JP2001507563A - Brca2癌感受性遺伝子の同定及び配列決定に関する材料及び方法並びにそれらの使用 - Google Patents

Brca2癌感受性遺伝子の同定及び配列決定に関する材料及び方法並びにそれらの使用

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Abstract

(57)【要約】 BRCA2遺伝子の同定及び配列決定が、対応するBRCA2ポリペプチドのアミノ酸配列とともに開示される。癌、特には乳癌及び卵巣癌の発病しやすさに関連するBRCA2遺伝子内の変異を伴うものを含むBRCA2対立遺伝子も開示される。本発明は更に、上記核酸によりコードされるポリペプチドにも関連する。本発明は更に、このようなBRCA2核酸及びBRCA2ポリペプチドの、特に癌についての診断、予防または治療的処置における使用にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 BRCA2癌感受性遺伝子の同定及び配列決定に関する 材料及び方法並びにそれらの使用 発明の分野 本発明は、BRCA2癌感受性遺伝子の同定及び配列決定、並びにこれらの知見か ら導かれる材料及び方法に関するものである。特に本発明は、BRCA2ポリペプチ ドをコードする核酸分子、及び癌、特には乳癌及び卵巣癌を発病する傾向に関連 する変異を伴ったものを含むBRCA2遺伝子の対立遺伝子、並びにこの核酸により コードされるポリペプチド類に関するものである。本発明は更にこのようなBRCA 2核酸、及びBRCA2ポリペプチドの用途、特には癌の診断、予知または治療におけ る用途に関するものである。 発明の背景 一生を通じて12人の婦人の内およそ1人が乳癌を発病する。これらの癌の大 多数は散発的なものであると考えられているが、しばしば約5%であるといわれ る乳癌の割合は、高度に浸透性の常染色体性の優性素質として伝達される疾患の 傾向に起因する。これは、通常は他の器官、顕著には卵巣の癌をしばしば伴う早 期発病乳癌の家族的群として現れる。 いくつかの遺伝子の異常性は、乳癌に対する感受性を与えることが知られてい る。BRCA1遺伝子は、染色体17q21に位置する(1)。BRCA1は、RINGのフィンガー領 域を含み、また、すでに特徴付けされているタンパク質に対する相同性をほとん ど持たない(3)。BRCA1の生殖系列変異は、通常はタンパク質の中断または不在化 を生じ、従って、その一つ以上の重要な機能の不活性化が推定される。BRCA1は 、部位特異的乳癌の母集団のおよそ3分の1を説明する。家族性乳癌の少数は、 p53遺伝子における生殖系列変異に起因し、また男性乳癌のまれな群は、アンド ロゲンレセプタにおける変異による(4)。BRCA1遺伝子、その単離に使用される方 法、並びにBRCA1核酸及びポリペプチドの応用は、EP-A-0705902に開示されてい る。 BRCA1との連関に対する証拠を示す早期発病乳癌の複数の症例を伴う家族を使 用して、本発明者等は、染色体13q12-q13上の第2の主要な乳癌感受性遺伝子座 、BRCA2の存在を最近例示した(5)。予備的研究は、BRCA2における変異がBRCA1と 同様に乳癌の危険性を与えることを示した。しかしながら、卵巣癌の危険性は、 低いものと考えられ、また男性乳癌の危険性が有意に高いものと考えられた。BR CA1及びBRCA2は合わせると、そのほとんど全ての家族が乳癌及び卵巣癌を持った 複数の早期発病乳癌の症例を伴う家族の4分の3を説明する。 発明の要約 概して言えば、本願に記述される研究は、BRCA2遺伝子の同定、並びにその配 列、及び対応するBRCA2ポリペプチドのアミノ酸配列に基づくものである。正常 配列における変異を伴ったものを含めて、BRCA2対立遺伝子も開示される。 発明者らは、BRCA2遺伝子のエクソン16の部分を最初に見いだし、これをコ ード配列の約10%を配列決定するために使用した。BRCA2遺伝子のこの部分に 対応するBRCA2 cDNAは、図1に示され、発明者らにより最初に配列決定されたイ ントロン及びエクソンの配列は図2に示され、翻訳されるタンパク質配列が図3 に示されている。 本発明者等によるBRCA2遺伝子のコード配列の10%の同定の直後に、900,000 bpの配列が、1995年11月23日にインターネット上にて公開され、ftp:// ftp.sanger.ac.uk/pub/human/sequences/13q及びftp://genome/wustl.edu/pub/g scl/brca2にてアクセス可能である。 この配列を使用した本発明者らによる更なる研究及び他の既知の方法は、BRCA 2コード配列の約75%を単離した。これは、図4のcDNA配列中に、図5に示す 対応する翻訳アミノ酸配列と共に示されている。発明者らは、その際にBRCA2配 列中に6個の変異、最も顕著にはモントリオールのアシュケナージ・ユダヤ人家 族に由来する血統の分析からの6174delTにおける変異を同定した。 イントロン及びエクソン構造を示す全BRCA2配列は、図7中に示すBRCA2遺伝子 座のプロモーター領域と共に、図7に示される。BRCA2配列を増幅するために好 適なプライマーは図8に示され、また1996年3月12日にNature Genetics ,1 2:333-337,1996にも掲載されている。 上述したBRCA2遺伝子の初期の配列決定に続き、かつ図1〜3に含まれる情報 を使用して、当業者は、以下に詳述する技術を使用し、インターネット配列に含 まれるBRCA2遺伝子の全長の配列を容易に組み立てることが出来た。 第一の側面において、本発明は図1または2に示すようなBRCA2遺伝子の一部 分、またはその対立遺伝子を含む核酸配列を提供する。 この核酸は、BRCA2遺伝子の全長配列を得るために使用されうる。従って、更 なる側面において本発明は、 (a)cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプロ ーブを構築するために図1または2に示される核酸配列を使用し、得られた陽性 クローンの配列決定を行い、この工程を反復し、斯くして得られた配列から全長 BRCA2配列を組み立てる; (b)図1または2に示される配列をBRCA2核酸断片のプライミング用 オリゴヌクレオチドを得るために使用し、これらのオリゴヌクレオチドは、BRCA 2配列の断片を含むライブラリー中の核酸断片をPCRにより増幅する為に、プ ライミングするようにクローニングベクターから設計されたオリゴヌクレオチド と連携して使用され、増幅された断片を配列決定してBRCA2配列及びクローニン グベクターの既知の部分の間のBRCA2配列を得、及びこの工程を反復し、斯くし て得られた配列から全長BRCA2配列を組み立てる;及び/または (c)cDNAがオリゴヌクレオチドリンカーに連結される、多くの異なっ た組織RNAからcDNAを合成することによりcDNA末端の迅速増幅(RACE)を使用 し、BRCA2 cDNAを、図1のBRCA2 cDNA配列からプライミングする第1のプライマ ー及びオリゴヌクレオチドリンカーからプライミングする第2のプライマーを使 用してPCRにより増幅し、増幅核酸の配列決定を行い、及びこの工程を反復し 、斯くして得られた配列から全長BRCA2配列を組み立てる、 によって得ることが出来る全長コード配列または完全BRCA2遺伝子を含む核酸分 子を提供する。 更なる側面において、本発明は図4に示されるBRCA2遺伝子の部分を含む核酸 分子、またはその対立遺伝子を提供する。図4に示す核酸は、図1及び2に示さ れ る核酸と同様な方法にて、全長BRCA2遺伝子のコード配列を得るために使用され うる。 図1,2及び4に示される配列は、付加的な8個のアミノ酸[ALCDVKAT]をコ ードするエクソン16の3'末端の核酸を含んだBRCA2の希な代替スプライスであ るものと考えられる。図7の配列は、BRCA2ポリペプチドのこの部位における正 常アミノ酸配列であるものと考えられる配列を示す。しかしながら、代替スプラ イスの存在は、本発明者等により最初に単離された10%及び75%配列を使用 する全長BRCA2遺伝子の単離のための上述した方法論に何ら影響するものではな い。 更なる側面において、本発明は図3,5または7のいずれかに示されるアミノ 酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する核酸分 子を提供する。 更なる側面において、本発明は図3,5または7のいずれかに示されるアミノ 酸配列を含むBRCA2ポリペプチドの対立遺伝子(変異体対立遺伝子を含む)、ま たは変異種であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子 を提供する。該核酸配列が変異体対立遺伝子である場合に、好ましくは表1に示 す典型的な変異の一つ以上を含む。表1の好ましい変異は、6174delT及び6503de lTTを含む。 更なる側面において、本発明は図3,5または7のいずれかに示されるアミノ 酸配列を含むBRCA2ポリペプチドの断片または活性部分をコードするヌクレオチ ド配列を有する核酸分子を提供する。 更なる側面において、本発明は、その核酸配列が図6に示されるBRCA2プロモ ーター領域の全てまたは一部をコードする核酸を提供する。 更なる側面において、本発明は、発現を支配する制御配列に機能可能に連結さ れた上記核酸を含む複製可能なベクター、これらのベクターにより形質転換され た宿主細胞、並びに該宿主細胞の培養及び産生されるポリペプチドの回収を含む BRCA2ポリペプチドの製造方法を包含するものである。 更なる側面において、本発明は医学的治療方法、特に癌の診断及び治療におけ る使用のための上記核酸分子を提供する。やはりここに含まれるものは、癌治療 用医薬の調製における上記核酸分子の使用である。これは下記に更に検討される 。 更なる側面において、本発明は、ポリメラーゼ連鎖反応での使用のためのプラ イマーの設計における上記核酸配列の一つの用途を提供する。 更なる側面において、本発明は上記核酸によりコードされるポリペプチド、ま たはその活性部分、誘導体若しくはその機能的模倣物を含む物質を提供する。 更なる側面において、患者由来の試料をBRCA2遺伝子またはそれによりコード されるポリペプチドについて分析することによる患者の癌に対する感受性または かかりやすい素質を診断する方法を提供する。例としては、このことは、 (a)試料中の核酸の配列をBRCA2核酸配列と対比して、患者由来の試 料が変異を含むか否かを決定する;または (b)患者由来の試料中の、図3及び5の部分配列に示されるBRCA2遺 伝子によりコードされるポリペプチド、または図7に示される全長配列によりコ ードされるポリペプチドの存在を測定し、並びに存在する場合にはポリペプチド が完全長であるか、及び/または変異しているか、及び/または正常濃度で発現 されたものであるかを測定する;または (c)患者由来の核酸試料を制限酵素が切断して生じる制限パターンを 、図1,2,4または7に示される配列を含む正常BRCA2遺伝子またはそれらの 既知の変異から得られる制限パターンと対比するために、DNA指紋検査を使用 する;または (d)BRCA2核酸配列(正常配列または既知の変異配列のいずれか)に 結合し得て、BRCA2配列とハイブリダイズし得る核酸を含む特異的結合メンバー 、または天然若しくは変異BRCA2核酸配列あるいはそれによりコードされるポリ ペプチドに対して特異性を有する抗体領域を有してなる物質を使用し、並びに該 特異的結合メンバーの結合相手に対する結合を、標識手段により検出する;また は (e)患者由来の試料中の正常または変異BRCA2遺伝子についてスクリ ーニングするために、正常または変異BRCA2遺伝子配列に基づく1種以上のプラ イマーを含んでなるPCRを使用する、 ことにより実施されうる。 (a)−(e)の診断方法は実施例として提供されるが、他のアッセイ様式も この技術において周知であり、また当業者には明らかであろう。 BRCA2遺伝子中の変異の検出は、癌、特には女性乳癌、男性乳癌及び卵巣癌に 対する感受性を示す。前立腺癌、膵臓癌、眼球黒色腫、直腸癌及び白血病を含む 他の癌の危険性も、BRCA2変異の保有者において評価されるであろう。 図面の簡単な記述 本発明の上述の及び更なる側面は、限定のためではなく例としての添付される 図面を参照して、更に例示的に記述されるであろう。本発明のなおいっそうの側 面は、当業者には明らかであろう。 図1は、cDNAクローン14から得たBRCA2遺伝子の部分配列を示す。 図2(a)−(e)は、クローン14の知られたエクソン及びイントロン配列 を示す。 図3は、図1に示す核酸配列の翻訳されたアミノ酸配列を示す。3種の可能な 読枠の内、この図に示すアミノ酸配列に翻訳するために使用したものは、読枠を 別の位置としたときに得られる核酸が配列中に停止コドンを含むことから、最も 可能性ある候補である。 図4は、発明者等により単離され、図1に示されるcDNA配列を含むBRCA2遺伝 子のcDNA配列の第2の部分を示す。 図5(a)−(d)は、図4に示される核酸配列の翻訳アミノ酸配列を示し、 配列の上側のボールド体の矢印は、遺伝子中の異なるエクソンによりコードされ るタンパク質の部分間の境界を示す。 図6は、可能性のある転写因子の結合部位が下線にて示され、かつCpGがボー ルド体にて示されるBRCA2プロモーター領域の配列を示す。該プロモーター配列 は、治療において使用するためのBRCA2遺伝子の発現を調節する物質をスクリー ニングする際に有用であり得る。 図7は、BRCA2 cDNA遺伝子配列を染色体13qのD13S260及びD13S171の間のゲ ノム配列と比較することにより定義されたエクソン/イントロン構造を含むBRCA 2遺伝子の配列を示す。エクソンが上側の枠に示され、隣接するイントロンが下 枠に示される。アミノ酸配列は、エクソン2〜26の解放された読枠の下側に示 され る。 図8は、単鎖構造多型性(SSCP)試験のためのプライマーを示し、これらは乳癌 の発病を起こり易くするであろうゲノムDNAにおける配列変化の同定のために、P CRによりBRCA2遺伝子を増幅すべく設計されている。該プライマーは、遺伝子の 解放された読枠を含む26のエクソンのそれぞれに隣接するイントロン配列内に 位置する。増幅生成物は、スプライシング部位の共通配列を含む。プライマーの 2個以上の組は、遺伝子のより大きいエクソンについて設計されている。該プラ イマーは、それらのエクソン数、エクソンの小分節、及び順方向または逆方向に より分類されている。PCR生成物は、160〜360bpの範囲である。CONと分類 されるカラムは、我々が使用した条件を示す。プライマーは、図に最初と最後の アニール温度がそれぞれ示されるタッチダウン(TD)PCRに全て基づいた条件の限 定された組み合わせを使用して試験された。変異が同定された場合には、PCR生 成物は同じプライマー及び蛍光サイクル配列決定法を使用して配列決定された。 図9は、異なる腫に由来するBRCA2のエクソン11におけるアミノ酸モチーフ の整列を示す。 図10は、PTTアッセイにおいて使用するための例示的プライマーを示す。 図11は、発現プラスミドp13120によりトランスフェクトされたCOS細胞に由 来するFLAG-標識BRCA2タンパク質の免疫沈降を示す。抗−FLAG抗体(レーンb及 びd)またはゴルジタンパク質に対する対照抗体(レーンa及びc)を用いて免 疫沈降に付されたトランスフェクト(レーンa及びb)及び非トランスフェクト (レーンc及びd)COS細胞由来の全細胞溶解物。抗−FLAG抗体は、トランスフ ェクトされたCOS細胞溶解物由来の約400kDa(矢印)のタンパク質を免疫沈降 させるが、非トランスフェクトCOS細胞溶解物由来のものは免疫沈降させない( レーンd及びbを比較)。対照抗体は、このタンパク質を免疫沈降させない(レ ーンc参照)。マーカーレーン中の強い高分子量のタンパク質は、220kDaで ある。 図12は、FLAG-標識BRCA2タンパク質のウエスタンブロットを示す。発現プラ スミドp13120(レーンa及びc)によりトランスフェクトされたか、またはDNA を用いない(レーンb及びd)COS細胞(レーンa及びb)及び293T細胞(レー ンc及びd)の全細胞溶解物。抗−FLAG抗体は、トランスフェクトされた細胞溶 解物 中に約400kDaのタンパク質(矢印)を検出するが、トランスフェクトされな いものでは検出しない。マーカーレーン中のタンパク質は、約220kDaの分子 量を有する。 図13は、免疫蛍光分析によるFLAG-標識BRCA2タンパク質の検出を示す。COS 細胞は、発現プラスミドp13120によりトランスフェクトされ、48時間後に4% ホルムアルデヒドにより固定化され、ついで0.4%トリトン−X100にて浸透 性にされた。抗−FLAG抗体は、FLAG-標識BRCA2タンパク質の細胞的局在化におけ る変異を明らかにする。14%の細胞においてはBRCA2タンパク質は核及び細胞 質の間で均等に分布するが、細胞(n=50)の42%においては主として核に (A)、また44%では細胞質に(B)ある。細胞質における発現は顆粒性であるもの と思われ、このことは小胞体との会合を示すであろう。非トランスフェクト細胞 では染色はみられない。 詳細な記述 BRCA2核酸、並びに該核酸を取り入れたベクター及び宿主細胞の調製 “BRCA2領域”は、Wooster等(5)により同定されたBRCA2遺伝子座を含むヒト染 色体の13q12-13の部分を指す。 “BRCA2遺伝子座”は、コード配列(エクソン)及び介在配列(イントロン) の両者であるBRCA2遺伝子、並びに転写及び/または翻訳を調節する制御因子を 含む。BRCA2遺伝子座は、該遺伝子座内の対立遺伝子変異を包含する。 “BRCA2遺伝子”または“BRCA2核酸”なる用語は、BRCA2遺伝子の正常対立遺 伝子、BRCA2ポリペプチドのアミノ酸配列に対して何らの影響も持たないサイレ ント対立遺伝子、及びその機能に実質的な影響を与えないBRCA2ポリペプチドの アミノ酸配列変異体をもたらす対立遺伝子の両者を包含する。これらの用語は、 癌、特には男性及び女性乳癌または卵巣癌の発病しやすい傾向に関連する1種以 上の変異を有する対立遺伝子をも包含する。変異は、BRCA2ポリペプチドのアミ ノ酸配列においてBRCA2機能の一部または完全な喪失を生じるような悪影響を与 える変化を生じるBRCA2核酸配列における変化であり得、あるいは有効なBRCA2発 現の喪失またはBRCA2ポリペプチドの以上形態の産生を生じるような核酸配列に おける変化で あり得る。このような変異の例は、表1に示されている。このような変異を含む 対立遺伝子は、感受性対立遺伝子としてもこの分野で知られている。 BRCA2核酸は、図1,2,4または7に示されるもの、あるいは示される配列 の1個以上のヌクレオチドの付加、挿入、除去及び置換の1種以上の変化により 、示される配列と異なる変異体若しくは誘導体であってよい。ヌクレオチド配列 における変化は、遺伝子コードにより決定されるとおり、タンパク質水準でのア ミノ酸の変化を生じるか、または生じることがない。 従って、本発明による核酸は、同じアミノ酸配列を持ったポリペプチドをコー ドする限り、図1,2,4または7に示される配列とは異なる配列を含みうる。 図7に示されるアミノ酸配列は3418残基を含んでなる。 他方において、コードされるポリペプチドは、図3,5または7に示されるア ミノ酸配列とは、1個以上のアミノ酸残基によって異なったアミノ酸配列を有し てもよい。図3,5または7に示される配列のアミノ酸配列変異体、誘導体また は対立遺伝子であるポリペプチドをコードする核酸は、更に本発明によって提供 される。このようなポリペプチドは下記に検討される。このようなポリペプチド をコードする核酸は、図1,2,4または7に示されるコード配列と約60%以 上の相同性、約70%以上の相同性、約80%以上の相同性、約90%以上の相 同性、または約95%以上の相同性を示しうる。 本発明の特定の変異対立遺伝子は、(8)により最初に提案された命名法を使用 して表1に示される。これらの変異体は、一般にBRCA2遺伝子産物の切断形態の 産生に関連する。これらは、男性及び女性乳癌及び/または卵巣癌に対する感受 性と関連してここに記述される実験的研究により示される。例えば診断または予 知の目的でのスクリーニングの結果が、下記に検討される。 一般的に、本発明による核酸は、単離及び/または精製された単離物として、 あるいは発現のための可能性ある1種以上の制御配列を除いて、ヒトゲノム中の 隣接する核酸を含まないかあるいは実質的に含まないもの等の、天然に付随する 物質を含まないかまたは実質的に含まないものとして提供される。核酸は、全体 または部分的に合成であってよく、またゲノム性DNA、cDNAまたはRNAを含んでよ い。本発明による核酸がRNAを含む場合には、示される配列の関連はTをUに置換 し たRNA同等物として解釈されるべきである。 BRCA2遺伝子及び/またはその制御因子の全部または一部をコードする核酸配 列は、ここに含まれる情報及び文献及びこの技術で既知の技術を使用して、当業 者により容易に調製されうる(例えば、Sambrook,Fritsch and Maniatis,Mole cular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Habor Laboratory Press, 1989,及びAusubel et al.,Short Protocols in Molecular Biology,John Wile y and Sons,1992参照)。これらの技術は、(i)例えば、ゲノム性の供給源から のこのような核酸試料を増幅するための、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用、( ii)化学合成、または(iii)cDNA配列の調製を含む。BRCA2遺伝子の修飾は、例え ば、修飾BRCA2ポリペプチドの発現を与える、あるいは該核酸配列を発現するた めに使用する宿主細胞のコドン優先性を考慮するために部位特異的変異生成を使 用して行われうる。 BRCA2核酸配列の発現を得るためには、配列はその発現を調節するようにBRCA2 核酸と機能的に連結される制御配列を有するベクター中に取り入れられる。ベク ターは、挿入核酸の発現を行わせるためのプロモーターまたはエンハンサー等の 他の配列、BRCA2ポリペプチドが融合物として産生されるような核酸配列及び/ または宿主細胞内で産生されるポリペプチドが細胞から分泌されるような分泌シ グナルをコードする核酸を含んでもよい。ついでBRCA2ポリペプチドは、ベクタ ーを該ベクターが機能しうる宿主細胞中に形質転換し、BRCA2ポリペプチドが産 生されるように宿主細胞を培養し、BRCA2ポリペプチドを宿主細胞または取り巻 く培地から回収することにより得ることが出来る。この技術においては、この目 的のために大腸菌、酵母、COSまたはCHO細胞等の真核細胞を含む原核性及び真核 性細胞が使用される。宿主細胞の選択は、ポリペプチドが宿主細胞内に蓄積され る場合の調整、またはそのグリコシル化等の性質に影響を与える等の、これらの 細胞において発現されるBRCA2ポリペプチドの性質を調節するために使用されう る。 核酸増幅のためのPCR技術は、米国特許第4,683,195号に記述されている。一般 的にこのような技術は、増幅の標的であるポリヌクレオチド配列と同等であるか 類似しているように設計されるべき適当な順方向及び逆方向ポリヌクレオチドプ ライマーを可能とするように、標的配列の末端からの配列情報が既知であること を必要とする。PCRは、テンプレート核酸の変成(二重鎖である場合)、標的に 対するプライマーのアニール化、及びポリマー合成の工程を含む。検出される化 、または増幅反応においてテンプレートとして使用される核酸は、ゲノム性DNA 、cDNAまたはRNAであってよい。PCRは、ゲノム性DNAの特定の配列、特定のRNA配 列、及びmRNAから転写されるcDNA、バクテリオファージまたはプラスミド配列を 増幅するために使用されうる。ここに提供されるBRCA2核酸配列は、当業者がPCR プライマーを設計することを容易にし、例えば図8が参考になる。