JP2001344744A - 磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク、並びに磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク、並びに磁気ディスク用ガラス基板の製造方法

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JP2001344744A
JP2001344744A JP2000164873A JP2000164873A JP2001344744A JP 2001344744 A JP2001344744 A JP 2001344744A JP 2000164873 A JP2000164873 A JP 2000164873A JP 2000164873 A JP2000164873 A JP 2000164873A JP 2001344744 A JP2001344744 A JP 2001344744A
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polishing
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magnetic disk
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Hiroyuki Masuda
裕之 増田
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AGC Techno Glass Co Ltd
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Asahi Techno Glass Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ディスク用ガラス基板主表面の表面性を
良好にするとともに、その主表面の外周端部と内周端部
の起伏量を十分に小さくし平坦にして、例えばRL(ラン
プ・ロード Ramp Load)方式やL/UL ( ロード・アンロー
ド Load Unload)方式の磁気ディスクにも適用可能なガ
ラス基板を製造可能にする。 【解決手段】 硬質ポリッシャを用いる第1段階と軟質
ポリッシャを用いる第2段階の少なくとも2段階のポリッ
シユ工程における第2段階のポリッシュにおいて、研磨
量を1μm 以上、7μm以下にするとともに、研磨加工レ
ートを0.1μm/分以上、0.5μm/分以下にしてガラス基板
の研磨仕上げを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ディスク用ガラ
ス基板およびその製造方法に関し、特に主表面の外周端
部および内周端部の平坦性が良好であって、従来に比べ
記録容量の大きい磁気ディスク用として好適なガラス基
板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置は小型化と記録
の大容量化が著しく進み、大きな発展を遂げており、ま
た、さらなる大容量化が求められている。磁気ディスク
装置の容量をさらに高めるためには、磁気ディスクに用
いるガラス基板の磁気記録層が形成される面(主表面と
略称する)を平滑にし、平面性を良くして記録密度を高
めることや、平滑で平面性を有する領域をできるだけ広
く確保して、記録エリアを拡大することが必要である。
このため、このような磁気ディスクに用いるガラス基板
の製造方法として、従来に比べてより平滑でより平面性
の良好であり、且つ平面性を有する領域をできるだけ広
く確保することが可能なガラス基板の製造方法が強く求
められている。
【0003】従来、磁気ディスク用ガラス基板は例えば
次のような工程により製造されてきた。まず、ガラス母
材をプレス成形や板成形などの成形工程によってドーナ
ツ円盤状に成形する。次に研削工程として、砥石による
研削やラッピングを行ない、また内外周加工機などを用
いて内周および外周の面取り加工を行なって、形状と寸
法を所定の範囲にする。このあとポリッシュ工程とし
て、主表面に対し両面研磨機などを用い、ポリッシャを
使用したポリッシュを行なって、表面の微細な凹凸をな
くして鏡面に仕上げ、これを洗浄している。また母材の
ガラスが化学強化ガラスの場合には、このあとに溶融塩
中に浸漬してガラス基板表面のイオン交換による化学強
化処理を行ない、再び洗浄を行なう。
【0004】上記の磁気ディスク用ガラス基板の製造方
法において、ポリッシュ工程は2つの段階からなる研
磨、即ち硬質ポリッシャを用いる第1段階と、軟質ポリ
ッシャを用いる第2 段階の2段階で行なう方法が用いら
