JP2001353454A - 成膜方法、有機el素子の製造方法及び成膜装置 - Google Patents

成膜方法、有機el素子の製造方法及び成膜装置

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JP2001353454A
JP2001353454A JP2000178600A JP2000178600A JP2001353454A JP 2001353454 A JP2001353454 A JP 2001353454A JP 2000178600 A JP2000178600 A JP 2000178600A JP 2000178600 A JP2000178600 A JP 2000178600A JP 2001353454 A JP2001353454 A JP 2001353454A
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film
organic
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fine particles
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JP2000178600A
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Tomoyuki Shirasaki
友之 白嵜
Takeshi Ozaki
剛 尾崎
Hiroyasu Yamada
裕康 山田
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチングやその他の従来の手法により、微
細パターン形成が困難な材料を容易にパターニングした
状態に成膜することができるようにする。 【解決手段】 成膜材料を帯電した微粒子状とするとと
もに、基板10上に形成された複数の電極11のうちの
成膜すべき選択電極11sと成膜しない非選択電極11
uとで電位を変える。これにより、複数の電極11のう
ちの前記選択電極11s上に選択的に前記成膜材料を堆
積させて薄膜を形成する。また、電極11の電位を変え
る方法としては、たとえば、選択電極11sに帯電した
微粒子と逆極性の電圧を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に複数形成
された電極のうちの選択された電極上に薄膜を形成する
成膜方法と、この成膜方法を用いた有機EL素子の製造
方法及び成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機蛍光物質薄膜を金属電極で挟
み込み直流電流を流し電荷注入を行う事でエレクトロル
ミネッセンス(EL)発光が得られることが発見され
た。これは有機薄膜ELダイオード(有機EL素子)と
よばれ、現在は、その応用によるフラットパネルディス
プレイの実現を目指し多くの研究が為されている。有機
EL素子によるフルカラーディスプレイのRGB画素構
造としては、1,白色発光とRGBカラーフィルタを用
いる方法、2,青色発光素子と青色発光素子からの青色
光を緑、赤に変換するの蛍光材料を用いる方法、3,R
GBの発光素子を各々形成する方法、などが提案されて
いる。この中で、3の構造は、最も低消費電力が実現で
きるものとして期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】とこで、前述の3の構
造とは、カラー表示するために、RGBの各発光色の発
光素子を、たとえば、ストライプ状やモザイク状に配置
する必要がある。従って、前記3の構造を実現するため
には、発光層薄膜(有機EL薄膜)の微細パターン形成
を行わなければならない。一般に有機EL薄膜のウェッ
トエッチングは困難であり、また、フォトリソグラフィ
ーにより感光性樹脂のマスクをパターニングする際の紫
外線等の影響により有機EL薄膜の膜質の低下が生じる
ため、そのパターン形成は有機EL素子の最大の技術課
題となっている。有機EL素子の成膜方法は、湿式コー
ティングと、抵抗加熱蒸着によるドライ蒸着成膜法に大
別され、それぞれの成膜技術に対応したパターン形成方
法としてジェットプリンティング法、シャドウマスク法
が提案されている。しかしながらジェットプリンティン
グ法は有機溶媒系の液剤への適合性において未だ十分な
設計がなされておらず、またシャドウマスク法では微細
化およびパターン形状の制約により、何れの手法におい
ても満足な結果が得られていない。
【0004】本発明の課題は、エッチングやその他の従
来の手法により、微細パターン形成が困難な材料を容易
にパターニングした状態に成膜することができる成膜方
法と、該成膜方法を用いた有機EL素子の製造方法及び
成膜装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
成膜方法は、たとえば図1及び図2に示すように、成膜
材料を帯電した微粒子状とするとともに、基板10上に
形成された複数の電極11のうちの前記成膜材料を成膜
すべき選択電極11sと成膜しない非選択電極11uと
で電位を変えることにより、複数の電極のうちの前記選
択電極11s上に選択的に前記成膜材料を堆積させて薄
膜を形成することを特徴とする。上記構成によれば、帯
電した成膜材料の微粒子と、電位を互いに変えられた選
択電極及び非選択電極との間で、電気的な吸引や反発を