PCR技術の一 般的使用についての参考文献は、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Qu ant.Biol.,51:263,(1987),Ehrlich(ed),PCR technology,Stockton Press ,NY,1989,Ehrlich et al.,Science,252:1643-1650(1991),PCR protocols; A Guide to Methods and Applications,Eds.Innis et al.,Academic Press, New York,(1990)を含む。 やはりまた本発明の範囲に含まれるものは、ここに記述されるBRCA2核酸配列 に基づくアンチセンスオリゴヌクレオチド配列である。アンチセンスオリゴヌク レオチドは、核酸、前駆-mRNAまたは成熟RNAの相補配列にハイブリダイズするよ うに設計され、与えられたDNA配列(例えば、天然型BRCA2ポリペプチドまたはそ の変異形態のいずれか)によりコードされるポリペプチドの産生を妨害し、而し てその発現は全体として低減または阻害される。BRCA2コード配列に加えて、ア ンチセンス技術は、例えばBRCA2コード配列の5'隣接配列中のBRCA2遺伝子の制御 配列を標的として使用することが出来、而してアンチセンスオリゴヌクレオチド はBRCA2制御配列を妨害することが出来る。アンチセンス配列の構築及びそれら の使用は、Peyman and Ulman,Chemical Review,90:543-584,(1990),Crooke ,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.,32:329-376,(1992)及びZamecnik and Step henson,P.N.A.S.,75:280-284,(1974)に記述されている。 図1,2,4及び7に示される核酸配列は、試験試料中の興味ある核酸配列( 本発明に従うものであり得る)を同定するために有用である。本発明は、興味あ る核酸の取得方法を提供し、該方法は、図1,2,4または7に示される配列ま たは相補配列を有するプローブの標的核酸に対するハイブリダイゼーションを含 む。 ハイブリダイゼーションは、一般には成功裏のハイブリダイゼーションの同定 及び該プローブにハイブリダイズした核酸の単離に続くもので、これは1工程以 上のPCRを含みうる。 本発明による核酸は、図1,2,4または7に示される核酸配列の1種以上の 断片、特にはコドン用法または統計的分析に基づいて比較的希な配列の断片にハ イブリダイズする用に設計された1種以上のオリゴヌクレオチドプローブまたは プライマーを使用して得ることが出来る。上記の図に示される核酸配列の断片と ハイブリッドするように設計されたプライマーは、標的核酸がその中にクローン 化されるクローニングベクター中の配列にハイブリダイズするように設計された 1種以上のオリゴヌクレオチドと連携して、またはライブラリー中のcDNAがオリ ゴヌクレオチドリンカーに連結され、PCRが図1,2,4または7に示される配 列とハイブリダイズするプライマー及びオリゴヌクレオチドリンカーにハイブリ ダイズするプライマーを用いて行われるいわゆる“RACE”(cDNA末端の急速増幅 )において使用され得る。 このようなオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーは、完全長配列(並 びに対立遺伝子、変異体及び誘導体)と共に、特に癌に対する感受性または発病 傾向を与える対立遺伝子及び変異体の存在について核酸を含有する試験試料のス クリーニングにおいて有用であり、該プローブは、試験されるべき個体から得た 試料由来の標的配列とハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションの条件は、 非特異的結合を最小化する様に調節され得、好ましい厳密性から適度な厳密性ま でが好ましい。当業者は、Smbrook et al.(1989)及びAusubel et al.(1992)の教 科書の助けを借りて、容易にこのようなプローブを設計し、それらを標識し、及 びハイブリダイゼーション反応に好適な条件を計画することが出来る。 BRCA2配列中の多形性または変異の存在の検出に加えて、プローブはBRCA2コー ドmRNAが細胞または組織中に存在するか否かをも決定するために使用されうる。 1種以上の細胞(例えば、ヒト)から単離及び/または精製された核酸、また は細胞から単離及び/または精製された核酸から誘導される核酸ライブラリー( 例えば、細胞から単離されたmRNAから誘導されたcDNAライブラリー)は、選択的 ハイブリダイゼーションの条件かでプローブにかけられ、及び/またはポリメ ラーゼ連鎖反応(PCR)等の特異的核酸増幅反応に付される。 クローニングとの関連において、1個以上の遺伝子断片が連結されて全長コー ド配列を生成する必要があるであろう。全長コード核酸分子が得られなかった場 合にも、全分子の一部を代表するより小さい分子が、全長クローンを得るために 使用されうる。挿入物が部分cDNAクローンから調製され、cDNAライブラリーをス クリーニングするために使用されうる。単離される全長クローンは、発現ベクタ ー中にサブクローン化されてよく、また活性が例えばレポータープラスミド等を 用いて適当な宿主細胞中にトランスフェクトされることにより測定される。 方法は、標的核酸に対する1種以上(例えば、2種)のプローブまたはプライ マーのハイブリダイゼーションを含みうる。核酸が二重鎖DNAである場合、ハイ ブリダイゼーションは一般に単鎖DNAを生じる変性により進行するであろう。ハ イブリダイゼーションはPCR法の一部であってよく、あるいはPCRに関連しないプ ローブ法の一部であってよい。手法の例は、PCRと低厳密度のハイブリダイゼー ションとの組み合わせである。当業者が利用可能な多くの手法から選択されるス クリーニング方法が、成功裏のハイブリダイゼーションの事象及び単離されたハ イブリッド核酸の同定のために使用される。 標的核酸(例えばDNA)に対するプローブの結合は、当業者に利用可能な種々 の技術のいずれかを使用して測定されうる。例えば、プローブは放射能的、蛍光 的または酵素的に標識されてよい。プローブの標識を採用しない他の方法は、制 限断片長の多型性の試験、PCRを使用する増幅、RNAase(RNA分解酵素)切断及び 対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブ法を含みうる。 プローブ法は、標準的なサザンブロッティング技術を採用してよい。例えば、 DNAは細胞から抽出され、異なる制限酵素により切断されうる。次いで制限断片 は、変性され、ニトロセルロースフィルターに移される前にアガロースゲル上で の電気泳動により分離されうる。標識プローブは、フィルター上のDNA断片にハ イブリダイズされ、結合が測定される。プローブ法のためのDNAは、細胞由来のR NA調製物から調製されてよい。 予備的実験は、制限酵素により消化されたDNAのサザンブロットに対して、低 い厳密度の条件下で種々のプローブをハイブリダイズすることによって実施され う る。多数のハイブリッドする断片が得られ、その一方で背景のハイブリダイゼー ションが低い場合に、好適な条件が達成される。これらの条件を使用して、例え ば、発現される配列の典型であるcDNAライブラリー等の核酸ライブラリーがサー チされうる。 当業者は、オリゴヌクレオチド長及び塩基組成、温度等の因子を考慮しつつ、 選択的ハイブリダイゼーションの所望の厳密度の好適条件を十分に採用しうる。 アミノ酸配列情報に基づいて、オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマー は、遺伝子コードの縮退、及び適切な場合には、候補の核酸が誘導される生物の コドン用法を考慮して設計されうる。核酸増幅に使用するためのオリゴヌクレオ チドは、10個またはそれ以下のコドン(例えば6,7または8個)、すなわち 、長さにおいて約30個またはそれ以下のヌクレオチド(例えば18,21また は24個)を有してよい。一般的に、特異的プライマーは、長さにおいて14ヌ クレオチド以上であるが18−20を越えない。当業者は、PCR等の工程に使用 するためのプライマーの設計に習熟している。 本発明の更なる側面は、特には核酸を得るため及び/またはスクリーニングす るための方法において使用される図1,2,4または7に示されるヌクレオチド 配列のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド断片を提供する。上記に引用 した配列は、1個以上のヌクレオチドの付加、置換、挿入または除去により修飾 されていてもよいが、好ましくは図1,2,4または7に示される配列に対して 核酸が選択的にハイブリダイズする能力の損失を伴わず、換言すれば、オリゴヌ クレオチドまたはポリヌクレオチドの所定の配列の1つに対するホモロジーの程 度は充分に高いものである。 いくつかの実施態様において、癌感受性を伴った図1,2,4または7に示さ れる配列のいずれか、または対立遺伝子のいずれかの断片である本発明のオリゴ ヌクレオチドは、長さにおいて少なくとも約10個のヌクレオチド、より好まし くは長さにおいて約15個のヌクレオチド、更により好ましくは長さにおいて約 20個のヌクレオチドである。このような断片は、それら自体で個々に本発明の 側面を与える。断片及び他のオリゴヌクレオチドは検討されるようにプライマー またはプローブとして使用されうるが、試験試料中の癌感受性を示す配列の存在 の測定に関する方法において、(例えばPCRにより)生成されてもよい。診断及 び/または予知の状況、例えば、癌に対する感受性の測定における核酸の使用に 関与する方法、及び癌感受性を示す配列の測定に関する他の方法は、下記に検討 される。 本発明による核酸は、遺伝子治療の方法、例えば癌の予防または治癒(完全若 しくは部分的)を目的とした個体の治療において使用されうる。このこともまた 、下記に検討される。 完全長コード配列、またはオリゴヌクレオチドプローブ若しくはプライマー等 の本発明による核酸は、例えば内容物が外部環境から保護されるバイアル等の適 当な容器中の、キットの一部として提供されてもよい。キットは、例えば、PCR 及び/または試料中の興味ある核酸の存在を測定する方法において、核酸を使用 するための道具を含んでよい。核酸をPCRにおいて使用することを意図するキッ トは、ポリメラーゼ、ヌクレオシド類、緩衝溶液等の反応に必要とされる1種以 上の他の試薬を含んでよい。核酸は、標識されてよい。興味ある核酸の存在また は不在の測定用キットは、試験試料それ自体を与える手段、例えば、口腔から細 胞をとるための綿棒または血液試料をとるためのシリンジ(このような部品は、 一般に滅菌される)等の方法を実施するための1種以上の物品及び/または試薬 を含んでよい。更なる側面において、本発明はBRCA2核酸をスクリーニングする ための装置を提供するもので、該装置は図1,2,4または7のいずれかに示さ れるBRCA2核酸配列を含む保存手段を有し、該保存配列は、存在または変異を測 定すべく、試験核酸の配列と対比するために使用される。 本発明によるポリペプチドを生成する都合の良い方法は、発現系における核酸 の使用による、コードされる核酸の発現である。発現系の使用は、今日では高度 に洗練されたものになっている。 従って、本発明は、(開示された)ポリペプチドの調製方法も含み、該方法は 、ポリペプチドをコードする核酸(一般に本発明に含まれる核酸)からの発現を 含む。このことは、該ポリペプチドのの発現をもたらす、または許容する適当な 条件下で、ベクターを含む宿主細胞を培養物中で生育させることにより達成され る。ポリペプチドは、網状赤血球溶解物等のインビトロ系においても発現されう る。 種々の異なる宿主細胞におけるポリペプチドのクローニング及び発現系は周知 である。好適な宿主細胞は、細菌、哺乳動物及び酵母等の真核性細胞及びバキュ ロウイルス系統を含む。異種ポリペプチドの発現のためにこの分野で利用可能な 哺乳動物細胞型は、、モルモット卵巣細胞、HeLa細胞、子ハムスター腎臓細胞、 COS細胞等を含む。一般的な好ましい細菌宿主は大腸菌である。 適当なベクターは、プロモーター配列、ターミネーター断片、ポリアデニル化 配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子、及び他の適当な配列を含む適当な制 御配列を含有して選択または構築されうる。ベクターは、適切にプラスミド、例 えばファージ等のウイルス性のもの、またはファージミドであってよい。更なる 詳細は、例えば、Molecular Cloning:a Laboratory Manual;2版,Sambrook et al.,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい。例えば、核 酸構築物の調製、変異生成、配列決定、DNAの細胞への導入及び遺伝子発現等の 核酸操作、並びにタンパク質の分析等の多くの既知の技術及びプロトコールは、 Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel et al.eds.,John Wiley & Sons,1992に詳細に記述されている。 而して、本発明の更なる側面は、ここに記述される核酸を含む宿主細胞を提供 するものである。本発明の核酸は、宿主細胞のゲノム(例えば染色体)に統合さ れてもよい。統合は、標準的技術に従って、ゲノムとの組換えを促進する配列を 含むことにより促進されうる。該核酸は、細胞内の染色体外遺伝子上にあっても よい。 尚も更なる側面は、核酸を宿主細胞に導入することを含む方法を提供する。一 般に非限定的に“形質転換”と称される導入(特にインビトロの導入)は、任意 の利用可能な技術を採用しうる。真核性細胞については、適当な技術はリン酸カ ルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン、エレクトロポーレイショ ン、リポゾーム媒介トランスフェクション及び例えばワクシニア等のレトロウイ ルスまたは他のウイルス,昆虫細胞に対してのバキュロウイルス等を使用するト ランスダクションを含む。細菌細胞については、適当な技術は塩化カルシウム形 質転換、エレクトロポーレイション、及びバクテリオファージを使用するトラン スフェクションを含みうる。別法として、核酸の直接的注入を採用しうる。 抗生物質耐性または感受性遺伝子等のマーカー遺伝子は、この技術で周知のよ うに興味ある核酸を含むクローンの同定において使用されうる。 導入は、例えば、宿主細胞(細胞は形質転換細胞の子孫であろうことがより本 当らしいが、実際に形質転換された細胞も含んで)を、コードされるポリペプチ ドが産生されるように遺伝子の発現条件下で培養することにより、核酸からの発 現を引き起こすまたは許容することに引き続く。ポリペプチドが適切なシグナル 先行ペプチドに結合して発現される場合には、それは細胞から培養培地中に分泌 されるであろう。発現による産生に続いて、ポリペプチドは宿主細胞及び/また は培養培地から単離及び/または精製され、場合により引き続いて所望により、 例えば1種以上の医薬的に許容される賦形剤、ベヒクルまたは担体(例えば下記 参照)を含む医薬組成物等、1種以上の付加的成分を含む組成物の製剤化におい て使用されうる。 核酸の導入は、以下に検討されるように遺伝子療法によってインビボにて行わ れうる。 細胞または該細胞の祖先への核酸導入、及び/または細胞または該細胞の祖先 に対して内因性の配列の遺伝子的改変(導入は、生体内的または生体外的に行わ れてよい)の結果としての、本発明による核酸を含む宿主細胞は、動物、特には ウサギ、モルモット、ラット、マウスまたは他のげっ歯類、ネコ、イヌ、ブタ、 ヒツジ、ヤギ、ウシまたはウマ等のヒトまたは非ヒトであってよい哺乳動物、あ るいはニワトリ等の鳥類である生物体の内部(例えば、細胞体内)に含まれてよ い。このような細胞を含む遺伝子的に修飾された、またはトランスジェニックの 動物または鳥類は、本発明の更なる側面により提供される。 このことは治療的目的を有している。(遺伝子療法は下記に検討される。)生 物体の細胞内の変異、対立遺伝子または変種配列の、特には同種的内因性配列に 代えての存在は、BRCA2遺伝子の役割、またはインビトロにおけるコードされた ポリペプチドの活性を調節する物質の試験及び/または研究におけるモデルとし ての使用を可能とし、あるいは図6に示すプロモーター配列は、他に治療的な可 能性を持つものであることが示される。 形質転換遺伝子によりコードされたポリペプチドの産生為の使用に代えて、ま たはそれに加えて、宿主細胞は大量産生のため興味ある核酸を複製する為の核酸 工場として使用されうる。興味ある核酸の複数コピーが、DHFR等の増幅可能な遺 伝子と結合された場合に作られうる。興味ある核酸により形質転換された宿主細 胞または核酸が導入された宿主細胞の子孫は、例えば発酵装置等において適当な 条件下で培養され、培養物から取り出され、核酸と精製するための処理に付され うる。精製に引き続き、該核酸またはその1種以上の断片は、所望により例えば 他の記載箇所で検討されるように診断または予知において使用されうる。 BRCA2ポリペプチドの生成 当業者は、薬剤の開発において医薬として使用するために、またはその性質及 びインビボでの役割に関する更なる研究のために、大量のBRCA2ポリペプチド、 またはその断片若しくは活性部分を生成させるべく、ここに記述される技術、あ るいはこの分野で周知の他の技術を使用しうる。BRCA2ポリペプチドの産生を確 認する実験的研究は、下記実施例3に示される。 而して、本発明の更なる側面は、図3,5または7に示されるアミノ酸配列を 有するポリペプチドを提供するもので、これは他のポリペプチド、またはBRCA2 以外のヒトポリペプチド等の自然に伴われるもの、あるいは(例えば原核性細胞 における発現により産生された場合)天然のグリコシル化を欠いて例えば非グリ コシル化である物質を含有しないか、または実質的に含有しない単離及び/また は精製された形態であってよい。 アミノ酸配列変異種、対立遺伝子、または誘導体であるポリペプチドも、本発 明により提供される。変異種、対立遺伝子、または誘導体であるポリペプチドは 、図3,5または7に示されるものとは1個以上のアミノ酸の付加、置換、削除 及び挿入によって異なったアミノ酸配列を有している。好ましいこのようなポリ ペプチドはBRCA2機能を有しており、すなわち以下の一つ以上の性質を有する: 配列が図3,5または7に与えられるポリペプチドと反応性の抗体と免疫学的に 交差反応性である;アミノ酸配列が図3,5または7に与えられるポリペプチド とエピトープを共有する(例えば、2種類のポリペプチド間の免疫学的交差反応 性により決定される)。 図3,5または7に示されるアミノ酸配列の変異体、または対立遺伝子、誘導 体であるポリペプチドは、示される配列と約35%以上、約40%以上、約50 %以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上または約9 5%以上の配列同等性を共有するアミノ酸配列を含んでよい。該配列は、図3, 5または7のいずれか一つに示されるアミノ酸配列と、約60%以上の類似性、 約70%以上の類似性、約80%以上の類似性、約90%以上の類似性を共有し てよい。特にアミノ酸配列変異体は、図3,5または7に示されるものと、1個 のアミノ酸、2,3,4,5−10,10−20、20−30、30−50,5 0−100,100−150,または150以上のアミノ酸の挿入、付加、置換 または削除により異なってよい。 例として、本発明の好ましい実施態様の変異生成変異体が、表1に示されてい る。試験試料中のこれらの1種以上の存在に関するスクリーニングは、例えば下 記に検討されるように癌感受性の測定等の診断及び/または予知的用途を有する 。 本発明は、発明のBRCA2ポリペプチドの活性部分、断片、誘導体及び機能的模 倣物も含む。 BRCA2ポリペプチドの“活性部分”は、前記完全長BRCA2ポリペプチドより短い が、その基本的生物学的活性を維持しているペプチドを意味する。 BRCA2ポリペプチドの“断片”は、少なくとも約5個〜7個の連続するアミノ 酸、しばしば少なくとも約7個〜9個の連続するアミノ酸、典型的には少なくと も13個の連続するアミノ酸、最も好ましくは少なくとも約20個〜30個ある いはそれ以上の連続するアミノ酸のアミノ酸残基伸長物を意味する。BRCA2ポリ ペプチドの断片は、BRCA2アミノ酸配列の一部に対する抗体を生じるために有用 な抗原性決定基またはエピトープの配列を決定する。 BRCA2ポリペプチドの“誘導体”またはその断片は、タンパク質のアミノ酸配 列を、例えば該タンパク質をコードする核酸の操作によって、または該タンパク 質自体の改変によって変化させることにより修飾されたポリペプチドを意味する 。天然のアミノ酸配列のこのような誘導体は、天然型BRCA2ポリペプチドの本質 的活性を基本的に改変することなく、1個以上のアミノ酸の挿入、付加、削除ま たは置換を含んでよい。 “機能的模倣物”は、BRCA2アミノ酸配列の活性部分を含まなくてもよく、ま た全くペプチドではないことも可能であるが、天然のBRCA2ポリペプチドの本質 的な生物学的活性を維持する物質を意味する。候補となる模倣物の設計及びスク リーニングは下記に詳述される。 本発明によるポリペプチドは、例えばコードする核酸(下記参照)からの発現 により産生された後に、単離及び/または精製(例えば、抗体を使用して)され てもよい。本発明によるポリペプチドは、全体的または部分的に化学合成により 生成されてもよい。単離及び/または精製されたポリペプチドは、少なくとも1 種の付加的成分を含む組成物の製剤化において使用されてよく、例えば医薬組成 物は意訳的に許容される賦形剤、ベヒクルまたは担体を含む。本発明のポリペプ チドを含む組成物は、下記に検討されるように、予防的及び/または治療的処置 において使用されうる。 本発明によるポリペプチド、ペプチド断片、対立遺伝子、または変異体は、特 異的抗体を得る場合の免疫原または別法において使用されうる。抗体類は、ポリ ペプチド及びペプチドの精製及び他の操作、診断的スクリーニング及び治療的意 味において有用である。このことは下記に更に検討される。 本発明のポリペプチドは、活性または機能に影響を与えるか、または調節する 分子についてのスクリーニングに使用されてよい。このような分子は、治療的な (たぶん、予防的な面を含めて)目的に有用であり得る。 BRCA2抗体の産生 BRCA2ポリペプチドの更なる重要な用途は、BRCA2ポリペプチドまたはその断片 若しくは活性部分に対して特異的結合性を有する抗体類を生じさせることにある 。 モノクローナル抗体の産生はこの技術で充分に確立されている。モノクローナ ル抗体は、元の抗体の特異性を維持する他の抗体またはキメラ分子を生成させる ために、組換えDNA技術に付されうる。このような技術は、抗体のイムノグロブ リンの可変領域、または相補性決定領域(CDR)をコードするDNAを、異なるイム ノグロブリンの定常領域または定常領域に加えてフレームワーク領域に導入する ことを含む。例えば、EP-A-184187、GB-A-2188638またはEP-A-239400参照。モノ ク ローナル抗体を産生するハイブリドーマは、産生される抗体の結合特異性を改変 するか、または改変しないであろう遺伝子的変異または他の変化に付されうる。 新規なBRCA2ポリペプチドの供給は、それに特異的に結合しうる抗体の産生を 初めて可能とした。従って、本発明の更なる側面は、配列が図3,5または7に 与えられるポリペプチドに対して説く的に結合しうる抗体を提供する。このよう な抗体は、それが結合しうるポリペプチドと、それが結合親和性を持たないか、 または実質的に持たない他のヒトポリペプチドとの間を区別しうると言う意味で 特異的である。特異的抗体は、他の分子には存在しないかあるいは接近不能であ る分子上のエピトープに結合する。本発明による抗体は、天然型ポリペプチドに 対して特異的であり得る。本発明による抗体は、下記に検討されるように診断及 び予知方法において有用であるように、特定の変異体、対立遺伝子または誘導体 ポリペプチドと天然型BRCA2ポリペプチドとの間におけるもののように、該特定 の分子に対して特異的であり得る。