレン
    グリコール、ポリビニルピロリドン、フィコール、デキストランおよび高溶解性
    の天然および合成バイオポリマーからなる群から選択される、請求項20記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 貯蔵期間後、前記乾燥された生物学的に活性な物質を水ま
    たは水溶液で再水和する、請求項12記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記生物学的に活性な物質を前記サンプルの貯蔵温度より
    高い温度を有する水または水溶液で再水和する、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記生物学的に活性な物質を前記サンプルの貯蔵温度より
    低い温度を有する水または水溶液で再水和する、請求項25記載の方法。
  28. 【請求項28】 生物学的サンプルの保存法であって、 前記サンプルを減圧下で15〜70℃の範囲の温度でボイルして機械的に安定
    な泡を形成する第1の乾燥工程と、 減圧下、0〜100℃の範囲の温度において、0〜70℃の範囲内の選択され
    た貯蔵温度を超える温度まで前記物質のガラス転移温度を増大させるのに十分な
    期間にわたる前記泡についての第2の乾燥工程と、 前記物質を選択された貯蔵温度より低いかそれと同等の温度に冷却する工程と
    を包含する方法。
  29. 【請求項29】 前記ガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)によって 測定される請求項28記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記ガラス転移温度は熱刺激減極電流(TSDC)によって測
    定される請求項28記載の方法。
  31. 【請求項31】 生物学的に活性な物質およびポリオール保護剤を含む泡で
    あって、前記泡は−20℃、減圧下で貯蔵した場合少なくとも1時間崩壊しない
    薄い無定形フィルムを含む機械的に安定な多孔質構造である、泡。
  32. 【請求項32】 減圧下でボイルすることによって生物学的に活性な物質を
    乾燥させて機械的に安定な泡を形成させる第1の乾燥工程と、 前記物質のガラス転移温度を0〜70℃の範囲内の選択された貯蔵温度を超え
    る温度まで増大させるのに十分な期間にわたる前記泡についての第2の乾燥工程
    と、 前記物質を貯蔵温度より低いかそれと同等の温度に冷却する工程と を包含する方法によって生産される、ガラス状態で保護された生物学的に活性な
    物質の組成物。
  33. 【請求項33】 非還元単糖類、二糖類、および生物学的ポリマーを含む、
    保存中の細胞およびウイルスを保護するための組成物。
  34. 【請求項34】 前記非還元単糖はフルクトース、ソルボース、ピスコース
    、リブロース、キシルロース、エリトルロース、および1,3−ジヒドロキシジ
    メチルケトンからなる群から選択されるケトースである、請求項33記載の組成
    物。
  35. 【請求項35】 前記非還元単糖はメチル−α−D−グルコピラノシド、メ チル−β−D−グルコピラノシド、メチル−α−D−マンノピラノシド、メチル−
    β−D−マンノピラノシド、メチル−α−D−ガラクトピラノシド、メチル−β−
    D−ガラクトピラノシド、メチル−α−D−アラビノピラノシド、メチル−β−D −アラビノピラノシド、メチル−α−D−キシロピラノシド、メチル−β−D−キ
    シロピラノシドからなる群から選択されるメチル化単糖類で置換される、請求項
    33記載の組成物。
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