JP2001340755A - ガス吸着分離用多孔体及びそれを用いたガス吸着分離方法 - Google Patents

ガス吸着分離用多孔体及びそれを用いたガス吸着分離方法

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JP2001340755A
JP2001340755A JP2001101435A JP2001101435A JP2001340755A JP 2001340755 A JP2001340755 A JP 2001340755A JP 2001101435 A JP2001101435 A JP 2001101435A JP 2001101435 A JP2001101435 A JP 2001101435A JP 2001340755 A JP2001340755 A JP 2001340755A
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nitrogen
porous
pore diameter
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Koji Miyazawa
浩司 宮澤
Shinji Inagaki
伸二 稲垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス中の特定成分、例えば炭化水素類やCO
2等を選択的にかつ効率良く吸着分離することが可能な
ガス吸着分離用多孔体、並びにそれを用いたガス吸着分
離方法を提供すること。 【解決手段】 X線回折パターンにおいて1nm以上の
d値に相当する回折角度に1本以上のピークを有し、か
つ液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線において、相
対蒸気圧が0.2〜0.8の範囲で相対蒸気圧が0.1
変化した時の窒素吸着量(標準状態の窒素の体積に換算
した窒素吸着量)の変化量が50ml/g以上となる部
分を少なくとも1ヶ所以上有する多孔体であって、細孔
径分布曲線における中心細孔直径が2〜50nmである
メソ孔を有しかつ細孔壁が多孔質である多孔体にガスを
接触させてガス中成分を吸着分離することを特徴とする
ガス吸着分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス中成分を吸着分
離するための多孔体及びそれを用いたガス中成分の吸着
分離方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からガス中成分の吸着・分離方法に
使用可能な多孔質物質としてはゼオライト、メソポーラ
ス物質、シリカゲル・アルミナ等があり、それぞれ下記
に述べる特徴を有する。
【0003】ゼオライト系の結晶性多孔体は、その多孔
体の物理的、化学的表面特性によって触媒やイオン交換
体等として幅広い工業分野で利用されている。また、ゼ
オライト系の結晶性多孔体は細孔径が0.3〜1.3n
mの非常に微細な均一構造を有することから、低分子量
化合物等に対する高選択的触媒反応や吸着特性に優れた
機能を発揮する。
【0004】一方、特開平8−67578号公報等に記
載されているメソ領域2〜50nmの範囲の細孔を有す
る結晶性メソポーラス物質(メソ多孔体)は、その比表
面積が大きく、且つ細孔構造の均一性に優れていること
から、高分子量の化合物、すなわち分子サイズが細孔径
と同程度の化合物に対して選択的触媒や吸着剤として使
用することができ、またその細孔径の大きさから分子の
拡散速度が優れている。
【0005】また、シリカゲルやアルミナ等の無定形多
孔体は、一般にゾルゲル法により調製され、その構造制
御は様々な有機物を鋳型とすることで容易に行うことが
できる。このような無定形多孔体は、ミクロ孔からメソ
孔、マクロ孔までの幅広い細孔径分布を有し、大きなマ
クロ孔を有することから吸着担体としての機能の持続性
に優れ、また幅広い細孔径分布を有することから、低分
子量から高分子量までの非常に広範囲の有機化合物の吸
着担体や反応触媒等に利用できる。特開平9−2958
11号公報には、このようなゾルゲル法によって製造さ
れた、ミクロ孔、メソ孔及びマクロ孔がフラクタル規則
にしたがって分布している無定形多孔体が開示されてお
り、このような無定形多孔体が吸着担体やクロマトグラ
フィー用充填剤として使用できることが記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のゼオライト系の結晶性多孔体は、非常に微細で均一
な細孔構造を有することから、低分子量の化合物に対し
ては高い選択性、吸着特性を示すが、その微細な細孔構
造であるが故に、嵩高い分子構造を有する化合物や高分
子量の化合物等に対する触媒や吸着剤としての利用が制
限され、また分子の拡散速度が低いために効率の点で問
題があった。
【0007】一方、上記従来の結晶性メソポーラス物質
は、高分子量の化合物に対して優れた選択的触媒や吸着
剤として利用することができ、またその細孔径の大きさ
から分子の拡散速度が優れている反面、細孔径が比較的
大きく、また細孔壁がアモルファスであるため、ゼオラ
イトのような分子ふるい的な特異的な触媒、吸着特性は
発現しにくいという問題があった。
【0008】また、上記従来の無定型多孔体は、ミクロ
孔からメソ孔、更にはマクロ孔の全ての領域の細孔を有
することから、低分子量から高分子量の広範囲の化合物
に対して吸着担体、触媒等として利用することができる
反面、特定の化合物に対する特異的、選択的な触媒反
応、吸着分離特性は著しく低いという問題があった。
【0009】このように、従来の多孔質物質はいずれも
特定の化合物を吸着分離するための吸着剤としての性能
が未だ十分なものではなく、特に排ガス中の有害成分で
ある炭化水素類や地球温暖化を招くCO2を従来の多孔
質物質を吸着剤として用いて選択的にかつ効率良く吸着
分離することは困難であった。
【0010】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、ガス中の特定成分、例えば炭
化水素類やCO2等を選択的にかつ効率良く吸着分離す
ることが可能なガス吸着分離用多孔体、並びにそれを用
いたガス吸着分離方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、結晶性メソポーラ
ス物質(メソ多孔体)の細孔を隔てる細孔壁自体に細孔
部(ミクロ孔)を分布させることにより、ガス中の特定
成分、特に低分子量の化合物に対しても吸着分離性能が
著しく向上し、このようなガス中の特定成分を選択的に
かつ効率良く吸着分離することが可能となることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明のガス吸着分離用多孔体
は、X線回折パターンにおいて1nm以上のd値に相当
する回折角度に1本以上のピークを有し、かつ液体窒素
温度で測定した窒素吸着等温線において、相対蒸気圧が
0.2〜0.8の範囲で相対蒸気圧が0.1変化した時
の窒素吸着量(標準状態の窒素の体積に換算した窒素吸
着量)の変化量が50ml/g以上となる部分を少なく
とも1ヶ所以上有する多孔体であって、細孔径分布曲線
における中心細孔直径が2〜50nmであるメソ孔を有
しかつ細孔壁が多孔質であることを特徴とするものであ
る。
【0013】また、本発明のガス吸着分離方法は、X線
回折パターンにおいて1nm以上のd値に相当する回折
角度に1本以上のピークを有し、かつ液体窒素温度で測
定した窒素吸着等温線において、相対蒸気圧が0.2〜
0.8の範囲で相対蒸気圧が0.1変化した時の窒素吸
着量(標準状態の窒素の体積に換算した窒素吸着量)の
変化量が50ml/g以上となる部分を少なくとも1ヶ
所以上有する多孔体であって、細孔径分布曲線における
中心細孔直径が2〜50nmであるメソ孔を有しかつ細
孔壁が多孔質である多孔体にガスを接触させてガス中成
分を吸着分離することを特徴とする方法である。
【0014】このような本発明にかかる多孔体において
吸着分離性能が著しく向上する理由は定かではないが、
本発明者らは以下のように考えている。すなわち、本発
明にかかる多孔体においては、ガス分子は比較的大きな
メソ孔を通って細孔内部まで速やかに拡散する。そし
て、メソ孔(細孔壁)表面に存在する分子サイズのミク
ロ孔によりガス分子は吸着分離される。その際、ガス分
