JP2001518087A - 選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としてのα−メチレン−γ−ラクトン類 - Google Patents

選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としてのα−メチレン−γ−ラクトン類

Info

Publication number
JP2001518087A
JP2001518087A JP54102098A JP54102098A JP2001518087A JP 2001518087 A JP2001518087 A JP 2001518087A JP 54102098 A JP54102098 A JP 54102098A JP 54102098 A JP54102098 A JP 54102098A JP 2001518087 A JP2001518087 A JP 2001518087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
phenyl
furanone
methylsulfonyl
cox
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP54102098A
Other languages
English (en)
Inventor
レジエ,セルジユ
グリム,エーリツヒ
プラシツト,ペツピブーン
Original Assignee
メルク フロスト カナダ アンド カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GBGB9709356.1A external-priority patent/GB9709356D0/en
Application filed by メルク フロスト カナダ アンド カンパニー filed Critical メルク フロスト カナダ アンド カンパニー
Publication of JP2001518087A publication Critical patent/JP2001518087A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D405/00Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom
    • C07D405/02Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings
    • C07D405/06Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing two hetero rings linked by a carbon chain containing only aliphatic carbon atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C317/00Sulfones; Sulfoxides
    • C07C317/14Sulfones; Sulfoxides having sulfone or sulfoxide groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C317/00Sulfones; Sulfoxides
    • C07C317/24Sulfones; Sulfoxides having sulfone or sulfoxide groups and doubly-bound oxygen atoms bound to the same carbon skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D307/34Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D307/56Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D307/58One oxygen atom, e.g. butenolide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/04Systems containing only non-condensed rings with a four-membered ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/06Systems containing only non-condensed rings with a five-membered ring
    • C07C2601/08Systems containing only non-condensed rings with a five-membered ring the ring being saturated

Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(I)の新規化合物ならびにCOX−2介在疾患の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に対して無毒性で治療上有効量の式(I)の化合物を投与する段階を含む方法を包含するものである。本発明はさらに、式(I)の化合物を含むCOX−2介在疾患治療のためのある種の医薬組成物をも包含するものである。

Description

【発明の詳細な説明】選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としてのα−メチレン−γ−ラクトン類 発明の背景 本発明は、シクロオキシゲナーゼ介在疾患の治療方法および該治療のためのあ る種の医薬組成物に関するものである。 非ステロイド系抗炎症薬は、シクロオキシゲナーゼとも呼ばれるプロスタグラ ンジンG/Hシンターゼの阻害によって、それの抗炎症活性、鎮痛活性および解 熱活性のほとんどを行い、ホルモン誘発子宮収縮およびある種の癌成長を阻害す る。当初は、1種類のジクロオキシゲナーゼのみが知られており、それはシクロ オキシゲナーゼ−1(COX−1)すなわちウシ精嚢で最初に確認された構成酵 素に相当する。最近になって、第2の誘導可能な形のシクロオキシゲナーゼであ るシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)の遺伝子が、ニワトリ、マウスおよ びヒトの取得源からクローニング、配列決定および特性決定された。その酵素は 、ヒツジ、マウスおよびヒトなどの各種取得源からクローニング、配列決定およ び特性決定されたCOX− 1とは異なったものである。第2の形のシクロオキシゲナーゼであるCOX−2 は、***促進剤類、エンドトキシン、ホルモン類、サイトカイン類および成長因 子類などの多くの作用物質によって急速かつ容易に誘発することができる。プロ スタグランジン類は生理的役割および病理上の役割の両方を有することから、構 成酵素COX−1がかなりの割合で、内因性プロスタグランジン類の基本的放出 を受け持ち、従って消化管系の保全性および腎臓血流の維持などの生理機能にお いて重要であるという結論に本発明者らは到達した。それとは対照的に、誘導可 能な形であるCOX−2は、催炎物質、ホルモン類、生長因子およびサイトカイ ン類などの物質に対する応答で、酵素の急速な誘発を起こすと考えられるプロス タグランジンの病理効果を主として受け持つという結論を本発明者らは得ている 。そこで、COX−2の選択的阻害薬は、従来の非ステロイド系抗炎症薬と同様 の抗炎症性、解熱性および鎮痛性を有するであろうし、さらには、ホルモン誘発 子宮収縮を阻害し、抗癌効果を有する可能性があると考えられるが、その機序に 基づく副作用の一部を誘発する能力は低くなるであろう。特に、そのような化合 物では、消化管毒性の可能性が低下し、腎臓での副作用の可能性 が低下し、出血回数の低減効果があり、恐らくはアスピリン感受性の喘息患者に おける喘息発作誘発能の低下があるはずである。 さらに、そのような化合物は、収縮性プロスタノイドの合成を防止することで プロスタノイド誘発平滑筋収縮も阻害し、従って、月経困難症、早産、喘息およ び好酸球関連障害の治療に使用することができる。その化合物はさらに、アルツ ハイマー病の治療、特に閉経後女性における骨損失の低減(すなわち、骨粗鬆症 の治療)および緑内症治療において有用でもある。 シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬の可能な用途についての概説が、 1.ベインらの論文(John Vane,Nature,Vol.367,pp.215-216,1994); 2.バッティスティニらの論文(Bruno Battistini,Regina Botting and Y.S .Bakhle,"COX-1 and COX-2:Toward the Development of More Selective NSAI Ds"in Drug News and Perspectives,Vol.7,pp.501-512,1994); 3.ライツらの報告(David B.Reitz and Karen Seibert,”Selective Cyclo oxygenase Inhibitors”in Annual Reports in Nedical Chemistry ,James A.Bristol,Editor,Vol.30,pp.179-188,1995) にある。発明の概要 本発明は、下記式Iの新規化合物ならびにCOX−2介在疾患の治療方法であ って、そのような治療を必要とする患者に対して無毒性で治療上有効量の式Iの 化合物を投与する段階を有する方法を含むものである。 本発明はさらに、式Iの化合物を含む、COX−2介在疾患治療用のある種の 医薬組成物を含むものである。発明の詳細な説明 本発明は、式Iの新規な化合物ならびにCOX−2介在疾患の治療方法であっ て、そのような治療を必要とする患者に対して無毒性で治療土有効量の式Iの化 合物を投与する段階を有する方法を含むものである。 式中、 Xは (a)O (b)CH2 (c)CH(C1-3アルキル) (d)C(C1-3アルキル)2または (e)結合 であり; Yは (a)O (b)H,OHまたは (c)H,H であり; Arは (a)フェニルまたは (b)ピリジル であり; 各R1、R2、R3またはR4は独立に、 (a)水素または (b)C1-6アルキル であり; 各R5またはR6は独立に、 (a)水素 (b)ハロゲン (c)C1-4アルキル (d)C1-4アルコキシまたは (e)C1-4アルキルチオ であり; R7は (a)NH2または (b)CH3 である。 本発明の好ましい実施態様は、XがOのものである。 本発明の別の好ましい実施態様は、YがOのものである。 本発明の別の好ましい実施態様は、XおよびYの両方がOのものである。 本発明の別の好ましい実施態様は、R1およびR2の両方がCH3のものである 。 本発明の別の好ましい実施態様は、R5が水素またはFのものである。 本発明の別の好ましい実施態様は、R7がCH3のものである。 本発明の化合物の例としては、 3−[(E)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニルメチ リデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 5,5−ジメチル−3−[(E)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル) −1−フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(E)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニ ル)フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(Z)−1−(3−フルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニ ル)フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 5−メチル−3−[(E)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1 −フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(E)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニ ル)フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(Z)−1−(3−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニ ル)フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン; 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル) −1−(2−ピリジル)メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(Z)−1−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル )フェニル]メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン; 4,4−ジメチル−3−[1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1− フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 4−[シクロペンチリデン(フェニル)メチル]フェニルメ チルスルホン; 2−[(E)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニルメ チリデン]−1−シクロペンタノン; 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル) −1−(3−ピリジル)メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル )−1−(4−ピリジルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン;および 4−[シクロブチリデン(フェニル)メチル]フェニルメチルスルホン がある。 以下の略称は、ここに示す意味を有する。 