【発明の詳細な説明】
腫瘍壊死因子の阻害に有用な複素環により置換したヒドロキサム酸
本発明は、ヒドロキサム酸化合物に関し、特に、複素環アルコキシ置換基を有
するこのような化合物に関する。本発明は、さらに、このような化合物を調製す
る方法、それらを含有する薬学的組成物、および治療上の処置方法でのそれらの
使用に関する。
本発明の化合物は、TNF(腫瘍壊死因子)(これは、酵素プロTNFコンバターゼに
よるプロフォーム(pro-form)またはより大きな前駆体の開裂により形成されると
考えられている)の産生のインヒビターである。出願人は、本発明の化合物が、
プロTNFコンバターゼの阻害を含む機構により、TNF産生を阻害すると考えている
。「TNF」との用語は、本明細書中では、一般には、腫瘍壊死因子のことを意味
するが、特に、TNFαを意味するように使用されている。
本発明の化合物は、過剰のTNF産生がカスケードな過程を介して種々の生理学
的な後遺症を生じることが知られている病気または病態の治療に有用であり、こ
の過程には、生理学的に活性なエイコサノイド(例えば、プロスタグランジンお
よびロイコトリエン)の産生、タンパク質分解酵素(例えば、コラゲナーゼ)の放
出の刺激、カルシウムの再吸収に至る破骨細胞活性の活性化、プロテオグリカン
(例えば、軟骨組織)の放出の刺激、細胞増殖および血管形成の刺激が含まれる。
ある種の細胞系では、TNF産生は、インターロイキン-1(IL-1)およびインターロ
イキン-2(IL-2)(これらはまた、炎症性疾患およびアレルギー性疾患のような疾
患状態の病理およびサイトカイン誘発毒性の原因となると考えられている)のよ
うな他のサイトカインの産生に先行し、かつそれを媒介する。過剰のTNF産生は
また、種々の炎症性疾患およびアレルギー性疾患(例えば、関節の炎症(特に、関
節リウマチ、骨関節炎および痛風)、消化管の炎症(特に、腸疾患、潰瘍性大腸炎
および胃炎)、皮膚病(特に、乾癬、湿疹および皮膚炎)および呼吸器疾患(特に、
喘息、気管支炎およびアレルギー性鼻炎))の進行および種々の心血管障害(例え
ば、心筋梗塞、狭心症および末梢血管疾患)の発生および進行を媒介するかまた
は悪化させることに関係している。過剰のTNF産生はまた、細菌性、真菌性およ
び/またはウイルス性の感染(例えば、内毒素ショック、敗血症性ショックおよび
毒素ショック症候群)の合併症を媒介するのに関係している。過剰のTNF産生はま
た、成人呼吸困難症候群、軟骨または筋肉の再吸収に関与した疾患、パジェット
病および骨粗鬆症、肺線維症、肝硬変、腎線維症、ある種の慢性疾患(例えば、
悪性疾患および後天性免疫不全症候群(AIDS))で見られる悪液質、腫瘍侵襲性お
よび腫瘍転移および多発性硬化症の進展を媒介するかまたは悪化させるのに関係
している。
本発明の化合物はまた、1種以上のマトリックスメタロプロテイナーゼ(例え
ば、コラゲナーゼ、ストロメライシンおよびゼラチナーゼ)のインヒビターでも
あり得る。それゆえ、これらはまた、このような酵素により媒介される病態(例
えば、関節炎(リウマチおよび骨関節炎)、骨粗鬆症および腫瘍転移)の治療上の
処置で使用できる。
本発明は、TNFのインヒビターおよび/または1種以上のマトリックスメタロプ
ロテイナーゼ酵素のインヒビターとしての活性を有する新規化合物を提供する。
従って、本発明は、式(I)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩また
はインビボ加水分解性エステルを提供する:
ここで:
nは、1〜6である;
Hetは、二環式の環系を形成するように2個の隣接炭素原子上でベンゼン環に
縮合した窒素含有環であって、該環系は、必要に応じて、置換されてもよい;
R1は、水素、C1-8アルキル、C1-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロア
ルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールC1-6アルキル、
ヘテロアリールC1-6アルキル、ヘテロシクリルC1-6アルキルまたはC3-8シクロア
ルキルC1-6アルキルである;
R2は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリー
ルC1-6アルキルまたは天然アミノ酸の側鎖である;
R3は、水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-8シクロアルケニル、ア
リールC1-6アルキル、ヘテロアリールC1-6アルキルまたはヘテロシクリルC1-6ア
ルキルである;
R4は、水素またはC1-6アルキルである;またはR3およびR4は、それらが結合し
た窒素原子と共に、複素環を形成する;
ここで、R1〜R4中の任意の基または環は、必要に応じて、置換されている。
「アリール」および「アリールC1-6アルキル」の用語中の「アリール」とは、
代表的にはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルを意味する。「ヘテロ
アリール」および「ヘテロアリールC1-6アルキル」の用語中の「ヘテロアリール
」とは、窒素、酸素およびイオウから選択される5個までの環ヘテロ原子を有す
る芳香族単環式または二環式の五〜十員環を意味する。「ヘテロアリール」の例
には、チエニル、ピロリル、フラニル、イミダゾリル、チアゾリル、ピリミジニ
ル、ピリジニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリ
ニルおよびイソキノリニルが挙げられる。「ヘテロシクリル」および「ヘテロシ
クリルC1-6アルキル」の用語中の「ヘテロシクリル」とは、窒素、酸素およびイ
オウから選択される5個までの環ヘテロ原子を有する非芳香族単環式または二環
式の五〜十員環を意味する。「ヘテロシクリル」の例には、ピロリジニル、モル
ホリニル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニルおよびジヒドロピリミジニルが挙
げられる。
R1〜R4中の任意の基または環は、例えば、同一または異なり得る3個までの置
換基により、必要に応じて、置換され得る。典型的な置換基には、以下が挙げら
れる:ヒドロキシ、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ)、メルカプト、C1-6
アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、アミノ、C1-6アルキルアミノ(例えば、メ
チルアミノ)、ジ-(C1-6アルキル)アミノ(例えば、ジメチルアミノ)、カルボキシ
、カルバモイル、C1-6アルキルカルバモイル(例えば、メチルカルバモイル)、ジ
-C1-6アルキルカルバモイル(例えば、ジメチルカルバモイル)、C1-6アルキルス
ルホニル(例えば、メチルスルホニル)、アリールスルホニル(例えば、フェニル
スルホニル)、C1-6アルキルアミノスルホニル(例えば、メチルアミノスルホニル
)、ジ-(C1-6アルキル)アミノスルホニル(例えば、ジメチルアミノスルホニル)、
ニトロ、シアノ、シアノC1-6アルキル(例えば、シアノメチル)、ヒドロキシC1-6
アルキル(例えば、ヒドロキシメチル)、アミノC1-6アルキル(例えば、アミノエ
チル)、C1-6アルカノイルアミノ(例えば、アセトアミド)、C1-6アルコキシカル
ボニルアミノ(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、C1-6アルカノイル(例えば
、アセチル)、C1-6アルカノイルオキシ(例えば、アセトキシ)、C1-6アルキル(例
えば、メチル、エチル、イソプロピルまたはtert-ブチル)、ハロ(例えば、フル
オロ、クロロまたはブロモ)、トリフルオロメチル、アリール(例えば、フェニル
)、アリールC1-6アルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシ(例えば、フェノ
キシ)、アリールC1-6アルコキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヘテロアリール、
ヘテロアリールC1-6アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリルC1-6アルキ
ル。「天然アミノ酸の側鎖」との用語は、アミノ酸NH2-CHX-COOHの側鎖Xを意味
する。適切なアミノ酸には、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、システイ
ン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、ホモセリン、イソロイシン、ロイ
シン、リシン、メチオニン、ノルロイシン、ノルバリン、オルニチン、セリン、
スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンが挙げられる。
本発明の化合物は、HONHOC-基に隣接した炭素原子、-CHR2-、-CHR1-(この場合
、R1は、水素ではない)およびおそらく変数R1〜R4中にて、多数のキラル中心を
有する。本発明は、TNFコンバターゼを阻害しおよび/またはマトリックスメタロ
プロテイナーゼ酵素を阻害する全てのジアステレオ異性体およびそれらの混合物
を含む。
nは、1〜6であり、好ましくは、nは、1または2であり、これは、メチレ
ン部分またはエチレン部分を形成する。最も好ましくは、nは、1であり、これ
は、メチレン部分を形成する。
適切には、Hetは、1個または2個の環窒素原子を含有する環である。適切に
は、Hetは、2個の縮合炭素原子と共に、五員環または六員環である。従って、
特定の局面では、Hetは、1個または2個の環窒素原子を含有する五員環または
六員環である。
1局面では、Hetおよびそれが縮合するベンゼン環は、二環式のヘテロアリー
ル環系(例えば、キノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリ
ン、インドール、イソインドールまたはインダゾール)を形成する。さらに他の
局面では、Hetおよびそれが縮合するベンゼン環は、キノキサリンを形成する。
好ましくは、ベンゼン-Hetは、キノリン、キナゾリンまたはイソキノリンであ
る。
さらに他の局面では、Hetは、ピリドン環またはピリミドン環(例えば、副式(i
)〜(iii)のもの)である:
ここで、Rは、水素またはC1-6アルキルである[Rが水素である化合物は、ヒドロ
キシで置換した対応する芳香族系のケト互変異性体であると見なすことができる
]。
好ましくは、Hetは、副式(ii)または(iii)のピリドン環またはピリミドン環で
ある。
他の局面では、Hetは、テトラヒドロピリドン環またはテトラヒドロピリミド
ン環であり、これは、例えば、二環式のテトラヒドロキノロン系を形成する。He
tはまた、オキサジンであり得、これは、ベンゾオキサジン環系を形成する。
さらに他の局面では、Hetは、五員環(例えば、オキサゾール、チアゾール、ピ
ロールまたはジヒドロピロール)であり、これは、例えば、ベンゾオキサゾール
、ベンズチアゾール、インドールまたはジヒドロインドール環系を形成する。
Hetおよびベンゼン環により形成される二環式の環系は、必要に応じて、いず
れかの環上にて、3個までの置換基(これは、同一または異なり得る)により置換
され得る。典型的な置換基には、R1〜R4中の任意の基または環に関連して上で記
述のものが挙げられる。特に、このベンゼン-Hetで縮合した二環式の環系に好ま
しい置換基には、C1-6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルアミ
ノおよびジ-C1-6アルキルアミノがある。
この-O(CH2)n-部分は、このベンゼン環の任意の好都合な炭素原子に結合でき
る。
この二環式の環系に特に好ましい値には、キノリン、イソキノリン、キナゾリ
ン、1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン、2-メチル-4-ヒドロキシキナゾ
リンおよび2-メチル-4-ヒドロキシ-7-ブロモキナゾリンがある。この二環式の環