子のサイズと多孔体表面の化学的性質に応じてガス分子
が選択的に吸着分離される(ふるい分けられる)ことに
なる。このように、本発明の多孔体においては、ガス分
子の速やかな拡散と分子ふるい機能の両方が同時に達成
されるため、ガス中の特定成分(例えば二酸化炭素や炭
化水素類)がそれ以外の成分から選択的にかつ効率良く
吸着分離されるものと本発明者らは考えている。
【0015】上記本発明にかかる多孔体においては、前
記細孔壁は平均孔径が2nm未満であるミクロ孔を有す
る多孔質であり、かかるミクロ孔の全容積が0.05m
l/g以上であることが好ましい。このようにミクロ孔
容積が大きい多孔体によれば、その吸着分離性能がより
向上する傾向にある。
【0016】また、本発明にかかる多孔体においては、
前記中心細孔直径の±40%の範囲内に前記ミクロ孔を
除く全細孔容積の60%以上が含まれていることが好ま
しい。このようにメソ孔の細孔構造が均一であれば、ガ
ス中成分に対する選択性がより向上する傾向にある。
【0017】更に、本発明のガス吸着分離方法によれ
ば、前述のように炭化水素類やCO2等を選択的にかつ
効率良く吸着分離することが可能となるため、対象とす
るガス中成分が二酸化炭素及び炭化水素類からなる群か
ら選択される少なくとも一つの成分であることが好まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0019】[本発明のガス吸着分離用多孔体]先ず、
本発明のガス吸着分離用多孔体について説明する。
【0020】(X線回折パターン)本発明のガス吸着分
離用多孔体は、X線回折パターンにおいて1nm以上の
d値に相当する回折角度に1本以上のピークを有するも
のである。規則的な細孔構造を有することにより、十分
にメソ多孔体としての効率的な吸着分離特性を発揮しつ
つ、後述する多孔質細孔壁によりさらに選択的な吸着分
離特性が付与されるからである。
【0021】X線回折ピークはそのピーク角度に相当す
るd値の周期構造が試料中にあることを意味する。上記
X線回折パターンは、細孔が1nm以上の間隔で規則的
に配列した構造を反映したものである。すなわち、かか
る回折パターンを有するメソ多孔体は、その回折パター
ンの示す構造の規則性から、細孔構造及び細孔径に均一
性がある。より好ましくは、5nm以上のd値に相当す
る回折角度に1本以上のピークを持つことが好ましい。
【0022】(中心細孔直径、窒素吸着量及び細孔径分
布)本発明のガス吸着分離用多孔体は、細孔径分布曲線
における中心細孔直径が2〜50nm、好ましくは2〜
30nm、より好ましくは5〜30nm、さらに好まし
くは5〜15nm、であるメソ孔を有するものである。
このようなメソ孔を有する場合には、分子径が大きい機
能性有機化合物等も容易に細孔内に入ることができ、し
かも細孔内での分子の拡散が速やかに行われるので、効
率の良い吸着分離が可能となる。
【0023】上記の細孔径分布曲線は、次のようにして
求められる。すなわち細孔径分布曲線とは、例えば細孔
容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/d
D)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線を言
い、その細孔分布曲線のdV/dD値が最も大きくなる
(最大ピークを示す)細孔直径を中心細孔直径という。
【0024】かかる細孔径分布曲線は、例えば窒素ガス
の吸着量測定により得られる吸着等温線から種々の計算
式で導かれる。吸着等温線の測定法を以下に例示する。
この方法において最もよく用いられるガスは窒素であ
る。
【0025】まず、メソ多孔体を、液体窒素温度(−1
96℃)に冷却して、窒素ガスを導入し、その吸着量を
定容量法あるいは重量法で求める。導入する窒素ガスの
圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸
着量をプロットすることにより吸着等温線を作成する。
【0026】この吸着等温線から、Cranston-Inklay
法、Dollimore-Heal法、BJH法等の計算式により、細
孔径分布曲線を求めることができる。そして、例えば、
細孔径分布曲線における最大のピークが3.00nmに
ある場合、中心細孔直径は3.00nmとなる。
【0027】本発明のガス吸着分離用多孔体は、液体窒
素温度で測定した上記窒素吸着等温線において、相対蒸
気圧が0.2〜0.8の範囲で相対蒸気圧が0.1変化
した時の窒素吸着量(標準状態の窒素の体積に換算した
窒素吸着量)の変化量が50ml/g以上となる部分を
少なくとも1ヶ所以上有する多孔体である。この条件を
満たすメソ多孔体は、細孔径が十分に均一なメソ孔を有
するものであり、このようにメソ孔の細孔構造が均一で
あることによってガス中成分に対する選択性が著しく向
上する。
【0028】また、本発明のガス吸着分離用多孔体にお
いては、前記中心細孔直径の±40%の範囲内に前記ミ
クロ孔を除く全細孔容積の60%以上が含まれているこ
とが好ましい。この条件も、メソ多孔体が十分に均一な
細孔径を有するメソ孔を有することを示すものであり、
このようにメソ孔の細孔構造が均一であることによって
ガス中成分に対する選択性がより向上する傾向にある。
【0029】なお、例えば細孔径分布曲線における中心
細孔直径が3.00nmであり、その±40%の細孔範
囲にミクロ孔を除く全細孔容積の60%以上が含まれる
という場合は、細孔直径が1.80〜4.20nmの範
囲にある細孔の容積の総計が、ミクロ孔を除く全細孔容
積(ガス吸着法で測定できる上限の50nm以下でかつ
メソ孔の下限の2nm以上の孔径を備える細孔全体の容
積)の60%以上を占めているということである。具体
的には、細孔分布曲線における細孔直径1.80〜4.
20nmにある細孔の細孔容積の積分値が、細孔分布曲
線における細孔直径2〜50nmにある細孔の細孔容積
の全積分値の60%以上を占めているということであ
る。
【0030】(細孔構造)本発明のガス吸着分離用多孔
体の細孔形状は、1次元的にトンネル状に延びたもの
や、3次元的に箱状あるいは球状の細孔が結合したもの
等を挙げることができる。また、本発明の多孔材料の細
孔構造としては、2次元ヘキサゴナル構造(p6m
m)、3次元ヘキサゴナル構造(P63/mmc)、キュ
ービック構造(Ia3-d,Pm3-n)、ラメラ、不規
則構造等があるが、3次元的に細孔が結合したメソ孔を
有する細孔構造が好ましい。このようなトンネル状に延
びたメソ孔を有する場合には、ガス成分がより容易に細
孔内に入ることができ、細孔内でのガス成分がより速や
かに拡散して効率の良い吸着分離が可能となる傾向にあ
る。
【0031】(細孔壁の骨格組成)このようなメソ孔を
有する多孔体は、無機系骨格の細孔壁、または、無機/
有機ハイブリッド系骨格の細孔壁を有している。すなわ
ち、本発明のガス吸着分離用多孔体における細孔壁は、
無機系骨格あるいは無機/有機ハイブリッド系骨格を有
している。
【0032】無機系骨格は、シリケート等の無機酸化物
の高分子主鎖からなる。シリケート基本骨格中のケイ素
原子に代える原子、あるいは、シリケート骨格に付加す
る原子は、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ジル
コニウム、タンタル、ニオブ、モリブデン、コバルト、
ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウム、ラン
タン、ハフニウム、スズ、鉛、バナジウム、ホウ素等を
挙げることができる。
【0033】その他の無機系骨格としては、非Si系の
ジルコニア、チタニア、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸
化タングステン、酸化スズ、酸化ハフニウム、アルミナ
等の無機酸化物、あるいはそれらの無機酸化物を基本骨
格中に上記のシリケート骨格に付加する原子を組み込ん
だ複合酸化物を挙げることができる。
【0034】なお、このような無機系の基本骨格の側鎖
に、種々の有機基等が付与されていてもよい。かかる側
鎖としては、チオール基あるいはチオール基を含む有機
基、メチル基、エチル基等の低級アルキル基、フェニル
基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基等を挙げるこ
とができる。
【0035】無機/有機系ハイブリッド骨格は、金属原
