JP2001342244A - 半芳香族コポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

半芳香族コポリエステル及びその製造方法

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JP2001342244A
JP2001342244A JP2000165810A JP2000165810A JP2001342244A JP 2001342244 A JP2001342244 A JP 2001342244A JP 2000165810 A JP2000165810 A JP 2000165810A JP 2000165810 A JP2000165810 A JP 2000165810A JP 2001342244 A JP2001342244 A JP 2001342244A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンポストレベルの生分解性と芳香族ポリエ
ステルに近い耐熱性、機械特性を併せ持ち、かつ高重合
度の半芳香族コポリエステルを得る。 【解決手段】 下記式(1) (ここでArは、炭素数6〜20の、核置換されていて
もよい2価の芳香族炭化水素基であり、Xは2〜12で
ある。)で表される繰り返し単位と、下記式(2) (Yは3〜12の数である。)で表される繰り返し単位
とからなり、(1)と(2)の構成成分のモル比が95
/5〜20/80である、フェノ−ル/1,1,2,2
−テトラクロロエタン(重量比6/4)混合溶媒を用い
て測定した固有粘度が0.4以上である半芳香族コポリ
エステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンポストレベル
の生分解性と芳香族ポリエステルに近い耐熱性、機械特
性を併せ持ち、かつ高重合度の半芳香族コポリエステ
ル、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】主に石油から誘導される合成高分子材料
は他の素材に比べ強度、コスト、および生産性の点で優
れており今や社会において必要不可欠な素材となってい
る。しかしながら一方で文明社会の功罪とも言える地球
規模での環境問題がクロ−ズアップされるようになり、
合成高分子の上記特徴を維持しながら、かつ、綿や絹の
ように自然環境で微生物により分解、無害化される生分
解性ポリマ−の開発が強く望まれてきた。特に欧米で
は、有機系廃棄物の処理方法として焼却に代わりコンポ
ストによる発酵分解が主流となりつつあり、今後汎用ポ
リマ−にもコンポストレベルでの生分解性が要求される
ようになると考えられる。その様な素材として、構成原
子として酸素、水素、炭素からなり、分解して水と二酸
化炭素のみを生成する脂肪族ポリエステルは潜在的に低
環境負荷型の生分解性を有していることが知られてい
る。特に微生物産生のポリ−3−ヒドロキシ酪酸エステ
ル(PHB)や合成高分子系のポリ−ε−カプロラクト
ン(PCL)、ポリエチレンアジペ−ト(PEA)ポリ
グリコ−ル酸(PGA)及びポリ−L−乳酸(PLA)
は代表的な生分解性ポリエステルとして多くが開発、商
品化されている。
【0003】しかしながら、これまでに開発されたこれ
ら脂肪族ポリエステルは何れもコスト、生産性、及びそ
の性能面から解決すべき問題を抱えていることも事実で
ある。例えば、PHBは物性的にはポリエチレンに近い
が生物産生性のため大量に安価に供給することが困難
で、コスト面で限界があることが報告されている。(P
hys.Technol,1985,16,32)。コ
ンポストレベルで良好な生分解性を示すPCL、PEA
ではコスト、生産性は問題ないものの融点が65℃以下
であるため耐熱性に劣り汎用用途への展開は困難である
ことも報告されている。(Int.Biodetn.B
ull,1975,11,127及びJ.Fermen
t.Technology,1976,54,60