系にさらに好ましい値には、ベンゾオキサゾールおよび2-メチルベンゾチアゾー
ルがある。
R1に対する特定の群には、C1-8アルキル(例えば、イソプロピル、n-プロピル
、イソブチル、第二級ブチル、n-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、n-ペン
チル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチル);酸素原子またはイオウ原子により
中断されたC1-8アルキル(例えば、メトキシプロピル、エトキシエチル、プロポ
キシメチル、エチルチオエチルまたはメチルチオプロピル);フェニルC1-6アル
キル(例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピルまたはフェニルブチル)
;酸素またはイオウにより中断されたアリールC1-6アルキル(例えば、ベンジル
オキシブチルまたはベンジルオキシプロピル);C3-8シクロアルキル(例えば、シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル);またはC3-8
シクロアルキルC1-6アルキル(例えば、シクロプロピルメチル、シクロプロピ
ルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチルまたはシクロヘキシル
メチル)が挙げられる。
好ましくは、R1は、イソブチルである。
-CHR1-には、(R1が水素ではないとき)、キラル中心が存在する;この中心は、
この後で式(II)で示す立体配置を有するのが好ましい。R1の殆どの値に対して、
この中心は、Cahn-Prelog-Ingold配列規則の下に、Rの立体配置を有する。
R2に対する特定の群には、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロ
ピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、第二級ブチル、tert-ブチル、イソ
ペンチル、n-ペンチルまたはヘキシル);酸素原子またはイオウ原子により中断
されたC1-6アルキル(例えば、メトキシエチル、メトキシプロピル、メチルチオ
エチルまたは1,1-ジメチルメチルチオメチル(MeSCMe2-));またはフェニルC1-6
アルキル(例えば、ベンジルまたはフェネチル)が挙げられる。
好ましくは、R2は、イソブチル、tert-ブチル、1,1-ジメチルメチルチオメチ
ルまたはベンジルであり、tert-ブチルが最も好ましい。
-CHR2-でのキラル中心は、好ましくは、本明細書中以下の式(II)で示される立
体配置を有する。R2の殆どに対して、この中心は、S立体配置を有する。
R3に対する特定の群には、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピ
ル、イソプロピル、tert-ブチルまたはn-ブチル);酸素原子またはイオウ原子に
より中断されたC1-6アルキル(例えば、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、メ
チルチオエチルまたはエトキシエチル);アミノ、C1-6アルキルアミノまたはジ-
C1-6アルキルアミノのいずれかにより置換されたC2-6アルキル;フェニルC1-6ア
ルキル(例えば、ベンジル、フェネチルまたはフェニルプロピル);ヘテロ環式ア
ルキル(例えば、2-モルホリノエチル、2-ピペラジノエチル、2-(N-メチルピペラ
ジノ)エチルまたは2-ピペリジノエチル);またはC3-8シクロアルキルC1-6アルキ
ル(例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチルまたはシクロペンチル
メチル)が挙げられる。
好ましくは、R3は、メチル、エチル、n-プロピル、イソブチル、tert-ブチル
またはベンジルである。これらのうち、メチルが最も好ましい。
R4に対する特定の群には、水素およびC1-6アルキル(例えば、メチルまたはエ
チル)がある。好ましくは、R4は、水素である。
特に適切な種類の本発明の化合物には、式(II)のものがある: ここで、n、Het、R1、R2、R3およびR4は、本明細書中先に定義したとおりで
ある。
好ましい種類の式(II)の化合物には、nが、1であり、Hetおよびそれが縮合
したベンゼン環が、キノリン、キナゾリンまたはイソキノリンであり、そのいず
れかが、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモまたはフルオロ)、C1-6アルキル(例
えば、メチル、イソプロピルまたはtert-ブチル)、C1-6アルコキシ(例えば、メ
トキシ)、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ)ま
たはジ-C1-6アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ)から選択された1個また
は2個の基により置換されているかまたは非置換であり、R1が、イソブチルであ
り、R2が、イソブチル、tert-ブチルまたはベンジルであり、R3が、メチル、エ
チル、n-プロピル、イソブチル、tert-ブチル、2-ジメチルアミノエチルまたは
ベンジルであり、そしてR4が、水素またはメチルであるものがある。
他の好ましい種類の式(II)の化合物には、nが、1であり、Hetが、副式(ii)
または(iii)であり、このような環のいずれかが、ハロゲン(例えば、クロロ、ブ
ロモまたはフルオロ)、C1-6アルキル(例えば、メチル、イソプロピルまたはtert
-ブチル)、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ)、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アル
キルアミノ(例えば、メチルアミノ)またはジ-C1-6アルキルアミノ(例えば、ジメ
チルアミノ)から選択された1個または2個の基により置換されているかまたは
非置換であり、R1が、イソブチルであり、R2が、イソブチル、tert-ブチル
またはベシジルであり、R3が、メチル、エチル、n-プロピル、イソブチル、tert
-ブチル、2-ジメチルアミノエチルまたはベンジルであり、そしてR4が、水素ま
たはメチルであるものがある。
適切な薬学的に受容可能な塩には、酸付加塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩
、クエン酸塩およびマレイン酸塩、およびリン酸および硫酸で形成した塩)が挙
げられる。他の局面では、適切な塩には、塩基塩(例えば、アルカリ金属塩(例え
ば、ナトリウム塩またはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム
塩またはマグネシウム塩)または有機アミン塩(例えば、トリエチルアミン塩))が
ある。
インビボ加水分解性エステルには、人体中にて加水分解して親化合物を生成す
る薬学的に受容可能なエステルがある。このようなエステルは、試験する化合物
を試験動物に、投与(例えば、静脈内で)し、そして引き続いて、試験動物の体
液を検査することにより、確認できる。適切なインビボ加水分解性エステルには
、カルボキシに対してメトキシメチルエステル、そしてヒドロキシに対してアセ
チルエステルが挙げられる。
式(I)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩またはインビボ加水分解
性エステルを、ヒトを含めた哺乳動物の治療上の処置(予防的な処置を含めて)に
使用するためには、それは、通常、標準的な薬学的操作に従って、薬学的組成物
として製剤される。
従って、他の局面では、本発明は、式(I)の化合物またはそれらの薬学的に受
容可能な塩またはインビボ加水分解性エステルおよび薬学的に受容可能なキャリ
アを含有する薬学的組成物を提供する。
本発明の薬学的組成物は、治療するのが望ましい病態に標準的な様式で、例え
ば、経口投与、局所投与、非経口投与、口腔投与、鼻内投与、膣内投与または直
腸内投与または吸入により、投与できる。これらの目的上、本発明の化合物は、
当該技術分野で公知の手段により、例えば、錠剤、カプセル、水性または油性溶
液、懸濁液、乳濁液、クリーム、軟膏、ゲル、鼻内スプレー、座薬、吸入用に細
かく分割した粉末またはエアロゾル、および非経口用途(静脈内、筋肉内または
注入を含めて)のための無菌水性または油性溶液または懸濁液または無菌乳濁液
の形状に製剤できる。
本発明の化合物に加えて、本発明の薬学的組成物はまた、本明細書中上記で言
及した1種以上の病態を治療する際に有効な1種以上の薬理学的試薬を含有する
か、またはそれと共に(同時または順次に)共投与できる。
本発明の薬学的組成物は、通常、例えば、0.5〜75mg/体重1kg(好ましくは、0
.5〜30mg/体重1kg)の毎日用量が受容されるように、ヒトに投与される。この毎
日用量は、必要なら、分割用量で与えることができ、与える化合物の正確な量お
よび投与経路は、当該技術分野で公知の原理に従って、治療される患者の体重、
年齢および性別、および治療する特定の病態に依存する。
典型的には、単位投薬形状は、約1mg〜500mgの本発明の化合物を含有する。
従って、他の局面では、本発明は、ヒトまたは動物の身体の治療上の処置方法
で使用するために、式(I)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩または
インビボ加水分解性エステルを提供する。
さらに他の局面では、本発明は、TNFにより媒介される病態を治療する方法を
提供し、この方法は、温血動物に、有効量の式(I)の化合物またはそれらの薬学
的に受容可能な塩またはインビボ加水分解性エステルを投与することを包含する
。本発明はまた、TNFにより媒介される病態で使用するための薬物の調製におい
て、式(I)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩またはインビボ加水分
解性エステルの使用を提供する。
他の局面では、本発明は、式(I)の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な
塩またはインビボ加水分解性エステルを調製する方法を提供し、この方法は、以
下を包含する:
a)式(III)の化合物またはそれらの活性化誘導体を、ヒドロキシルアミン、O-
保護ヒドロキシルアミンまたはそれらの塩と反応させる工程:
ここで、n,HetおよびR1〜R4は、本明細書中先に定義したとおりである;ある
いは
b)式(IV)の化合物を、標準的なペプチドカップリング条件下にて、式(V)の化
合物とカップリングさせる工程:
ここで、n、HetおよびR1〜R4は、本明細書中先に定義したとおりである;ある
いは
c)式(VI)の化合物を、標準的なペプチドカップリング条件下にて、式(VII)の
化合物と反応させる工程:
ここで、n、HetおよびR1〜R4は、本明細書中先に定義したとおりである:
ここで、任意の官能基は、必要であれば保護される、そして:
i.任意の保護基を除去する工程;
ii.必要に応じて、それらの薬学的に受容可能な塩またはインビボ加水分解性
エステルを形成する工程。
保護基は、一般に文献に記述されているか化学の当業者に公知な基であって問
題の基を保護するのに適切な基のいずれかから選択でき、通常の方法により導入
できる。
保護基は、文献に記述されているか当該化学者に公知な任意の好都合な方法で
あって問題の保護基を除去するのに適切な方法(例えば、分子内の他のどこかの
基の妨害を最小にしつつ、保護基の除去を行うように選択される方法)により、
除去できる。
保護基の特定の例は、便宜上、以下に示すが、ここで、「低級の」とは、それ
を適用する基が、好ましくは、1個〜4個の炭素原子を有することを意味する。
これらの例は、全てを網羅するものではないことが分かる。保護基の除去方法の
特定の例を以下で示す場合、これらは、同様に、全てを網羅するものではない。
保護基の使用および脱保護方法は、具体的には述べていないが、もちろん、本発
明の範囲内である・
カルボキシル保護基は、エステル形成性脂肪族またはアラ脂肪族(araliPhatic