子を含む高分子主鎖に、1又は2以上の炭素原子を含む
有機基が、当該炭素原子において前記主鎖を構成する金
属原子に直接あるいは酸素原子を介して結合している。
この有機基と高分子主鎖との結合は、1点でも2点以上
でもよい。また、かかる主鎖の形態は、特に限定されな
いで、直鎖状、網目状、分岐状等各種形態を採ることが
できる。
【0036】当該主鎖における、金属原子とは、特に限
定しないが、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、タ
ンタル、ニオブ、スズ、ハフニウム、マグネシウム、モ
リブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウ
ム、イットリウム、ランタン、鉛、バナジウム、チタン
等を挙げることができる。好ましくは、ケイ素、チタ
ン、ジルコニウム、アルミニウムである。中でも、好ま
しくは、ケイ素である。本発明においては、各種金属原
子を1種でも、あるいは2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。
【0037】このような主鎖において、炭素原子は、1
又は2以上の炭素原子を備えた有機基の形態で含まれ
る。この有機基中の1又は2以上の炭素原子が、前記主
鎖を構成する金属原子に1点あるいは2点以上で結合さ
れる。金属原子との結合部位は、有機基の末端でもよ
く、末端以外の他の部位であってもよい。
【0038】有機基については、特に限定されない。ア
ルキル鎖、アルケニル鎖、ビニル鎖、アルキニル鎖、シ
クロアルキル鎖、ベンゼン環、ベンゼン環を含む炭化水
素等の各種炭化水素基の他、各種水酸基、アミノ基、カ
ルボキシル基、チオール基等の有機官能基と1又は2以
上の炭素原子を備えた化合物に由来する有機基等、各種
のものを使用することができる。有機基は、1種類で
も、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0039】高分子主鎖と2点以上で結合される有機基
としては、好ましくは、アルキル鎖由来の炭化水素基で
あり、より好ましくは、炭素数1〜5の鎖状アルキル鎖
由来の炭化水素基である。具体的には、メチレン基(−
CH2 CH2 −)等のアルキレン鎖を挙げることができ
る。また、好ましい有機基として、フェニレン基(−C
6 4 −)を挙げることができる。
【0040】当該無機/有機ハイブリッド系主鎖を構成
する原子として、金属原子、炭素原子の他に、さらに、
他の原子を含めることができる。当該他の原子について
は特に限定しないが、好ましくは、金属原子と金属原子
との間に位置される酸素原子である。具体的には、Si
−Oや、Al−O、Ti−O、Nb−O、Sn−O、Z
r−O、等の結合を挙げることができる。なお、これら
の結合は、ポリシロキサン、ポリアロキサン等の各種遷
移金属のポリメタロキサンに含まれる金属原子と酸素原
子との結合に対応する。これらの結合は、1種でも、あ
るいは2種以上が組み合わされていてもよい。また、窒
素、イオウ、各種ハロゲン等の原子が含まれていてもよ
い。
【0041】なお、このような無機/有機ハイブリッド
系の主鎖構造について説明したが、かかる主鎖を構成す
る原子に結合する側鎖部分には、各種金属原子、有機官
能基、無機官能基が付加されていてもよい。例えば、チ
オール基、カルボキシル基、メチル基やエチル基等の低
級アルキル基、フェニル基、アミノ基、ビニル基等を有
するものが好ましい。
【0042】(細孔壁構造)本発明のガス吸着分離用多
孔体は、このような骨格を有する細孔壁が多孔質となっ
ている。
【0043】細孔壁が多孔質であるとは、細孔壁に多数
の孔部を有していることである。以下、細孔壁に存在す
るこのような孔部をミクロ孔という。ミクロ孔の孔径
は、好ましくは2nm以下であり、より好ましくは、
0.2nm以上2.0nm以下、さらに好ましくは0.
5nm以上1.5nm以下である。また、上記ミクロ孔
の孔径が、多孔体のメソ孔の中心細孔直径よりも小さい
ことが好ましい。したがって、3nm以上30nm以下
の中心細孔直径に対して0.2nm以上2nm以下の孔
径のミクロ孔を有することが好ましく、5nm以上30
nm以下の中心細孔直径に対して0.5nm以上1.5
nm以下の孔径のミクロ孔を有することがさらに好まし
い。
【0044】メソ多孔体中にミクロ孔の存在を検出し、
さらにその容積、孔径分布を求めるには、いわゆるt−
プロット法を用いることができる。t−プロットとは、
吸着量(v)を吸着膜の平均膜厚(t)に対してプロッ
トした曲線(x軸は平均膜厚であり、y軸は吸着量であ
る。)をいう。t−プロットは、メソ多孔体の吸着等温
線(吸着量を吸着ガスのガスの相対圧力に対してプロッ
トしたもの)から求めることができる。
【0045】ミクロ孔の存在を検出するには、先ず、メ
ソ多孔体の吸着等温線を得る。そして、適当な標準等温
線から相対圧力(P/Po)を吸着層の膜厚(t)に変
換するための近似曲線を求め、この近似曲線を使ってメ
ソ多孔体の吸着等温線における相対圧力を吸着層の膜厚
に変換する。
【0046】ここでの標準等温線とは、メソ多孔体と同
じBET式におけるC値を有する材料の等温線を用いる
ことが好ましい。具体的には、組成の類似した非多孔質
材料を用いる。例えば、メソ多孔体試料がシリカ材料で
あれば、非多孔質シリカを用いて作成した標準等温線を
用いる。なお、t−プロット法については、M.R.Bhambh
ani et al., J.Colloid and Interface Sci.,38,109(19
72)に記載がある。
【0047】メソ多孔体にミクロ孔が存在しないとき、
メソ多孔体試料のt−プロットは原点を通過する直線に
なる。一方、ミクロ孔が存在する場合、t−プロットし
た直線は原点を通過せず、縦軸(y軸)との交点、すな
わちy切片は正となる。このy切片の値がミクロ孔の容
積を示す。
【0048】さらに、MP法によりミクロ孔の孔径を求
めることができる(R. SH. Mikhailet al., J.Colloid
and Interface Sci.,26,45(1968))。
【0049】このt−プロットにおいて、例えば、原点
から4Å、4〜4.5Å、4.5〜5Å…の各t値区間
について、第1、第2、第3…n個の線形スロープを作
成する。一例を、図1に示す。この線形スロープにおい
て、吸着層の平均膜厚(t)は、以下の式によって得ら
れる。
【0050】t(Å)=104 ×(吸着量(V)/表面
積(BET)) 上記式から、各線形スロープにおける表面積を求めるこ
とができる。そして、例えば、厚さが4〜4.5Åの範
囲の細孔表面積は、第1のスロープから求めた表面積値
と第2のスロープから求めた表面積値の差となる。
【0051】この線形スロープの直線の傾きが減少しな
くなるまで(すべてのミクロ孔が満たされた状態を示
す)まで、以下の式に従ってミクロ孔容積Vを算出す
る。
【0052】ミクロ孔容積V(ml/g)=10-4×
(S1 −S2 )(t1 +t2 )/2 各t値区間について、得られた細孔容積の差ΔV=Vn
−Vn-1 を平均細孔直径r(=tn +tn-1 )/2)の
差Δr(=rn −rn-1 )で割ったものを、平均細孔直
径rに対してプロットすることにより、ミクロ孔の分布
を得ることができる。一例を図2に示す。
【0053】本発明のガス吸着分離用多孔体において
は、ミクロ孔容積が0.05ml/g以上であることが
好ましく、0.05ml/g以上0.3ml/g以下で
あることがより好ましく、0.1ml/g以上0.3m
l/g以下であることがさらに好ましい。ミクロ孔容積
が上記条件を満たす場合、ミクロ孔による選択的な吸着
分離性能がより向上する傾向にあるからである。
【0054】また、ミクロ孔容積が全細孔容積の10%
以上であることが好ましく、20%以上50%以下であ
ることがより好ましい。かかる孔容積率を有することに
より、ミクロ孔の存在に起因する吸着分離特性が発現し
やすいからである。
【0055】(細孔壁の厚さ)本発明のガス吸着分離用
多孔体は、細孔壁の厚さが2nm以上であることが好ま
しく、3nm以上であることがより好ましく、4nm以
上であることがさらに好ましく、5nm以上であること
が最も好ましい。細孔壁の強度、耐熱性、耐水熱性を確
保する必要があるからであり、また、ミクロ孔の容積を
確保することができるからである。ある程度の強度やミ