AA=アラキドン酸 Ac=アセチル AIBN=2,2−アゾビスイソブチロニトリル Bn=ベンジル CSA=カンファースルホン酸 DMAP=4−(ジメチルアミノ)ピリジン DMF=N,N−ジメチルホルムアミド DMSO=ジメチルスルホキシド Et3N=トリエチルアミン HBSS=ハンクス液 HEPES=N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N1−[2−エタン スルホン酸] HWB=ヒト全血 KHMDS=カリウムヘキサメチルジシラザン LDA=リチウムジイソプロピルアミド LPS=リポ多糖類 MMPP=モノペルオキシフタル酸マグネシウム Ms=メタンスルホニル=メシル Ms0=メタンスルホネート=メシレート NSAID=非ステロイド系抗炎症薬 OXONETM=2KHSO5−KHSO4−K2SO4 PCC=クロロクロム酸ピリジニウム PDC=重クロム酸ピリジニウム Ph=フェニル r.t.=室温 rac.=ラセミ Tf=トリフルオロメタンスルホニル=トリフリル Tf0=トリフルオロメタンスルホネート=トリフレート TFOH=トリフルオロメタンスルホン酸 THF=テトラヒドロフラン TLC=薄層クロマトグラフィー Ts=p−トルエンスルホニル=トシル TsO=p−トルエンスルホネート=トシレート SO2Me=メチルスルホン SO2NH2=スルホンアミドアルキル基略称 Me=メチル Et=エチル n−Pr=ノルマルプロピル i−Pr=イソプロピル n−Bu=ノルマルブチル i−Bu=イソブチル s−Bu=セカンダリーブチル t−Bu=ターシャリーブチル c−Pr=シクロプロピル c−Bu=シクロブチル c−Pen=シクロペンチル c−Hex=シクロヘキシル用量関係略称 bid=bis in die=1日2回 qid=quater in die=1日4回 id=ter in die=1日3回 「アルキル」とは、指定数の炭素原子を有する、直鎖、分岐または環状の構造 ならびにそれらの組み合わせを意味する。アルキル基の例としては、メチル、エ チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シ クロヘキシル、ヘプチル、ペンタデシル、エイコシル、3,7−ジエチル−2, 2−ジメチル−4−プロピルノニルなどがある。 「アルコキシ」とは、直鎖、分岐または環状の構造を有する指定数の炭素原子 のアルコキシ基を意味する。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、 プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシな どがある。 「アルキルチオ」とは、直鎖、分岐または環状の構造を有す る指定数の炭素原子のアルキルチオ基を意味する。アルキルチオ基の例としては 、メチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、シクロヘプチルチオなどがあ る。例示すれば、プロピルチオ基は−SCH2CH2CH3を意味する。 ハロゲンには、F、Cl、BrおよびIなどがある。 別の実施態様においては本発明は、COX−2を阻害するためならびに本明細 書に開示のCOX−2介在疾患の治療のための組成物であって、医薬的に許容さ れる担体と無毒性で治療上有効量の上記のような式Iの化合物とを含む組成物を 含むものである。 さらに別の態様において本発明は、シクロオキシゲナーゼの阻害ならびにCO X−1に優先してCOX−2を選択的に阻害する活性薬剤によって効果的に治療 されるシクロオキシゲナーゼ介在疾患治療の方法であって、 そのような治療を必要とする患者に対して、無毒性で治療上有効量の本明細書 に開示のような式Iの化合物を投与する段階を含む方法をも含むものである。光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体 本明細書に記載の化合物の中には、1以上の不斉中心を有す ることから、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じるものもある。本発明は 、そのような可能なジアステレオマーならびにそれのラセミ体および分割されて エナンチオマー的に純粋な形、ならびにそれらの医薬的に許容される塩を含むも のとする。 本明細書に記載の化合物の中には、オレフィン系二重結合を有するものもあり 、別段の断りがない限り、それはEおよびZの両方の幾何屓性体を含むものとす る。 本発明の医薬組成物は、有効成分として式Iの化合物または該化合物の医薬的 に許容される塩を含むものであり、医薬的に許容される担体および適宜に他の治 療成分を含有することもできる。 本発明の化合物が塩基性の場合、無機酸および有機酸などの医薬的に許容され る無毒性酸から塩を製造することができる。そのような酸には、酢酸、アジピン 酸、アスパラギン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、 安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、1,2−エタンジスルホン酸、エ タンスルホン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、 グルコン酸、グルタミン酸、ヨウ化水 素酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデ ル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、2−ナフタレンスルホン酸、硝酸、シュウ酸 、パモ酸、パントテン酸、リン酸、ピバリン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ス テアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデカン酸 、10−ウンデセン酸などがある。特に好ましいものとしては、クエン酸、臭化 水素酸、塩酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、リン酸、硫酸および酒石酸であ る。 以下に記載の治療方法についての議論において、式Iの化合物と言う場合、そ れは医薬的に許容される塩を含むものであることは明らかであろう。利用分野 式Iの化合物は、リューマチ熱、インフルエンザその他のウィルス感染に関連 する諸症状、感冒、腰痛および頚部痛、月経困難症、頭痛、歯痛、捻挫および筋 違い、筋肉炎、神経痛、関節滑膜炎、慢性関節リウマチを含む関節炎、変形性関 節疾患(骨関節炎)、痛風および強直性脊椎炎、滑液嚢炎、火傷、手術および歯 科手術後の創傷などの各種状態の疼痛、発熱および炎症の緩和に有用である。さ らにそのような化合物は、細胞腫瘍転 換および転移性腫瘍成長を阻害することができ、従って、癌治療で使用すること ができる。化合物Iは、糖尿病性網膜症および腫瘍血管形成で起こるものなどの シクロオキシゲナーゼ介在増殖性障害の治療および/または予防において有用な ものともなり得る。 化合物Iはさらに、収縮性プロスタノイド類の合成を防止することで、プロス タノイド誘発平滑筋収縮を阻害することから、月経困難症、早産、喘息および好 酸球関連障害の治療において有用なものとなり得る。該化合物は、アルツハイマ ー病の治療ならびに特に閉経後女性における骨損失低減(骨粗鬆症の治療)およ び緑内障治療においても有用であろう。 高いCOX−2活性および/またはCOX−1に優先してのCOX−2に対す る特異性により、化合物Iは、従来のNSAIDにする代替薬として有用である ことが明らかであろう。特に、消化性潰瘍、胃炎、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、 憩室炎もしくは消化管病変の再発歴のある患者;消化管出血、低プロトロンビン 血症などの貧血を含む凝血障害、血友病その他の血液関係の問題のある患者;腎 臓疾患患者;手術前または抗凝血剤を服用している患者など、そのような非ステ ロイド系抗炎症薬 が禁忌となり得る場合に有用である。医薬組成物 上記のシクロオキシゲナーゼ介在疾患のいずれの治療においても、化合物Iは 、従来の無毒性で医薬的に許容される担体、補助剤および媒体を含む単位製剤で 、経口投与、局所投与、非経口投与、吸入噴霧投与または経直腸投与することが できる。本明細書で使用する場合の非経口という用語は、皮下注射、静脈注射、 筋肉注射、組織内注射または注入法を含むものである。マウス、ラット、ウマ、 ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコなどの温血動物の治療以外に、本発明の化合物はヒト の治療において有効である。 上記のように、ここで定義のCOX−2介在疾患治療用の医薬組成物は適宜に 、上記で挙げた1以上の成分を含有することができる。 上記有効成分を含む医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性も しくは油性の懸濁液、分散性粉剤もしくは顆粒、乳濁液、硬もしくは軟カプセル 、またはシロップもしくはエリキシル剤などの経口使用に好適な製剤とすること ができる。経口用組成物は、医薬組成物製造に関して当業界で公知のいず れかの方法に従って調製することができ、そのような組成物には、甘味剤、芳香 剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1以上の薬剤を含有させて、 医薬的に見た目が良く、風味の良い製剤を提供することができる。錠剤は、錠剤 製造に好適な無毒性で医薬的に許容される賦形剤との混合で、上記有効成分を含 有する。その賦形剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラク トース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;例えば コーンスターチもしくはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;例えばデンプン 、ゼラチンもしくはアカシアなどの結合剤;ならびに例えばステアリン酸マグネ シウム、ステアリン酸もしくはタルクなどの潤滑剤などがあり得る。錠剤は非コ ーティングとすることができるか、あるいは公知の方法によってコーティングを 施して、消化管における崩壊および吸収を遅延させ、それによって比較的長期間 にわたって持続的作用を提供させることができる。例えば、モノステアリン酸グ リセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの遅延材料を用いることができる 。該材料は米国特許4256108号、同4166452号および同42658 74号に記載の方法によってコーティングして、徐放用の浸透性治 療錠剤を形成することもできる。 経口用製剤は、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンな どの不活性固体希釈剤と前記成分を混合した硬ゼラチンカプセルとして、あるい はプロピレングリコール、PEGおよびエタノールなどの水系溶媒もしくは水混 和性溶媒または例えば落花生油、液体パラフィンもしくはオリーブ油などのオイ ル媒体と上記有効成分とを混合した軟ゼラチンカプセルとしても提供することが できる。 水系懸濁液は、水系懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合で活性材料を含有す る。そのような賦形剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチ ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、 ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガムなどの懸濁剤であ り;分散剤もしくは湿展剤は、例えばレシチンなどの天然ホスファチド、または 例えばステアリン酸ポリオキシエチレンなどの脂肪酸とアルキレンオキサイドと の縮合生成物、または例えばヘプタデカエチレンオキシセタノールなどの長鎖脂 肪族アルコールとエチレンオキサイドとの縮合生成物、またはモノオレイン酸ポ リオキシエチレンソルビトールなどの脂肪酸 とヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキサイドとの縮合生成 物、または例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンなどの、脂肪酸と無水 ヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキサイドとの縮合生成物 などがあり得る。水系懸濁液は、安息香酸エチルまたは安息香酸n−プロピル、 p−ヒドロキシ安息香酸などの1以上の保存剤、1以上の着色剤、1以上の芳香 剤、ならびにショ糖、サッカリンもしくはアスパルテームなどの1以上の甘味剤 を含有することもできる。 油性懸濁液は、有効成分を、落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油など の植物油、あるいは液体パラフィンなどの鉱物油に懸濁させることで製剤するこ とができる。油性懸濁液には、例えば蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコ ールなどの増粘剤を含有させることができる。上記の甘味剤および芳香剤を加え て、風味の良い経口製剤を提供することもできる。このような組成物は、アスコ ルビン酸などの酸化防止剤を加えることで防腐することができる。 水の添加による水系懸濁液の調製に好適な分散性粉剤および顆粒は、分散剤も しくは湿展剤、懸濁剤および1以上の保存剤 との混合で有効成分を提供するものである。好適な分散剤もしくは湿展剤および 懸濁剤の例としては、既に上述したものがある。例えば甘味剤、芳香剤および着 色剤などの別の賦形剤も存在させることができる。 本発明の医薬組成物は、水中油型乳濁液の剤型とすることもできる。その油相 は、例えばオリーブ油もしくは落花生油などの植物油または例えば液体パラフィ ンなどの鉱物油あるいはこれらの混合物とすることができる。好適な乳化剤とし ては、例えば大豆レシチンなどの天然ホスファチド、ならびに例えばモノオレイ ン酸ソルビタンなどの脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されるエステルも しくは部分エステル、ならびに例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビ タンなどの前記部分エステルとエチレンオキサイドとの縮合生成物があり得る。 乳濁液はさらに、甘味剤および芳香剤を含有することもできる。 