JP2001335651A - 有機繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板 - Google Patents

有機繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板

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JP2001335651A
JP2001335651A JP2000125163A JP2000125163A JP2001335651A JP 2001335651 A JP2001335651 A JP 2001335651A JP 2000125163 A JP2000125163 A JP 2000125163A JP 2000125163 A JP2000125163 A JP 2000125163A JP 2001335651 A JP2001335651 A JP 2001335651A
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phosphorus
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resin composition
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Toru Shimazu
徹 嶋津
Koichi Hiraoka
宏一 平岡
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノンハロゲンで難燃性と耐熱性を満足できる、
有機繊維基材プリント配線板に適したエポキシ樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】リン化合物と分子構造中に窒素原子が存在
する樹脂とを含むエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂と三官能以上の多官能エポキシ樹脂)組成物
であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を5〜20質
量%、樹脂固形分中のリンと窒素の合計含有量を5.5
〜7.7質量%とし、且つ、前記含有するリンと窒素の
質量比(リン/窒素)を0.2/1〜1/1、好ましく
は、0.3/1〜0.6/1とする。ビスフェノールA
型エポキシ樹脂に代えてビスフェノールF型エポキシ樹
脂を用いる場合、その含有量をを5〜30質量%とし、
リンと窒素の合計含有量を2〜7.7質量%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機繊維基材含浸
用の難燃性エポキシ樹脂組成物に関する。また、このエ
ポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板ないしは
金属箔張り積層板、プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器に組込むエポキシ樹脂プリント
配線板には、燃えにくいこと、燃え広がりにくいことと
言った安全性が求められている。そこで、臭素化エポキ
シ樹脂やエポキシ樹脂の硬化剤として臭素付加フェノー
ルノボラック樹脂等を使用し、難燃性を付与している。
しかし、臭素・塩素のようなハロゲン含有材を高温下で
長時間使用するとハロゲン化物の解離の懸念があるし、
ハロゲン含有材を焼却処理すると有害なハロゲン化物発
生の心配がある。近年は、環境安全の面から、ノンハロ
ゲンで難燃性を付与するという方向に変わりつつある。
ハロゲン化合物に代わり、難燃性付与剤としてリン化合
物が注目されている。このリン化合物は、殆どがリン酸
エステル系で、低融点(80〜100℃)の化合物であ
るので、燃焼時の高温で容易に熱分解する。熱分解で生
成するポリリン酸の炭化皮膜が樹脂を酸素及び熱から遮
蔽することによって、難燃効果が発揮される。
【0003】しかし、プリント配線板や多層プリント配
線板は、部品実装のための半田付や270℃程度のリフ
ロー工程で高温にさらされる。難燃性付与のために低融
点のリン化合物を多く添加しておくと、前記工程でリン
化合物が熱分解し、プリント配線と樹脂の界面でのふく
れが発生する。従って、プリント配線板や多層プリント
配線板に難燃性を付与するためにリン化合物を添加する
場合は、その添加によって耐熱性低下のないことが併せ
て要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ガラス繊維織布やガラ
ス繊維不織布を絶縁層の基材に使用したエポキシ樹脂プ
リント配線板が多用されているが、これらに対しては、
リン化合物を少量添加するだけで難燃性を付与できる。
不燃のガラス繊維が多く存在するからである。しかし、
有機繊維基材エポキシ樹脂プリント配線板は、基材自体
が燃えやすいために、ノンハロゲンで難燃性を付与する
ための樹脂組成には特別の工夫を要する。しかも、上述
したように、プリント配線板や多層プリント配線におい
ては、リン化合物を多量に添加することにより難燃性を
付与できたとしても、耐熱性を満足することは難しい。
【0005】従って、本発明が解決しようとする課題
は、リン化合物の添加量を減らしながらノンハロゲンで
難燃性を付与し、且つ、耐熱性も満足できる、有機繊維
基材プリント配線板に適したエポキシ樹脂組成物を提供
することである。また、このエポキシ樹脂組成物を適用
した有機繊維基材のプリプレグ、積層板ないしは金属箔
張り積層板、プリント配線板ないしは多層プリント配線
板を提供することを課題とする。さらに本発明の別の課
題は、上記の課題に加えて、金属箔(プリント配線)の
十分な引き剥がし強さを確保することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る第一の有機繊維基材含浸用エポキシ樹
脂組成物は、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノール
A型エポキシ樹脂と、三官能以上の多官能エポキシ樹脂
と、さらには、リン化合物と分子構造中に窒素原子が存
在する樹脂を含む。樹脂固形分中のビスフェノールA型
エポキシ樹脂を20質量%以下とし、樹脂固形分中のリ
ンと窒素の合計含有量を5.5〜7.7質量%とする。
且つ、前記含有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)
を0.2/1〜1/1、好ましくは、0.3/1〜0.