クロ孔容積があることにより、ミクロ孔による吸着分離
特性が良好に発揮される傾向にある。なお、細孔壁厚
は、X線回折によって求めた格子定数a0 (a0 =d
100 ×2/1.732)から中心細孔直径を差し引くこ
とにより求めることができる。
【0056】本発明のガス吸着分離用多孔体の形態とし
ては、粉末、顆粒、支持膜、自立膜、透明膜、配向膜、
球状、繊維状、基板上のバーニング、μmサイズの明瞭
な形態をもつ粒子などを挙げることができる。好ましい
形態は、粉末である。
【0057】(多孔体の製造方法)本発明のガス吸着分
離用多孔体は、好ましくは、以下の製造方法によって得
ることができる。
【0058】すなわち本発明のガス吸着分離用多孔体
は、基本的には、メソ多孔体を構成する骨格成分を、細
孔構造を得るためのテンプレート(鋳型)として界面活
性剤を用いて、縮重合させ、その後、界面活性剤を除去
することによって得られる。
【0059】(骨格成分)無機系高分子主鎖を縮重合に
より形成する無機系骨格成分としては、アルコキシシラ
ン、ケイ酸ソーダ、あるいはシリカを用いることができ
る。アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランを
用いることができる。これらの骨格成分は、シリケート
骨格を形成する。
【0060】また、メチルトリメトキシシラン、エチル
トリメトキシシラン等の低級アルキル基を備えたアルキ
ルアルコキシシラン、他の有機基あるいは官能基を備え
たアルコキシシラン等も用いることができる。有機基と
しては、他にフェニル基等を挙げることができる。官能
基としては、アミノ基、カルボキシル基、チオール基等
を挙げることができる。これらの有機基あるいは官能基
含有アルコキシシランを用いれば、その有機基や官能基
がシリケート基本骨格中に導入される。これらのアルコ
キシシラン等は、1種類あるいは2種類以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0061】ケイ酸ソーダ、シリカ、あるいはアルコキ
シシランの他に、他の元素を含む化合物や無機系骨格成
分とすることができる。例えば、Al源として擬ベーマ
イト、アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウムあるいはジ
アルコキシアルミノトリアルコキシシランを添加するこ
とによって、SiO2 −Al2 3 からなる基本骨格の
メソ多孔体が合成され得る。また、SiをTi、Zr、
Ta、Nb、Sn、Hf等の金属に置き換えた酸化化合
物も使用することができる。これにより、種々の金属
(Mn+;nは金属の電荷)をシリケート骨格内に含むメ
タロシリケート系メソ多孔体(SiO2 −MOn/2 )を
得ることができる。例えば、Ti(OC25 4 等の
チタネート化合物、硫酸バナジル(VOSO4 )、ホウ
酸(H3 BO3 )または塩化マンガン(MnCl2 )を
アルコキシシランに加えて共縮合反応を行うことによっ
て、それぞれTi、V、BまたはMnを導入したメタロ
シリケート系メソ多孔体を得ることができる。
【0062】また、無機/有機複合系骨格を縮重合によ
り形成する無機/有機複合系の骨格成分として、以下の
有機金属化合物を用いることができる。この有機金属化
合物に含まれる有機基は、メソ多孔体の基本骨格中に有
機基を導入することができる。この金属化合物は、2以
上の金属原子と結合する有機基を有し、この有機基と結
合する2以上の金属原子にはそれぞれ1以上のアルコキ
シル基あるいはハロゲン基を有する有機金属化合物を用
いる。すなわち、この有機金属化合物において、有機基
は、1又は2以上の炭素原子を有し、当該炭素原子が、
2以上の金属原子と結合している。
【0063】金属原子としては、特に限定されないが、
ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、タンタル、ニオ
ブ、スズ、ハフニウム、マグネシウム、モリブデン、コ
バルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウ
ム、ランタン、鉛、バナジウム等を挙げることができ
る。本発明で用いる有機金属化合物としては、各種金属
原子を1種でも、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0064】この有機金属化合物における有機基は、1
又は2以上の炭素原子を有し、当該炭素原子において金
属原子との結合部位を2以上備えている。有機基中の1
つの炭素原子において、金属原子との結合部位を2以上
備える場合もあり、異なる2以上の炭素原子において、
それぞれ金属原子との結合部位を備える場合もある。
【0065】有機基については、2以上の金属原子と結
合している以外には、特に限定されない。アルキル鎖、
アルケニル鎖、ビニル鎖、アルキニル鎖、シクロアルキ
ル鎖、ベンゼン環、ベンゼン環を含む炭化水素等の各種
炭化水素の他、各種、水酸基、カルボキシル基、チォー
ル基等の有機官能基と1又は2以上の炭素原子を備えた
化合物に由来する有機基等、各種のものを使用すること
ができる。具体的には、メチレン基(−CH2 CH
2 −)等のアルケニル鎖やフェニレン基(−C6
4 −)がある。
【0066】さらに、本発明にかかる有機金属化合物に
は、有機基が結合する各金属原子に、1以上のアルコキ
シル基あるいはハロゲン基を備える。アルコキシル基を
構成する炭化水素基は、鎖式、環式、あるいは脂環式の
炭化水素基である。好ましくはアルキル基であり、より
好ましくは炭素数1〜5の鎖状アルキル基である。ま
た、ハロゲン基としては、各種ハロゲン原子、塩素、臭
素、フッ素、ヨウ素等を用いることができる。アルコキ
シル基あるいはハロゲン基は、有機基が結合する各金属
原子に1以上備えていればよく、それ以上のアルコキシ
ル基あるいはハロゲン基を備えていてもよい。
【0067】このような有機金属化合物としては、具体
的には、有機基の両端側に金属アルコキシ基や金属ハロ
ゲン基を備えた有機金属化合物を挙げることができる。
例えば、(CH3 O)3 Si−CH2 −CH2 −Si
(OCH3 3 がある。−CH 2 −CH2 −の部分を−
6 4 −の様な他の有機基で置き換えた(CH3 O)
3 Si−C6 4 −Si(OCH3 3 も使用すること
ができる。また、SiをAl、Ti、Zr、Ta、N
b、Sn、Hf等の他の金属に置き換えた化合物も使用
することができる。また、このメトキシル基をハロゲン
基で置き換えた化合物も使用することができる。なお、
アルコキシル基及びハロゲン基は、縮重合反応における
加水分解基である。
【0068】なお、この有機金属化合物には、金属原
子、有機基の他に、さらに、他の原子や有機あるいは無
機官能基を含めることができる。当該他の原子や官能基
については特に限定されず、窒素、イオウ、各種ハロゲ
ン等の原子があるいはこれらの原子を含む官能基が含ま
れていてもよい。
【0069】このように、有機金属化合物としては、上
述の各種有機基及び各種金属原子を様々に組み合わせた
ものを得ることができる。有機金属化合物は、1種類で
も、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることがで
きる。また、この有機金属化合物のみを骨格成分として
もよいし、アルコキシシラン等の他の骨格成分とこの有
機金属化合物とを骨格成分としてもよい。
【0070】(テンプレート)テンプレートとなる界面
活性剤としては、非イオン性界面活性剤を用いることが
できる。非イオン性界面活性剤であれば特に限定されな
いが、例えば、疎水性部分として炭化水素鎖を有し、親
水性部分としてポリエチレンオキサイドを有するポリエ
チレンオキサイド系非イオン性界面活性剤を使用するこ
とができる。かかる界面活性剤として、C1633(OC
2 CH2 )OH(以下、このような構造をC16EO2
と略して記載する。)、C12EO4 、C16EO10、C16
EO20、C18EO10、C16EO20、C1835EO10、C
12EO23、C16EO10等を挙げることができる。
【0071】また、疎水性部分として、オレイン酸、ラ
ウリル酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸を有
する各種ソルビタン脂肪酸エステル等がある。具体的に
は、CH3 C(CH3 )CH2 C(CH3 2 6 4
