JP2001504846A - スティック状の制汗剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 制汗作用物質、水、疎水性相および乳化剤を含み、さらに組成物重量の少なくとも１０％のエタノールを含むことを特徴とする、人間の皮膚への局所的な適用に適したスティック状エマルジョン制汗剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 スティック状の制汗剤組成物 本発明は、スティック状の化粧品組成物に関する。特に、本発明は、スティッ ク状であり、エマルジョンであり、また制汗作用物質を含む、人間の皮膚に適用 するための組成物に関する。このようなスティック組成物は、通常は、スティッ クホルダーとともに使用することができる。 人間の皮膚に使用する制汗剤組成物は周知である。制汗作用物質は、主として （限定するわけではないが）、金属塩であることが多く、ごく一部の例を挙げる と、例えば塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、活性化アルミ ニウムクロロハイドレートおよびジルコニウムヒドロキシクロライドなどのアル ミニウム塩またはジルコニウム塩が挙げられ、これらは皮膚表面、特に脇の下の 発汗を減少または防止する傾向がある。 利用者の観点からの、局所的な制汗剤組成物の重要な特徴は、人間の皮膚に適 用した時に快感を覚えることである。特に、使用者の大部分が、制汗剤組成物を 使用したときのいわゆる「冷 却」感を認識していることが分かった。しかしながら、このような「冷却」感覚 は、主として防臭剤組成物にのみ見られる傾向があり、これらは制汗作用物質を 含んでいない。 通常は制汗剤スティック組成物となることができ、比較的多量のエタノールを 含む、安定なスティック状エマルジョン化粧品組成物を提供可能であることを本 発明者らは発見した。組成物中の水と組み合わせることで、エタノールは、組成 物適用時に非常に優れた冷却効果を示す。組成物の安定性は、エマルジョンの形 態であることで向上するが、これは単にエタノールを通常の葱濁液スティック組 成物に加えると軟化することかありこれは好ましくないからである。 米国特許ＵＳ−Ａ−４，６７３，５７０号（カーター・ウォレス（Ｃａｒｔｅ ｒ Ｗａｌｌａｃｅ）には、均一で透明なゲル状制汗剤組成物について記載され ており、この組成物はワックスや従来のゲル化剤を含まない。通常これらの組成 物は、揮発性シリコーン油、シリコーン乳化剤、不安定化補助乳化剤、水、不揮 発性緩和薬、カップリング剤、活性化制汗成分、補助剤の配合を含む。実施例の 組成物は、エタノールを含むが、組成物重量の４％を上限としている。 従って、本発明の第一の局面によれば、制汗作用物質、水、疎水性相、乳化剤 、およびエタノールを含み、組成物重量の少なくとも１０％のエタノールを含む ことを特徴とする人間の皮膚への局所的適用に適したスティック状のエマルジョ ン制汗剤組成物を提供する。 好ましくは、この組成物は１０〜２５％の間のエタノールを含む。好ましくは この組成物は、１２％〜１８％のエタノールを含む。組成物が約１０％未満のエ タノールを含む場合は、十分な冷却効果が得られず、一方組成物が約２５％を超 えるエタノールを含む場合は、組成物が軟らかくなりすぎる傾向がある。 乳化剤に関しては、組成物中に、０．１〜１０％、好ましくは０．１〜５％、 最も好ましくは０．２〜１％の量が存在することが好ましいが、その厳密な量は 組成物中の他の成分に応じて変化させることができる。乳化剤は、あらゆる適当 な乳化剤であってよいが、油中水型乳化剤であり、ＨＬＢ値が８未満、好ましく は５〜６の範囲のものが好ましい。