JP2001515522A - ポリマーキャリア - Google Patents

ポリマーキャリア

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JP2001515522A JP53697199A JP53697199A JP2001515522A JP 2001515522 A JP2001515522 A JP 2001515522A JP 53697199 A JP53697199 A JP 53697199A JP 53697199 A JP53697199 A JP 53697199A JP 2001515522 A JP2001515522 A JP 2001515522A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも1つの生体適合性の立体選択性ポリマーと、生理活性なまたは生体反応性の分子からなる立体複合体を含む、生理活性なまたは生体反応性の分子の送達のための、ポリマーキャリアを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリマーキャリア 技術分野 本発明は、生理活性な(bioactive)または生体反応性の(bioreactive)分子の送 達のための、ポリマーの立体複合体(stereocomplex)から形成されるキャリアに 関する。 背景技術 多くの研究において、生体適合性で、かつインビボで化学的にまたは酵素によ り分解して、不活性なまたは生体の正常な代謝物となる材料の開発に重点が置か れている。好ましい材料は、インビボで完全に分解し、従って、治療の最後にデ バイスを除去する必要がないものである。薬剤が充填されたデバイスの直接の移 入は、最初に通ってしまうような代謝をする薬剤に特に有用である。ラクチドお よびグリコライドの直鎖状ポリエステルは、30年以上の長きに渡って、薬剤の 送達を含む、種々の医学的適用に使用されてきた。Handbook of Biodegradable Polymers,A.Domb,J.Kost and D.Wiseman,Harwood and Brooks(1997)。ヒ トおよび動物用の広範囲の生理活性薬剤のコントロールされた薬剤送達用のキャ リアとしての、これらのポリマーの使用について鋭意研究がなされている。ラク チド/グリコライドポリマーの微球体を含む注射用製剤は、近年、最も注目され ている。 ポリマー特性は、モノマータイプおよび組成、ポリマー構成、並びに分子量に 影響される。ポリマーの結晶化度は、ポリマーの生分解性に重要なファクターで あるが、ポリマーの立体規則性によって変化する。例えば、ラセミのD,Lポリ (ラクチド)またはポリ(グリコライド)は、DまたはLホモポリマーよりも結 晶質でない。ポリ(ラクチド)(PLA)およびグリコール酸含量が50%未満 のそのコポリマーは、塩素化炭化水素類、テトラヒドロフランおよび酢酸エチル のような慣用の溶媒に可溶であり、一方、ポリ(グリコライド)(PGA)は、 慣用の溶媒に不溶であるが、ヘキサフルオロイソプロパノールに可溶である。 PLAは、その生体適合性および無毒性物への分解性のために、医学において 広く適用されている。ABブロックコポリマーである、ポリ(ラクチド)−b− ポリ(エチレングリコール)(PLA−b−PEG)のミセルおよび粒子は、長 期の標的薬剤放出のための、静脈注射可能な送達システムでの使用が注目されて いる。Gref,R.et al.,Protein Delivery-Physical Systems,L.M.Sanders and H.Hendren,Eds,Plenum Press,(1997);およびGref,R.et al.,Advance d Drug Delivery Reviews,16:215-233(1995)。同様に、米国特許第5,578,325 号(Domb et al.)は、1つまたはそれ以上の親水性ポリマーおよび1つまたはそ れ以上の疎水性の生休内侵蝕性(bioerodible)ポリマーと共有結合する多官能性 化合物を含み、かつ少なくとも3つのポリマーブロックを含む、マルチブロック コポリマーを教示する。微粒子または他のポリマーデバイス上のPEG−コーテ ィングは、血漿タンパクの吸着および細網内皮系(RES)による速い排除を防 止する。この種の医薬デポ剤デバイスは、短い半減期を有する薬剤の送達、コン トラスト剤の輸送、化学療法および遺伝子治療に適用可能である。 ABブロックコポリマーである、ポリ(スチレン)−b−ポリ(アクリル酸) (PS−b−PAA)は、溶液から単離することのできる小泡タイプの粒子を生 ずる。Zhang,L.et al.,Science(1995)268,1728。その小泡は、1ミクロン までの直径を有し、単一ミセルの直径よりもかなり大きい。これは、ミセルの融 解による、小泡の不可逆的形成により説明される。しかし、一旦ミセルが結合す ると、ポリ(スチレン)(PS)の高いTgによりその構造が固定される。なぜ なら、PS−ブロックが溶媒ともはや平衡ではなく、その構造が溶媒を除去した 後もなお安定だからである。ブロックコポリマーの小泡構成は、医薬的な薬剤デ バイス用に将来的な機会を提供するように思える。にもかからわず、PSおよび PAAは、生物媒体中で安定であり分解しないので、生分解性キャリアとして使 用できない。 生理活性なペプチド類、タンパク類、プラスミド遺伝子類およびアンチセンス 分子類のような不安定なおよび/または大きな分子が、特定のターゲット(組織 、細胞または核)に送達される、安全で効果的な送達システムに対する大きな必 要性が依然として存在する。キャリアがポリカチオンである場合、現在の方法で は効果がなく、低い移入収量と毒性を生ずる。ペプチドおよびタンパク類の送達 における主な問題は、それらが不安定であることおよびポリマーマトリックスか らの放出が速いことである。 ペプチド類、タンパク類および核酸類のような巨大分子のための、よりよいポ リマーキャリアを持つことが有利である。 発明の開示 従って、本発明の目的は、コントロールされたおよび/または持続した薬剤送 達に望ましい特性を有する、新規なポリマー生理活性組成物および製剤を提供す ることである。 さらに、本発明の目的は、コントロールされた薬剤送達用キャリアとして使用 するために、ナノ−またはミクロ−構造に製剤化できる材料を提供することであ る。 さらに、本発明の別の目的は、生理活性な小分子、並びにペプチド類、タンパ ク類およびポリヌクレオチド類(アンチセンス類および遺伝子類)のような巨大 分子の、選択的かつ長期放出投与における、これらの組成物の使用方法を提供す ることである。 発明の要約 1つまたはそれ以上の生体適合性ポリマーの立体複合体を含み、かつその複合 体上または内に、送達する分子を組み込んだ、生理活性なまたは生体反応性の分 子の送達用ポリマーキャリアが提供される。好適な態様においては、生体適合性 の立体選択性ポリマーは、立体複合形態の、直鎖状もしくは分枝鎖状のD−PL Aホモーおよびブロック−ポリマー、直鎖状もしくは分枝鎖状のL−PLAホモ −およびブロック−ポリマー、それらのコポリマー、またはそれらの混合物であ る。ある好適な態様においては、ポリマーキャリアは、相補性の立体特異的生理 活性分子と複合する。他の態様においては、複合体形成時か、あるいはポリマー 材料が粒子、錠剤または医薬適用のための他の形態に製剤化される時に、生理活 性分子または生体反応性分子(例えば、診断適用での使用のため)は、立体複合 化を含まない、イオン、水素または他の非共有結合反応により複合体に結合する か、あるいは複合体内に物理的にトラップされる。生理活性分子の例としては、 ペプチド類、タンパク類、ヌクレオチド類、オリゴヌクレオチド類、糖類、炭水 化物類、および他の合成または天然の有機分子、並びに分子量が300ダルトン またはそれ以上の立体選択性薬剤が挙げられる。 