6/1とした点に特徴がある。勿論、実質的にノンハロ
ゲンの樹脂組成物である。
【0007】また、本発明に係る第二の有機繊維基材含
浸用エポキシ樹脂組成物は、二官能エポキシ樹脂として
ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、三官能以上の多官
能エポキシ樹脂と、さらには、リン化合物と分子構造中
に窒素原子が存在する樹脂を含む。樹脂固形分中のビス
フェノールF型エポキシ樹脂を30質量%以下とし、樹
脂固形分中のリンと窒素の合計含有量を2〜7.7質量
%とする。且つ、前記含有するリンと窒素の質量比(リ
ン/窒素)を0.2/1〜1/1、好ましくは、0.3
/1〜0.6/1とした点に特徴がある。勿論、実質的
にノンハロゲンの樹脂組成物である。
【0008】リン化合物による炭化皮膜の生成反応は、
分子構造中に窒素原子が存在する樹脂を併用することに
より促進されることが知られている(西沢 仁著「ポリ
マーの難燃化」,第34頁〜38頁,株式会社大成社1
989年発行)。有機繊維基材プリント配線板に適用す
るエポキシ樹脂組成物においては、上記のような配合組
成(特にリンと窒素の配合組成)にすることにより初め
てノンハロゲンで良好な難燃性を付与することができ、
しかも、耐熱性を低下させることがないという顕著な効
果を奏する。多官能エポキシ樹脂と硬化剤の反応により
硬化物が脆くなり過ぎたり、リン化合物の添加により硬
化物の弾性率が低下し、金属箔(プリント配線)の引き
剥がし強さが低下する懸念がある。しかし、上記の二官
能エポキシ樹脂の配合は、エポキシ樹脂組成物の分子量
分布を均等にし、良好な金属箔(プリント配線)の引き
剥がし強さ確保することに寄与する。難燃性確保の観点
から、二官能エポキシ樹脂の配合は、第一の樹脂組成物
では20質量%以下、第二の樹脂組成物では30質量%
以下にする。
【0009】二官能エポキシ樹脂は、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のほ
かビスフェノールS型エポキシ樹脂も選択することがで
き、樹脂固形分中の二官能エポキシ樹脂を5質量%以上
にすることが、金属箔(プリント配線)の引き剥がし強
さ確保の点でより好ましい。二官能エポキシ樹脂として
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の選択は難燃性確保の
点から一層好ましいものであり、さらに好ましくは、そ
のエポキシ当量を150〜2300とする。高エポキシ
当量のビスフェノールF型エポキシ樹脂を配合するとそ
の可塑化作用によりエポキシ樹脂硬化物の弾性率が低下
し、金属箔(プリント配線)引き剥がし強さを上げる効
果が一層大きくなる。エポキシ当量が大きくなると、可
塑化作用が顕著になり過ぎ耐熱性が低下する傾向がある
ので、上記のようにエポキシ当量の上限を考慮する。
【0010】本発明に係るプリプレグは、上記エポキシ
樹脂組成物を有機繊維基材に含浸・乾燥したものであ
り、積層板は、前記プリプレグの層を一部ないし全部と
して加熱加圧成形してなり、金属箔張り積層板は、前記
加熱加圧成形に際し表面に金属箔を一体化したものであ
る。また、本発明に係るプリント配線板は、前記プリプ
レグの層を加熱加圧成形してなる絶縁層を備えたもので
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るエポキシ樹脂組成物
は、エポキシ樹脂の種類を特に限定するものではない。
二官能エポキシ樹脂と、三官能エポキシ樹脂、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂さらにはビスフェノールAノボラック型エ
ポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂を混合ないしは予
備反応させて用いることができる。三官能エポキシ樹脂
や多官能エポキシ樹脂の選択は、耐熱性を向上させる。
二官能エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂よりビスフェノールF型エポキシ樹脂を選択する方が
よい。リン化合物の配合を同量にした場合、難燃性がよ
り優れるからである。エポキシ樹脂の硬化剤としては、
フェノール類ノボラック樹脂を選択することができる。
このフェノール類ノボラック樹脂の分子構造中に窒素原
子を導入し、分子構造中に窒素原子が存在する樹脂とす
ることができる。例えば、メラミン変性フェノール類ノ
ボラック樹脂を選択する。また、硬化促進剤として、2
−エチル4−メチルイミダゾール等を配合する。樹脂組
成物の成分であるリン化合物は、リン系ポリオール、エ
ポキシ樹脂と反応しない添加型リン酸エステル、エポキ
シ樹脂と反応する反応型リン酸エステル等である。反応
型リン酸エステルは、エポキシ樹脂と反応し、硬化剤で
あるフェノール類ノボラック樹脂とエポキシ樹脂の架橋
反応を妨げるので、好ましくは、添加型リン酸エステル
を選択する。