抗体類は、該ポリペプチドまたはそれらが結 合するポリペプチドを、例えばコード核酸からの組み換え発現による産生に次い で精製するためにも有用であり得る。 本発明による好ましい抗体類は、他のポリペプチドに対して結合しうる抗体等 の夾雑物を含まない、及び/または結成成分を含まないという意味で単離されて いる。ポリクローナル抗体も本発明の範囲に含まれるものであるが、いくつかの 目的のためにはモノクローナル抗体が好ましい。 抗体類は、この技術で標準的な技術により得ることが出来る。抗体産生方法は 、該タンパク質またはその断片による、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウ サギ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、またはサル)を免疫することを含む。抗体は、この 技術で既知の種々の技術のいずれかを使用して、免役した動物から得られ、好ま しくは興味ある抗原に対する抗体の結合を使用してスクリーニングされる。例え ば、ウエスタンブロット技術または免疫沈降が使用されうる(Armitage et al. ,Nature,357:80-82,1992)。抗体の単離及び/または動物からの抗体産生細 胞の単離は、動物を犠牲にする工程を伴いうる。 ペプチドによる動物の免疫の別法または補充的方法として、タンパク質に対し て特異的な抗体は、例えば、それらの表面に機能的なイムノグロブリン結合領域 を示すラムダ・バクテリオファージまたは繊維状バクテリオファージを使用して 、発現されるイムノグロブリンの可変領域の組換え技術的に産生されたライブラ リーから得ることができ;例えば、WO92/01047が参考となる。該ライブラリーは 、ナイーブ、すなわちいずれのタンパク質(または断片)によっても免疫されな い生物体から得られた配列から構築されるか、あるいは興味ある抗原に対してす でに暴露された生物体から得られた配列を使用して構築されてもよい。 本発明による抗体類は、多くの方法によって修飾されていてもよい。実際に“ 抗体”なる用語は、要求される特異性を持った結合領域を有する任意の結合性物 質を包含するものと解釈されるべきである。従って、本発明は、合成分子及びそ の形状が、抗原またはエピトープに結合することを可能とする抗体のものを模倣 する分子を含んで、抗体断片、抗体の誘導体、機能的同等物、及び類似物を包含 する。 抗原への結合または他の結合相手への結合が可能な抗体断片の例は、VL、VH、 Cl及びCH1領域からなるFab断片;VH及びCH1領域からなるFd断片;抗体の単一の 腕のVL及びVH領域からなるFv断片;VH領域からなるdAb断片;単離されたCDR領域 及びF(ab')2断片、ヒンジ領域にてジスルフィド架橋により連結される2個のFab 断片を含む2価断片である。単鎖Fv断片も含まれる。 非ヒト供給源からのCDRがヒトフレームワーク領域に移植されるヒト化抗体、 典型的にはフレームワークのアミノ酸残基のいくつかが改変され、親の非ヒト抗 体よりも抗原性が低い抗体を提供するものも本発明に包含される。 本発明によるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、遺伝的変異ま たは他の変化に付されてもよい。当業者には、モノクローナル抗体が、元の抗体 の特異性を維持した他の抗体またはキメラ分子を生じる組換えDNA技術に付され うることが更に理解されるであろう。このような技術は、抗体のイムノグロブリ ン可変領域、または相補性決定領域(CDR)をコードするDNAを、異なるイムノグ ロブリンの定常領域または定常領域に加えてフレームワーク領域に導入すること を含む。例えば、EP-A-184187、GB-A-2188638またはEP-A-239400参照。キメラ抗 体のクローニング及び発現は、EP-A-0120964及びEP-A-0125023参照。 所望の結合特性を持った抗体を産生することが出来るハイブリドーマは、真核 性または原核性であり、抗体(抗体断片を含み)をコードする核酸を含み、それ らを発現しうる宿主細胞として、本発明の範囲内にある。本発明は、抗体が産生 され、好ましくは分泌される条件下で、抗体を産生しうる細胞を育成することを 含む抗体の産生方法も提供する。 試料における抗体の反応性は、任意の適当な手段により決定されうる。個々の レポーター分子により標識することも一つの可能な方法である。レポーター分子 は、直接または間接的に検出可能な、好ましくは計測可能な信号を生成しうる。 レポーター分子の結合は、直接的または間接的であってよくまた例えばペプチド 結合を介して共有結合的であるかまたは非共有結合的であってよい。ペプチド結 合を介しての結合は、抗体及びレポーター分子をコードする遺伝子融合物の組換 え発現の結果であり得る。 好ましい一つの態様は、個々の抗体の、分光学的に分離される吸収または放射 特性を持った個々の蛍光染料、燐光剤またはレーザー色素との共有結合によるも のである。好適な蛍光染料は、フルオレスカミン、ローダミン、フィコエリスリ ン及びテキサスレッドを含む。好適な発色染料は、ジアミノベンジジンを含む。 他のレポーターは、着色されるか、磁性または常磁性であるラテックスビーズ 等の高分子コロイド性粒子または粒子性材料、あるいは可視的に観測されるか、 電気的に検出されるか、または他の方法で記録される直接的または間接的に検出 可能な信号を生じる生物学的または化学的に活性な薬剤を含む。これらの分子は 、例えば、発色または変色を生じるか、あるいは電気的性質に変化を生じる反応 を触媒する酵素であってよい。それらは、特徴的な分光学的吸収または輻射を生 じるエネルギー状態間の電子的遷移のように、分子的に励起されうる。それらは バイオセンサーとの連携において使用される化学的実体を含んでよい。ビオチン /アビジンまたはビオチン/ストレプトアビジン及びアルカリホスファターゼ検 出系が採用されうる。 結合の測定の態様は本発明の特徴ではなく、当業者は、好み及び一般的知識に 従って好適な態様を選択しうる。 本発明による抗体は、例えば検討したように細胞または細胞溶解物を含む試験 試料中のポリペプチドの存在に関するスクリーニングにおいて使用され得、また 、 例えば該ポリペプチドのそれをコードする核酸からの発現による産生に引き続い て、本発明のポリペプチドの精製及び/または単離において使用され得る。抗体 類は、それらが結合するポリペプチドの活性を調節し、従って、そのポリペプチ ドが個体に対して悪影響を有する場合には、治療的な目的(予防も含みうる)に おいて有用であろう。 抗体は、例えば試験試料中の特定の物質の測定において、抗体の使用に関する 指示書きを含んでよいキットにおいて提供されうる。標識分子、緩衝溶液、溶離 液等の1種以上の他の試薬を含んでよい。試薬類は、封止バイアル等のそれらを 外部環境から保護する容器内にて提供されうる。 診断方法 個体が、癌、特には乳癌(女性及び男性)または卵巣癌にかかりやすくするBR CA2対立遺伝子を保有するか否かを測定すべく、個体からの生物学的試料を分析 するためには、この技術で多くの方法が知られている。このような分析の目的は 、診断または予知のために使用され、既存の癌の存在を検出し、癌のタイプを特 定することを助け、癌の重篤度または起こりうる経過を決定することにおいて臨 床医を助け、及び/またはその治療法を至適化する為に寄与する。別法として、 該方法は、将来的な癌への感受性、例えば早期の乳癌の発病等に統計的に関連づ けられるBRCA2対立遺伝子を検出するために使用され得、癌の早期の診断を提供 する定期的スクリーニングによって利益を受ける個体を同定する。BRCA2変異の スクリーニング方法の例は、下記例5に示される。 広義には、該方法は、BRCA2核酸配列またはその対立遺伝子若しくは変異体の 存在に関するスクリーニングと、BRCA2ポリペプチドの存在または不在を検出す ることに依存する方法とに分類される。該方法は、該核酸配列またはポリペプチ ドを有すると疑われる個体の生物学的試料を使用する。生物学的試料の例は、血 液、血漿、血清、組織資料、腫瘍試料、唾液及び尿を含む。 BRCA2遺伝子またはポリペプチドの検出の例示的方法は、 (a)試料中の核酸の配列をBRCA2核酸配列と対比して、患者由来の試 料が変異を含むか否かを決定する;または (b)患者由来の試料中の、BRCA2遺伝子によりコードされるポリペプ チドの存在を測定し、並びに存在する場合にはポリペプチドが完全長であるか、 及び/または変異しているか、及び/または正常濃度で発現されたものであるか を測定する;または (c)患者由来の核酸試料を制限酵素が切断して生じる制限パターンを 、正常BRCA2遺伝子またはそれらの既知の変異から得られる制限パターンと対比 するために、DNA指紋検査を使用する;または (d)BRCA2核酸配列(正常配列または既知の変異配列のいずれか)に 結合し得て、BRCA2配列とハイブリダイズし得る核酸を含む特異的結合メンバー 、または天然若しくは変異BRCA2核酸配列あるいはそれによりコードされるポリ ペプチドに対して特異性を有する抗体領域を有してなる物質を使用し、該特異的 結合メンバーは、該特異的結合メンバーの結合相手に対する結合を検出可能とす るように、標識される;または (e)患者由来の試料中の正常または変異BRCA2遺伝子についてスクリ ーニングするために、正常または変異BRCA2遺伝子配列に基づく1種以上のプラ イマーを含んでなるPCRを使用する、 ことを含む。 “特異的結合対”は、互いに特定の特異性を有し、通常の条件下で互いに他方 の分子に優先的に結合する特異的結合パートナー(sbm)及び結合パートナー(b p)を含む。特異的結合対の例は、抗原及び抗体、分子及びレセプタ、並びに相 補的核酸配列である。当業者は、多くの他の例を考えることが出来、それらをこ こに列挙する必要はない。更に、“特異的結合対”なる用語は、特異的結合パー トナー及び結合パートナーの一方または両方が、大分子の含む場合にも適用され うる。特異的結合対が核酸配列である場合の実施態様において、それらはアッセ イの条件下で互いにハイブリダイズする長さ、好ましくは10ヌクレオチド長以 上、更に好ましくは15または20ヌクレオチド長以上であろう。 BRCA2感受性対立遺伝子のスクリーニングについてのほとんどの実施態様にお いて、試料中のBRCA2核酸は、試料中に存在する他の配列に比べて分析対象物の 量を増大させるために、最初に例えばPCRを使用して増幅されうる。このことは 、それ らが試料中に存在する場合には標的配列を高い感度を以て検出することを可能と する。この最初の工程は、この技術で重要性が増しつつある高感度のアレイ技術 を使用することにより回避されうる。 BRCA2遺伝子及びその癌との関連の同定は、上記に開示し検討したように、試 験試料中の遺伝子の変異腫形態、特には特異的に癌、特に乳癌及び卵巣癌に関連 する対立遺伝子または変異体の存在または不在を確立するための、材料及び方法 の使用を提供するという本発明の側面を容易にする。これは、癌に対する個体の かかりやすい素質を診断するためであってよい。これは該遺伝子に関連する疾患 を持った患者の癌の診断のためであってよい。 このことは、最も利益を受けるであろうところを目標とすることにより、円滑 な治療を許容する適切な治療及び/または予防処置の計画を可能とする。 遺伝子の変異体形態は、天然型配列(表1に示すもの等)に比べて、1個以上 のヌクレオチドの1種以上の挿入、削除、置換及び/または付加を含んでよく、 これは遺伝子機能を妨げるか、あるいは妨げない。ヌクレオチドの水準での差異 は、コードされるポリペプチドのアミノ酸配列の差異にまで反映されるとは限ら ない。しかしながら、遺伝子における変異または他の差異は、(ある場合には) 産生されるポリペプチドの性質に重大な影響を与えうるフレームの推移または停 止コドンを生じ、またはポリペプチドにおける1個以上のアミノ酸または領域の 挿入、削除、置換及び/または付加を含むコードされるポリペプチドの点突然変 異または総体的変異を生じうる。プロモーター配列または他の制御領域における 変異は、遺伝子の発現を阻害するかまたは低減し、あるいはmRNA転写の工程また は安定性に影響するであろう。 試験試料中の特定の核酸配列、例えば、図1,2,4または7に示される配列 またはその変異体若しくは対立遺伝子の存在または不在の決定のためには多くの 方法がある。 試験は、ゲノムDNA、cDNA及び/またはmRNAを含む調製物について実施されう る。cDNAまたはmRNAを試験することは、イントロン配列の不在により核酸の複雑 さが低減されているという優位点があるが、調製物の作成に付加的な時間と労力 を必要とするという起こりうる不利な点があり得る。広く分布するRNase(リボ ヌクレ アーゼ)の為に、RNAはDNAよりも操作がより困難である。 試験試料中の核酸は配列決定され、該配列が図1,2,4または7に示される 配列と対比されて、差異が存在するか否かが決定されうる。そうである場合には 、差異は既知の感受性対立遺伝子(例えば表1に要約される)と対比して、試験 核酸が1種以上の示された変化を含むか否かが決定され、あるいは差異は癌との 関連において評価されうる。 一般に、試験試料中の全ての核酸または全てのBRCA2遺伝子についてでさえ配 列決定することは時間的にも労力的にも効率的ではないため、核酸中の興味ある 領域、例えばBRCA2遺伝子または癌感受性に関連して起こる変異の特定領域を増 幅するために、1種以上のプライマー対が使用されるPCR等の特異的増幅反応が 採用され得る。この目的のためのプライマーの例は図8に示される。次いで、増 幅された核酸は、上記のように配列決定され、及び/または特定の特徴の存在ま たは不在を決定するための他のいずれかの方法において試験される。試験のため の核酸は、細胞から取り出された核酸から、または制限酵素消化及び電気泳動等 の他の種々の技術を使用してライブラリー中に調製されうる。 核酸は、変異体または対立遺伝子一特異的プローブを使用してスクリーニング されうる。このようなプローブは、癌感受性に伴われることが知られている配列 変化を含む、BRCA2遺伝子またはその相補鎖に対して配列的に対応する。適当に 厳密な条件下では、このようなプローブの試験核酸に対する特異的ハイブリダイ ゼーションは、試験核酸中の配列変化の存在を示している。効率的スクリーニン グのために、同じ試験試料に対して1種類以上のプローブが使用され得る。 対立遺伝子または変異体一特異的オリゴヌクレオチドが、試験試料中に特定の 配列が存在する場合に特異的に増幅する為に、PCRにおいて同様に使用され得る 。PCRバンドが、遺伝子変異体を含むか否かの評価は、当業者にはよく知られて いる多くの方法で実施されうる。PCR生成物は、例えば、変性ポリアクリルアミ ドDNA配列決定ゲル上で、選択されるべき遺伝子変異体と結合される特異的バン ドを伴って、変異または多形性が示され得る様に処理されうる。 試験試料中の変異配列の存在を探すための別法または補充的方法は、例えば適 切に特異的なオリゴヌクレオチドプローブ及びプライマーを使用して、正常配列 の存在を探すことである。 オリゴヌクレオチドプローブ及びプライマーの使用は、上記により詳細に検討 した。 プローブと試験核酸との間のハイブリダイゼーション及び引き続く不適合の検 出に依存する方法が、採用されうる。適切な条件下(温度、pH等)で、オリゴヌ クレオチドプローブは、完全には相補的ではない配列とハイブリツドする。2種 の分子間の塩基対形性の程度は、不適合に関わらずそれらがアニールするために 充分であろう。二つのアニール化核酸分子間の不適合の存在を検出するために、 種々の方法がこの分野で知られている。 例えば、RNase Aは、不適合部位を切断する。切断は、関連するプローブまた はプローブがアニール化した試験核酸を電気泳動し、完全長プローブ/試験体ハ イブリッドよりも小さい分子(すなわち、より大きい電気泳動的移動性を持つ分 子)を探すことにより検出されうる。他の方法は、リゾルベースまたはエンドヌ クレアーゼ等の酵素の使用に依存する。 従って、癌感受性に関連する変異(例えば表1参照)が起こることが知られて いる正常BRCA2遺伝子の領域の配列(センスまたはアンチセンス鎖のいずれか) を有するオリゴヌクレオチドプローブは、試験核酸にアニール化され、不適合の 存在または不在が測定される。不適合の存在の検出は、試験核酸中の癌感受性に 関連する変異の存在を示す。他方において、癌感受性に関連する変異を含んだBR CA2遺伝子の領域の配列を有するオリゴヌクレオチドプローブは、試験核酸にア ニール化され、不適合の存在または不在が測定されうる。不適合の不在は、試験 試料中の核酸が、正常配列を有することを示す。いずれの場合においても、遺伝 子の異なる領域に対するプローブの一揃いが採用されるであろう。 核酸分子の配列における差異の存在は、1種以上の制限酵素が試料核酸を切断 するために使用された場合に生じる制限パターンが、正常遺伝子、または変異体 若しくは対立遺伝子を含有する試料が同じ酵素により消化された場合に生じる制 限パターンと比較されるDNA指紋検査の方法のように、制限酵素消化の手段にて 検出されうる。 プロモーターまたは他の制御配列における傷害の存在または不在は、転写によ るmRNAの産生水準、またはmRNAからの翻訳によるポリペプチドの産生水準を測定 することにより評価されうる。 試験核酸は、例えば唾液または好ましくは血液、あるいは出産前試験のために 羊膜、胎盤または胎児自身由来の細胞から核酸を抽出することにより提供されう る。 図3,5または7に示されるアミノ酸配列あるいはそのアミノ酸配列変異体ま たは対立遺伝子等の特定のポリペプチドの、試験試料中の存在または不在の測定 のために、種々の方法がある。 試料は、図3,5または7に示すポリペプチドの1種以上の特定の変異体に対 して特異的な抗体(または抗体混合物)等の特異的結合メンバーについて、結合 パートナーの存在が試験されうる。 試料は、図3,5または7に示すポリペプチドに対して特異的な抗体(または 抗体混合物)等の特異的結合メンバーについて、結合パートナーの存在が試験さ れうる。 このような場合、試料は、例えば検討したレポーター系を使用して結合が測定 される前に、特異的結合のための適当な条件下で抗体等の特異的結合メンバーと 接触させることにより試験されうる。抗体のパネルが使用される場合には、結合 のそれぞれが測定できるように各抗体について異なったレポーター標識が使用さ れ得る。 抗体等の特異的結合メンバーは、ポリペプチドが図3,5または7に示す配列 のポリペプチドの配列及び/または性質を有するか、あるいは変異種若しくは変 異体形態であるかを測定するために、該ポリペプチドの配列決定及び/または生 化学的分析を可能とするように、試験試料から結合パートナーポリペプチドを単 離及び/または精製するために使用され得る。アミノ酸配列決定は、自動配列決 定装置を使用して、この分野では定型的仕事である。 診断の分野においては、小さい離散的場所(マイクロスポット)及び/または 固体担体上のまたは診断用チップ上の列として固定化される結合試薬(抗体また は核酸配列等)を使用する、アッセイの微量化に向けた傾向が増している。これ らの方法は、大きい感度を与え(特には蛍光標識試薬の使用により)、また試験 される個体から極めて少量の生物学的試料をのみ必要とし、種々の異なるアッセ イを同時的に実施することを可能とする為、殊に価値あるものである。この後者 の優位点は、単一の試料を使用して実施されるべき、BRCA2遺伝子または他の癌 感受性遺伝子(BRCA1等、EP-A-705902参照)における異なる変異についてのアッ セイを提供するので有用である。この微量化技術を可能とする技術の例は、WO84 /01031,WO88/1058,WO89/01157,WO93/8472,WO95/18376,WO95/18377,WO95/2 4649及びEP-A-0373203に提供される。従って、更なる側面において、本発明は、 BRCA2核酸またはポリペプチドに特異的に結合しうる1種以上の結合試薬が固定 化された指示体または診断用チップを、選択的にアッセイを実施するために必要 な他の試薬(標識発色試薬等)との組み合わせにおいて含んでなるキットを提供 するものである。 治療学 医薬及びペプチド療法 本発明のBRCA2ポリペプチド、抗体類、ペプチド類及び核酸は、医薬組成物に 製剤化されうる。これらの組成物は、上記の物質の一つに加えて、医薬的に許容 される賦形剤、担体、緩衝剤、安定化剤または当業者に周知の他の材料を含みう る。このような物質は非毒性でなければならず、また活性成分の有効性を妨害し てはならない。担体または他の材料の正確な性質は、例えば、蛍光、脈管内、皮 内若しくは皮下、経鼻、筋内、腹腔内的経路等の投与経路に依存する。 経口投与のための医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末または液剤の形態であ り得る。錠剤は、ゼラチンまたはアジュバント等の固体担体を含みうる。液体医 薬組成物は、一般にみず、石油、動物または植物油、鉱油または合成油等の液体 担体を含む。生理学的食塩水、デキストロース若しくは他のサッカライド溶液ま たはエチレングリコール、プロピレングリコール若しくはポリエチレングリコー ル等のグリコール類を含む得る。 脈管内、皮内または皮下的注射の為、または病変部位への注射のために、活性 成分は、発熱性物質非含有であり、適当なpH、等張性及び安定性を有する非経口 的に許容される水溶液の形態であろう。この技術に関連する熟練者は、例えば、 塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、乳酸添加リンゲル液等の等張性ベヒク ルを使用して、充分に適当な溶液を調製しうる。保存料、安定化剤、緩衝剤、抗 酸化剤及び/または他の添加剤も、必要に応じて含みうる。 個体に対して与えられるべきものが、本発明によるポリペプチド、抗体、核酸 分子、小分子、または他の医薬的に有用な化合物であろうと、投与は好ましくは “予防的に有効な量”または“治療的に有効な量”(予防は治療であるものと考 えられるが場合に応じて)であり、このことは個体に対して利益を示すに充分で ある。投与される実際の量、並びに投与の速度及び時間経過は、治療されるべき 状態の性質及び重篤度に依存するであろう。投与量の決定等、治療の処方は、一 般的臨床家及び他の医師の責任の範囲にあり、典型的には治療される疾患、個々 の患者の症状、分配の部位、投与方法及び臨床家に知られた他の因子が考慮され る。上述した技術及びプロトコールは、Remington's Pharmaceutical Sciences ,16版,Osol,A(編)1980に見いだされうる。 別法として、標的療法が、抗体または細胞特異的リガンド等を使用することに よる、ある種の型の細胞により特異的に活性成分を分配するために使用され得る 。標的化は、例えば、薬剤が許容し得ないほどに毒性である場合、または他には あまりにも高い投与量が要求される場合、あるいは他には標的細胞中に入り得な い場合等、種々の理由のために望ましい。 これらの薬剤を直接に投与する代わりに、それらは例えばウイルス性ベクター 等の中にて細胞内に導入されたコード遺伝子から発現されることにより、標的細 胞内にて産生されうる(VDEPT技術の変法、下記参照)。該ベクターは治療され るべき特定の細胞を標的とし、またはそれは標的細胞により少なからず選択的に 起動される制御要素を含みうる。 別法として、薬剤は、治療されるべき細胞内に産生されるか、またはそれを標 的とする活性化剤にて活性化形態に変換される前駆体の形態にて投与され得る。 このタイプの方法は、場合によりADEPTまたはVDEPTとして知られ;前者は、細胞 特異的抗体に結合することにより活性化剤に細胞に対する目標を与えることに関 連し、後者は、ウイルス性ベクター内のコードDNAからの発現によるベクター内 の活性化剤、例えば酵素の産生に関連する(例えば、EP-A-415731及びWO90/0793 6参 照)。 組成物は、治療される症状に依存して、単独で、あるいは同時的または順次的 な他の治療との組み合わせにおいて投与されうる。 遺伝子治療の方法 更なる別法として、真正の生物学的に活性なBRCA2ポリペプチドをコードする 核酸は、活性ポリペプチドを合成できないか、または正常な水準で合成できない 患者を治療するために、遺伝子治療の方法において使用され得、これによって天 然型BRCA2により与えられる効果を与え、また癌の発症を抑制し、及び/または 標的細胞に存在する癌の大きさまたは程度を低減させる。 