れてきた。しかし、このような工程を経て研磨されたガ
ラス基板は、平滑な鏡面の主表面が得られているもの
の、主表面の外周端部および内周端部が起伏を有し、例
えば図2の(a)に示されたような外周端部および内周端
部が基準面よりも***している形状(この形状をスキー
ジャンプと名づける)や、図2の(b)に示されたような外
周端部および内周端部が基準面よりも下がっている縁ダ
レの形状(この形状をロールオフと名づける)を呈して
いる。
【0005】ここに図2は、従来方法の2段階からなる
ポリッシユ工程によって表面仕上げしたガラス基板につ
いて、表面粗さ計(ミツトヨsv-600)を表面形状測定装
置として用い、ガラス基板の内周から外周まで触針を移
動させてガラス基板表面の起伏を測定し、主表面端部の
形状を得た結果を模式的に示したものである。
【0006】このようなガラス基板の主表面端部の起伏
は、いずれも磁気ディスクにおける磁気へッドの浮上
(フライング)に支障を与えるものである。即ち、主表
面の外周端のスキージャンプが大きい場合には、磁気へ
ッドかフライングするときにスキージャンプに衝突して
しまう。また主表面の外終端のロールオフが大きい場合
には、磁気ディスクの主表面の外周端近くに停止してい
た磁気へッドは磁気ディスク面上に浮上する前にロール
オフに衝突してしまい、浮上できなくなる。
【0007】特に最近では磁気ディスク装置の記録の高
密度大容量化と記録エリア拡大のために、磁気へッドシ
ステムか従来のCSS (コンスタント・スタート・ストッ
プ constant start stop)方式から、RL(ランプ・ロー
ド Ramp Load)方式、もしくはL/UL(ロード・アンロード
Load Unload)方式に変わりつつあるため、磁気ディス
クは主表面の外周端部におけるスキージャンプやロール
オフが小さいことが一層重要となってきた。
【0008】また最近では磁気ディスク装置への書き込
みや読み出しを高速化するために、ディスクの回転数を
高めてゆく方向にあり、このため磁気ディスク用ガラス
基板は、その主表面の内周端部の形状についても、起伏
が小さいことが必要となった。これは磁気ディスの保持
を内周端部で行なうため、高速回転になると内周端部に
スキージヤンプやロールオフがあってもデイスクの回転
の安定性を保つ上で支障が生じるためである。
【0009】磁気ディスク用ガラス基板の端部の形状に
ついては、特開平5-290365号公報に、任意に選んだ基準
長さ2mmまたは4mmに対する曲率を150nm以下にして、ガ
ラス基板主表面の面ダレを規定することが記載されてい
る。しかしながら、この公報には研磨仕上げ方法として
2段のポリッシュを行なうことが記載されているのみ
で、面ダレが規定の範囲内の端部形状を得るための具体
的な手段が全く記載されていない。しかも同公報には曲
率の規定が行われているものの、端部のスキージャンプ
量やロールオフ量については全く触れられていない。
【0010】板状ガラス基板の主表面の外周端部のスキ
ージャンプやロールオフを小さくして平坦にする方法に
ついては、特開平5-89459 号公報に記載がある。ここで
は軟質ポリッシャを用いる第1研磨と硬質ポリッシャを
用いる第2研磨とを順次用いる研磨工程において、第2研
磨の研磨加工圧力P(g/cm2)と研磨加工時間t(分)との積
Ptの値を、1000<Pt<15000の範囲に選んで研磨を行なう
ことが記載されている。しかしながら、この方法によっ
てスキージャンプやロールオフの量を小さくしていると
はいうものの、同公報の第7頁の表に示されているよう
に、この方法によって得られるスキージャンプ量やロー
ルオフ量は、0.4μmを超えるものが多くあるなど、依然
として大きな表面起伏量であって、RL方式やL/UL方式の
磁気ディスク用ガラス基板に対する要求などの、最近の
磁気ディスク用ガラス基板に対する要求レべルを満たす
ものではない。
【0011】
【発明の解決しようとする課題】このように、磁気ディ
スク用ガラス基板主表面の表面性を良好にするととも
に、その主表面の外周端部と内周端部の起伏量を十分に
小さくして、最近における磁気ディスク用ガラス基板に
求められている要求に応えるためには、従来の方法に従
ったのではその達成が困難であり、従来の方法にとらわ
れない新たな研磨方法を見出すことを必要としている。
【0012】本発明はこのような課題を解決して、ポリ
ッシユ後のガラス基板の表面性が良好であるとともに、
主表面の外周端と内周端が平坦であるガラス基板および
その製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク用
ガラス基板は、主表面が硬質ポリッシャを用いる第1段
階ポリッシュと軟質ポリッシャを用い研磨加工レート0.