3)。またPGA,PLAについても生体吸収性の縫合
糸として使用されるが、自然環境での加水分解性に劣る
為汎用性のプラスチックとして使用するには適していな
いことも報告されている。(Surg.Gyneco
l.Obstet,1975,141,1)。
【0004】これらの中でも、α,ω−脂肪族ジオ−ル
とα,ω−脂肪族ジカルボン酸の融解重縮合によって得
られるPES(ポリエチレンサクシネ−ト),PEAは
安価かつ生分解性に優れる為、これらを改良することで
汎用性のある生分解性ポリエステルを合成しようという
試みが為されている。ただし耐熱性向上の為融点を上昇
させると分解反応を併発する為高分子量体が得られず、
これを避けるべく例えば特開平4−189822号公報
や特開平6−145283号公報ではジイソシアネ−ト
類を用いて高分子量化する方法が開示されている。しか
しながらこれらの方法によれば得られるポリマ−の化学
的耐熱性や機械特性の向上効果は期待できず、汎用ポリ
マ−を代替できる素材を製造することはできない。
【0005】一方、自然界に存在しかつ安価で、分子構
造的に高い融点を発現可能なα,ω−脂肪族ジカルボン
酸として、蓚酸系ポリマ−が挙げられる。実際、ポリア
ルキレンオキザミドとしては蓚酸エステルとジアミンの
反応より紡糸可能なものが得られることが報告されてい
る(特公昭47−28094号公報、特公昭51−39
280号公報、特公昭47−44996号公報、)。た
だしこれらのポリマーは高融点のため成形時のポリマ−
の分解が避けられない。一方ポリアルキレンオキザレー
トについては、物理化学的にα,ω−脂肪族ジカルボン
酸中でもっとも高融点かつ機械特性に優れたポリエステ
ルを生成することができるが、これまでのところオリゴ
マ−の医療用途での開発が成されているに過ぎない。例
えば蓚酸エステルとα,ω−脂肪族ジオ−ルとの融解重
合により生体吸収性のオリゴマ−を調製可能であること
やDDS担体への使用(特公昭55−41218号公
報、特開昭54−52721号公報、)、またはアルキ
レンサクシネ−ト等との共重合体による生体吸収性の縫
合糸などへの使用(アメリカ特許公報4032993)
が開示されているが汎用用途での素材開発に関する開示
はなく、これまで実用化されるには至っていない。この
理由として、蓚酸エステルも他の脂肪族ポリエステルと
同等以上に重合時の熱分解反応が起こり易く、高分子量
の単独重合体を得ることが困難であることが挙げられ
る。これらの背景より、もし蓚酸系ポリエステル骨格を
有し、かつ熱的にも安定な高分子量のポリエステルを調
整することができれば、コスト、機械特性及び生分解性
の何れをも満足する有用な素材開発につながると考えら
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、α,
ω−脂肪族ジカルボンとして最も高融点かつ高強度の生
分解性ポリエステルを形成可能な蓚酸骨格を有し、しか
もPET等の芳香族ポリエステルに近い耐熱性を付与さ
れた高分子量の蓚酸系半芳香族コポリエステル及びその
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、生分解性である蓚酸ポリエステル
としてα,ω−脂肪族ジオ−ルの蓚酸ジエステルを、ま
た耐熱性と機械特性付与部位としてα,ω−脂肪族ジオ
−ルの芳香族カルボン酸ジエステルをモノマ−に用い、
これらを特定の重合触媒の下に重縮合することにより、
両成分の特徴を兼備した高重合度ポリマ−を製造するこ
とを考え、鋭意研究した。その結果、炭素数3〜12の
α,ω−脂肪族ジオ−ルの蓚酸ジエステルを共重合成分
として用いた場合、蓚酸部位の熱分解を抑制し、しかも
円滑に高重合度の蓚酸系半芳香族コポリエステルを製造
可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、下記式(1)
【0009】
【化3】
【0010】(ここでArは、炭素数6〜20の、核置