立体複合体の調製、およびコントロールされたおよび/または持続性放出のた めのそれらの使用を、実施例において説明する。 発明の詳細な説明 生分解性ポリマーへの巨大分子の立体複合化は、巨大分子の送達における新し いアプローチである。ポリマーキャリアと生理活性巨大分子間の、分子レベルで の相互作用は、安定性を付与し、最小限の毒性で、長期的放出および目標の細胞 または組織への容易なアクセスを可能にする。 鏡像異性形態の(enantiomorphic)PLAとブレンドの間の立体複合体の形成は 、Cramer,K.et al.,Polymer Bulletin 35:457-464(1995);Brizzolara,D.et al.,J.Computer-Aided Meter.Design,3:341-350(1996);およびBrizzolara ,D.et al.,Macromolecules,29:191(1996)により、以前に研究されている 。鏡像異性形態のポリ(L−ラクチド)[L−PLA]およびポリ(D−ラクチ ド)[D−PLA]のラセミパッキングを含む立体複合体は、同形のPLAのパ ッキングを含むキラルな結晶よりも60℃高い融点を有する。異なるパッキング の結果として、キラルおよびラセミの単一の結晶は異なる形態を示す。その立体 複合体は、菱形状結晶の代わりに、ラメラの三角形または丸い形のへドライト(h edrite)タイプの結晶を形成する。 これに対し、実施例において述べるように、PLA−b−PEGは、平坦なま たは幅が数百ナノメーターで長さが数ミクロンの管状ロッドのような、分子より 大きい集合体となる。両方のブロックの結晶化が、メソスコピックな(mesoscopi c)超構造(suprastructure)の形成のための駆動力であることを、粉末−回折パタ ーンは示す。結晶化したブロックは、あまり長い時間溶媒と平衡ではなく、この ことは溶媒を除去した後の構造の安定性を説明する。PLA−ブロックのラセミ 結晶化に伴って、小泡タイプの粒子は、ジオキサンおよびアセトニトリル溶液か ら出現する。PEG−b−L−PLA/PEG−b−D−PLAのラセミ粒子は 、PS−b−PAA粒子と類似の集合体を有するはずである。PEG−b−PL Aのラセミ粒子は、ポリマーおよびその分解生成物が安全であるので、薬剤キャ リアシステムとして、非常に高い可能性を有する。小泡内の疎水性成分の含有が 、非極性薬剤のカプセル封入を助けるはずである。疎水性/親水性の含有量は、 脂質膜を通過するあるタイプのターゲットメカニズムを提供するかもしれない。 PLAがポリエステルであり、ペプチドがポリアミドであることを除いて、P LAおよびペプチドの構成は類似している。エステルは、ヒドロキシル基がない ので、互いに水素結合を形成することができない。有機溶媒中では、ポリ(アミ ノ酸)は水素結合を形成しない。従って、ポリ(アミノ酸)の結晶化およびパッ キングはPLAに匹敵する。ペプチドと合成ポリマーの間の特異的な相互作用を よりよく理解するために、鏡像異性形態のポリ(アラニン)およびPLAをラセ ミ格子内に結晶化した。今まで、統計上のコポリマーである、LHRHを含むポ リ(ラクチド)−b−ポリ(グリコライド)の微粒子のみ、そのホルモンの遊離 が遅かった。ポリマーマトリックスへの強い接着の理由は、そのポリマーとLH RHの間の特異的な相互作用によるものである。LHRHのような、効果的にカ プセル封入され得る他のペプチドを同定できるように、ペプチドとポリマーの間 の相互作用の種類のより深い理解が必要である。 力場シミュレーションの初期の結果は有望である。鏡像異性形態のポリ(アラ ニン)とPLA間の相互作用エネルギーが、同形のPLA間よりも大きいことが 実証される。力場計算結果に基づくと、ポリ(アラリン)とPLA間のラセミ結 晶化は、別々の結晶化に比較して好ましい。 I.ポリマーキャリア ポリマー ポリマーキャリアは、生理活性なまたは生体反応性の分子の送達のために準備 され、それは少なくとも1つの生体適合性の立体選択性ポリマーを含む。有用な ポリマーの例としては、ポリヒドロキシ酸類、ポリヒドロキシアルキル類、ポリ アルキレンオキサイド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類およびポリ無水 物類が挙げられる。好適な態様においては、そのキャリアは、直鎖状または分枝 鎖状のD−PLAホモ−またはブロック−ポリマー、直鎖状または分枝鎖状のL −PLAホモ−またはブロック−ポリマー、それらのコポリマーおよびそれらの 混合物から形成され、ここで、そのコポリマーとは、ポリ(ヒドロキシアルキル 酸)、ポリカーボネートまたはポリ無水物のような成分と共重合した、直鎖状ま たは分枝鎖状のD−PLAまたはL−PLAブロックコポリマーである。 ポリマーキャリアは、また、D−ラクチドのホモ−もしくはブロック−コポリ マー、またはL−ラクチドのホモ−もしくはブロック−コポリマーと、不活性な ポリアミノ酸類(ポリアラニンもしくはポリリシンのような)、ポリペプチド類 またはポリサッカライド類との立体複合体から形成されるか、あるいはそれを含 んでもよい。鏡像異性の(enantiomeric)セグメントのブロック長さは、10ラク チド単位またはそれ以上に相当するのが代表的である。 立体複合体中の成分として特に有用な、タンパク類またはポリアミノ酸類の例 としては、アルブミン、ゼラチン、コラーゲン、フィブリノーゲン、ポリアラニ ン、ポリグリシンおよびポリリシンが挙げられる。 ポリマーおよびポリマー複合体の製造方法 ポリマー合成のための、一般的な合成手順は次の通りである。ポリマーを適当 な溶媒、およびラクチドに対して0.1から3モル%のような範囲で添加された 、ショートアルコール類、ポリエチレングリコール(PEG)、脂肪アルコール またはポリアルコール等の適当な重合触媒に溶解する。重合が開始した後、例え ば溶媒留去により、溶媒を除去する。モノマーと触媒間のモル比は、ポリマーブ ロックの分子量を決定する。ブロックの長さおよび数は、添加する各モノマー単 位の数および量、並びに使用する触媒の量によりコントロールされる。 あるいは、ヒドロキシルおよびカルボン酸と共に予め調製したポリマーブロッ クを、エステル、リン酸エステル、無水物またはカーボネート結合を介して結合 してもよい。そのヒドロキシル末端基は、ジ酸クロライド(diacid chloride)( 即ち、アジピン酸クロライド、セバシン酸クロライド)、アルキルホスホジクロ リデート(alkyl phosphodichloridate)またはホスゲンのいずれかと反応して、 それぞれエステル、リン酸エステルまたはカーボネートブロック結合体を形成す る。PLAカルボン酸末端基を無水酢酸で活性化させることにより、無水物ポリ マーを調製し、Domb et al.,J.Poly.Sci.25:3373(1987)に従って、セバシン 酸プレポリマーと共重合させる。触媒混合物中で、ペンタエリスリトールまたは グリセロールのようなポリアルコールを用いることにより、PLAのマルチブロ ックコポリマーを調製する。その構造およびブロック長さは、H−NMRおよび GPCにより決定できる。ポリマーの代表的なMWは、5,000から100, 000の範囲にある。 例えば、D−ラクチドまたはL−ラクチドを100℃で乾燥トルエンに溶解し 、重合触媒としてのスタンナスオクトエート(stannous octoate)およびアルコー ルの溶液(トルエンの5%溶液、ラクチドに対して0.1から3モル%)を添加 することにより、PLAのホモポリマーを合成した。3時間後、蒸発乾固させ、 粘性の残渣を130℃でさらに2時間放置して、ポリマーを得た。ラクチドブロ ックコポリマーを調製する場合には、第1のブロック、即ち、L−ラクチドを1 00℃でトルエン中で調製し、ラクチドの2番目の部分、即ち、D−ラクチドを 添加し、さらに2時間重合化を続け;次いでラクチドの3番目の部分を添加し、 重合化を続けた。