)アルコールまたはエステル形成性シラノール(該アルコールまたはシラノールは
、好ましくは、1個〜20個の炭素原子を含有する)の残基であり得る。
カルボキシ保護基の例には、直鎖または分枝鎖(1-12C)アルキル基(例えば、イ
ソプロピル、t-ブチル);低級アルコキシ低級アルキル基(例えば、メトキシメチ
ル、エトキシメチル、イソブトキシメチル);低級脂肪族アシルオキシ低級アル
キル基(例えば、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキ
シメチル、ピバロイルオキシメチル);低級アルコキシカルボニルオキシ低級ア
ルキル基(例えば、1-メトキシカルボニルオキシエチル、1-エトキシカルボニル
オキシエチル);アリール低級アルキル基(例えば、ベンジル、p-メトキシベンジ
ル、o-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、ベンズヒドリルおよびフタリジル)
;トリ(低級アルキル)シリル基(例えば、トリメチルシリルおよびt-ブチルジメ
チルシリル);トリ(低級アルキル)シリル低級アルキル基(例えば、トリメチルシ
リルエチル);および(2-6C)アルケニル基(例えば、アリルおよびビニルエチル)
が挙げられる。,
カルボキシル保護基の除去に特に適切な方法には、例えば、酸、塩基、金属ま
たは酵素で触媒した加水分解が挙げられる。
ヒドロキシル保護基の例には、低級アルキル基(例えば、t-ブチル)、低級アル
ケニル基(例えば、アリル);低級アルカノイル基(例えば、アセチル);低級アル
コキシカルボニル基(例えば、t-ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカ
ルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル);アリール低級アルコキシカルボ
ニル基(例えば、ベンゾイルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカル
ボニル、o-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニ
ル);トリ低級アルキルシリル基(例えば、トリメチルシリル、t-ブチルジメチル
シリル)およびアリール低級アルキル基(例えば、ベンジル)が挙げられる。
アミノ保護基の例には、ホルミル基、アラルキル基(例えば、ベンジルおよび
置換ベンジル、p-メトキシベンジル、ニトロベンジルおよび2,4-ジメトキシベン
ジル、およびトリフエニルメチル);ジ-p-アニシルメチルおよびフリルメチル基
;低級アルコキシカルボニル(例えば、t-ブトキシカルボニル);低級アルケニル
オキシカルボニル(例えば、アリルオキシカルボニル);アリール低級アルコキシ
カルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシ
カルボニル、o-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカル
ボニル);トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリルおよびt-ブチルジメチ
ルシリル);アルキリデン(例えば、メチリデン);ベンジリデンおよび置換ベン
ジリデン基が挙げられる。
ヒドロキシおよびアミノ保護基の除去に適切な方法には、例えば、酸、塩基、
金属または酵素で触媒した加水分解が挙げられ、p-ニトロベンジルオキシカルボ
ニルのような基については、水素化が挙げられ、およびo-ニトロベンジルオキシ
カルボニルのような基については、光分解が挙げられる。
特に、工程の変型(b)および(c)では、ヒドロキシルアミン基(HONH-)は、典型
的には、例えば、ベンジル基、t-ブチル基またはシリル基でO-保護されている。
式(III)の化合物は、この酸またはその活性化誘導体(例えば、酸ハロゲン化物
、酸無水物または「活性化」エステル(例えば、1H-ベンゾ[1,2,3]トリアゾール
-1-イル、1-ヒドロキシ-ベンゾ[1,2,3]トリアゾール、ペンタフルオロフェニル
または2,4,5-トリクロロフェニル))の形態で、反応できる。式(III)の化合物お
よびヒドロキシルアミンの反応は、標準的な条件下にて、行われる。典型的には
、式(III)の化合物の活性化エステルとヒドロキシルアミンまたはO-保護ヒドロ
キシルアミンとの反応は、塩基(例えば、2,6-ルチジン)の存在下にて、無水非プ
ロトン性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中で、極端でない温度(例えば、
−3
0℃〜+25℃の範囲、好ましくは、約0℃)で、行われる。
式(III)の化合物は、式(VIII)の化合物を式(IX)の化合物と反応させることに
より、調製できる:
ここで、R1〜R4は、本明細書中先に定義したとおりであり、好ましくは、このカ
ルボン酸は、保護されている:
ここで、Lは、脱離基であり、そしてnおよびHetは、本明細書中先に定義したと
おりである。
Lは、脱離基、例えば、ハロ(例えば、クロロまたはブロモ)またはスルホニル
オキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオ
キシまたはp-トルエンスルホニルオキシ)である。
典型的には、化合物(VIII)および(IX)の反応は、塩基(例えば、水素化ナトリ
ウム)の存在下にて、無水非プロトン性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドまた
はテトラヒドロフラン)中で、極端でない温度(例えば、周囲温度)で、行われる
。
式(IX)の化合物は、有機化学の標準的な方法に従って、調製される。
式(VIII)の化合物(好ましくは、カルボキシ保護形状のもの)は、式(V)の化合
物を式(X)の化合物と反応させることにより、調製される:
ここで、P1は、カルボキシ保護基であり、R1は、本明細書中先に定義したとおり
であり、そしてL1は、脱離基である。適切には、L1は、脱離基、例えば、ハロ(
例えば、クロロ、ブロモまたはヨード)またはスルホニルオキシ基(例えば、C1-6
アルカンスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホ
ニルオキシまたは4-メチルベンゼンスルホニルオキシ))である。
式(V)および(X)の化合物の間の反応は、好都合には、極端でない温度(例え
ば、−25℃〜+50℃、さらに好都合には、0℃〜+30℃、最も好都合には、周囲
温度)で、行われる。
この反応は、典型的には、実質的に不活性の有機溶媒、例えば、非プロトン性
溶媒(例えば、アセトニトリルまたはジエチルエーテル)中で、行われる。
式(V)および(X)の化合物の反応は、式(XI)のラクトンの形成を介して進行す
ると考えられている。
ここで、P1およびR1は、本明細書中先に定義したとおりである。
式(V)の化合物は、塩基として作用し、この塩基は、式(X)の化合物のカルボ
ン酸官能基(function)をカルボキシレートアニオンに転化すると考えられてお
り、このアニオンは、次いで、脱離基L1を置換して、ラクトンを形成する。こ
のラクトンは、式(V)の化合物の求核攻撃により開環して、式(VIII)の化合物を
形成すると考えられている。
別の局面では、式(XI)の化合物は、式(X)の化合物を非求核性塩基と反応させ
ることにより、調製できる。このようにして、この塩基は、式(III)の化合物の
カルボン酸官能基をカルボキシレートアニオンに転化し、このアニオンは、L1を
置換して、ラクトンを形成する。しかしながら、この非求核性塩基は、このラク
トンとは実質的にさらに反応せず、このラクトンは、単離され、次いで、式(V)
の化合物と反応し得る。
適切な非求核性塩基には、有機塩基および無機塩基の両方が挙げられる。
好ましくは、この塩基は、無機塩基、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土
類金属炭酸塩または重炭酸塩(例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
ナトリウムまたは重炭酸カリウム)である。適切には、この反応は、二相条件下
にて、非プロトン性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、ジエチルエーテルまた
はジクロロメタン)に溶解した式(X)の化合物を用いて行われ、これは、極端で
ない温度(例えば、室温)で、この塩基の水溶液と共に、攪拌(典型的には、激し
く)される。この反応は、薄層クロマトグラフィーまたは任意の他の便利な方法
により追跡でき、適切な期間後、この有機相は分離され得そして後処理され得て
(worked-up)、式(XI)の化合物が提供できる。あるいは、この反応は、相間移
動触媒(例えば、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド)の存在下にて、再
度攪拌しながら、極端でない温度で、行われる。
あるいは、この非求核性塩基は、式(X)の化合物と反応させるために、有機塩
基、例えば、tert-アミン(例えば、ジ-イソプロピルエチルアミン)であり得る。
非求核有機塩基と式(X)の化合物との反応は、典型的には、標準的な条件下にて
、行われる。
式(X)の化合物は、式(XII)のジアニオンをL1基の原料と反応させることによ
り、調製できる:
ここで、P1およびR1は、本明細書中先に定義したとおりである。
ハロの適切な原料には、四塩化炭素および四臭化炭素が挙げられる。
典型的には、式(XII)のジアニオンは、対応する中性化合物を、低温(−78℃)
で、非求核性塩基(例えば、リチウムジ-イソプロピルアミド)と反応させて、ジ
アニオンを形成し、これを、次いで、L1基の原料と反応させることにより、形成
される。
式(XII)に対応する中性化合物は、公知であるか、または文献の方法により、
製造できる。
あるいは、式(VIII)の化合物は、式(XIII)の化合物を式(VII)の化合物と反応
させることにより、調製できる:
ここで、P1、R1〜R4は、本明細書中先に定義したとおりであり、そしてP2は、標
準的なペプチドカップリング条件下(および必要なら脱保護下)において、ヒド
ロキシ保護基である。好都合には、P1およびP2は、結合して、例えば、アセター
ル環を形成できる。
式(XIII)の化合物は、式(X)の化合物を、標準的なペプチドカップリング条件
下にて、必要に応じてカルボキシ保護した式(XIV)の化合物と反応させ、引き続
いて、必要なら、このカルボキシ基を保護する工程により、調製できる:
ここで、R2は、本明細書中先に定義したとおりである。式(X)の化合物は、式(X
I)の化合物から、インサイチュで形成できる。
式(I)の化合物はまた、本明細書中先に定義した式(IV)および(V)の化合物を
反応させることにより、調製できる。この反応は、典型的には、標準的なペプチ
ドカップリング条件下にて、行われる。式(IV)の化合物は、ヒドロキシルアミン
、O-保護ヒドロキシルアミンまたはそれらの塩を、式(III)の化合物を反応させ
るために記載された様式と類似の様式にて、式(XV)の化合物と反応させ、その後
、必要なら、脱保護する工程により、調製できる:
ここで、P1、R1、nおよびHetは、本明細書中先に定義したとおりである。
式(I)の化合物はまた、典型的には、標準的なペプチドカップリング条件下に
て、本明細書中先に定義した式(VI)および(VII)の化合物を反応させることによ
り、調製できる。式(VI)の化合物は、ヒドロキシルアミン、O-保護ヒドロキシル
アミンまたはそれらの塩を、式(III)の化合物を反応させるために記載された様
式と類似の様式にて、式(XVI)の化合物と反応させ、その後、必要なら、脱保護
する工程により、調製できる:
ここで、P1、n、R1、R2およびHetは、本明細書中先に定義したとおりである。
式(XVI)の化合物は、式(XIII)のヒドロキシ脱保護化合物を式(IX)の化合物と
反応させることにより、調製できる。
以下の生体試験法、データおよび実施例は、本発明を例示するために供されて
いる。単離酵素アッセイ
