JP2001509836A - リン脂質を用いた、脂肪および油からのステロールの除去法 - Google Patents

リン脂質を用いた、脂肪および油からのステロールの除去法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は脂肪および油などのステロール含有物質のステロール、例えばコレステロールの含量の低減方法を開示する。本方法はリン脂質の二重層を用いることに基づいた効率的で安価な工程を提供するものである。リン脂質の凝集物を、例えば水性の環境下でステロール含有の脂肪または油と接触させ、次いで混合する。十分混合させた後、図に示すとおリステロール含量が低減された脂肪または油が水性分離用混合物から分離される。あるいはまた、その水性分離用混合物から対応するステロールに富むリン脂質も単離することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 リン脂質を用いた、脂肪および油からのステロールの除去法 発明の背景 コレステロールは、米国における死因の最上位にある冠状動脈疾患に対して重 要な関与をしているものとしてよく知られている。その結果、多数の消費者が、 飽和脂肪およびコレステロールの低い食事を維持することが有益であることに気 がついている。ある調査によれば、、米国の成人の48%は食事から摂取するコレ ステロールの量を制限しようと試みている(Council for Agricultural Science and Technology Report#107,November 1985)。米国の成人の70-80%では食事か ら摂取するコレステロールが血中のコレステロールレベルを決定づけることはな いが、米国の成人の20-30%ではコレステロールを低減させた製品は大きな市場 となる(Sperber,Food Processing,November 1989,p.155)。 高い血清コレステロール値と心疾患との関連性が明確になるにしたがって、コ レステロールを含まない、あるいはコレステロールを低減させた食品は消費者に とってより魅力的なものとなり、コレステロールを含まない、あるいは低減させ た食品は人気を獲得しつつあり、その市場シェアも増大している。この結果、高 コレステロール食品からコレステロールを除去あるいは低減させることでそのも のの市場性と価値を大いに増大させる可能性がある。このことは、海産魚類の油 (500-800mgコレステロール/100g)、バター(250-300mgコレステロール/100g)、牛 脂(約110mgコレステロール/100g)、ラード(約100mgコレステロール/100g)、およ び卵黄(約5.2gコレステロール/100g(乾燥重量))などの高コレステロール食品に ついては特に当てはまることである。 多くの魚油はドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などの必 須ω-3脂肪酸を含んでおり、それらは「ニュートラシューティカル(nutraceutica ls)」、すなわちそれを摂取すれば疾病の治療または予防に有益であるような食物 としてその重要性が高まりつつある。食事から摂取するDHAやEPAを増やすことの 有益性としては血圧の低下および血漿中のトリアシルグリセロール値の 低減、および関節炎などの自己免疫疾患の緩和などがある。DHAは眼および脳の 膜の重要な構成成分であり、また、幼児の成長に非常に重要である(McNeillら,J .Am.Oil Chem.Soc. 73:245-251(1996))。しかし不運なことに、魚油の多く は非常に高レベルのコレステロールを含有しているので(上述を参照せよ)、魚油 中のDHA、EPA、およびその他のω-3脂肪酸の有益性を得ようとすれば大量のコレ ステロールも摂取しなければならなくなってしまう。従って、魚油からのコレス テロールの除去を、ω-3脂肪酸やその他の有益な構成成分に悪影響を及ぼすこと なく出来るならば、魚油のニュートラシューティカルとしての特性を高め、ヒト の健康の観点から特に価値の高いものとなるであろう。 コレステロールを低減した、あるいはコレステロールを含まないことを製品に 表示できるための要求事項は厳格なものである。下記に示す表示ガイドラインか らコレステロール除去を高効率で行うことの重要性は明らかである: コレステロール不含 一食あたり2mg未満コレステロールおよび2g以下 の飽和脂肪 低コレステロール 一食あたり20mg以下のコレステロールおよび2g以 下の飽和脂肪 コレステロール低減 対照の食品と比較してコレステロールが>25%低く、 2g以下の飽和脂肪 (The Chemist,Vol.71,No.5,July,1994(The American Institute of Chemis ts,Inc.刊行のニュースレター)) コレステロールの除去あるいは低減は簡単に行いうることではない。このため にいくつかの異なる手法が開発されたが、それぞれ成功の度合いは様々であった 。 そのような方法の一つはMarschnerら,米国特許第4,804,555号で公開されてい るもので、蒸気蒸留を用いたものである。この方法では油または脂肪を高度真空 下で500°Fに加熱する。次いでその油脂を薄層フィルムとし、向流条件下で1% から15%の蒸気と接触させる。この結果コレステロールは65%以上除去される。 しかし、この高温条件ではトリアシルグリセロールに存在するシス二重結合をト ランス二重結合へと異性体化して産物を変質させてしまう。また、高温下では、 工程の各ステップで除去し得なかったコレステロールを含む各種の構成成分の重 合および酸化を起こしてしまう。酸化されたコレステロールは酸化されていない コレステロールよりさらに健康に害があると考えられている。海産魚の油は高温 によって引き起こされるこれらの各種の変質様式で特に損傷を受けやすい。蒸気 蒸留法はエネルギーを多量に消費し、製造コストが非常に高い。