ウイルスベクター等のベクターは、先行技術において遺伝子を広範囲の種類の 異なった標的細胞に導入するために使用されている。典型的には、ベクターは標 的細胞にさらされ、トランスフェクションが細胞の充分な割合で起こり得て、所 望のポリペプチドの発現から有用な治療的または予防的効果を与える。移された 核酸は、標的腫瘍細胞のそれぞれのゲノムに恒久的に取り込まれ、長期的に継続 する効果を与え、あるいは別法として治療は定期的に反復される。 ウイルスベクター及びプラスミドベクターの両者とも、種々のベクターがこの 技術で知られており、米国特許5,252,479及びWO93/07282を参照されたい。特に 、SV40等のパポバウイルス、ワクシニアウイルス、HSV及びEBVを含むヘルペスウ イルス、並びにレトロウイルス等を含む多くのウイルスが遺伝子移送ベクターと して使用されてきた。先行技術における多くの遺伝子療法プロトコールは、不活 化ネズミレトロウイルスを使用してきた。 ウイルスベクターの使用とは別の方法として、核酸を細胞に導入する他の既知 の方法は、エレクトロポーレイション、リン酸カルシウム共沈殿、マイクロイン ジェクション等の機械的技術、リポゾームに媒介される移動、及び直接的DNA取 り込み並びにレセプター媒介DNA移動を含む。 上述したように、BRCA2ポリペプチドまたはその活性部分をコードする核酸を 使用する遺伝子治療の目標は、天延型BRCA2ポリペプチドの濃度が零であるか、 あるいは低下した濃度である細胞において、該核酸発現生成物の量を増大するこ とで ある。このような処置は、すでに癌性の細胞の処置の場合には治療的であり、あ るいはBRCA2感受性を有することがスクリーニングを通して知られ、従って、癌 にかかりやすい素質の個体の処置の場合には予防的である。 BRCA2核酸が***及び/または卵巣組織を選択的に標的とする遺伝子移送技術 力好ましい。この例は、核酸がポリリジンを介してタンパク質リガンドと結合さ れ、該リガンドが標的細胞上に存在するレセプタに特異的であるようなレセプタ 媒介遺伝子移動を含む。 BRCA2核酸配列に基づくアンチセンス技術は上記に検討した。 薬剤のスクリーニング方法 本発明によるポリペプチドは、その活性または機能に影響を与えるか、または 調節する分子のスクリーニングにおいて使用され得る。このような分子は、治療 的(多分に、予防的であるものを含む)において有用であり得る。 新規薬剤の同定に導くための医薬研究は、リード化合物が見いだされる以前も 、また見いだされた後にあっても極めて多数の候補物質のスクリーニングを必要 とするであろうことがよく知られている。このことは、医薬研究を極めて費用が かかり、かつ時間を要するものとする因子の一つである。スクリーニング工程を 助ける手段は、重大な商業的重要性と有用性とを有している。このような癌の治 療または予防に有用であり得る物質のスクリーニング方法は、本発明のポリペプ チドによって提供される。該ポリペプチドの調節剤として同定される物質は、イ ンビボで使用するための治療法の設計及び評価の基礎を提供することから、癌と の戦いにおいて優位性を与える。 ポリペプチドの活性を調節する物質のスクリーニング方法は、1種以上の試験 物質を適当な反応媒体中にて該ポリペプチドと接触させ、処理されたポリペプチ ドの活性を試験し、その活性を同種の反応媒体中の試験化合物により処理されて いないポリペプチドの活性と比較することを含みうる。処理及び未処理ポリペプ チド間の活性の差異は、関連する試験物質の調節効果を示すものである。 コンビナトリアルライブラリー技術は、多分に膨大な数の異なる化合物を、ポ リペプチドの活性を調節する能力について試験する効率的な方法を提供する。こ のようなライブラリー及びその用途は、この技術において既知である。ペプチド ライブラリーの使用が好ましい。 活性の調節についてのスクリーニングに優先して、あるいはそれと同様に、試 験物質は、例えば酵母2−ハイブリッド系(ポリペプチド及び試験物質の両者が コードする核酸から酵母中にて発現されうることが必要とされる)において、ポ リペプチドとの相互作用能力についてスクリーニングされうる。これは、該ポリ ペプチドの活性を調節する実際の能力についての物質の試験に先行して、大まか なスクリーニングとして使用され得る。別法として、該スクリーニングは、BRCA 2ポリペプチドの模倣物を見出すため、例えば癌治療法として試験するためにBRC A2特異的結合パートナーに対する結合について試験物質をスクリーニングするた めに使用され得る。 ポリペプチド活性を調節するか、またはそれに影響を与える物質の同定の後に 、該物質は更に評価に付される。さらには、それは製造に付されるか及び/また は医薬、医薬組成物または薬剤等の組成物の調製、すなわち剤型の製造において 使用され得る。 而して本発明は、核酸分子を使用してポリペプチド活性の調節剤として同定さ れた物質のみならず、ここにおける開示に従って、このような物質を含有する医 薬組成物、医薬、薬剤または他の組成物、例えば癌の処置(予防的処置を含んで よい)の為に患者にこのような組成物を投与することを含む方法、例えば癌の処 置のための投与用組成物の製造におけるこのような物質の使用、並びにこのよう な物質を医薬的に許容される賦形剤、ベヒクルまたは担体及び選択的に他の成分 を混合することを含む医薬組成物の製造方法に対しても種々の側面において及ぶ 。 ポリペプチド機能の調節剤として同定された物質は、本質的にペプチドであっ てもまたは非ポリペプチドであってもよい。非ポリペプチドの“小分子”は、多 くのインビボ医薬用途についてしばしば好ましい。従って、物質の模倣物または 模倣品(特にペプチドである場合に)は、医薬用途の為に設計される。 既知の医薬的に活性な化合物の模倣物を設計することは、“リード化合物”に 基づく既知の医薬品開発方法である。これは、活性化合物が合成するには困難で あるかまたは費用がかかる場合、または特定の投与方法に適さない場合に望まし く、例えば、ペプチドは消化管内のプロテアーゼにより急速に分解される傾向が あるために経口組成物用には不適当な活性成分である。模倣物設計、合成及び試 験は、一般に目標とする性質について多数の分子を無作為にスクリーニングする ことをさけるために使用される。 所望の目標となる性質を有する化合物から模倣物を設計するために一般的にと られるいくつかの工程がある。第一には、目標となる性質を決定するために臨界 的及び/または重要な化合物の特定の部分を決定する。ペプチドの場合には、こ のことは例えば各残基を順次置換することによりペプチド中のアミノ酸残基を系 統的に変化させて行われうる。ペプチドのアラニンスキャンが、このようなペプ チドモチーフを改善するために一般的に行われる。化合物の活性領域を構成する 部分または残基は、“薬効基”として知られる。 一旦薬効基が見出されれば、例えば分光学的技術、X−線散乱データ及びNMR 等のある範囲のデータを使用して、その構造が例えば立体化学的、結合、大きさ 及び/または電荷等の物理化学的性質に従ってモデル化される。コンピューター 分析、類似性マッピング(原子間の結合よりもむしろ薬効基の電荷及び/または 体積をモデル化する)及び他の技術が、このモデル化工程に使用され得る。 この方法の変法において、リガンド及びその結合パートナーの3次元構造がも で歩かされる。これは、リガンド及び/または結合パートナーが結合に際して配 置を変化する場合に特に有用であり、モデルが模倣物設計においてこれを考慮す ることを可能とする。 次いで、薬効基を模倣する化学基が移植されうる鋳型分子が選択される。鋳型 分子及びそれに移植される化学基は、リード化合物の生物学的性質を維持しつつ 、模倣物が容易に合成可能であり、薬理学的に許容されるであろう様に、またイ ンビボにおいて分解されないように都合よく選択されうる。別法として、模倣物 がペプチドに基づく場合には、該ペプチドを閉環することにより剛性を増大し、 更なる安定性が達成されうる。次いでこの方法で見出された模倣物は、それらが 目標となる性質を有するか、またそれがどの程度に示されるかについてスクリー ニングされうる。次いで更なる至適化または修飾が行われ得て、インビボまたは 臨床試験のための1種以上の最終模倣物に到達する。 BRCA2発現に影響を与える物質のスクリーニング 本発明は、プロモーターの活性を調節し、BRCA2発現の水準を増大または減少 する物質のスクリーニング方法における、図6に示されるBRCA2プロもーとー領 域の核酸配列の全部または一部の使用も提供する。 “プロモーター活性”は、転写を開始する能力を指す。プロモーター活性の水 準は、例えばプロモーターからの転写により産生されるmRNAの量の評価により、 または該プロモーターからの転写により産生されるmRNAの翻訳によって産生され るタンパク質の量の評価により定量することが出来る。発現系に存在する特定の mRNAの量は、例えばmRNAとハイブリダイズすることが出来、かつ標識された特定 のオリゴヌクレオチドを使用して測定されてもよく、あるいはポリメラーゼ連鎖 反応等の特異的増幅反応において使用されてもよい。レポーター遺伝子の使用は 、タンパク質生成を参照してプロモーター活性を決定することを容易にする。 本発明により更に提供されるものは、例えばコード配列に機能可能に連結され た図6に示されるBRCA2プロモーター領域、または転写の促進が可能なその断片 、変異種、対立遺伝子、誘導体若しくは変異体を含んでなる核酸構築物である。 “異種的”または“外来性”遺伝子は、一般的にはBRCA2の修飾された状態では ない。一般に遺伝子はmRNAに転写され、これは検出され、また好ましくは発現の 後に定量されるペプチドまたはポリペプチド生成物に翻訳されてよい。それがコ ードする生成物が発現された後に、アッセイされる遺伝子は、“レポーター遺伝 子”すなわちプロモータ活性について“報告する”遺伝子の名称が付される。 レポーター遺伝子は、好ましくは検出可能なシグナル、好ましくは着色生成物 等の視覚的に検出可能なシグナルを生じる反応に触媒作用する。β−ガラクトシ ダーゼ及びルシフェラーゼを含んで多くの例が知られている。β−ガラクトシダ ーゼ活性は、基質に対して青色の生成によりアッセイされ、該アッセイは目によ るか、あるいは吸光度を測定する分光光度計の使用によるものである。フルオレ センスは、例えばルシフェラーゼ活性の結果として産生されるものであるが、こ れは分光光度計を使用して定量されうる。放射能アッセイは、例えば非放射能ア ッセイにおいても使用することが出来るクロラムフェニコール・アセチルトラン スフェラーゼを使用して行いうる。レポーター遺伝子の発現の結果である遺伝子 生成物の存在及び/または量は、抗体またはその断片等の生成物に結合可能な分 子を使用して測定されうる。結合分子は任意の標準的技術を使用して直接または 間接に標識されうる。 当業者は、遺伝子活性を測定するための使用されうる多くの可能なレポーター 遺伝子及びアッセイ技術を知っている。任意の適当なレポーター/アッセイが使 用され得、また特定の選択が本発明について本質的であるわけではなく、また限 定的でもないことは認識されるべきであろう。 プロモーター(ここに開示される)及び異種遺伝子(レポーター)を有してな る核酸構築物は、プロモーターの活性を調節しうる物質のスクリーニングに使用 され得る。例えば癌の治療の為など、治療的目的では正常な発現を支配するプロ モーターの発現を上向きに調整することが出来る物質が考えられる。別法として 、プロモーターを下向きに調整する物質は、変異BRCA2ポリペプチドが癌の発達 に関与する物質である場合には、該ポリペプチドの生成を阻止または阻害するこ とを助けるであろう。プロモーターの活性を調整する物質の能力についてのスク リーニング方法は、ここに開示される核酸構築物を含む宿主細胞等の発現系を、 試験または候補物質と接触させ、異種遺伝子の発現を測定することを含みうる。 試験化合物の存在下での発現の水準は、該試験物質の不在下での発現の水準と 対比されうる。試験物質の存在下における発現の差異は、遺伝子発現を調整する 物質の能力を示す。ここに開示されるように、プロモーターに連結されていない 他の遺伝子の発現と比較して、該異種遺伝子の発現の増大は、プロモーターの調 整における物質の特異性を示す。 プロモーター構築物は、ゲノムに組み込まれたレポーター構築物を含む安定な 細胞型の生成について先に記述された任意の技術を使用して細胞系内に導入され うる。該細胞は、育成され、種々の時間について試験化合物と共に培養されうる 。該細胞は、多数の化合物の分析を容易にすべく、96穴プレート中に培養され てよい。次いで該細胞は洗浄され、レポーター遺伝子発現が分析される。ルシフ ェラーゼ等のある種のレポーターについては、該細胞は溶解され、次いで分析さ れる。 プロモーター活性を調整し、またはそれに影響を与える物質の同定に次いで、 該物質は更に評価されうる。更にそれは製造され、及び/または医薬、医薬組成 物若しくは薬剤等の組成物の調製、すなわち剤型の製造に使用されてもよい。 BRCA2欠損の動物モデルの構築 BRCA2欠損の動物モデルの構築は、変異を例えばマウス胚細胞系とうに導入す るための標準的技術を使用して実施されうる。この方法の一例において、マウス BRCA2遺伝子のエクソン11内に挿入的変異を保有するベクターが、マウス胎児 幹細胞にトランスフェクトされた。天然型の遺伝子が変異型に置換されたクロー ンが、サザン・ブロット・ハイブリダイゼーションにより同定された。次いで、 クローンが増幅され、細胞がマウスの芽細胞段階の胚に注入された。注入細胞が マウスの発達に寄与したマウスを、サザンブロッティングにより同定した。次い で、これらのキメラマウスを、生殖細胞系に変異の1個のコピーを保有するマウ スを作成するために飼育した。次いで、異型接合変異動物を、BRCA2遺伝子内に 変異を異型接合的に保有するマウスを作成するために飼育した。BRCA2内に異型 接合変異を有するマウスは、乳癌発病の高い危険率を持った生殖細胞系内に変異 した遺伝子の1個のコピーを有するヒト個体の好適なモデルであり得る。 実施例1 BRCA2遺伝子の同定 BRCA2遺伝子が位置すると考えられている間隔D13S289-D13S267の定義に続いて (Wooster et al.(1994))、以下の一組の手法が遺伝子自体を同定するために 使用された。酵母の人工的染色体(YAC)連続体を、CEPHデータベースから該領 域内と考えられるYACにより構築した。YACのキメラ性を、蛍光インサイツ・ハイ ブリダイゼーションを使用して試験した。YAC間の重複を、配列標識部位(STS) の増幅、STS PCR生成物のハイブリダイゼーションおよびalu-PCR指紋検査法によ り確立した。 YAC連続体に位置し、それから誘導されたプローブを使用し、P1人工染色体 (PAC)ライブラリーをスクリーニングし、陽性のPACを単離した。PACは、PACラ イブラリーにハイブリダイズしてクローン間の間隙を埋めた。次いで1メガ塩基 領域を越えるPAC連続体を組み上げた。 PAC間の重複は、 (a)STSの増幅; (b)線形PCRにより生成された末端プローブのハイブリダイゼーション; (c)HindIII/Sau3A指紋検出法 により同定された。 該領域からの付加的多形性マーカーは、PACから構築されたM13ライブラリ ーの、一般的に多形性である反復配列(GTn,GAn,CAGn,GATAn,GAATn)を含む オリゴヌクレオチドを用いてスクリーニングすることのより同定された。新たな マーカーを使用して、BRCA2が位置するであろう領域を更に狭めた。 該領域からの転写物を、 (a)ラムダGETベクターを使用するエクソン捕捉実験; (b)PACゲノムDNA及びcDNAライブラリー間のハイブリッド選択法、 において、PAC DNAを使用することにより同定した。 これらの方法より同定されたエクソン及びcDNA断片を配列決定した。 これらの配列から合成されたプライマーをプローブとして使用して、cDNA及び エクソンの全部または一部を保有するPACの15kbゲノムサブクローンを同定した 。これらは、cDNA配列の外側の隣接する側部ゲノム配列内へ配列決定した。 これらの側部ゲノム配列に基づいて合成されたオリゴヌクレオチドプライマー を使用し、可能性ある転写物を含むゲノムDNA断片を増幅し、以下のDNA試料につ いて変異のスクリーニングを行った:BRCA2との関連の証拠を示す、及び/また はBRCA1との関連を否定する証拠を示す、及び/またはBRCA1変異を持たない、及 び/または男性乳癌の証拠を有さない46家族からのDNA。同様にスクリーニン グされたものは、BRCA2領域について全ての多形性マーカーに対して異型接合的 であるガン細胞系;BRCA2領域において異種接合的な欠失の証拠を示す12個の ヒト腫瘍DNAであった。 配列変異は、32P標識増幅生成物を、 (a)非変性ポリアクリルアミドゲルを室温及び4℃において; (b)変性ポリアクリルアミドゲル を通して走らせることによって検出された。 変化した移動性を示した断片を、PCRを用いて再度増幅し、直接に配列決定し た。配列決定は、ABI 377 DNAシーケンサにて操作された。 この研究の過程で数種の配列変異が検出され、それらのほとんどは疾病非関連 多形性であるものと考えられた。しかしながら、1個の断片に検出された異常性 は、BRCA2に対する強い関連性を示す家族において、スプライシング部位を破壊 し、停止コドンを生じるものと予想された。変異体は、疾病クロモゾームとは別 個であった。これは正に癌感受性遺伝子に予想される異常性の型であり、そして この断片をBRCA2遺伝子の一部の可能性が高い候補とした。 次いで、この断片は、(a)cDNAライブラリーのスクリーニングにおけるプロ ーブとして、(b)cDNA及びcDNAライブラリーからのPCR増幅のための出発配列 として使用された。陽性のクローン及び増幅断片が配列決定された。これらの結 果は、図1及び2に示されている。 BRCA2遺伝子のエクソン16のこの部分の最初の単離から、次いでBRCA2配列の 残る部分を単離するために種々の慣用技術が使用された。インターネットに開示 された900,000bp配列(サンガー配列)は、この手法を助けた。図4は、発明者 等により単離されたcDNA配列の約75%を示し、その一方でエクソン/イントロ ン構造を含む完全BRCA2遺伝子配列は図6に示される。これらの配列は、ftpウェ ブサイトからローカルコンピューターにダウンロード可能であろう。該配列は、 次いでBLAST、FASTA、GRALLまたはGeneFinder等のプログラムを利用して、推定 されるコード領域を同定するために分析され得る。次いで、オリゴがこれらの推 定されるコード領域に対して設計され、これらはコード領域を確認または否定す るためにRT-PCRにおいて使用され得る。コード領域は、以下に示す手法から得ら れる実験とも比較されるであろう。 而して、BRCA配列の一部及びサンガー配列内のその配向についての知識が与え られれば、当業者はBRCA2配列の既知の部分と同じ配向をもって可能性あるエク ソン/解放された読枠を位置決定するための慣用のエクソン予想プログラムを使 用して、残る配列を容易に単離でき、次いでエクソン連結が行われ、ここにおい ては推定されるコード配列内に位置するようにプライマーを設計するために、可 能 性あるエクソンが使用される。プライマーは、既知のBRCA2配列に基づくプライ マーと、未知プライマーとを有するように設計され、これらがcDNAをプライミン グするように使用された場合に、未知プライマーがBRCA2遺伝子の一部であると 既知配列に連結する生成物が生じる。この工程は、相互作用的な様式で続けるこ とが出来、当業者がサンガー配列上を歩き回ってイントロン/エクソン境界を手 法の一部として得つつ、全BRCA2配列を得ることを容易に可能とする。BRCA2の場 合には、コード配列の大部分(約5kb)は、エクソン11内にあり、その一部は 図1及び2に開示される配列の10%に含まれる。 参考のため、上述の技術及び位置決定的クローニングによる遺伝子の単離にお いて有用な他の技術は、Mnaco,Curr.Opinion Gen.Devel.,4:360-365,1994 に総説があり、EP-A-0705902に要約されている。 更なる補助として、図1,2及び4に示される配列からの全長配列及びBRCA2 遺伝子にコードされるポリペプチドの単離が下記に示され、またBRCA2遺伝子の 連続部分の単離のために相互作用的に使用され得る。 ハイブリダイゼーションによるcDNAライブラリーのスクリーニング ここにおいて同定されたcDNA断片は、32P標識され、種々の広く利用可能な塗 布またはグリッド式のcDNAライブラリーとハイブリッドされ得る。次いで陽性の クローンが単離され、必要に応じて純粋なクローンが単離されるまで再塗布及び 再度のハイブリダイゼーションに付される。次いでDNAが純粋クローンから作成 され、ABI 377 DNAシーケンサにて慣用のサンガー・ジデオキシ配列決定によっ て配列が決定されるであろう。 PCR増幅によるcDNAライブラリーのスクリーニング ここに開示されているBRCA2配列内の配列に基づいたオリゴヌクレオチドが、 広く利用可能なcDNAライブラリーの分別量のPCR増幅においてクローニングベク ターをプライミングすべく設計されたオリゴヌクレオチドを連携して使用され得 る。これは、これまでに知られた断片とクローニング挿入部位との間に位置する BRCA2 cDNAの断片の増幅を可能とする。PCR増幅の生成物は、次いでABI 377シー ケン サにて慣用のサンガー・ジデオキシ配列決定を使用し、配列決定されうる。 cDNA末端の迅速増幅(RACE) 多くの異なる組織RNAから合成された一次cDNAは、オリゴヌクレオチドリンカ ーと連結されうる。精製後、その時点のBRCA2 cDNA配列をプライミングするオリ ゴヌクレオチド、及びリンカーをプライミングする第2のオリゴヌクレオチドを 使用して、PCR増幅が行われうる。増幅生成物は、サンガー・ジデオキシ配列 決定法を使用し、直接配列決定されうる。RACEは、(6)に記述されている。 次いで、新たな配列は、配列の先に知られた部分との重複を検出することによ り、遺伝子の全配列に組み込まれる。 選択されたプローブを用いるcDNA鉈はゲノムライブラリーのスクリーニングは 、例えばAusubel et al.及びSambrook et al.(前出文献)に記述されている 標準的手法を使用して行われうる。 これらの技術は、図1,2及び4に開示されている情報に基づいて全コード配 列が単離されることを可能とする。全長配列は、翻訳開始コドン(ATG)と翻訳 停止コドン(TAA,TAG,TGA)の間の解放された読枠が存在する配列として定義 される。これは、次いで遺伝子のイントロン−エクソン構造を定義するために使 用され得る。次いで、各エクソンの両側で切断されるようにプライマーが設計さ れ、而して該遺伝子の全てのコード配列がゲノムDNAから増幅されうる。例えば 、図8に、またはNature Genetics,12:333-337,1996に開示されるプライマー を参照。 次いで、コード配列の更なる断片がBRCA2遺伝子における付加的な疾患関連変 異が検出されるように先に記述した変異試験セットにおいてゲノムDNAから増幅 される。 実施例2 BRCA2遺伝子における変異 BRCA2遺伝子における6個の変異の同定 最初の研究において、発明者は天然の配列を早期発病乳癌の複数ケースを生じ る歴史を持った家族から得た配列と比較することによりBRCA2配列中に一連の変 異を見出した。アミノ酸配列おけるこれらの変異の位置は、影響を受けた天然配 列 中の残基を枠で囲むことにより示してある(図5参照)。BRCA2遺伝子に対する 変異は、表3に要約されており、ここでは右側のカラムのBRCA2遺伝子における 変異に対して、左側のカラムの家族が示されている。表3中の残るカラムの意味 は左から右に次の通りである: FBC数 = 家族内の女性乳癌の数 FBC<50の数 = 50才未満の個体に起こる女性乳癌の数 OvCの数 = 家族内の卵巣癌の数 MBCの数 = 男性乳癌の数 BRCA1及びBRCA2におけるLOD点を指すカラムは、家族内の癌の発症がBRCA1また はBRCA2遺伝子と関連づけられる機会を示し、より陽性の値が関連の機会が多い ことを示している。