本発明の化合物がプロTNFαコンバターゼを阻害する性能は、部分的に精製し
単離した酵素アッセイで評価し、この酵素は、THP-1細胞の膜から得られる。ヒト細胞株(THF-2)の評価
本発明の化合物がTNFα産生を阻害する性能は、THP-1細胞中で評価される。こ
の細胞は、リポ多糖類で刺激したとき、TNFαを合成し分泌するヒト骨髄単球性
の細胞株である。THP-1細胞(160μlの培地、RPMI1640+重炭酸塩、ペニシリン、
ストレプトマイシンおよびグルタミン中で、4×105個の細胞)を、20μlのリポ
多糖類(LPS)(E.coli.0111:B4(Sigma);最終濃度50μg/ml)の添加前に、DMSO
または適切な賦形剤中で、96ウェル組織培養(TC)プレートにて、37℃で30分間に
わたり、湿潤(5%CO2/95%空気)インキュベータにて、試験化合物(3組)20μl
でインキュベートする。各アッセイは、培地だけ(6個のウェル/1プレート)ま
たは標準的なTNFαインヒビターでインキュベートしたTHP-1細胞の対照を含んで
いる。これらのプレートを、次いで、37℃(湿潤インキュベータ)で6時間インキ
ュベートし、その後、各ウェルから、試料100μlを除去し、そしてELISAによるT
NFα濃度の引き続いた分析のために、−70℃での保存用に、96ウェルプレートに
移す。この試験では、一般に、化合物は、10μMより低い活性を有するなら、重
要である。全血アッセイでの評価
本発明の化合物がTNFα産生を阻害する性能はまた、ヒト全血アッセイ(HWBA)
で評価する。ヒト全血は、LPSで刺激したとき、TNFαを分泌する。血液のこの特
性は、アッセイの基本をなし、これは、THP-1試験で活性であると見える化合物
のための二次試験として、使用されている。ボランティアから採取したヘパリン
化(10単位/ml)ヒト血液を、培地(RPMI1640+重炭酸塩、ペニシリン、ストレプト
マイシンおよびグルタミン)で1:5に希釈し、そして20μlのLPS(E.coli.011
1:B4;最終濃度10μg/ml)の添加前に、DMSOまたは適切な賦形剤中で、37℃で30
分間にわたり、湿潤(5%CO2/95%空気)インキュベータにて、試験化合物(3組)
20μlでインキュベートする(160μl)。各アッセイは、培地単独(6個のウェル/
1プレート)または標準として公知TNFαインヒビターでインキュベートした希釈
血液の対照を含んでいる。次いで、これらのプレートを、37℃(湿潤インキュベ
ータ)で6時間インキュベートし、遠心分離し(2000rpmで10分間;4℃)、血漿採
取し(50〜100μl)、そしてELISAによるTNFα濃度の引き続いた分析の前に、−70
℃で、96ウェルプレートに保存する。この試験では、一般に、化合物は、50μM
より低い活性を有するなら、重要である。インビボ評価
本発明の化合物のエキソビボTNFαインヒビターとしての性能を、ラットにお
いて評価する。要約すると、オスWistar Alderley Park(AP)ラット(180〜210g)
の群に、適切な経路(例えば、経口(p.o.)、腹腔内(i.p.)、皮下(s.c.))により、
化合物(6匹のラット)または薬剤賦形剤(10匹のラット)を投薬する。90分後、ラ
ットを、高濃度のCO2を用いて屠殺し、そして後方大静脈を介して、5単位のナ
トリウムヘパリン/血液1mlへと、血液を抜き取った。血液試料を、直ちに、氷
上に置き、そして4℃で10分間にわたって、2000rpmで遠心分離し、採取した血
漿を、LPS刺激ヒト血液によるTNFα産生に対するそれらの効果の引き続いたアッ
セイのために、−20℃で凍結する。このラット血漿試料を解凍し、そして各試料
175μlを、96Uウェルプレート中の所定フォーマットパターンに添加する。次い
で、ヘパリン処理ヒト血液50μlを、各ウェルに添加し、混合し、そしてこのプ
レートを、37℃で30分間インキュベートする(湿潤インキュベータ)。これらのウ
ェルに、LPS(25μl;最終濃度10μg/ml)を添加し、インキュベーションをさらに
5.5時間継続する。対照ウェルを、培地25μl単独でインキュベートする。次いで
、プレートを、2000rpmで10分間遠心分離し、その上澄み液200μlを、96ウェル
プレートに移し、そしてELISAによるTNF濃度の引き続いた分析のために、−20℃
で凍結する。
専用ソフトウェアによるデータ分析は、各化合物/用量を計算する:
薬効学試験
本発明の化合物のクリアランス特性を評価するために、感受性エキソビボ薬物
動態学的試験を使用し、これは、クリアランス率を評価するためのCON2アッセイ
を利用する。
これは、一定範囲の種にわたって、化合物のクリアランス率を概算するために
使用できる一般試験である。動物(例えば、ラット、マーモセット)に、化合物の
溶液製剤を静脈内投与し、引き続いた時点(例えば、5分、10分、15分、20分、3
0分、45分、60分、120分)で、適切な血管から、10単位ヘパリンへと、血液試料
を取り出す。遠心分離の後に血漿画分を得、この血漿タンパク質をエタノールで
沈殿させる(最終濃度70%)。4℃で30分後、この血漿タンパク質を遠心分離によ
り沈降させ、上澄み画分を、Savant speed vacを用いて、乾燥状態まで蒸発させ
る。この沈降物をC0N2アッセイ緩衝液中にて再構成し、引き続いて、TNFコンバ
ターゼアッセイ(CON2)を用いて、化合物含量について分析する。要約すると、評
価を受ける化合物について、化合物濃度応答曲線を構築する。再構成した血漿抽
出物の連続希釈を活性について評価し、初期血漿試料中に存在する化合物の量を
、全血漿希釈因子を考慮して、濃度-応答曲線を用いて、計算する。抗関節炎薬としての試験
抗関節炎薬としての化合物の活性は、以下のようにして試験する。酸溶解性天
然型IIコラーゲンは、Trenthamら[1]によって、ラットでの関節炎発生性(arthri
togenic)であることが明らかとなった;それは、フロイント不完全アジュバント
中で投与すると、多発関節炎を引き起こした。これは、現在では、コラーゲン誘
発関節炎(CIA)として知られており、類似の病態は、マウスおよび霊長類におい
て、誘発できる。最近の研究から、抗TNFモノクローナル抗体[2]およびTNF受容
体-IgG融合タンパク質[3]は、確立されたCIAを改善することが明らかとなってお
り、このことは、TNFが、CIAの病態生理学において、重要な役割を果たすことを
示している。さらに、最近の間接リウマチ臨床試行において、抗TNFモノクロー
ナル抗体について報告された著しい効能は、TNFが、この慢性炎症性疾患におい
て、主要な役割を果たすことを示している。それゆえ、参考文献2および3で記
載されているように、DBA/1マウス中のCIAは、三次モデルであり、これは、化合
物の抗関節炎活性を立証するのに使用できる。
1.Trentham,D.E.ら、(1977)J.Exp.Med.,146,857。
2.Williams,R.O.ら、(1992)Proc Natl Acad Sci,89,9784。
3.Williams,R.O.ら、(1995)Immunology,84,433。
実施例では:
(a)NMRスペクトルは、400MHzで得た;
(b)DMFとは、ジメチルホルムアミドという意味である;
(c)溶媒の蒸発は、減圧下にて行った;
(d)LDAとは、リチウムジ-イソプロピルアミドという意味である;
(e)THFとは、テトラヒドロフランという意味である;
(f)DMSOとは、ジメチルスルホキシドという意味である;
(g)AcOHとは、酢酸という意味である。実施例1 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'- ジ ヒドロキノリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミ ド N2-[4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロ
キノリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(435
mg、0.89mmol)を、DMF(8ml)に溶解した。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(180
mg、1.35mmol)を添加し、続いて、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド塩酸塩(256mg、1.35mmol)、2,6-ルチジン(207μl、1.78mmol)およ
びO-(tert-ブチルジメチルシリル)ヒドロキシルアミン(180mg、1.16mmol)を添加
した。得られた溶液を室温で一晩攪拌した。この粗反応混合物をHCl(2N、1.5ml
)で処理し、そして溶離液としてアセトニトリルおよび水/1%Ac0H(1/9〜35/65
の勾配)の混合物を用いて、C18分離用HPLCにより精製した。溶離により、白色固
形物として、表題化合物(200mg、収率45%)を得た。
出発物質として使用したN2-[4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-
オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシ
ン-N1-メチルアミドは、以下のようにして、得た:
(i) N2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L
-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(400mg、1.07mmol)を、アルゴン下にて、THF(1
0ml)に溶解した。水素化ナトリウム(50mg、オイル中60%、1.2mmol)を添加し、
続いて、3分後、6-ブロモメチル-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリンRef l
(325mg、1.3mmol)のTHF(10ml)溶液およびヨウ化ナトリウム(161mg、1.07mmol)
を添加した。得られた混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物を、NH4Clの飽
和溶液で処理し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で
乾燥し、濾過し、そして溶媒を除去した。その残留物を、溶離液としてアセトニ
トリル-ジクロロメタン(3/7〜3/2の勾配)を用いたシリカ上フラッシュクロマト
グラフィーにより精製して、泡状物として、N2-[2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-
2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシ-4-tert-ブチルオキシス
クシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(469mg、81%)を得た:MS(ESI):54
4(M+H+)および566(M+Na+)。
(ii) N2-[2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン
-6'-イル)メトキシ-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチ
ルアミド(489mg、0.9mmol)の無水ジクロロメタン(2ml)溶液に、トリフルオロ酢
酸(1.38ml)を滴下した。この溶液を室温で一晩攪拌した。この溶媒を真空中にて
蒸発させた。その残留物をトルエンに溶解させ、この溶媒を真空中にて除去した
(3回)。その残留物をジエチルエーテルに溶解させ、粉砕し、そして濾過して
、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロ
キノリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(440
mg、100%)を得た:MS(ESI):488(M+H+)および510(M+Na+)。