換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基であり、X
は2〜12である。)で表される繰り返し単位と、下記
式(2)
【0011】
【化4】
【0012】(Yは3〜12の数である。)で表される
繰り返し単位とからなり、(1)と(2)の構成成分の
モル比が95/5〜20/80である、フェノ−ル/
1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比6/4)
混合溶媒を用いて測定した固有粘度が0.4以上である
半芳香族コポリエステルに関するものである。
【0013】また本発明は、芳香族カルボン酸又はその
低級アルキルエステルとアルキレングリコ−ルを反応さ
せて得たビス(2−ヒドロキシアルキル)芳香族カルボ
キシレート及び/又はそのオリゴマ−を、蓚酸又はその
低級アルキルエステルとアルキレングリコ−ルを反応さ
せて得たビス(2−ヒドロキシアルキル)オキザレート
及び/又はそのオリゴマ−と共に適当なエステル交換触
媒の存在下に重縮合を行い反応せしめることによる半芳
香族コポリエステルの製造方法に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法について詳細
に説明する。本発明の半芳香族コポリエステルは、上記
式(1)で示される部分構造より主として構成される。
【0015】上記式(1)においてArは炭素数6〜2
0の、核置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基
を示し、具体的にはp−フェニレン、m−フェニレン、
2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、1,4−ナ
フチレン、1,5−ナフチレン、4,4’−ビフェニレ
ン、2,2’−ビフェニレン、4,4’−オキシジフェ
ニレン等、およびそれらのモノ、ジ、トリ、テトラ核置
換体を例示することができる。核置換基としてはメチ
ル、エチル、フェニル等の炭素数1〜8のアルキル基、
アリ−ル基、炭素数1〜8のアルコキシ基等があげられ
る。これらのうちArとしては、ポリマ−の結晶性の点
よりp−フェニレン、2,6−ナフチレン、4,4’−
ジフェニレン等が好ましい。
【0016】また、上記式(1)において、Xは2〜1
2となる数であり、−(CH2X−であらわされるアル
キレン単位について、具体的なアルキレン基としては、
エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、ブチレ
ン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレ
ン、オクタメチレン、ノニルメチレン、デカメチレン、
ウンデカメチレン、ドデカメチレン等を例示することが
できる。
【0017】一方上記式(2)において、Yは3〜12
となる数であり、−(CH2Y−であらわされるアルキ
レン単位について、具体的なアルキレン基としては、n
−プロピレン、イソプロピレン、テトラメチレン、ペン
タメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタ
メチレン、ノニルメチレン、デカメチレン、ウンデカメ
チレン、ドデカメチレン等を例示することができる。
【0018】ここでYとして鎖長が2のものを用いるこ
とができないのは、この炭素鎖から成る蓚酸エステルは
物理化学的に熱安定性が低く、重合に預かるよりむしろ
脱離反応を優先する為、十分な重合度のポリマ−を得難
いことにある。
【0019】更に(1)と(2)の構成成分のモル比は
95/5〜20/80となる実数である。(1)の構成
成分がこれより多いと、難分解性の芳香族ポリマ−セグ
メントが長くなり、ポリマ−の生分解性がほとんど発現
せず好ましくない。また(2)の構成成分がこれより多
いと、ポリマ−セグメントの大部分が蓚酸エステル骨格