(OCH2 CH2 x OH(xは平均10である)Tr
itonX−100(アルドリッチ)、ポリエチレンオ
キサイド(20)ソルビタンモノラウリレート(Twe
en20、アルドリッチ)や、ポリエチレンオキサイド
(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween4
0)、ポリエチレンオキサイド(20)ソルビタンモノ
ステアレート、ポリエチレンオキサイド(20)ソルビ
タンモノオリエート(Tween60)や、ソルビタン
モノパルミテート(Span40)等がある。ポリエチ
レンオキサイド系非イオン系界面活性剤は1種類でも2
種類以上を組み合わせても使用できる。
【0072】また、3つのポリアルキレンオキサイド鎖
を有するトリブロックコポリマーも使用することができ
る。特に、ポリエチレンオキサイド鎖−ポリプロピレン
オキサイド鎖−ポリエチレンオキサイド鎖を有するトリ
ブロックコポリマーを使用することが好ましい。この界
面活性剤は、中央にポリプロピレンオキサイド鎖を有
し、その両側にポリエチレンオキサイド鎖を有してお
り、両端末に水酸基を有する構造となっている。このト
リブロックコポリマーの基本構造を(EO)x (PO)
y (EO)xとして表す。x,yは特に限定しない。例
えば、x=5〜110、y=15〜70の範囲で構成さ
れるトリブロックコポリマーを挙げることができる。好
ましくは、x=15〜20、y=50〜60のトリブロ
ックコポリマーである。なお、15、16、18、1
9、20から選択されるいずれかのx値と、y=50〜
60に含まれるいずれかの整数であるy値、とを組み合
わせて得られる(EO)x (PO)y (EO)x が好ま
しいトリブロックコポリマーである。
【0073】また、ブロックを逆配列した、ポリプロピ
レンオキサイド鎖−ポリエチレンオキサイド鎖−ポリプ
ロピレンオキサイド鎖を有するトリブロックコポリマー
((PO)x (EO)y (PO)x )も同様に使用する
ことができる。このコポリマーについても、特に、x,
yを限定しないが、x=5〜110、y=15〜70の
範囲が好ましく、より好ましくは、x=15〜20、y
=50〜60のトリブロックコポリマーである。
【0074】トリブロックコポリマーとしては、具体的
には、EO5 PO70EO5 、EO13PO30EO13、EO
20PO30EO20、EO26PO39EO26、EO17PO56
17、EO17PO58EO17、EO20PO70EO20、EO
80PO30EO80、EO106 PO70EO106 、EO100
39EO100 、EO19PO33EO19、EO26PO39EO
26等を利用できる。好ましくは、EO17PO56EO17
EO17PO58EO17等である。これらのトリブロックコ
ポリマーはBASF社等から商業的に入手可能であり、
また、小規模製造レベルで所望のx値とy値を有するト
リブロックコポリマーを得ることができる。トリブロッ
クコポリマーは1種あるいは2種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0075】また、エチレンジアミンの2個の窒素原子
にそれぞれ2本のポリエチレンオキサイド鎖−ポリプロ
ピレンオキサイド鎖が結合されているスターダイブロッ
クコポリマーも使用できる。例えば、(EO113
222 NCH2 CH2 N(PO 22EO113 2 、(E
3 PO182 NCH2 CH2 N(PO18EO3 2
(PO19EO162 NCH2 CH2 N(EO16PO19
2 等を挙げることができる。スターダイブロックコポリ
マーは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0076】また、1級アルキルアミン等も、非イオン
性界面活性剤として使用できる。なお、用いる界面活性
剤の種類により、具体的には、界面活性剤のアルキル鎖
を始めとする疎水性部分の長さ等により、得られる細孔
径を制御することができる。
【0077】(縮重合)次に、これらの骨格成分と界面
活性剤とを含む反応系(液体)からガス吸着分離用多孔
体を得る。縮重合反応における溶媒は、水、有機溶媒、
水と有機溶媒の混合溶媒等を使用することができるが、
水を用いることが好ましい。
【0078】また、縮重合反応の反応系は、アルカリ
性、中性、酸性を特に限定はされないが、酸性であるこ
とが好ましい。具体的には、pH1以下であることが好
ましい。例えば、塩酸、ホウ酸、臭素酸、フッ素酸、ヨ
ウ素酸、硝酸、硫酸、リン酸等を用いることができる。
本発明においては、酸は1種類あるいは2種類以上を組
み合わせて使用することができる。本発明において使用
する酸は、好ましくは塩酸、硫酸である。塩酸を使用し
てpH0.5以下とすることが特に好ましい。
【0079】本発明の多孔体を得るには、界面活性剤を
低濃度とすることが好ましい。好ましくは、反応系に使
用する全溶媒量に対して、29.67g/l未満の範囲
である。29.67g/l以上ではミクロ孔を形成しな
いからである。また、7g/l以上であることが好まし
い。7g/l未満ではミセルを形成しにくいからであ
り、好ましくはその上限濃度は、29g/l以下であ
り、さらに好ましくは、25g/l以下であり、より好
ましくは20g/l以下である。また、下限の濃度は、
10g/l以上が好ましく、より好ましくは12g/l
以上である。なお、約15g/lが好ましい。
【0080】また、界面活性剤1gに対して、骨格成分
が0.012モル以上であることが好ましい。
【0081】各反応系成分を混合する方法は特に限定さ
れないが、界面活性剤を溶媒と混合し、同時に、あるい
は引き続いて酸を添加して好ましい酸性雰囲気とし、骨
格成分を添加することが好ましい。界面活性剤や酸等を
添加する混合系の温度や時間は、界面活性剤が均一に溶
解する溶液が得られればよく、特に限定されないが、0
℃以上100℃以下であることが好ましい。
【0082】界面活性剤と骨格成分とが縮重合可能な状
況、例えば、酸性雰囲気下で存在すれば、縮重合反応が
開始する。骨格成分は一度に添加してもよいし、撹拌し
つつ少しずつ添加してもよい。骨格成分を添加する際の
温度は、特に限定されないが、35℃以上80℃以下で
あることが好ましく、40℃以上45℃以下がより好ま
しい。また、添加にかける時間も特に限定されないが、
1分以上であることが好ましい。
【0083】反応系においては、各構成成分のモル比、
すなわち、骨格成分:界面活性剤:塩酸:溶媒のモル比
は、0.042〜0.175:0.00073〜0.0
030:1:27.79であることが好ましい。この場
合、溶媒が水であることがより好ましい。また、骨格成
分:界面活性剤のモル比(骨格成分/界面活性剤)は、
60以上とすることが好ましい。より好ましくは90以
上であり、さらに好ましくは120以上である。このモ
ル比が増大することにより、細孔径を小さくすることが
でき、細孔壁厚を厚くすることができる。また同時に、
細孔容積も小さくすることができる。
【0084】また、このモル比を大きくすることにより
(細孔壁厚を厚くすることにより)、ミクロ孔容積を増
大させることができる。さらに、このモル比の増大によ
り、細孔容積が減少してミクロ孔容積が増加することか
ら、細孔容積に対するミクロ孔容積の割合(%)を増大
させることができる。
【0085】なお、このモル比を大きくするという場
合、界面活性剤の使用量を低減すること、および/また
は、骨格成分の使用量を増加させることによる。界面活
性剤が一定濃度以下であれば、具体的には、29.67
g/l未満、より好ましくは、15g/l以下であれ
ば、骨格成分の使用量を増加することにより効果的にミ
クロ孔容積を増大させる等の効果を得ることができる。
骨格成分の使用量は好ましくは、界面活性剤1gに対し
て0.012モル以上である。
【0086】縮重合反応温度は、使用する界面活性剤や
骨格成分の種類や濃度によっても異なるが、通常は0℃
以上100℃以下の範囲で行われ、好ましくは35℃以
上80℃以下である。特に、トリブロックコポリマーを
界面活性剤として用いる場合には、40℃以上45℃以
下が好ましい。温度が低い方が生成物の構造の規則性が
高くなる傾向がある。また、温度が低い方が細孔径が小
さくなり、細孔壁厚が厚くなる傾向がある。
【0087】縮重合時間は、反応系の構成成分によって
異なるが、通常は8時間〜24時間の範囲である。ま