環状ヒドロキシアルキル酸類および環状カーボネート類とのブ ロックコポリマーは同様の方法で調製されるが、第2部分は、ラクチドの代わり に、所望の環状モノマー(カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、グリコ ライド)である。 触媒としてスタンナスオクトエートを用いて、D−ラクチドを酒石酸ジベンジ ルと重合させることにより、2つのD−PLA鎖および2つのL−PLA鎖から なるテトラブロックコポリマーを調製した。上述のように、130℃で重合後、 ベンジル保護基を加水分解または水素化により除去した。フリーの酸基を、クロ ロホルム溶液中のヒドロキシ末端のL−PLA、およびカップリング剤としての DCCでエステル化した。そのブロックの長さは、重合に使用するD−ラクチド の量およびL−PLA鎖の長さによって変化した。このポリマーは、立体内およ び立体間−複合化(intra and inter-stereocomplexation)を形成した。他のマル チブロックポリマーは、D−PLAおよびL−LPAのどちらかまたは両方のブ ロック、並びに他の生分解性ポリマーまたはポリ(オキシアルカン)類を含むか 、あるいは粘液酸、ペンタエンスントール、クエン酸およびマロン酸2−メタノ ールのような他の分枝鎖状分子を含んでいた。 立体複合体を形成するために、ポリマーが可溶な溶媒にポリマーを溶解するか 、ポリマー成分を一緒に溶融する。ポリマーが複合して溶液から沈殿する条件下 、あるいは冷却下で、ポリマー混合物を保存する。混合物の成形時に所望の形状 に成形するか、あるいは立体複合体形成後に加工することができる。 立体複合体の形成のために、ポリマーを溶解するのに使用できる溶媒としては 、ジオキサン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、N −メチルピロリドン、乳酸エチルおよび乳酸メチル、酢酸エチル、およびこれら の溶媒の混合物、並びに水、短鎖アルコール類およびカルボン酸類(C5または それ以下)のような他の溶媒が挙げられる。沈殿物の粒径は、選択した溶媒、薬 剤およびポリマー濃度、並びに反応条件(温度、混合、容量等)によりコントロ ールされる。 以下の実施例によって証明するように、鏡像異性形態のPLAの立体選択性ブ ロックを含む一連のコポリマーを合成し使用して、特定の立体複合化に起因する ナノスケールの構造を形成した。表1に示す、D−ラクチドおよびL−ラクチド のブロックを含むブロックコポリマーを合成した。600から100,000ダ ルトンの範囲の分子量のポリマーブロックを調製した;それらの分子量を、ゲル パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により推定し、1H−NMRに より決定した。20から100からなるラクチド単位のL−PLAブロックを、 生分解性のポリ無水物、ポリカプロラクトンおよびポリヒドロキシ酪酸に、また は親水性のポリ(エチレングリコール)もしくはポリ(プロピレングリコール) に結合した。異なる溶液および条件でのこれらのポリマーとD−ラクチドの短鎖 または長鎖ポリマーとの立体複合化を、原子力顕微鏡検査(atomic force micros copy)(AFM)および関連の表面特性表示方法(surface characterization m ethod)(SEM、TEM、XPS)により特徴づけた。自然のナノ粒子を形成 する、ポリ(D−ラクチド)およびそのコポリマーと、ペプチド類およびオリゴ ヌクレオチド類との相互作用を、組織または細胞への送達システムとして評価し た。ジブロックコポリマーであるD−PLA−コ−L−PLA等の、PLAの他 のブロックコポリマーもまた、適当な溶媒を使用して、上で述べた方法で調製し た。表1:ブロックコポリマーの構造 a.ラクチドコポリマー ホモポリマー (D-LA)xまたは(L-LA)xx=10から5,000 ブロックコポリマー [(D-LA)x-X-(L-LA)y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 ブロックコポリマー [(DL-LA)x-X-(L-LA)y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 ブロックコポリマー [(D-LA)x-X-(DL-LA)y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 ブロックコポリマー [(D-LA)x-X-(DL-LA)y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 X=エステル、カーボネート、エーテル、リン酸エステル、無水物、オルトエ ステルまたは分枝鎖状の分子 b.PLA−ポリ無水物コポリマー ブロックコポリマー [(D-LA)x-コ-(COO-R-CO)y]z 表1続き ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 R=脂肪族、芳香族または複素環残基 ブロックコポリマー [(L-LA)x-コ-(COO-R-CO)y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 R=脂肪族、芳香族または複素環残基 c.PLA−ポリ(ヒドロキシアルキル酸)およびカーボネートコポリマー ブロックコポリマー [(D-LA)x-コ-(CO-R'-O)y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 R’=(CH2)1-5,CH(CH2-CH3)CH2,O-(CH2)2-3 ブロックコポリマー [L-LA)x-コ-(CO-R'-O)y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 R’=(CH2)1-5,CH(CH2-CH3)CH2,O-(CH2)2-3 d.PLA−ポリ(エチレンおよびプロピレンオキサイド類)コポリマー ブロックコポリマー [(D-LA)x-コ-(O-CH2-CH2)y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 ブロックコポリマー [(D-LA)x-コ-(O-CH2-CH(CH3))y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 ブロックコポリマー [(L-LA)x-コ-(O-CH2-CH2)y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 ブロックコポリマー [(D-LA)x-コ-(O-CH2-CH(CH3))y]z ここで、x、y=10から5,000、およびz=0から100 e.PLAマルチブロックコポリマー マルチブロックコポリマー [(D-LA)x]a-X-[(O-CH2-CH2)y]b ここで、x、y=10から5,000、およびa、b=1から6 X=酒石酸、粘液酸、クエン酸 マルチブロックコポリマー [D-LA)x]a-X-[L(L-LAx]b) 表1続き ここで、x、y=10から5,000、およびa、b=1から6 X=ペンタエリスリトール、モノ−およびポリサッカライド類、グリセリン II.医薬製剤 生理活性分子 立体複合体は、治療的、予防的または診断的適用のための、生理活性なまたは 生体反応性の分子(ここでは一般的に「生理活性分子」という)として広く分類 され得る、種々の分子のいずれでも送達するのに使用することができる。ある場 合には、立体複合体の1つまたはそれ以上のポリマー成分は、生理活性分子から なるだろう。生理活性分子は、ペプチド類、タンパク類、糖類、炭水化物、脂質 類、ヌクレオチド類、オリゴヌクレオチド類、およびグリコプロテイン類等のそ れらの組み合わせの広い化学分類のいずれでもよい。