で占められる為に芳香族ポリエステルの剛直性、耐熱性
が活かされない。(1)と(2)の構成成分の好ましい
モル比は、90/10〜30/70の範囲である。
【0020】得られた半芳香族コポリエステルの固有粘
度は、フェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン(重量比6/4)混合溶媒を用いて測定時、0.4以
上である。該固有粘度は、好ましくは0.5以上であ
り、3.0以下である。
【0021】本発明の方法では、上記のような芳香族カ
ルボン酸又はその低級アルキルエステルとアルキレング
リコ−ルを反応させて得たビス(2−ヒドロキシアルキ
ル)芳香族カルボキシレート及び/又はそのオリゴマ−
を、蓚酸又はその低級アルキルエステルとアルキレング
リコ−ルを反応させて得たビス(2−ヒドロキシアルキ
ル)オキザレート及び/又はそのオリゴマ−と共に適当
なエステル交換触媒の存在下に重縮合させる。
【0022】このビス(2−ヒドロキシアルキル)芳香
族カルボキシレートやそのオリゴマ−及びビス(2−ヒ
ドロキシアルキル)オキザレートやそのオリゴマ−は、
常法によって得ることができるが、具体的には、例えば
次のような方法で製造することができる。
【0023】(イ)充填塔を備えた反応釜にジカルボン
酸とアルキレンジオ−ルとをモル比1.5〜3.5のス
ラリ状として、仕込み常圧下に内温150〜250℃、
塔頂温度120〜150℃で副生する水を系外に除去し
ながら所定の反応率になるまでエステル化反応を行う方
法。
【0024】(ロ)充填塔を備えた反応釜にジカルボン
酸ジアルキルとアルキレンジオ−ルとをモル比1.5〜
3.5で仕込み、エステル交換触媒としてマンガン、
錫、亜鉛、チタン、ゲルマニウム等の金属化合物を添加
し、常圧下に内温を150℃〜200℃に昇温しつつ7
0〜100℃の充填塔で副生するメタノ−ルを系外に除
去しながら所定の反応率になるまでエステル交換反応を
行う方法。
【0025】本発明の方法による半芳香族コポリエステ
ルポリエステルの製造では、このようにして得られたビ
ス(2−ヒドロキシアルキル)芳香族カルボキシレート
及び/又はそのオリゴマ−をビス(2−ヒドロキシアル
キル)オキザレートやそのオリゴマ−と所定の比率で混
合した後、この系を昇温、減圧し、アルキレンジオ−ル
の沸点以上の温度で約133KPa(1mmHg)以下
の減圧下で所定の極限粘度のポリマ−となるまで、通常
3〜4時間、重縮合反応を行う。
【0026】本発明において半芳香族コポリエステルの
重縮合反応は、通常、触媒の存在下で行なわれる。重縮
合反応触媒としては、アンチモン、ゲルマニウム、錫、
チタン、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ナトリウム、カリウム、マンガン、コバルト、ニッ
ケル等の金属化合物の他、スルホサリチル酸、オルソ−
スルホ安息香酸無水物等の有機スルホン酸化合物が好ま
しく用いられる。触媒添加量は、芳香族カルボン酸とシ
ュウ酸の総量であるジカルボン酸成分1モルに対して1
×10-5〜1×10-2モル、好ましくは5×10-5〜5
×10-3モルが適当である。
【0027】反応に際して、その簡便化、プロセス改良
等のために添加剤を加えることができる。かかる添加剤
の例として、金属又はその塩、包接化合物、キレート
剤、有機金属化合物等をあげることができる。
【0028】また、ポリマ−の品質向上のための抗酸化
剤、安定剤として例えばヒンダ−ドフェノ−ル化合物の
ようなラジカル補足剤、あるいは蛍光剤、染料のような
色調改良剤、カ−ボンブラック、二酸化チタンのような
顔料等の添加物をポリマ−に含有してもよい。また、必
要に応じ、タルク、マイカのような滑剤を添加してもよ
い。
【0029】また、上記ポリエステルは、該ポリマ−
の、物性操作のために、その特性が本質的に損なわれな
い範囲(例えばポリマ−全繰り返し単位の20モル%以
下、好ましくは10モル%以下)で他の成分を共重合成