生じることにより、選択電極に選択的に微粒子化された
成膜材料を堆積させることができる。従って、基板上
に、予め、パターン化された二つ以上の電極が配置され
ていれば、成膜材料をパターニングした状態で成膜させ
ることができる。また、電極を縦横に多数配列してお
き、任意の電極を選択電極とし、残りの電極を非選択電
極とすることで、任意のパターンで成膜を行うことがで
きる。
【0006】以上のことから、カラーディスプレイ用の
有機EL素子を製造する際に、RGBの各色に対応する
電極毎に、その色に対応した有機EL素子を成膜するこ
とが可能となる。また、この際のパターニングの精度
は、有機EL素子において、透明基板上に形成される透
明電極のパターニングの精度とほぼ等しいものとなり、
シャドウマスク法に比較して、微細なパターニングが可
能となるとともに、透明電極のパターン形状に対応して
パターニングされるので、パターン形状の制約もない。
【0007】より具体的には、たとえば、本発明の請求
項2記載の構成のように、前記選択電極11sに、帯電
した微粒子状の成膜材料と逆極性の電位を与えることに
より、選択電極11sの電位と非選択電極11uの電位
とを変えるものとしても良い。すなわち、帯電した成膜
材料の微粒子と逆極性の電圧を選択電極に印加すること
により、微粒子が選択電極に引きつけられ、微粒子を選
択電極上に堆積させることができる。
【0008】また、本願発明の請求項3記載の構成のよ
うに、(たとえば、図3に示すように、)前記非選択電
極11uに、帯電した微粒子状の成膜材料と同極性の電
位を与えることにより、選択電極11sの電位と非選択
電極11uの電位とを変えるものとしても良い。すなわ
ち、帯電した成膜材料の微粒子と同極性の電圧を非選択
電極に印加することにより、非選択電極に対して微粒子
が反発し、非選択電極以外の選択電極を含む部分に成膜
材料が堆積させることができる。なお、たとえば、有機
EL素子においては、基本的に電極と接する部分が発光
するので、電極以外の部分に有機EL素子の薄膜が形成
されても、電極間の絶縁が保たれるならあまり問題とな
らない可能性が高い。また、請求項2記載の構成と請求
項3記載の構成とを組み合わせることにより、選択電極
に微粒子が吸着され、非選択電極から微粒子が反発され
ることになり、より確実に選択電極のみに成膜材料を成
膜させることができる。また、請求項2記載の構成にお
いて、非選択電極を接地するものとしても良いし、請求
項3記載の構成において、選択電極を接地するものとし
ても良い。
【0009】また、本発明の請求項4記載の構成のよう
に、(たとえば、図4に示すように)、前記選択電極1
1sを接地するとともに、前記非選択電極11uを絶縁
した状態に浮かせることで、選択電極11sの電位と非
選択電極11uの電位とを変えるものとしても良い。こ
の場合には、浮いた状態の非選択電極は、帯電した微粒
子や、その周囲の帯電したガス雰囲気により、帯電した
微粒子と同極性の電位となり、帯電した微粒子が反発す
る状態となるとともに、接地された選択電極は帯電する
ことなくグランド電位となることで、帯電した微粒子を
引きつけることになる。従って、選択電極に成膜材料を
堆積させることができる。
【0010】さらに、本発明の請求項5記載の構成のよ
うに、前記非選択電極11uを予め帯電する微粒子と同
極性に帯電させておくことにより、浮いた非選択電極が
停電した微粒子等により帯電するまでの間、微粒子が非
選択電極に付着してしまうの防止することができる。
【0011】また、上記成膜材料の微粒子化において
は、請求項6記載の構成のように、前記成膜材料を微粒
子化する際に、液状の成膜材料を霧状化するものとして
も良いし、請求項7記載の構成のように、前記成膜材料
を微粒子化する際に、成膜材料を気化するものとしても
良い。
【0012】本発明の請求項8記載の有機EL素子の製
造方法は、請求項1〜7のいずれか一つの成膜方法を用
いた有機EL素子の製造方法であって、前記基板10が
透明基板10とされ、前記電極11が透明電極11とさ
れ、前記成膜材料が有機EL材料とされ、各発光色の有
機EL材料を順次対応する前記透明電極11上に成膜す
るに際し、成膜すべき有機EL材料の発光色に対応する
透明電極11を前記選択電極11sとするとともに、成
膜すべき有機EL材料に対応しない透明電極11を前記
非選択電極11uとして、前記成膜方法により選択電極
11sに選択的に有機EL材料を成膜することを特徴と
する。
【0013】上記構成によれば、上記成膜方法を用い
て、透明基板上に形成された透明電極のうちの選択電極
だけに、有機EL材料を堆積させて有機ELの薄膜を形
成できるので、透明基板上の各透明電極に予め決められ
た発光色の有機EL薄膜を形成することができる。これ
により、有機EL薄膜を微細パターニングして、カラー
ディスプレイ用の有機EL素子を容易に形成することが
できる。たとえば、アクティブマトリックスのカラーデ
ィスプレイ用に基板上に形成された各画素電極のうちの
赤用の画素電極を選択電極として、該電極に赤色発光す
る有機EL材料の薄膜を形成し、緑用の画素電極を選択
電極として、該電極に緑色発光する有機EL材料の薄膜
を形成し、青用の画素電極を選択電極として、該電極に
青色発光する有機EL材料の薄膜を形成することができ
る。
【0014】また、単純マトリックスのカラーディスプ
レイ用に透明基板上に形成されたストライプ状の電極の
うちの赤用の電極を選択電極として、該電極に赤色発光