組成物に含まれる乳化剤は、ソルビタン脂肪 酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール誘導体、ポリオキシエチレンラノ リン誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレ ングリコールステアリン酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオ キシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの界面活性剤を含むことができる。 特に適した乳化剤には、ラウリルジメチコーンコポリオールが含まれる。特に好 ましい乳化剤には、セチルジメチコーンコポリオール、およびＰＥＧ７水素化ヒ マシ油（例えば、アラセル９８９（Ａｒｌａｃｅｌ９８９）、インペリアル・ケ ミカル・インダストリーズ（Ｉｍｐｅｒｉａｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｉｎｄｕｓ ｔｒｉｅｓ）社製）およびこれらの混合物が含まれる。 また本発明による組成物は、疎水性相を含み、通常この相は構造剤（ｓｔｒｕ ｃｔｕｒａｎｔ）を含み、組成物重量の２〜３０％、好ましくは１０〜２５％の 量を含むことができる。ここでの「構造剤」とは、組成物を物理的および／また は化学的に変質させて、周囲条件において安定なスティックとするために有効な 物質のことである。適当な構造剤には、長鎖（例えばＣ₁₆〜Ｃ₂₈）脂肪酸や、脂 肪酸セッケン、ジベンジリジンアルジトールアセタールなどのゲル化剤や、合成 および天然ワックスや、その他の周知の構造剤が含まれる。 適当なワックスには、高融点ワックス、例えば７５〜1３０℃ の範囲に融点を有するものが含まれ、例えばシリコーンワックス、蜜蝋、カルナ ウバ蝋、ベーベリ蝋、カネリラ（ｃａｎｅｌｉｌｌａ）、モンタン蝋、オゾケラ イト、セレシン蝋、および水素化ヒマシ油（ヒマシ蝋）が含まれる。適当な合成 ワックスには、フィッシャートロプシュワックス（Ｆｉｓｃｈｅｒ−Ｔｒｏｐｓ ｃｈ ｗａｘ）、および微結晶性ワックスが含まれる。適当なワックスの例を、 カナダ特許ＣＡ−Ａ−２，１５２，７５４（メネン・カンパニー社（Ｔｈｅ Ｍ ｅｎｎｅｎ Ｃｏｍｐａｎｙ））に見ることができる。スティックの所望の硬度 を得るために、ワックスまたは構造剤を組み合わせて使用することもできる。特 に好ましい組み合わせは、ステアリルアルコールと水素化ヒマシ油である。最も 好ましい組み合わせは、パラフィンワックスと水素化ヒマシ油である。 本発明による組成物は、疎水性相の一部として、通常はこのような疎水性相に 使用される一種または複数種の油類など他の材料も含むことができる。 組成物中の制汗作用物質は、系内に乳化可能であるなら任意の周知の制汗作用 物質であってよいが、特にアルミニウムおよび／またはジルコニウムを主成分と する金属塩を含むことがで きる。制汗作用物質は、通常は組成物中に１０重量％以上の量で存在し、制汗性 の効果を付与するためのものである。通常は、組成物は、せいぜい２５重量％ま での制汗作用物質を含む。制汗性金属塩に関する詳細については、米国食品医薬 品局によって、制汗性金属塩の非限定的なリスト「処方箋のいらない人間用制汗 製剤、暫定的最終モノグラフ（Ａｎｔｉｐｅｒｓｐｉｒａｎｔ ｄｒｕｇ ｐｒ ｏｄｕｃｔｓ ｆｏｒ ｏｖｅｒｔｈｅ ｃｏｕｎｔｅｒ ｈｕｍａｎ ｕｓｅ ， ａ ｔｅｎｔａｔｉｖｅ ｆｉｎａｌ ｍｏｎｏｇｒａｐｈ）」官報４７： ３６５９２（１９８２）が提供されている。 