JP2001332780A - 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果型ヘッド、および情報再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果型ヘッド、および情報再生装置

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JP2001332780A
JP2001332780A JP2000147540A JP2000147540A JP2001332780A JP 2001332780 A JP2001332780 A JP 2001332780A JP 2000147540 A JP2000147540 A JP 2000147540A JP 2000147540 A JP2000147540 A JP 2000147540A JP 2001332780 A JP2001332780 A JP 2001332780A
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magnetic
magnetization
magnetic layer
film
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Kenji Noma
賢二 野間
Hitoshi Kanai
均 金井
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 破壊耐性の高い磁気抵抗効果膜を提供する。 【解決手段】 バイアス磁界を発生する反強磁性層2、
そのバイアス磁界によって方向が固定された磁化を有す
る固定磁性層3、外部磁界に応じて方向の変わる磁化を
有する自由磁性層5、および固定磁性層と自由磁性層に
挟まれてなる非磁性中間層4を含む多層膜であって図示
しない一対の絶縁層によって挟まれた磁気抵抗効果膜で
あり、この磁気抵抗効果膜に平行に電流を流した場合
に、その電流を各々等しい電流量となるように二分する
厚み方向の位置である電流中心が、その磁気抵抗効果膜
を上記非磁性中間層の層厚の中心位置で厚み方向に二分
した際の、上記固定磁性層を含む側に位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部磁界の強さに
応じた抵抗変化を示す磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果膜
の抵抗変化を利用して外部磁界の強さを検知する磁気抵
抗効果型ヘッド、および記録媒体に記録された情報を再
生する情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの普及に伴って、日
常的に多量の情報が取り扱われるようになっている。こ
のような情報は、通常、記録媒体に多数の物理的な印と
して記録され、その記録媒体上の印を読み取って電気的
な再生信号を生成する情報再生装置により再生される。
【0003】ハードディスク装置(HDD:Hard
Disk Drive)は、そのような情報再生装置の
1つであり、記憶容量が大きく情報へのアクセス速度が
速いという特徴を持つ。このHDDは、一般に、表面が
磁性材料からなる記録媒体である磁気ディスク、および
この磁気ディスクに記録された情報を再生する再生ヘッ
ドを備えている。磁気ディスクは、表面が微小領域(1
ビット領域)ごとに磁化されており、1ビットの情報が
この1ビット領域の磁化の方向の形で記録される。再生
ヘッドは、この磁気ディスクに近接して配置され、磁気
ディスクの1ビット領域の磁化から発生する信号磁界H
sigに応じた電気的な再生信号を出力することにより、
磁気ディスクに記録された情報を再生する。
【0004】この磁気ディスクの記録密度は年々向上し
続けており、その記録密度の向上に伴って1ビット領域
の面積が減少し、その1ビット領域から発生する信号磁
界H sigが弱くなる。このため、このように弱い信号磁
界Hsigに対しても大きな再生信号を出力する再生ヘッ
ドが必要となっており、このように大きな再生信号を出
力する再生ヘッドとして、巨大磁気抵抗(GMR)効果
を利用した磁気抵抗効果型ヘッドであるスピンバルブ磁
気抵抗効果型ヘッド(SVMRヘッド:SpinVal
ve Magnetoresistive Head)
の実用化が本格的に始まりつつある。