従って、たとえばLOD点+3は、癌の発症とその家族に与え られた遺伝子との間の強い関連を示している。 BRCA2を同定するために、推定されるコード配列を含む300bp未満のゲノム断片 を、変異についてスクリーニングした。46の乳癌の家族の内、少なくとも1人 の影響を受けた成員を試験した。この組に含まれる各家族は、BRCA2との関連を 示すか、及び/または乳癌の証拠を示した。おそらく全てではないが、これらの 家族はBRCA2変異によるものと予想された。ほとんどの既知の癌感受性遺伝子に おける疾患関連変異は、通常はコードされるタンパク質の切断を生じ、重要な機 能を不活性化する。BRCA2領域からの候補のコード配列の変異スクリーニングの 過程で、コードされるタンパク質の翻訳を切断すると予想される最初に検出され た配列変異は、IARC 2932内に観察された。この家族は、D13S260及びD13S267を 使用しての3.01の複数点のLODスコアをもってBRCA2と明確に関連している。6塩 基欠如は、試験されたエクソン(エクソンS66)の最後の5塩基を除去し、イ ントロンの5'スプライシング部位の保存されたGを除去し、かつフェニルアラニ ンに対するコドンTTTを位直接に停止コドンTAAに変換する。配列決定により、こ の変異がこの家族内の他の2つの早期発病乳癌のケースからのリンパ細胞DNA中 に検出された。試験された個体は、疾患関連ハロタイプのみを共有した。変異は 、正常個体からの500個以上の染色体、または残る家族及び癌には存在しない 。この知見は、 従って、ここに記述された研究により証明された候補遺伝子をBRCA2遺伝子であ るものと同定した。 BRCA2遺伝子を更に性質決定するために、エクソンS66がBRCA2候補の断片に 存在する一連のcDNAクローンを単離するために使用された。cDNA及びゲノム配列 データの整列から、候補のBRCA2遺伝子は、3個の配列連続体中にあることが見 出され、これは他の先に単離された転写配列も含んでいた。エクソン及び解放読 枠予想プログラムGenemarkを、遺伝子の推定される付加的5'エクソンを定義する ために使用した。転写単位の連続性を、cDNAについてのRT-PCR及び配列分析によ り確認した。cDNA及びゲノムの水準での広範囲な配列情報の利用可能性は、乳癌 の家族からの試料において、推定されるBRCA2遺伝子の更なるコード領域の変異 分析を可能とした。 TG欠損(6819delTG)及びTT(6503delTT)欠損は、CRC B196及びCRC B211家族 にそれぞれ検出された(表1及び2)。両方の家族において、変異は疾病とは分 離される13q微小衛星マーカーのハロタイプのみを共有する早期発病乳癌の他 の個体を配列決定することにより検出された。 従って、変異は、疾患関連染色体上にある。CT欠損がIARC3594の家族に検出さ れた。この変異は、多くの遺伝子における削除/挿入変異に特有な特徴であり、 DNA合成の間の仕損じによると推定される短い反復配列(CTCTCT)内に生じる。 最後にT欠損(6174delT)及びAAC欠損がモントリオール681及び440中にそれぞ れ見出された。両方の家族は、男性乳癌のケースを含む、先の分析はこのような 家族のほとんどがBRCA2変異を有することを示している。これらの変異の全てが 、未成熟停止コドンを導く読枠の移動を生じることが予想された。500人を越 える健常婦人の染色体には変異が見出されず、従って多形性ではないものと思わ れた。高い可能性をもってBRCA2によるものと考えられる乳癌の家族においてコ ードされるタンパク質を切断するいくつかの異なった生殖細胞系変異の同定は、 我々がBRCA2遺伝子を同定したことを強く示唆した。特にアシュケナージ・ユダ ヤ家族のデータからの6174delT変異は、試験された他の家族においても再現され 、従って、癌、特には男性または女性乳癌または卵巣癌に対する感受性について 個体をスクリーニングするために有用であろう。 ノーサン分析は、BRCA2が正常乳上皮細胞、胎盤及び乳癌細胞系MCF7に存在す る10-12kbの転写物によってコードされることを示した。このことは、約9kb(1 .6kbの3'非翻訳配列を含む)を包含する我々のこのcDNA野連続対が、全BRCA2コ ード配列を含むものではないことを示唆した。BRCA2遺伝子によりコードされる2 329アミノ酸の既知の配列は、公的に利用可能なDNAまたはタンパク質データベー スの配列に対して強い相同性を示さなかった。他の種において対応する遺伝子の 分析において見出されたBRCA2の相同性及びモチーフは、実施例6に記述されて いる、しかしながら、いくらかの弱い合致性が、おもしろいことに制限領域にわ たってBRCA1タンパク質に対する極めて弱い類似性を含めて検出された(図5に 示されるBRCA1のアミノ酸1394-1474と、BRCA2部分の1783−1863)。 BRCA2遺伝子における更なる変異の同定 患者の材料 最小でも乳癌の3人のケースのいずれかを含み、かつDNA試料が少なくとも1 人の患っている個体から入手可能な家族を同定した。BRCA1遺伝子の完全または 部分的分析は、疾患関連生殖細胞系変異を伴うこれらの家族を同定した。残る家 族を、生殖細胞系変異についての完全BRCA2コード配列にわたって分析し、これ は乳癌(早期発病乳癌を含む)及び卵巣癌の症例に対して表1に示されている。 卵巣癌の境界線は含めていない。診断の確認は、病理報告書及び死亡証明書によ り可能であった。 卵巣癌の家族におけるBRCA2の変異分析 上皮卵巣癌を伴う2人以上の1親等親族を持った77家族を、BRCA2変異に関 して分析した。変異スクリーニングは、タンパク質切断試験(PTT)及び非放射 能単鎖配位分析/異種二重鎖分析(SSCA/HA)の組み合わせを用いて行った。PTT は、全てのケースにおいてエクソン11について、またリンパ芽球細胞系から誘 導されるRNAが逆転写PCRを実施するために利用可能な個体においては全コード領 域について、ゲノムDNAから実施した。プライマーを、PCRがエクソン11を増幅 するか、または10から1.3kbの大きさにわたる重複断片において完全コード 配列を 増幅するように設計した。 PPTは、タンパク質検出のための35Sメチオニン(Amersham)を取り込んだTNT ウサギ網膜細胞溶解物系(Promega)を使用して行われた。タンパク質生成物は 12−15%SDSポリアクリルアミドゲル上で30−60mAにて12−16時間 、電気泳動に付された。SDS-PAGEゲルは、30%メタノール/10%氷酢酸中に て固定され、乾燥されてコダックX−0matフィルムに16−72時間暴露された 。切断タンパク質変異体を生じる配列変化のおよその位置が決定され、該領域が 正確なヌクレオチド変化を確認するために配列決定された。SSCA/HAは、エクソ ン2−10及び12−27をコードするゲノムDNA上で行われた。エクソン11 の5'及び3'スプライシング境界も分析された。SSCA及びHA変異合致体は、ヌクレ オチドの正確な変化を決定するために(3)に記述されたようにして配列決定さ れた。SSCA/HAを使用してPTTにより同定される変異を検出する能力は、300-600b pの大きさにわたって断片上のSSCA/HAを使用して検出可能である。全てのプライ マー配列は、必要に応じてPTT及びSSCA/HAが利用可能となるように設計された( 電子メイル[email protected])。 乳癌の家族におけるBRCA2の変異分析 統計的方法 我々は、Gayther等(12)に使用された論法に類似した置換論法を使用し、 変異位置と疾患フェノタイプとの関連を試験した。試験統計は、位置より確認さ れた全卵巣癌及び乳癌の比率としての卵巣癌の割合における差異について標準カ イ二乗統計に基づく。中心となる分析において、統計値Xは、3種の異なる領域 、すなわちコドンn1−n2の前及びn2の後(すなわち2度のカイ二乗自由度 )における変異に適用される異なった割合についての別の仮説を仮定して計算さ れた。3個の推定される意味を誤った変異は、それらの重要性が不明であるため にこの分析においては無視した。統計値Xは、切断点n1及びn2の全ての可能 性ある値にわたって最大化して統計値Xmを与えた。次いで、この最大化された カイ二乗値の有意性を26個の変異が無作為に家族間で置換された500,000組の データにおいてXmの値を経験的に計算した。我々は、経時変化に関するカイ二 乗試 験に基づいて、遺伝子に沿った卵巣癌:乳癌の危険率の割合における経時変化を 、試験するために統計的に計算を行い、これは(12)にあるように有意ではな かった。 従前に刊行されている報告からの別のデータを使用して、関連を確認する試み において、我々はUKデータベースについての最良値に固定された切断点n1及 びn2を用い、5件の研究(9,10,15−17)からのデータを使用して、 カイ二乗統計値(2度の自由度)を計算した。従って、この結果の有意性は、先 と同様に家族間の変異の置換に基づいている。 検討 BRCA2は、たぶんBRCA1によっては説明されない高危険率家族の多くを説明する であろう。従って、BRCA2の同定は、乳癌発症の高い危険性を持つ家族のより包 括的な評価を可能とするに違いない。しかしながら、遺伝子保有者の癌の危険性 を変化させる環境的、生活様式的、または遺伝的因子の役割は未知であり、更な る研究が、保有者の状態の日常的診断が考慮される以前に必要であろう。 これらの実施例に記述された変異の多くは、異なる家族のBRCA2遺伝子に共通 するものではないが、これらの変異は、それにも関わらず癌、特に乳癌にかかり 易い傾向の診断または検出方法において有用であろうことを説明する。加えて、 より多くの家族の試料の異なる日常的分析において、所定の変異が癌のケースの 有意な部分に共通であり、従って簡単な診断試験の基礎を形成するであろうこと が明らかになろう。そうではない場合にも、変異の位置を知ることは、たとえば BRCA2遺伝子の全てまたは一部の配列を決定し、これによって癌のかかり易さま たは感受性を決定することによる患者の試験を実施する際に必要となるであろう 配列決定の仕事量を低減することを助けるであろう。変異の更なる応用及び用途 は、前述の一般論の説に示した。 BRCA2の生殖型変異は、家族の約35%に複数のケースを以て、早期発病女性 乳癌を引き起こすものと予想され、またそれらは男性乳癌、卵巣癌、前立腺癌及 び膵臓癌の増大した危険性に関連する(5,9,10)。第2の癌感受性遺伝子 BR CA1の生殖系変異(3)は、女性乳癌に加えて、卵巣癌に対する高度のかかり安 さに関連する(11)。最近の研究は、卵巣癌に対する乳癌の比率に関するBRCA 1家族のフェノタイプが、BRCA1変異の位置に依存して変化することを示唆してい る(12,13)。BRCA2における生殖系変異が、フェノタイプ的な危険率にお いて同様な変化を伴うものであるかを決定するために、我々は、英国及びエール において確認された乳癌及び/または卵巣癌の複数のケースを持つ家族の変異の 分布について分析した。これらの変異の多くは、読枠移動の削除、挿入、無意味 な変異、またはスプライシング部位の変化の結果としてBRCA2の未成熟な切断を 導く。遺伝子の長さにわたる変異分布の分析は、優位なゲノタイプ−フェノタイ プ相関を示した。乳癌に相対的に卵巣癌が高い危険率を有する家族における切断 的変異は、エクソン11の約3.3kbの領域に密集した(p=0.0005)。45の他のBRC A2関連家族における変異の刊行されているデータは、この相関に支持を与える。 家族は、3以上の乳癌のケース、または2以上の1親等の任意の年齢において 診断された上皮卵巣癌のいずれかに基づいて確認された。次いでBRCA1遺伝子の 変異が同定され、残る家族のそれぞれ一人の影響を受けた個体のゲノムDNAが、 単鎖配位多形性(SSCP)及びタンパク質切断アッセイ(PTT)の組み合わせを使 用して、BRCA2のコード配列全体にわたっての変異についてスクリーニングに使 用された。BRCA2コード配列は、26のエクソンによりコードされる10,248ヌク レオチドからなる(15)。エクソン10及び11は、全コード領域の約60% を代表するものであるが、エクソンの大部分は、比較的小型である。見出された 変異は表1及び2に示される。変異分布は、22の読枠削除または挿入、3の無 意味変異、並びに1つのスプライシング部位変化を含んでなる。これらの変異は 、全て予想されるBRCA2ポリペプチドの未成熟切断を生じる。3種の新規な推定 される無意味変異も検出された。変異は遺伝子全体に分布し、1個の付加的変異 6503delTTのみが周期的であることが見出された。 先行しての報告からの英国外にて確認された家族からのBRCA2変異データ及び 我々自身の研究室の未発表データは、この密集に関して支持を与えた。BRCA2変 異は、このような45の家族について同定された(9,10,15−17)。OC CR中の変異を伴う17の家族が、11の卵巣癌、及び45の乳癌を含むことが報 告され、 その他の家族の22の卵巣癌及び282の乳癌と比較された(見込み率22.9 ;差異に関する置換試験p=0.007)。これに一致して、合理的にみて全身性の 癌の証拠が入手できる3つの大きいBRCA2家族、すなわちUTAH 107(15)、CRC 186及びアイスランドの家族(10)が存在した。3家族全てにおける変異は、 遺伝子の5'及び3'末端近傍に局在化し、平均より高い卵巣癌の危険性、または低 い乳癌の危険性、あるいはこれら両者に関連するOCCR内の変異を伴った乳癌の高 い生涯危険性に関連するものと考えられた。これに関連して、6174delT変異に関 する将来のデータは、特に重要であろう。OCCR内にあるこの変異は、アシュケナ ージ・ユダヤ人に共通であり、その乳癌及び卵巣癌患者における流布の直接母集 団依存的評価が可能であろう。 観察されたゲノタイプ−フェノタイプ相関は、BRCA1とは異なって、遺伝子の 中心の領域が顕著な危険性に関連するものと考えられる点で、幾分驚くべきもの である。例えば、遺伝子内に密集する変異領域が、特定のフェノタイプについて のかかり易さに関連する腺腫性ポリポーシス・コリ遺伝子等の癌感受性遺伝子に おける先例がある(18,19)。我々は、BRCA2遺伝子の中央部分における切 断的変異が、卵巣癌の増大する危険率を生じるのであるか、未だに知らない。BR CA2と他の遺伝子との間の機能的な相同性を持った領域は同定されていない。一 連の8個のアミノ酸の反復が、最近エクソン11に観察されたが、これらは他の 既知の遺伝子とほとんど相同性を持たない(20)。8個全ての反復がOCCRに含 まれることは多分興味深いことであろう。単一のエクソン内の変異の集中は、異 なったスプライシングに基づく説明を示唆するであろう。エクソン11の完全ま たは部分的スプライシングは、乳部において変異を“救助する”能力を持つが、 卵巣上皮においてはしない他のスプライシング形態を産生するのであろう。我々 の結果は、それらが乳または卵巣上皮の間でBRCA2の構造または機能において興 味ある差異を持つことを示唆する。 実施例3 BRCA2ポリペプチドの発現 ヒトBRCA2についての全長cDNAクローンの構築 ヒトBRCA2をコードする約10.5kbのcDNAを、PCRによりぞうふくされたcDNA断片 及びクローン化されたゲノムDNAから組み立てた。全ての残基番号は、Genebank 加入番号U43746からのものである。 cDNAの5'末端(残基204-2357)を、MCF7細胞由来のRNAから調製されたcDNAか ら下記プライマーを使用して増幅した: この2.1kb断片をpBluescriptにクローン化し、配列を決定した。 次いでこのプラスミド(p12302)を、プラスミドポリリンカーにおいて切断す るAsp718、及び部分的に塩基238及び792を切断するBamHIにより消化した。次い で、二重鎖オリゴヌクレオチド: をプラスミド中に連結し、塩基238にて消化されるプラスミドに連結されたオリ ゴを保有する組換え体を選択した。 このプラスミドを、bp 1795にて切断するNdeI、及びプラスミドのポリリンカ ーにて切断するSmaIを用いて消化した。これを、Ndel及びBstY1により消化され たPCR生成物(1795-2280)及び、BstY1-BsiHKAI断片としての残基2280-6571と3 方向連結において連結された。後者の断片はBRCA2遺伝子のエクソン11からな り、ゲノムDNAを有するプラスミドから単離された。これは、プラスミドp12672 を生じた。 BRCA2 cDNAの3'末端は、プライマー: RT-PCRにて生成させた。 この断片をpBluescript中にサブクローニングしてプラスミド12661を生じさせ た。次いで、この断片をプライマー(GTACTCCAGAACATTTAATATCC、塩基6325-6344 )及びブルースクリプト由来のT3プライマーを用いて増幅した。 この断片を、Bsp1201にて消化し、次いでp12672のSnaBI-NotI切断に連結し、 全長クローンp12806を生じた。 次いで該プラスミドを、修飾して以下のようにFLAGエピトープを含めた。p128 06をAsp718及びSalIにて消化し、同じ酵素にて消化されたpBluescriptに連結し た。これはプラスミドp13013を生じた。これをSacI及びBgIIIにて消化し、下記 に詳細を示すコンセンサス・コザック配列及びFlagエピトープをコードするリン カーに連結した: この全長BRCA2 cDNAを発現ベクター中に連結した。特にベクターpMTSTの修飾 版が使用された。このベクターは、アデノウイルスの主要後期プロモーター及び 複製のSV40オリジンを保有する。 哺乳動物細胞におけるBRCA2の発現 全長BRCA2発現ベクターを、標準的技術を使用してCOS細胞中にトランスフェク トした。タンパク質の発現は、ウエスタンブロッティング免疫沈降及び免疫蛍光 法により監視した。これは、BRCA2タンパク質がcDNAの配列により予想されるも のと大きさにおいて類似する約400kDのタンパク質として検出されうることを 示す。これらの条件下で、この細胞系において、タンパク質は膜様部分(多分、 細胞質内小胞)または核内のいずれか、あるいは両者に局在する複雑な細胞内局 在化を示す(図11及び13参照)。 BRCA2と他のタンパク質との相互作用 これは、BRCA2と相互作用するタンパク質をクローニングするための酵母2− ハイブリッド系により評価されうる。この手法は、BRCA2 ORFの大きさのために 多分複雑ではあるが。ORFは5−10個の断片に分割され得、別個にスクリーニ ングされうる。これらの断片は、酵母ゲノム中へのエピソーム的及び融合物の両 者の“餌”として使用され、またHeLa細胞、ヒト胎児脳及び正常ヒト乳部から誘 導される新たなライブラリー等から誘導されるペプチドライブラリーをスクリー ニングするために使用される。2−ハイブリッド系にて相互作用するものと確認 された クローンは、インビボ及びインビトロの両者において相互作用についてアッセイ される。細菌的に発現されたGEX-融合タンパク質は、インビトロにおいて直接相 互作用について試験される。BRCA2のエピトープ標識バージョン及び可能性ある 相互作用タンパク質は、細胞系に共にマイクロインジェクトされ、それらの細胞 内局在化が、共−局在化を決定するための免疫蛍光法により決定される。共−ト ランスフェクション及び交差−免疫沈降は、2つのタンパク質がインビボにおい て相互作用することを確立するために使用され得る。新規なBRCA2相互作用タン パク質を同定することに加えて、上記の方法論は、BRCA2がBRCA1と二量体化する か、あるいは直接に相互作用するかを確認するために使用され得る。 BRCA2相互作用タンパク質の性質は、生化学的分画及び引き続く質量分光法に より直接的に決定されうる。35S−標識抽出物の免疫沈殿及び引き続くSDS− ゲル電気泳動法は、これらのタンパク質の分子量評価を行うために使用され得る 。これらは、更に分析用2Dゲル電気泳動法及び引き続くMALDI-TOF質量分光法 、及びペプチド質量−マッピングによって更に分析されうる(23)。この枝術 は、その配列がデータベースに存在する場合にタンパク質のある種の同定、及び 可能性ある族の構成員の指定(>80%同等性)を可能とする。 BRCA2の生物学的機能 BRCA2発現が特に乳癌及び卵巣癌細胞系の成長を阻止しうるか否かを試験する ために実験を行った。理想的にはこのような実験は、BRCA2を発現しない乳癌細 胞を使用し、これはBRCA2発現の不在について乳癌細胞系の存在をスクリーニン グすることにより容易に同定されうる。別法として天然型BRCA2を欠くことが示 される患者から、細胞系が樹立されうる。尚も発現する細胞系においてのBRCA2 の過剰発現も成長を抑制することが可能であろう。 BRCA2 cDNAは、好ましくはレトロウイルス性(pBASE)または伸長因子1αプ ロモーター(pEFBos系−(22))の制御下で好適には発現されうる。プラスミ ドは、薬剤耐性マーカーと共に共−トランスフェクションされ、生育するコロニ ーの数がベクター対照と対比され、生き残るコロニーは拡大され、ヌードマウス への注射により腫瘍発症性について試験される。タンパク質の阻害作用が、比較 的 長期間のコロニー生育アッセイにおいてトランスフェクトされたプラスミドが安 定に発現しないために検出できない場合には、BRCA2発現構築物のマイクロイン ジェクションが採用され、これによって注射された細胞は外来性タンパク質の免 疫化学によるか、またはマーカープラスミドの共−インジェクションによって検 出される(21)。加えて、上述したように、何らかの生育阻害効果が細胞自立 的であるか、すなわち効果がパラクリンであるかオートクリンであるかを決定す るために、啓示的ビデオ記録が使用され得る。これらのシステムは、いずれかの アポトーシス的効果を検出するためにも有用であろう。 実施例5 BRCA2変異の検出方法 BRCA2変異検出のための回帰変異アッセイ PCRにおけるDNA増幅 変異についてスクリーニングされるべき各個体のゲノムDNAの25ngを、適切 なオリゴヌクレオチドプライマー(プライマー・リスト参照)を使用して35サ イクルのPCRにより増幅した。PCRへの取り込みに先行して、両方のオリゴヌクレ オチドプライマーをT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてガンマ32Pにより 標識した。PCRにおける増幅に次いで、ホルムアミド付加染料を各試料に添加し 、該試料を94℃にて3分間変性させた。変性に続いて、該試料を直ちに氷上に おいた。 DNA断片の大きさ決定 各試料の2μlを、慣用の0.4mm厚変性6%ポリアクリルアミドゲルに、40 スロットの鮫歯櫛により形成されたウエルに直ちにのせた。該試料を、ゲルを通 して2−5時間、90ワット、室温にて電気泳動した。 SSCP異種二重鎖分析 SSCPは、配列の変種/変異についてのDNA断片をスクリーニングするためのPCR に基づくアッセイである。それは、BRCA2遺伝子の放射標識100−300bp断 片 の増幅、これらの生成物の希釈及び95℃での変性を含む。断片はDNAが単鎖形 態に止まるように氷上にて急速に冷却される。BRCA2のこれらの単鎖断片は、ア クリルアミドに基づくゲルを通して走らされる。配列組成における差異は、単鎖 分子にゲル担体中で異なる配位を採らせ、それらの移動性を天然型断片とは異な ったものとし、而してゲルをX−線フィルムに曝すことにより対照断片と相対的 に分析される断片中の変異の検出を可能とする。 変化した移動性/配位を伴うこれらの断片は、ゲルから直接に切り出され、直 接に変異について配列決定される。変性に次いで、試料は氷上にて10分間冷却 されて、異種二重鎖の形性が許容される。各試料は、2種類の異なる型のゲルを 通して電気泳動される。 SSCP分析の為の条件の典型的な組は次の通りである。3μlが、10%グリセ ロールを含む6%非変性ポリアクリルアミドゲルを通して、一夜、4ワットにて 、室温で電気泳動される。 3μlが、グリセロールを含まない4.5%非変性ポリアクリルアミドケルを 通して、4時間、30ワットにて4℃の低温室で電気泳動される。 電気泳動に次いで、ゲルをワットマン3MM濾紙上で乾燥させ、オートラジオ グラフィーカセットに設置し、室温にて2時間から数日間の範囲の期間おかれる 。 オートラジオグラフの現像に次いで、個々の試料のバンド移動は、目で検出さ れる。 