さらに、蒸留後 においてもかなりの残留コレステロールが検出され、その結果得られた製品に「 コレステロール不含」と表示することはおそらく出来ないであろう。 また別のコレステロール除去法としては超臨界二酸化炭素による抽出がある(S perber,"New Technologies for Cholesterol Reduction"Food Processing,Nov ember 1989,155-60)。その方法では、二酸化炭素を高圧(4000-5000psi)を用い て超臨界液体とする。超臨界二酸化炭素は独特な溶解性を持ち、乳製品および動 物性食品から選択的にコレステロールを除去するために用いられる。その抽出効 率は98%にも達する。しかし、それに必要な装置を設置するにはかなりの投資が 必要であり、また運転コストもかなりかかる。また別の超臨界二酸化炭素を用い る、脂質からのコレステロールの分離法についてはMcLachlanら,米国特許第5,0 24,846号をも参照せよ。 Wrezelら,米国特許第5,128,162号で開示されている別の方法は化学反応およ び油からのコレステロールの抽出からなっている。第1ステップではコレステロ ール含有の油を多塩基性のアシル化剤と反応させる。これによってコレステロー ルは対応する多塩基酸の酸性モノエステルに転換される。第2ステップはこの酸 性コレステロール誘導体を塩基で抽出し遠心分離する。化学的な必要事項、かな り複雑な操作、および廃棄物が生ずることがこのプロセスを著しくコスト高にし ている。 修飾シクロデキストリンポリマーおよびガラクトマンノースなどの親水コロイ ド抽出物もコレステロールを抽出するために用いられ、成功を収めている。その 他の方法としては、臭化カルシウム塩または臭化マグネシウム塩をコレステロー ルを沈殿させるために用いることや、修飾植物油を用いた抽出がある(Trends in Food Science and Technology 7:30(1996))。 発明の概要 本発明は、脂肪/油産物(fat/oil product)中に含まれるステロール、例えば コレステロールを低減させる新規方法である。代表的な脂肪/油産物としてば、 液状牛脂または他の動物脂、ラード、魚油、卵黄、バター、およびチーズが挙げ られるが、それらに限定されない。本発明の方法は、天然あるいは合成の植物ス テロール(例えばβ-シトステロール、カンペステロール、およびスチグマステロ ールなどのフィトステロール類)、マイコステロールおよびコレステロールを含 む動物ステロールに適用しうるが、それらに限定されない。「ステロール」とい う用語は、化学的に修飾されたステロールあるいはステロール誘導体を、それら の分子が下記のリン脂質凝集物に分配されうるものである限り含む。 本発明の方法においては、脂肪/油産物をリン脂質凝集調製物と接触させ、水 性分離用混合物をつくる。この水性分離用混合物を十分な時間混合して、ステロ ールをその水性分離用混合物のリン脂質凝集物の部分に分配させ、その脂肪/油 産物のステロール含量を選択的に低減させる。この操作の後、ステロールを低減 させた脂肪/油を水性分離用混合物から除去する。あるいはまた、これに対応す るステロールに富むリン脂質もこの水性分離用混合物から単離して下記の各種の 用途に用いることができる。 リン脂質凝集調製物は凝集したリン脂質と水との複合体を含み得る。凝集した リン脂質は1種以上のリン脂質からなるか、あるいはレシチンなどの総リン脂質 画分からなる。大豆レシチンは本発明において特に有用なリン脂質である。レシ チンをリン脂質凝集調製物中に用いる場合にはレシチンと水の重量比は約1:0.2 から約1:5、より好ましくは約1:1から約1:2とすることができる。 本方法の各ステップは所望により常温で行うことができる。望ましいステロー ル低減レベルに達するために工程を2サイクル以上繰り返すことができる。ある いはまた、この方法は向流抽出の条件下で行うことができる。 ここに述べたとおり、本発明は多数の利点を提供する。例えば、多くの場合、 本方法の各ステップは常温で行いうるので、産物の熱による劣化の可能性が最小 限となるのと同時に、加熱に伴うコストも最小限となる。抽出後に残存する非ス テロール成分の劣化を最小限とすることによって、本方法はコレステロールおよ び必須ω-3脂肪酸の双方を含有する魚油のニュートラシューティカルとしての 価値を高めるのに特に有用である。この工程は魚油のコレステロール含量を低減 させるが、ヒトの健康に有益であることが見出されているDHA、EPA、およびその 他のω-3脂肪酸を天然の状態のまま残存させる。 大豆レシチンはリン脂質凝集調製物中に用いうるものであるが、それは植物油 精製の副産物であり、豊富に存在しかなり安価である。さらに、必要とされる器 具は最小限でよく、必要とされる材料が全て食品グレードであるので、これらの 方法を行う際には取り扱い、廃棄物処理、あるいは最終製品の汚染に関して特別 な注意は必要ない。 本技術はさらに、安定性やフレーバーの特徴(例えば、味、テクスチャー、活 性酸素法時間(Active Oxygen Method(AOM)hours))を変えることなくコレステロ ール低減またはコレステロール不含の脂肪および油を生産することができる。植 物油とコレステロール不含の動物脂肪との組み合わせは、例えばトランス脂肪酸 不含のマーガリンやショートニングなどの固形のものへ応用するのに適した各種 の高安定性脂肪を提供することができる。また、本技術はコレステロール除去バ ターからのコレステロール不含のアイスクリームやチーズの開発を容易にする。 本発明のその他の利用法および利点は下記の詳細な説明と請求の範囲から明ら かとなるであろう。 図の簡単な説明 図1はコレステロール含量に及ぼす複数回サイクルの抽出の効果を示す。 発明の詳細な説明 コレステロールなどのステロールは各種の動物および植物産物から、効率的か つ低コストで除去することができる。その工程はステロールなどの両親媒性分子 のリン脂質二重層への親和性に基づくものである。