好適な生理活性分子の例と しては、ホルモン類、凝固因子類、プロテアーゼ類、増殖因子類;およびワクチ ン類が挙げられる。ペプチド類の例としては、LHRH、GNRH、エンケフア リン、ACTH、a−MSH、ソマトスタチン、カルシトニン、インシュリンお よびそれらのアナログ等のホルモンが挙げられる。タンパク類の例としては、エ リスロポエチン、t−PA、第VIII因子、成長ホルモン、増殖因子類(FGF、 BMPおよびEGF等);並びに抗原としてブトウ球菌エンテロトキシンBトキ ソイド、HGC−DT、ジフテリアトキソイドおよびリボヌクレアーゼAを含む ワクチンのような、細菌またはウィルス病原体に対するワクチンが挙げられる。 好適なオリゴヌクレオチド類の例としては、アンチセンス、遺伝子類、プラスミ ド類およびウィルスベクター類が挙げられる。 製剤 生理活性分子は、立体複合体上または中に組み込むことができる。イオン結合 形成、水素結合形成または共有結合形成を含む他のタイプの結合形成により、そ れらを立体複合体に結合させることができる。ポリマーを溶液中で一緒に混合す るかまたは溶融する時に、生理活性分子は立体複合体中に組み込まれて、ポリマ ー複合体が沈殿または冷却する時に、その分子はポリマー複合体内にトラップさ れる。後述するように、立体複合体を錠剤、成型物または粒子に製剤化する時に 、生理活性分子を立体複合体と物理的に混合することもできる。あるいは、立体 複合体または立体複合体を含む製剤の形成後に、生理活性分子を立体複合体に結 合させることができる。 立体複合体は、ナノ粒子、ミクロ球体を含む粒子、およびミクロカプセル、ペ レット、錠剤、フィルム、ロッドまたはビーズを形成する、標準的なポリマー加 工技術を用いて、薬剤送達のためのデバイスに形成されるのが代表的である。あ るいは、そのポリマーを、ペースト、軟膏、クリーム、ゲルまたは経皮性パッチ に製剤化することができる。 ポリマーを凍結乾燥し、次いで使用前に、1マイクログラム/mlから100 mg/mlの範囲で、水性懸濁剤に製剤化することもできる。好適な賦形剤とし ては、水、生理食塩水およびリン酸塩で緩衝化した生理食塩水が挙げられる。 立体複合体製剤の投与 キャリアの放出速度および所望の投与量によって、生理活性なまたは生体反応 性の成分は、一度に、あるいは多くのより少量の一回服用量に分けて、異なった 間隔で投与してもよい。上記の製剤化の原理は、この技術分野においてはよく知 られている。製剤は、種々の経路で、例えば、経口的に、非経口的に、静脈内に 、皮膚内に、皮下にまたは局所的に、液体、クリーム、ゲルまたは固体の形態で 、送達される薬剤に適したように、患者に投与される。 キャリアは、治療に有効量の化合物を患者に送達するのに十分量の、送達され る物質を含むべきである。活性化合物およびキャリアの望ましい濃度は、薬剤の 吸収性、不活性化および排出速度、並びにキャリアからの化合物の送達速度に依 存するだろう。軽減すべき症状の重篤度によっても、投与量は変わる。さらに、 どんな特別な患者に対しても、個人の必要性、並びに組成物を投与する人もしく は投与を監督する人の専門的な判断に従って、特別の投薬計画を経時的に調整す べきであることがわかるだろう。 本発明を、以下の非限定的な実施例によりさらに説明する。 好適な態様の記載 254nmにおけるUV検出(Applied Bioscience 759A Absorbency UV detec tor)を伴う、Spectra Physics(Darmstadt,Germany)P1000ポンプから構成され るゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)システムに基づいて、ポ リマーの分子量を椎定した。サンプルを、直線状のステロゲル(Styrogel)カラム (10孔径)に通して、流速1ml/minでCHCl3を用いて溶出した。WIN ner/286コンピュータープログラムを用いて、400から100,000g/m olの範囲の分子量を有するポリスチレン基準(Polyscience,Warrington,PA) に対して、分子量を決定した。1H−NMRデータから、PEG−とPLA−ブ ロックの比率を決定した。 原子力顕微鏡検査 走査型プローブ顕微鏡(scanning probe microscope)「Nan oscope III」(Digital Instruments Inc.)を使用した。直角Siカンチレバー( rectangular Si cantilevers)(ナノ−プローブ)をタッピングモード(tapping m ode)実験に適用した。タッピングモードにおいて、像の高さと幅について同時表 示を行なった。マイカ上にAB−ブロックコポリマーの0.1%溶液を一滴置き 、溶媒を留去することにより、AFMの標本を調製した。等モル溶液を混合し、 低速で1週間攪拌することにより、鏡像異性形態のPLA−ブロックの立体複合 体を調製した。 粉末回折 CuKa放射を用いて、距離130mmのSTOE(Darmstadt,D )像平面システム上で、粉末パターンを測定した。AFM用に調製した溶液を顕 微鏡ガラス上にキャストし、溶媒の留去後、残ったフィルムをX線チューブに注 いだ。 実施例1:沈殿による立体複合体の形成 立体複合体を以下のようにして調製した。表2は、出発原料であるホモポリマ ーの融点と立体複合体の融点との差を例証している。 a.アセトニトリル中のL−PLAおよびD−PLA L−PLA(1グラム、Mw=30,000)およびD−PLA(1グラム、 Mw=30,000)をアセトニトリル70mlに60℃で添加した。透明な溶 液は約4−5時間後に混濁し、60℃で2日後、大量の白色固体が沈殿した。3 日後、溶液をろ過し、立体複合体を集め、真空下で一晩乾燥した。 粒径分析計(Coulter)およびAFMにより、沈殿物の粒径および形状を分析し た。平均粒径は2.1ミクロンで、種々の粒子形状を有し、大半が平らなディス ク状であった。複合体の融点は234.8℃であった。 b.CHCl3中のL−PLAおよびD−PLA L−PLA(0.5g、Mw=30,000)およびD−PLA(0.5g、 Mw=30,000)をCHCl3 10mlに溶解した。実施例aに実質的に記 載のような、沈殿物形成および溶媒留去後、粉末の融点を測定すると232℃で あった。 c.D−PLA−PEGおよびL−PLA−PEG D−PLA−PEGおよびL−PLA−PEGからなる立体複合体を、実施例 bに記載の手順に従って調製した。融点を測定すると221℃であった。 d.D−PLA−コ−ポリ(セバシン酸無水物)およびL−PLA−コ−グリ コライド アセトニトリルとクロロホルムとの混合物(9:1v/v比、アセトニトリル :クロロホルム)50ml中、ジブロックの、D−PLA−コ−ポリ(セバシン 酸無水物)(0.5g、1:1w/w比、Mw22,000)を、L−PLA− コ−グリコライド(0.5g、1:1w/w比、Mw24,000)と混合した 。40℃で24時間後、沈殿したポリマーは220℃の融点を有し、このことは 立体複合体の形成を示す。 表2:立体複合体の融点(DSC):ポリマー Tm(℃) D−PLAまたはL−PLA鏡像異性体 179.6 DL−PLAラセミランダムポリマー 無定形 DL−PLA−PEGラセミランダムポリマー 無定形 D−PLA:L−PLA 1:1比 立体複合体 234.8 D−PLA−PEGまたはL−PLA−PEG 176.0 D−PLA−PEG:1:1立体複合体 237.5 L−PLAおよびD−PLA(CHCl3) 232 PLA−PEGおよびL−PLA−PEG(CHCl3) 221 実施例2:L−PLAおよびD−PLAの溶融による立体複合体形成 L−PLA(0.5g、Mw=30,000)およびD−LPA(0.5g、 Mw=30,000)を混合し、100℃で2時間加熱し、融点をDSCにより 測定した。