PCR生成物の配列決定 バンド移動が、SSCP異種二重鎖またはDNA断片大きさゲルにみられる場合、関 連する断片を関連する保存用ゲノムDNAから再増幅し、直接に配列決定する。PCR 生成物の配列決定のために、生成物はイソプロパノールにて沈殿され、再懸濁さ れ、TaqFS+染料ターミネーター配列決定キットを使用して配列決定される。伸長 生成物は、ABI 377 DNAシーケンサ上で電気泳動され、データはSequence Naviga torソフトウエアを使用して分析される。 BRCA2 PTTアッセイ PTTは、もう一つのPCRに基づくスクリーニングアッセイである。BRCA2の断片 は、共通コザック開始配列及びT7 RNAポリメラーゼプロモーターを含むプライ マーを用いて増幅される。これらの付加的配列は、分析されるべき断片の天然型 コード配列をもって読枠内にあるように、5'プライマーに取り込まれる。これら のPCR生成物は、組み合わされた転写/翻訳システム中に導入される。この反応 は、断片からのBRCA2 RNAの産生、及びこのRNAのBRCA2タンパク質断片への翻訳 を可能とする。対照からのPCR生成物は、分析されるべき断片の大きさに対して 、相対的に天然型の大きさのタンパク質生成物を作る。分析されるPCR生成物が 読枠移動を有するか、または無意味な変異を有する場合には、アッセイは対照に 対して切断されたタンパク質生成物を生じる。切断生成物の大きさは、変異の位 置に関連し、この患者からのBRCA2遺伝子の相対的領域が、切断変異を同定する ために配列決定される。 BRCA2 PTTアッセイのために下記のプロトコールが採用された。PTTプライマー は、図10に示される。 各PTTプライマーは、次のT7コザック配列により先行される: 1.20μl中における35サイクルの初期PCR。 2.2%アガロースゲル中での電気泳動による生成物の確認。 3.3μl分別量の帰巣PTTプライムを用いた15サイクルの増幅。 4.2%アガロースゲル上での電気泳動による生成物の確認。 5.Promega(CA)TNTキットを使用し、35S放射標識メチオニンを取り込んでのイ ンビトロ転写/翻訳。 6.ラエムリ緩衝溶液反応停止及び変性。 7.15%アクリルアミドゲル上、16mAにて生成物のゲル電気泳動。 8.固定化、増幅及びゲルの乾燥。 9.2時間のオートラジオグラフィー露光。 これらの方法論は、達成される結果、経済的費用及び結果を与えるに要する時 間の観点から、正確かつ有効なスクリーニングを与えるべく組み合わされうる。 例として、発明者等が使用した組み合わせのプロトコールは次の通りである: 1)家族性の参照ケース(発端者)からのDNA試料を、最初にPTTにてスクリーニ ングした。エクソン10、11及び末端エクソン27を、この技術を使用して分 析した。エクソン10及び27は1断片において行われたが、一方でより大きい エクソン11は、2断片にて行われた。タンパク質切断がみられた場合に、対応 するゲノム領域が患者から配列決定され、正確な変異が同定された。この方法は 、約60%のコード領域を迅速な方法でスクリーニングすることを可能とする。 2)次いで、PTTスクリーニングで陰性の試料を、SSCPを使用して分析した。す でにPTTにて試験した領域を含めて全コード領域を、SSCPを使用して変異につい てスクリーニングした。コード配列を、本願に記述されたプライマーを使用して ゲノムDNAから増幅した。加えて、SSCP分析のために生成された放射標識PCR生成 物を、変性アクリルアミド配列決定ゲル上に走らせ、これは挿入または削除を示 して、対照断片に対して小さい変化の検出を可能とした。見出された任意の変異 断片をゲルから直接に切り出し、正確な変異を決定すべく、対応するゲノムDNA 断片に沿って直接に配列決定された。 これらの方法を使用して実施されたスクリーニングの例は、下記の表に示され る。 乳癌家族の発端者におけるBRCA2スクリーニング 実施例6 配列の整列結果 材料及び方法 全ゲノムDNAを、ミドリザル(Ceropithecus aethiops)、ハムスター(Critet ulus griseus)、ブタ(Sus scrofa)、イヌ(Canis familiaris)、ウシ、チン パンジー、ニワトリ、ヘビ、ゼブラフィッシュ、X.laevis、S.pombe及びS.ce revisiaeについて得た。PCRプライマーは、ヒトBRCモチーフについて共通配列か ら設計した。これらはヒトDNA配列に正確に一致するプライマー及びBRCA2タンパ ク質配列に基づく縮退プライマーを含んだ。配列は以下の通りである。 ットで、ここにおいてIはイノシンである。 モチーフ順行セツト2:純粋プライマーはセット1と同様であり、縮退セットは る。 更なるプライマーセットは、ヒト及びマウスの間で保存されているBRCA2領域 に PCRは、各順行プライマーを関連する逆行プライマーと組み合わせて行つた。反 応条件は、PCRの周期条件を除いて(4)に記述されるのと同様であった。これ らは、94℃に1分間、X℃に1分間、72℃に1分間で、Xは最初の2サイク ルは65℃であり、次いで55,49,45,39または35℃のいずれかにな るまで2サイクル毎に2℃低下させて、その点にてXを一定に保った。更に30 サイクルを、最終アニーリング温度にて行った。PCR生成物はアガロースゲル上 で分離させ、離散的バンドを切り出し、Taqジデオキシ停止プロトコール(Perki n-Elmer)を使用して配列決定した。配列生成物はABI自動化DNAシーケンサ上で 分離した。 全ての配列決定反応は、少なくとも2回、テンプレートの両方の鎖について行 った。種特異的PCRプライマーは、上記DNA配列を使用してBRCA2遺伝子のエクソ ン11について設計した。これらは、サル、イヌ、ブタ及びハムスターのエクソ ン11の更なる断片を増幅及び配列決定するために、ヒトBRCA2遺伝子について 設計されたPCRプライマーの52対の組と組み合わせて使用された。ヒトBRCA2プ ローブ(エクソン11)は、マウスBRCA2遺伝子の部分を含むλクローンを同定 するために使用された。これは、マウス特異的BRCA2配列を得るために使用され 、従って、マウス特異的PCRプライマーを設計するために使用された。これらは 、マウスBACライブラリー中の陽性クローンを同定するために使用された。陽性B ACの断片が無 作為にクローン化され、BRCA2遺伝子のエクソン11断片を含むことが示された ものを配列決定した。 BRCモチーフの配列決定 5種の哺乳動物種において、先の研究にて得られたヒトBRCA2配列を使用して 、BRCA2エクソン11(BRCモチーフを含む)の配列を得るために二つの方法が使 用された(図7も参照)。マウスBRCA2遺伝子のエクソン11の配列は、ヒトBRC A2遺伝子断片との低い緊縮度にてのハイブリダイゼーションにより単離されたBA Cクローンから得られた。BACの断片が無作為にクローン化され、BRCA2遺伝子の 断片を含むことが示されたものを配列決定した。次いで、PCRプライマーがBRCモ チーフに対して、及びヒト及びマウスの間で保存される領域について設計された 。これらは、12の種(材料及び方法に記述)からのDNAのBRCA2遺伝子の断片を 増幅するために使用された。ヒトに対して類似性を示す配列は、ミドリザル、ハ ムスター、ブタ、イヌ、ウシ及びチンパンジーから得られた。ニワトリ、ヘビ、 ゼブラフィッシュ、Xenopus laevis、Schizosaccharomyces pombe及びSaccharom yces cerevisiaeから得られた配列は、いずれのBRCA2配列とも類似性を示さなか った。種特異的PCRプライマーを、ミドリザル、ハムスター、ブタ及びイヌにつ いて設計した。これらは、更にエクソンの分節を増幅するために、ヒトBRCA2エ クソン11を増幅するために使用した全てのPCRプライマー対と組み合わせて使 用された。工程を、ミドリザル、ハムスター及びイヌについて、BRC1及び8の間 及びこれらを含めて全ての配列が得られるまで反復した。この方法を使用して、 ブタについては反復3−8二ついての配列を得ることのみが可能であった。全体 では、6種の異なる哺乳動物(ヒトを含む)において46のBRC反復が配列決定 された。 BRCモチーフは哺乳動物種において保存される 6種の哺乳動物間のBRCA2遺伝子のエクソン11(全コード配列の約半分)の 翻訳物の同一性の百分率を表1に示した。全体としての保存度は低く、ヒト及び マウスの1602残基間の同一性が58%、マウスまたはハムスター及びイヌの間の 同一性が54%、並びにブタ及びマウス間(928アミノ酸以上)の同一性が4 9 %であった。ヒト及びサル、マウス及びハムスター等の近接する種の間において も、アミノ酸の同一性は、それぞれわずかに93および72%であった。しかし ながら、研究した6種の哺乳動物由来の配列の整列は、エクソン11の翻訳物が それらの全長にわたって整列可能であり、また保存の程度は変化することが示さ れた(図9)。高い同一性の多くの短い領域が存在する。これらの領域のいくつ かは、BRCモチーフ、例えば、BRC1,2,3,4,7及び8と一致する(図9)。他の高い 保存分節、例えばアミノ酸469-493(図9のヒト配列の番号付けを使用)が存在 し、これはBRCモチーフあるいはデータベースに報告されているいずれのものに も類似性を示さない。後者のいずれも、BRCA2中で反復していない。 配列決定された46のモチーフの全ての整列は、BRC1,3,4,7および8の間の高 度な種間及び種内での保存性を表している。この整列から、我々は、全てのBRCA 2モチーフにおいて保存される26アミノ酸の領域を同定し(図2)、これは我 々にBRC共通配列の作成を可能ならしめた。いくつかの残基はこの共通領域の外 に並べることも可能であるが;しかしながらこのような整列は使用するパラメー タに極めて敏感で、堅固なものではない。全ての共通配列を含むモチーフ、例え ばBRC4があり、その一方で他のもの、例えばBRC6は、共通性からのかなりな不一 致を示す。全体として、BRCモチーフの30/46(65%)は、13の共通残 基の内11個以上を有し、一方で87%は8以上の共通配列を有する。 下記の表は、ヒト、サル、ブタ、イヌ、ハムスター及びマウスからのBRCA2遺 伝子のエクソン11の翻訳物間の同一性の百分率を示す。 検討 エクソン11の低い配列同一性(上記表に示す)は、BRCA2が他のほとんどの 癌感受性/腫瘍抑制遺伝子よりも急速に進化していることを示唆している。例え ば、ヒト及びマウスNF1の間には98%の同一性が、95及び91%のヒト及び マウスWT1及びRb1の間のそれぞれを伴って存在する。しかしながら、顕著な例外 は、BRCA1であり、マウス及びヒトの間ではわずかに58%のアミノ酸同一性を 示すのみである。従って、BRCA1及びBRCA2は実質的に配列類似性を示さないが、 それらは進化の高い速度、一般的でない遺伝子構造(両者は大きいエクソン11 を有する、(3)及び(7)参照)並びに散在性癌における細胞性突然変異を欠 く点によって類似している。これらの特徴の一つ以上が、一致する機能に関連す るか否かは説明を与えられないままである。 BRCA2遺伝子のエクソン11の翻訳物に関する同一性は低いが、BRCモチーフの 多くは、分析された種間で高度に保存されている。このことは、BRCA2内にBRC反 復を維持する圧力が存在したことを示唆しており、従って、それらはその機能に おいて重要である。しかしながら、我々の整列からは、BRC6がBRC1,2,3,4,7およ び8よりもかなり保存性が低い(ヒト及びマウスの間のBRC6およびBRC7の間では それぞれ31および85%の同一性)。更に、それはモチーフの長さが種間で異 なるように、挿入および削除にて改変されている。BRC3およびBRC5も、BRC1,2,3 ,4,7および8に比べてより低い保存性を示す(ヒトおよびマウスのBRC3およびBRC 5の 間ではそれぞれ62および58%の同一性)。しかしながら、両者はエクソン1 1の翻訳物全体に比べて高水準の保存性を示す。データは、モチーフの複数化が 哺乳動物発生に先駆けて起こったことを示唆している。例えば、モチーフ単位( 特にBRC2)内のいくつかのアミノ酸残基は、他の単位内の同等な残基とは異なる が、哺乳動物種においては高度に保存されている。更に、モチーフの側部ある配 列は、反復の間で保存されないが、ある場合には種間を越えて保存されている( 例えば、BRC1および4、図9)。 我々が非哺乳動物DNAから誘導したPCR生成物は、哺乳動物BRCA2に対して何ら の類似性も示さなかった。このことは、BRCA2が哺乳動物に限定されるか、ある いはBRCA2の非哺乳動物相当遺伝子(オーソローガス)が我々が使用する技術で は同定できないほどに分岐してしまったかのいずれかであることを示唆している 。しかしながら、BRC配列と、Caenorhabditis elegans遺伝子(CET07E3_2)との 間には弱い類似性の証拠があり、BRCモチーフが哺乳動物のみに限られないこと を示唆している。 BRC配列の機能に関する手がかりはほとんどない。乳癌の発生を起こりやすく するBRCA2遺伝子における生殖系変異の切断は、遺伝子のコード領域にわたって 存在する。多くの場合、変異は全てのBRC反復をそのままに残し、モチーフとBRC A2の正常機能におけるそれらの役割との間の関係に関する情報をほとんど与えな い。個々のモチーフ間の間隔は、−60から300アミノ酸まで変化するが、哺 乳動物の間では合理的によく保存されている。更に、各モチーフ内に、2次構造 の複数要素が存在し、これはそれらが小球体領域を形成することを示している。 しかしながら、これらが如何に機能するかは明らかでない。従って、BRCモチー フの生化学的機能の説明には直接的な研究が必要であろう。 エクソン11に同定されたBRCモチーフのような保存領域は、その活性を決定 するために重要であろうBRCA2ポリペプチドの領域について有用な指示を与える 。従って、これらのモチーフは、BRCA2ポリペプチドの模倣物を見出すための上 述したスクリーニング研究について、よい候補となる。 試験された種のいくつかまたは全ての間で保存され、図9に示されるエクソン 11のモチーフは、表4に要約されている: 参考文献
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年1月22日(1998.1.22) 【補正内容】 BRCA1との連関に対する証拠を示す早期発病乳癌の複数の症例を伴う家族を使 用して、本発明者等は、染色体13q12-q13上の第2の主要な乳癌感受性遺伝子座 、BRCA2の存在を最近例示した(5)。予備的研究は、BRCA2における変異がBRCA1と 同様に乳癌の危険性を与えることを示した。しかしながら、卵巣癌の危険性は、 低いものと考えられ、また男性乳癌の危険性が有意に高いものと考えられた。BR CA1及びBRCA2は合わせると、そのほとんど全ての家族が乳癌及び卵巣癌を持った 複数の早期発病乳癌の症例を伴う家族の4分の3を説明する。 発明の要約 概して言えば、本願に記述される研究は、BRCA2遺伝子の同定、並びにその配 列、及び対応するBRCA2ポリペプチドのアミノ酸配列に基づくものである。正常 配列における変異を伴ったものを含めて、BRCA2対立遺伝子も開示される。 発明者らは、BRCA2遺伝子のエクソン16の部分を最初に見いだし、これをコ ード配列の約10%を配列決定するために使用した。BRCA2遺伝子のこの部分に 対応するBRCA2 cDNAは、図1に示され、発明者らにより最初に配列決定されたイ ントロン及びエクソンの配列は図2に示され、翻訳されるタンパク質配列が図3 に示されている。 本発明者等によるBRCA2遺伝子のコード配列の10%の同定の直後に、900,000 bpの配列が、1995年11月23日にインターネット上にて公開され、ftp:// ftp.sanger.ac.uk/pub/human/sequences/13q及びftp://genome/wustl.edu/pub/g scl/brca2にてアクセス可能である。 この配列を使用した本発明者らによる更なる研究及び他の既知の方法は、BRCA 2コード配列の約75%を単離した。これは、図4のcDNA配列中に、図5に示す 対応する翻訳アミノ酸配列と共に示されている。発明者らは、その際にBRCA2配 列中に6個の変異、最も顕著にはモントリオールのアシュケナージ・ユダヤ人家 族に由来する血統の分析からの6174delTにおける変異を同定した。 イントロン及びエクソン構造を示す全BRCA2配列は、図6中に示すBRCA2遺伝子 座のプロモーター領域と共に、図7に示される。BRCA2配列を増幅するために好 適なプライマーは図8に示され、また1996年3月12日にNature Genetics ,1 る。 図8は、単鎖構造多型性(SSCP)試験のためのプライマーを示し、これらは乳癌 の発病を起こり易くするであろうゲノムDNAにおける配列変化の同定のために、P CRによりBRCA2遺伝子を増幅すべく設計されている。該プライマーは、遺伝子の 解放された読枠を含む26のエクソンのそれぞれに隣接するイントロン配列内に 位置する。増幅生成物は、スプライシング部位の共通配列を含む。プライマーの 2個以上の組は、遺伝子のより大きいエクソンについて設計されている。該プラ イマーは、それらのエクソン数、エクソンの小分節、及び順方向または逆方向に より分類されている。PCR生成物は、160〜360bpの範囲である。CONと分類 されるカラムは、我々が使用した条件を示す。プライマーは、図に最初と最後の アニール温度がそれぞれ示されるタッチダウン(TD)PCRに全て基づいた条件の限 定された組み合わせを使用して試験された。変異が同定された場合には、PCR生 成物は同じプライマー及び蛍光サイクル配列決定法を使用して配列決定された。 図9は、PTTアッセイにおいて使用するための例示的プライマーを示す。 図10は、異なる腫に由来するBRCA2のエクソン11におけるアミノ酸モチー フの整列を示す。 図11は、発現プラスミドp13120によりトランスフェクトされたCOS細胞に由 来するFLAG-標識BRCA2タンパク質の免疫沈降を示す。抗−FLAG抗体(レーンb及 びd)またはゴルジタンパク質に対する対照抗体(レーンa及びc)を用いて免 疫沈降に付されたトランスフェクト(レーンa及びb)及び非トランスフェクト (レーンC及びd)COS細胞由来の全細胞溶解物。抗−FLAG抗体は、トランスフ ェクトされたCOS細胞溶解物由来の約400kDa(矢印)のタンパク質を免疫沈降 させるが、非トランスフェクトCOS細胞溶解物由来のものは免疫沈降させない( レーンd及びbを比較)。対照抗体は、このタンパク質を免疫沈降させない(レ ーンc参照)。マーカーレーン中の強い高分子量のタンパク質は、220kDaで ある。 図12は、FLAG-標識BRCA2タンパク質のウエスタンブロットを示す。発現プラ スミドp13120(レーンa及びc)によりトランスフェクトされたか、またはDNA を用いない(レーンb及びd)COS細胞(レーンa及びb)及び293T細胞(レー ンc及びd)の全細胞溶解物。抗−FLAG抗体は、トランスフェクトされた細胞溶 解物 作為にクローン化され、BRCA2遺伝子のエクソン11断片を含むことが示された ものを配列決定した。 BRCモチーフの配列決定 5種の哺乳動物種において、先の研究にて得られたヒトBRCA2配列を使用して 、BRCA2エクソン11(BRCモチーフを含む)の配列を得るために二つの方法が使 用された(図7も参照)。マウスBRCA2遺伝子のエクソン11の配列は、ヒトBRC A2遺伝子断片との低い素縮度にてのハイブリダイゼーションにより単離されたBA Cクローンから得られた。BACの断片が無作為にクローン化され、BRCA2遺伝子の 断片を含むことが示されたものを配列決定した。次いで、PCRプライマーがBRCモ チーフに対して、及びヒト及びマウスの間で保存される領域について設計された 。これらは、12の種(材料及び方法に記述)からのDNAのBRCA2遺伝子の断片を 増幅するために使用された。ヒトに対して類似性を示す配列は、ミドリザル、ハ ムスター、ブタ、イヌ、ウシ及びチンパンジーから得られた。ニワトリ、ヘビ、 ゼブラフィッシュ、Xenopus laevis、Schizosaccharomyces pombe及びSaccharom yces cerevisiaeから得られた配列は、いずれのBRCA2配列とも類似性を示さなか った。種特異的PCRプライマーを、ミドリザル、ハムスター、ブタ及びイヌにつ いて設計した。これらは、更にエクソンの分節を増幅するために、ヒトBRCA2エ クソン11を増幅するために使用した全てのPCRプライマー対と組み合わせて使 用された。工程を、ミドリザル、ハムスター及びイヌについて、BRC1及び8の間 及びこれらを含めて全ての配列が得られるまで反復した。この方法を使用して、 ブタについては反復3−8二ついての配列を得ることのみが可能であつた。全体 では、6種の異なる哺乳動物(ヒトを含む)において46のBRC反復が配列決定 された。 BRCモチーフは哺乳動物種において保存される 6種の哺乳動物間のBRCA2遺伝子 のエクソン11(全コード配列の約半分)の翻訳物の同一性の百分率を以下の表 に示した。全体としての保存度は低く、ヒト及びマウスの1602残基間の同一性が 58%、マウスまたはハムスター及びイヌの間の同一性が54%、並びにブタ及 びマウス間(928アミノ酸以上)の同一性が 請求の範囲 1. 図1または2に示される核酸配列またはその対立遺伝子をを含む核酸分子 。 2. 核酸分子であって、 (a)図2に示される一つ以上のエキソンを含む核酸分子;または (b)図1または2に示される核酸配列の断片を含む核酸分子で、該断 片は少なくとも20核酸の長さである:、または (c)図1または2に示される核酸配列と70%の配列同一性を持つ核 酸分子 を含む核酸分子。 3. 完全長コード配列または完全BRCA2遺伝子を含む核酸分子であって: (a)cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプロ ーブを構築するために、図1または2に示す核酸配列を使用し、得られたよう性 クローンを配列決定し、及びこの工程を反復して、斯くして得られた配列から完 全長のBRCA2配列を組み上げる; (b)図1または2に示される配列を、BRCA2核酸断片をプライミング するためのオリゴヌクレオチドを得るために使用し、ここにおいて該オリゴヌク レオチドはBRCA2配列の断片を含むライブラリー中の核酸断片をPCRにより増幅す るために、クローニングベクターからプライミングするように設計され、増幅断 片を配列決定してBRCA2配列を、配列の既知部分とクローニングベクターとの間 に得、この工程を反復して、斯くして得られた配列から完全長のBRCA2配列を組 み上げる;及び/または (c)cDNAがオリゴヌクレオチドリンカーに連結される、多くの異なっ た組織RNAからcDNAを合成することによりcDNA末端の迅速増幅(RACE)を使用 し、BRCA2 cDNAを、図1のBRCA2 cDNA配列からプライミングする第1のプライマ ー及びオリゴヌクレオチドリンカーからプライミングする第2のプライマーを使 用してPCRにより増幅し、増幅核酸の配列決定を行い、及びこの工程を反復し 、 斯くして得られた配列から全長BRCA2配列を組み立てる、 によって得ることが出来る核酸分子。 4. 図4に示される核酸配列またはその対立遺伝子を含んでなる核酸分子。 5. 核酸分子であって、 (a)図4に示される核酸配列の断片を含む核酸分子で、該断片は少な くとも20核酸の長さである;または (c)図4に示される核酸配列と70%の配列同一性を持つ核酸分子を 含む核酸分子。 6. 