分として含有させてもよい。共重合させる他の成分とし
ては、例えば、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族、ある
いはフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のポリエステル
の他、グリコ−ル酸、乳酸、p−オキシ安息香酸などの
ヒドロキシカルボン酸のポリエステルが挙げられる。ま
たトリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエリス
リト−ル等の多価アルコ−ル、無水トリメリット酸、ト
リメシン酸、プロパントリカルボン酸等の多価カルボン
酸又はその無水物、リンゴ酸、酒石酸の多価ヒドロキシ
カルボン酸なども挙げることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明の半芳香族コポリエステルは、
α,ω−脂肪族ジカルボン酸として最も高融点かつ高強
度の生分解性ポリエステルを形成可能な蓚酸骨格を有
し、しかもPET等の芳香族ポリエステル骨格を併せ持
つ為、従来の脂肪鎖のみからなる生分解性ポリマ−に比
べ優れた耐熱性、機械強度を発現する。また蓚酸骨格の
みでは、その熱安定性が低い為に溶融重合による高重合
度化が困難であったが、熱的に安定な芳香族ポリエステ
ル骨格を共重合することで分子量的にも汎用ポリエステ
ルと同等の実用的特性を発現することができる。しかも
原料モノマ−が比較的安価であるため、従来の生分解性
ポリマ−に比べて低コストでの供給が可能である。その
ため本発明の半芳香族コポリエステルの用途としては、
廉価かつ生分解性の繊維、成型体等の製品に好適に使用
することができる。
【0031】
【実施例】以下、参考例及び実施例によって本発明を更
に詳しく説明する。ただし、本発明は、以下の参考例、
実施例によっていささかも限定されるものではない。な
お、例中の「部」は特にことわらない限り「重量部」を
表す。また、固有粘度[η]は、ポリマ−120mgを
フェノ−ル/1,1,2,2−テトラクロルエタン混合
溶媒(重量比6/4)10mlに溶解させて測定した還
元粘度から算出した値であり、また、化合物名称の後ろ
の( )内の数値は特に断らない限り分子量を表わす。
【0032】[参考例1]モノマ−の合成 <蓚酸ビス−3−ヒドロキシ−n−プロピルの合成>5
00mlのナスフラスコ中に蓚酸ジメチル(118.1
7)118.17部(1モル)、トリメチレングリコ−
ル(76.09)167.4部(2.2モル)、及びテ
トラブトキシチタンの1重量%トルエン溶液0.25m
lを加え、窒素雰囲気下で140℃に加熱、攪拌を開始
した。エステル交換反応の進行につれ、副生するメタノ
−ルが留出し始めるので、反応の様子を見ながら加熱、
攪拌を継続した。交換反応が充分に進みほぼ理論量のメ
タノ−ルが留出したのでついで系を1mmHgに減圧
し、過剰のトリメチレングリコ−ルを除去後、操作を終
了し、内容物を採取することで目的物である蓚酸ビス−
3−ヒドロキシ−n−プロピルを得た。
【0033】[参考例2]モノマ−の合成 <蓚酸ビス−4−ヒドロキシ−n−ブチルの合成>参考
例1のトリメチレングリコ−ルのかわりにテトラメチレ
ングリコ−ル(90.12)198.3部(2.2モ
ル)を用い、同様の操作を行うことで目的のモノマ−を
得た。
【0034】[参考例3]モノマ−の合成 <蓚酸ビス−6−ヒドロキシ−n−ヘキシルの合成>参
考例1のトリメチレングリコ−ルのかわりにヘキサメチ
レングリコ−ル(118.18)260.0部(2.2
モル)を用い、同様の操作を行うことで目的のモノマ−
を得た。
【0035】[参考例4]モノマ−の合成 <テレフタル酸ビス−4−ヒドロキシ−n−ブチルの合
成>500mlのナスフラスコ中にテレフタル酸ジメチ
ル(194.19)194.19部(1モル)、テトラ
メチレングリコ−ル(90.12)198.3部(2.