シロップおよびエリキシル剤は、例えばグリセリン、プロピレングリコール、 ソルビトールまたはショ糖などの甘味剤を加えて製剤することができる。そのよ うな製剤には、粘滑剤、保存剤および芳香剤ならびに着色剤を含有させることも できる。該医薬組成物は、無菌の注射用水性もしくは油性懸濁液の形態 とすることができる。この懸濁液は、上述した好適な分散剤もしくは湿展剤およ び懸濁剤を用いて、公知の技術に従って製剤することができる。該無菌注射製剤 は、例えば1,3−ブタンジオールなどの無毒性で非経口的に許容される希釈剤 もしくは溶媒中での無菌注射溶液もしくは懸濁液とすることもできる。使用可能 な許容される媒体および溶媒には、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム 溶液などがある。エタノール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコ ール類などの共溶媒を用いることもできる。さらに従来のように、溶媒もしくは 懸濁媒体として、無菌の固定油を用いる。それに関しては、合成モノもしくはジ グリセリド等のいかなる固定油商品も使用可能である。さらに、注射剤の製剤に は、オレイン酸などの脂肪酸が用いられる。 化合物Iは、該薬剤の直腸投与用の坐剤の形態で投与することもできる。その ような組成物は、常温で固体であるが直腸温度では液体であることから、直腸で 融解して上記薬剤を放出する好適な非刺激性の賦形剤と該薬剤とを混和すること で調製することができる。そのような材料は、カカオバターおよびポリエチレン グリコール類である。 局所投与用には、式Iの化合物を含むクリーム、軟膏、ゲル、液剤または懸濁 液などを用いる(その投与法に関して、局所投与は含嗽液およびうがい剤を含む ものとする)。局所投与製剤は、医薬用担体、共溶媒、乳化剤、透過増強剤、保 存系および皮膚緩和剤を含有することができる。用量範囲 上記の状態の治療には、約0.01mg/kg〜約140mg/kg/日、あ るいは別表現として患者当たり約0.5mg〜約7g/日程度の投与レベルが有 用である。例えば炎症は、当該化合物を約0.01〜50mg/kg/日、ある いは別表現として、患者当たり約0.5mg〜約3.5g/日にて投与すること で、効果的に治療することができる。 担体材料と組み合わせて単一製剤を得ることができる有効成分の量は、治療対 象宿主および特定の投与形態に応じて変わるものである。例えばヒトの経口投与 用製剤には、適切かつ妥当な量の担体材料(組成物総量の約5〜約95%の範囲 で変動し得る)と配合して活性薬剤0.5mg〜5gを含有させることができる 。単位製剤は通常、有効成分を約1mg〜約500mg、代表的には25mg、 50mg、100mg、200mg、 300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000 mg含有する。 しかしながら、特定患者についての具体的な用量レベルは、年齢、体重、全身 の健康状態、性別、食事、投与時刻、投与経路、***速度、併用薬剤および治療 対象の特定疾患の重度などの各種要素によって決まることは明らかであろう。他薬剤との併用 同様に式Iの化合物は、従来のNSAIDが現在他の薬剤または成分と併用投 与される製剤において、該従来のNSAIDに対して部分的または完全に代わる ものとして有用である。そこでさらに別の態様において本発明は、上記で定義の ようなCOX−2介在疾患治療のための医薬組成物であって、無毒性で治療上有 効量の上記で定義の式Iの化合物と、アセトアミノフェンもしくはフェナセチン などの別の疼痛緩和薬;カフェインなどの強化剤;水酸化アルミニウムもしくは 水酸化マグネシウム、シメチコンなどのH2拮抗薬;フェニレフリン、フェニル プロパノールアミン、シュードフェドリン(pseudophedrine)、オキシメタゾリ ン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンも しくはレボデスオキシエフェ ドリン(levodesoxyephedrine)などの鬱血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、 カラミフェン、カルベタペンタンもしくはデキストラメトルファン(dextrameth orphan)などの鎮咳薬;ミソプロストール(misoprostol)、エンプロスチル(e nprostil)、リオプロスチル(rioprostil)、オルノプロストール(ornoprosto l)もしくはロサプロストール(rosaprostol)などのプロスタグランジン;利尿 薬;鎮静性もしくは非鎮静性の抗ヒスタミン剤などの1以上の成分とを含有する 組成物を含むものである。さらに本発明は、シクロオキシゲナーゼ介在疾患の治 療方法であって、そのような治療を必要とする患者に対して、無毒性で治療上有 効量の式Iの化合物を、適宜に1以上の直前に挙げたような成分との併用で投与 する段階を含む方法を包含するものである。合成方法 本発明の化合物は、以下の方法に従って製造することができる。方法1 ベンゾイルクロライド1とチオアニソール2との間のフリーデルクラフツ反応 により、ベンゾフェノン3を得る。LDAな どの好適な塩基を用いて、ラクトン4と3とを縮合させて、アルコール5を得る 。TfOHまたはCSAなどの酸を用いて、あるいはメシレートへの変換によっ て、アルコール5を脱水して6とする。6はE異性体およびZ異性体の混合物と して得られる。MMPPまたはOXONETMを用いてスルフィド6を酸化してス ルホン混合物7を得て、次にそれをクロマトグラフィーによって分離して、化合 物Iaを得る。 別法として、異性体6の混合物を分離し、所望の前駆体を酸化してIaとする ことができる。所望でない方の6の異性体および化合物8は、プロトン酸による 処理または光化学的手段によって所望の異性体に異性化することができる。 Arがピリジルである化合物Iを製造するには、ベンゾフェノン4に代えてケ トン12(方法2)を使用する。この場合、酸化段階(6−7)はOXONETM を用いて行って、ピリジン−N−オキサイドの生成を回避する。 方法2 ブロモチオアニソール9をアルキルリチウムと金属交換反応させ、次にアルデ ヒド10と反応させて、アルコール11を製 造する。酢酸エチル中MnO2などの温和な試薬による酸化によってケトン12 を得て、次にそれを、方法1のベンゾフェノン3に代えて用いる。 方法3 酸塩化物13とチオアニソール2との間のフリーデルクラフツ反応によってケ トン14を得て、それをアリールリチウム15と反応させることで3級アルコー ル16を得る。そのアルコールをプロトン酸で脱水することで、立体異性体の混 合物17を得て、それをMMPPその他の好適な酸化剤によって酸化してスルホ ンの混合物18を得る。三酸化クロムなどの試薬によるアリル酸化よって、異性 体混合物として19を得る。次に、クロマトグラフィー分離を行って、立体異性 体20およびIbを得る。 方法4 方法4に従って、スルホンアミド(R7=NH2)の製造を行う。MMPPなど の酸化剤を1当量用いることで、中間体6を選択的に酸化して、スルホキシド2 1とすることができる。21を無水トリフルオロ酢酸と反応させ、次にメタノー ル中トリエチルアミンで処理することで、遊離チオール22を得る。チオール2 2を酢酸中Cl2で酸化することでスルホニルクロライド中間体を得て、それを アンモニアと反応させて、スルホンアミドの異性体混合物23を得る。異性体を クロマトグラフィーによって分離して、24および所望のIcを得る。 方法5 方法5に、Iaの別途製造を示してある。LDAなどの無水塩基との反応によ って、ラクトン4とエステル25との縮合を 行って、ケトラクトン26を得る。25を無水トリフ(triflic)酸と反応させ ることで、エノールトリフレート27を立体異性体の混合物として得る。27と 28のスズキ(Suzuki)カップリングによって立体異性体の混合物6を得て、そ れを方法1の場合と同様に処理して化合物Iaを得る。 代表的化合物 表Iに、本発明の代表的な式Iの化合物を示してある。 生理活性測定のためのアッセイ 式Iの化合物について以下のアッセイを用いて試験を行い、そのCOX−2阻 害活性を測定することができる。シクロオキシゲナーゼ活性の阻害 CHOトランスフェクション細胞系を用いるCOX−2およびCOX−1につい ての全細胞アッセイ このアッセイには、ヒトCOX−1またはCOX−2 cDNAを含む真核細 胞発現ベクターpCDNAIIIで安定にトランスフェクションされたチャイニ ーズハムスター卵巣(CHO)細胞系を用いる。これらの細胞系はそれぞれ、C HO[hCOX−1]およびCHO[hCOX−2]と称する。シクロオキシゲ ナーゼアッセイでは、懸濁培養液からのCHO[hCOX−1]細胞と付着培養 液(adherent culture)のトリプシン処 理によって得られるCHO[hCOX−2]細胞を、遠心によって回収し(3. 00×g、10分間)、15mM HEPES(pH7.4)を含むHBSSで 1回洗浄し、細胞濃度1.5×106個/mLで、15mM HEPES(pH7 .4)を含むHBSSに角懸濁させる。被験薬剤をDMSOに溶かして、最高被 験薬濃度の66.7倍とする。化合物の試験は代表的には、最高薬剤濃度の連続 3倍DMSO希釈液を用いて、二連にて8濃度で行う。細胞(0.3×106個 /200μL)を、37℃で15分間、被験薬またはDMSO媒体3μLととも に前インキュベートする。濃厚AAのエタノール溶液を15mMHEPES(p H7.4)含有HBSSで10倍希釈することで、過酸化物を含まないAAの作 業溶液(CHO[hCOX−1]アッセイおよびCHO[hCOX−2]アッセ イのそれぞれについて、5.5μMおよび110μM AA)を調製する。次に 、薬剤の存在下または非存在下で、細胞にAA/HBSS溶液を負荷して、CH O[hCOX−1]アッセイにおいて0.5μM AAの最終濃度、CHO[h COX−2]アッセイにおいて10μM AAの最終濃度とする。1N HCl( 10μL)を加えることで反応を停止し、0.5N NaOH(20 μL)によって中和する。サンプルを4℃で10分間300×gで遠心し、透明 上清の一部を適切に希釈して、PGE2についての酵素結合イムノアッセイを用 いてPGE2レベルを求める(相関(Correlate)PGE2酵素イムノアッセイキ ット、Assay Designs,Inc.)。被験化合物非存在下でのシクロオキシゲナーゼ活 性を、アラキドン酸を負荷した細胞でのPGE2レベルにおけるエタノール媒体 を擬似負荷した細胞でのPGE2レベルに対する差として求める。被験化合物に よるPGE2合成阻害は、陽性対照サンプルにおける活性に対する薬剤存在下で の活性のパーセントとして計算する。U937細胞ミクロソームからのCOX−1活性のアッセイ U937細胞を500×gで5分間遠心することでペレット状とし、リン酸緩 衝生理食塩水で1回洗浄し、再度ペレットとする。0.1MトリスHCl(pH 7.4)、10mM EDTA、2μg/mLのロイペプチン、2μg/mLの 大豆トリプシン阻害剤、2μg/mLのアプロチニンおよび1mMのフェニルメ チルスルホニルフルオライドからなる均質化緩衝液に、細胞を再懸濁させる。細 胞懸濁液を10秒間4回超音波処理し、4℃で10分間、100000×gにて 遠心する。上清を4℃で 1時間、100000×gにて遠心する。100000×gミクロソームペレッ トを0.1MトリスHCl(pH7.4)、10mM EDTAに再懸濁させて 、蛋白約7mg/mLとし、−80℃で保存する。 ミクロソーム取得物は使用直前に解凍し、短時間の超音波処理を施し、10m MのEDTA、0.5mMのフェノール、1mMの還元グルタチオンおよび1μ Mのヘマチンを含む0.1MトリスHCl緩衝液(pH7.4)で、蛋白125 μg/mLの濃度に希釈する。アッセイは、最終容量250μLで二連にて行う 。最初に、深い96ウェル(deepwell)ポリプロピレン力価測定プレートのウェ ルで、10mM EDTAを含む0.1MトリスHCl緩衝液(pH7.4)2 0μLに、DMSO媒体または薬剤のDMSO溶液5μLを加える。次に、ミク ロソーム調製液200μLを加え、室温で15分間前インキュベートしてから、 1Mアラキドン酸の0.1MトリスHClおよび10mM EDTA(pH7. 4)溶液25μLを加える。サンプルを室温で40分間インキュベートし、1N HCl(25μL)を加えることで反応を停止する。1N NaOH(25μL )を加えてサンプルを中和してから、ラジオイムノアッセイ (Dupont-NENまたはAmershamのアッセイキット)によって、PGE2含有量の定 量を行う。シクロオキシゲナーゼ活性は、アラキドン酸存在下およびエタノール 媒体存在下にインキュベートしたサンプル中のPGE2濃度差とする。精製ヒトCOX−2活性アッセイ COX−2によるPGG2からPGH2への還元時における、N,N,N’,N ’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン(TMPD)の酸化に基づく発色ア ッセイを用いて、酵素活性を測定する(Copeland et al.,(1994)Proc.Natl.Aca d.Sci.91,11202-11206)。 前述の方法に従って、Sf9細胞から組換えヒトCOX−2を精製する(Perc ival et al(1994)Arch.Biochem.Biophys.15,111-118)。アッセイ混合物 (180μL)には、100mMリン酸ナトリウム(pH6.5)、2mMゲナポ ール(genapol)X−100、1μMヘマチン、1mg/mLゼラチン、精製酵素 80〜100単位(酵素1単位は、610nmで0.001/分のO.D.変化 を生じるのに要する酵素量と定義される)および被験化合物のDMSO溶液4μ Lを含有させる。混合物を室温(22℃)で15分間前インキュベートしてから 、1M アラキドン酸(AA)および1mM TMPDのアッセイ緩衝液溶液を超音波処 理したもの(酵素やヘマチンを含まない)20μLを加えることで酵素反応を開 始する。反応の最初の36秒間にわたるTMPD酸化の初期速度を計算すること で、酵素活性を求める。酵素非存在下で、非特異的酸化速度を観察し(0.00 7〜0.010 O.D./分)、それを差し引いてから阻害%の計算を行う。 対数用量−阻害%のプロットの4パラメータ最小二乗非線形回帰分析から、IC50 値を誘導する。ヒト全血アッセイ 試験実施の理由 ヒト全血は、選択的COX−2阻害薬などの抗炎症化合物の生化学的効力の試 験に適した蛋白・細胞豊富環境を提供する。研究により、正常なヒト血液にはC OX−2酵素が含まれないことが明らかになっている。これは、正常血液におけ るPGE2産生に対してCOX−2阻害薬が効果を持たないという所見と一致す るものである。そのような阻害薬は、COX−2を誘発するヒト全血のLPSと のインキュベーション後にのみ活性である。