完全長コード配列または完全BRCA2遺伝子を含む核酸分子であって: (a)cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプロ ーブを構築するために、図1、2または4に示す核酸配列を使用し、得られたよ う性クローンを配列決定し、及びこの工程を反復して、斯くして得られた配列か ら完全長のBRCA2配列を組み上げる; (b)図1、2または4に示される配列を、BRCA2核酸断片をプライミ ングするためのオリゴヌクレオチドを得るために使用し、ここにおいて該オリゴ ヌクレオチドはBRCA2配列の断片を含むライブラリー中の核酸断片をPCRにより増 幅するために、クローニングベクターからプライミングするように設計され、増 幅断片を配列決定してBRCA2配列を、配列の既知部分とクローニングベクターと の間に得、この工程を反復して、斯くして得られた配列から完全長のBRCA2配列 を組み上げる;及び/または (c)cDNAがオリゴヌクレオチドリンカーに連結される、多くの異なっ た組織RNAからcDNAを合成することによりcDNA末端の迅速増幅(RACE)を使用 し、BRCA2 cDNAを、図1または4のBRCA2 cDNA配列からプライミングする第1の プライマー及びオリゴヌクレオチドリンカーからプライミングする第2のプライ マーを使用してPCRにより増幅し、増幅核酸の配列決定を行い、及びこの工程 を反復し、斯くして得られた配列から全長BRCA2配列を組み立てる、 によって得ることが出来る核酸分子。 7. 請求の範囲3または5項において得られ得るBRCA2核酸分子の対立遺伝子 または変異体である核酸分子。 8. 図3に示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を有する核酸分子。 9. 図5に示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を有する核酸分子。 10. 図7に示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレ オチド配列を有する核酸分子。 11. 図3、5または7のいずれか一つに示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリ ペプチドの変異体、誘導体または対立遺伝子であるポリペプチドをコードするヌ クレオチド配列を有する核酸分子。 12. 図3、5または7のいずれか一つに示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリ ペプチドに対して少なくとも80%の相同性を有するポリペプチドをコードする 請求の範囲9項に記載の核酸分子。 13. 分子が表1に示される1種以上の変異を有する請求の範囲11または1 2項に記載の核酸分子。 14. 6174delT変異を有する請求の範囲13に記載の核酸分子。 15. 6503delTT変異を有する請求の範囲13に記載の核酸分子。 16. 図3、5または7のいずれか一つに示すアミノ酸配列と同一である少な くとも7の隣接したアミノ酸を持つBRCA2ポリペプチドの断片または活性部分を コードするヌクレオチド配列を有する核酸分子。 17. 図6に示される核酸配列を持つBRCA2プロモーター領域、またはBRCA2核 酸の転写を開始することが可能なその一部を更に含む請求の範囲1〜15項のい ずれか1項に記載の核酸分子。 18. 発現を支配するように制御配列に機能可能に連結された請求の範囲1項 〜17項のいずれか1項に記載の核酸を有する複製可能なベクター。 19. BRCA2ポリペプチドをコードする核酸の発現を促進するように機能可能 に連結された、請求の範囲15項に記載の核酸を更に含む請求の範囲18項に記 載のベクター。 20. 請求の範囲13または19項のベクターにより形質転換された宿主細胞 。 21. 請求の範囲20項に記載の宿主細胞を、BRCA2ポリペプチドが産生され るように培養することを含む、BRCA2ポリペプチドの製造方法。 22. 産生されるポリペプチドを回収する工程を更に含む請求の範囲21項に 記載の方法。 23. 標識を更に含む、請求の範囲1項〜17項のいずれか1項に記載の核酸 分子またはその相補体。 24. 医学的処置の方法において使用される請求の範囲1項〜17項のいずれ か1項に記載の核酸分子。 25. 請求の範囲3項または5項に記載の核酸によりコードされるBRCA2ポリ ペプチドである物質。 26. 図3に示されるアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドである物質。 27. 図5に示されるアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドである物質。 28. 図7に示されるアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドである物質。 29. 図3、5または7のいずれか一つに示されるアミノ酸配列を含むBRCA2 ポリペプチドに対して少なくとも80%の相同性を有するポリペプチドである物 質。 30. 請求の範囲24項〜29項のBRCA2ポリペプチドの変異体、誘導体また は対立遺伝子であるポリペプチドである物質。 31. 図3,5または7のいずれか一つに示されるアミノ酸配列を含むBRCA2 ポリペプチドの断片または活性部分または機能的模倣物である物質。 32. 更に標識を含む請求の範囲24項〜31項のいずれか1項に記載の物質 。 33. 医学的処置の方法において使用される請求の範囲24項〜32項のいず れか1項に記載の物質。 34. 請求の範囲24項〜32項のいずれか1項に記載のBRCA2ポリペプチド に特異的に結合可能な抗体。 35. 更に標識を含む請求の範囲34項に記載の抗体。 36. 請求の範囲24項〜32項のいずれか1項に記載の物質を含んでなる医 薬組成物。 37. 請求の範囲34項または35項のいずれか1項に記載の抗体を含んでな る医薬組成物。 38. 医薬的に許容される担体を付加的に含む請求の範囲36項または37項 に記載の医薬組成物。 39. 患者由来の試料をBRCA2遺伝子またはそれによりコードされるポリペプ チドについて分析することによる患者の癌に対する感受性またはかかりやすい素 質を診断する方法であって、 (a)試料中の核酸の配列を図1,2,4または7に示すBRCA2核酸配 列と対比して、患者由来の試料が変異を含むか否かを決定する;または (b)試料中の、図3及び5の部分配列に示されるBRCA2遺伝子により コードされるポリペプチド、または図7に示される全長配列によりコードされる ポリペプチドの存在を測定し、並びに存在する場合にはポリペプチドが完全長で あるか、及び/または変異しているか、及び/または正常濃度で発現されたもの であるかを測定する;または (c)患者由来の核酸試料を制限酵素が切断して生じる制限パターンを 、図1,2,4または7に示される配列を含む正常BRCA2遺伝子または一つ以上 の突然変異あるいは表1に示される突然変異を含むBRCA2遺伝子から得られる制 限パターンと対比するために、DNA指紋検査を使用する;または (d)図1,2,4または7に示されるBRCA2核酸配列(正常配列また は既知の変異配列のいずれか)に結合し得て、BRCA2配列とハイブリダイズし得 る核酸を含む特異的結合メンバー、または天然若しくは変異BRCA2核酸配列ある いはそれによりコードされるポリペプチドに対して特異性を有する抗体領域を有 してなる物質を使用し、並びに該特異的結合メンバーの結合相手に対する結合を 、標識手段により検出する;または (e)患者由来の試料中の正常または変異BRCA2遺伝子についてスクリ ー ニングするために、図1,2,4または7に示される正常BRCA2遺伝子配列また はその変異形態に基づく1種以上のプライマーを含んでなるPCRを使用する、 ことを含む診断方法。 40. 患者試料が、単鎖形態多形性(SSCP)及び/またはタンパク質切断(PTT) アッセイによりアッセイされる請求の範囲39項に記載の方法。 41. 図1,2,4または7のいずれか一つに示される配列の一部を有する核 酸プローブを使用して試験試料中の標的核酸を同定する方法であって、該プロー ブをハイブリダイゼーション条件下で試験試料と接触させ、ハイブリダイゼーシ ョンが起きたか否かを観測することを含んでなる標的核酸の同定方法。 42. 該プローブがBRCA2核酸配列またはその対立遺伝子変異を同定するため に使用される請求の範囲41項に記載の方法。 43. 該プローブが、非ヒト哺乳動物種のBRCA2核酸配列を同定するために使 用される請求の範囲41項に記載の方法。 44. 患者由来の核酸試料中の一つ以上の変異の存在を、図1,2,4または 7に示される配列若しくはその一部、またはその相補配列を有する一つ以上の対 立遺伝子特異的核酸プローブを使用して測定する方法であって、該プローブをハ イブリダイゼーション条件下で試験試料と接触させ、ハイブリダイゼーションが 起きたか否かを観測することを含んでなる変異の存在の測定方法。 45. 複数個の対立遺伝子特異的プローブが使用され、該プローブが固体担体 上の列に固定化され、核酸試料のプローブに対するハイブリダイゼーションが標 識手段により検出される請求の範囲44項に記載の方法。 46. 変異が、表1に示される1種以上を含む請求の範囲44項または45項 に記載の方法。 47. 癌治療用薬剤の調製における請求の範囲1項〜17項のいずれか1項に 記載の核酸分子の使用。 48. 癌が、女性乳癌、男性乳癌、卵巣癌、前立腺癌、直腸癌、眼球黒色腫ま たは白血病である請求の範囲47項に記載の使用。 49. 核酸分子が、BRCA2核酸、前駆mRNAまたは成熟mRNAの相補的配列にハイ ブリダイズ可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、BRCA2核酸の発現 が低減または阻止される請求の範囲47または48項に記載の使用。 50. 核酸の使用が遺伝子治療におけるものである請求の範囲48または49 項に記載の使用。 51. ポリメラーゼ連鎖反応における使用のためのプライマーの設計における 請求の範囲1〜17項のいずれか1項に記載の核酸配列の使用。 52. 患者由来の核酸試料中の変異の存在を検出するための、核酸プローブの 設計における請求の範囲1〜17項のいずれか1項に記載の核酸配列の使用。 53. プロもオーターの制御下で核酸の発現を調節する物質のスクリーニング における、図6に示されるBRCA2プロモーター領域の全てまたは機能領域をコー ドする核酸の使用。 54. 表4に示されるBRCA2アミノ酸モチーフを有し、該モチーフは図3,5 または7のいずれか一つに示されるヒトBRCA2配列と他の種の配列との間で保存 されるポリペプチド。 55. 癌治療用医薬の調製における請求の範囲25〜32項のいずれか1項に 記載の物質の使用。 56. 癌が、女性乳癌、男性乳癌、卵巣癌、前立腺癌、直腸癌、眼性黒色腫ま たは白血病である請求の範囲55項に記載の使用。 57. 細胞内のBRCA2ポリペプチドまたはその変異形態の存在、量及び位置の 決定のための請求の範囲34または35項に記載の抗体の使用。 58. 該物質の結合パートナーのスクリーニングのための請求の範囲25〜3 2項のいずれか1項に記載の物質の使用。 59. BRCA2ポリペプチドまたはその部分の活性を模倣する物質のスクリーニ ング方法であって、試験物質をBRCA2特異的結合パートナーと接触させ、及び該 試験物質が該特異的結合パートナーと結合したか否かを測定することを含んでな るスクリーニング方法。 60. 該特異的パートナーと結合する該物質を、癌治療剤としての活性につい て試験することを更に含む請求の範囲55項に記載の方法。 61. 請求の範囲25〜32のいずれか1項に記載のBRCA2ポリペプチドの活 性に影響を与えるかまたは調節する物質のスクリーニング方法であって、1種以 上の試験物質を、反応媒体中にてBRCA2ポリペプチドと接触させ、処理BRCA2ポリ ぺプチドの活性を試験し、及び活性を試験物質により処理されていない相当する 反応媒体中のBRCA2ポリペプチドの活性と比較することを含んでなるスクリーニ ング方法。 62. 癌に対する感受性に関連するBRCA2遺伝子における変異を検出するため のキットであって、変異BRCA2核酸配列に対して特異的に結合しうる1種以上の 核酸 プローブを含むキット。 63. 癌に対する感受性に関連するBRCA2遺伝子における変異を検出するため のキットであって、変異BRCA2核酸配列に対して特異的に結合しうる1種以上の 抗体を含むキット。 64. BRCA2核酸配列またはその対立遺伝子の増幅に使用すべく、図1,2, 4または7のいずれか一つに示される核酸配列の一部に対応するかまたは相補的 である配列を有する少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーを含んでな るキット。 65. 該プライマーが、単鎖配位多形性(SSCP)により、及び/またはタンパ ク質切断(PTT)試験によりBRCA2遺伝子の変異を検出するためのプライマーであ る請求の範囲64項に記載のキット。 66. 個体からの核酸試料中の一つ以上の変異の存在を測定するためのキット であって、 (a)図1,2,4または7に示される配列、若しくはそれに相補的な 部分に対応する配列を有する1種以上の対立遺伝子特異的核酸プローブ、及び/ または変異BRCA2核酸配列に対して特異的に結合しうる1種以上の抗体が固定化 されてなる固体支持体;及び (b)該プローブまたは抗体とハイブリダイズした試料核酸の存在に標 識を与えるか、または試料核酸にハイブリダイズしないプローブまたは抗体に標 識を与えるための標識 を含んでなるキット。 67. 標識が、該試料と支持体との接触に先行して、核酸試料への結合を許容 される請求の範囲66項に記載のキット。 68. 該標識が現像試薬に伴われ、該現像試薬は該プローブまたは抗体とハイ ブリダイズした試料核酸に結合可能であるか、または試料核酸にハイブリダイズ しないプローブまたは抗体に結合可能である請求の範囲66項に記載のキット。 69. 正常BRCA2対立遺伝子を有するキメラ動物。 70. 表1に示す変異の1種以上を有するBRCA2対立遺伝子を有するキメラ動 物。 【手続補正書】 【提出日】平成11年5月13日(1999.5.13) 【補正内容】 特許請求の範囲 1. 図1または2に示される核酸配列またはその対立遺伝子をを含む単離され た核酸分子。 2. 単離された核酸分子であって、 (a)図2に示される一つ以上のエキソンを含む核酸分子;または (b)図1または2に示される核酸配列と70%より大きい配列同一性 を持つ核酸分子 を含む核酸分子。 3. 完全長コード配列または完全BRCA2遺伝子を含む単離された核酸分子であ って: (a)cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプロ ーブを構築するために、図1または2に示す核酸配列を使用し、得られたよう性 クローンを配列決定し、及びこの工程を反復して、斯くして得られた配列から完 全長のBRCA2配列を組み上げる; (b)図1または2に示される配列を、BRCA2核酸断片をプライミング するためのオリゴヌクレオチドを得るために使用し、ここにおいて該オリゴヌク レオチドはBRCA2配列の断片を含むライブラリー中の核酸断片をPCRにより増幅す るために、クローニングベクターからプライミングするように設計され、増幅断 片を配列決定してBRCA2配列を、配列の既知部分とクローニングベクターとの間 に得、この工程を反復して、斯くして得られた配列から完全長のBRCA2配列を組 み上げる;及び/または (c)cDNAがオリゴヌクレオチドリンカーに連結される、多くの異なっ た組織RNAからcDNAを合成することによりcDNA末端の迅速増幅(RACE)を使用 し、BRCA2 cDNAを、図1のBRCA2 cDNA配列からプライミングする第1のプライマ ー及びオリゴヌクレオチドリンカーからプライミングする第2のプライマーを使 用してPCRにより増幅し、増幅核酸の配列決定を行い、及びこの工程を反復し 、 斯くして得られた配列から全長BRCA2配列を組み立てる、 によって得ることが出来る核酸分子。 4. 図4に示される核酸配列またはその対立遺伝子を含んでなる単離された核 酸分子。 5. 単離された核酸分子であって、 (a)図4に示される核酸配列の断片を含む核酸分子で、該断片は少な くとも20核酸の長さである;または (b)図4に示される核酸配列と70%より大きい配列同一性を持つ核 酸分子 を含む核酸分子。 6. 完全長コード配列または完全BRCA2遺伝子を含む単離された核酸分子であ って: (a)cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプロ ーブを構築するために、図1、2または4に示す核酸配列を使用し、得られたよ う性クローンを配列決定し、及びこの工程を反復して、斯くして得られた配列か ら完全長のBRCA2配列を組み上げる; (b)図1、2または4に示される配列を、BRCA2核酸断片をプライミ ングするためのオリゴヌクレオチドを得るために使用し、ここにおいて該オリゴ ヌクレオチドはBRCA2配列の断片を含むライブラリー中の核酸断片をPCRにより増 幅するために、クローニングベクターからプライミングするように設計され、増 幅断片を配列決定してBRCA2配列を、配列の既知部分とクローニングベクターと の間に得、この工程を反復して、斯くして得られた配列から完全長のBRCA2配列 を組み上げる;及び/または (c)cDNAがオリゴヌクレオチドリンカーに連結される、多くの異なっ た組織RNAからcDNAを合成することによりcDNA末端の迅速増幅(RACE)を使用 し、BRCA2 cDNAを、図1または4のBRCA2 cDNA配列からプライミングする第1の プライマー及びオリゴヌクレオチドリンカーからプライミングする第2のプライ マーを使用してPCRにより増幅し、増幅核酸の配列決定を行い、及びこの工程 を反復し、斯くして得られた配列から全長BRCA2配列を組み立てる、 によって得ることが出来る核酸分子。 7. 請求の範囲3または6項において得られ得るBRCA2核酸分子の対立遺伝子 または変異体である単離された核酸分子。 8. 図3に示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を有する単離された核酸分子。 9. 図5に示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を有する単離された核酸分子。 10. 図7に示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレ オチド配列を有する単離された核酸分子。 11. 図3、5または7のいずれか一つに示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリ ペプチドの対立遺伝子であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有す る単離された核酸分子。 12. 図3、5または7のいずれか一つに示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリ ペプチドに対して80%より大きい相同性を有するポリペプチドをコードする請 求の範囲9項に記載の核酸分子。 13. 分子が表1に示される1種以上の変異を有する請求の範囲11または1 2項に記載の核酸分子。 14. 6174delT変異を有する請求の範囲13項に記載の核酸分子。 15. 6503delTT変異を有する請求の範囲13項に記載の核酸分子。 16. 図3、5または7のいずれか一つに示すアミノ酸配列と同一である少な くとも7の隣接したアミノ酸を持つBRCA2ポリペプチドの断片をコードするヌク レオチド配列を有する単離された核酸分子。 17. BRCA2ポリペプチドの断片が図3、5または7のいずれか一つに示すア ミノ酸配列と同一である少なくとも20の隣接したアミノ酸を持つ請求の範囲1 6の核酸分子。 18. 図6に示される核酸配列を持つBRCA2プロモーター領域、またはBRCA2核 の転写を開始することが可能なその一部を更に含む請求の範囲1〜17項のいず れか1項に記載の核酸分子。 19. 発現を支配するように制御配列に機能可能に連結された請求の範囲1項 〜17項のいずれか1項に記載の核酸を有する複製可能なベクター。 20. 請求の範囲18項のベクターにより形質転換された宿主細胞。 21. 請求の範囲20項に記載の宿主細胞を、BRCA2ポリペプチドが産生され るように培養することを含む、BRCA2ポリペプチドの製造方法。 22. 産生されるポリペプチドを回収する工程を更に含む請求の範囲21項に 記載の方法。 23. 標識を更に含む、請求の範囲1項〜17項のいずれか1項に記載の核酸 分子またはその相補体。 24. 医学的処置の方法において使用される請求の範囲1項〜17項のいずれ か1項に記載の単離された核酸分子。 25. 請求の範囲3項または6項に記載の核酸によりコードされるBRCA2ポリ ペプチドである物質。 26. 図3に示されるアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドである物質。 27. 図5に示されるアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドである物質。 28. 図7に示されるアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドである物質。 29. 図3、5または7のいずれか一つに示されるアミノ酸配列を含むBRCA2 ポリペプチドに対して少なくとも80%の相同性を有するポリペプチドである物 質。 30. 請求の範囲24項〜29項のBRCA2ポリペプチドの変異体、誘導体また は対立遺伝子であるポリペプチドである物質。 31. 図3,5または7のいずれか一つに示されるアミノ酸配列を含むBRCA2 ポリペプチドの断片または活性部分または機能的模倣物である物質。 32. BRCA2ポリペプチドの断片が図3、5または7のいずれか一つに示すア ミノ酸配列と同一である少なくとも20の隣接したアミノ酸を持つ請求の範囲3 1の核酸分子。 33. 更に標識を含む請求の範囲24項〜32項のいずれか1項に記載の物質 。 34. 医学的処置の方法において使用される請求の範囲24項〜33項のいず れか1項に記載の物質。 35. 請求の範囲24項〜32項のいずれか1項に記載のBRCA2ポリペプチド に特異的に結合可能な抗体。 36. 更に標識を含む請求の範囲35項に記載の抗体。 37. 請求の範囲24項〜32項のいずれか1項に記載の物質を含んでなる医 薬組成物。 38. 請求の範囲35項または36項のいずれか1項に記載の抗体を含んでな る医薬組成物。 39. 医薬的に許容される担体を付加的に含む請求の範囲37項または38項 に記載の医薬組成物。 40. 患者由来の試料をBRCA2遺伝子またはそれによりコードされるポリペプ チドについて分析することによる患者の癌に対する感受性またはかかりやすい素 質を診断する方法であって、 (a)試料中の核酸の配列を図1,2,4または7に示すBRCA2核酸配 列と対比して、患者由来の試料が変異を含むか否かを決定する;または (b)試料中の、図3及び5の部分配列に示されるBRCA2遺伝子により コードされるポリペプチド、または図7に示される全長配列によりコードされる ポリペプチドの存在を測定し、並びに存在する場合にはポリペプチドが完全長で あるか、及び/または変異しているか、及び/または正常濃度で発現されたもの であるかを測定する;または (c)患者由来の核酸試料を制限酵素が切断して生じる制限パターンを 、図1,2,4または7に示される配列を含む正常BRCA2遺伝子または一つ以上 の突然変異あるいは表1に示される突然変異を含むBRCA2遺伝子から得られる制 限パターンと対比するために、DNA指紋検査を使用する;または (d)図1,2,4または7に示されるBRCA2核酸配列(正常配列また は既知の変異配列のいずれか)に結合し得て、BRCA2配列とハイブリダイズし得 る核酸を含む特異的結合メンバー、または天然若しくは変異BRCA2核酸配列ある いはそれによりコードされるポリペプチドに対して特異性を有する抗体領域を有 してなる物質を使用し、並びに該特異的結合メンバーの結合相手に対する結合を 、標識手段により検出する;または (e)患者由来の試料中の正常または変異BRCA2遺伝子についてスクリ ーニングするために、図1,2,4または7に示される正常BRCA2遺伝子配列ま たはその変異形態に基づく1種以上のプライマーを含んでなるPCRを使用する 、 ことを含む診断方法。 41. 