【0012】本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、水酸
化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無機化合物粉
末を配合して難燃性を高めることができる。しかし、配
合量が多量にならないように配慮すべきである。無機化
合物粉末の配合量が多いと、プリプレグの表面に無機化
合物粉末が残り、金属箔(プリント配線)と樹脂の界面
の接着性が低下する。接着性を低下させない程度の量で
あれば、難燃性付与のために、水酸化アルミニウムや水
酸化マグネシウム等の無機化合物粉末を配合することを
妨げるものではない。
【0013】上記のエポキシ樹脂組成物を含浸する有機
繊維基材は、芳香族ポリアミド繊維を主成分とする不織
布が好ましい。この不織布は、水中に分散した繊維をシ
ート状に抄造して製造される。抄造した不織布に、エマ
ルジョン形態の樹脂バインダをスプレーし加熱乾燥して
樹脂バインダ硬化させ、十分な強度を保持した不織布と
する。プリント配線板や多層プリント配線板には、半田
付により実装した電子部品の半田接続信頼性の向上が求
められている。このためには、絶縁層の低熱膨張化が必
須であり、不織布を構成する有機繊維として、負の熱膨
張係数を有する芳香族ポリアミド繊維を選択することは
好ましい態様である。芳香族ポリアミド繊維にはパラ系
とメタ系があるが、好ましくは、不織布を構成する繊維
のうち、パラ系芳香族ポリアミド繊維の含有量を50質
量%以上にする。パラ系芳香族ポリアミド繊維の選択
は、低熱膨張化に一層有利であり、耐熱性・耐湿性にも
優れるからである。
【0014】プリプレグは、上記不織布に上記エポキシ
組成物を含浸・乾燥して製造する。プリント配線板は、
まず、前記プリプレグの層に金属箔を重ね、これらを加
熱加圧成形して金属箔張り積層板とし、金属箔を所定の
配線パターンにエッチング加工して製造する。多層プリ
ント配線板は、前記プリント配線板にプリプレグを介し
て金属箔を重ね加熱加圧成形により一体化し、金属箔を
所定の配線パターンにエッチング加工して製造する。さ
らに表面にプリプレグを介して金属箔を重ね加熱加圧成
形により一体化し、金属箔を所定の配線パターンにエッ
チング加工して、配線層数を増やすこともできる。別の
方法では、複数枚のプリント配線板の間にプリプレグを
介在させ、表面にはプリプレグを介して金属箔を重ね、
これらを加熱加圧成形により一体化し、金属箔を所定の
配線パターンにエッチング加工する。積層板やプリント
配線板は、本発明に係るプリプレグと他のプリプレグ、
例えば、ガラス繊維基材プリプレグを組合せて使用し、
構成してもよい。
【0015】
【実施例】以下に、実施例を説明する。以下には、プリ
ント配線板については具体的に説明していないが、その
構成ならびに製造法は上記のとおりであるので、説明を
省略する。プリント配線板の絶縁層の難燃性、耐熱性及
びプリント配線剥離強度を確認するために、以下の例で
は、便宜上、プリプレグ5枚を重ねた両側に18μm厚
の銅箔を配し加熱加圧成形した銅張り積層板(0.5mm
厚)を製造し、試験に供した。
【0016】従来例1 パラ系芳香族ポリアミド繊維チョップ(帝人製「テクノ
ーラ」)を水中に分散させ、シート状に抄造した。これ
に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とイソシアネート
樹脂の配合よりなる樹脂バインダを水分散媒のエマルジ
ョン形態でスプレーし、160℃−30分間乾燥して、
60g/m2の不織布とした。樹脂バインダの付着量
は、8質量%である。上記不織布を基材とし、これに含
浸するエポキシ樹脂組成物として、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(エポキシ当量212)31質量部、三官
能エポキシ樹脂20質量部、硬化剤としてフェノールノ
ボラック樹脂19質量部及び臭素化フェノールノボラッ
ク樹脂30質量部、硬化促進剤として2−エチル4−メ
チルイミダゾール0.2質量部をメチルエチルケトン3
0質量部に溶解し、ワニスを調製した。このワニスを上
記不織布基材に含浸し、150℃−5分間乾燥してプリ
プレグを得た。樹脂の含有量は、52質量%である。上
記プリプレグを用いて、上述した銅張り積層板を製造し
た。成形条件は、温度170℃,圧力4.9MPaの条件
で60分間加熱加圧成形である。
【0017】実施例1〜11,比較例1〜4,実施例1
2〜15,比較例7〜8 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)、三官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹
脂、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(窒素含有
量20質量%)、縮合型リン酸エステル(添加型,リン
含有量9質量%)、2−エチル4−メチルイミダゾール
をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹
脂固形分中のリンと窒素の合計含質量%(P,N質量
%)と含有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂の含有質量%(ビスAエ
ポ)が、表1〜表3に示した各配合となるように、フェ
ノールノボラック樹脂とメラミン変性フェノールノボラ
ック樹脂の配合割合、ならびに縮合型リン酸エステルの
配合量を調整し、また、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂と三官能エポキシ樹脂の配合量を調整した。そのほか
は、従来例1と同様にして銅張り積層板を製造した。
尚、前記調整は、メラミン変性フェノールノボラック樹
脂の窒素含有量を変えること、ならびに縮合型リン酸エ
ステルのリン含有量を変えることによっても可能であ
る。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】比較例5 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)、三官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹
脂、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(窒素含有
量20質量%)、2−エチル4−メチルイミダゾールを
メチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹脂
固形分中の窒素の含有量が6.5質量%となるように、
フェノールノボラック樹脂とメラミン変性フェノールノ
ボラック樹脂の配合割合を調整した。そのほかは、従来
例1と同様にして銅張り積層板を製造した。
【0022】比較例6 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)、三官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹
脂、縮合型リン酸エステル(添加型,リン含有量9質量
%)、2−エチル4−メチルイミダゾールをメチルエチ
ルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹脂固形分中の
リン含有量が6.5質量%となるように、縮合型リン酸
エステルの配合割合を調整した。そのほかは、従来例1
と同様にして銅張り積層板を製造した。
【0023】上記各例の銅張り積層板について、半田耐
熱性、難燃性、銅箔剥離強度を評価した結果を表4〜表
7に示した。表中に示した各特性は、次のように評価し
た。半田耐熱性は、JIS C−6481に準拠し、試
料を300℃の半田槽に浮かべ、試料に膨れが発生する
までの時間を測定した。難燃性は、UL−94試験法に
基づき残炎時間を測定した。銅箔剥離強度は、JIS
C−6481に準拠し測定した。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】実施例9〜11と比較例3,4から、二官
能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂
を選択する場合は、樹脂固形分中のリンと窒素の合計含
有量を5.5〜7.7の範囲にすることにより、初めて
耐熱性と難燃性を確保できることを理解できる。また、
耐熱性と難燃性を確保するためには、(リン/窒素)を
0.2/1〜1/1の範囲にしなければならないこと
も、実施例1〜8と比較例1,2から明らかである。実
施例2〜4と実施例1,5〜8との比較より、(リン/
窒素)を0.3/1〜0.6/1の範囲にすることによ
り、耐熱性を極めて良好なレベルに維持しつつ充分な難
燃性を確保できることも理解できる。さらに、実施例1
0,13〜15と実施例12ならびに比較例7,8の比
較から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を5〜20質
量%含有することにより、耐熱性と難燃性を確保しつ
つ、良好な銅箔剥離強度を維持できることを理解でき
る。比較例5は、分子構造中に窒素原子が存在する樹脂
の配合だけでは難燃性を確保できないことを示し、比較
例6は、リン化合物の配合だけでは難燃性を確保するこ
とができても耐熱性が極めて低いレベルになってしまう
ことを示している。
【0028】実施例16〜26,比較例9〜12,実施
例27〜30,比較例13 ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量16
7)、三官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹
脂、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(窒素含有