このアッセイを用いて、PGE2産 生に対する選択的COX−2阻害薬の阻害効果を評価することができる。さらに 、全 血中の血小板は多量のCOX−1酵素を含む。血液凝固の直後、血小板はトロン ビンが介在する機序によって活性化される。その反応により、COX−1の活性 化を介して、トロンボキサンB2(TxB2)が産生される。そこで、血液凝固後 のTxB2レベルに対する被験化合物の効果を調べ、COX−1活性の指標とし て用いることができる。従って、同じアッセイで、LPS誘発後のPGE2レベ ル(COX−2)および血液凝固後のTxB2レベル(COX−1)を測定する ことで、被験化合物による選択性の程度を求めることができる。方法 A.COX−2(LPS誘発PGE2産生) 男性および女性の両方の志願者から、静脈穿刺によって、ヘパリンを塗った試 験管に新鮮血液を採血する。被験者には外見上で炎症状態はなく、採血前の7日 以上にわたってNSAIDを服用していない。小分けした血液検体2mLから直 ちに血漿を得て、ブランクとして使用する(PGE2の基底線レベル)。残りの 血液を、室温で5分間、LPS(最終濃度100μg/mL、Sigma Chem、大腸 菌からの#L−2630;0.1%BSA(リン酸緩衝生理食塩水)で希釈)と ともにインキュ ベートする。血液500μLずつを、37℃で24時間、媒体(DMSO)2μ Lまたは10nM〜30nMの範囲の最終濃度の被験化合物2μLとともにイン キュベートする。インキュベーション終了後、血液を12000×gで5分間遠 心して血漿を得る。小分けした血漿100μLをメタノール400μLと混合し て、蛋白を沈殿させる。上清を得て、それについて、メーカー指定の方法に従っ て、PGE2をそれのメチルオキシメート誘導体に変換した後、ラジオイムノア ッセイキット(Amersham,RPA#530)を用いて、PGE2のアッセイを行う。 B.COX−1(凝血誘発TxB2産生) 抗凝血剤の入っていないバキュテーナーに新鮮血液を採血する。500μLず つを直ちに、10nM〜30nMの範囲の最終濃度でDMSOまたは被験化合物 2μLを予め入れておいたシリコン処理微量遠心管に移し入れる。該遠心管を3 7℃で1時間、渦攪拌およびインキュベートして、血液を凝固させる。インキュ ベーション終了後、遠心(12000×gで5分間)によって血清を得る。血清 の小分けサンプル100μLをメタノール400μLと混合して、蛋白を沈殿さ せる。上清を得て、それについて、酵素イムノアッセイキット(Cayman,#51903 1) を用いて、メーカー指定の方法に従ってTxB2のアッセイを行う。ラット前足浮腫アッセイ 試験実施計画 雄のスプレーグ・ドーリーラット(150〜200g)を終夜絶食させ、媒体 (1%メトセル(methocel)または5%Tween80)または被験化合物のい ずれかを経口投与する。1時間後、一方の後足首より上の高さに、永久的マーカ ーを用いて線を引いて、モニタリングする足の面積を決定する。水置換の原理に 基づく体積測定計(Ugo-Basile、イタリア)を用いて、足体積(V0)を測定す る。次に動物に対して、25ゲージ針を取り付けたインシュリン注射器を用いて 、足に1%カラギーナンの生理食塩水溶液(FMC Corp,Maine)50mLを足底 部皮下に(subplantarly)注射する(すなわち、片足にカラギーナン500μg )。3時間後、足体積(V3)を測定し、足体積の増加(V3−V0)を計算する 。動物をCO2窒息によって屠殺し、胃病変の有無を評点する。データを媒体対 照の値と比較して、阻害パーセントを計算する。投与群は全てコード化して、観 察者の先入観を排除するようにする。ラットにおけるNSAID誘発胃疾患 試験実施の理由 従来のNSAIDの主要な副作用は、ヒトにおいて胃病変を生じる能力である 。その作用は、消化管でのCox−1の阻害によって引き起こされると考えられ ている。ラットは、NSAIDの作用に対して特に感受性である。実際これまで に、現在使用されている従来のNSAIDについての消化管副作用を評価するに 当たっては、ラットモデルが一般的に用いられている。本アッセイでは、51Cr 標識赤血球の全身注射後における糞51Cr***を測定することで、NSAID誘 発消化管損傷を観察する。糞51Cr***は確立された技術であり、動物およびヒ トにおける消化管の完全性を検出する上で高感度の方法である。方法 雄スプレーグ・ドーリーラット(150〜200g)に対して、1回投与(急 性投与)または1日2回で5日間投与(慢性投与)のいずれかにて、被験化合物 を経口投与する。最後の投与が終了したら直ちに、ラットに対して、供血ラット からの51Cr標識赤血球0.5mLを、尾静脈から注射する。動物を個別に代謝 ケージに入れ、飼料および飲料水は自由に摂取さ せる。48時間にわたって糞を採取し、51Cr糞***を、総注射用量のパーセン トとして計算する。51Cr標識赤血球は、以下の手順で調製する。ヘパリンを塗 った試験管に、供血ラットの大静脈からの血液10mLを採血する。遠心によっ て血漿を除去し、等量のHBSSで再度満たす。赤血球を、37℃で30分間、51 クロム酸ナトリウム(400μCi)とともにインキュベートする。インキュ ベーション終了後、赤血球をHBSS20mLで2回洗浄して、遊離の51クロム 酸ナトリウムを除去する。最後に、赤血球をHBSS 10mLで再生し、ラッ ト1匹当たりに、その溶液0.5mL(約20μCi)を注射する。リスザルにおける蛋白損失性胃疾患 試験実施の理由 蛋白損失性胃疾患(消化管における循環細胞および血漿蛋白の出現として発現 する)は、標準的な非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)に対する重大な有害 応答であって、それによって用量が限定される。それは、51CrCl3溶液の静 脈投与によって定量的に評価することができる。その同位体イオンは、細胞およ び血清グロブリン類ならびに細胞小胞体に強く結合することができる。従って、 その同位体を投与してから24時間 にわたって採取した糞で認められる放射能の測定値は、蛋白損失性胃疾患の高感 度かつ定量的な指標を提供するものである。方法 雄リスザル(0.8〜1.4kg)の群に、H2O媒体中の1%メトセルもし くは5%Tween80(3mL/kg、1日2回)あるいは用量1〜100m g/kg(1日2回)の被験化合物のいずれかを5日間にわたって、強制経口投 与する。最後の薬剤/媒体投与から1時間後に、51Cr(1mL/kgのリン酸 緩衝生理食塩水(PBS)中5μCi/kg)を静脈投与し、代謝ケージで24 時間にわたって糞を採取し、γ線カウンティングによって***51Crを評価する 。最後の薬剤投与から1時間後および8時間後に静脈血を採血し、RP−HPL Cによって、薬剤の血漿濃度を測定する。非麻酔ラットにおけるLPS誘発発熱 雄スプレーグ・ドーリーラット(150〜200g)を、使用前16〜18時 間にわたって絶食させた。ほぼ午前9時30分に、動物を一時的にプレキシガラ ス容器に入れ、デジタル温度計(08502型、Cole Parmer)に接続された可 撓性温度プローブ(YSIシリーズ400)を用いて、動物の基底線直腸 体温を記録した。全ての動物について同じプローブおよび温度計を用いて、実験 誤差を低減するようにした。体温測定後、動物をケージに戻した。時間ゼロで、 ラットに対して、生理食塩水またはLPS(2mg/kg、Sigma Chem)のいず れかを腹腔内投与し、LPS注射から5時間後、6時間後および7時間後に直腸 体温を測定した。体温上昇が横這いとなった5時間後の測定後、LPS注射ラッ トに対して、媒体(1%メトセル)もしくは被験化合物を経口投与して、化合物 が発熱状態を回復させることができるか否かを調べた。基準(ゼロ回復)点とし て、対照(媒体投与)群で7時間後に得られた直腸体温を用いて、発熱の回復パ ーセントを計算した。LPS投与前の基底線値までの完全な発熱回復を100% とする。非麻酔リスザルにおけるLPS誘発発熱 リスザル(Saimiri sciureus)(1.0〜1.7kg)の群において、手術に よって、腹部皮下に温度プローブを埋め込んだ。それにより、遠隔測定感知シス テム(Data Sciences International,Minnesota)によって、非麻酔・非拘束の サルで体温をモニタリングすることができる。使用前の13〜14時間にわたり 動物を絶食させ、個々のケージに入れて馴致させ た。埋込温度プローブからの信号を拾う電子受信装置を、ケージの側面に取り付 けた。実験当日のほぼ午前9:00に、サルを一時的に訓練用椅子に拘束し、L PS(6μg/kg、無菌生理食塩水に溶かしたもの)の大量静脈注射を行った 。動物をケージに戻し、5分ごとに連続的に体温を記録した。体温が1.5〜2 ℃だけ上昇したLPS注射から2時間後に、媒体(1%メトセル)または被験化 合物(3mg/kg)のいずれかをサルに経口投与した。100分後、体温と基 底線値の差を求めた。対照群における値を0%阻害として、阻害パーセントを計 算した。ラットにおけるカラギーナン誘発の急性炎症性痛覚過敏 雄スプレーグ・ドーリーラット(90〜110g)を用いて実験を行った。3 時間前にカラギーナンを足底皮下注射することで(片方の後足に4.5mg)、 後足の機械的圧迫に対する痛覚過敏を誘発した。対照動物には、等量の生理食塩 水(足底皮下に0.15mL)を投与した。カラギーナン投与から2時間後に、 被験化合物(0.3〜30mg/kg、0.5%メトセルの蒸留水溶液に懸濁さ せたもの)または媒体(0.5%メトセル)を経口投与した(2mL/kg)。 1時間後、痛覚計 (Ugo Basile)を用いて、後足の圧迫に対する発声応答を測定した。 片側ANOVA(BMDP Statistical Software Inc.)を用いて、カラギーナン 誘発痛覚過敏についての統計解析を行った。痛覚過敏は、生理食塩水注射ラット での発声閾値を、カラギーナン注射動物で得られた値から差し引くことで求めた 。薬剤投与ラットについての痛覚過敏スコアは、その応答のパーセントとして表 した。次に、Grafit(Erithacus Software)を用いて平均データの非線形 最小二乗回帰分析を行うことで、ID50値(最大観察応答の50%をもたらす用 量)を計算した。ラットにおけるアジュバント誘発関節炎 6.5〜7.5週齢の雌ルイスラット(Lewis rat;体重約146〜170g )70匹について体重を測定し、耳にマークを施し、各群内で体重が同等となる ように、群(関節炎を誘発しなかった陰性対照群;媒体対照群;総1日用量1m g/kgでインドメタシンを投与した陽性対照群;ならびに総1日用量0.10 〜3.0mg/kgで被験化合物を投与した4群)に割り付けた。ぞれぞれラッ ト10匹からなる6群に対して、軽 油(アジュバント)0.1mLに入ったMycobacterium butyricum0.5mgを 後足に注射し、ラット10匹からなる陰性対照には、アジュバントは注射しなか った。アジュバント注射の前(第−1日)および21日後に、体重、反対側足体 積(水銀置換体積記録法によって測定)および側面X線撮像(ケタミンおよびキ シラジン麻酔下で得たもの)を得て、アジュバント注射の前(第−1日)および 4日後および21日後に、主たる試験足の体積を求めた。ラットには、X線撮影 用にケタミン(87mg/kg)およびキシラジン(13mg/kg)を併用で 0.03〜0.1mL筋肉注射して麻酔を施し、アジュバントを注射した。ファ キシトロン(Faxitron;45kVp、30秒)およびコダック(Kodak)X−O MAT TLフィルムを用いて、第0日および第21日に、両後足についてのX線 撮影を行い、自動処理装置で現像した。実験投与について知らされていない試験 担当者が、X線撮像について、軟組織および硬組織における変化を評価した。以 下のX線撮像上の変化を、重度に応じて数値にて等級分けした。すなわち、軟組 織体積の増加(0〜4)、関節窩の狭窄もしくは拡張(0〜5)、肋軟骨下びら ん(0〜3)、骨膜反応(0〜4)、骨溶解(0〜4)、亜脱臼(0〜 3)および変性性関節変化(0〜3)である。各X線撮像的変化について、個別 の基準を用いて、重度の数値的等級分けを行った。片足当たりの最大可能スコア は26であった。アジュバント注射後の開始時点およびその後21日間にわたっ て継続的に、総1日用量0.1、0.3、1および3mg/kg/日の被験化合 物、総1日用量1mg/kg/日のインドメタシンまたは媒体(0.5%メトセ ルの無菌水溶液)を、1日2回経口投与した。化合物の製造は毎週行い、用時ま で暗所で冷蔵し、投与直前に渦混合した。 体重および足体積についての%変化ならびに等級変換X線撮像総スコアには、 「時間」に関する反復計測を用いる2変量(「投与」および「時間」)分散分析 を適用した。その後、ドゥネット(Dunnett's)検定を行って、投与の効果を媒 体と比較した。胸腺重量および脾臓重量には片側分散分析を適用し、次にドゥネ ット検定を行って、投与の効果を媒体と比較した。非線形最小二乗回帰を用いる 4パラメータロジスティック関数によって、第4日、第14日および第21日で の足体積における阻害%に関する用量−応答曲線の適合を行った。ID50は、媒 体からの50%軽減に相当する用量と定義し、適合4パラメー タ式からの内挿によって誘導した。ラットにおける薬物動態 ラットにおける経口薬物動態 手順: 指針(Guidelines of the Canadian Council on Animal Care)に従って、動 物を飼育し、飼料を摂取させ、世話をする。 雄スプレーグ・ドーリーラット(325〜375g)を終夜絶食させてから、 各経口血中レベル試験を行う。 ラットを一時に1匹ずつ固定装置に入れ、箱をしっかりと固定する。尾先端か ら小切片を切り取ることで(1mm以下)、ゼロ血液検体を得る。次に尾を、強 くしかしゆっくりとした動きで先端からつけ根までさすることで、血液を絞り出 す。ヘパリンを塗ったパキュテーナ(vacutainer)管に血液約1mLを採血する 。 化合物は、必要に応じて、標準的な投与容量10mL/kgで調製し、16ゲ ージの3インチ強制経口投与用針を胃まで通すことで経口投与する。 再度尾を切る必要がない点を除き、ゼロ採血の場合と同じ方法で、それ以後の 採血を行う。尾を1枚のガーゼで清拭し、上 記の方法に従って絞り出し/さすりを行って、適切にラベルを施した管に採血す る。 採血直後に、血液を遠心し、分離し、明瞭にマークを施した薬品瓶に入れ、分 析時まで冷凍庫保管する。 経口投与後のラット血中レベル測定についての代表的な時点は、0、15分、 30分、1時間、2時間、4時間および6時間である。 4時間の時点での採血後、ラットには飼料を自由に摂取させる。試験中のいか なる時点でも飲料水は与える。媒体 経口ラット血中レベル測定では、以下の媒体を用いることができる。 PEG200/300/400:2mL/kgに制限 メトセル0.5%〜1.0%:10mL/kg Tween80:10mL/kg 経口血中レベル用の化合物は懸濁液の形とすることができる。