する有機EL材料の薄膜を形成し、次に、緑用の電極を
選択電極として該電極に緑色発光する有機EL材料の薄
膜を形成し、青用の電極を選択電極として該電極に青色
発光する有機EL材料の薄膜を形成することができる。
また、その精度は、上述のように、透明電極のパターニ
ング精度とほぼ同等のものとなり、高精細なカラーディ
スプレイ用の有機EL素子を製造することができる。ま
た、本発明の請求項9記載の成膜装置は、請求項1〜7
のいずれか一つの成膜方法もしくは請求項8記載の有機
EL素子の製造方法に用いられる成膜装置であって、成
膜材料を微粒子化する微粒子化手段(霧化ユニット2)
と、微粒子化された成膜材料を帯電させる帯電手段(イ
オナイザー6)と、前記電極11のうちの成膜すべき選
択電極11sと、成膜しない非選択電極11uとで電位
を変える電極電位変更手段(電圧印加手段20)とを備
えたことを特徴とする。
【0015】上記構成によれば、上記成膜方法により、
シャドウマスクを用いたり、エッチングを行ったりする
ことなく、微細パターニングされた状態で成膜を行うこ
とができ、カラーディスプレイ用の有機EL素子の製造
に好適に用いることができる。なお、微粒子化手段と
は、たとえば、液状の成膜材料を微粒子化するものや、
成膜材料を気化させて分子レベルに微粒子化するもので
ある。また、帯電手段は、成膜材料の微粒子をコロナ放
電等により帯電させるものである。また、電極電位変更
手段とは、選択電極に帯電した微粒子と逆極性の電圧を
印加したり、選択電極をアースに接続したり、非選択電
極に微粒子と同極性の電圧を印加したり、非選択電極を
予め微粒子と同極性の電位に帯電させたりするものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態例の
成膜方法、有機EL素子の製造方法及び成膜装置を図面
を参照して説明する。なお、この例は、本発明をカラー
ディスプレイ用の有機EL素子の製造における有機EL
の薄膜形成工程に応用したものであり、有機EL素子用
の基板(透明基板)上に形成されたRGB各色用の電極
(透明電極)に、各電極に対応するRGB各発光色の有
機EL薄膜を形成するものである。まず、この例の成膜
装置を説明する。この例の成膜装置は、図1に示すよう
に、成膜材料を霧状に微粒子化するとともに、コロナ放
電下で対象物に塗布して成膜する周知の霧化塗布装置1
を応用するとともに、図2に示すように、塗布対象物と
しての基板10上に複数形成された電極11のうちの成
膜材料を塗布すべき選択電極11sに、帯電した微粒子
と逆極性の電圧を印加する電圧印加手段20(電圧変更
手段)と、微粒子を排出する排出手段30を備えるもの
である。
【0017】この霧化塗布装置1は、霧化ユニット2
(微粒子化手段)と、霧状に微粒子化された成膜材料を
吐出するノズル3と、高電圧電源4及びコロナ放電用針
状電極5を備えるイオナイザー6(帯電手段)とを備え
たものである。また、霧化ユニット2内には、図示しな
いが、液状の成膜材料(有機EL材料及びそれを溶かす
溶剤)が貯留されたタンクと、タンクから成膜材料を供
給するためのポンプと、ポンプにより供給された成膜材
料を霧状に微粒子化するとともに、発生した微粒子の中
から特に小さい超微粒子を選択する微粒子発生装置と、
微粒子を発生させる時間の間隔を制御する制御装置とを
備えた霧発生装置2aを有する。また、霧化ユニット2
には、成膜材料の微粒子を吐出させるためのキャリアガ
ス(不活性ガス)が供給されるようになっている。な
お、霧化塗布装置1としては、たとえば、商品名エアロ
コート(ノードソン株式会社)を用いることができる。
【0018】なお、イオナイザー6は、必ずしも有機E
L材料及び溶剤の微粒子自体をイオン化するものではな
く、その周囲のガス雰囲気(キャリアガス)をイオン化
するものであり、微粒子はイオン化されたつまり電荷を
有するガスにより運ばれる状態となる。なお、本発明に
おいては、微粒子自体のイオン化や、その周囲のガス雰
囲気のイオン化を含めた意味で、微粒子が帯電した状態
と表現している。
【0019】電圧印加手段20は、図2に示すように、
基板10上にストライプ状に形成された各電極11のう
ちの選択された選択電極11sに電圧を印加させるもの
である。なお、図3においては、イオナイザー6と同じ
電源からイオナイザー6と逆極性の電圧が印加されるよ
うに図示したが、イオナイザー6と、基板10上の選択
電極11sとが同じ電源から電圧を印加される必要はな
い。すなわち、電圧印加手段20は、電源と、該電源と
電極11とを接続するとともに、各電極11毎もしくは
後述するように同じ発光色に対応する電極11毎に電圧
をかけるか否かを選択可能とする図示しないスイッチン
グ手段とからなるものである。
【0020】前記排出手段30は、たとえば、基板10
が設置される図示しないチャンバー内にノズル3と基板
10とが配置された状態で、有機EL材料の帯電した微
粒子のうちの選択された選択電極11sに吸引されずに
浮遊した状態の微粒子を基板10上から排出するための
ものであり、浮遊した微粒子が選択電極11s以外の部
分に付着するのを防止するためのものである。
【0021】次に、以上のような成膜装置を用いた成膜
方法を説明する。なお、この成膜方法は、上述のように
カラーディスプレイ用の有機EL素子において、透明基
板10上に形成された透明電極11の上面に有機EL薄
膜を形成するものである。そして、この例においては、
単純マトリックスの有機EL素子の製造において、たと