5μm/分以下の第2段階ポリッシュの少なくとも2段階の
ポリッシユを経て形成されてなり、その平坦部を基準と
した外周端部の起伏か-0.3μm 以上、+0.3μm 以下の範
囲であり、また内周部の起伏か-0.15μm 以上、+0.15μ
m 以下の範囲であることを特徴とする。
【0014】また本発明の磁気ディスクは、主表面が硬
質ポリッシャを用いる第1段階ポリッシュと軟質ポリッ
シャを用い研磨加工レート0.5μm/分以下の第2段階ポリ
ッシュの少なくとも2段階のポリッシュを経て形成さ
れ、主表面の平坦部を基準とした外周端部の起伏が-0.3
μm 以上、+0.3μm 以下の範囲であり、また内周部の起
伏が-0.15μm 以上、+0.15μm 以下の範囲である磁気デ
ィスク用ガラス基板に磁気記録層を設けたことを特徴と
する。
【0015】本発明の磁気ディスク用ガラス基板におい
ては、外周端部の起伏および内周部の起伏は、共に-0.1
5 〜+0.15μm の範囲であることがより好ましく、-0.10
μm以上、+0.10μm以下の範囲であることがさらに好ま
しい。
【0016】外周端部の起伏および内周部の起伏が上記
の範囲内である本発明のガラス基板を用いて磁気ディス
クを構成すれば、磁気ディスク装置において、磁気ディ
スク面の記録領域を広く取ることができ、また磁気へッ
ドのフライングに対し障害が除かれるので、高密度で大
容量の磁気ディスク装置が構成できる。そして磁気ディ
スクの記録領域を広く取ることができ、磁気ディスク装
置の磁気へッドシステムが従来のCSS 方式から、RL 方
式、もしくはL/UL方式に移行した場合にも、磁気へッド
のフライングが良好に行なわれ、磁気ディスク装置の記
録の高密度大容量化、記録エリア拡大に貢献することが
できる。
【0017】ここでガラス基板の外周端部および内周端
部の起伏の値は、次のようにして測定される。まず図3
に斜視図で模式的に示したガラス基板100 について、主
表面の外周端2から径方向に内周端1までの表面形状を表
面形状測定装置を用いて測定することにより、例えば図
2の(a)あるいは(b)に模式的に示したような主表面の表
面形状を得る。
【0018】上記ガラス基板主表面の外周端2と内周端1
の間の外周端2より1mm内側の点および5.5mm内側の点を
それぞれ点21および点22とし、この点21より点22までの
区間を測定区間とする。また外周端2と内周端1との距
離の約20%の距離だけ点22から内周側の点を点11とし、
点11と点22とを二つの基準点とし、この両点を結ぶ線を
外周端側(測定区間21〜22)の基準線(点線で示す)と
し、この基準線を平坦部とする。こうして測定区間21〜
22における主表面の平坦部に対する***の最大値として
スキージャンプS、あるいはこの区間の主表面の最小値
としてロールオフRを求める。
【0019】また、平坦部を基準とした内周端部の起伏
の値は、ガラス基板主表面の内周端1から外径側に1.5mm
の点23を測定点とする。またガラス基板の外周端2と内
周端1との距離の約10%の距離だけ点23より外周側の点
を点12とし、ガラス基板の外周端2と内周端1との距離の
30%の距離だけ点23より外周側の点を点13とし、この両
点を結ぶ線を内周端側(測定点23)の基準線(点線で示
す)とし、この基準線を平坦部とする。こうして平坦部
に対する測定点23における***の大きさをスキージャン
プSとし、また測定点における主表面の基準面に対する
下降値の大きさをロールオフRとして求める。
【0020】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造
方法は、硬質ポリッシャを用いる第1段階ポリッシュと
軟質ポリッシャを用いる第2 段階ポリッシュの少なくと
も2段階を備えたポリッシュ工程を有し、ポリッシュ工
程の第2段階の研磨加工レートが0.1μm/分以上、0.5μ
m/分以下であり、研磨量が1μm 以上、7μm以下である
ことを特徴とする。
【0021】上記の本発明の磁気ディスク用ガラス基板
の製造方法では、第2 段階ポリッシュの研磨加工レート
を0.5μm/分以下にするという、従来に比べて非常に低
い研磨加工レートで研磨をあえて行なう点にーつの特徴
がある。本発明は、第2 段階の研磨加工レートとして、
生産性低下の問題を先ずは度外視して、従来に比べて非
常に低い研磨加工レートで研磨をあえて試みた結果、少
ない研磨量でスクラッチなどの面の凹凸をなくすことが
できることを見出し、その結果、ガラス基板主表面の外