溶解度を高める ため、液を約5分間超音波処理器で処理することができる。 分析においては、小分けサンプルを等量のアセトニトリルで 希釈し、遠心して、蛋白沈殿物を除去する。上清を、UV検出器を取り付けたC −18HPLCカラムに直接注入する。既知量の薬剤を入れた透明血液検体に関 して定量を行う。静脈投与と経口投与で曲線下面積(AUC)を比較することで 、生物学的利用能(F)を評価する。 クリアランス速度を、以下の関係式から計算する。 CLの単位はmL/h・kg(ミリリットル/時・キログラム)である。ラットにおける静脈投与薬物動態 手順: 指針(Guidelines of the Canadian Council on Animal Care)に従って、動 物を飼育し、飼料を摂取させ、世話をする。 雄スプレーグ・ドーリーラット(325〜375g)を、吊り上げ床、ケージ 上面、飲料水瓶および飼料のあるプラスチッ ク製靴箱型ケージに入れる。 化合物は必要に応じて、標準的投与容量1mL/kgで調製する。 ラットについてはゼロ採血用に採血し、CO2鎮静下で投与を行う。ラットを 一時に1匹ずつ、準備しておいたCO2室に入れ、ラットが立直り反射を失った ら直ちにCO2室から出す。次に、ラットを拘束台に載せ、口輪の上にCO2導入 管を取り付けた円錐頭を置き、ラットをその台にゴムで拘束する。鉗子と鋏を用 いて頸静脈を露出させ、ゼロ検体を採血し、次に所定用量の化合物を頸静脈に注 射する。注射部位を指で軽く押さえ、円錐頭を外す。時間を記録し、これをゼロ 時点とする。 尾の先端から小切片を切り取ることで(1〜2mm)、5分間の放血で採血を 行う。次に尾を、強くしかしゆっくりとした動きで先端からつけ根までさするこ とで、尾から血液を絞り出す。ヘパリンを塗った採血管に血液約1mLを採血す る。再度尾を切る必要がない点を除き、同じ方法で、それ以後の採血を行う。尾 を1枚のガーゼで清拭し、上記の方法に従って、適切にラベルを施した管に採血 する。 静脈投与後のラット血中レベル測定についての代表的な時点 は、 0、5分、15分、30分、1時間、2時間および6時間、あるいは 0、5分、30分、1時間、2時間、4時間および6時間である。媒体 静脈投与ラット血中レベル測定では、以下の媒体を用いることができる。 ブドウ糖:1mL/kg 2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン:1mL/kg DMSO(ジメチルスルホキシド):動物当たり0.1mLの投与容量に制限 PEG200:40%無菌水との混合で60%以下−1mL/kg ブドウ糖を用いる場合、溶液が濁っている場合は、重炭酸ナトリウムまたは炭 酸ナトリウムを加えることができる。 分析においては、小分けサンプルを等量のアセトニトリルで希釈し、遠心して 、蛋白沈殿物を除去する。上清を、UV検出 器を取り付けたC−18HPLCカラムに直接注入する。既知量の薬剤を入れた 透明血液検体に関して定量を行う。静脈投与と経口投与で曲線下面積(AUC) を比較することで、生物学的利用能(F)を評価する。 クリアランス速度を、以下の関係式から計算する。 CLの単位はmL/h・kg(ミリリットル/時・キログラム)である。 以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって限 定されるものではない。以下の実施例において、別段の断りがない限り、下記の (i)〜(viii)の通りとする。 (i)操作はいずれも室温もしくは環境温度、すなわち18〜25℃の範囲の 温度で行った。 (ii)溶媒留去は、60℃以下の浴温で、減圧下(600〜4000パスカ ル;4.5〜30mmHg)にて、ロータリ ーエバポレータを用いて行った。 (iii)反応の経過は薄層クロマトグラフィー(TLC)によって追跡し、 反応時間は例示のみを目的として示してある。 (iv)融点は未補正であり、「d」は分解を示している。示した融点は、こ こに記載の方法に従って製造された材料について得られた融点である。一部の製 造においては、多形によって、異なる融点を有する材料が単離される場合がある 。 (v)全ての最終生成物の構造および純度は、TLC、質量スペクトル分析、 核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定または微量分析データのうちの1以上の方 法によって確認したものである。 (vi)収率は、例示のみを目的として示したものである。 (vii)NMRデータがある場合、そのデータは、指定の溶媒を用いて30 0MHzまたは400MHzで測定した、内部標準としてのテトラメチルシラン (TMS)に関してppmで与えられる主要な特徴的プロトンについてのデルタ (δ)値の形で示してある。信号の形状に関して使用される従来の略称は、s( 一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(広い)などであ る。さらに、「Ar」は芳香環の信号を表す。 (viii)化学記号はその通常の意味を有する。以下の略称も用いた;v( 容量)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、 mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、 mmol(ミリモル)、eq(当量)。実施例 実施例1、5、7、9、11、13および17の化合物は、段階1における塩 化ベンゾイルを適切なアロイルクロライドに代え、ないしは段階2における4− メチル−4−ヒドロキシ吉草酸γ−ラクトンを適切なγ−ブチロラクトンに代え ることで、実施例3に関して記載の一連の反応に従って製造した。 実施例2、6、8、10、12および14の化合物は、それぞれ実施例1、5 、7、9、11および13の製造における段階4でクロマトグラフィー分離を行 うことで得た。 4−メチル−4−ヒドロキシ吉草酸γ−ラクトンはチェシュ K.,Pock,R.,Mayr,H.,Tet.Lett.,29,6925,1988)。 3,3−ジメチル−γ−ブチロラクトンは、ベイリーらの方法によって製造さ れる(Bailey,D.M.,Johnson,R.E., J.Org.Chem.,35,3574,1970)。実施例1 3−[(E)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニルメチリ デン]テトラヒドロ−2−フラノン 融点:146〜147℃ 元素分析:C18164S 計算値:C、65.84;H、4.91;S、9 .76 実測値:C、65.73;H、5.00;S、10.00実施例2 3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニル]メチ リデン]テトラヒドロ−2−フラノン 融点:211〜212℃ 元素分析:C18164S 計算値:C、65.84;H、4.91;S、9.76 実測値:C、65.75;H、5.01;S、9.97実施例3 5,5−ジメヂル−3−[(E)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル)− 1−フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 段階1:(4−(メチルチオ)フェニル)フェニルケトン 攪拌機を取り付けた3リットルRBFにAlCl3(152g)およびCHC l3(1.4リットル)を入れ、氷浴で冷却した。次に、塩化ベンゾイル(13 9mL)を0.5時間かけて氷冷懸濁液に加えた。内部温度を<10℃に維持し ながら、チオアニソールを1時間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物 を室温で2時間攪拌した。得られた暗赤−橙赤色懸濁液を氷水に注ぎ、脱色する まで攪拌した。有機層を分離し、水、飽和NaHCO3およびブラインで洗浄し 、Na2SO4で脱水し、濃縮して乾固させた。得られた白色固体をヘキサン(5 00mL)中で振り、濾取することで、標題化合物を白色固体として得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ2.59(3H、s)、7.41(2H 、d)、7.55(2H、t)、7.64(1H、m)、7.75(4H、m)段階2:3−[ヒドロキシ(4−(メチルチオ)フェニル)フェニルメチル]− 5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン;エリトロ異性体とトレオ異性体 の混合物 1.0M LDA溶液(3.9mL)を冷却して−78℃とし、それに4−メ チル−4−ヒドロキシ吉草酸γ−ラクトン(440 mg)のTHF(4mL)溶液を5分間かけて滴下し、その温度で反応を0.5 時間進行させた。次に、段階1からの(4−(メチルチオ)フェニル)フェニル ケトン(905mg)のTHF(4mL)溶液を滴下し、得られた混合物を−7 8℃で2時間攪拌した。反応液を25%NH4OAc水溶液(50mL)で処理 し、EtOAcで抽出した(50mLで2回)。有機層をMgSO4で脱水し、 濃縮した。粗生成物を、溶離液を20%EtOAc/ヘキサンとするシリカゲル 層での濾過によって部分的に精製して、標題化合物をジアステレオマーの淡黄色 固体混合物として得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ1.34および1.42(6H、2s) 、1.95(1H、m)、2.11(1H、m)、2.45(3H、s)、4. 45(1H、dd)、4.67(1H、s)、7.18(3H、m)、7.27 (2H、q)、7.44(1H、d)、7.51(1H、d)、7.56(1H 、d)、7.61(1H、d)段階3:5,5−ジメチル−[3{1−(4−(メチルチオフェニル)−1−フ ェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン;E異性体とZ異性体の混合物 段階2から得られた三級アルコール(929mg)のジクロロエタン(25m L)溶液に、Et3N(1.7mL)を加え、次にメタンスルホニルクロライド (0.8mL)を加えた。得られた混合物を70℃で20時間攪拌し、室温まで 放冷し、水(100mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(75mLで2回) 。有機層をMgSO4で脱水し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラ フィー(10%EtOAc/トルエン)によって精製して、標題化合物を得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ1.42(6H、2s)、2.52(3 H、2s)、2.93および2.99(2H、2s)、7.08〜7.41(9 H、m)段階4:5,5−ジメチル−3−[(E)−1−(4−メチルスルホニル)フェ ニル)−1−フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 段階3から得られたメチルチオ化合物(660mg)のCH2Cl2(18mL )−MeOH(2mL)溶液を氷冷し、それにMMPP(純度80%品1165 mg)を加えた。得られた混合物を室温で20時間攪拌した。反応液をEtOA c(150mL)および1/2飽和NaHCO3(100mL)で希釈した。 混合物を激しく振盪し、分液を行い、有機層をMgSO4で脱水し、濃縮した。 粗生成物をEtOAc(30mL)中で振って、先に溶出するZ異性体の純品を 白色固体として得た。母液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(生成物を 80%−90%−100%Et2O/ヘキサンでゆっくり溶出)によって精製して 、標題化合物を白色固体として得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ1.44(6H、s)、3.00(2H 、s)、3.16(3H、s)、7.21(2H、m)、7.33(3H、m) 、7.53(2H、dd)、7.98(2H、dd) オレフィンの幾何配置は、nOe実験によって割り当てた。実施例4 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル)− 1−フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 実施例3の段階4における最初の振盪(EtOAc 30mL)からの白色固 体として、標題化合物を得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ1.45(6H、s)、3.03(2H 、s)、3.13(3H、s)、7.28(2 H、dd)、7.42(5H、m)、7.90(2H、d) オレフィンの幾何配置は、nOe実験によって割り当てた。