2モル)、及びテトラブトキシチタンの1重量%トルエ
ン溶液0.25mlを加え、窒素雰囲気下で180℃に
加熱、攪拌を開始した。エステル交換反応の進行につ
れ、副生するメタノ−ルが留出し始めるので、反応の様
子を見ながら加熱、攪拌を継続した。交換反応が充分に
進みほぼ理論量のメタノ−ルが留出したのでついで系を
1mmHgに減圧し、過剰のテトラメチレングリコ−ル
グリコ−ルを除去後、操作を終了し、内容物を採取する
ことで目的物である蓚酸ビス−4−ヒドロキシ−n−ブ
チルを得た。
【0036】[参考例5]モノマ−の合成 <2,6−ナフタレンジカルボン酸ビス−4−ヒドロキ
シ−n−ブチルの合成>500mlのナスフラスコ中に
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(244.2
5)244.25部(1モル)、テトラメチレングリコ
−ル(90.12)198.3部(2.2モル)、及び
テトラブトキシチタンの1重量%トルエン溶液0.25
mlを加え、窒素雰囲気下で180℃に加熱、攪拌を開
始した。エステル交換反応の進行につれ、副生するメタ
ノ−ルが留出し始めるので、反応の様子を見ながら加
熱、攪拌を継続した。交換反応が充分に進みほぼ理論量
のメタノ−ルが留出したのでついで系を1mmHgに減
圧し、過剰のテトラメチレングリコ−ルグリコ−ルを除
去後、操作を終了し、内容物を採取することで目的物で
ある蓚酸ビス−4−ヒドロキシ−n−ブチルを得た。
【0037】[参考例6]モノマ−の合成 <2,6−ナフタレンジカルボン酸ビス−3−ヒドロキ
シ−n−プロピルの合成>参考例5のテトラメチレング
リコ−ルのかわりにトリメチレングリコ−ル(76.0
9)167.4部(2.2モル)を用い、同様の操作を
行うことで目的のモノマ−を得た。
【0038】[参考例7]モノマ−の合成 <2,6−ナフタレンジカルボン酸ビス−6−ヒドロキ
シ−n−ヘキシルの合成>参考例5のテトラメチレング
リコ−ルのかわりにヘキサメチレングリコ−ル(11
8.18)260.0部(2.2モル)を用い、同様の
操作を行うことで目的のモノマ−を得た。
【0039】[実施例1] <ポリ(テトラメチレンテレフタレート/テトラメチレ
ンオキザレート)共重合体(65/35mol/mo
l)の製造>300mlの三つ口フラスコ中に参考例2
で合成した蓚酸ビス−4−ヒドロキシ−n−ブチル(2
32.24)81.28部(0.35モル)及び参考例
4で合成したテレフタル酸ビス−4−ヒドロキシ−n−
ブチル(310.11)201.57部(0.65モ
ル)及びテトラブトキシチタン0.25ml(0.03
モル)を加え、窒素雰囲気下で190℃に加熱、攪拌を
開始した。エステル交換反応の進行につれ、脱離するテ
トラメチレングリコ−ルが留出し始めた。温度を一時間
かけて220℃まで上昇し、系を水流アスピレ−タにて
減圧し、220℃でV1反応を30分行った。最終的に
真空ポンプにて133kPa(0.1mmHg)まで減
圧してV2反応に入り、220℃で更に2時間重縮合反
応を行った。反応が充分に進みほぼ理論量のテトラメチ
レングリコ−ルが留出し重縮合反応が終了した。内容物
が温かいうちにサンプリング、ペレット化することでポ
リ(テトラメチレンテレフタレート/テトラメチレンオ
キザレート)共重合体(65/35mol/mol)を
得た。以後、この共重合体をPBT[65]−co−P
BOx[35]と略記する。その固有粘度[η]を測定
したところ0.85であった。結果を表1に示す。
【0040】[実施例2〜4]実施例2〜4として、実
施例1と同様の方法において、各種参考例で合成した原
料モノマ−を用い、これらの種類、組み合せ、仕込み量
を表1に示す条件にして実験を行った。得られた各種ポ
リマ−については、それぞれポリ(テトラメチレン2,
6−ナフタレンジカルボキシレート/テトラメチレンオ
キザレート)共重合体(65/35mol/mol)を
PBN[65]−co−PBOx[35]、ポリ(トリ
メチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート/トリ
メチレンオキザレート)共重合体(70/30mol/
mol)をPC3N[70]−co−PC3Ox[3
0]、ポリ(ヘキサメチレン2,6−ナフタレンジカル