工程(i)の出発物質として使用したN2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブチル-4-tert-
ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミドは、以下のように
して、得た:
a) アルゴン下にて−78℃まで冷却したLDAの攪拌溶液[45.5mmol;ヘキサン中
の2.5M n-ブチルリチウム(18.2ml、45.5mmol)を、−78℃にて、ジイソプロピル
アミン(6.3ml、48.3mmol)の無水THF(20ml)溶液に添加することにより、調製した
]に、2R-イソブチル-ブタン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステルRef2(5.0g、2
1.7mmol)の無水THF(15ml)溶液を滴下した。この混合物を、−78℃
で45分間攪拌し、四塩化炭素(2.3ml、23.9mmol)の無水THF(3ml)溶液を、内部温
度が−65℃より高くならないように、約8分間にわたって、ゆっくりと滴下した
。この混合物を−78℃で30分間攪拌し、室温まで暖め、そして室温で1時間攪拌
した。この溶液を−78℃まで冷却し、そしてHCl(2N、3.3ml)を添加することに
より、クエンチした。この溶液を室温まで暖め、そしてジエチルエーテルで抽出
した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして溶媒を除去して、
1個の粗単一異性体を直接得た。その残留物を、溶離液としてアセトニトリルを
用いたシリカ上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、淡褐色のオイル
として、3R-クロロ-2S-イソブチル-ブタン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステ
ル(5.6g、98%)を得た:
b) 3R−クロロ-2S-イソブチル-ブタン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステル
(4.0g、15mmol)のアセトニトリル(100ml)攪拌溶液に、L-tert-ロイシンN-メチル
アミド(2.8g、19.4mmol)を添加した。この混合物を、室温で24時間攪拌した。追
加量のアセトニトリル(25ml)を添加し、この混合物を12時間攪拌した。
この溶媒を真空中で蒸発させ、その残留物を、水と酢酸エチルとの間で分割した
。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして溶媒を除去した。その
残留物を、溶離液としてアセトニトリル-ジクロロメタン(1/4〜1/3の勾配)を用
いたシリカ上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、ベージュ色の固形
物として、N2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]
-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(2.48g、45%)を得た:
このクロマトグラフィーから、少量の未反応3R-クロロ-2S-イソブチル-ブタン
-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステル(336mg)を回収した。実施例2 N2 −[4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(キノリン-8'-イル)メトキシ スクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イ
ソブチル-3S-(キノリン-8-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチ
ルアミド(425mg、0.92mmol)から、白色固形物として、表題化合物(280mg、65%)
を得た。 この出発物質は、以下のようにして調製した:
(i) ヨウ化ナトリウムを添加しなかったこと以外は、実施例1の(i)で記述し
た方法と類似の方法で、N2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブチル-4-tert-ブチルオキ
シスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(500mg、1.34mmol)および8-
ヨードメチルキノリンRef3(430mg、1.6mmol)から、ゴム状物として、N2-[2R-イ
ソブチル-3S-(キノリン-8'-イル)メトキシ-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L
-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(540mg、79%)を得た:
MS(ESI):514(M+H+)および536(M+Na+)。
(ii) 実施例1の(ii)で記述した方法と類似の方法で、N2-[2R-イソブチル-3S
-(キノリン-8'-イル)メトキシ-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシ
ン-N1-メチルアミド(540mg、1.05mmol)から、白色固形物として、N2-[4-ヒドロ
キシ-2R-イソブチル-3S-(キノリン-8'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイ
シン-N1-メチルアミド(432mg、94.5%)を得た:
MS(ESI):458(M+H+)および480(M+Na+)。実施例3 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(2'-メチル-4'-オキソ-3',4'- ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチル アミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-
イソブチル-3S-(2'-メチル-4'-オキソ-3',4'-ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メト
キシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(470mg、0.96mmol)から、白
色固形物として、表題化合物(152mg、32%)を得た。
この出発物質は、以下のようにして調製した:
(i) 15−クラウン-5(1滴)もまた添加したこと以外は、実施例1の(i)で記述
した方法と類似の方法で、N2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブチル-4-tert-ブチルオ
キシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(650mg、1.7mmol)および6-
ブロモメチル-2-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリンRef4(663mg、2.55mmo
l)から、N2-[2R-イソブチル-3S-(2'-メチル-4'-オキソ-3',4'-ジヒドロキナゾリ
ン-6'-イル)メトキシ-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メ
チルアミド(530mg、57%)を泡状物として得た:
MS(EI):545(M+H+)。
(ii) 実施例1の(ii)で記述した方法と類似の方法で、N2-[2R-イソブチル-3S
-(2'-メチル-4'-オキソ-3',4-ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メトキシ-4-tert-ブ
チルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(530mg、0.97mmol)か
ら、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-3S-(2'-メチル-4'-オキソ-3',4'-ジヒド
ロキナゾリン-6-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(
480mg、100%)を得た:
MS(ESI):489(M+H+)および511(M+Na+)。実施例4 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(7'-ブロモ-2'-メチル-4'-オキ ソ-3',4'-ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン- N1-メチルアミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イ
ソブチル-3S-(7'-ブロモ-2-メチル-4'-オキソ-3',4'-ジヒドロキナゾリン-6'-イ
ル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(345mg、0.6mmol)か
ら、白色粉末として、表題化合物(140mg、40%)を得た。
この出発物質は、以下のようにして調製した:
(i) 15-クラウン-5(1滴)もまた添加したこと以外は、実施例1の(i)で記述
した方法と類似の方法で、N2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブチル-4-tert-ブチルオ
キシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(470mg、1.26mmol)およ
び7-ブロモ-6-ブロモメチル-2-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン(500mg
、1.5mmol)から、N2-[2R-イソブチル-3S-(7'-ブロモ-2'-メチル-4'-オキソ-3',
4'-ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メトキシ-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-
L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(500mg、64%)を泡状物として得た:
MS(ESI):645(M{79Br}+Na+)および647(M{81Br}+Na+)。
(ii) 実施例1の(ii)で記述した方法と類似の方法で、N2-[2R-イソブチル-3S
-(7'-ブロモ-2'-メチル-4'-オキソ-3',4'-ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メトキ
シ-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(500mg
、0.8mmol)から、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-3S-(7'-ブロモ-2'-メチル-4
'-オキソ-3',4'-ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロ
イシン-N1-メチルアミド(387mg、85%)を得た:
MS(ESI):567(M{79Br}+H+)および569(M{81Br}+H+)。
7-ブロモ-6-ブロモメチル-2-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリンは、(7
-ブロモ-6-ブロモメチル-2-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-3-イル)
メチル2,2-ジメチルプロパノエートの標準的な脱保護(HCl水溶液)により、調製
した[RN 140395-66-0;Zeneca Ltd.;(Pegg,S.J.,Wardleworth,J.M.)英国特