本工程ではリン脂質凝集物お よび水とステロール含有の基質との分子間相互作用によってステロールレベルが 顕著に低減される。このリン脂質凝集物の混合物の分子構造はコレステロールお よびその他のステロールと高い親和性を持ち、脂肪および油からステロール分子 を選択的に除去できる。 この工程は各種の植物あるいは動物産物から比較的容易にコレステロールおよ びその他のステロールを除去できるが、他の技法に比べ技術的および経済的に顕 著な利点を有する。抽出を室温で行いうるので、高温では起こりうる多数の副反 応(例えば、異性体化、脱色、および産物の分解)を避けることができる。従って 、本方法は多様な動物および植物産物に有用であるが、とりわけ容易に酸化され てしまったり過酷な条件下では分解してしまう海産魚およびその他の油、および ブレンドした油などの「繊細な(sensitive)」油に有用である。本工程は非常に 効率的で、投資額および運転に要するエネルギーは最小限しか必要としない。 本発明はコレステロールなどのステロールを含有する脂肪および/または油を 含有するいかなる産物にも適用可能である。そのような産物としては、植物油、 動物脂、ラード、魚油、卵黄、バター、およびチーズなどがあるがそれらに限定 されず、植物油をブレンドした動物産物をも含む。本発明の方法で処理可能な海 産魚油としてはアンチョビー、マグロ(Horse Mackerel)、メンハーデン(Menhade n)、サーディン(Sardine/Pilchard)、カラフトシシャモ(Capelin)、ニシン、サ バ、ノルウェービブ(Norway Pout)、イカナゴ(Sandeel)およびスプラット(Sp rat)などがあるがそれらに限定されない。植物(例えば野菜)油も本発明の方法 で除去しうる植物ステロール(フィトステロール)を含んでいる。天然の植物油は 通常はコレステロールを大量には含んでいないが、食品業界ではそのような油も 最終的にはコレステロールを含む余剰の油となる。このようなコレステロール含 有植物油も本発明の方法で処理しうる。本発明はコレステロールなどのステロー ルを顕著なレベルで含むいかなる脂肪および/または油含有産物にも適用しうる 。 ここで用いている「脂肪/油産物」という用語は、脂肪産物、油産物あるいは 脂肪と油成分の双方を含有する産物であって、コレステロールあるいはその他の ステロールを著しいレベルで含有するいかなる産物をも含むものである。また、 「脂肪/油産物」という用語は、脂肪および/または油の精製その他の工程中に得 られる副産物あるいは中間段階の産物であってコレステロールあるいはその他の ステロールを著しいレベルで含有するものをも含むものである。例えば、「脂肪 /油産物」という用語は植物油やその他の油の脱臭工程中に得られるステロール を含む 蒸留画分をも含む。 本発明は脂肪/油産物を市販品とするための工程サイクルのいかなるステージ にも適用しうる。例えば、本発明の工程は精製・漂白・脱臭油(「RBD油」)、あ るいはRBDの状態に至るまでの工程のいかなるステージにも適用しうる。RBD油は pre-RBD油に比べると密度が変わっている可能性があるが、本発明の工程は、リ ン脂質含量、リン脂質組成、リン脂質:水の比、温度、圧力、混合条件、および 分離条件を下記のように変えることにより、RBDまたはpre-RBD油、もしくはその 他の各種の脂肪/油産物に容易に適応させることができる。各種の実施条件の効 果についてはここに開示した操作法、それには所望により比較的小規模な試験製 造をも含むが、その操作法で製造した最終製品のコレステロール含量を測定する ことにより、容易にモニターすることができる。コレステロール含量は、許容し うるいかなる分析方法も用いることができ、ガスクロマトグラフィーを含むが、 それに限定されない。 ここで用いている「低減する」という用語は有効レベルとしてゼロ、例えば「 コレステロール不含」という表示が許されるレベルまで低減させることであるが それに限定されない。 本発明の方法は脂肪/油産物をリン脂質凝集調製物と接触させて水性分離用混 合物を形成することを含む。本発明の方法には各種のリン脂質を使用することが でき、それらとしてはフォスファチジルコリン(PC)、フォスファチジルエタノー ルアミン(PE)、N-アシルフォスファチジルエタノールアミン(NAPE)、フォスファ チジルセリン(PS)、フォスファチジルイノシトール(PI)、フォスファチジルグリ セロール(PG)、ジフォスファチジルグリセロール(DPG)、フォスファチジン酸(PA )、およびプラスマロゲンが挙げられるがそれらに限定されない。これらおよび その他のリン脂質については例えばSzuhaj and List編、Lecithins,American O il Chemists Society(1985)に述べられており、これはその全体を参照により本 明細書に取り込むこととする(以後"Szuhaj and List"という)。 リン脂質は単独でまたは各種の組み合わせで用いることができ、「天然」の起源 (例えば大豆レシチン)からまたは化学合成で得られる。ここで用いるリン脂質は 比較的精製度の低いリン脂質とその他の成分(例えば大豆油、もしくはヒマワリ ま たはキャノーラなどのその他の植物油の精製工程から得られる市販の粗製レシチ ン)との混合物の形でも用いることができ、また種々の程度に精製することもで きる。さらに粗大豆レシチンまたはその他の市販の粗製レシチン中に存在するも のを含むリン脂質を化学的に修飾することができる。天然の起源から精製された 、または化学合成されたレシチン、その他のリン脂質調製物、または個々のリン 脂質は、化学修飾を受けることのできる官能基、例えば炭素-炭素二重結合、エ ステル、リン酸エステル、アミン、および水酸基などの官能基を1種以上含有す る。リン脂質の化学修飾は、コレステロールなどのステロールが、化学修飾され たリン脂質との親和性を維持するようなものである限り、本発明の方法に適合し うる。