ボキシレート/ヘキサメチレンオキザレート)共重合体
(70/30mol/mol)をPC6N[70]−c
o−PC6Ox[35]、と略記する。これらの特性を
それぞれ表1に示す。何れの系でも、円滑に高重合度の
半芳香族コポリエステルを得ることができた。
【0041】[実施例5〜8]実施例1〜4で重合した
半芳香族コポリエステルを、卓上熱プレスを用い、各々
の融点より10℃高い温度で融解加圧し、平均厚み約1
00μmの強度、伸度に優れるフィルムを作成した。こ
れらのフィルムを10cm*10cmに切断し、土中
(個人住宅の庭、表層5〜10cm程度の場所)に埋め
込み、初期、六ヶ月、1年後のフィルムの状態を目視な
らびに残存部のフェノ−ル/1,1,2,2−テトラク
ロルエタン混合溶媒(重量比6/4)粘度測定により調
べることで生分解性の評価を行った。その結果を表2に
示す。何れの半芳香族コポリエステルにおいても明確な
生分解性を有することが確認された。
【0042】
【表1】
【0043】1) ・PBT[65]−co−PBOx[35]:ポリ(テ
トラメチレンテレフタレート/テトラメチレンオキザレ
ート)共重合体(65/35mol/mol) ・PBN[65]−co−PBOx[35]:ポリ(テ
トラメチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート/
テトラメチレンオキザレート)共重合体(65/35m
ol/mol) ・PC3N[70]−co−PC3Ox[30]:ポリ
(トリメチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート
/トリメチレンオキザレート)共重合体(70/30m
ol/mol) ・PC6N[70]−co−PC6Ox[30]:ポリ
(ヘキサメチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレー
ト/ヘキサメチレンオキザレート)共重合体(70/3
0mol/mol) 2) BHBT:テレフタル酸ビス−2−ヒドロキシ−n−ブ
チル BHBOx:蓚酸ビス−2−ヒドロキシ−n−ブチル BHBN:2,6−ナフタレンジカルボン酸ビス−2−
ヒドロキシ−n−ブチル BHC3N:2,6−ナフタレンジカルボン酸ビス−2
−ヒドロキシ−n−プロピル BHC3Ox:蓚酸ビス−2−ヒドロキシ−n−プロピ
ル BHC6N:2,6−ナフタレンジカルボン酸ビス−2
−ヒドロキシ−n−ヘキシル BHC6Ox:蓚酸ビス−2−ヒドロキシ−n−ヘキシ
【0044】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA01 AA03 AB01 AB04 AC02 AD01 BA02 CA01 CB06A CB10A CC05A CF03 HA01 HB01 HB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (ここでArは、炭素数6〜20の、核置換されていて
    もよい2価の芳香族炭化水素基であり、Xは2〜12で
    ある。)で表される繰り返し単位と、下記式(2) 【化2】 (Yは3〜12の数である。)で表される繰り返し単位
    とからなり、(1)と(2)の構成成分のモル比が95
    /5〜20/80である、フェノ−ル/1,1,2,2
    −テトラクロロエタン(重量比6/4)混合溶媒を用い
    て測定した固有粘度が0.4以上である半芳香族コポリ
    エステル。
  2. 【請求項2】 芳香族カルボン酸又はその低級アルキル
    エステルとアルキレングリコ−ルとを反応させて得たビ
    ス(2−ヒドロキシアルキル)芳香族カルボキシレート
    及び/又はそのオリゴマ−を、蓚酸又はその低級アルキ
    ルエステルとアルキレングリコ−ルを反応させて得たビ
    ス(2−ヒドロキシアルキル)オキザレート及び/又は
    そのオリゴマ−と共に適当なエステル交換触媒の存在下
    に重縮合を行い反応せしめることを特徴とする半芳香族
    コポリエステルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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