許出願GB 2264946 A1]。実施例5 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'- ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-ジメチル アミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イ
ソブチル-3S-(1'-メチル-2-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシ
スクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-ジメチルアミド(205mg、0.4mmol)から、白色
固形物として、表題化合物(116mg、56%)を得た。
この出発物質は、以下のようにして調製した:
(i) 実施例1の(i)で記述した方法と類似の方法で、N2-[3S-ヒドロキシ-2R-
イソブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-ジメチルア
ミド(197mg、0.51mmol)および6-ブロモメチル-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ
キノリン(141mg、0.56mmol)から、ゴム状物として、N2-[2R-イソブチル-3S-(1'-
メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6-イル)メトキシ-4-tert-ブチルオ
キシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-ジメチルアミド(243mg、85%)を得た:
MS(EI):558(M+H+)および580(M+Na+)。
(ii) 実施例1の(ii)で記述した方法と類似の方法で、N2-[2R-イソブチル-3S
-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシ-4-tert-ブ
チルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-ジメチルアミド(242mg、0.43mmol)
から、白色固形物として、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-
オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシ
ン-N1-ジメチルアミド(210mg、97%)を得た:MS(ESI):502(M+H+)および524(M+Na+
)。
工程(i)の出発物質として使用したN2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブチル-4-tert
-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-ジメチルアミドは、以下のよう
にして得た:
実施例1の(b)で記述した方法と類似の方法で、3R-クロロ-2S-イソブチル-ブ
タン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステル(500mg、1.89mmol)のアセトニトリル
(7ml)の溶液に、L-tert-ロイシンN-ジメチルアミドNOTE(448mg、2.83mmol)を添
加した。この混合物を室温で24時間攪拌した。この混合物をNH4Cl水溶液(10%)
に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、MgSO4
で乾燥し、濾過し、そして溶媒を除去した。その残留物を、溶離液としてアセ
トニトリル-ジクロロメタン(1/4)を用いたシリカ上フラッシュクロマトグラフィ
ーにより精製して、ゴム状物(これは、固化した)として、N2-[3S-ヒドロキシ-2R
-イソブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-ジメチルア
ミド(395mg、54%)を得た:
NOTEL-tert-ロイシンN-ジメチルアミドは、L-tert-ロイシンとトリホスゲンとの
反応により3-(S)-tert-ブチルオキサゾリジン-1,4-ジオンを得、これを、次いで
、ジメチルアミンの飽和含エーテル溶液で処理することにより、調製した。実施例6 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'- ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-ジメ チルアミノエチル)アミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イ
ソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシ
スクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-ジメチルアミノエチル)アミド(230mg、0.3
5mmol)から、白色固形物として、表題化合物(60mg、50%)を得た。
この出発物質は、以下のようにして調製した:
(i) 実施例1の(i)で記述した方法と類似の方法で、N2-[3S-ヒドロキシ-2R-
イソブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-ジメチル
アミノエチル)アミド(220mg、0.51mmol)および6-ブロモメチル-1-メチル-2-オキ
ソ-1,2-ジヒドロキノリン(142mg、0.56mmol)から、N2-[2R-イソブチル-3S-(1'-
メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシ-4-tert-ブチルオ
キシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-ジメチルアミノエチル)アミド(132mg
、43%)を得た:MS(EI):601(M+H+)。
(ii) 実施例1の(ii)で記述した方法と類似の方法で、N2-[2R-イソブチル-3S
-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシ-4-tert-ブ
チルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-ジメチルアミノエチル)アミド(
230mg、0.38mmol)から、吸湿性固形物として、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イソブチル
-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシスクシニ
ル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-ジメチルアミノエチル)アミド(240mg、96%)を得た
:
MS(ESI):545(M+H+)。
工程(i)の出発物質として使用したN2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブチル-4-tert-
ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-ジメチルアミノエチル)アミ
ドは、以下のようにして得た:
実施例1の(b)で記述した方法と類似の方法で、3R-クロロ-2S-イソブチル-ブ
タン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステル(500mg、1.89mmol)のアセトニトリル
(7ml)溶液に、L-tert-ロイシンN-(2-ジメチルアミノエチル)アミドNOTE(455mg
、2.2mmol)を添加した。この混合物を室温で48時間攪拌した。この混合物をNH4C
l水溶液(10%)に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水
で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして溶媒を除去した。その残留物を、溶
離液としてメタノール-ジクロロメタン(1/9)を用いたシリカ上フラッシュクロマ
トグラフィーにより精製して、ゴム状物として、N2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブ
チル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-ジメチルアミノ
エチル)アミド(437mg、54%)を得た:
NOTEL-tert-ロイシン2-ジメチルアミノエチルアミドは、L-tert-ロイシンとトリ
ホスゲンとの反応により3-(S)-tert-ブチルオキサゾリジン-1,4-ジオンを得、こ
れを、次いで、N,N-ジメチルエチレンジアミンで処理することにより、調製し
た。実施例7 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-(4'-ベンジルオキシ)ブチル-3S-(1'-メチル-2' -オキソ-1',2-ジヒドロキノリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシ ン-N1-ジメチルアミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-(4
'-ベンジルオキシ)ブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6
'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(300mg.0.5mmo
l)から、白色固形物として、表題化合物(145mg、47%)を得た。
この出発物質は、以下のようにして調製した:
(i) 実施例1の(i)で記述した方法と類似の方法で、N2-[3S-ヒドロキシ-2R-(
4'-ベンジルオキシ)ブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-
N1-メチルアミド(480mg、1.0mmol)および6-ブロモメチル-1-メチル-2-オキソ-1,
2-ジヒドロキノリン(278mg、1.1mmol)から、白色固形物として、N2-[2R-(4'-ベ
ンジルオキシ)ブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6-イ
ル)メトキシ-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミ
ド(402mg、61%)を得た:MS(EI):650(M+H+)および672(M+Na+)。
(ii) 実施例1の(ii)で記述した方法と類似の方法で、N2-[2R-(4'-ベンジル
オキシ)ブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2-ジヒドロキノリン-6'-イル)メト
キシ-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(380m
g、0.58mmol)から、細かい白色粉末として、N2-[4-ヒドロキシ-2R-(4'-ベンジル
オキシ)ブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリン-6'-イル)メ
トキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(335mg、97%)を得た:
MS(ESI):594(M+H+)および616(M+Na+)。
工程(i)の出発物質として使用したN2-[3S-ヒドロキシ-2R-(4'-ベンジルオキシ
)ブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミドは
、以下のようにして得た:
実施例1のa)で記述した方法と類似の方法で、アルゴン下にて−78℃まで冷却
したLDAの攪拌溶液[11.24mmol;ヘキサン中の2.5Mn-ブチルリチウム(4.5ml、11.