えば、基板10上にストライプ状に多数の電極11を形
成した後に行われる電極11上への有機ELの薄膜を形
成する。なお、基板10上のストライプ状の多数の電極
11は、3本の電極11を一組として多数組の電極11
が配置された状態となっているとともに、各組にそれぞ
れ赤色発光用の透明電極11(以下、R電極11Rと称
する)と緑色発光用の透明電極11(以下、G電極11
Gと称する)と青色発光用の透明電極11(以下、B電
極11Bと称する)が備えられた状態となっている。
【0022】また、基板10上へのパターニングされた
透明電極の形成は、フォトリソグラフィ等の周知の方法
により行われる。また、有機EL材料としては、たとえ
ば、ポリマー系の材料が用いられる。そして、ポリマー
系の材料の溶液が液状の有機EL材料として用いられ
る。ポリマー系の材料としては、たとえば、ポリカルバ
ゾール、ポリパラフェニレン、ポリアリーレンビニレ
ン、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリシラン、ポ
リアセチレン、ポリアニリン、ポリピリジン、ポリピリ
ジンビニレン、ポリピロールが挙げられる。また、高分
子材料としては、上記高分子材料(ポリマー)を形成し
ているコモノマーの誘導物の重合体及び共重合体と、オ
キサゾール(オキサンジアゾール、トリアゾール、ジア
ゾール)又はトリフェニルアミン骨格を有するコモノマ
ーを重合した重合体及び共重合体を挙げることができ
る。また、これらポリマーのコモノマーとしては、熱、
圧、UV、電子線などを与える事で上述の化合物を形成
しるコモノマー及びプレカーサポリマーを含むものであ
る。また、これらコモノマー間を結合する非共役系ユニ
ットを導入しても構わない。
【0023】高分子材料の具体的な商品としては、 ポリピニルカルバゾール:東京化成、 ポリトデシルチオフェン:Rieke社、 ポリエチレンジオキシチオフェン、PSS(ポリスチレ
ンスルフォン酸)分散体変性物 cpp105:長瀬産
業、 ポリ9,9−ジアルキルフルオレン、ポリ(チエニレン
−9,9−ジアルキルフルオレン)、ポリ(2,5−ジ
アルキルパラフェニレン−チエニレン)、(ジアルキ
ル:R=C1〜C20):DOWケミカル社、 PPV ポリパラフェニレンビニレン、MEH−PPV
ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシロ
キシ)−パラフェニレンビニレン)、MMP−PPV
ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ペンチロキ
シ)−パラフェニレンビニレン)、PDMPV ポリ
(2,5−ジメチル−パラフェニレンビニレン)、PT
V ポリ(2,5−チエニレンビニレン)、PDMOP
V ポリ(2,5−ジメトキシパラフェニレンビニレ
ン)、CN−PPV ポリ(1,4−パラフェニレンシ
アノビニレン):CDT社 などが挙げられる。
【0024】また、有機EL材料は、ポリマー系材料に
限られるものではなく、低分子材料をポリマー分散して
用いるものとしても良い。また、低分子材料の性質によ
っては、低分子材料を溶媒に溶かした状態で霧状化する
ものとしても良い。そして、低分子材料をポリマー分散
する際のポリマーとしては、周知の汎用ポリマーを含む
各種ポリマーを状況に応じて使用することができる。そ
して、低分子の発光材料(発光物質またはドーパント)
としては、アントラセン、ナフタレン、フェナントレ
ン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオ
レセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレ
ン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジ
フェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマ
リン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキゾ
リン、ビススチリル、ピラジン、オキシン、アミノキノ
リン、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセ
ン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリ
メチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシ
ノイド化合物等と、これらの誘導体が挙げられる。ま
た、低分子の材料としては、4−ジシアノメチレン−4
H−ピラン及び4−ジシアノメチレン−4H−チオピラ
ンと、ジケトン、クロリン系化合物とが挙げられる。
【0025】そして、低分子の発光材料となる具体的商
品としては、 Alq3、キナクリドン:同仁化学研究所、 Almq3(Alキノリノール錯体の誘導体):ケミプ
ロ化成 クマリン6、DCM:アクロス社、 ルモゲンF:山本通商 などが挙げられる。なお、発光材料は、上述のものに限
定されるものではなく、粒子化することにより有機EL
の薄膜を形成することが可能な材料ならば良い。
【0026】そして、薄膜形成工程においては、まず、
RGB各発光色用の電極のうちの一つの発光色用の電極
11、たとえば、R電極11Rが有機EL薄膜を成膜す
べき選択電極11sとされる。そして、図2(a)、