た、反応は、静置状態あるいは撹拌状態、撹拌状態と静
置状態とを組み合わせて行ってもよい。また、反応状態
によって、温度条件を変えることもできる。
【0088】なお、本発明の多孔体の細孔径は、界面活
性剤に加え疎水的な化合物、例えばトリメチルベンゼン
やトリイソプロピルベンゼンなどを添加することにより
制御することができる。
【0089】(水熱処理)縮重合反応の後、必要あれば
水熱処理を行う。すなわち、多孔体前駆体(即ち界面活
性剤が細孔内に充填されたままのもの)から界面活性剤
を取り除く処理を行う前に、以下のように水熱処理す
る。
【0090】多孔体前駆体を縮重合反応において使用し
たのと同様の界面活性剤を含む水溶液(典型的には縮重
合反応時と同等かそれ以下の界面活性剤濃度とする)中
に分散させ、当該前駆体を50℃以上200℃以下の範
囲内で水熱処理する。具体的には、反応液をそのままあ
るいは希釈して加熱する。加熱温度は、好ましくは60
℃以上100℃以下であり、より好ましくは70℃以上
80℃以下である。また、このときのpHはややアルカ
リ性がよく、好ましくは8以上8.5以下である。適
宜、塩酸または水酸化ナトリウムで調整すればよい。こ
の処理時間は特に制限するものではないが、1時間以上
が好ましく、3時間〜8時間がさらに好ましい。それ以
上長時間継続して行ってもよいが、あまり長時間行って
も効果に顕著な差はみられなくなる。なお、水熱処理は
処理液を撹拌しつつ行うことが好ましい。この水熱処理
後、前駆体を濾過、乾燥し、余剰の処理液を取り去る。
なお、前駆体を上記水溶液中に分散後、水熱処理を開始
する前に予め室温で数時間撹拌処理を行ってもよい。こ
れにより、上記水熱処理に基づく以下の効果をより高め
ることができる。
【0091】以上のように水熱処理を施す結果、界面活
性剤除去後の多孔体の強度および構造規則性を向上させ
ることができる。このため、上記水熱処理を施さないも
のと比較して、細孔安定性および構造規則性即ち細孔分
布の均一性に優れたメソ多孔体を提供することができ
る。従って、例えば、ヘキサゴナル構造の多孔体前駆体
をこの水熱処理に供することによって、メソ多孔体(最
終生成物)における細孔のサイズを、細孔直径分布曲線
における最大ピークを示す細孔直径の±40%の範囲に
全細孔容積の60%以上が含まれる程度に容易に均一化
させることができる。
【0092】(界面活性剤の除去)縮重合反応後、ある
いは水熱処理後、生成した沈殿あるいはゲルを濾過し、
必要であれば洗浄を行った後に乾燥することにより固形
生成物が得られる。次いで、この固形生成物から界面活
性剤を除去する。これら固化した生成物からの界面活性
剤の除去は、焼成による方法と水やアルコール等の溶媒
で処理する方法がある。
【0093】焼成による方法では、300℃から100
0℃の範囲で、好ましくは400℃以上700℃以下の
範囲に加熱する。加熱時間は30分以上あればよいが、
完全に有機成分を除去するには1時間以上加熱すること
が好ましい。雰囲気は空気を流通させればよいが、多量
の燃焼ガスが発生するため、燃焼初期は窒素等の不活性
ガスを流通してもよい。
【0094】溶媒等で処理する方法では、界面活性剤に
対する溶解度の大きい溶媒に固形生成物を分散させ、撹
拌した後に固形分を回収することにより行う。溶媒とし
ては界面活性剤に対する溶解度の大きいもの、例えば、
水、エタノール、メタノール、アセトン等を用いること
ができる。水で処理する場合には、25℃以上80℃以
下の範囲で行うことが好ましい。十分な溶解性を得るた
めに、少量の陽イオン成分を添加してもよい。添加する
陽イオン成分を含む物質としては、塩酸、酢酸、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム等がある。陽イオンの添加濃度
は、0.1〜10モル/lが好ましい。エタノール溶液
に対する固形生成物の分散量は、エタノール溶液100
ccに対し、固形生成物が0.5から50gが好まし
い。分散液の撹拌は25℃〜100℃の温度範囲で行う
ことが好ましい。特に、非イオン性の界面活性剤の場合
は、溶媒だけで抽出される場合がある。また、塩酸を添
加した水あるいは水を溶媒に用いることにより、界面活
性剤の抽出が容易になる場合がある。なお、粉砕やふる
い分け、あるいは成型は、界面活性剤を除去する前でも
後でもよい。
【0095】好ましい縮重合方法としては、骨格成分と
して、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等
の炭素数1〜5のテトラ低級アルコキシシラン、あるい
は、(CH3 O)3 Si−CH2 −CH2 −Si(OC
3 3 、(CH3 O)3 Si−C6 4 −Si(OC
3 3 等を用い、界面活性剤として、(EO)x (P
O)y (EO)x として表されるトリブロックコポリマ
ー(ただし、x=5〜110、y=15〜70、好まし
くはx=15〜20、y=50〜60)を29.67g
/l以下、好ましくは15g/l以下の濃度で、溶媒と
して水を用いて、塩酸酸性下で縮重合させる。
【0096】このような反応系によれば、X線回折パタ
ーンにおいて1nm以上のd値に相当する回折角度に1
本以上のピークを有し、液体窒素温度で測定した窒素吸
着等温線において、相対蒸気圧が0.2〜0.8の範囲
で相対蒸気圧が0.1変化した時の窒素吸着量(標準状
態の窒素の体積に換算した窒素吸着量)の変化量が50
ml/g以上となる部分を少なくとも1ヶ所以上有する
多孔体であって、細孔径分布曲線における中心細孔直径
が2〜50nmであるメソ孔を有しかつ細孔壁が多孔質
である多孔体をより確実に得ることが可能となる。
【0097】[本発明のガス吸着分離方法]次に、本発
明のガス吸着分離方法について説明する。
【0098】本発明のガス吸着分離方法は、上記本発明
のガス吸着分離用多孔体を用いてその多孔体にガスを接
触させる方法であればよく、それによってガス中の特定
成分が多孔体に吸着され、その後の保持時間に応じて分
離されるものである。その際にガスを多孔体に接触させ
る手法等は特に制限されず、例えば多孔体をカラムに充
填しておき、そこに処理対象となるガス成分を含む気体
を連続的にあるいは断続的に接触させるいわゆるガスク
ロマトグラフィー法等が採用される。また、ガス中の特
定成分を多孔体に単に吸着させることによって分離する
場合は、処理対象となるガス成分を含む気体と多孔体と
をバッチ式に接触させてもよい。
【0099】処理対象となるガス成分としては、排ガ
ス、プラントガス、改質ガスや空気中の炭化水素類(例
えばメタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレ
ン、n−ブタン、i−ブタン、ヘキサン、オクタン、ベ
ンゼン、シクロヘキサン、トルエン)、CO2、CO、
NOx、HC、SOx、H2S、メタノール、エタノー
ル等が挙げられ、好ましくはCO2及び炭化水素類から
なる群から選択される少なくとも一つのガス成分であ
る。また、本発明の多孔体にガスを接触させる際の条件
は特に制限されず、使用する多孔体と対象とするガス成
分との組み合わせに応じて効率良く吸着分離できる温度
領域が適宜選択される。
【0100】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
より具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
【0101】実施例1 非イオン系界面活性剤として(EO)17(PO)58(E
O)17の組成式で表されるトリブロックコポリマー(以
下、単にP104という。BASF製)を用い、骨格成
分としてテトラエチルシリケート(TEOS)を用い
た。P104の存在下、TEOSを塩酸を触媒として加
水分解せしめて縮重合させた。
【0102】すなわち、1.76gのP104(0.0
0035モル)を105mlのイオン交換水に溶解さ
せ、この界面活性剤溶液に12N塩酸20ml(0.2
4モル)を加えた(全水量6.67モル、界面活性剤濃
度:14.67g/l)。45℃の湯浴中で、この混合
液に対して4.73gのTEOS(0.021モル)を
一度に加えて、8時間撹拌した。さらに、80℃のオイ
ルバス中に8時間静置した。生成した白色沈殿を吸引濾
過により収集し、多量のイオン交換水で十分洗浄した
後、45℃の乾燥器中に一晩放置した。界面活性剤の除
去は、エアーを流しながら(流速0.5ml/mi