周および内周端部の起伏を小さく抑え、しかも総合的な
生産性を維持することができ、鏡面に仕上げることを可
能にしたものである。
【0022】第2段階ポリッシュに用いる軟質ポリッシ
ャ硬度としては、ショア(c) 硬度(JIS Z 2246)で60〜75
の範囲のものを用いると良好なガラス基板が 得られる
ので好ましい。硬度がこの範囲の値より小さいと、ロー
ルオフやスキージャンプの傾向か強くなり、また硬度が
この範囲より大きいと、スクラッチが増える傾向が強ま
る。
【0023】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造
方法において、第2段階ポリッシュにおける研磨加工レ
ートは0.2μm/分以上、0.5μm/分以下であることがより
好ましい。また第2段階ポリッシュの研磨量は2μm以
上、7μm以下であることがより好ましく、3μm以上、6
μm以下であることがさらに好ましい。
【0024】本発明において研磨加工レートが上記より
大きいとスキージャンプが大きくなり、また研磨加工レ
ートが上記より小さいとロールオフが大きくなるので、
いずれも好ましくない。また本発明において研磨量が上
記より大きい場合も、スキージャンプやロールオフが大
きくなるので好ましくない。また研磨量が上記より小さ
いと、スクラッチなどを除いて平滑な鏡面を得ることが
できない。
【0025】また本発明の磁気ディスク用ガラス基板の
製造方法は、硬質ポリッシャを用いる第1段階と軟質ポ
リッシャを用いる第2 段階の少なくとも2段階を備えた
ポリッシュ工程を有し、研磨加工圧力か2000N/m2以上、
6900N/m2以下であり、ポリツシユ工程の第2段階の研磨
量が1μm以上、7μm以下であることを特徴とする。
【0026】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造
方法において、第2段階のポリッシュにおける研磨加工
圧力は3900N/m2 以上、6900N/m2 以下であることがより
好ましい。研磨加工圧力が上記を超えると、ガラス基板
主表面端部のスキージャンプが大きくなり、また上記を
下回るとロールオフが大きくなっていずれも好ましくな
い。ここで第2段階のポリッシユにおける研磨量につい
ては2μm 以上7μm以下であることがより好ましく、3μ
m以上、6μm以下であることがさらに好ましい。
【0027】また本発明の磁気ディスク用ガラス基板の
製造方法は、硬質ポリッシャを用いる第1段階と軟質ポ
リッシャを用いる第2 段階の少なくとも2段階を備えた
ポリッシユ工程を有し、前記ポリッシユ工程の前記第2
段階の研磨加工時間が2分以上、14分以下であり、研磨
量か1μm以上、7μm以下であることを特徴とする。
【0028】ここに研磨加工時間は6分以上、14分以下
であることがさらに好ましい。研磨加工時間が上記より
も長いと生産性の低下が無視できないし、研磨加工時間
が上記よりも短いと、スクラッチなどを除いて平滑な平
面を得るのが困難になる。
【0029】また第2段階のポリッシュにおける研磨量
については2μm以上、7μm以下であることがより好まし
く、3μm以上、6μm以下であることがさらに好ましい。
【0030】このように本発明のガラス基板の製造方法
によれば、ガラス基板主表面の外周部および内周部端部
における起伏を小さくすることができ、主表面を平滑化
しスクラッチの発生頻度を小さくすることができる。
【0031】本発明において、磁気ディスク用ガラス基
板の製造は例えば次のような工程で行なうことができ
る。まず、ガラス母材を溶融したものを板状に成形する
工程を用いて円形のガラス成形体とする。成形方法とし
ては溶融ガラスを成形型にて成形するダイレクトブレス
や、ダウンロード法やフロート法などの板成形を用いて
板状にしたものから円板状の成形体を得てもよい。
【0032】このようにして成形されたガラス成形体
は、内周の下孔あけを行ない、必要に応じてダイアモン
ド砥石などを用いて研削加工を行ない、研磨剤として例
えば#1000のアルミナ砥粒を用いてラッピング研磨を行
なって所定の寸法範囲にした後、ポリッシュによって鏡
面仕上げを行なうことにより、必要とする表面性と平面
性を得ることかできる。
【0033】ここでポリッシュの工程は、硬質のポリッ
シャを用いる第1段階のポリッシュと、軟質のポリッシ
ャを用いる第2段階のポリッシュの少なくとも2段階で
行なう。第1段階のポリッシユは研磨剤として例えば酸