組成物は、水も含み、通常は組成物中に５〜６０重量％、好ましくは１０〜３ ５重量％、より好ましくは１５〜２５重量％の量を含むことができる。 このように形成された化粧品組成物は、感覚的に満足のいく硬度を有するエマ ルジョン製品であり、スティック容器などの適当な容器から容易に使用すること ができる。 本発明の好ましい局面では、組成物には、さらにマスキング油が含まれ、通常 は組成物の３〜４０重量％の量を含むことができる。適当なマスキング油として は、例えば、ポリデセン、 ポリブテン、ＰＰＧ−１４ブチルエーテル、不揮発性シリコーン類、ミリスチン 酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、Ｃ₁₂〜Ｃ₁₅アルキルの安息香酸エ ステルおよび鉱油か含まれる。 本発明による制汗剤組成物は、最終製品に要求される性質によって、他の成分 を含むことができる。 本発明による組成物に任意に含むことができる他の成分の例として、 − エタノール以外の化粧用許容可能賦形剤として、例えばイソプロパノール 又はイソブタノールなどの直鎖または分岐鎖低級アルコールなど、 − 他の揮発性および不揮発性シリコーン類として、ダウ・コーニング・フル イド（Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ ｆｌｕｉｄ）ＤＣ ３４４およびＤＣ ３４５ などのジメチルシクロシロキサン類や、ダウ・コーニング２００フルイド（標準 粘度５０〜１０００ｍｍ²ｓ^-1）などの粘度が５ｍｍ²ｓ^-1を超える（例えば、５ ０〜１００ｍｍ²ｓ^-1）ポリジメチルシロキサンなど、− 脱臭剤として、脱臭 量の他の金属塩、除香剤、および不飽和脂肪酸などの抗菌剤としても作用するこ とができる脱 臭性化合物、または他の抗菌剤が含まれ、例えばイルガサン（Ｉｒｇａｓａｎ） ＤＰ３００（チバ・ガイギー（ＣｉｂａＧｅｉｇｙ）社製）など、 − 疎水性油類として、液状パラフィン油など、 − 皮膚感触改善剤として、タルク、および例えばアキュミスト（Ａｃｕｍｉ ｓｔ）Ｂ１８などのポリエチレン微粉末など、 − 湿潤剤として、例えばグリセロールなどのポリオール類など、 − 緩和薬、 − 日焼け止め剤、 − 香料、 − 防腐剤および酸化防止剤、 − 皮膚有効剤（ｓｋｉｎ ｂｅｎｅｆｉｔ ａｇｅｎｔ）として、アラント インなど、 − 着色剤、 − さらなる皮膚冷却剤として、メントールおよびメントール誘導体など、 − 他の化粧品用添加剤として、スティック制汗剤製品に従来使用されるもの が含まれる。 本発明を、実施例によってより詳細に説明する。実施例１ 以下の組成物は、本発明による適当な組成物を表すものである。材料 ％ Ｗ／Ｗ セチルジメチコーンコポリオール（１） ０．４ ステアリルアルコール（２） １６．０ 水素化ヒマシ油（３） ４．０ 揮発性シクロメチコーン（４） ４．６ ポリデセン（５） ２０．０ エタノール １２．０ アルキルジメチコーンワックス（６） ２．０ ５０％アルミニウムクロロハイドレート水溶液 ４０．０ 香油 １．０ （１）Ａｂｉｌ ＥＭ９０、ＴＨゴールドシュミット（ＴＨＧｏｌｄｓｃｈｍｉ ｄｔ）社製（２）Ｌｏｒｏｌ Ｃ１８ ＤＥＯ、ヘンケル（Ｈｅｎｋｅｌ）社製 （３）Ｃａｓｔｏｒ Ｗａｘ ＭＰ８０、キャスケム（Ｃａｓ ｃｈｅｍ）社製 （４）ＤＣ３４５、ダウ・コ−ニング社製（５）Ｓｉｌｋｆｌｏ ３６４ＮＦ、 アルベマール（Ａｌｂｅｍａｒｌｅ）社製 （６）ＳＦ１６４２、ゼネラル・エレクトリック（Ｇｅｎｅｒａｌ Ｅｌｅｃｔ ｒｉｃ）社製実施例２ 材料 ％ Ｗ／Ｗ セチルジメチコーンコポリオール（１） ０．５ ステアリルアルコール（２） １４．０ 水素化ヒマシ油（３） ６．