24mmol)を、−78℃にて、ジイソプロピルアミン(1.57ml,11.24mmol)の乾燥THF(
4ml)溶液に添加することにより、調製した]に、2R-(4'-ベンジルオキシ)ブチル-
ブタン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステルRef5(1.8g、5.35mmol)の乾燥THF(
2ml)溶液を滴下した。この混合物を、−78℃で70分間攪拌し、四塩化炭素(0.56
6ml、5.89mmol)の乾燥THF(1ml)溶液を、内部温度が−65℃より高くならないよ
うに、約8分間にわたって、ゆっくりと滴下した。この混合物を−78℃で60分間
攪拌し、そしてHCl(2N)を添加することにより、クエンチした。この溶液を室温
まで暖め、そしてジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で
乾燥し、濾過し、そして溶媒を除去して、褐色のオイルとして、粗3R-クロロ-2S
-(4'-ベンジルオキシ)ブチル-ブタン−1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステル(2.
13g、100%)を直接得、これを、以下の工程で、そのまま使用した:
実施例1のb)で記述した方法と類似の方法で、3R-クロロ-2S-(4'-ベンジルオ
キシ)ブチル-ブタン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステル(1.9g、5.12mmol)の
アセトニトリル(40ml)溶液に、L-tert-ロイシンN-メチルアミド(738mg、6.15mmo
l)を添加した。この混合物を室温で16時間攪拌した。この混合物をNH4Cl水溶液(
10%)に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し
、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして溶媒を除去した。その残留物を、溶離液とし
てアセトニトリル-ジクロロメタン(3/17〜7/13の勾配)を用いたシリカ上フラッ
シュクロマトグラフィーにより精製して、淡褐色のゴム状物として、N2-
[3S-ヒドロキシ-2R-(4'-ベンジルオキシ)ブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニ
ル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(520mg、27%)を得た:
このクロマトグラフィーから、一定量の未反応の3R-クロロ-2S-(4'-ベンジル
オキシ)ブチル-ブタン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステル(412mg)を回収した
。実施例8 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(キノリン-8'-イル)メトキシス クシニル]-L-tert-ロイシン-N1-ジメチルアミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イ
ソブチル-3S-(キノリン-8'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-ジ
メチルアミド(150mg,0.31mmol)から、白色固形物として、表題化合物(48mg、32
%)を得た。 この出発物質は、アルキル化剤として8-ヨードメチルキノリンを用いて、実施
例5のように調製した。実施例9 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(キノリン-8'-イル)メトキシス クシニル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-ジメチルアミノエチル)アミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イ
ソブチル-3S-(キノリン-8'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-(2-
ジメチルアミノエチル)アミド(384mg、0.5mmol)から、白色固形物として、表題
化合物(115mg、39%)を得た。
この出発物質は、アルキル化剤として8-ヨードメチルキノリンを用いて、実施
例6のように調製した。実施例10 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(4'-オキソ-3',4'-ジヒドロキ ナゾリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-イ
ソブチル-3S-(4'-オキソ-3',4'-ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メトキシスクシニ
ル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(60mg、0.12mmol)から、白色非晶質固形
物として、表題化合物(20mg、34%)を得た。
この出発物質は、アルキル化剤として6-ブロモメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロ
キナゾリン(これは、6-メチルキナゾリン-4-オン(RN 19181-53-4;Maybridgeか
ら市販されている)の臭化(NBS、還流CCl4中のAIBN)により、調製した)を用いて
、実施例3のように調製した。実施例11 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-(4'-ベンジルオキシ)ブチル-3S-(キノリン-8'- イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド 実施例1の第一段落で記述した方法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-(4
'-ベンジルオキシ)ブチル-3S-(キノリン-8'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-
ロイシン-N1-メチルアミド(250mg、0.44mmol)から、白色固形物として、表題化
合物(110mg、43%)を得た。
この出発物質は、アルキル化剤として8-ヨードメチルキノリンを用いて、実施
例7のように調製した。実施例12 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-(3'-ベンジルオキシ)プロピル-3S-(2'-メチル- 4'-オキソ-3',4'-ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロ イシン-N1-メチルアミド O-(tert-ブチルジメチルシリル)ヒドロキシルアミンに代えて、O-(2,4-ジメト
キシベンジル)ヒドロキシルアミンを用い、反応混合物を、HCl(2N)に代えて、5
%TFA/ジクロロメタンで処理したこと以外は、実施例1の第一段落で記述した方
法と類似の方法で、N2-[4-ヒドロキシ-2R-(3'-ベンジルオキシ)プロピル-3S-(2'
-メチル-4'-オキソ-3',4'−ジヒドロキナゾリン-6'-イル)メトキシスクシニル]-
L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(1.0g、1.7mmol)から、白色固形物として、表
題化合物(430mg、41%)を得た。
この出発物質は、アルキル化剤として6-ブロモメチル-2-メチル-4-オキソ-3,4
-ジヒドロキナゾリンを用いて、実施例7と類似の方法で調製した。その3R-クロ
ロ-2S-(3-ベンジルオキシ)プロピル-ブタン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエステ
ルは、2R-(3'-ベンジルオキシ)プロパン-ブタン-1,4-ジオン酸-4-tert-ブチルエ
ステルRef5から、実施例7と類似の方法で調製した。実施例13〜22 (一般手順)
実施例13〜22については、その最終2工程は、N2-[4-(N-2',4-ジメトキシベン
ジルオキシ-N-2',4',6'-トリメトキシベンジルアミノ)-3S-ヒドロキシ-2R-イソ
ブチルスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(これは、N2-[3S-ヒドロ
キシ-2R-イソブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メ
チルアミド[これは、実施例1、段落a)およびb)で記述した]から、以下のように
して得た)のアルキル化および引き続く脱保護により、実施例13で具体的に記述
のようにして、行った。N2-[4-(N-2',4'- ジメトキシベンジルオキシ-N-2',4',6'-トリメトキシベンジル アミノ)-3S-ヒドロキシ-2R-イソブチルスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチル アミド i) N2-[3S-ヒドロキシ-2R-イソブチル-4-tert-ブチルオキシスクシニル]-L-t
ert-ロイシン-N1-メチルアミド(10.2g、27.4mmol)の乾燥ジクロロメタン(40ml)
溶液に、トリフルオロ酢酸(40ml)を滴下した。この溶液を室温で一晩攪拌した。
この溶媒を真空中にて蒸発させた。その残留物をトルエンに溶解させ、この溶媒
を真空中にて3回除去した。その残留物をジエチルエーテルに溶解させ、粉末化
(triturated)し、そして濾過して、N2-[3S 3,4-ジヒドロキシ-2R-イソブチルス
クシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(8.6g、100%)を得た:MS(ESI):31
7(M+H+)および339(M+Na+)。
ii) N2-[3S 3,4-ジヒドロキシ-2R-イソブチルスクシニル]-L-tert-ロイシン-
N1-メチルアミド(8.0g、25.3mmol)を、DMF(150ml)に溶解した。1-ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール(5.1g、37.9mmol)を添加し、続いて、N-エチル-N'-(3-ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(7.2g、37.9mmol)、2,6-ルチジン(588
μl、5mmol)およびO-(2,4-ジメトキシベンジル-N-2,4,6-トリメトキシベンジル)
ヒドロキシルアミン(10.1g、27.8mmol)を添加した。得られた溶液を室温で一晩
攪拌した。この粗反応混合物を濃縮し、そして水と酢酸エチルとの間で分配した
。合わせた有機抽出物をHCl(1N)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し
、そして溶媒を除去した。その残留物を、溶離液としてアセトニトリル-ジクロ
ロメタン(2/3)を用いたシリカ上フラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、白色固形物として、表題化合物(8.8g、収率53%)を得た:
実施例13 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2-オキソ-1',2'-ジ ヒドロキノリン-7'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1−メチルア ミド a) N2-[4-(N-2',4'-ジメトキシベンジルオキシ-N-2',4',6'-トリメトキシベ
ンジルアミノ)-3S-ヒドロキシ-2R-イソブチルスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-
メチルアミド(330mg、0.5mmol)を、アルゴン下にて、乾燥THF(10ml)に溶解した