従って、アセチル化、水酸化、加水分解(例えばリゾリン脂質を製造する ために)、水素化、ハロゲン化、リン酸化、エポキシ化硫酸化、エトキシ化、ま たはその他の修飾を施されたリン脂質は本発明の方法に有用な可能性があり、こ こで用いている「リン脂質」という用語の意昧の範囲内に含む。各種のタイプの レシチンを リ州から市販されているものを入手しうる。 好ましい実施形態においては、リン脂質の起源としてレシチンが、脂肪および 油からコレステロールを選択的に除去するために用いられる。通常の用法では「 レシチン」という用語は大豆、綿実、トウモロコシ、小麦胚芽、オート麦、大麦 、ヒマワリ、ナタネ、キャノーラ(canola)、亜麻仁、ピーナッツ、パーム核、卵 黄、ミルク、および脳などの天然の材料から得たリン脂質画分の総体を指す。通 常、このような画分は極性脂質と中性脂質との混合物であって、極性脂質(アセ トンに不溶性のものとして定義される)の含量が少なくとも50%であるものを含 む。当業界では、「レシチン」という用語をフォスファチジルコリンの一般名とし ても用いている。ここで用いている「レシチン」という用語は1番目の用法、す なわち、選択された植物油またはその他の適当な起源から得たリン脂質画分の総 体を意味している。Szuhaj and Listの第2章を参照せよ。しかしながら、フォ スファチジルコリンが、単独または他のリン脂質との組み合わせのいずれにおい ても、本発明の方法に用いるものとして適当なリン脂質であることは注記すべき である。 市販の大豆レシチンはリン脂質の起源として好ましいものであるが、それは大 豆油の精製工程から得られる。組製大豆油は通常約1.0から3.0重量%のリン脂質 を含んでいる。粗製油を精製する際、第1ステップは通常はリン脂質を除去する ことである。このステップはしばしば「脱ガム(degumming)」と呼ばれるが、ま ず最初に粗製油に水が添加される。リン脂質は水によって水和され、それにより リン脂質は油に溶けにくくなる。濃度の高くなったリン脂質と水は、より濃度の 低い油から、典型的には遠心して分離される。高濃度の相から水を除去すると、 ほぼ等量のフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、およ びイノシトールフォスファチドを含む産物が生ずる。部分精製された大豆油は通 常は室温で流動性のある液状製品を製造するために戻し入れされる(このものは しばしば「流動化レシチン」と呼ばれる)。市販の液状レシチンは約50から65重 量%のリン脂質と少量(通常は約5重量%未満)の各種炭化水素、無機塩類、タン パク質、遊離脂肪酸、ステロール、および水を含む。市販の大豆レシチンの残り の部分は大豆油である。 リン脂質含量を高めた各種のレシチン粉末が市販されており、本発明の方法に も用いうる。そのようなレシチン粉末もここで用いている「レシチン」という用 語の範囲内に含むものとする。これらの粉末は、典型的には市販の大豆レシチン などの粗製レシチンを例えばアセトン分画などで分画することによって得られる もので、約60%から95%以上のリン脂質を含み得る。 別のリン脂質の市販の起源としては親水性を改善するために大豆レシチンを修 飾して得た製品群がある。このような修飾を行うために各種の方法が採られてい る。例えば、大豆レシチンを化学的にあるいは酵素的に、例えば無水マレイン酸 と反応させることによって修飾できる。市販の大豆レシチンから特定の成分を除 去することができる。あるいはまた、市販の大豆レシチンに、例えば非イオン性 乳化剤などの各種の成分を添加する方法もある。そのような乳化剤としてはポリ オキシアルキレンモノグリセリド、ポリオキシアルキレンジグリセリド、および 部分脂肪酸エステルのポリオキシエチレン誘導体が挙げられるがそれらに限定さ れない。ここで用いている「レシチン」という用語にはこれらの修飾レシチンを も含むこととする。 レシチンペーストは、例えば、市販の大豆レシチンを水と混合し、メカニカル スターラー、剪断型ミキサー、振動ミキサーまたはソニケーター(sonicator) などの攪拌器具でホモジエナイズすることによって調製できる。その後、脂肪/ 油産物をレシチンペーストに添加し、水性分離用混合物を作成する。その分離用 混合物を、剪断型ミキサー、メカニカルスターラー、振動ミキサーまたはソニケ ーターなどの混合器具を用いて十分に混合する。通常は必要ないが混合方法を組 み合わせて用いることにより満足すべき結果を得ることもできる。十分な時間混 合した後、コレステロール低減脂肪/油を、コレステロールに富むレシチンおよ び水性分離用混合物の残存部分から遠心分離またはろ過などの従来法を用いて分 離する。 脂肪/油産物は操作中に液状状態を保てる温度に維持すべきである。例えば、 牛脂、バター、およびラードなどの脂肪/油産物は適当な温度(例えば約40-50℃) で融解することができ、その脂肪/油産物を液状状態に保つために、混合中は20- 50℃に維持することができる。室温(常温)では通常は液状の脂肪/油産物、例え ば魚油および市販されている「液状」牛脂製品などに対しては、常温以上に加熱 することは不要であろう。また別の実施形態においては、レシチンペーストはレ シチンに水を添加し、次いで、メカニカルスターラーでホモゲナイズしてペース ト状とする前に約60℃での加熱を行って調製する。この加熱ステップによってホ モジエナイズが容易となる。残りの操作は上述のとおり常温で行う。 好ましくは水性分離用混合物はメカニカルスターラーで5分間から100時間、 より好ましくは10分間から30時間、もっとも好ましくは約10分間から約1時間、 激しく混合する。混合時間はその水性分離用混合物をどれだけ激しく混合するか 、およびその混合物を何度に維持するかによって変わる。コレステロールに富む レシチンはコレステロール低減脂肪/油と遠心分離によって分離することができ る。遠心時間およびスピードは所望により変えることができる。好ましくは遠心 分離は約100xgから約100,000xg、より好ましくは約500xgから約50,000x g、もっとも好ましくは約1,000xgから約11,000xgの間で行う。 