n)、室温から550℃まで2時間かけて昇温し、55
0℃で6時間焼成することにより行った。この結果、試
料1の多孔体(粉末)を得た。
【0103】試料1の低角域のXRDパターンを測定
し、得られた結果を図3に示した。試料1については、
d=1.96に強いピークとその高角側に弱いピークが
見られた。この回折パターンは低角側より(100)、
(110)、(120)面の回折面に帰属され、試料1
はヘキサゴナル構造を有していることが確認できた。
【0104】次に、試料1の窒素吸着等温線及び細孔分
布曲線(BJH法による)を求め、得られた結果を図4
(a)及び図4(b)にそれぞれ示した。また、細孔分
布曲線から試料1におけるメソ孔の中心細孔直径、比表
面積、全細孔容量(相対圧P/P0=0.98時)を求
め、さらに粉末X線回折により求めた格子定数a0 (a
0 =d100 ×2/1.732)と窒素吸着測定により求
めた細孔直径の差より細孔壁厚を求め、得られた結果を
表1に示した。
【0105】また、比表面積38.7m2 /gの非多孔
質シリカの窒素吸着等温線を標準等温線として、得られ
た試料1の窒素吸着等温線をt−プロットしてミクロ孔
容積を算出した。標準等温線のデータを図5に、またt
−プロット変換する際の相対圧力の各範囲で適用する近
似曲線を図6(a)〜(d)に示した。
【0106】この近似曲線を用いて試料1の窒素吸着等
温線をt−プロットし、得られたグラフを図7に示し
た。このグラフから、試料1にはミクロ孔が存在し、全
ミクロ孔容積は0.072ml/gであることがわかっ
た。
【0107】また、このt−プロットを用いてMP法に
よって求めたミクロ孔の孔径分布曲線を求め、その分布
曲線から得られたミクロ孔の孔径(平均孔径)を表1に
示した。
【0108】さらに、上記の諸解析データから、細孔に
対するミクロ孔の容積の割合、全細孔容積、ミクロ孔を
除く全細孔容積、中心細孔直径の±40%の範囲内にあ
る細孔の容積(メソ孔容積)、ミクロ孔を除く全細孔容
積に対するメソ孔容積を求め、得られた結果を表1及び
表2に示した。また、図4(a)に示す窒素吸着等温線
から相対蒸気圧が0.2〜0.8の範囲で相対蒸気圧が
0.1変化した時の窒素吸着量(標準状態の窒素の体積
に換算した窒素吸着量)の変化量の最大値を求め、得ら
れた結果を表3に示した。
【0109】実施例2〜4 TEOSの使用量を6.56g(0.0315モル、実
施例2)、8.75g(0.042モル、実施例3)、
11.04g(0.053モル、実施例4)とした以外
は実施例1と同様にして試料2、3及び4の多孔体(粉
末)をそれぞれ得た。試料2、3及び4の窒素吸着等温
線を求め、図8〜図10にそれぞれ示した。また、試料
2、3及び4について実施例1と同様に諸解析データを
求め、得られた結果を表1〜3に示した。
【0110】実施例5〜6 45℃で8時間撹拌した後の混合液の静置温度を90℃
(実施例5)、100℃(実施例6)とし、TEOS/
P104の比率を120とした以外は実施例1と同様に
して試料5及び6の多孔体(粉末)をそれぞれ得た。試
料5及び6について実施例1と同様に諸解析データを求
め、得られた結果を表1〜3に示した。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
【表3】
【0114】表1〜3に示した結果から明らかなよう
に、実施例1〜6で得られた多孔体(試料1〜6)はい
ずれも、下記の諸条件: (1)X線回折パターンにおいて1nm以上のd値に相
当する回折角度に1本以上のピークを有すること、
(2)液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線におい
て、相対蒸気圧が0.2〜0.8の範囲で相対蒸気圧が
0.1変化した時の窒素吸着量(標準状態の窒素の体積
に換算した窒素吸着量)の変化量が50ml/g以上と
なる部分を少なくとも1ヶ所以上有すること、(3)細
孔径分布曲線における中心細孔直径が2〜50nmであ
るメソ孔を有すること、(4)細孔壁が平均孔径2nm
未満であるミクロ孔を有する多孔質であること、(5)
ミクロ孔の全容積が0.05ml/g以上であること、
(6)中心細孔直径の±40%の範囲内にミクロ孔を除
く全細孔容積の60%以上が含まれること、全てを満た
していることが確認された。
【0115】また、表1〜3に示した結果から、界面活
性剤濃度が一定濃度以下の場合には、骨格成分/界面活
性剤のモル比を増大させることにより、ミクロ孔容積、
細孔孔径や細孔容積を制御できることが確認された。
【0116】比較例1 ミクロ孔形成が界面活性剤濃度と密接な関係があること
を確かめるため、P104を3.56g(界面活性剤濃
度29.67g/l)使用した以外は実施例1と同様に
して比較試料1としての多孔体(粉末)を得た。この試
料は、粉末X線回折によりヘキサゴナル構造を有してお
り、その窒素吸着等温線は図11に示す通りであった。
また、比較試料1の吸着等温線は、図12に示すように
標準曲線と一致しており、ミクロ孔の存在は認められな
かった。
【0117】比較例2 45℃で8時間撹拌した後の混合液の静置温度を100
℃とし、TEOS/P104の比率を60とした以外は
実施例1と同様にして比較試料2の多孔体(粉末)を得
た。比較試料2においてはミクロ孔の存在は認められな
かった。
【0118】実施例7〜8 各原料の使用量を以下: (実施例7) P104 17.2g イオン交換水 1060mL 12N塩酸水溶液 200mL TEOS 87.8g (実施例8) P104 34.4g イオン交換水 1060mL 12N塩酸水溶液 200mL TEOS 87.8g とした以外は実施例1と同様にして試料a及びbの多孔
体をそれぞれ得た。
【0119】次いで、得られた試料a及びbのメソ多孔
体30gを、10%(v/v)に希釈したメタノール水
溶液100mLに分散させ、1分間撹拌後、吸引濾過に
より沈殿物を収集した。収集した沈殿物を45℃の乾燥
器内で乾燥後、500kgf/cm2 の圧力で圧粉し、
酸素雰囲気下550℃で6時間焼成する事により、鋳型
である界面活性剤を除去した。焼成した各試料は乳鉢に
より粉砕し、ふるいにより粉体の粒子を150μmから
300μmに揃えて、気体分子分離用カラム充填剤とし
た。比較例3 細孔壁にミクロ孔が存在しない比較のためのメソ多孔体
としてFSM−16を用いた。FSM−16の合成は外
報にしたがって行った。以下、手順を述べる。
【0120】ジケイ酸ソーダ(δ−Na2 Si2 5
50.0gを500mLのイオン交換水に分散し、室温
にて3時間撹拌した後、吸引濾過により沈殿物を収集し
た。この沈殿物をヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロリド32.0gを1リットルのイオン交換水に溶解
した水溶液中に分散させ、70℃の湯浴中で3時間撹拌
後、2N塩酸水溶液を用いてpHを8.5に調製した。
その後、70℃の湯浴中で3時間撹拌後、白色沈殿を得
た。得られた白色沈殿を吸引濾過により収集し、多量の
イオン交換水で十分洗浄後、45℃の乾燥器内に放置し
て乾燥を行い、試料cの多孔体を得た。
【0121】次いで、試料c(FSM−16)を500
kgf/cm2 の圧力で圧粉後、酸素雰囲気下550℃
で6時間焼成する事により、鋳型である界面活性剤を除
去した。焼成した試料は、乳鉢により粉砕し、ふるいに
より粉体の粒子を150μmから300μmに揃えて、
気体分子分離用カラム充填剤とした。
【0122】[物性等の解析]実施例7〜8及び比較例
3で得られた試料(充填剤)a,b,cの粉末X線回折
(XRD)及び吸着等温線を実施例1と同様にして求
め、得られた粉末X線回折(XRD)及び吸着等温線を
図13及び図14にそれぞれ示す。また、、試料a、
b、cについて実施例1と同様に諸解析データを求め、
得られた結果を表4〜6に示した。
【0123】図13に示した粉末X線回折(XRD)の
結果から明らかなように、試料a、b、cはそれぞれ1
゜付近に強いピークとその広角側に数本の弱いピークが
見られ、規則的なメソ構造が形成されていることが確認
された。また、観察されたXRDパターンから試料a、
b、cはそれぞれ2次元ヘキサゴナルの骨格構造を形成
しており、各ピークは底角側から(100),(11
0),(200)の回折ピークと一致した。
【0124】また、図14に示した吸着等温線及び表4
〜6に示したデータから明らかなように、試料aは0.