混合物は2点で融解した:176℃(これはPLAの融点である)お よび230℃2つの融点の存在は、2成分が一緒に溶融して立体複合体を形成す ることを実証する。 実施例3:種々の溶媒に懸濁した時の、生理活性分子を含むD−PLA−b−P EG/L−PLA−b−PEGの立体複合体の形態 D−PLA−b−PEGおよびL−PLA−b−PEG(7,000および3 0,000の分子量)の溶液、並びにLHRHまたはアルブミンのような親水性 生理活性分子を、水性緩衝溶液中で24時間混合し、沈殿物を単離して分析した 。多様な構造が観察された。最も特徴的な構造は、数マイクロメータまでの長さ および直径を有する、ロッド状およびコイル巻されたコイル(coiled coil)状で あった。これに対し、水溶液中の、ラセミのPLA−ブロックにより形成される 形態とキラルな結晶化したPLA−ブロックにより形成される形態との間に差異 は観察されなかった。ロッドの網状組織は、D−PLA−b−PEG/L−PL A−b−PEGの等モル水溶液から出現した。そのロッドは、90nmから20 0nmまでの長さがあり、丸い形を示さない、平坦状であった。ブロックコポリ マーの長さは30nmであり;ロッドのサイズより小さかった。ロッドまたは糸 (thread)は、長い結晶ラメラに類似していた。ロッドの表面は規則的なパターン を示しており、これはロッド内部のブロックコポリマーの規則的なパッキングに 関係するようである。 L−PLA−b−PEG/D−PLA−b−PEGのホモブロックコポリマー または等モル混合物を含むジオキサン溶液中で、大きなメソスコピックなコイル 巻されたコイルが観察された。コイル巻されたコイルの光学顕微鏡およびAFM 像は、その大きさ(幅450nmおよび高さ250nm)が、水溶液中で形成さ れたコイル巻されたコイルの大きさよりも小さいということを示した。そのロッ ドは2つのより小さな糸からなり、その糸は規則的な繰り返しのコイル巻された コイルを形成する。その高さのデータは、コイル巻されたコイルが形成されたこ とを証明する。なぜならばロッドが互いに交差する時、その高さがより大きくな るからである。 L−PLA−b−PEG/D−PLA−b−PEGの等モルのジオキサン溶液 中で、ホモブロックコポリマーの溶液中では観察されなかった、付加的な構造が 発現した。これらの溶液はディスクを発現させた。しかしながら、PEG−b− L−PLA−1/PEG−b−D−PLA−1およびPEG−b−L−PLA− 2/PEG−b−D−PLA−2によって形成されたディスクの大きさは、異な っている(1は低いmwであり、2は高いmwである)。PEG−b−L−PL A−1/PEG−b−D−PLA−1のディスクが、200nmと3ミクロンの 間の直径と30と200nmの間の高さを有することを、AFM分析は示した。 ディスクの中心は凹んでいた。これに対し、ブロックコポリマーPEG−b−L −PLA−2/PEG−b−D−PLA−2は、約1mmの直径と90と200 nmの間の高さを有する単分散系ディスクを形成した。ディスクの大きさは、6 0と80nmの間の直径を有する単一のブロックコポリマーミセルの大きさを超 えた。同じ大きさと形状を有するディスクの調製は再現可能であった。これに対 し、ロッドおよびコイル巻されたコイルは、異なった大きさで、ランダムに不規 則に、少量出現した。 PEG−b−L−PLAのアセトニトリル溶液中で、メソスコピックなコイル 巻されたコイルの代わりに、大きな結晶針状物およびロッドが出現した。この結 果は、コイル巻されたコイル構造が、水とジオキサン中で、2次元のラメラ集合 物から発現したことを示すようである。ディスクは、L−PLA−b−PEG/ D−PLA−b−PEGのアセトニトリル溶液からも出現した。それらの平均の 大きさは、直径1.1mmで高さは90と120nmの間であった。これらのデ ィスクは、ジオキサン溶液から製造されたものよりも凝固する傾向が大きかった 。ラセミブロックコポリマーディスクは、ホモポリマー立体複合体のディスク様 結晶と多くの類似性があった。結晶化により三角形か丸い形のどちらの結晶が形 成されるかは、結晶化条件に依存する。丸い形の結晶は、濃縮したアセトニトリ ル溶液(1%)から優先的に形成される。丸い形の結晶は、加熱した0.1%ア セトニトリル溶液の急速な冷却によって得られた。 丸い形の結晶は、単一ラメラから球顆状結晶成長への遷移であるヘドライトで あるかもしれない。ヘドライトの直径は5ミクロンであり、その高さは200n mであった。さらに、それらは中央に深いホールを示した。そのホールは、核が 臨界の大きさに到達した時に、結晶の各サイドがより早く成長するような、無秩 序な核生成の結果かもしれない。 ブロックコポリマーディスクとホモポリマーディスクの類似性は、ブロックコ ポリマーディスクの丸い形状が、主に、ラセミパッキングした鏡像異性形態のP LA−ブロックのせいであるかもしれないということを実証するものである。 溶媒に依存する表面自由エネルギー、および核生成および結晶成長のバランス は、異なった溶媒から形成される構造における差異を理解するための鍵となる問 題であると思われる。 実施例4:リドカイン送達デバイスの圧縮成形 実施例3で分析した、D−PLAおよびL−PLAからなる立体複合化したナ ノディスク、並びに平坦な形状のディスク、ロッドおよび三角形状物のそれらの 複合体の微粉末は、薬剤送達デバイスの調製に独特な機会を与えた。薬剤を有す るこれらのナノスケール構造の圧縮成形によって、デバイスを調製した。この圧 縮成形は、高い均一性と再現性を有する、強くて緻密なデバイスを生ずる。 組み込まれた薬剤の緩衝溶液中での崩壊時間および放出は、対応する規則的な ポリマーの圧縮成形デバイスよりも遅かった。この規則的なポリマー粉末を得る のは困難であり、かつそれらの特性は不安定である。なぜなら、不規則な粒子サ イズおよび形状を与える、非水性溶媒中での沈殿およびガラス転移温度よりも低 い温度での粉砕により、調製するからである。立体複合体形成により形成された 粒子は、圧縮成形するのが容易な、形の明確な平坦なクリスタリットである。 代表的な実験において、D−PLAおよびL−PLA(200mg、Mw=3 0,000)からなる立体複合体粉末をリドカイン(20mg)と混合し、14 ×2mmサイズのディスクに圧縮成形することによって、ディスク形状(10× 2mm)およびロッド形状(4×10mm)デバイスを調製した。 37℃でpH7.4の緩衝溶液中に置いた場合、リドカインは30日間、一定 して放出された。 実施例5:メトトレキサート(MTX)の製剤化および放出 製剤 製剤:アセトニトリル中での沈殿により調製されたD−PLA/L−PLA( Mw=30,00立体複台体に、MTXを組み込んだ。粉末状の薬剤を粉末状の 立体複合体と混合し、その混合物を圧縮成形して錠剤を形成した。あるいは、そ の立体複合体とMTXをジクロロメタンに溶解し、溶媒留去して微粉末を得た。 比較のために、ランダムな無定形DL−PLA(Mw=30,000)およびM TXの溶液を蒸発乾固させ、液体窒素の使用によって粉末に形成できる、透明で フレキシブルな、強い黄色フィルムを得た。 代表的な実験において、PLA1:1立体複合体300mgをジクロロメタン に溶解した。MTX(5%w/w)をこの溶液に添加し、混合物を2分間攪拌( vortex)した。溶媒を窒素気流を用いて留去し、非常に微細な粉末を得た。その 粉末のDSC分析は、222℃で融点を示し、170と180℃の間でピークを 示さなかった。このことは、PLA立体複合体の存在を確認する。ステンレスス チール型(内径10mm)およびカルバープレス(Carver Press)を10トンで用 いて、MTX−立体複合体粉末(100mg)の圧縮成形によって、ディスクを 調製した。あるいは、300mgのPLA1:1立体複合体微粉末(平均粒径2 .2ミクロン)を、MTX(150mg)と混合し、その均一な粉末をそれぞれ 200mgの錠剤に圧縮した。 