あるいはまた、水性分離用混合物は、十分な混合を施した後、重力による自発的 な分離を起こさせるためにさらに静置させておくことができる。 コレステロール除去の程度はレシチンと水との比率、レシチンペーストと脂肪 / 油産物との比率、接触表面積、接触(混合)時間、および下記に述べるとおり脂肪 /油産物が処理されるサイクル数によって変わる。代表的な工程では、20gの液 状牛脂を4gの1:1レシチン-水ペーストで5サイクル処理し、その結果、コレス テロールレベルは約95%低減する。脂肪/油とレシチンの量は所望により一定比 率でスケールアップまたはダウンさせることができる。 所望により、酸、塩基および/または塩などの各種の電解質を水に添加してコ レステロールまたはその他のステロールの極性を変えることができる。これによ って両親媒性ステロールのリン脂質相と脂肪/油相間の分配係数を変えることが できる。さらに、モノグリセリドなどの各種の乳化剤を水性分離用混合物に取り 込んでステロールの抽出効率を改善することができる。 水性分離用混合物は、本発明から離れることなく様々な形態に調製することが できることは強調しておくべきである。リン脂質(例えばレシチン)は上述のとお り水と混合してリン脂質凝集物の水性調製物(例えばレシチンペースト)を形成さ せ、その後、脂肪/油産物に添加して水性分離用混合物を形成させることができ る。この実施形態において、水性分離用混合物中の水は、リン脂質凝集調製物を 作成する際にリン脂質に最初に添加された水に由来している。いくつかの脂肪/ 油産物(例えばバター)はもともと多量の水を含んでいる。これらの場合には本質 的に「乾燥状態」のリン脂質、例えば乾燥リン脂質粉末を直接脂肪/油産物へ添 加して、リン脂質凝集物を含む水性分離用混合物を形成させることができる。あ るいはまた、水を脂肪/油産物に添加し、リン脂質をその水/脂肪/油混合物に添 加して水性分離用混合物を形成することもできる。さらにまた別の実施形態にお いては、リン脂質を脂肪/油産物に添加した後に水を加えて水性分離用混合物を 形成させることもできる。さらにまた別の実施形態においては、水、リン脂質、 および脂肪/油産物を同時に添加して水性凝集調製物を形成させることができる 。全ての場合において、脂肪/油産物はリン脂質凝集調製物と接触し、それによ って脂肪/油産物中に存在するステロールを分離することができる。 植物油由来の各種の「ガム質」(例えばSzuhaj and List,Chapter 2;Erickson 編,Practical Handbook of Soybean Processing and Utilization,AOCS Press and United Soybean Board,Chapter 10,1995,を参照せよ。これは本明 細書に参照により取り込むこととする)が、本発明で用いうるレシチン/水「ペー スト」の既製品を構成することも注記すべきである。ここに記載した工程を植物 油の精製プラントの近くに設置した場合には、ガム質(例えば大豆油を水で脱ガ ムして得られたもの)を直接そのシステムに送り込むことができる。市販のレシ チンを本発明の工程に用いることは非常に経済的ではあるが、このやり方はより 一層経済的である。 植物油由来のガム質を用いる場合には、最初に調製されたリン脂質凝集物(ガ ム質)中に既に水が存在していることによって最終的に形成される分離用混合物 が「水性」となりうるので、水をリン脂質凝集調製物あるいは脂肪/油産物に添 加することは不要かもしれない。あるいは、リン脂質凝集調製物の当初の水分含 量によっては、所望により少量の水を添加することができる。 さらにまた別の実施形態では、リン脂質含有の植物油をコレステロール含有の 脂肪/油産物と混合することができる。この結果として出来る混合物を標準的な 方法(例えば、Erickson編,Practical Handbook of Soybean Processing and Ut ilization ,AOCS Press and United Soybean Board,Chapter 10,1995)に従っ て水で脱ガムする。この結果、混合物中にリン脂質凝集物が形成され、それによ って、水を用いた脱ガム操作によって生じた水性の環境下で脂肪/油からコレス テロールまたはその他のステロールが分離される。所望により、この水性分離用 混合物は、スターラーあるいはその他の方法でリン脂質凝集物とコレステロール 含有の油または脂肪との接触を増強させるためにさらに混合(通常の水脱ガムで 行う攪拌を超える混合)することができる。次いで、コレステロールに富むガム 質は上述のとおり脂肪/油から分離される。この「水脱ガム操作法」はその混合 物に対して行うと、リン脂質およびコレステロール(またはその他のステロール) を単一の工程で効率的に除去する。この結果できた油混合物は通常の方法(例え ば、Erickson編,Practical Handbook of Soybean Processing and Utilization ,AOCS Press and United Soybean Board,1995を参照せよ)で精製してコレステ ロール不含又はコレステロール低減の植物油、もしくはその他の精製産物を所望 により製造することができる。 水性分離用混合物の形成、すなわち混合および分離のサイクルは、所望のステ ロール(例えばコレステロール)含量レベルを得るために、所望の回数繰り返すこ とができる。例えば、第1回目の抽出サイクルでコレステロール低減の脂肪/油 を分離および単離した後に、その産物を新鮮なリン脂質凝集調製物に添加し、操 作を繰り返すことができる。そのような抽出サイクルの各回毎にステロールレベ ルが順次低減する。 あるいはまた、本方法は向流交換の条件下で行って同程度の低減を達成するこ とができる。すなわち、コレステロールまたは他のステロールの抽出は、抽出効 率を上げるために連続的なやり方(バッチ式ではなく)で行うことができる。