実施例5 3−[(E)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニル )フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 融点:186〜187℃ 元素分析:C1815FO4S 計算値:C、62.42;H、4.37;S、9.26 実測値:C、62.72;H、4.38;S、9.56実施例6 3−[(Z)−1−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル )フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 融点:150℃ 元素分析:C1815FO4S 計算値:C、62.42;H、4.37;S、9.26 実測値:C、62.83;H、4.40;S、9.57実施例7 3−[(Z)−1−(3−フルオロフェニル)−1−[4−メチルスルホニル) フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 融点:150〜151℃ 元素分析:C1815FO4S 計算値:C、62.42;H、4.37;S、9.26 実測値:C、62.60;H、4.50;S、9.69実施例8 3−[(E)−1−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル )フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 融点:197℃ 元素分析:C1815FO4S 計算値:C、62.42;H、4.37;S、9.26 実測値:C、62.57;H、4.59;S、9.81実施例9 5−メチル−3−[(E)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1− フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン;C−5でラセミ化 融点:132〜133℃ 元素分析:C19184S 計算値:C、66.65;H、5.30;S、9.36 実測値:C、66.68;H、5.35;S、9.54実施例10 5−メチル−3−[(Z)−1−(4−(メチルスルホニルフェニル)−1−フ ェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン;C−5でラセミ化 融点:219℃ 元素分析:C19184S 計算値:C、66.65;H、5.30;S、9.36 実測値:C、66.53;H、5.12;S、9.19実施例11 3−[(E)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニル )フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン 融点:173℃ 元素分析:C2019FO4S 計算値:C、64.16;H、5.11;S、8.56 実測値:C、64.00;H、5.17;S、8.56実施例12 3−[(Z)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニル )フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン 融点:244℃ 元素分析:C2019FO4S 計算値:C、64.16;H、5.11;S、8.56 実測値:C、64.00;H、5.14;S、8.71実施例13 3−[(Z)−1−(3−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニル )フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン 融点:168℃ 元素分析:C2019FO4S 計算値:C、64.16;H、5.11;S、8.56 実測値:C、64.04;H、5.25;S、8.61実施例14 3−[(E)−1−(3−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニル )フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン 融点:230〜231℃ 元素分析:C2019FO4S 計算値:C、64.16;H、5.11;S、8.56 実測値:C、63.90;H、5.14;S、8.55実施例15 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル)− 1−(2−ピリジル)メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 段階1:[4−(メチルチオ)フェニル]2−ピリジル)メタノール 4−ブロモチオアニソール(4.8g)のTHF(140mL)溶液を冷却し て−78℃とし、次にn−ブチルリチウムの2.5Mヘキサン溶液(10.2m L)を5分間かけてゆっくり加えた。得られた懸濁液をその温度で0.5時間攪 拌した。次に、2−ピリジンカルボキシアルデヒド(2.32g)のTHF(2 0mL)溶液を5分間かけて加えた。得られた混合物を−78℃で0.25時間 、室温で1時間攪拌した。反応混合物をEtOAcおよび25%NH4OAc水 溶液で抽出した。有機層をMgSO4で脱水し、濃縮した。粗生成物をフラッシ ュク ロマトグラフィー(50%−60%−70%EtOAc/ヘキサン)によって精 製して、標題化合物を得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ2.44(3H、s)、5.26(1H 、d)、5.78(1H、d)、7.22(3H、m)、7.38(2H、d) 、7.48(1H、d)、7.73(1H、t)、8.51(1H、d)段階2:[4−(メチルチオ)フェニル](2−ピリジル)ケトン 段階1から得られた化合物(3.34g)のEtOAc(100mL)溶液に 、24時間の間隔を設けて酸化マンガン(IV)を2回に分けて(2.50gと 2.72g)加えた。得られた懸濁液を、計2日間室温で攪拌した。反応液をセ ライト層で濾過し、EtOAcで洗浄し、濃縮した。粗生成物を5%EtOAc /ヘキサン(100mL)からの結晶化によって精製して、標題化合物を得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ2.58(3H、s)、7.38(2H 、d)、7.62(1H、dd)、7.98〜8.05(2H、m)、8.08 (2H、d)、8.72(1H、d)段階3:3−[ヒドロキシ(4−(メチルチオ)フェニル)−2−ピリジルメチ ル]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン 実施例3段階2に記載の手順を用い、[4−(メチルチオ)フェニル](フェ ニル)ケトンに代えて段階2から得られた[4−(メチルチオ)フェニル](2 −ピリジル)ケトンを用いて、フラッシュクロマトグラフィー(35%−50% −60%EtOAc/ヘキサン)後に、エリトロ異性体とトレオ異性体の混合物 として標題化合物を得た。先に溶出するジアステレオマー 1H NMR(CD3COCD3):δ1.38(3H、s)、1.44(3H 、s)、1.82(1H、dd)、2.20(1H、td)、4.09(1H、 m)、5.82(1H、6s)、7.18(2H、d)、7.28(1H、dd )、7.50(2H、d)、7.56(1H、d)、7.79(1H、td)、 8.50(1H、d)遅れて溶出するジアステレオマー 1H NMR(CD3COCD3):δ1.40(6H、s)、2.10(2H 、m)、2.44(3H、s)、4.60(1 H、bs)、6.75(1H、bs)、7.20(2H、d)、7.22(1H 、m)、7.63(2H、d)、7.77(2H、m)、8.46(1H、d)段階4:5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルチオ)フェニル] −1−(2−ピリジル)メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 段階3から得られた三級アルコール(351mg)のCH2Cl2(10mL) 溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.6mL)を滴下した。反応を室温 で0.5時間進行させた。反応混合物をEt3N(2mL)で希釈し、混合物を 減圧下に濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(50%−70% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物をガム状物として得て、 それは室温で静置したら固化した。 1H NMR(CD3COCD3):δ1.42(6H、s)、2.50(3H 、s)、3.07(2H、s)、7.19(2H、d)、7.23〜7.32( 4H、m)、7.71(1H、t)、8.53(1H、d)段階5:5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェ ニル)−1−(2−ピリジル)メチリデンテトラヒドロ−2−フラノン 段階4から得られたフラノン(436mg)のMeOH(30mL)溶液に、 OXONETM(1.18g)の水溶液(水15mL)を加えた。得られた懸濁液 を室温で1時間攪拌した。反応液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層 をMgSO4で脱水し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー( 90%−100%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を無色 ガム状物として得た。それをさらにEtOAcとヘキサンの1:1混合液(14 mL)から結晶化することで精製して、白色固体を得た。 融点:177℃ 元素分析:C1919NO4S 計算値:C、63.85;H、5.36;N、3.92;S、8.97 実測値:C、63.55;H、5.33;N、3.87;S、9.36実施例16 3−[(Z)−1−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル) フェニル]メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン 融点:126〜127℃ MS(APCI、3:1MeOH/NH4OAc水溶液)m/z: 計算値:M+、390 実測値:M++1、391実施例17 4,4−ジメチル−3−[1−(4−(メチルスルホニル)フエニル)−1−フ ェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン、E異性体およびZ異性体の1 :1混合物 MS(APCI、3:1MeOH/NH4Ac水溶液)m/z: 計算値:M+、356 実測値:M++1、357実施例18 4−[シクロペンチリデン(フェニル)メチル]フェニルメチルスルホン 段階1:シクロペンチル[4−(メチルスルホニル)フェニルケトン 実施例3段階1に記載の手順を用い、塩化ベンゾイルに代えてシクロペンタン カルボニルクロライドを用いて、標題化合物をベージュ固体として得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ1.65(4H、m)、 1.75〜1.95(4H、m)、2.53(3H、s)、3.88(1H、m )、7.34(2H、d)、7.92(2H、d)段階2:シクロペンチル[4−(メチルスルホニル)フェニルフェニルメタノー 段階1から得られたケトン(3.52g)のEt2O(50mL)溶液を冷却 して−78℃とし、フェニルリチウムの1.8Mシクロヘキサン−Et2O(7 :3)溶液(10.0mL)をゆっくり加えた。反応を0.25時間進行させた 。反応液を25%NH4OAc水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層 を水で1回洗浄し、MgSO4で脱水し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロ マトグラフィー(7%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物を 黄色油状物として得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ1.47〜1.62(8H、bm)、2 .42(3H、s)、3.25(1H、bm)、4.21(1H、s)、7.0 8〜7.16(3H、m)、7.26(2H、dd)、7.50(2H、d)、 7.56(2H、d)段階3:4−[シクロペンチリデン(フェニル)メチル]フェニルメチルスルフ ィド 段階2から得られた三級アルコール(4.52g)のCH2Cl2(50mL) 溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(0.1mL)を滴下し、反応を0.5 時間進行させた。Et3N(0.5mL)を加え、溶媒を減圧下に除去した。得 られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン) によって精製して、標題化合物を無色ガム状物として得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ1.17(4H、m)、2.38(4H 、m)、2.49(3H、s)、7.12(2H、d)、7.19(5H、q) 、7.32(2H、t)段階4:4−[シクロペンチリデン(フェニル)メチル]フェニルメチルスルホ 実施例3段階4に記載の手順を用い、5,5−ジメチル−3[1−(4−(メ チルチオ)フェニル)−1−フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン に代えて、段階3から得られた4−[シクロペンチリデン(フェニル)メチル] フェニルメチルスルフィドを用いて、標題化合物を無色ガム状物として 得た。 1H NMR(CD3COCD3):δ1.66〜1.73(4H、m)、2. 37〜2.45(4H、m)、3.10(3H、s)、7.20(2H、d)、 7.25(1H、d)、7.34(2H、t)、7.46(2H、d)、7.8 8(2H、d)実施例19 2−[(E)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニルメチ リデン]−1−シクロペンタノン 三酸化クロム(4.04g)を−20℃でCH2Cl2(35mL)に懸濁させ 、3,5−ジメチルピラゾールを一気に加えた。−20℃で0.25時間攪拌後 、実施例18に記載の化合物(615mg)のCH2Cl2(4mL)溶液を加え 、温度を−20℃に維持しながら、反応混合物を1時間攪拌した。水酸化ナトリ ウム(15mL、5N)を加え、混合物を0℃で1時間攪拌した。反応液を水で 希釈し、CH2Cl2で抽出した。有機層を1N HClで1回、水で1回、ブラ インで1回洗浄し、MgSO4で脱水し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロ マトグラフィー(30%−40%−50%−60%EtOAc/ヘキサン)によ って精製して、5種類の化合物を得た。そのうち の1種類が標題化合物と実施例20に記載の化合物の混合物であり、Rf値は0 .10〜0.08(30%EtOAc/ヘキサン)であった。これら2種類の化 合物を、ウォーターズ(Waters)μ−ポラジル(porasil)カラムを用い、溶離 液として40%EtOAc/ヘキサンを用いる分取HPLCによって分離した。 先に溶出した異性体が標題化合物であった。二重結合の幾何配置をnOe実験に よって割り当てた。 高分解能Ms、m/z:C19183S+H+ 計算値:327.10549 実測値:327.10558実施例20 2−[(Z)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニルメチ リデン]−1−シクロペンタノン 実施例19の分取HPLC分離時に、遅く溶出する異性体として標題化合物を 得た。二重結合の幾何配置は、nOe実験によって割り当てた。 高分解能MS、m/z:C19183S+H+ 計算値:327.10549 実測値:327.10558実施例21 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル)− 1−(3−ピリジル)メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 実施例15に記載の手順を用い、段階1で2−ピリジンカルボキシアルデヒド に代えて3−ピリジンカルボキシアルデヒドを用いて、標題化合物を白色固体と して得た。 融点:163〜164℃ 元素分析:C1919NO4S 計算値:C、68.85;H、5.36;N、3.92 実測値:C、63.71;H、5.24;N、3.87実施例22 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル) −1−(4−ピリジルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン 実施例15に記載の手順を用い、段階1で2−ピリジンカルボキシアルデヒド に代えて4−ピリジンカルボキシアルデヒドを用いて、標題化合物を白色固体と して得た。 融点:151℃実施例23 4−[シクロブチリデン(フェニル)メチル]フェニルメチルスルホン 実施例18の製造について記載の手順を用い、段階1におけるシクロペンタン カルボニルクロライドに代えてシクロブタンカルボニルクロライドを用いて、標 題化合物を白色固体として得た。 融点:121℃