【0005】SVMRヘッドは、外部磁界に応じて磁化
の方向が変化する自由磁性層と、この自由磁性層に隣接
して形成された導電性を有する非磁性中間層と、この非
磁性中間層に隣接して形成された、磁化の方向が所定の
方向に固定された固定磁性層と、この固定磁性層に隣接
して形成され、この固定磁性層の磁化の方向を固定する
反強磁性材料からなる反強磁性層とを含む多層膜である
スピンバルブタイプの磁気抵抗効果膜を有する。この磁
気抵抗効果膜は、自由磁性層の磁化の方向と固定磁性層
の磁化の方向の相対的な角度変化に応じた抵抗変化を生
じ、これらの磁化の方向が互いに同方向を向くと抵抗値
が最小となり、互いに逆方向を向くと抵抗値が最大とな
る。この磁気抵抗効果膜には膜の広がり方向に互いに離
れた一対の電極端子が配設されており、動作時にこの一
対の電極端子から磁気抵抗効果膜にセンス電流が流され
る。センス電流が流された状態で、このSVMRヘッド
を磁気ディスクに近接させて相対的に移動させると、磁
気ディスクからの信号磁界Hsigに応じて上記磁気抵抗
効果膜の電気抵抗値が逐次変化し、この電気抵抗値と上
記センス電流値との積で表される出力電圧を持った再生
信号が出力される。
【0006】近年、このSVMRヘッドは、上述した微
小な1ビット領域から生ずる磁界を良好に検知するよう
に、適磁気抵抗効果膜の面積が0.1×0.1μm2
ーダにまで低減されたものとなっており、また、再生信
号を高出力化するように、磁気抵抗効果膜の厚みが数十
nmオーダにまで薄層化されたものとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このSVMRヘッド中
の磁気抵抗効果膜には、HDDに搭載された通常の使用
条件下においても、上記センス電流以外に、静電気など
が原因となって生ずる大きなパルス電流が流れることが
ある。大きなパルス電流が流れると、磁気抵抗効果膜の
温度は上昇する。上述したようにサイズが低減された磁
気抵抗効果膜は、抵抗が大きく熱容量が小さいため、上
記パルス電流によって特に高い温度にまで上昇する。ま
た、パルス電流に伴って磁界が発生し、磁気抵抗効果膜
はこの磁界にさらされることになる。磁気抵抗効果膜
は、温度が上昇した状態で磁界にさらされると、例えば
固定磁性層の磁化の方向の変化およびその磁化の大きさ
の低減が生ずるなど、磁気的に破壊されやすくなること
が知られており、磁気抵抗効果膜が破壊されると再生信
号の出力の著しい低下や出力異常といった問題が生ず
る。
【0008】本発明は、上記事情に鑑み、破壊耐性の高
い磁気抵抗効果膜、そのような磁気抵抗効果膜を備えた
磁気抵抗効果型ヘッド、およびそのような磁気抵抗効果
型ヘッドを備えた情報再生装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の磁気抵抗効果膜は、バイアス磁界を発生させるバイ
アス層と、該バイアス層から発生したバイアス磁界によ
って方向が固定された磁化を有する固定磁性層と、外部
磁界に応じて方向が変化する磁化を有する自由磁性層
と、該固定磁性層および該自由磁性層によって厚み方向
に挟まれた非磁性中間層とを含む多層膜であって、該固
定磁性層の磁化の方向と該自由磁性層の磁化の方向との
間の角度に応じた抵抗の大きさを示す、厚み方向に一対
の絶縁層によって挟まれてなる磁気抵抗効果膜であっ
て、上記磁気抵抗効果膜に平行に電流を流した場合に、
該電流を各々等しい電流量となるように二分する厚み方
向の位置である電流中心が、該磁気抵抗効果膜を前記非
磁性中間層の層厚の中心位置で厚み方向に二分した際
の、前記固定磁性層を含む側に位置するものであること
を特徴とする。
【0010】上記本発明の磁気抵抗効果膜は、前記電流
中心が、前記固定磁性層内に位置することが好ましい。
【0011】上記本発明の磁気抵抗効果膜は、上述した
温度の上昇を防ぐものではないが、従来の磁気抵抗効果
膜と比べて、電流中心が固定磁性層の近くあるいは固定
磁性層上に位置する。この場合には、例えば、従来例で
述べた静電気などに起因する大きなパルス電流が磁気抵
抗効果膜に流れた場合にも、そのパルス電流によって固
定磁性層の磁化へ付与される磁界の強さが小さく抑えら
れるので、固定磁性層の磁化に異常が生じにくい。この
ため、上記本発明の磁気抵抗効果膜は、破壊耐性が高い
ものとなっている。
【0012】上記目的を達成する本発明の磁気抵抗効果
型ヘッドは、バイアス磁界を発生させるバイアス層と、