(b)に示すように選択電極11sとされたR電極11
Rに電圧印加手段20の電源が接続される。なお、選択
電極11s以外のG電極11G及びB電極11B(非選
択電極11u)は、絶縁されて電気的に浮いた状態とす
る。一方、上記霧化塗布装置1のノズル3から微粒子化
された有機EL材料(赤色発光するもの)がキャリアガ
スとともに吐出されるとともに、有機EL材料の微粒子
又はキャリアガスがイオナイザー6により帯電した状態
とされる。この際には、微粒子又はその周囲のキャリア
ガスが、選択電極11sに印加される電圧と逆極性の電
荷に帯電するようにする。たとえば、選択電極11sに
正の電圧を印加し、微粒子又はその周囲のキャリアガス
に負の電荷を帯電させる。また、排出手段30を作動さ
せ、チャンバー内の浮遊微粒子ををキャリアガスととも
に吸引して排気させる。
【0027】このようにすることで、負の電荷が帯電し
た微粒子は、正の電圧が印加された選択電極11s(R
電極11R)に吸引され選択電極11s上に堆積して有
機EL材料の薄膜が形成される。また、選択電極11s
に吸引されなかった微粒子は排出手段30によりチャン
バーから排出される。また、非選択電極11u(G電極
11G及びB電極11B)においては、僅かに、微粒子
が付着する可能性がある。しかし、イオナイザー6によ
り微粒子が帯電するとともに、チャンバー内のガス雰囲
気がイオン化され、これら微粒子やイオン化されたガス
により、絶縁された状態の非選択電極11uには、微粒
子と同極性の電荷がチャージされることになり、微粒子
との間で反発力が作用し、非選択電極11uに微粒子が
ほとんど付着しない状態となる。以上のことから、選択
電極11sであるR電極11Rに選択的に赤色発光する
有機EL材料が成膜される。
【0028】そして、R電極11Rに赤色発光する有機
EL材料が成膜された後に、図2(c)、(d)に示す
ように、たとえば、G電極11Gに緑色発光する有機E
L材料を成膜する。この際には、有機EL材料を緑色発
光用のものとするとともに、G電極11Gを選択電極1
1sとして電圧印加手段20の電源を接続し、R電極1
1R及びB電極11Bを非選択電極11uとして、絶縁
して浮かせた状態とする。そして、R電極11Rを選択
電極11sとした場合と同様に成膜を行うことにより、
選択電極11sであるG電極11Gに選択的に緑色発光
する有機EL材料が成膜される。
【0029】次いで、図2(e)、(f)に示すよう
に、B電極11Bに青色発光する有機EL材料を成膜す
る。この際には、有機EL材料を青色発光用のものとす
るとともに、B電極11Bを選択電極11sとして電圧
印加手段20の電源を接続し、R電極11R及びG電極
11Gを非選択電極11uとして、絶縁して浮かせた状
態とする。そして、R電極11Rを選択電極11sとし
た場合と同様に成膜を行うことにより、選択電極11s
であるB電極11Bに選択的に青色発光する有機EL材
料が成膜される。
【0030】なお、この例の成膜方法において、たとえ
ば、図3に示すように、成膜時に、非選択電極11uに
イオナイザー6と等電位すなわち、帯電した粒子の電荷
と同極性の電圧を印加するものとしても良い。また、こ
の際の電圧印加手段20の電源は、上述のようにイオナ
イザー6の電源と同じである必要はない。また、電圧印
加手段20においては、非選択電極11uに選択電極1
1sと逆極性の電圧を印加できる構成となっている必要
がある。このような構成とすることで、非選択電極11
uと帯電した微粒子とが反発することになり、非選択電
極11uに微粒子が付着するのを確実に防止できる。上
記実施形態では、ノズル3の下方に基板10を配置した
が、ノズル3と排出手段30との間でキャリアガスが流
れる経路中に基板10を設けてもよい。
【0031】また、この例の成膜方法において、たとえ
ば、図4に示すように、選択電極11sに帯電した微粒
子と逆極性の電圧を印加するのではなく、選択電極11
sを接地し、非選択電極11uを絶縁して浮遊状態とす
るものとしても良い。このような構成とすれば、図4に
示すように、成膜材料の微粒子を含む霧流束から少しず
れた位置に基板10を配置した場合に、帯電した微粒子
等が接地された選択電極11s側に流れるようなイオン
風が生じ、選択電極11sに選択的に帯電した微粒子が
付着することになる。そして、選択電極11sに選択的
に成膜材料が堆積して薄膜が形成される。一方、非選択
電極11uにおいては、上述のように、帯電した微粒子
やイオン化されたキャリアガスにより、微粒子と同極性
の電荷がチャージされることにより、微粒子との間で反
発力が作用し、非選択電極11uに微粒子がほとんど付
着しない状態となる。また、選択電極11sや非選択電
極11uに上述のように電圧を印加した場合に比較し
て、近接する選択電極11sと非選択電極11uとの間
で放電等により絶縁破壊が生じる可能性が低い。この
際、帯電した微粒子やイオン化されたキャリアガスの電
位は正であっても負であってもよい。
【0032】また、この例の成膜方法や、選択電極11
sに帯電した微粒子と逆極性の電圧を印加する代わり
に、選択電極11sを接地させる成膜方法において、絶
縁された状態の非選択電極11uに、予め、選択電極1
1sと逆極性、すなわち、帯電した微粒子又はイオン化
されたキャリアガスと同極性の電荷をチャージするもの
としても良い。この際には、たとえば、微粒子を吐出さ
せない状態でイオナイザー6を作動させてチャンバー内
のガス雰囲気を微粒子と同じ電荷にイオン化させること