MTXの放出 37℃でpH7.4のリン酸緩衝液10ml中で、150RPMで連続攪拌し ながら、MTX放出を行なった。両方の製剤は同様のMTX放出プロフィールを 示した。約30%のMTXが最初の10日間、PLA立体複合体から一定して放 出された。 実施例6:LHRHの製剤化および放出 黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)は短いペプチドであり、前立腺癌 の治療に用いられる。LHRHは、溶液中での立体複合体形成中に、ポリマー立 体複合体に組み込まれた。 製剤 幾つかの手順を用いた: a.250mgのL−PLA(Mw=30,000)および250mgのD−P LA(Mw=30,000)を60℃でアセトニトリル70mlに添加した。こ の溶液に、10mgのLHRH(2%ww)を添加し、その溶液を60℃で3日 間混合し、その間に白色沈殿物が蓄積した。その白色沈殿物をろ過し、真空下で 一晩乾燥し;LHRHが充填された460mgのPLA立体複合体を得た。その 粉末の粒径は、1ミクロンの範囲内であった。アセトニトリル溶液をLHRH分 析用に取っておいた。 b.250mgのD−PLAおよび5mgのLHRHを60℃でアセトニトリル 10mlに溶解し、反応を3日間放置した。3日後、白色沈殿物をろ過し、真空 下で一晩乾燥した;230mgのLHRH−DPLA立体複合体が生じた。アセ トニトリル溶液をLHRH分析用に取っておいた。 c.250mgのL−PLA(Mw=2,000)および250mgのD−PL A(Mw=30,000)を60℃でアセトニトリル70mlに添加した。この 溶液に、50mgのLHRHを添加した;そして、その溶液を60℃で1日間混 合し、その間に白色沈殿物が蓄積した。その白色沈殿物をろ過し、真空下で一晩 乾燥した;LHRHが充填された460mgのPLA立体複合体が生じた。その 粉末の平均粒径は、2.4ミクロンであり、その粒子はディスク状であった。ア セトニトリル溶液をLHRH分析用に取っておいた。 d.50mgのL−PLA(Mw=30,000)および250mgのD−PL A(Mw=30,000)を60℃でアセトニトリル70mlに添加した。この 溶液に、30mgのLHRHを添加し、そしてその溶液を60℃で1日間混合し 、その間に白色沈殿物が蓄積した。その白色沈殿物をろ過し、真空下で一晩乾燥 した;LHRHが充填された460mgのPLA立体複合体が生じた。 e.250mgのL−PLA(Mw=2,000)および250mgのD−PL A(Mw=3,000)を60℃でアセトニトリル70mlに添加した。この溶 液に、50mgのLHRHを添加し、そしてその溶液を60℃で1日間混合し、 その間に白色沈殿物が蓄積した。その白色沈殿物をろ過し、分析し、放出を測定 した。 製剤からのLHRHの放出 以下のHPLC法を用いて、LHRHの分析を行なった:移動相は、アセトニ トリル30%、0.01MのpH−3のTEAP(トリエチルアンモニウムホス フェート)緩衝液70%を含んでいた。カラムは、Lichrosphere RP-185mm(MERC K)からなっていた;検出器 UV278nmおよび流速1ml/min。 全サンプルを2(フィルターを通してろ過した。注入前に、リン酸1滴をサン プル溶液に添加した。LHRHの保持時間は6.5分であり、検量線が生じた( r2=0.999)。 アセトニトリル溶液(これは立体複合化反応からとっておいた)中のLHRH 含量を、次の方法により測定した:3mlのアセトニトリル溶液(上記の手順か ら)を蒸発乾固させ、残渣をリン酸緩衝液2mlに溶解した。この溶液中のLH RH濃度を上記のHPLC法により測定した。LHRHピークは、溶液aからe のクロマトグラム上には示されず、一方80%を超えるLHRHが製剤fの溶液 中で見つかり、その沈殿物はほぼ純粋なLHRHであった。 LHRH放出: 立体複合体中のLHRHの粉末は非常に細かいため、放出媒体にそれを沈める 試みは全て失敗した。放出は次の方法で行なわれた:リン酸緩衝液5m1中の1 00mgの粉末を、10mlシリンジに入れた。シリンジの端を封管し、温度3 7℃で、150RPMの速度で、連続して振とうした。緩衝液の液面に浮遊して いる固体および全緩衝液を滴下でシリンジから押し出すために、各時間毎にシリ ンジを上下逆にした。この技術を用いて、PLA立体複合体中のLHRH粉末( 製剤a−e)を、PLA立体複合体の対照ブランク(薬剤なし)に対して分析し た。 製剤aおよびbについては、LHRHは、同様な放出プロフィールで、約3ヶ 月間、これらの粉末から一定して放出された。LHRHはブランクポリマー中で は検出されなかった。製剤eは、低分子量のPLAから調製され、その他の製剤 よりも早く、30日から40日以内に薬剤を放出した。ロッド製剤は、それらの 各粉末製剤よりも長い期間、LHRHを放出した。 D−PLA−コ−PGA(PGA=ポリグリコール酸、比率1:1、Mw=2 0,000)のブロックコポリマーは、LHRHの存在下で、L−PLAまたは L−PLA−コ−PGAと立体複合化した。 立体複合体は、種々の溶媒中でD−PLA−b−PEGとL−PLA−b−P EGの間で形成された。ナノサイズの複合体は、熱アセトニトリル中での単純な 沈殿により、LHRHとD−PLAの間で形成された。LHRHは、これらのナ ノ球体から3週間以上一定して放出された。 実施例7:アンチセンスの製剤化および放出 アンチセンスの製剤化 LHRHについて記載した3つの方法のうちの1つで、オリゴヌクレオチドI SIS3521を立体複合体に組み込んだ。 表3:ISISと立体複合体との複合物 L-PLA D-PLA DL-PLA アンチセンスISIS アセトニトリル a 125mg 125mg ― 5mg 10ml b ― 250mg ― 5mg 10ml c ― 250mg 5mg 10ml 72時間後に反応(a、bおよびc)を停止し、以下の結果が観察された。 a.沈殿物220mgを得た;アセトニトリルをオリゴヌクレオチド分析用に取 っておいた。 b.混濁した溶液を得た。0℃で24時間後、白色の沈殿物を得た。ろ過後、1 50mgの固体を集めた;アセトニトリルをオリゴヌクレオチド分析用に取って おいた。 c.透明な溶液を得た。0℃で24時間後、少量の沈殿物を得た。 アセトニトリルの留去、およびpH7.4.1のリン酸緩衝液への再溶解後、 アセトニトリル溶液中のISIS3521の濃度を260nmでのUV吸収によ り測定した。 ISISの放出 反応aについて、0.04mgのISIS3521が検出されたが、これは最 初の添加量の1%よりも少ない。反応bからのアセトニトリル相はISISを全 く含んでおらず、反応Cからの少量の沈殿物は100%ISIS3521であっ た。 37℃、pH7.4のリン酸緩衝液中でのインビトロでの放出は、製剤aおよ びbから5週間、一定した放出であった。 実施例8:TRHの製剤化と放出 TRHは、次の構造を有するトリペプチドである:pL−Glu−L−His −L−Pro_NH2。250mgのD−PLA(Mw=30,000またはM w=6,000)を、アセトニトリル10ml中の25mgのTRH(10%w /w)と、60℃で混合した。その溶液は、15分後透明になり、72時間透明 のままであり、その時点で沈殿物が形成した。その溶液は非常に混濁していたが 、沈殿物の微粒子サイズにより、室温でろ過することができなかった。0℃で一 晩冷却後、沈殿物をろ過した。アセトニトリル溶液中および粉末中のTRH濃度 を、ペプチド分析のためのローリー(Lowry)法を用いて、上記のように分析し た。90%を超える薬剤が粉末中にあることがわかり、ごくわずかな量の薬剤がア セトニトリル溶液中で見つかった。37℃でpH7.4のリン酸緩衝液に分散さ せた時、TRHは6週間一定して放出された。 実施例9:アルブミンの製剤化と放出 ヒト血清アルブミン(HSA、100mg)を、D−PLA(1g、Mw=6 ,000)およびL−PLA(1g、Mw=6,000)との混合物またはD− PLA(2g、Mw=6,000)またはDL−PLAと、ジオキサン(50m l)中で、60℃で48時間で立体複合化させた。