そのバイアス層から発生したバイアス磁界によって方向
が固定された磁化を有する固定磁性層と、外部磁界に応
じて方向が変化する磁化を有する自由磁性層と、その固
定磁性層およびその自由磁性層によって厚み方向に挟ま
れた非磁性中間層とを含む多層膜であって、その固定磁
性層の磁化の方向とその自由磁性層の磁化の方向との間
の角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗効果膜を備
え、その磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検知すること
により上記外部磁界の強さを検知する磁気抵抗効果型ヘ
ッドであって、上記磁気抵抗効果膜を厚み方向に挟む一
対の絶縁層を備え、上記一対の絶縁層によって挟まれた
磁気抵抗効果膜は、その磁気抵抗効果膜に平行に電流を
流した場合に、その電流を各々等しい電流量となるよう
に二分する厚み方向の位置である電流中心が、その磁気
抵抗効果膜を上記非磁性中間層の層厚の中心位置で厚み
方向に二分した際の、上記固定磁性層を含む側に位置す
るものであることを特徴とする。
【0013】上記本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、上
記電流中心が、上記固定磁性層内に位置するものである
ことが好ましい。
【0014】この情報再生装置は、上記磁気抵抗効果膜
として上記本発明の磁気抵抗効果膜を採用したものであ
るため、磁気抵抗効果膜の破壊耐性が高められており、
情報の再生が安定して行われる。
【0015】上記目的を達成する本発明の情報再生装置
は、磁化の方向により情報が記録された磁気記録媒体に
近接あるいは接触して配置されてその磁気記録媒体各点
の磁化の方向を検出する磁気ヘッドを備え、その磁気ヘ
ッドにより検出された上記磁気記録媒体各点の磁化の方
向に応じた情報を再生する情報再生装置であって、上記
磁気ヘッドが、バイアス磁界を発生させるバイアス層
と、そのバイアス層から発生したバイアス磁界によって
方向が固定された磁化を有する固定磁性層と、外部磁界
に応じて方向が変化する磁化を有する自由磁性層と、そ
の固定磁性層およびその自由磁性層によって厚み方向に
挟まれた非磁性中間層とを含む多層膜であって、その固
定磁性層の磁化の方向とその自由磁性層の磁化の方向と
の間の角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗効果膜
を備え、その磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検知する
ことにより上記外部磁界の強さを検知するものであり、
上記磁気抵抗効果膜を厚み方向に挟む一対の絶縁層を備
え、上記一対の絶縁層によって挟まれた磁気抵抗効果膜
は、その磁気抵抗効果膜に平行に電流を流した場合に、
その電流を各々等しい電流量となるように二分する厚み
方向の位置である電流中心が、その磁気抵抗効果膜を上
記非磁性中間層の層厚の中心位置で厚み方向に二分した
際の、上記固定磁性層を含む側に位置するものであるこ
とを特徴とする。
【0016】この情報再生装置は、上記磁気ヘッドとし
て上記本発明の磁気抵抗効果型ヘッドを採用したもので
あるため、磁気抵抗効果膜の破壊耐性が高められてお
り、情報の再生が安定して行われる。
【0017】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態について説
明する。
【0018】図1は、本実施形態のハードディスク装置
の概略構成図である。
【0019】同図に示すハードディスク装置(HDD)
100は、本発明の情報再生装置に相当するものであ
る。同図に示すHDD100のハウジング101には、
回転軸102、回転軸102に装着される磁気ディスク
103、磁気ディスク103の表面に近接して対向する
浮上ヘッドスライダ104、アーム軸105、浮上ヘッ
ドスライダ104を先端に固着してアーム軸105を中
心に磁気ディスク103上を水平移動するキャリッジア
ーム106、およびキャリッジアーム106の水平移動
を駆動するアクチュエータ107が収容されている。
【0020】このHDD100では、磁気ディスク10
3へ情報の記録、および磁気ディスク103に記録され
た情報の再生が行われる。これらの情報の記録および再
生にあたっては、まず、磁気回路で構成されたアクチュ
エータ107によってキャリッジアーム106が駆動さ