この ためには従来法のいかなる液状-液状向流交換の設定をも用いることができ、そ れらとしては、非攪拌塔(unagitated columns),ミキサー沈降タンク(mixer-se ttler),脈動抽出塔(pulsed columns),回転攪拌塔(rotary agitation colum ns),往復振動板塔(reciprocating plate columns),および遠心抽出器がある が、それらに限定されない。例えば、Kirk-Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology ,Fourth Edition,1993,John Wiley & sons,pages 125-180(本明 細書に参照により取り込むこととする)を参照せよ。ステロールを除去した脂肪 /油は典型的にはそれらに対応するステロールに富むリン脂質に比べて密度が低 いので、多くの場合、重力を利用した向流交換系の使用が適当である。 本発明の方法を行うと、コレステロールなどのステロール量が低減された脂肪 /油産物が得られるのみならず、それに対応してステロールに富むリン脂質凝集 調製物が得られることは注記すべきである。本工程はステロールに富むレシチン などのリン脂質調製物を単離または得るための方法を構成する。数種の既知の方 法のいずれを用いてもステロールはリン脂質から単離することができる。例えば 、本発明のコレステロールに富むレシチンを脱水し、次いでシリカゲルカラムに アプライし、非極性溶媒で抽出してコレステロールを除去および回収することが できる。あるいはまた、コレステロールに富むレシチンを、アセトンまたは酢酸 メチルなどの極性溶媒で抽出することができ、その極性溶媒はコレステロールを 溶解するがリン脂質の大多数のものは溶解しない。レシチンからコレステロール を分離した後、コレステロール(または他のステロール)を、例えば医薬品原料と して市販製品化できる。レシチンは所望により、上述のステロール除去工程へリ サ イクルさせることができる。 コレステロールに富むレシチンはそれ自体で価値がある。例えば、コレステロ ールに富むレシチンは、例えば若年動物の成長促進に用いる食品補助剤として販 売することができる。このためには、本発明の抽出方法を複数回のサイクルまた は向流交換工程で行い、その結果得られたコレステロールに富むリン脂質(例え ばレシチン)を本工程に戻し入れてそのリン脂質が所望のステロールを最大限に 含むようになるまでリサイクルすることが可能である。このことによって、上述 の方法でさらに加工することのできる、コレステロールまたは他のステロールを 特に豊富に含む原料が提供される。 あるいはまた別の実施形態においては、本発明の方法はフィトステロールまた はその他のステロールを油の処理工程中の中間ステップで単離することができる 。例えば、フィトステロールは植物油の脱臭工程中に失われることが知られてい る(Snyder and Kwon編,Soybean Utilization,Von Nostran Reinhold Company ,1987,pages 68-69)。例えば、工程の中間段階から得たステロールを含有する 蒸留物画分を、上述のステロール抽出操作にかけることができる。このことによ ってステロールに富むレシチンまたはその他のリン脂質が提供され、これらは抽 出されたステロールを回収するためにさらに加工することができる。 本発明はさらに下記に例示する実施例によって理解できるであろうが、それら の実施例は単なる例示であり、請求の範囲に記載されている本発明の範囲を限定 するものと理解すべきではない。 実施例1 蒸留水と大豆レシチン(Lipotin A/UB,SR#19697/1,Lucas Meyer製,Decatur ,米国イリノイ州)を同時に各種の比率で20gの液状牛脂("Fluid Fry"ショートニ ング,Product No.54084,Rustco Products Co./Park Food LP,Denver,米国 コロラド州)に添加した。そのサンプルを常温で1時間、マグネティックスター ラーを用いて激しく攪拌し、その後卓上遠心機(IEC clinical centrifuge)で300 0rpm,10分間遠心した(約1,000xg)。 遠心後、最上部の脂層を集め、ガスクロマトグラフィーでコレステロール含量 を分析した。脂のサンプルは単回処理のみとした。これによって各種の条件下で 1回の処理で除去しうるコレステロールの最大量を調べることができる。結果は 下記の表1に示す。 表1 1回の処理での脂からのコレステロールの除去 *操作の最後に残存していたコレステロール;サンプルID1のコレステロールレ ベルはコレステロール除去率%を計算する上でのベースラインを示す。 実施例2 第2番目の実験では、実施例1で用いたものと同一の市販の大豆レシチンに適 当量の蒸留水を添加し、60℃に加熱した。その混合物をメカニカルスターラー(C aframo type RZR1)で15分間ホモジェナイズしてレシチン-水ペーストを調製した 。残りの操作は常温で行った。レシチン-水ペーストの重量を量り、実施例1で 用いられたものと同一のタイプの液状牛脂の種々の量に添加し、高速剪断型ミキ サーで10分間よく混合した。次いで、そのサンプルをBeckman Model J-21Cfloor model遠心機を用いて10,000rpmで10分間遠心した(約11,400xg)。遠心ボトルか ら油相を分離した。この1回処理油をレシチン-水ペーストに加え、混合、遠心 、および分離操作を所望の回数繰り返した。各回とも新鮮なレシチン-水ペース トを使用した。次いで、その結果出来たコレステロール除去油のコレステロール をガスクロマトグラフィーで分析した。上記の工程を、レシチン対水の比率、レ シチン対脂の比率、および実施した抽出回数の各変数を変えて繰り返し た。結果は下記の表2に示す。 表2 コレステロール除去:各種処理回数 *比率は重量比 これらの結果は水と凝集レシチンの混合物が、液状動物脂からコレステロール を除去するのに有効であることを示している。