量20質量%)、縮合型リン酸エステル(添加型,リン
含有量9質量%)、2−エチル4−メチルイミダゾール
をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹
脂固形分中のリンと窒素の合計含質量%(P,N質量
%)と含有するリンと窒素の質量比(リン/窒素)、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂の含有質量%(ビスFエ
ポ)が、表7〜表9に示した各配合となるように、フェ
ノールノボラック樹脂とメラミン変性フェノールノボラ
ック樹脂の配合割合、ならびに縮合型リン酸エステルの
配合量を調整し、また、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂と三官能エポキシ樹脂の配合量を調整した。そのほか
は、従来例1と同様にして銅張り積層板を製造した。
尚、前記調整は、メラミン変性フェノールノボラック樹
脂の窒素含有量を変えること、ならびに縮合型リン酸エ
ステルのリン含有量を変えることによっても可能であ
る。
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】上記実施例1〜30、比較例9〜13の銅
張り積層板について、半田耐熱性、難燃性、銅箔剥離強
度を評価した結果を表10〜表12に示した。
【0033】
【表10】
【0034】
【表11】
【0035】
【表12】
【0036】実施例24〜26と比較例11,12か
ら、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポ
キシ樹脂を選択する場合は、樹脂固形分中のリンと窒素
の合計含有量を2〜7.7の範囲にすることにより、初
めて耐熱性と難燃性を確保できることを理解できる。ま
た、耐熱性と難燃性を確保するためには、(リン/窒
素)を0.2/1〜1/1の範囲にしなければならない
ことも、実施例16〜23と比較例9,10から明らか
である。実施例17〜19と実施例16,20〜23と
の比較より、(リン/窒素)を0.3/1〜0.6/1
の範囲にすることにより、耐熱性を極めて良好なレベル
に維持しつつ充分な難燃性を確保できることも理解でき
る。さらに、実施例25,28〜30と実施例27なら
びに比較例13の比較から、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂を5〜30質量%含有することにより、耐熱性と
難燃性を確保しつつ、良好な銅箔剥離強度を維持できる
ことを理解できる。実施例12〜15と実施例27〜3
0の比較から、二官能エポキシ樹脂として、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂よりビスフェノールF型エポキシ
樹脂を選択することにより、耐熱性と銅箔剥離強度を維
持しつつ、更に、難燃性が良好になることが理解でき
る。
【0037】実施例31〜36 ビスフェノールF型エポキシ樹脂、三官能エポキシ樹
脂、フェノールノボラック樹脂 メラミン変性フェノールノボラック樹脂(窒素含有量2
0質量%)、縮合型リン酸エステル(添加型,リン含有
量9質量%)、2−エチル4−メチルイミダゾールをメ
チルエチルケトンに溶解し、ワニスを調製した。樹脂固
形分中の樹脂固形分中のリンと窒素の合計含質量%
(P,N質量%)と含有するリンと窒素の質量比(リン
/窒素)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有質量
%(ビスFエポ)が、表13に示した各配合となるよう
に、フェノールノボラック樹脂とメラミン変性フェノー
ルノボラック樹脂の配合割合、ならびに縮合型リン酸エ
ステルの配合量を調整し、また、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂と三官能エポキシ樹脂の配合量を調整した。
各例のビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ当量
も表13に示すとおりである。そのほかは、従来例1と
同様にして銅張り積層板を製造した。
【0038】
【表13】
【0039】上記実施例31〜36の銅張り積層板につ
いて、半田耐熱性、難燃性、銅箔剥離強度を評価した結
果を表14に示した。
【0040】
【表14】
【0041】実施例31〜35と実施例36の比較か
ら、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ当量が
150〜2300のとき、より良好な耐熱性を維持でき
ることを理解できる。
【0042】
【発明の効果】上述のように、有機繊維基材に対しては
本発明に係るエポキシ樹脂組成物を適用することによ
り、ノンハロゲンで充分な難燃性を確保でき、且つ、プ
リント配線板としての耐熱性も問題のないレベルに到達
する。特に、(リン/窒素)が0.3/1〜0.6/1
の範囲では、耐熱性を極めて良好なレベルに維持しつつ