沈殿物がD−PLA/L−P LA混合物およびD−PLA溶液から得られ、一方、ごく少量の沈殿物がDL− PLA溶液から検出された。従って、ペプチドおよびタンパク分析のためのニン ヒドリン法によって測定されるように、5%朱満のHSAが鏡像異性ポリマーの アセトニトリル溶液中で検出され、一方、大半のアルブミンがDL−PLAのア セトニトリル溶液中で見つかった。沈殿物を37℃でリン酸緩衝液(pH7.4 )中に分散させた。HASは、6週間、沈殿物から一定して放出された。 実施例10:製剤化およびアルブミンからの薬剤の放出 立体複合体 実施例9で記載したように調製されたD−PLA−HSAの沈殿物を、少量の 薬剤送達のためのマトリックスキャリアとして使用した。代表的な実験において 、イブプロフェン(100mg)の微粉末をD−PLA−HSAまたはD−PL A−L−PLA−HSA(500mg)と混合し、その粉末を各々300mgの 錠剤に圧縮した。37℃で生理的pHのリン酸緩衝液中に置いた場合、その錠剤 はイブプロフェンを1週間放出した。同様の実験において、他のタンパクを、フ ィブリン、フィブリノーゲン、コラーゲンおよびゼラチンを含むPLA鏡像異性 体と立体複合化させた。 実施例11:薬剤−PLA−PEGコポリマーの立体複合体の製剤化 ABブロックコポリマーである、ポリ(L−ラクチド)−b−ポリ(エチレン グリコール)(L−PLA−b−PEG)およびポリ(D−ラクチド)−b−ポ リ(エチレングリコール)(D−PLA−b−PEG)の、生理活性分子が存在 する溶液中での、鏡像異性形態のPLA−ブロックのラセミパッキングによる、 自己集合を研究した。AFM研究により、キラルまたはラセミPLAパッキング について、数マイクロメータの大きさを有する、ロッドやコイル巻されたコイル のような独特な自己集合構造が同定された。超構造の形成は、両方のブロックの 結晶化に強く関連している。低分子量溶媒中でのブロックコポリマーの自己組織 化と、両方のブロックの結晶化および特に鏡像異性形態のPLA−ブロックのラ セミ結晶化との組み合わせは、医薬適用に対する興味ある特性を有する単離可能 な有限のブロックコポリマー構造に、新しいアクセスを提供する。 3つの代表的な生理活性分子である、ISIS(アンチセンスオリゴヌクレオ チド)、LHRHおよびメトトレキサートは、結晶化および複合体形成中に、あ るいはブランク立体複合体粒子を薬剤と混合し、その粉末を錠剤に圧縮すること によって、ポリマー中に組み込まれた。 複合体形成中の薬剤の組み込みのために、LHRH粉末(33mg)を、L− PLA−b−PEGおよびD−PLA−b−PEG(各ポリマー100mg、M w=7,000、およびPEG Mw=2,000)のアセトニトリル溶液、ま たはD−PLA−b−PEG溶液に溶解した。その溶液を37℃で一晩混合して 白色沈殿物を形成し、これをろ過により分離した。その粒子は1と3ミクロンの 問の平均粒径を有するディスク形状をしていた。溶液中および沈殿物中の薬剤含 有量の分析では、80%を超えるカプセル封入収率を示した。メトトレキサート は、この方法によるカプセル封入では、低い収率を示した。 第2の実験において、L−PLA−b−PEG/D−PLA−b−PEG立体 複合体を錠剤に圧縮成形した。比較的均一な小さい粒径、並びに独特な粒子形態 および構造は、このポリマー粉末を、圧縮成形デバイスにとって非常に魅力的な ものにする。 実施例12:イブプロフェン立体複合体の製剤化 イブプロフェンはキラル中心を含み、次の立体配置のうちの1つとして得られ る:「R」「S」および「RS」ラセミ混合物。イブプロフェンがPLAと立体 複合体を形成するかどうかが測定された。アセトニトリル中60℃で反応を行な った。L−PLA(250mg、Mw=30,000またはMw=6,000) を、25mg(10%w/w)のイブプロフェンの3つの異性体のうちの1つと 混合した。3日後、その溶液は透明なままであった。さらに225mgのイブプ ロフェンを添加し、その溶液をさらに72時間反応させたが、まだその溶液は透 明なままであった。反応を停止し、0℃で一晩冷却し、沈殿物をろ過した。 アセトニトリル溶液中のイブプロフェン濃度を、254nmのUVにより測定 した。95%を超える薬剤がアセトニトリル溶液中に存在することがわかったが 、このことは、イブプロフェンのどの異性体についても、複合体形成が生じない ことを示す。同様の実験において、アセトニトリル中で、L−フェニルアラニン を、D−PLA、またはD−PLAとL−PLAの混合物と反応させたが、複合 体は形成されなかった。これらの実験は、低分子量鏡像異性体(300ダルトン 未満)はポリマーと立体複合体を形成しないことを示す。 実施例13:ロイプロリド(leuprolide)−ポリマー立体複合体のインビトロお よびインビボ評価 製剤: 複合体の調製:酢酸ロイプロリドのアセトニトリル(4mg)溶液、およびア セトニトリル中のD−PLA,(58mg、Mw=100,000)およびL− PLA(38mg、Mw=30,000)を一緒に混合し(全5ml)、50℃ で3日間攪拌した。沈殿した粉末をろ過により単離し、98mgの1ミクロンサ イズの多孔粒子を得た。ロイプロリドはアセトニトリル溶液中に残っていなかっ た。 放出: 37℃でpH7.4のリン酸緩衝液中でインビトロ放出を行なった。ロイプロ リド濃度を、HPLC(アセトニトリル:水、C18カラム、1ml/min) により測定した。約37%の薬剤が、40日間一定して放出された。 13%のロイプロリドを含む複合体粉末を、同様の方法により調製した。この 粉末製剤を、ラットのインビボ研究に用いた。17匹Sabraラット(250g )を3グループに分け、5匹に生理食塩水を注射し、5匹に4%ポリマー製剤中 の5mg/kgのロイプロリド1回分服用量を注射し、5匹に13%ポリマー製 剤中の5mg/kgのロイプロリド1回分服用量を注射した。2匹のラットにブ ランクポリマー(50mg/kg)を注射した。予め決めておいた時点で血液を 採取し、ヒト血液中のテストステロン測定用の標準的なキットを用いて、テスト ステロン血中レベルを測定した。実証によると、テストステロンレベルは、40 日間の研究の間、低いままであり、このことは、文献に記載されている、臨床的 に用いられる製剤、ルプロン(Lupron)について得られたデータと類似している。 この実験は、ペプチド送達のためのこれらの立体複合体の有効性および使用を 例証する。 実施例14:遺伝子送達のためのカチオン残基を有する立体選択性ポリマー a.PEI−D−PLAポリマー カップリング剤としてDCCを用いて、ポリエチレンイミンへのポリD−乳酸 の結合により、ポリエチレンイミンおよびD−PLAからなるブロックコポリマ ーを調製する。代表的な実験において、短鎖ポリエチレンイミン(Mw=600 、Polysciences catalog、USA)を、D−PLAおよびジシクロヘキシルカルボジ イミド(DCC)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(アミノ 基に対し1%)のクロロギ酸溶液に添加した。その溶液を室温で3日間攪拌し、 濾過して、副生成物のジシクロヘキシルウレア(DCU)を除去し、透明な溶液 を水で抽出し、MgSO4で乾燥し、蒸発乾固した。エーテル:石油エーテルの 混合物中での沈殿により、濃縮したジクロロメタン溶液から残渣を精製した。N MRおよび窒素分析により測定すると、得られたポリマーはD−PLAおよびP EIの両方を含んでいた。3:1から1:3までの範囲のPEI:D−PLA比 のコポリマーが調製される。分子量2,000、10,000のD−PLAが、 これらのコポリマーに使用される。 あるいは、溶液中または溶融物中で、PEIとD−PLAの間のアミド交換反 応により、ランダムコポリマーを調製する。