レシチンと水での処理回数を増加 させた場合の効果を図1に示す。 実施例3 第3番目の実験では卵黄由来のフォスファチジルコリン(Sigma Chemical Co. ,St.Louis,米国ミズーリ州;No.P-9671;フォスファチジルコリン含量は約60% )をリン脂質の起源として用いた。フォスファチジルコリン-水ペーストは水とフ ォスファチジルコリンを2:1の重量比でメカニカルスターラーを用いて混合する ことにより調製した。前述の実施例で用いた大豆レシチンは重量比で約50%の油 を含んでいたが、本実験で用いたフォスファチジルコリン中の油は痕跡量のみで あった。従って、水:フォスファチジルコリンが2:1の比であるペーストのリン 脂質含量は、前述の実施例で用いた水:レシチン1:1のペーストのリン脂質含量 とほぼ等しい。液状の脂(実施例1および2で用いたものと同じタイプのもの)を フォスファチジルコリン-水ペーストで、フォスファチジルコリン対脂の比を1: 20および1:10として処理した。ペーストを脂と常温で30分間、メカニカルスター ラーで急速に攪拌し、Beckman MOdel J-21C floor model遠心機で10,00Orpm,10 分間(約11,400xg)常温で遠心した。上清の油を分離し、ガスクロマトグラフィ ーでコレステロール含量を分析した。結果は下記の表3に示す。 表3 卵黄フォスファチジルコリンを用いたコレステロールの除去 *比率は重量比 これらの結果は水:フォスファチジルコリンペーストが、液状動物脂からコレ ステロールを除去するのに有効であることを示している。しかし、卵黄由来のフ ォスファチジルコリンにはコレステロールが存在しているため(1,000-2,000ppm コレステロール)、コレステロール低減率%は大豆レシチンを用いた低減率%よ りやや少なくなっている。それにも関わらず、これらの実験は、コレステロール を顕著に低減させるために、種々のリン脂質の起源を使いうることを示している 。 実施例4 第4番目の実験セットでは、液状牛脂の替わりにバターを脂肪/油産物として 用い、実施例1および2で用いられた市販の大豆レシチンの替わりに、大豆レシ チンのアセトン抽出によってリン脂質を豊富に含むようにした粉末レシチンを用 い た。 Best Yet Sweet Cream Butter(Scrivner,Inc.,Oklahoma City,米国オクラ ホマ州)を溶かし、直接または下記のとおり分画して用いた:184gのバターを4 5-50℃の蒸気浴中で加熱して溶かし、Beckman Model J-21C floor model遠心機 で室温で10分間5,000rpmで遠心した(約2,860xg)。遠心後、液状バターは2層− 「脂肪部分」(144g)と「水部分」(40g)に分かれた。各層のアリコートおよび分 画していないバターのコレステロール含量をガスクロマトグラフィーで調ベた。 未分画のバターのコレステロール含量は約280mg/100g(最初のサンプルでは282mg /100g、重複測定サンプルでは279mg/100g)であった。脂肪部分は321mg/100gのコ レステロール含量であり、水部分は33.6mg/100gであった。 Inc.,Ft.Wayne,米国インディアナ州から入手可能)を室温で1:1の比で混合し てレシチンペーストを調製した。このレシチンペーストを上述の脂肪部分のサン プルに脂肪部分:レシチンの重量比10:1で添加した。さらに、乾燥レシチン粉末 を未分画液状バターに、バター:乾燥レシチンの重量比5:1で添加した。未分画 バターには上述のとおり著しい量の水が含まれているため、このサンプルには乾 燥レシチン粉末を用いた。 この結果出来た水性分離用混合物をメカニカルスターラーで55℃で15分間、激 しく攪拌し、その後Beckman Model J-21C floor model遠心機で室温で10分間5,0 00rpmで遠心した(約2,860xg)。遠心後、上部の脂肪層を集めコレステロール含 量をガスクロマトグラフィーで分析した。 乾燥レシチン粉末で処理した未分画全バターは、1サイクルの抽出処理後は15 9mg/100gのコレステロール含量であった。 脂肪部分のサンプルの一つは5回の抽出サイクルを経たもので、各サイクルで は新鮮なレシチンを用いた。この5回抽出サンプルはわずか8.5mgコレステロー ル/100gを示し、これはコレステロール含量の97%以上が低減されたことを示し ている。第1回目の抽出後に残存するレシチンペーストのコレステロール含量が 304mg/100gペーストであったことからわかるように、5回の抽出のうちの第1回 目で多量のコレステロールが除去された。 5回抽出のうちの第1回目から得られた上述のコレステロールに富むレシチン (すなわち304mgコレステロール/100gペースト)(「レシチン1」)、および5回抽 出の第2回目から得たコレステロールに富むレシチン(「レシチン2」)を下記の ように溶媒で抽出した。50gのコレステロールに富むレシチンペーストを50gのア セトンとメカニカルスターラーで激しく混合した。レシチン/アセトン混合物をB eckman Model J-21C floor model遠心機で室温で10分間5,000rpmで遠心した(約2 ,860xg)。この結果得られたコレステロールを含んだアセトン画分をデカントし てレシチン画分と分離した。底層のレシチン画分はさらに2回、各回に新鮮なア セトンを50g用いて上述の方法で抽出した。3回のアセトン画分をあわせ、溶剤( アセトン)を蒸発させ油状残査を得た。レシチン1からは4.73gの油が得られ、レ シチン2からは4.28gの油が得られた。 この2つの油状残査をあわせ、ガスクロマトグラフィーでコレステロール含量 を分析した。油状残査をあわせたもの(9.01g)には891mgコレステロール/100g油 が含まれていた。レシチン1の第1回目のアセトン抽出から由来するレシチン画 分は172mgコレステロール/100gレシチンを示した。