で、絶縁された状態の非選択電極11uに微粒子やイオ
ン化されたキャリアガスと同極性の電荷を帯電させるも
のとしても良い。
【0033】たとえば、図5(A)に示すように、霧化
ユニット2の霧発生装置2aをオフにした状態でキャリ
アガスを霧化装置内に送るとともにイオナイザー6を作
動させる。これにより、イオン化されたキャリアガスの
みを基板10に吹き付けることにより、絶縁されて浮い
た状態の非選択電極11uが帯電する。この際には、成
膜材料の微粒子は発生していないので、非選択電極11
uに成膜材料が付着することなく、帯電したキャリアガ
スと同極性の電荷が非選択電極11uにチャージされ
る。次いで、図5(B)に示すように、霧発生装置2a
を作動することで、上述のように成膜を行うが、この
際、既に非選択電極11uには、帯電したキャリアガス
と同極性の電荷がチャージされているので、非選択電極
11uに対して帯電したキャリアガスに周囲を覆われた
微粒子が反発し、非選択電極11uに微粒子が付着する
のを確実に防止することができる。
【0034】また、基板10のイオナイザー6を備えた
ノズル3に対する配置位置は、ノズル3から吐出する霧
流束中に配置すると、選択電極11s以外の部分に成膜
材料が付着する可能性が高くなるので、成膜速度が低下
するが、基板10を霧流束から少しずれた位置に配置す
ることが好ましい。このようにすることで、より選択的
に選択電極11sに成膜を行うことができる。なお、基
板が霧流束から外れていても、帯電した微粒子と逆極性
に電圧を印加されるか、もしくは、接地された選択電極
11sに向ってイオン化された微粒子や雰囲気ガスが吸
引されて、選択電極11sに微粒子が付着する。
【0035】なお、成膜速度が低下した場合、すなわ
ち、霧状の有機EL材料を吐出するノズル3と、選択電
極11sとの距離が遠くなった場合や、成膜材料の霧流
束から基板10が少し外れた位置にある場合に、溶媒に
ポリマー系の有機EL材料を溶解した溶液からなる成膜
材料においては、有機EL材料の溶液からなる微粒子が
選択電極11sに至る前に、微粒子から溶媒が揮発して
しまう可能性がある。微粒子から溶媒が揮発してしまう
と微粒子は液状ではなく、粉状となって選択電極11s
に付着することになり、連続した有機EL材料の薄膜を
形成することが困難になる。そこで、基板の周囲を揮発
した溶媒雰囲気として、微粒子からの溶媒の揮発を防止
するようにしても良い。
【0036】また、高精細なディスプレイ用の有機EL
素子の場合に、隣接する電極11同士の間隔が極めて狭
いものとなるので、選択電極11sに電圧を印加すると
ともに、絶縁された状態の非選択電極11uに選択電極
11sと逆極性の電荷が帯電した状態や、非選択電極1
1uに選択電極11sと逆極性の電圧が印加された状態
となっていると、近接する選択電極11sと非選択電極
11uとの間で放電等により絶縁破壊が生じる可能性が
ある。そこで、たとえば、各電極11同士の間に絶縁膜
をパターニング形成しておくものとしても良い。この場
合には、各電極の有機EL薄膜を形成する部分が絶縁膜
から露出している必要がある。
【0037】また、絶縁膜の高さは、たとえば、電極1
1と成膜すべき有機EL薄膜とを合わせた高さとされる
ことが好ましいが、有機EL薄膜形成後に形成される電
極(カソード電極)が断線しない程度に凹凸があっても
良く、絶縁膜が僅かに電極11より高くなっていること
が好ましい。
【0038】次に、図6を参照して、この例のその他の
変形例を説明する。この変形例は、微粒子化して電極1
1上に成膜材料を堆積する霧化塗布装置1を上記のエア
ロコートシステムに代えて、周知のガスデポジション法
を用いたガスデポジションシステムにしたものであり、
その他の構成について、上述の構成を用いるものであ
る。また、上記例の成膜装置において液状の成膜材料を
液状のまま微粒子化していたのに対して、この例では、
成膜材料を揮発させて気化することにより微粒子化して
いる。
【0039】そして、この変形例の塗布装置に用いられ
るガスデポジション法とは、粒径が1μm以下の超微粒
子を不活性ガスと混合し、ガスの流れを用いて搬送、さ
らに細いノズルを通して亜音速で基板に吹き付け、基板
と衝突する際に運動エネルギーの一部が熱エネルギーに
変換され、基板や粒子間と結合することにより、堆積さ
せる方法である。
【0040】また、この変形例のガスデポジションシス
テムにおいては図5に示すように、有機EL材料を微粒
子化する際に、上述のように有機EL材料を気化させて
いる。図5に示すように、ガスデポジションシステム
は、それぞれ密閉されたチャンバーからなる気化部40
と堆積部50とからなり、気化部40と堆積部50との
間には、搬送管60が配置されている。該搬送管60
は、気化部40側が二重管とされ、堆積部50側の先端
部が細いノズル61となっている。
【0041】そして、搬送管60の二重管とされた部分
の外管62は、気化部40内に連通するとともに、外部
からポンプ63により吸引されるようになっており、気
化部40内の余分な粒子を排出するようになっている。
また、搬送管60の二重管とされた部分の内管64が、
実質的な搬送管であり、気化部40内から堆積部50内
に至るように配置され、堆積部50内に挿入された部分
の先端部が前記ノズル61とされている。そして、堆積
部50内のガスはポンプ51により吸引されるととも
に、搬送管60の二重管部の外管62からポンプ63に