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年4月8日(1999.4.8) 【補正内容】 請求の範囲 1. 下記式Iの化合物または該化合物の医薬的に許容される塩。 [式中、 Xは (a)O (b)CH2 (c)CH(C1-3アルキル) (d)C(C1-3アルキル)2および (e)結合 からなる群から選択され; Yは (a)O (b)H,H (c)OH,H からなる群から選択され; Arは (a)フェニルおよび (b)ピリジル からなる群から選択され; 各R1、R2、R3またはR4は独立に、 (a)水素または (b)C1-6アルキル から選択され; 各R5またはR6は独立に、 (a)水素 (b)ハロゲン (c)C1-4アルキル (d)C1-4アルコキシおよび (e)C1-4アルキルチオ から選択され; R7は (a)NH2または (b)CH3 である。] 2. XがOである請求項1に記載の化合物。 3. YがOである請求項1に記載の化合物。 4. XおよびYの両方がOである請求項1に記載の化合物。 5. R1およびR2の両方がCH3である請求項1に記載の化合物。 6. R5が水素またはFである請求項1に記載の化合物。 7. R7がCH3である請求項1に記載の化合物。 8. 3−[(E)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニルメチ リデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 5,5−ジメチル−3−[(E)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル) −1−フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(E)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニ ル)フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(Z)−1−(3−フルオロフェニル)−1−[4− (メチルスルホニル)フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 5−メチル−3−[(E)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1 −フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(E)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニ ル)フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(Z)−1−(3−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニ ル)フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン; 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル) −1−(2−ピリジル)メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(Z)−1−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル )フェニル]メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン; 4,4−ジメチル−3−[1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1− フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フ ラノン; 4−[シクロペンチリデン(フェニル)メチル]フェニルメチルスルホン; 2−[(E)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニルメ チリデン]−1−シクロペンタノン; 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル) −1−(3−ピリジル)メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル )−1−(4−ピリジルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン;および 4−[シクロブチリデン(フェニル)メチル]フェニルメチルスルホン からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。 9. 非ステロイド系抗炎症薬による治療に対して感受性の炎症疾患を治療する ための医薬組成物であって、 無毒性で治療上有効量の請求項1ないし8のいずれかに記載の化合物および医 薬的に許容される担体を含有する組成物。 10. COX−1に優先してCOX−2を選択的に阻害する 活性薬剤によって効果的に治療されるシクロオキシゲナーゼ介在疾患治療のため の医薬組成物であって、 無毒性で治療上有効量の請求項1ないし8のいずれかに記載の化合物および医 薬的に許容される担体を含有する組成物。 11. 非ステロイド系抗炎症薬による治療に対して感受性の炎症疾患を治寮す る方法であって、 そのような治療を必要とする患者に対して、無毒性で治療上有効量の請求項1 に記載の化合物および医薬的に許容される担体を投与する段階を含む方法。 12. COX−1に優先してCOX−2を選択的に阻害する活性薬剤によって 効果的に治療されるシクロオキシゲナーゼ介在疾患の治療方法であって、 そのような治療を必要とする患者に対して、無毒性で治療上有効量の請求項1 に記載の化合物を投与する段階を含む方法。 13. 許容される抗炎症効果を有する量の請求項1、2、3、4、5、6、7 または8に記載の式(I)の化合物あるいは該化合物の医薬的に許容される塩を 、医薬的に許容される担体と組み合わせて含有する非ステロイド系抗炎症医薬組 成物。 14. 許容される選択的COX−2阻害効果を有する量の請 求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の式(I)の化合物あるいは該 化合物の医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される担体と組み合わせて含有 する選択的COX−2阻害剤医薬組成物。 15. 非ステロイド系抗炎症薬による治療に対して感受性の炎症疾患の治療用 の医薬品製造における、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の式 (I)の化合物あるいは該化合物の医薬的に許容される塩の使用。 16. COX−1に優先してCOX−2を選択的に阻害する薬剤によって効果 的に治療されるシクロオキシゲナーゼ介在疾患治療用の医薬品の製造における、 請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の式(I)の化合物あるいは 該化合物の医薬的に許容される塩の使用。 17. 非ステロイド系抗炎症薬としての、請求項1、2、3、4、5、6、7 または8に記載の式(I)の化合物あるいは該化合物の医薬的に許容される塩の 使用。 18. 選択的COX−2阻害薬としての、請求項1、2、3、4、5、6、7 または8に記載の式(I)の化合物あるいは該化合物の医薬的に許容される塩の 使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 317/24 C07C 317/24 C07D 307/28 C07D 307/28 307/58 307/58 405/06 405/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CU,CZ,EE,GE,GW,HU,ID,I L,IS,JP,KG,KR,KZ,LC,LK,LR ,LT,LV,MD,MG,MK,MN,MX,NO, NZ,PL,RO,RU,SG,SI,SK,SL,T J,TM,TR,TT,UA,US,UZ,VN,YU (72)発明者 グリム,エーリツヒ カナダ国、ケベツク・アシユ・9・アシ ユ・3・エル・1、カークランド、トラン ス・カナダ・ハイウエイ・16711 (72)発明者 プラシツト,ペツピブーン カナダ国、ケベツク・アシユ・9・アシ ユ・3・エル・1、カークランド、トラン ス・カナダ・ハイウエイ・16711

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下記式Iの化合物または該化合物の医薬的に許容される塩。 [式中、 Xは (a)O (b)CH2 (c)CH(C1-3アルキル) (d)C(C1-3アルキル)2および (e)結合 からなる群から選択され; Yは (a)O (b)H (c)OH,H からなる群から選択され; Arは (a)フェニルおよび (b)ピリジル からなる群から選択され; 各R1、R2、R3またはR4は独立に、 (a)水素または (b)C1-6アルキル から選択され; 各R5またはR6は独立に、 (a)水素 (b)ハロゲン (c)C1-4アルキル (d)C1-4アルコキシおよび (e)C1-4アルキルチオ から選択され; R7は (a)NH2または (b)CH3 である。] 2. XがOである請求項1に記載の化合物。 3. YがOである請求項1に記載の化合物。 4. XおよびYの両方がOである請求項1に記載の化合物。 5. R1およびR2の両方がCH3である請求項1に記載の化合物。 6. R5が水素またはFである請求項1に記載の化合物。 7. R7がCH3である請求項1に記載の化合物。 8. 3−[(E)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニルメチ リデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 5,5−ジメチル−3−[(E)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル) −1−フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(E)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニ ル)フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(Z)−1−(3−フルオロフェニル)−1−[4− (メチルスルホニル)フェニル]メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 5−メチル−3−[(E)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1 −フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(E)−1−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニ ル)フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(Z)−1−(3−フルオロフェニル)−1−(4−(メチルスルホニ ル)フェニル)メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン; 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル) −1−(2−ピリジル)メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 3−[(Z)−1−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル )フェニル]メチリデン]−5,5−ジメチルテトラヒドロ−2−フラノン; 4,4−ジメチル−3−[1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1− フェニルメチリデン]テトラヒドロ−2−フ ラノン; 4−[シクロペンチリデン(フェニル)メチル]フェニルメチルスルホン; 2−[(E)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1−フェニルメ チリデン]−1−シクロペンタノン; 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−メチルスルホニル)フェニル) −1−(3−ピリジル)メチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン; 5,5−ジメチル−3−[(Z)−1−(4−(メチルスルホニル)フェニル )−1−(4−ピリジルメチリデン]テトラヒドロ−2−フラノン;および 4−[シクロブチリデン(フェニル)メチル]フェニルメチルスルホン からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。 9. 非ステロイド系抗炎症薬による治療に対して感受性の炎症疾患を治療する ための医薬組成物であって、 無毒性で治療上有効量の請求項1ないし8のいずれかに記載の化合物および医 薬的に許容される担体を含有する組成物。 