化セリウムを用い、ポリッシャとして硬質のパッド、例
えばロデールニッタ社製の商品番号MHA15aで示される硬
質ウレタンパッドを用いて行なうことができる。硬質バ
ッドを用いて行なう第1段階のポリッシュによって、ス
クラッチが残存するなど、表面の平滑性に関してはさら
に研磨によって高める必要を残しながらも、良好な主表
面の平面性を確保することができ、主表面端部のスキー
ジャンプ量やロールオフ量などの起伏量を小さくするこ
とができる。
【0034】第2段階のポリッシユは、研磨剤に例えば
酸化セリウムを用い、軟質のポリッシャとして、例えば
ロデールニッタ社製のポリテックスの商品名で示される
スエードウレタンバッドを用いることができる。そして
研磨加工レートを0.1μm/分以上、0.5μm/分以下あるい
は研磨圧力を2000N/m2以上、6900N/m2以上の範囲に選
ぷ。このような低い加工レートを選んでポリッシュを行
ない、研磨量を1μm以上、7μm以下にして、主表面端部
のスキージャンプ量やロールオフ量などの起伏量を小さ
く保ちつつ、ガラス基板の表面性を高める。
【0035】鏡面仕上げしたガラス基板が化学処理によ
って強化されるガラスの場合は、鏡面仕上けしたガラス
基板をさらに溶融アルカリ金属塩に浸漬して表面のイオ
ン交換を行なって化学強化を行なう。こうしてガラス基
板が主表面の外周端と内周端の起伏範囲が平坦であっ
て、しかもスクラッチの発生率か小さく表面性か良好な
ガラス基板を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を実施例
によって具体的に説明する。
【0037】(実施例)化学強化ガラスであるアルミノ
シリケートガラス(SiO: 64質量%、Al2O3: 14質量%、
LiO3: 6質量%、NaO: 10 質量%、ZrO2: 2質量%、Zn
O: 4質量%、を主成分とする組成)を母材として用い、
直径67mm、厚さ1.4mm にブレス加工した素材の表面およ
び裏面のラッピング加工を行なった。このラッピング加
工には、両面研磨機を用いた。このラッピング工程の半
ばにて、内周の下穴をあけ、内外周加工機を用いて、内
周面および外周面の面取り加工を行ない、再び表面およ
び裏面のラッピングを行ない、所定の寸法範囲になるま
で加工した。
【0038】続いて2 段階からなるポリッシュを行なっ
て基板の主表面を鏡面仕上げした。硬質ポリッシャを用
いた第1段階のポリッシユの後に、表面形状測定装置と
して表面粗さ計 (ミツトヨSV-600)を表面形状測定装
置として用い、すでに述べた測定方法に従い、主表面の
内外周端部の形状を測定した。結果の一部を表1に示
す。表1の端部形状の測定結果において、sはスキージ
ャンプ、またRはロールオフである。そして表1の端部
形状の測定値は、各バッチ(100個/バッチ)から4サン
プルずつの抜き取りを行って測定した値を、Sを正の値
としRを負の値とし、計算を行って求めた平均値を示し
たものである。また表1の外観検査は、サンプル全数に
ついて目視と顕微鏡とを用い、基板の全域中に発生する
スクラッチの有無を調べ、発生率を求めたものである。
【0039】
【表1】 表1の結果から、第1段階のポリッシュの後では、端部形
状が良好である一方で、スクラッチがの残存が比較的多
いため、次の第2段階のポリッシユにて、このスクラッ
チを除く必要があることがわかる。上記の評価を終えた
基板に対して、第2段階のポリッシュ工程として、ポリ
ッシャにスエードウレタンパッド(ロデールニッタ製ポ
リテックス)を用い、最終研磨工程の条件として、研磨
量と研磨加工レートないしは研磨加工圧力を変化させて
ポリッシュを行ない、主表面の端部の起伏形状、スクラ
ッチの有無を調べた。
【0040】次にこれらのガラス基板に磁気記録層を成
膜して磁気ディスクを製作し、磁気ディスクの磁気へッ
ドフライング特性、回転性および電気特性(読み出しお
よび書き込み特性)を調べた。図1は本発明の方法によ
って研磨仕上げしたガラス基板の主表面端部形状の測定
結果の一例を模式的に示したものである。
【0041】表2は研磨量を5μm一定とし、第2段階のポ
リッシユ工程の研磨加工レートを主変数として選んで整
理した結果を示す。なお表2 の各欄は、1バッチあたり1
00個のサンプルを10〜20バッチについての結果である。
このうち端部形状の 測定は各バッチから4個ずつ抜き取
って表1の場合と同じ方法で測定した結果であり、外観
検査は全数の検査を表1の場合と同じ方法で行った結果