０ 揮発性シクロメチコーン（４） ７．０ ポリデセン（５） １７．０ エタノール １５．０ ５０％アルミニウムクロロハイドレート水溶液 ４０．０ 香油 ０．５ 本発明による組成物は、通常は、水性作用物質および香油を除いた組成物のす べての成分を溶解させ、通常は温度７５℃で還流下で揮発成分を維持しながら調 製することができる。次に、 組成物を高剪断条件下において制汗作用物質をゆるやかに加える。組成物は、適 当な速度で十分な時間剪断されることで、安定したエマルジョンを形成する。次 にこの組成物を冷却し、香油を加え、次いで適正な注入温度までさらに冷却し、 ステック容器に注入する。実施例３ 本実施例の目的は、本発明による組成物により得られる冷却効果を測定し、エ タノール／水量の少ないまたは含まない組成物の冷却効果と比較することである 。 組成物： （７）Ｒｅｚａｌ ６７溶液（水６０％）、Ｒｅｈｅｉｓ社製 （８）Ｍｉｃｒｏｄｒｙ ＡＣＨ、Ｒｅｈｅｉｓ社製 （９）ＥＳｔｏｌ ＥＯ４Ｄｓ３７２４、ユニケマ（Ｕｎｉｃｈｅｍａ）社製 方法： 各実験において、パネリスト一人の前腕の内側に、三種の製品をそれそれ約５ ｃｍ×５ｃｍの領域に適用した。適用した製品の重量は測定しなかったが、それ それがほぼ同じとなるように適用した。熱写真法（Ａｇｅｍａ装置）によって、 前腕の内側を一度に撮影した。製品は、撮影開始の１０秒後に適用した。撮影は 、３０秒ごとに５分間行なった。すべての試作品と製品について撮影するまで実 験を繰り返した。 結果：Ａ ５０％エタノールを含む市販の含水脱臭剤スティック Ｂ エタノールを含まない市販の無水制汗剤スティック 結果は、試料１および２のように組成物が比較的多量のエタノールおよび水を 含む組成物の場合は優れた冷却効果を示している（すなわち市販の脱臭剤製品と 比べて同等またはより優れている）が、エタノールは含むが水を含まない組成物 （試料４および５参照）の場合は冷却効果の劣る結果となった。さらに、エマル ジョン系は、冷却効果を延長させることが確認できる。試料３は、エタノールを 含まないが、エタノールを含まない市販の無水制汁剤スティックと同等の冷却効 果が見られた。これらの効果は、使用時と設定時間（２分間）後に認識した冷却 性の評価を求めた体感試験の被験者によって試験を行なうことで大まかに確認し た。実施例４ 本実施例は、エマルジョンスティックの冷却効果をさらに実証し、エタノール を含む均一制汗剤スティックと比較する。（１０）Ｃｈｌｏｒｈｙｄｒｏｌ、Ｒｅｈｅｉｓ社製 （１１）Ｓｙｎｃｒｏｗａｘ ＥＲＬＣ、Ｃｒｏｄａ社製 これらの組成物は、実施例３に記載のものと同様の熱画像法を用いて試験を行 ない、再び二種類の組成物ＣおよびＤも加えており、これらはアルミニウムクロ ロハイドレートを含みさらにそれぞれ１５％および２０％のエタノールを含むア ルミニウム無水制汗剤懸濁液スティックであり、エタノールを含む市販の脱臭剤 スティック（Ｅ）についても試験を行なった。 結果： 結果は、エマルジョンスティックが優れた冷却効果を示している。実施例５ 本発明による以下の試料を、体感試験の被験者による試験に使用した。スティ ックの冷却性の評価を、使用直後および２分後に行なった。 比較例として、通常のアルコール性脱臭剤スティック製品を使用した。パネリ ストの使用した評点は、１００〜０の範囲とした。０は最高の冷却効果を示す。 （１２）パラフィンはＳＰ１７３、ｓｔｒａｈｌ ＆ Ｐｉｔｓｃｈ社製 結果 結果は、本発明による制汗剤（試料１０〜１４）は、現在市場に出ているアル コール性脱臭剤スティックと同等であることを示している。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年１月１４日（１９９９．