10. COX−1に優先してCOX−2を選択的に阻害する 活性薬剤によって効果的に治療されるシクロオキシゲナーゼ介在疾患治療のため の医薬組成物であって、 無毒性で治療上有効量の請求項1ないし8のいずれかに記載の化合物および医 薬的に許容される担体を含有する組成物。 11. 非ステロイド系抗炎症薬による治療に対して感受性の炎症疾患を治療す る方法であって、 そのような治療を必要とする患者に対して、無毒性で治療上有効量の請求項1 に記載の化合物および医薬的に許容される担体を投与する段階を含む方法。 12. COX−1に優先してCOX−2を選択的に阻害する活性薬剤によって 効果的に治療されるシクロオキシゲナーゼ介在疾患の治療方法であって、 そのような治療を必要とする患者に対して、無毒性で治療上有効量の請求項1 に記載の化合物を投与する段階を含む方法。 13. 許容される抗炎症効果を有する量の請求項1、2、3、4、5、6、7 または8に記載の式(I)の化合物あるいは該化合物の医薬的に許容される塩を 、医薬的に許容される担体と組み合わせて含有する非ステロイド系抗炎症医薬組 成物。 14. 許容される選択的COX−2阻害効果を有する量の請 求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の式(I)の化合物あるいは該 化合物の医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される担体と組み合わせて含有 する選択的COX−2阻害剤医薬組成物。 15. 非ステロイド系抗炎症薬による治療に対して感受性の炎症疾患の治療用 の医薬品製造における、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の式 (I)の化合物あるいは該化合物の医薬的に許容される塩の使用。 16. COX−1に優先してCOX−2を選択的に阻害する薬剤によって効果 的に治療されるシクロオキシゲナーゼ介在疾患治療用の医薬品の製造における、 請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の式(I)の化合物あるいは 該化合物の医薬的に許容される塩の使用。 17. 非ステロイド系抗炎症薬としての、請求項1、2、3、4、5、6、7 または8に記載の式(I)の化合物あるいは該化合物の医薬的に許容される塩の 使用。 18. 選択的COX−2阻害薬としての、請求項1、2、3、4、5、6、7 または8に記載の式(I)の化合物あるいは該化合物の医薬的に許容される塩の 使用。
JP54102098A 1997-04-02 1998-03-31 選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としてのα−メチレン−γ−ラクトン類 Pending JP2001518087A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US4253597P 1997-04-02 1997-04-02
GB60/042,535 1997-05-07
GBGB9709356.1A GB9709356D0 (en) 1997-05-07 1997-05-07 Alpha-methylene gamma lactones as selective cyclooxygenase-2 inhibitors
GB9709356.1 1997-05-07
PCT/CA1998/000302 WO1998043966A1 (en) 1997-04-02 1998-03-31 Alpha-methylene gamma lactones as selective cyclooxygenase-2 inhibitors

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001518087A true JP2001518087A (ja) 2001-10-09

Family

ID=26311502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54102098A Pending JP2001518087A (ja) 1997-04-02 1998-03-31 選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としてのα−メチレン−γ−ラクトン類

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0971910A1 (ja)
JP (1) JP2001518087A (ja)
AU (1) AU6818298A (ja)
CA (1) CA2285567A1 (ja)
WO (1) WO1998043966A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006506409A (ja) * 2002-11-05 2006-02-23 マグナケム インターナショナル ラボラトリーズ, インコーポレイテッド 合成ラクトン処方物ならびに方法および使用

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6180651B1 (en) * 1996-04-04 2001-01-30 Bristol-Myers Squibb Diarylmethylidenefuran derivatives, processes for their preparation and their uses in therapeutics
HUP0302068A3 (en) 2000-07-20 2005-05-30 Lauras As Use of cox-2 inhibitors for treating or preventing immunodeficiency and pharmaceutical compositions containing them
US6900242B2 (en) 2001-06-13 2005-05-31 Magnachem International Laboratories, Inc. Lactone formulations and method of use
JP4354984B2 (ja) 2003-05-07 2009-10-28 オステオロジックス エイ/エス 水溶性ストロンチウム塩を用いる軟骨/骨症状の治療
WO2005102315A1 (en) 2004-04-23 2005-11-03 Magnachem International Laboratories, Inc. Synthetic lactone formulations for pain control
CA2741526A1 (en) 2008-10-24 2010-04-29 Magnachem International Laboratories, Inc. Method for screening for compounds selectively interacting with rad9
WO2022195579A1 (en) 2021-03-15 2022-09-22 Saul Yedgar Hyaluronic acid-conjugated dipalmitoyl phosphatidyl ethanolamine in combination with non-steroidal anti-inflammatory drugs (nsaids) for treating or alleviating inflammatory diseases
WO2023150719A1 (en) * 2022-02-03 2023-08-10 Purdue Research Foundation Alpha-methylene and aminomethyl lactones and lactams for treatment of clostridioides difficile infection (cdi)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2747123B1 (fr) * 1996-04-04 1998-06-26 Union Pharma Scient Appl Nouveaux derives diarylmethylidene tetrahydrofurane, leurs procedes de preparation, et leurs utilisations en therapeutique
FR2751964B1 (fr) * 1996-08-01 1998-10-30 Union Pharma Scient Appl Nouveaux derives diarylmethylene carbocycliques, leurs procedes de preparation, et leurs utilisations en therapeutique

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006506409A (ja) * 2002-11-05 2006-02-23 マグナケム インターナショナル ラボラトリーズ, インコーポレイテッド 合成ラクトン処方物ならびに方法および使用
JP4869597B2 (ja) * 2002-11-05 2012-02-08 マグナケム インターナショナル ラボラトリーズ, インコーポレイテッド 合成ラクトン処方物ならびに使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP0971910A1 (en) 2000-01-19
WO1998043966A1 (en) 1998-10-08
CA2285567A1 (en) 1998-10-08
AU6818298A (en) 1998-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI114913B (fi) Menetelmä terapeuttisesti käyttökelpoisten furanonijohdannaisten valmistamiseksi ja menetelmässä käyttökelpoinen lähtöaine
JP4068802B2 (ja) Cox−2インヒビターとしての(メチルスルホニル)フェニル−2−(5h)−フラノン類
RU2184109C2 (ru) Ортозамещенные соединения - новые ингибиторы простагландинсинтазы, фармацевтические композиции их содержащие и способ ингибирования простагландин н синтазы
JP4290872B2 (ja) シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としての2,3,5−トリ置換ピリジン類
DE60007267T2 (de) 4,5-diaryl-3(2h)-furanon derivate als cyclooxygenase-2 inhibitoren
JPH10507765A (ja) シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤として有用なスチルベン誘導体
JP3337477B2 (ja) Cox−2阻害剤のプロドラッグとしての3,4−ジアリール−2−ヒドロキシ−2,5−ジヒドロフラン
JPH10504829A (ja) シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤としてのジアリール複素二環
JP2001514669A (ja) シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としてのピリダジノン類
TW200418801A (en) Isoquinolinone derivatives and their use as therapeutic agents
JP2002503647A (ja) ビアリル−酢酸誘導体および該化合物のcox−2阻害薬としての使用
JP2011042655A (ja) 生体内リン輸送を阻害する化合物およびそれを含んでなる医薬
US6046217A (en) 2,3,5-trisubstituted pyridines as inhibitors of cyclooxygenase-2
WO1999020309A1 (fr) Agonistes de l'acide retinoique, agents preventifs et therapeutiques des nephrites
US6133292A (en) Diaryl-5-alkyl-5-methyl-2-(5H)-furanones as selective cyclooxygenase-2-inhibitors
JP2007520484A (ja) シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターとしてのジアリール−2−(5h)−フラノンの一酸化窒素放出プロドラッグ
JP2001518087A (ja) 選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としてのα−メチレン−γ−ラクトン類
JP2004505943A (ja) シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としてのピロン類
JP2000505421A (ja) Cox―2阻害剤のプロドラッグとしてのアルキル化スチレン
JP2007520483A (ja) シクロオキシゲナーゼ−2インヒビターとしてのジアリール−2−(5h)−フラノンの一酸化窒素放出プロドラッグ
DE69816047T2 (de) (methylsulfonyl)phenyl-2-(5h)-furanone mit sauerstoff-bindung als cox-2-hemmer
JPH08505362A (ja) Pafレセプター拮抗剤及び5−リポキシゲナーゼ阻害剤としての、2,4−ジアリール−1,3−ジチオラン、2,4−ジアリール−1,3−ジオキソラン、2,4−ジアリール−1,3−オキサチオラン、及び2,5−ジアリール−1,3−オキサチオラン
JP2001521932A (ja) 選択的シクロオキシゲナーゼ−2−阻害剤としてのジアリール−5−アルキル−5−メチル−2(5h)−フラノン
JP4368524B2 (ja) シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬としての2−アミノピリジン類
US6004950A (en) 2-aminopyridines as inhibitors of cyclooxygenase-2