充分な難燃性を確保することができる。さらには、二官
能エポキシ樹脂の含有量を特定して、金属箔(プリント
配線)の引き剥がし強度を良好なレベルに維持できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77/10 C08L 77/10 H05K 1/03 610 H05K 1/03 610L 610R Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB02 AB06 AB29 AD11 AD18 AD28 AE02 AF15 AF19 AF26 AG03 AK14 AL13 4J002 CC03Y CC07Y CD00X CD05W CL07Z EW006 EW046 FA04Z FD14Y GF00 GQ00 4J036 AA05 AD08 AJ02 DC41 DD07 FB08 JA08 JA11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機繊維基材含浸用のエポキシ樹脂組成物
    であって、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA
    型エポキシ樹脂と、三官能以上の多官能エポキシ樹脂
    と、さらには、リン化合物と、分子構造中に窒素原子が
    存在する樹脂を含み、 樹脂固形分中のビスフェノールA型エポキシ樹脂が20
    質量%以下であり、 樹脂固形分中のリンと窒素の合計含有量が5.5〜7.
    7質量%であり、前記含有するリンと窒素の質量比(リ
    ン/窒素)が0.2/1〜1/1であることを特徴とす
    る有機繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】有機繊維基材含浸用のエポキシ樹脂組成物
    であって、二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールF
    型エポキシ樹脂と、三官能以上の多官能エポキシ樹脂
    と、さらには、リン化合物と、分子構造中に窒素原子が
    存在する樹脂を含み、 樹脂固形分中のビスフェノールF型エポキシ樹脂が30
    質量%以下であり、 樹脂固形分中のリンと窒素の合計含有量が2〜7.7質
    量%であり、前記含有するリンと窒素の質量比(リン/
    窒素)が0.2/1〜1/1であることを特徴とする有
    機繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキ
    シ当量が150〜2300である請求項2記載の有機繊
    維基材含浸用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】二官能エポキシ樹脂の含有量が、樹脂固形
    分中の5質量%以上であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の有機繊維基材含浸用エポキシ樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】リン/窒素が0.3/1〜0.6/1であ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有
    機繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ
    樹脂組成物を有機繊維基材に含浸・乾燥してなることを
    特徴とするプリプレグ。
  7. 【請求項7】有機繊維基材が芳香族ポリアミド繊維を主
    成分とする不織布基材である請求項6記載のプリプレ
    グ。
  8. 【請求項8】請求項6又は7記載のプリプレグの層を一
    部ないし全部として加熱加圧成形してなることを特徴と
    する積層板。
  9. 【請求項9】請求項8記載の積層板の少なくとも片面に
    金属箔が一体化されている金属箔張り積層板。
  10. 【請求項10】請求項6又は7記載のプリプレグの層を
    加熱加圧成形してなる絶縁層を備えたことを特徴とする
    プリント配線板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007060833A1 (ja) * 2005-11-25 2007-05-31 Toray Industries, Inc. 炭素繊維束、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
JP2007182544A (ja) * 2005-12-07 2007-07-19 Hitachi Chem Co Ltd ハロゲンフリー樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ並びにプリント配線板

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