JP2005213386A - プリプレグ、そのプリプレグを用いた積層板ならびにプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記不織布を、その100質量部に対しレゾール型フェノール樹脂を1〜20質量部含有させたものとする。このような不織布に、(A)3官能以上の多官能エポキシ樹脂、(B)窒素原子を含むフェノールノボラック樹脂、(C)非反応性リン化合物、(D)無機充填剤を含むエポキシ樹脂組成物を保持させる。樹脂固形分中のリン含有量を1〜2質量%、樹脂固形分100質量部に対する無機充填剤の配合を70〜110質量部とする。
【選択図】なし
Description
(1)エポキシ樹脂にその硬化反応に関与しない非反応性リン酸エステルを配合すること(特許文献1)。
(2)エポキシ樹脂にその硬化反応に関与する反応性リン酸エステルを配合すること(特許文献2、3)。
(3)エポキシ樹脂に反応性リン酸エステルで変性したリン変性エポキシ樹脂を配合すること(特許文献4)。
などがある。これらは、燃焼時の熱分解で生成するポリリン酸の炭化皮膜が酸素及び熱から樹脂を遮蔽することによって難燃効果を発揮する。
(4)エポキシ樹脂に窒素原子を含有する樹脂を配合したり、水酸化アルミニウム等の水酸化物を配合すること(特許文献5)。
などがある。これらは、燃焼時に発生する窒素ガスにより酸素遮蔽をしたり、燃焼時の熱分解により放出される水によって難燃効果を発揮する。
まず、前記耐熱性有機を主成分とする不織布が、レゾール型フェノール樹脂を予備含浸されている。または、前記耐熱性有機繊維が、レゾール型フェノール樹脂で被覆されている。そして、不織布100質量部に対するレゾール型フェノール樹脂の含有量は1〜20質量部である。
このような不織布に保持させるエポキシ樹脂組成物は、
(A)3官能以上の多官能エポキシ樹脂
(B)窒素原子を含むフェノールノボラック樹脂
(C)非反応性リン化合物
(D)無機充填剤
を含み、樹脂固形分中のリン含有量が1〜2質量%、樹脂固形分100質量部に対する無機充填剤の配合が70〜110質量部であることを特徴とする。
上記レゾール型フェノール樹脂は、水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂であることが好ましい。耐熱性有機繊維又はこれを主成分とする不織布に適用するレゾール型フェノール樹脂の量は、不織布100質量部に対して好ましくは3〜15質量部である。
前記エポキシ樹脂組成物の必須成分である窒素原子を含むフェノールノボラック樹脂は、アミノトリアジン変性フェノールノボラック樹脂やメラミン変性フェノールノボラック樹脂等であり、特に限定するものではない。同様に必須成分である非反応性リン化合物は、縮合型リン酸エステル、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリグリシジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等であり、特に限定するものではない。これらの非反応性リン化合物は、単独又は2種以上を組合せて用いることができる。但し、絶縁層への難燃性付与及び絶縁層のTg低下抑制を考慮し、樹脂固形分中のリン含有量は1〜2質量%の範囲とする。
さらに、無機充填剤は、絶縁層の厚さ方向の熱膨張を抑えるためのものであり、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛等である。特に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムは、高温で熱分解して水を放出するので、絶縁層に難燃性を付与する上でも望ましい。これらの無機充填剤は、単独又は2種以上を組合せて用いることができる。但し、絶縁層の厚さ方向熱膨張率を小さくすることと銅箔の絶縁層への接着強度を確保することを考慮し、樹脂固形分100質量部に対し無機充填剤の配合を70〜110質量部の範囲とする。
アラミド繊維不織布として、パラ系アラミド繊維(東レ・デュポン製「ケブラー」)を主成分とし水溶性エポキシバインダ(大日本インキ化学工業製「Vコート」)をバインダ成分として配合し抄造により製造したアラミド繊維不織布を準備した。不織布の単位質量を36g/m2とした。
ここでは、不織布の主成分を1種類のパラ系アラミド繊維としたが、主成分として2種以上のパラ系アラミド繊維の混合物、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維の混合物、アラミド繊維とその他繊維の混合物も選択することができる。
フェノール1モル、ホルムアルデヒド2モル、触媒としてトリエチルアミン0.1モルを反応釜に投入し、74〜82℃で約3時間反応後減圧濃縮を行ない、反応生成物のゲルタイムが所定の値になったところで反応を終了した。これをメタノールで希釈して樹脂固形分50質量%の水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂ワニスを調製した。このレゾール型フェノール樹脂は、重量平均分子量が約270であり、2量体が主成分となっている。
上記アラミド繊維不織布に、上記レゾール型フェノール樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥(150℃,15分間)により繊維表面にフェノール樹脂硬化物の皮膜を形成した不織布とした。不織布100質量部に対するレゾール型フェノール樹脂の含有量は、以下の各実施例、比較例のとおりとした。
不織布100質量部に対するレゾール型フェノール樹脂含有量(表面処理量)を表1のとおりとした不織布に、以下のエポキシ樹脂組成物を含浸する。