110ml/g、試料bは0.051ml/gのミクロ
孔容積を有していたが、試料cにはミクロ孔の存在が認
められなかった。さらに、実施例7〜8で得られた多孔
体(試料a,b)はいずれも前述の(1)〜(6)の諸
条件を全て満たすものであることが確認された。
【0125】
【表4】
【0126】
【表5】
【0127】
【表6】
【0128】[気体成分の吸着分離試験]実施例7〜8
及び比較例3で得られた試料(気体分離用カラム充填
剤)a,b,cを用いて、それぞれ以下の条件によりガ
スクロマトグラフィー(GC)法により種々の気体分子
の保持時間を測定し、気体分子に対する吸着分離特性を
評価した。なお、測定前の充填剤の前処理として、15
0℃で40mL/minの流速でキャリアガスであるヘ
リウムを6時間流して、充填剤の乾燥を行った。GC測
定条件は下記の通りである。
【0129】 カラム ガラス製カラム(2m) キャリアガス ヘリウム(40mL/min) INJ温度 50℃ TCD温度 80℃ カラム温度 50℃ これらの試料(気体分離用カラム充填剤)a,b,cを
用いて気体分子の吸着分離評価(保持時間の測定)を行
った結果を表7に示した。なお、ここで使用した気体分
子は、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、窒素(N2)、酸
素(O2)、酸性ガスである一酸化窒素(NO)、二酸化
炭素(CO2 )、炭化水素系ガスとしてメタン(C
4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、n−ブタ
ン(n-C4H10)、i−ブタン(i-C4H10)、エチレン(CH
2=CH2)、プロピレン(CH2=CHCH3)を用いた。
【0130】
【表7】
【0131】表7に示した結果から明らかなように、実
施例7〜8で得られた試料(気体分離用カラム充填剤)
a,bによれば、ミクロ孔を有しない比較例3で得られ
た試料cに比べて特定のガス成分について保持時間が非
常に長くなり、特にCO、CO2 やプロピレン等の炭化
水素ガスをそれ以外のガスに対して効率的にかつ選択的
に吸着分離することができることが確認された。なお、
特定のガス成分について保持時間が長くなる傾向は、細
孔壁内に存在するミクロ孔容積に比例して増加する傾向
にあることも確認された。
【0132】比較例4〜5 比較の為、MS−3A型ゼオライト(比較例4)及びU
SY型ゼオライト(比較例5)を用いて、上記気体成分
の吸着分離試験と同様にして一酸化窒素(NO)、二酸
化炭素(CO2 )、プロピレン(C3 6 )についての
保持時間を測定した。得られた結果を表8に示した。
【0133】
【表8】
【0134】表7及び表8に示した結果から明らかな通
り、本発明にかかる実施例7〜8の試料a,bによれ
ば、従来のゼオライトを用いた場合に比べて二酸化炭素
(CO 2 )、プロピレン(C3 6 )についての保持時
間が約2倍になることが確認された。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス吸着
分離用多孔体、並びにそれを用いた本発明のガス吸着分
離方法によれば、ガス中の特定成分、例えば炭化水素類
やCO 2等を選択的にかつ効率良く吸着分離することが
可能となる。
【0136】従って、本発明のガス吸着分離用多孔体
は、エンジン始動時(コールドスタート時)の排ガス中
の炭化水素類を一時的に吸着して触媒が温まって活性を
示す温度になったら炭化水素を放出するための吸着剤
や、炭化水素の改質により製造された水素中の不純物で
あるCOやCO2を除去する吸着剤や、燃料器排ガスや
化学プラントのプロセスガス中のCO2 を圧力スイング
法(PSA法)で分離回収する装置の吸着剤あるいは溶
媒回収装置の吸着剤として非常に有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】細孔容積(V)と厚み(t)のプロットにおい
て、各t値区間の傾きを表す各スロープを示したグラフ
である。
【図2】図1に基づいて作成したミクロ孔の分布曲線を
示すグラフである。
【図3】試料1のXRDパターンを示すグラフである。
【図4】(a)は窒素吸着等温線、(b)はBJH法に
より求めた細孔分布曲線を示すグラフである。
【図5】標準等温線のデータを示す図である。
【図6】(a)〜(d)はそれぞれ標準等温線に基づい
て得た近似曲線を示すグラフである。
【図7】試料1の窒素吸着等温線をt−プロットしたグ
ラフである。
【図8】試料2の窒素吸着等温線を示すグラフである。
【図9】試料3の窒素吸着等温線を示すグラフである。
【図10】試料4の窒素吸着等温線を示すグラフであ
る。
【図11】比較試料の窒素吸着等温線を示すグラフであ
る。
【図12】比較試料の窒素吸着等温線をt−プロットし
たグラフである。
【図13】試料a,b,cのXRDパターンを示すグラ
フである。
【図14】試料a,b,cの窒素吸着等温線を示すグラ
フである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線回折パターンにおいて1nm以上の
    d値に相当する回折角度に1本以上のピークを有し、か
    つ液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線において、相
    対蒸気圧が0.2〜0.8の範囲で相対蒸気圧が0.1
    変化した時の窒素吸着量(標準状態の窒素の体積に換算
    した窒素吸着量)の変化量が50ml/g以上となる部
    分を少なくとも1ヶ所以上有する多孔体であって、 細孔径分布曲線における中心細孔直径が2〜50nmで
    あるメソ孔を有しかつ細孔壁が多孔質であることを特徴
    とするガス吸着分離用多孔体。
  2. 【請求項2】 前記細孔壁は平均孔径が2nm未満であ
    るミクロ孔を有する多孔質であり、該ミクロ孔の全容積
    が0.05ml/g以上であることを特徴とする請求項
    1に記載のガス吸着分離用多孔体。
  3. 【請求項3】 前記中心細孔直径の±40%の範囲内に
    前記ミクロ孔を除く全細孔容積の60%以上が含まれる
    ことを特徴とする請求項2に記載のガス吸着分離用多孔
    体。
  4. 【請求項4】 X線回折パターンにおいて1nm以上の
    d値に相当する回折角度に1本以上のピークを有し、か
    つ液体窒素温度で測定した窒素吸着等温線において、相
    対蒸気圧が0.2〜0.8の範囲で相対蒸気圧が0.1
    変化した時の窒素吸着量(標準状態の窒素の体積に換算
    した窒素吸着量)の変化量が50ml/g以上となる部
    分を少なくとも1ヶ所以上有する多孔体であって、 細孔径分布曲線における中心細孔直径が2〜50nmで
    あるメソ孔を有しかつ細孔壁が多孔質である多孔体にガ
    スを接触させてガス中成分を吸着分離することを特徴と
    するガス吸着分離方法。
  5. 【請求項5】 前記細孔壁は平均孔径が2nm未満であ
    るミクロ孔を有する多孔質であり、該ミクロ孔の全容積
    が0.05ml/g以上であることを特徴とする請求項
    4に記載のガス吸着分離方法。
  6. 【請求項6】 前記中心細孔直径の±40%の範囲内に
    前記ミクロ孔を除く全細孔容積の60%以上が含まれる
    ことを特徴とする請求項5に記載のガス吸着分離方法。
  7. 【請求項7】 前記ガス中成分が、二酸化炭素及び炭化
    水素類からなる群から選択される少なくとも一つの成分
    であることを特徴とする請求項4〜6のうちのいずれか
    一項に記載のガス吸着分離方法。
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