JP2001506423A - 高電圧抵抗及びこのような高電圧抵抗を有する高電圧電源 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は電気絶縁材料のほぼ方形の基板を有する高電圧抵抗に関するものである。この基板の両端に２つの電極が設けられ、これら電極が曲がりくねった形状の抵抗層により互いに接続されている。本発明によれば、基板の１つの側面又は、互いに対向する両側面に１つ以上の凹所を形成する。この種類の高電圧抵抗又はこのような高電圧抵抗を有する高電圧電源は、より一層高電圧で動作させることができるか或いはその耐用年数を一層長くすることができ、又はこれらの双方を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 高電圧抵抗及びこのような高電圧抵抗を有する高電圧電源 本発明は、電気絶縁材料のほぼ方形の基板を有する高電圧抵抗であって、この 基板の両端に２つの電極が設けられ、これら電極が曲がりくねった形状の抵抗層 により互いに接続されている当該高電圧抵抗に関するものである。本発明は更に 、変圧器又は電圧増倍器と高電圧抵抗とを絶縁体中に型成形してある高電圧電源 にも関するものである。高電圧抵抗や、このような高電圧抵抗が設けられている 高電圧電源は特に、モニタや表示管に用いられる。 上述した種類の高電圧抵抗は、欧州特許出願第96203033.4号（W098/19316:特 願平10-520230）明細書で説明されている。この欧州特許出願明細書に記載され ている高電圧抵抗は酸化アルミニウムの電気絶緑基板を有し、この基板上に、焼 結した厚膜ペーストより成る曲がりくねった形状の抵抗層がスクリーン印刷によ り設けられている。この抵抗層の端部には、同じくスクリーン印刷により、焼結 されたAgPdの２つの電極が設けられている。 本発明者は、上述した高電圧抵抗を２０ＫＶ以上の高電圧で動作させた場合に 、多数の重大な欠点が生じるということを確かめた。これらの抵抗をこのような 状況の下で用いる場合、これら抵抗は一般に絶縁体、例えばエポキシ樹脂中に型 成形されている。このような絶縁体中の高電圧抵抗に行った温度サイクル試験に よれば、上述した高電圧時にブレークダウンが生じるおそれがあることが分った 。更に、これらの試験により、絶縁体に不所望な亀裂が生じるおそれがあること が分った。これらの不所望な影響は、抵抗又は高電圧電源の耐用年数の長期化に とって障害となる。 本発明の目的は、上述した欠点を回避することにある。特に、本発明は、同じ 寸法及び同じ構成で一層高電圧で動作させることができるか或いは一層長い耐用 年数を呈することができ、又はこれらの双方を達成することができる高電圧抵抗 を提供することを目的とする。更に、エポキシ樹脂に亀裂が形成されるのを低減 させる必要がある。本発明の他の目的は、変圧器又は電圧増倍器と高電圧抵抗と を絶縁体中に型成形してある高電圧電源であって、この高電圧電源が一層高い電 圧で動作しうるか或いは一層長い耐用年数を有するか、又はこれらの双方を達成 しうる当該高電圧電源を提供することにある。 本発明の上述した目的及びその他の目的は、電気絶縁材料のほぼ方形の基板を 有する高電圧抵抗であって、この基板の両端に２つの電極が設けられ、これら電 極が曲がりくねった形状の抵抗層により互いに接続されている当該高電圧抵抗に おいて、前記基板の側面に１つ以上の凹所が形成されていることを特徴とする当 該高電圧抵抗により達成される。 本発明は、電極間の沿面放電が基板の側面に沿ってかなりの程度生じるという 実験的に得た認識に基づくものである。基板の側面に沿う沿面距離は１つ以上の 凹所を設けることによりかなり長くなる。その結果、電極間でブレークダウンが 生じるおそれが減少し、抵抗に一層高い電圧を印加しうるようになる。負荷が等 しい場合、本発明による手段によれば抵抗の耐用年数を増大させることができる 。 本発明の有利な例では、前記凹所が曲がりくねった形成の抵抗層間にまで延在 していることを特徴とする。このようにすることにより、両側面間の最短距離を かなり短くし、これにより絶縁体における機械的な歪を低減させる。これにより 、絶縁体に亀裂が生じるおそれが減少する。これにより、抵抗の耐用年数を長く する。 又、本発明は、変圧器又は電圧増倍器と高電圧抵抗とを絶縁体中に型成形して ある高電圧電源にも関するものである。本発明による高電圧電源では、上述した 高電圧抵抗を用いることを特徴とする。沿面距離を長くし、絶縁体中の機械的な 歪を低減させることにより、本発明による高電圧電源は一層高い電圧で動作でき るか或いはその耐用年数を延長でき、又はこれらの双方を達成できる。 本発明の上述した特徴及びその他の特徴は、以下の実施例の説明から明らかと なるであろう。