すなわち、3官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製「E1032」)、アミノトリアジン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業製「LA7052」)、縮合型リン酸エステル(大八化学製「PX−200」)を、樹脂固形分中のリン含有量が1.4質量%となるようにメチルエチルケトンに溶解する。さらに、水酸化アルミニウム(昭和電工製「HS−330」)を樹脂固形分100質量部に対し90質量部となるように配合し、ホモミキサで分散してワニスを調製する。
このワニスを、レゾール型フェノール樹脂ワニスを含浸し加熱乾燥した上記の不織布に含浸し、加熱乾燥(150℃,5分間)してプリプレグを得た。プリプレグの樹脂含有量は78質量%である。
上記プリプレグを10枚重ね、その両面に18μm厚の銅箔を配置し、温度190℃,圧力3.9MPaの条件で、90分間加熱加圧成形し、銅張り積層板を得た。
レゾール型フェノール樹脂含有量が5質量%になるように表面処理をした不織布に、リン含有量を表2の値となるよう調製したエポキシ樹脂組成物のワニスを含浸し、それ以外は、実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
レゾール型フェノール樹脂含有量が5質量%になるように表面処理した不織布に、水酸化アルミニウムの配合量を表3の値となるよう調製したエポキシ樹脂組成物のワニスを含浸し、それ以外は、実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
レゾール型フェノール樹脂による表面処理を施さない不織布に、リン含有量を表4の値となるように調製したエポキシ樹脂組成物のワニスを含浸し、そ以外は、実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
レゾール型フェノール樹脂による表面処理を施さない不織布に、水酸化アルミニウムの配合量を表5の値となるように調製したエポキシ樹脂組成物のワニスを含浸し、それ以外は、実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
難燃性:銅張り積層板の銅箔を全面エッチングにより除去した後、UL−94試験方法に基づき、残炎時間(秒)を測定した。
ピール強度:JIS−C−6481に基づき、強度(kN/m)を測定した。
Tg,熱膨張係数:サンプル数を3とする。Dupont TMA 2940型(TAインスツルメンツ製)により、室温〜260℃の10℃/分昇温を2サイクル繰返し、2サイクル目の熱膨張量の変曲点をTgの平均とした。また、30〜80℃の昇温に対する厚さ方向の熱膨張量を熱膨張係数とし、平均とばらつき(R)で示した。
Claims (7)
- 耐熱性有機繊維を主成分とする不織布にエポキシ樹脂組成物を保持させたプリプレグであって、
前記不織布はレゾール型フェノール樹脂を予備含浸されており、不織布100質量部に対してレゾール型フェノール樹脂の含有量が1〜20質量部であり、
前記エポキシ樹脂組成物は、
(A)3官能以上の多官能エポキシ樹脂
(B)窒素原子を含むフェノールノボラック樹脂
(C)非反応性リン化合物
(D)無機充填剤
を含み、樹脂固形分中のリン含有量が1〜2質量%、樹脂固形分100質量部に対する無機充填剤の配合が70〜110質量部であることを特徴とするプリプレグ。 - 耐熱性有機繊維を主成分とする不織布にエポキシ樹脂組成物を保持させたプリプレグであって、
前記耐熱性有機繊維はレゾール型フェノール樹脂で被覆されており、不織布100質量部に対してレゾール型フェノール樹脂の含有量が1〜20質量部であり、
前記エポキシ樹脂組成物は、
(A)3官能以上の多官能エポキシ樹脂
(B)窒素原子を含むフェノールノボラック樹脂
(C)非反応性リン化合物
(D)無機充填剤
を含み、樹脂固形分中のリン含有量が1〜2質量%、樹脂固形分100質量部に対する無機充填剤の配合が70〜110質量部であることを特徴とするプリプレグ。 - レゾール型フェノール樹脂が、水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載のプリプレグ。
- レゾール型フェノール樹脂の含有量が、不織布100質量部に対して3〜15質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグの層をプリプレグ層の一部ないし全部として加熱加圧成形してなることを特徴とする積層板。
- 請求項5記載の積層板の少なくとも片面に金属箔が一体化されていることを特徴とする金属箔張り積層板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグの層を加熱加圧成形してなる絶縁層を備えたことを特徴とするプリント配線板。
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---|---|---|---|---|
JP2007099808A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
JP2016104891A (ja) * | 2010-05-31 | 2016-06-09 | 日立化成株式会社 | エポキシ樹脂組成物、このエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、支持体付き樹脂フィルム、金属箔張り積層板及び多層プリント配線板 |
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2004
- 2004-01-30 JP JP2004022392A patent/JP2005213386A/ja not_active Abandoned
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