をまとめたものである。
【0042】
【表2】 表2 において、フライングの評価基準として、◎は100%
がフライング可、〇は90%以上で100%未満がフライング
可、Δは70%以上で90%未満がフライング可、×はフライ
ング可が70%未満とした。また回転性の評価基準は、◎
は100%回転性良、○は90%以上で100%未満が回転性良、
Δは70%以上で90%未満が回転性良、×は回転性良が70%
未満とした。さらに電気特性の評価基準として、◎は10
0%電気特性良、○は90%以上で100%未満が電気特性良、
Δは70%以上で90%未満が電気特性良、×は電気特性良が
70%未満とした。なお、上記の評価基準は以下に示す表3
〜表8 に対しても適用した。
【0043】表2のフライングおよび回転性の評価結果
は、ガラス基板外周部および内周部の主表面端部形状を
反映したものであることを示している。また表2の電気
特性の評価結果は、研磨加工レートの低い条件の場合に
良好であることを示している。そして表2の結果から、
研磨量を5μm一定に選んだ場合に、第2段階の研磨加工
レートの範囲を選べばガラス基板主表面の端部起伏形状
を小さく抑えるとともに、スクラッチの発生率を小さく
抑えることができることがわかる。また、こうしたガラ
ス基板を用いた磁気ディスクは、磁気ディスのフライン
グ特性、回転性および電気特性がいずれも良好であるこ
とがわかる。
【0044】また表3は研磨量を5μm一定とし、第2段階
の研磨加工圧力を主変数として選んで整理した結果を示
す。なお表3の各欄も、1バッチあたり100個のサンプル
を10-20バッチについての結果であり、このうち端部形
状の測定は各バッチから4個ずつ抜き取って表1の場合と
同じ方法で測定した結果であり、外観検査は全数の検査
を表1の場合と同じ方法で行った結果をまとめたもので
ある。
【0045】表3の結果から、研磨量を5μm一定に選ん
だ場合に、第2段階の研磨加工圧力の範囲を選べばガラ
ス基板主表面の端部起伏形状を小さく抑えるとともに、
スクラッチの発生率を小さく抑えることができることが
わかる。また、こうしたガラス基板を用いた磁気ディス
クは磁気ディスのフライング特性、回転性および電気特
性がいずれも良好であることが わかる。
【0046】
【表3】 さらに表4〜8は第2段階ポリッシュの研磨加工レートを
パラメータとして0.1μm/分から0.6μm/分まで変えた場
合の各研磨加工レートにおける研削量と主表面の端部の
起伏形状、スクラッチの有無、これらガラス基板に磁気
記録層を成膜して磁気ディスクを製作した場合の磁気デ
ィスクの磁気へッドフライング特性、回転性および電気
特性を調べた結果を示す。なお表4〜8 の各欄も、1バッ
チあたり100 個のサンプル10〜20 バツチについての結
果であり、このうち端部形状の測定は各バッチから4個
ずつ抜き取って表1の場合と同じ方法で測定した結果で
あり、外観検査は全数の検査を表1の場合と同じ方法で
行った結果をまとめたものである。
【0047】表4〜8の結果から、それそれの研磨加工レ
ートについて、研磨量を選ぷことにより、ガラス基板主
表面の端部起伏形状を小さく抑えるとともに、スクラッ
チの発生率を小さく抑えることができること、また、こ
うしたガラス基板を用いた磁気ディスクは磁気ディスの
フライング特性、回転性および電気特性をいずれも艮好
にすることができることかわかった。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、磁気ディスク用ガラス
基板の主表面の端部起伏形状を小さく抑えるとともに、
スクラッチの発生率を小さく抑えて良好な表面性を得る
ことができる。そしてこのガラス基板を用いた磁気ディ
スクは磁気ディスのフライング特性、回転性および電気
特性を良好に保つことができる。従って本発明によって
製造される磁気ディスク用ガラス基板は、記録の高密度
大容量化、記録エリア拡大を行なう磁気ディスクに用い
るのに好適であり、磁気ディスク装置の磁気へッドシス
テムか従来のCSS 方式からRL方式もしくはL/UL方式への
移行にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって製造した磁気ディス
ク用ガラス基板の主表面端部の形状を測定した結果を示
す模式図である。
【図2】従来の製造方法によって製造した磁気ディスク
用ガラス基板の主表面端部の形状を測定した結果を示す
模式図である。