図中、 図１は、本発明による高電圧抵抗の第１実施例の平面図を示し、 図２は、本発明による高電圧抵抗の第２実施例の平面図を示し、 図３は、本発明による高電圧電源を線図的に示す。 図面は、明瞭とするために、実際のものに正比例して描いていないことに注意 すべきである。 図１は、電気絶縁材料より成るほぼ方形の基板（２）を有する高電圧抵抗（１ ）を示す。この場合、電気絶縁材料として酸化アルミニウムを用いた。基板の寸 法は25.4mm×12.7mm×1.0mmである。電極（３，４）はAgPdペーストを用いたス クリーン印刷によりこの基板の両端に設けられている。これら電極（３，４）間 には曲がりくねった形状の抵抗層（５）が位置している。この層もスクリーン印 刷により設けられている。抵抗材料としては、ルテニウム酸鉛を含有するペース トを用いた。基板には、合成樹脂、例えばシリコン重合体より成る被膜（６）も 設けられている。 本発明によれば、電極が設けられている基板の端部間に位置する基板の側面に ３つの凹所（７）を形成する。これら凹所は、基板の製造後に或いは勿論基板の 製造中に打抜き、カッティング等により形成しうる。これら凹所は、図示するよ うに、曲がりくねった形状の抵抗層間にまで延在させるのが好ましい。これら凹 所（７）を形成することにより電極（３，４）間の基板の側面に沿う沿面距離を かなり長くする。その結果、電極間でブレークダウン（絶縁破壊）が生じるおそ れが減少し、抵抗に高電圧を印加しうる。 図２は、本発明による高電圧抵抗の好適実施例を示す。図１及び２では、同様 な部分に同じ符号を付した。この実施例では、基板の、対向する両側面に凹所を 形成する。この手段には、これら両側面間の最短距離が減少し、これにより、高 電圧抵抗を包囲する絶縁体における機械的な歪を減少させるという追加の利点が ある。その結果、この絶縁体に亀裂が形成されるおそれが減少する。 多数の同様な実験において、(基板中に凹所のない)多数の既知の高電圧抵抗Ａ の特性を，(基板の１つの側面に凹所を設けた)第１実施例による高電圧抵抗Ｂ及 び（基板の、対向する両側面に凹所を設けた）第２実施例による高電圧抵抗Ｃと 比較した。型Ａ、Ｂ及びＣの各々の、一連の２０個の高電圧抵抗をエポキシ樹脂 の絶縁体内に型成形した。次に、これら抵抗を２０ＫＶの直流電圧で温度サイク ル（循環）試験にかけた。この試験では、これら抵抗を３時間の間、順次に４０ ℃及び１００℃の温度に保った。１１、２０、２８及び３６回のそれぞれの温度 サイクル後に不良品の割合を決定した。表１ 例 １１ ２０ ２８ ３６ Ａ １００ ８５ ６０ ３５ Ｂ １００ １００ ９０ ７５ Ｃ １００ １００ １００ ９０ 表１は実験結果を示す。表１に示す百分率はこの表に示す温度サイクルの回数 後に試験を通った抵抗の個数の百分率である。この表１は、凹所の存在が高電圧 抵抗の耐用年数に好結果を及ぼすということも示している。凹所を基板の、対向 する両側面に形成した場合に、最大の効果が得られる。 図３は、この場合変圧器１１と高電圧抵抗１２とを有する、高電圧電源を線図 的に示す。これら双方の素子と、それ自体既知のスクリーン／フォーカスポテン シォメータ１３とがエポキシ材料の絶縁体中に型成形されている。このエポキシ 材料のハウジングを破線１４で線図的に示してある。本発明によれば、前述した 高電圧抵抗をこのハウジング内で使用する。変圧器１１は６つの巻線層を介して 初期電圧を設定する。高電圧抵抗１２の両端間には、この設定された全電圧の６ 分の４が印加される。表示管１５のＧ２及びＧ３電極はスクリーン／フォーカス ポテンシォメータを介して駆動しうる。 要するに、本発明の高電圧抵抗や、このような高電圧抵抗を有する高電圧電源 は、より一層高電圧で動作させることができるか或いはその耐用年数を一層長く することができ、又はこれらの双方を達成することができることが結論づけられ る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．電気絶縁材料のほぼ方形の基板を有する高電圧抵抗であって、この基板の両 端に２つの電極が設けられ、これら電極が曲がりくねった形状の抵抗層により 互いに接続されている当該高電圧抵抗において、 前記基板の側面に１つ以上の凹所が形成されていることを特徴とする高電圧 抵抗。 ２．請求の範囲１に記載の高電圧抵抗において、前記凹所が曲がりくねった形成 の抵抗層間にまで延在していることを特徴とする高電圧抵抗。 ３．請求の範囲１又は２に記載の高電圧抵抗において、前記基板の、互いに対向 する両側面に前記凹所が形成されていることを特徴とする高電圧抵抗。 ４．変圧器又は電圧増倍器と高電圧抵抗とを絶縁体中に型成形してある高電圧電 源において、請求の範囲１〜３のいずれか一項に記載の高電圧抵抗が用いられ ていることを特徴とする高電圧電源。