代表的な実験において、分子量55 ,000のD−PLAを乾燥ジオキサンに溶解し、PEI−600(2:1w/ w)をその溶液に添加した。反応溶液を5時間加熱還流し、その溶液を脱イオン 水溶液に添加して、ポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーをジクロロメタン に溶解し、MgSO4で乾燥し、蒸発乾固した。NMRおよび窒素分析による測 定では、得られたポリマーはPEI残基を含んでいた。 b.アミノ基と反応してアミド結合を形成することができるカルボン酸末端基を 有するD−PLAは、トルエン中でのD−乳酸(Puracから入手可能な市販のD −ラクチドの加水分解により調製される)の重縮合、あるいは塩基溶液中でのポ リ(ラクチド)の部分加水分解、あるいは酵素分解により、調製される。低分子 量のPEIは、水溶液中で、アジリジンの酸触媒開環重合により合成される。2 ,000ダルトンまでの短鎖PEIは、長鎖のものと比較して毒性が低いことが 示されているので、遺伝子送達に好ましい[D.Fischer,T.Bieber,Y.Li,H. P.Elsasser,T.Kisse、ポリエチレンイミン:遺伝子輸送のための低分子量ポ リカチオンの合成およびインビトロ細胞毒性Eur.J.Cell Biol.75(1998)107 ;T.Bieber,D.Fischer,T.Kissel,H.P.Elsasser、遺伝子送達のための顕 著な特性を有する低分子量ポリエチレンイミンEur.J.Cell Biol.75(1998)1 08]。 c.ポリリシン−D−PLAコポリマーの合成 カルボン酸末端のD−PLAをポリリシンと結合して、カチオン能を有する立 体選択性ポリマーを形成した。好適なポリリシンは、D配置で、低分子量であり 、これは毒性が少なく、生体から排除するのが容易と考えられる。D配置は、D −PLAと並んで立体複合化能力を増加させるだろう。ポリリシン−PLAの直 鎖状グラフトブロックコポリマーの形成方法は、PEIについて上記した方法と 同様である。D−PLAおよびリシンからなるランダムおよびグラフトコポリマ ーは、Langerにより記載された方法を用いて調製することができる[Langer et a l.Macromolecules,28:4736-4739,1995;JACS 115:11010-11011,1993]。これ らのコポリマーのための好適なリシンの立体配置はD配置であり、これは、D− ラクチド残基と均一なD配置のポリマー鎖を形成する。 ポリリシン−D−PLAのABブロックコポリマーを得るために、ポリリシン の側鎖のg−アミノ基をベンゾキシカルボニル保護基により保護し、次いでエス テル結合により、そのフリーのカルボン酸末端基にD−PLA鎖を結合する。 DNAとの複合化:緩衝溶液中で、または緩衝液とアセトニトリルもしくはD MSOとの混合物中で、ヘリング(Herring)DNAとポリマーを混合すること により、これらのポリマーをそのDNAと複合させ、複合体を形成した。 上記の実施例は、遺伝子治療における立体複合化を実証する。カチオン部位を 有する立体選択的構造が与えられ、ジアステレオマー形成により、および静電複 合化(electrostatic complexation)により、プラスミドを複合化することができ る。そのようなポリマーは:ポリエチレンイミン(Mw<2,000)、ポリ( リシン)、スペルミン、スペルミジンのような短いポリアミンを有するD−PL Aグラフトおよびブロックコポリマー、並びにD−ラクチドおよびD−リシンか らなるコポリマーである。 このように、本発明は、リシン、ポリリシン、スペルミン、スペルミジンおよ びポリエチレンイミンを含むカチオン残基を有する立体選択性ポリマーも提供し 、これは、遺伝子送達のためのDNAとの複合化を可能にする。 ここで引用した刊行物およびそれらが引用された材料は、言及により特に組み 入れられるものである。本発明の修正および変更は、前記詳細な記載から当業者 に明白であるだろうし、以下のクレームに包含されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/70 A61K 31/70 31/7088 31/7088 31/711 31/711 38/00 45/00 45/00 47/42 47/42 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも1つの生体適合性の立体選択性ポリマーからなる立体複合体と、 生理活性なまたは生体反応性の分子を含む、生理活性なまたは生体反応性の分子 の送達のためのポリマーキャリア。 2.ポリマーが、直鎖状および分枝鎖状のポリエステル類、ポリカーボネート類 、ポリ無水物類、ポリヒドロキシ酸類、ポリアルキレンオキサイド類、タンパク 類またはポリアミノ酸類、ポリサッカライド類、並びにそれらのブロックおよび コポリマーからなる群より選ばれる、請求の範囲1のポリマーキャリア。 3.ポリマーが、立体複合形態の、D−PLAホモ−およびブロック−ポリマー 、直鎖状および分枝鎖状のL−PLAホモ−およびブロック−ポリマー、それら のコポリマー、並びにそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求の範囲2の ポリマーキャリア。 4.生理活性分子が、ペプチド類、タンパク類、ヌクレオチド類、オリゴヌクレ オチド類、糖類、炭水化物類、脂質類、および合成の有機または無機の薬剤から なる群より選ばれる、請求の範囲1のポリマーキャリア。 5.ポリマーが、分子量が300ダルトンまたはそれ以上の立体選択性薬剤であ る、請求の範囲1のポリマーキャリア。 6.オリゴヌクレオチド類が、アンチセンス、遺伝子類、プラスミド類およびウ ィルスベクター類からなる群より選ばれる、請求の範囲4のポリマーキャリア。 7.生理活性分子が、ホルモン類、凝固因子類、プロテアーゼ類、増殖因子類; およびワクチン類からなる群より選ばれる、請求の範囲4のポリマーキャリア。 8.生理活性分子が、ポリマ−立体複合体中に分散または溶解している、請求の 範囲1のポリマーキャリア。 9.請求の範囲1−8のいずれかのポリマーキャリアを、それを必要とする患者 に投与するのに適した形態で含む、医薬製剤。 10.粒子、錠剤、ペレット、ロッド、ビーズ、補てつインプラント、軟膏、ペ ースト、クリームおよびゲルからなる群より選ばれる形態である、請求の範囲9 の製剤。 11.医薬的に許容されるキャリアであって非経口的または腸溶性経路による投 与に適した剤型である、請求の範囲9の製剤。 12.立体複合体を形成する少なくとも1つポリマーと、それに組み込まれる生 理活性なまたは生体反応性の分子を一緒に混合することを含む、請求の範囲1− 8のいずれかのポリマーキャリアを製造する方法。 13.立体複合体が、溶液中でのポリマーの沈殿により形成される、請求の範囲 12の方法。 14.立体複合体が、立体複合体を形成するポリマーを一緒に溶融することによ り形成される、請求の範囲12の方法。 15.生理活性なまたは生体反応性の分子が、形成時に立体複合体内に組み込ま れる、請求の範囲12の方法。 16.生理活性なまたは生体反応性の分子が、立体複合体上に分散または立体複 合体に結合している、請求の範囲12の方法。 17.有効量の請求の範囲9−11のいずれかの医薬製剤を患者に投与すること を含む、それを必要とする患者に生理活性なまたは生体反応性の分子を投与する 方法。 18.当該立体選択性ポリマーがカチオン残基を含む、請求の範囲1のポリマー キヤリア。 19.当該立体選択性ポリマーが、リシン、ポリリシン、スペルミン(sperime) 、スペルミジンおよびポリエチレンからなる群より選ばれる、請求の範囲18の ポリマーキャリア。
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