【図3】磁気ディスク用ガラス基板の主表面の外周端部
および内周端部の形状の測定箇所について説明した模式
図である。
【符号の説明】
1・・・・・・ガラス基板の内周端部、 2・・・・・・ガラス基板の外周端部、 11,13・・・・・・基準点、 21,22・・・・・・外周端部起伏測定区間端、 23・・・・・・ 内周端部測定点、 100・・・・・・ガラス基板。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスク媒体用ガラス基板におい
    て、主表面が硬質ポリッシャを用いる第1段階ポリッシ
    ュと軟質ポリッシャを用い研磨加工レート0.5μm/分以
    下の第2段階ポリッシュの少なくとも2段階のポリッシ
    ュを経て形成されてなり、その平坦部を基準とした外周
    端部の起伏が-0.3μm 以上、+0.3μm以下の範囲であ
    り、また内周部の起伏が-0.15μm 以上、+0.15μm 以下
    の範囲であることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基
    板。
  2. 【請求項2】 磁気ディスク媒体において、主表面が硬
    質ポリッシャを用いる第1段階ポリッシユと軟質ポリッ
    シャを用い研磨加工レート0.5μmノ分以下の第2段階ポリ
    ッシュの少なくとも2段階のポリッシュを経て形成さ
    れ、前記主表面の平坦部を基準とした外周端部の起伏が
    -0.3μm 以上、+0.3μm 以下の範囲であり、また内周部
    の起伏が-0.15μm 以上、+0.15μm 以下の範囲である磁
    気ディスク用ガラス基板に磁気記録層を設けたことを特
    徴とする磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に
    おいて、硬質ポリッシャを用いる第1段階ポリッシュと
    軟質ポリッシャを用いる第2段階ポリッシュの少なくと
    も2段階を備えたポリッシュ工程を有し、前記ポリッシ
    ユ工程の前記第2段階の研磨加工レートが0.1μm/分以
    上、0.5μm/分以下であり、研磨量が1μm 以上、7μm以
    下であって、平坦部を基準とした外周端部の起伏を-0.3
    μm 以上、+0.3μm 以下の範囲とするとともに、内周部
    の起伏を-0.15 以上、+0.15 μm 以下の範囲にしたこと
    を特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に
    おいて、硬質ポリッシャを用いる第1段階ポリッシュと
    軟質ポリッシャを用いる第2 段階ポリッシュの少なくと
    も2段階を備えたポリッシュ工程を有し、前記ポリッシ
    ュ工程の前記第2段階の研磨加工圧カが2000N/m2以上、
    6900N/m2以下であり、研磨量が1μm以上、7μm以下であ
    ることを特徴とする磁気デイスク用ガラス基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に
    おいて、硬質ポリッシャを用いる第1段階ポリッシュと
    軟質ポリッシャを用いる第2段階ポリッシュの少なくと
    も2段階を備えたポリッシュ工程を有し、前記ポリッシ
    ュ工程の前記第2段階の研磨加工時間が2分以上、14分
    以下であり、研磨量が1μm 以上、7μm以下であること
    を特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10607647B2 (en) 2007-02-20 2020-03-31 Hoya Corporation Magnetic disk substrate with specified changes in height or depth between adjacent raised or lowered portions and an offset portion on a main surface within a range of 92.0 to 97.0% in a radial direction from a center, a magnetic disk with substrate and magnetic disk device

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