従って、かなりの量(例えば 約44%)のコレステロールが単回のアセトン抽出によってコレステロールに富む レシチンから除去される。 上述の結果を下記の表4に要約して示す。 表4 バターからのコレステロールの除去 サンプル番号 サンプルの内容 コレステロール(mg/100g) 1 脂肪部分 321 2 水部分 33.6 3 5回抽出脂肪部分 8.5 4 全バター/乾燥レシチン 159 5 通常の全バター 282 6 第1レシチンペースト 304 7 レシチンペーストの アセトン抽出物 891 8 アセトンで抽出された レシチンペースト 172 9 通常の全バター (重複測定) 279 これらの結果は、本発明の方法を用いてバターからコレステロールが効率的に 除去できることを示している。このように、本方法は常温(室温)で通常液状の脂 肪/油産物のみならず、液状を保つためには加熱しなければならないような脂肪/ 油産物に対しても有効である。さらに、これらの結果はこの抽出法で製造したコ レステロールに富むレシチンが、単純な溶剤抽出によって容易に単離しうる、コ レステロールの価値のある起源となることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.脂肪/油産物のステロール含量を低減させる方法であって、 a)前記脂肪/油産物をリン脂質凝集調製物と接触させて水性分離用混合物を 形成させ; b)前記水性分離用混合物を、前記脂肪/油産物のステロール含量を選択的に 低減させるために十分な時間混合し; c)前記ステロール低減脂肪/油産物を前記水性分離用混合物から分離するこ とを含む方法。 2.前記ステロールがコレステロールである請求項1の方法。 3.前記ステロールがフィトステロールである請求項1の方法。 4.前記リン脂質凝集調製物が凝集したリン脂質と水との複合体を含む請求項1 の方法。 5.前記リン脂質凝集調製物が、非修飾または化学修飾された形態のフォスファ チジルコリン(PC)、フォスファチジルエタノールアミン(PE)、N-アシルフォス ファチジルエタノールアミン(NAPE)、フォスファチジルセリン(PS)、フォスファ チジルイノシトール(PI)、フォスファチジルグリセロール(PG)、ジフォスファチ ジルグリセロール(DPG)、フォスファチジン酸(PA)、プラスマロゲン、レシチン 、および植物油由来のガム質からなる群から選択される1種以上のリン脂質を含 む請求項1の方法。 6.前記リン脂質がレシチンを含む請求項5の方法。 7.前記レシチンが大豆レシチン、トウモロコシレシチン、ナタネレシチン、ヒ マワリレシチン、綿実レシチン、ピーナッツレシチン、卵黄レシチン、ミルクレ シチン、および脳レシチンからなる群から選択される請求項6の方法。 8.前記レシチンが大豆レシチンを含む請求項7の方法。 9.前記脂肪/油産物が動物脂、ラード、魚油、卵黄、バター、およびチーズか らなる群から選択される請求項4の方法。 10.凝集リン脂質と水との前記複合体が本質的に重量比約1:0.2から約1:5のレシ チンと水とからなる請求項4の方法。 11.前記比率が約1:1から約1:2である請求項10の方法。 12.前記脂肪/油産物が液状牛脂である請求項9の方法。 13.前記ステロール低減脂肪/油産物に対して(a)、(b)、および(c)のステップを 繰り返して行うことをさらに含む請求項1の方法。 14.(a)、(b)、および(c)のステップが向流抽出条件下で行われる請求項1の方 法。 15.(a)、(b)、および(c)のステップが常温で行われる請求項1の方法。 16.ステロールに富むリン脂質を得る方法であって、 a)ステロールを含有する脂肪/油産物をリン脂質凝集調製物と接触させて水 性分離用混合物を形成させ; b)前記水性分離用混合物を、前記脂肪/油産物から少なくとも前記ステロー ルの一部分を前記凝集リン脂質中に分離するために十分な時間混合し; c)前記ステロールに富むリン脂質を前記水性分離用混合物から分離すること を含む方法。 17.前記ステロールが天然または合成の動物ステロール、フィトステロールおよ びマイコステロールからなる群から選択される請求項16の方法。 18.前記ステロールがコレステロールである請求項17の方法。 19.前記フィトステロールがβ-シトステロール、カンペステロール、およびス チグマステロールからなる群から選択される少なくとも1種のステロールを含む 請求項17の方法。 20.前記リン脂質凝集調製物が凝集リン脂質と水との複合体を含む請求項16の方 法。 21.前記リン脂質凝集調製物が非修飾または化学修飾された形態のフォスファチ ジルコリン(PC)、フォスファチジルエタノールアミン(PE)、N-アシルフォスファ チジルエタノールアミン(NAPE)、フォスファチジルセリン(PS)、フォスファチジ ルイノシトール(PI)、フォスファチジルグリセロール(PG)、ジフォスファチジル グリセロール(DPG)、フォスファチジン酸(PA)、プラスマロゲン、レシチン、お よび植物油由来のガム質からなる群から選択される1種以上のリン脂質を含む請 求項16の方法。 22.前記リン脂質がレシチンを含む請求項21の方法。 23.前記レシチンが大豆レシチン、トウモロコシレシチン、ナタネレシチン、ヒ マワリレシチン、綿実レシチン、卵黄レシチン、ミルクレシチン、および脳レシ チンからなる群から選択される請求項22の方法。 24.前記レシチンが大豆レシチンを含む請求項23の方法。 25.コレステロールおよび必須ω-3脂肪酸を含有する魚油のニュートラシューテ ィカルとしての価値を高める方法であって、 a)前記魚油をリン脂質凝集調製物と接触させて水性分離用混合物を形成させ ; b)前記水性分離用混合物を、前記魚油から前記ω-3脂肪酸を維持しつつ前記 コレステロール含量を選択的に低減させるために十分な時間混合し; c)前記ステロール低減魚油を前記水性分離用混合物から分離する ことを含む方法。
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