患者試料が、単鎖形態多形性(SSCP)及び/またはタンパク質切断(PTT) アッセイによりアッセイされる請求の範囲40項に記載の方法。 42. 図1,2,4または7のいずれか一つに示される配列の一部を有する核 酸プローブを使用して試験試料中の標的核酸を同定する方法であって、該プロー ブをハイブリダイゼーション条件下で試験試料と接触させ、ハイブリダイゼーシ ョンが起きたか否かを観測することを含んでなる標的核酸の同定方法。 43. 該プローブがBRCA2核酸配列またはその対立遺伝子変異を同定するため に使用される請求の範囲42項に記載の方法。 44. 該プローブが、非ヒト哺乳動物種のBRCA2核酸配列を同定するために使 用される請求の範囲42項に記載の方法。 45. 患者由来のBRCA2核酸試料中の一つ以上の変異の存在を測定する方法で あって、該方法は一つ以上の対立遺伝子特異的核酸プローブを使用し、各プロー ブは図1,2,4または7に示される配列若しくはその一部、またはその相補配 列であり、該方法は該プローブをハイブリダイゼーション条件下で試験試料と接 触 させ、ハイブリダイゼーションが起きたか否かを観測することを含んでなる変異 の存在の測定方法。 46. 複数個の対立遺伝子特異的プローブが使用され、該プローブが固体担体 上の列に固定化され、核酸試料のプローブに対するハイブリダイゼーションが標 識手段により検出される請求の範囲45項に記載の方法。 47. プローブが、表1に示される1種以上を含む請求の範囲45項または4 6項に記載の方法。 48. 癌治療用薬剤の調製における請求の範囲1項〜17項のいずれか1項に 記載の核酸分子の使用。 49. 癌が、女性乳癌、男性乳癌、卵巣癌、前立腺癌、直腸癌、眼球黒色腫ま たは白血病である請求の範囲48項に記載の使用。 50. 核酸分子が、BRCA2核酸、前駆mRNAまたは成熟mRNAの相補的配列にハイ ブリダイズ可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、BRCA2核酸の発現 が低減または阻止される請求の範囲48または49項に記載の使用。 51. 核酸の使用が遺伝子治療におけるものである請求の範囲49または50 項に記載の使用。 52. ポリメラーゼ連鎖反応における使用のためのプライマーの設計における 請求の範囲1〜17項のいずれか1項に記載の核酸配列の使用。 53. 患者由来の核酸試料中の変異の存在を検出するための、核酸プローブの 設計における請求の範囲1〜17項のいずれか1項に記載の核酸配列の使用。 54. プロもオーターの制御下で核酸の発現を調節する物質のスクリーニング における、図6に示されるBRCA2プロモーター領域の全てまたは機能領域をコー ドする核酸の使用。 55. 核酸配列の結合パターンに対してスクリーニングするための請求の範囲 1〜17項のいずれか一項の核酸配列の使用。 56. 請求の範囲1〜17項のいずれか一項の核酸配列に結合する物質に対す るスクリーニングの方法で、該方法は該核酸配列に試験物質を接触させ、該試験 物質が該核酸配列に結合するかどうかを測定することを含んでなる方法。 57. 表4に示されるBRCA2アミノ酸モチーフを有し、該モチーフは図3,5 または7のいずれか一つに示されるヒトBRCA2配列と他の種の配列との間で保存 されるポリペプチド。 58. 癌治療用医薬の調製における請求の範囲25〜33項のいずれか1項に 記載の物質の使用。 59. 癌が、女性乳癌、男性乳癌、卵巣癌、前立腺癌、直腸癌、眼性黒色腫ま たは白血病である請求の範囲58項に記載の使用。 60. 細胞内のBRCA2ポリペプチドまたはその変異形態の存在、量及び位置の 決定のための請求の範囲35または36項に記載の抗体の使用。 61. 該物質の結合パートナーのスクリーニングのための請求の範囲25〜3 3項のいずれか1項に記載の物質の使用。 62. BRCA2ポリペプチドまたはその部分の活性を模倣する物質のスクリーニ ング方法であって、試験物質をBRCA2特異的結合パートナーと接触させ、及び該 試験 物質が該特異的結合パートナーと結合したか否かを測定することを含んでなるス クリーニング方法。 63. 該特異的パートナーと結合する物質を、癌治療剤としての活性について 試験することを更に含む請求の範囲62項に記載の方法。 64. 請求の範囲25〜33のいずれか1項に記載のBRCA2ポリペプチドの活 性に影響を与えるかまたは調節する物質のスクリーニング方法であって、1種以 上の試験物質を、反応媒体中にてBRCA2ポリペプチドと接触させ、処理BRCA2ポリ ペプチドの活性を試験し、及び活性を試験物質により処理されていない相当する 反応媒体中のBRCA2ポリペプチドの活性と比較することを含んでなるスクリーニ ング方法。 65. 癌に対する感受性に関連するBRCA2遺伝子における変異を検出するため のキットであって、変異BRCA2核酸配列に対して特異的に結合しうる1種以上の 核酸プローブを含むキット。 66. 癌に対する感受性に関連するBRCA2遺伝子における変異を検出するため のキットであって、変異BRCA2核酸配列に対して特異的に結合しうる1種以上の 抗体を含むキット。 67. 少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーを含んでなるキットで 、該プライマーはBRCA2核酸配列またはその対立遺伝子の増幅に使用すべく、図 1,2,4または7のいずれか一つに示される核酸配列の断片、またはそれらと 相補的な配列であるキット。 68. 該プライマーが、単鎖配位多形性(SSCP)により、及び/またはタンパ ク質切断(PTT)試験によりBRCA2遺伝子の変異を検出するためのプライマーであ る請求の範囲67項に記載のキット。 69. 個体からの核酸試料中の一つ以上の変異の存在を測定するためのキット であって、 (a)1種以上の対立遺伝子特異的核酸プローブが固定化されてなる固 体支持体で、該プローブは図1,2,4または7に示される配列の断片、若しく はそれに相補的な配列、及び/または変異BRCA2核酸配列に対して特異的に結合 しうる1種以上の抗体であり;及び (b)該プローブまたは抗体とハイブリダイズした試料核酸の存在に標 識を与えるか、または試料核酸にハイブリダイズしないプローブまたは抗体に標 識を与えるための標識 を含んでなるキット。 70. 標識が、該試料と支持体との接触に先行して、核酸試料への結合を許容 される請求の範囲69項に記載のキット。 71. 該標識が現像試薬に伴われ、該現像試薬は該プローブまたは抗体とハイ ブリダイズした試料核酸に結合可能であるか、または試料核酸にハイブリダイズ しないプローブまたは抗体に結合可能である請求の範囲69項に記載のキット。 72. 正常BRCA2対立遺伝子を有するキメラ動物。 73. 表1に示す変異の1種以上を有するBRCA2対立遺伝子を有するキメラ動 物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 43/00 43/00 C07K 14/82 C07K 14/82 16/32 16/32 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 C12P 21/08 33/53 C12N 5/00 A // C12P 21/08 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 9617961.9 (32)優先日 平成8年8月28日(1996.8.28) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN (72)発明者 フュートリアル,フィリップ アンドリュ ー アメリカ合衆国 ノースキャロライナ 27710 ダーハム ピーオーボックス 2611 デューク ユニヴァーシティ メデ ィカル センター(番地なし) (72)発明者 ウースター,リチャード フランシス イギリス国 KT20 7ST サリー タ ドワース チェキエールス レーン ロー ズ コテージズ 1 (72)発明者 アシュワース,アラン イギリス国 SW10 9RF サウス ケ ンジントン ドレイトン グラデンズ 88 B (72)発明者 ストラットン,マイケル ルドルフ イギリス国 NW6 4ED ロンドン クレイトン ロード 6

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 図1または2に示されるBRCA2遺伝子の部分またはその対立遺伝子を含む 核酸分子。 2. 完全長コード配列または完全BRCA2遺伝子を含む核酸分子であって: (a)cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプロ ーブを構築するために、図1または2に示す核酸配列を使用し、得られたよう性 クローンを配列決定し、及びこの工程を反復して、斯くして得られた配列から完 全長のBRCA2配列を組み上げる; (b)図1または2に示される配列を、BRCA2核酸断片をプライミング するためのオリゴヌクレオチドを得るために使用し、ここにおいて該オリゴヌク レオチドはBRCA2配列の断片を含むライブラリー中の核酸断片をPCRにより増幅す るために、クローニングベクターからプライミングするように設計され、増幅断 片を配列決定してBRCA2配列を、配列の既知部分とクローニングベクターとの間 に得、この工程を反復して、斯くして得られた配列から完全長のBRCA2配列を組 み上げる;及び/または (c)cDNAがオリゴヌクレオチドリンカーに連結される、多くの異なっ た組織RNAからcDNAを合成することによりcDNA末端の迅速増幅(RACE)を使用 し、BRCA2 cDNAを、図1のBRCA2 cDNA配列からプライミングする第1のプライマ ー及びオリゴヌクレオチドリンカーからプライミングする第2のプライマーを使 用してPCRにより増幅し、増幅核酸の配列決定を行い、及びこの工程を反復し 、斯くして得られた配列から全長BRCA2配列を組み立てる、 によって得ることが出来る核酸分子。 3. 図4に示されるBRCA2遺伝子の一部またはその対立遺伝子を含んでなる核 酸分子。 4. 完全長コード配列または完全BRCA2遺伝子を含む核酸分子であって: (a)cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプロ ーブを構築するために、図1、2または4に示す核酸配列を使用し、得られたよ う性クローンを配列決定し、及びこの工程を反復して、斯くして得られた配列か ら完全長のBRCA2配列を組み上げる; (b)図1、2または4に示される配列を、BRCA2核酸断片をプライミ ングするためのオリゴヌクレオチドを得るために使用し、ここにおいて該オリゴ ヌクレオチドはBRCA2配列の断片を含むライブラリー中の核酸断片をPCRにより増 幅するために、クローニングベクターからプライミングするように設計され、増 幅断片を配列決定してBRCA2配列を、配列の既知部分とクローニングベクターと の間に得、この工程を反復して、斯くして得られた配列から完全長のBRCA2配列 を組み上げる;及び/または (c)cDNAがオリゴヌクレオチドリンカーに連結される、多くの異なっ た組織RNAからcDNAを合成することによりcDNA末端の迅速増幅(RACE)を使用 し、BRCA2 cDNAを、図1または4のBRCA2 cDNA配列からプライミングする第1の プライマー及びオリゴヌクレオチドリンカーからプライミングする第2のプライ マーを使用してPCRにより増幅し、増幅核酸の配列決定を行い、及びこの工程 を反復し、斯くして得られた配列から全長BRCA2配列を組み立てる、 によって得ることが出来る核酸分子。 5. 請求の範囲2または4項において得られ得るBRCA2核酸分子の対立遺伝子 または変異体である核酸分子。 6. 図3に示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を有する核酸分子。 7. 図5に示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を有する核酸分子。 8. 図7に示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドをコードするヌクレオ チ ド配列を有する核酸分子。 9. 図3、5または7のいずれか一つに示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペ プチドの変異体、誘導体または対立遺伝子であるポリペプチドをコードするヌク レオチド配列を有する核酸分子。 10. 図3、5または7のいずれか一つに示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリ ペプチドに対して少なくとも80%の相同性を有するポリペプチドをコードする 請求の範囲9項に記載の核酸分子。 11. 分子が表1に示される1種以上の変異を有する請求の範囲9または10 項に記載の核酸分子。 12. 6174delT変異を有する請求の範囲11項に記載の核酸分子。 13. 6503delTT変異を有する請求の範囲11項に記載の核酸分子。 14. 図3、5または7のいずれか一つに示すアミノ酸配列を含むBRCA2ポリ ペプチドの断片または活性部分をコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子 。 15. 核酸配列が図6に示されるBRCA2プロモーター領域の全てまたは一部を 更に含む請求の範囲1〜14項のいずれか1項に記載の核酸分子。 16. 発現を支配するように制御配列に機能可能に連結された請求の範囲1項 〜14項のいずれか1項に記載の核酸を有する複製可能なベクター。 17. BRCA2ポリペプチドをコードする核酸の発現を促進するように機能可能 に連結された、請求の範囲15項に記載の核酸を更に含む請求の範囲16項に記 載のベクター。 18. 請求の範囲16または17項のベクターにより形質転換された宿主細胞 。 19. 請求の範囲18項に記載の宿主細胞を、BRCA2ポリペプチドが産生され るように培養することを含む、BRCA2ポリペプチドの製造方法。 20. 産生されるポリペプチドを回収する工程を更に含む請求の範囲19項に 記載の方法。 21. 標識を更に含む、請求の範囲1項〜15項のいずれか1項に記載の核酸 分子またはその相補体。 22. 医学的処置の方法において使用される請求の範囲1項〜15項のいずれ か1項に記載の核酸分子。 23. 請求の範囲2項または4項に記載の核酸によりコードされるBRCA2ポリ ペプチドである物質。 24. 図3に示されるアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドである物質。 25. 図5に示されるアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドである物質。 26. 図7に示されるアミノ酸配列を含むBRCA2ポリペプチドである物質。 27. 図3、5または7のいずれか一つに示されるアミノ酸配列を含むBRCA2 ポリペプチドに対して少なくとも80%の相同性を有するポリペプチドである物 質。 28. 請求の範囲22項〜27項のBRCA2ポリペプチドの変異体、誘導体また は対立遺伝子であるポリペプチドである物質。 29. 図3,5または7のいずれか一つに示されるアミノ酸配列を含むBRCA2 ポリペプチドの断片または活性部分または機能的模倣物である物質。 30. 更に標識を含む請求の範囲22項〜29項のいずれか1項に記載の物質 。 31. 医学的処置の方法において使用される請求の範囲22項〜30項のいず れか1項に記載の物質。 32. 請求の範囲22項〜30項のいずれか1項に記載のBRCA2ポリペプチド に特異的に結合可能な抗体。 33. 更に標識を含む請求の範囲32項に記載の抗体。 34. 請求の範囲22項〜30項のいずれか1項に記載の物質を含んでなる医 薬組成物。 35. 請求の範囲32項または33項のいずれか1項に記載の抗体を含んでな る医薬組成物。 36. 医薬的に許容される担体を付加的に含む請求の範囲34項または35項 に記載の医薬組成物。 37. 患者由来の試料をBRCA2遺伝子またはそれによりコードされるポリペプ チドについて分析することによる患者の癌に対する感受性またはかかりやすい素 質を診断する方法であって、 (a)試料中の核酸の配列を図1,2,4または7に示すBRCA2核酸配 列と対比して、患者由来の試料が変異を含むか否かを決定する;または (b)試料中の、図3及び5の部分配列に示されるBRCA2遺伝子により コ ードされるポリペプチド、または図7に示される全長配列によりコードされるポ リペプチドの存在を測定し、並びに存在する場合にはポリペプチドが完全長であ るか、及び/または変異しているか、及び/または正常濃度で発現されたもので あるかを測定する;または (c)患者由来の核酸試料を制限酵素が切断して生じる制限パターンを 、図1,2,4または7に示される配列を含む正常BRCA2遺伝子またはそれらの 既知の変異から得られる制限パターンと対比するために、DNA指紋検査を使用 する;または (d)図1,2,4または7に示されるBRCA2核酸配列(正常配列また は既知の変異配列のいずれか)に結合し得て、BRCA2配列とハイブリダイズし得 る核酸を含む特異的結合メンバー、または天然若しくは変異BRCA2核酸配列ある いはそれによりコードされるポリペプチドに対して特異性を有する抗体領域を有 してなる物質を使用し、並びに該特異的結合メンバーの結合相手に対する結合を 、標識手段により検出する;または (e)患者由来の試料中の正常または変異BRCA2遺伝子についてスクリ ーニングするために、図1,2,4または7に示される正常BRCA2遺伝子配列ま たはその変異形態に基づく1種以上のプライマーを含んでなるPCRを使用する 、 ことを含む診断方法。 38. 患者試料が、単鎖形態多形性(SSCP)及び/またはタンパク質切断(PTT) アッセイによりアッセイされる請求の範囲37項に記載の方法。 39. 図1,2,4または7のいずれか一つに示される配列の一部を有する核 酸プローブを使用して試験試料中の標的核酸を同定する方法であって、該プロー ブをハイブリダイゼーション条件下で試験試料と接触させ、ハイブリダイゼーシ ョンが起きたか否かを観測することを含んでなる標的核酸の同定方法。 40. 該プローブがBRCA2核酸配列またはその対立遺伝子変異を同定するため に使用される請求の範囲39項に記載の方法。 41. 該プローブが、別の種のBRCA2核酸配列を同定するために使用される請 求の範囲39項に記載の方法。 42. 患者由来の核酸試料中の一つ以上の変異の存在を、図1,2,4または 7に示される配列若しくはその一部、またはその相補配列を有する一つ以上の対 立遺伝子特異的核酸プローブを使用して測定する方法であって、該プローブをハ イブリダイゼーション条件下で試験試料と接触させ、ハイブリダイゼーションが 起きたか否かを観測することを含んでなる変異の存在の測定方法。 43. 複数個の対立遺伝子特異的プローブが使用され、該プローブが固体担体 上の列に固定化され、核酸試料のプローブに対するハイブリダイゼーションが標 識手段により検出される請求の範囲42項に記載の方法。 44. 変異が、表1に示される1種以上を含む請求の範囲42項または43項 に記載の方法。 45. 癌治療用薬剤の調製における請求の範囲1項〜15項のいずれか1項に 記載の核酸分子の使用。 46. 癌が、女性乳癌、男性乳癌、卵巣癌、前立腺癌、直腸癌、眼球黒色腫ま たは白血病である請求の範囲45項に記載の使用。 47. 核酸分子が、BRCA2核酸、前駆mRNAまたは成熟mRNAの相補的配列にハイ ブリダイズ可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、BRCA2核酸の発現 が低減または阻止される請求の範囲45または46項に記載の使用。 48. 核酸の使用が遺伝子治療におけるものである請求の範囲45項に記載の 使用。 49. ポリメラーゼ連鎖反応における使用のためのプライマーの設計における 請求の範囲1〜15項のいずれか1項に記載の核酸配列の使用。 50. 患者由来の核酸試料中の変異の存在を検出するための、核酸プローブの 設計における請求の範囲1〜15項のいずれか1項に記載の核酸配列の使用。 51. プロもオーターの制御下で核酸の発現を調節する物質のスクリーニング における、図6に示されるBRCA2プロモーター領域の全てまたは機能領域をコー ドする核酸の使用。 52. 表4に示されるBRCA2アミノ酸モチーフを有し、該モチーフは図3,5 または7のいずれか一つに示されるヒトBRCA2配列と他の種の配列との間で保存 されるポリペプチド。 53. 癌治療用医薬の調製における請求の範囲23〜30項のいずれか1項に 記載の物質の使用。 54. 癌が、女性乳癌、男性乳癌、卵巣癌、前立腺癌、直腸癌、眼性黒色腫ま たは白血病である請求の範囲53項に記載の使用。 55. 細胞内のBRCA2ポリペプチドまたはその変異形態の存在、量及び位置の 決定のための請求の範囲32または33項に記載の抗体の使用。 56. 該物質の結合パートナーのスクリーニングのための請求の範囲23〜3 0項のいずれか1項に記載の物質の使用。 57. BRCA2ポリペプチドまたはその部分の活性を模倣する物質のスクリーニ ング方法であって、試験物質をBRCA2特異的結合パートナーと接触させ、及び該 試験 物質が該特異的結合パートナーと結合したか否かを測定することを含んでなるス クリーニング方法。 58. 該特異的パートナーと結合する該物質を、癌治療剤としての活性につい て試験することを更に含む請求の範囲57項に記載の方法。 59. 請求の範囲23〜30のいずれか1項に記載のBRCA2ポリペプチドの活 性に影響を与えるかまたは調節する物質のスクリーニング方法であって、1種以 上の試験物質を、反応媒体中にてBRCA2ポリペプチドと接触させ、処理BRCA2ポリ ペプチドの活性を試験し、及び活性を試験物質により処理されていない相当する 反応媒体中のBRCA2ポリペプチドの活性と比較することを含んでなるスクリーニ ング方法。 60. 癌に対する感受性に関連するBRCA2遺伝子における変異を検出するため のキットであって、変異BRCA2核酸配列に対して特異的に結合しうる1種以上の 核酸プローブを含むキット。 61. 癌に対する感受性に関連するBRCA2遺伝子における変異を検出するため のキットであって、変異BRCA2核酸配列に対して特異的に結合しうる1種以上の 抗体を含むキット。 62. BRCA2核酸配列またはその対立遺伝子の増幅に使用すべく、図1,2, 4または7のいずれか一つに示される核酸配列の一部に対応するかまたは相補的 である配列を有する少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーを含んでな るキット。 63. 該プライマーが、単鎖配位多形性(SSCP)により、及び/またはタンパ ク質切断(PTT)試験によりBRCA2遺伝子の変異を検出するためのプライマーであ る請求の範囲62項に記載のキット。 64. 個体からの核酸試料中の一つ以上の変異の存在を測定するためのキット であって、 (a)図1,2,4または7に示される配列、若しくはそれに相補的な 部分に対応する配列を有する1種以上の対立遺伝子特異的核酸プローブ、及び/ または変異BRCA2核酸配列に対して特異的に結合しうる1種以上の抗体が固定化 されてなる固体支持体;及び (b)該プローブまたは抗体とハイブリダイズした試料核酸の存在に標 識を与えるか、または試料核酸にハイブリダイズしないプローブまたは抗体に標 識を与えるための標識 を含んでなるキット。 65. 標識が、該試料と支持体との接触に先行して、核酸試料への結合を許容 される請求の範囲64項に記載のキット。 66. 該標識が現像試薬に伴われ、該現像試薬は該プローブまたは抗体とハイ ブリダイズした試料核酸に結合可能であるか、または試料核酸にハイブリダイズ しないプローブまたは抗体に結合可能である請求の範囲64項に記載のキット。 67. 正常BRCA2対立遺伝子を有するキメラ動物。 68. 表1に示す変異の1種以上を有するBRCA2対立遺伝子を有するキメラ動 物。
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