。水素化ナトリウム(23mg、オイル中で60%、0.57mmol)を添加し、続いて、30分
後、7-ブロモメチル-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリンRef6(138mg、0.5
4mmol)、ヨウ化ナトリウム(75mg、0.5mmol)および15-クラウン-5(1滴)を添加し
た。得られた混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物をNH4Clの飽和溶液で処
理し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、濾
過し、そして溶媒を除去した。その残留物を、溶離液としてアセトニトリル-ジ
クロロメタン(1/2〜1/1の勾配)を用いたシリカ上フラッシュクロマトグラフィー
により精製して、N2-[4-(N-2',4'-ジメトキシベンジルオキシ-N-2',
4',6'-トリメトキシベンジルアミノ)-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-
1',2'-ジヒドロキノリン-7'-イル)スクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミ
ド(334mg、80%)を得た:MS(ESI):833(M+H+)および855(M+Na+)。
b) N2-[4-(N-2',4'-ジメトキシベンジルオキシ-N-2',4',6'-トリメトキシベ
ンジルアミノ)-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキノリ
ン-7'-イル)スクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド(300mg、0.36mmol)
の乾燥ジクロロメタン(7.2ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.8ml)を滴下した。こ
の溶液を室温で12時間攪拌した。この溶媒を真空中にて蒸発させた。その残留物
をトルエンに溶解させ、この溶媒を真空中にて(3回)除去した。その残留物を
メタノールに溶解させ、粉砕し、そして濾過して粗生成物を得、これを、溶離液
としてメタノールおよび水/1%AcOHの混合物(1/1)を用いて、C18分離用HPLCに
より精製して、白色固形物として、表題化合物(70mg、38%)を得た:
実施例14 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(キノキサリン-5'-イル)メトキ シスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド アルキル化剤として5-ブロモメチルキノキサリンRef7を用いて、実施例13の一
般方法に従って、白色固形物として、表題化合物を得た:
精製:溶離液としてアセトニトリルおよび水/1%AcOHの混合物(1/5〜1/1の勾配
)を用いるC18分離用HPLCにより、表題化合物(82mg、43%)を得た。実施例15 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2'- ジヒドロキノリン-5'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルア ミド アルキル化剤として5-ブロモメチル-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリ
ンRef8を用いて、実施例13の一般方法に従って、白色固形物として、表題化合物
を得た:精製:溶離液としてメタノールおよび水/1%AcOHの混合物(3/2)を用いるC18「
結合-溶離」カラムにより濾過して、表題化合物(120mg、57%)を得た。実施例16 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2',3'-ジオキソイ ンドリン-5'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド アルキル化剤として5-ブロモメチル-1-メチル-2,3-ジオキソインドリンRef9を
用いて、実施例13の一般方法に従って、橙色固形物として、表題化合物を得た:
精製:溶離液としてアセトニトリルおよび水/1%AcOHの混合物(1/9〜3/7の勾配
)を用いるC18分離用HPLCにより、表題化合物(10mg、34%)を得た。実施例17 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(1'-メチル-2'-オキソ-1',2',3 ',4'-テトラヒドロキノリン-6-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1- メチルアミド 6-ブロモメチル-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリンを用いて、実施例
1のようにして、アルキル化工程を行い、その中間体を、Adamの触媒によって、
水素で還元して、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン中間体を得、これを、次いで、
実施例13のようにして、脱保護した。これにより、白色固形物として、表題化合
物を得た。
精製:溶離液としてメタノールおよび水/1%AcOHの混合物(3/7〜7/3の勾配)を
用いるC18分離用HPLCにより、表題化合物(146mg、53%)を得た。実施例18 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(キナゾリン-6'-イル)メトキシ スクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド アルキル化剤として6-ブロモメチルキナゾリンRef10を用いて、実施例13の一
般手順に従って、白色固形物として、表題化合物を得た。
精製:溶離液としてアセトニトリルおよび水/1%AcOHの混合物(1/9〜1/2の勾配
)を用いるC18分離用HPLCにより、表題化合物(87mg、34%)を得た。実施例19 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(2,3-ジヒドロ-4-メチル-3-オ キソ-1,4-ベンゾキサジン-7-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メ チルアミド アルキル化剤として7-ブロモメチル-2,3-ジヒドロ-4-メチル-3-オキソ-1,4-ベ
ンゾキサジンRef11を用いて、実施例13の一般手順に従って、白色固形物として
、表題化合物を得た。精製:溶離液としてメタノールおよび水/1%AcOHの混合物(1/1)を用いるC18「
結合-溶離」カラムにより濾過して、表題化合物(155mg、64%)を得た。実施例20 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(2'-オキソ-1',2'-ジヒドロキ ノリン-5'-イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド アルキル化剤として5-ブロモメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリンRef12を
用いて[2当量の塩基の存在下]、実施例13の一般手順に従って、白色固形物とし
て、表題化合物を得た。
精製:溶離液としてメタノールおよび水/1%AcOHの混合物(1/4〜2/1の勾配)を
用いるC18分離用HPLCにより、表題化合物(112mg、37%)を得た。実施例21 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(ベンゾキサゾール-5'-イル)メ トキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド アルキル化剤として5-ブロモメチルベンゾキサゾールRef13を用いて、実施例1
3の一般手順に従って、白色固形物として、表題化合物を得た。
精製:溶離液としてアセトニトリルおよび水/1%AcOHの混合物(1/9〜1/3の勾配
)を用いるC18分離用HPLCにより、表題化合物(22mg、17%)を得た。実施例22 N2-[4-(N- ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(2'メチルベンゾチアゾール-5' -イル)メトキシスクシニル]-L-tert-ロイシン-N1-メチルアミド アルキル化剤として5-ブロモメチル-2-メチルベンゾチアゾールRef14を用いて
、実施例13の一般手順に従って、白色固形物として、表題化合物を得た。
精製:溶離液としてアセトニトリルおよび水/1%AcOHの混合物(1/9〜1/3の勾配
)を用いるC18分離用HPLCにより、表題化合物(110mg、40%)を得た。実施例23
本発明の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩(「化合物X」)の典型的
な錠剤処方は、以下である:
(a) 錠剤処方I mg/ 錠剤
化合物X........................................ 100
ラクトースPh.Eur............................... 179
クロスカルメロース(Croscarmellose)ナトリウム.... 12
ポリビニルピロリドン............................ 6
ステアリン酸マグネシウム........................ 3
(b) 錠剤処方II mg/ 錠剤
化合物X........................................ 250
ラクトースPh.Eur............................... 215
クロスカルメロースナトリウム.................... 20
ポリビニルピロリドン............................ 10
ステアリン酸マグネシウム........................ 5
この錠剤は、製薬技術分野で周知の従来の手順により調製され得、そして典型
的なコーティング材料(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)で被覆し
たフィルムであり得る。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/4704 A61K 31/4704
31/517 31/517
31/538 31/538
A61P 1/04 A61P 1/04
9/00 9/00
11/00 11/00
11/06 11/06
17/00 17/00
17/06 17/06
19/02 19/02
19/06 19/06
19/10 19/10
29/00 29/00
101 101
31/00 31/00
37/08 37/08
43/00 43/00
111 111
C07D 209/38 C07D 209/38
215/14 215/14
239/90 239/90
241/42 241/42
263/56 263/56
265/36 265/36
277/64 277/64
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID
,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M
G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,
TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V
N,YU,ZW
(72)発明者 バード,トーマス ジオフリー コルリッ
ク
フランス国 エフ―51689 ライム セデ
ックス 2,ボワ ポスタール 1050,シ
ャミン ドゥ フリリー,ゼット.アイ.
ラ ポンペール,セント ドゥ ルシェル
シュ(番地なし)