吸引されたガスと合わされてHeガス純化循環システム
70に戻されるようになっている。
【0042】一方、Heガス純化循環システム70は、
回収されたHeガス及び図示しないタンクから供給され
るHeガスを気化部40に供給するようになっている。
これにより、気化部40にHeガスが供給されるととも
に、堆積部50からHeガスが吸引されることで、搬送
管60に気化部40から堆積部50に向う気流が生じる
とともに、ノズル61で加速されるようになっている。
なお、ノズル61から成膜材料を吐出させる際には、気
化部40の気圧が0.5MPa以上とされ、堆積部50
の気圧がKPaオーダー以下とされている。
【0043】また、気化部40内には、誘導加熱電源4
1により成膜材料を加熱して気化させる気化装置42が
配置され、気化部40内で成膜材料が気化し、前記搬送
管60のHeガスの流れに沿って気化した成膜材料がH
eガスとともにノズル60から高速に吐出されるように
なっている。また、ノズル60には、図示しない上述の
イオナイザーの電極が設置され、気化した成膜材料を帯
電させるようになっている。また、ノズル60の先側に
は、対象物を設置する設置部52があり、該設置部52
に基板10が設置されるようになっている。また、設置
部52にはヒータが設置されるとともに、温度センサと
して熱電対53が設置されている。また、堆積部50に
は、前記ポンプ51とは別に排気用のポンプ54が設け
られている。
【0044】そして、このようなガスデポジションシス
テムを用いて成膜材料を気化させるとともに、帯電させ
てノズル61から吐出させ、基板10側において、上述
のように選択電極11sと非選択電極11uとで電位を
変えることにより、選択電極11sに選択的に成膜材料
を成膜することができるので、上記例と同様に、有機E
L素子の製造における有機EL材料の成膜工程に用いる
ことができるとともに、上記例と同様の作用効果を得る
ことができる。
【0045】また、この変形例では、成膜材料を霧状化
させるのではなく、熱により気化させて微粒子化させる
ので、上記例のように有機EL材料(成膜材料)とし
て、ポリマー系の材料を溶媒に溶解させたポリマー溶液
材料ではなく、蒸着により成膜が可能な低分子蒸着用材
料を用いることができる。このような低分子蒸着材料と
しては、たとえば、上述の低分子材料で蒸着が可能な材
料を用いることができる。
【0046】なお、本発明においては、成膜材料を液状
の超微粒子とさせるか気化させて分子レベルの微粒子と
するとともに、生成された微粒子を帯電させることがで
きる装置ならば、上述のエアロシステムやガスデポジシ
ョンシステム以外のシステムを用いるものとしてもよ
い。
【0047】
【実施例】次に、上記エアロコートシステムを用いた実
験結果を実施例として説明する。塗布装置としては、上
述のノードソン(株)製のエアロコートを用いるととも
に、成膜対象物としては、基板10上にストライプ状に
多数の電極11を形成したものを用いた。なお、電極1
1間の距離は、1.2mmとした。また、基板10側に
おいては、選択電極11sに帯電した微粒子の電荷と逆
極性の電圧を印加し、非選択電極11uを絶縁して浮か
せた状態とした。また、各選択電極11s及び非選択電
極11uの配置をイオナイザー6の針状電極5及びノズ
ル3の近傍から少し離れた位置まで複数箇所に配置し
た。
【0048】
【表1】 表1は、上述の実験結果の中で成膜速度を示すデポジシ
ョンレート(デポレート、1分間当りに生成された膜の
厚み)がもっとも高いものと、選択電極に付着した成膜
材料に対する選択電極以外の基板上に付着した成膜材料
を比を示すS/N比がもっとも高いものとにおける、デ
ポジションレートと、S/N比とを示す。なお、成膜速
度は、ノズル3の近傍に配置された選択電極11sにお
いてもっとも早かった。一方、S/N比は、ノズル3か
ら僅かに離れたものが高く、従って、S/N比が高いも
のにおいては、成膜速度が遅くなっている。
【0049】また、成膜速度が早いものは、成膜材料の
霧流束の中もしくはその極めて近傍に配置されることに
より、S/Nが悪化するとともに、イオナイザー6の針
状電極5に近接することで、放電等により選択電極11
sとそれに隣合う非選択電極11uとの間で、絶縁破壊
が生じ、選択電極11sに近接する非選択電極11uに
も成膜材料が付着する現象が生じる。従って、表1に示
すように、デポジションレートが高いものにおいては、
S/N比が悪化しており、上述のように電極11同士の
間に絶縁膜を設ける等して、絶縁破壊を防止してS/N
比の向上を図ることが好ましい。
【0050】一方、S/N比が最も高いものについて
は、非選択電極11uへの微粒子の付着は、ほとんど認
められず、基板10上に僅かに微粒子の付着が認められ
る程度で、成膜材料のパターニングには全く問題がな
い。しかし、上述のようにデポジションレートが遅くな
ると、微粒子が選択電極11sに付着する前に乾燥して
しまうという問題があるので、基板10周囲を溶媒雰囲
気にするなどして、微粒子の乾燥を抑制することが好ま
しい。
【0051】
【発明の効果】本発明の請求項1〜7記載の成膜方法に
よれば、帯電した成膜材料の微粒子と、電位を互いに変
えられた選択電極及び非選択電極との間で、電気的な吸
引や反発を生じることにより、選択電極に選択的に微粒
子化された成膜材料を堆積させることができる。これに
より、基板上に、予め、パターン化された二つ以上の電
極が配置されていれば、成膜材料をパターニングした状