１．１４） 【補正内容】 組成物適用時に非常に優れた冷却効果を示す。組成物の安定性は、エマルジョン の形態であることで向上するが、これは単にエタノールを通常の葱濁液スティッ ク組成物に加えると軟化することがありこれは好ましくないからである。 米国特許ＵＳ−Ａ−４，６７３，５７０号（カーター・ウォレス（Ｃａｒｔｅ ｒ Ｗａｌｌａｃｅ）には、均一で透明なゲル状制汗剤組成物について記載され ており、これらの組成物はワックスや従来のゲル化剤を含まない。通常この組成 物は、揮発性シリコーン油、シリコーン乳化剤、不安定化補助乳化剤、水、不揮 発性緩和薬、カップリング剤、活性化制汗成分、補助剤の配合を含む。実施例の 組成物は、エタノールを含むが、組成物の４重量％を上限としている。 米国特許ＵＳ−Ａ−４，８２２，６０２号（プロクター・アンド・ギャンブル ・カンパニー(Tｈｅ Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ Ｃｏｍｐａｎｙ）） には、水溶性の脱臭剤または制汗作用物質、ジメチコーンコポリオール、選択さ れた揮発性シリコーン油、プロピレングリコール、Ｃ１〜Ｃ４−価アルコール、 水、凝固剤およびカップリング剤を含むスティック組成物について記載されてい る。カップリング剤は、極性成分と 非極性成分とを結台させて均一の組成物とする作用をもつ。 従って、本発明の第一の局面によれば、制汗作用物質、水、疎水性相、乳化剤 およびエタノールを含み、組成物重量の少なくとも１０％のエタノールを含むこ とを特徴とする、人間の皮膚への局所的適用に適したスティック状のエマルジョ ン制汗剤組成物を提供する。 好ましくは、この組成物は１０〜２５％の間のエタノールを含む。好ましくは この組成物は、１２％〜１８％のエタノールを含む。組成物が約１０％未満のエ タノールを含む場合は、十分な冷却効果が得られず、一方組成物が約２５％を超 えるエタノールを含む場合は、組成物が軟らかくなりすぎる傾向がある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ホウ，ゴードン・チヤールズ イギリス国、マージーサイド・エル・63・ ３・ジエイ・ダブリユ、ウイラル、ベビン トン、クオーリー・ロード・イースト、ユ ニリーバー・リサーチ・ポート・サンライ ト気付

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 制汗作用物質、水、疎水性相、乳化剤およびエタノールを含み、組成物重 量の少なくとも１０％のエタノールを含むことを特徴とする、人間の皮膚への局 所的な適用に適したスティック状エマルジョン制汗剤組成物。 ２． 組成物が１０〜２５％の間のエタノールを含む請求項１記載の制汗剤組成 物。 ３． 組成物が１２重量％〜１８重量％のエタノールを含む請求項２記載の制汗 剤組成物。 ４． 乳化剤が組成物の０．１〜５重量％存在する請求項１〜３のいずれか１項 に記載の制汗剤組成物。 ５． 乳化剤が組成物の０．２〜１重量％存在する請求項４記載の制汗剤組成物 。 ６． 乳化剤のＨＬＢ値が８未満である請求項１〜５のいずれか１項に記載の制 汗剤組成物。 ７． 乳化剤がセチルジメチコーンコポリオールまたはＰＥＧ７水素化ヒマシ油 である請求項１〜６のいずれか１項に記載の制汗剤組成物。 ８． 組成物が１０〜３５重量％の水を含む請求項１〜７のいずれか１項に記載 の制汗剤組成物。 ９． 組成物がさらに組成物重量の３〜４０％の量のマスキング油を含む請求項 １〜８のいずれか１項に記載の制汗剤組成物。 １０． 皮膚を冷却するための請求項１〜９のいずれか１項に記載の制汗剤組成 物の使用。