態で成膜させることができる。また、電極を縦横に多数
配列しておき、任意の電極を選択電極とし、残りの電極
を非選択電極とすることで、任意のパターンで成膜を行
うことができる。
【0052】また、上記成膜方法を用いる本発明の請求
項8記載の有機EL素子の製造方法によれば、対応する
電極毎に、その色に対応した有機EL素子を成膜するこ
とが可能となる。また、この際のパターニングの精度
は、有機EL素子において、透明基板上に形成される透
明電極のパターニングの精度とほぼ等しいものとなる。
【0053】また、本発明の請求項9記載の成膜装置に
よれば、上記成膜方法により成膜を行うことができ、請
求項1〜8記載の構成と同様の効果を奏することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の成膜方法で用いられる
成膜装置の概略を示す図面である。
【図2】上記例の成膜方法を用いた有機EL素子の製造
方法を説明するための図面である。
【図3】上記例の成膜方法の変形例を説明するための図
面である。
【図4】上記例の成膜方法の他の変形例を説明するため
の図面である。
【図5】上記例の成膜方法の他の変形例を説明するため
の図面である。
【図6】上記例の成膜方法の他の変形例の成膜装置の概
略を示す図面である。
【符号の説明】
1 霧化塗布装置 2 霧化ユニット(微粒子化手段) 6 イオナイザー(帯電手段) 10 基板 11 電極 11s 選択電極 11u 非選択電極 20 電圧印加手段(電極変更手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 A (72)発明者 山田 裕康 東京都八王子市石川町2951番地5 カシオ 計算機株式会社八王子研究所内 Fターム(参考) 3K007 AB04 AB18 BA06 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01 4D075 AA02 AA09 BB81X DB14 DC22 EA02 4F034 AA04 BA01 BB16 CA11 5G435 AA04 AA17 BB05 CC09 CC12 KK05 KK10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜材料を帯電した微粒子状とするとと
    もに、基板上に形成された複数の電極のうちの前記成膜
    材料を成膜すべき選択電極と成膜しない非選択電極とで
    電位を変えることにより、複数の電極のうちの前記選択
    電極上に選択的に前記成膜材料を堆積させて薄膜を形成
    することを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】 前記選択電極に、帯電した微粒子状の成
    膜材料と逆極性の電位を与えることにより、選択電極の
    電位と非選択電極の電位とを変えることを特徴とする請
    求項1記載の成膜方法。
  3. 【請求項3】 前記非選択電極に、帯電した微粒子状の
    成膜材料と同極性の電位を与えることにより、選択電極
    の電位と非選択電極の電位とを変えることを特徴とする
    請求項1または2記載の成膜方法。
  4. 【請求項4】 前記選択電極を接地するとともに、前記
    非選択電極を絶縁した状態に浮かせることで、選択電極
    の電位と非選択電極の電位とを変えることを特徴とする
    請求項1記載の成膜方法。
  5. 【請求項5】 前記非選択電極を予め帯電する微粒子と
    同極性に帯電させておくことを特徴とする請求項4記載
    の成膜方法。
  6. 【請求項6】 前記成膜材料を微粒子化する際に、液状
    の成膜材料を霧状化することを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか一つに記載の成膜方法。
  7. 【請求項7】 前記成膜材料を微粒子化する際に、成膜
    材料を気化することを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か一つに記載の成膜方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一つの成膜方法
    を用いた有機EL素子の製造方法であって、 前記基板が透明基板とされ、前記電極が透明電極とさ
    れ、前記成膜材料が有機EL材料とされ、各発光色の有
    機EL材料を順次対応する前記透明電極上に成膜するに
    際し、成膜すべき有機EL材料の発光色に対応する透明
    電極を前記選択電極とするとともに、成膜すべき有機E
    L材料に対応しない透明電極を前記非選択電極として、
    前記成膜方法により選択電極に選択的に有機EL材料を
    成膜することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか一つの成膜方法
    もしくは請求項8記載の有機EL素子の製造方法に用い
    られる成膜装置であって、 成膜材料を微粒子化する微粒子化手段と、微粒子化され
    た成膜材料を帯電させる帯電手段と、前記電極のうちの
    成膜すべき選択電極と、成膜しない非選択電極とで電位
    を変える電極電位変更手段とを備えたことを特徴とする
    成膜装置。
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