れ、浮上ヘッドスライダ104が、回転する磁気ディス
ク103上の所望のトラックに位置決めされる。浮上ヘ
ッドスライダ104の先端には、図1には図示しない本
実施形態の磁気ヘッドが設置されている。この磁気ヘッ
ドは、磁気ディスク103の回転によって、磁気ディス
ク103の各トラックに並ぶ各1ビット領域に順次近接
する。情報の記録時には、このように磁気ディスク10
3に近接した磁気ヘッドに電気的な記録信号が入力され
る。この磁気ヘッドは、入力された記録信号に応じて上
記各1ビット領域に磁界を印加して、その記録信号に担
持された情報をそれらの各1ビット領域の磁化の方向の
形で記録する。また、情報の再生時には、その磁気ヘッ
ドが、それらの各1ビット領域の磁化の方向の形で記録
された情報を、それらの磁化それぞれから発生する磁界
に応じて電気的な再生信号を生成することにより取り出
す。ハウジング101の内部空間は、図示しないカバー
によって閉鎖される。
【0021】次に、本実施形態の磁気ヘッドについて説
明する。
【0022】図2は、本実施形態の磁気ヘッドの要部断
面図である。
【0023】本実施形態の磁気ヘッド30は、磁気ディ
スク103に情報を記録する記録部と情報を再生する再
生部とからなる複合型の磁気ヘッドであり、同図には再
生部のみが示される。同図は、この磁気ヘッドの再生部
を、図1に示す磁気ディスク103に面する浮上面に平
行な面で切断した断面図である。
【0024】磁気ヘッド30は、非磁性の基板21、こ
の非磁性の基板21上に形成された下部シールド層2
2、この下部シールド層22上に形成された下部絶縁層
23、この下部絶縁層23上に形成された磁気抵抗効果
膜10、上記下部絶縁層23上に、この磁気抵抗効果膜
10を両側から挟むように形成された左右一対の磁区制
御層24、この左右一対の磁区制御層24上に形成され
た左右一対の電極25、この左右一対の電極25と上記
磁気抵抗効果膜10との上に形成された上部絶縁層2
6、およびこの上部絶縁層26上に形成された上部シー
ルド層27を有する。この上部シールド層27上には、
図示しない上記記録部が形成されている。なお、上記下
部絶縁層23および上部絶縁層26が、本発明にいう一
対の絶縁層に相当する。
【0025】基板21は、例えば、アルミナ・チタンカ
ーバイド(Al23−TiC)からなる基板上にSi膜
あるいはSiO2膜が形成されたものである。
【0026】下部シールド層22および上部シールド層
27は、それぞれ、軟磁性材料からなるものであって、
上記磁気抵抗効果膜10に不必要な外部磁界が印加され
ないようその磁気抵抗効果膜10を磁気シールドするも
のである。これらのシールド層は、例えば、いずれも
1.6μmの厚みを有するFeN膜からなる。
【0027】下部絶縁層23および上部絶縁層26は、
それぞれ、絶縁材料からなって、上記磁気抵抗効果膜1
0、上記磁区制御層24、および上記一対の電極25か
らの電流のリークを防ぐものである。これらの絶縁層
は、例えば、いずれも30nmの厚みを有するアルミナ
(Al23)膜からなる。
【0028】磁区制御層24は、上記磁気抵抗効果膜1
0に静磁界および交換相互作用などによる磁界を与える
ものである。この磁区制御層24は、例えば、Co−P
t合金、Co−Cr−Pt合金等の硬磁性を示す材料か
らなる。ここでは、この磁区制御層24は、磁気抵抗効
果膜10と同じ高さまで積層されている。
【0029】電極25は、上記磁区制御層24を介して
上記磁気抵抗効果膜10にセンス電流Isを印加するも
のであり、この一対の電極25から再生信号が取り出さ
れる。この電極25は、例えば、Ta/(Ti−W)/
Taという、2つのTa層とこれらのTaの間に挟まれ
たTi−W合金との多層膜などの導電性材料からなる。
【0030】磁気抵抗効果膜10は、上記磁気ディスク
103の各1ビット領域の磁化から発生する磁界に応じ
て抵抗が変化するものであり、この磁気ヘッド30の情
報再生の機能を担う部分である。上述したように磁気抵
抗効果膜10には上記電極25によりセンス電流Is
印加されているため、上記抵抗の変化により、上記各1
ビット領域の磁化の方向によって担持された情報が電気
的な再生信号として取り出される。
【0031】本発明の特色は、この磁気抵抗効果膜10
の構造にある。次に、この磁気抵抗効果膜10の例と、
比較のための従来の磁気抵抗効果膜10’をとりあげ、
それらの磁気抵抗効果膜の構造について説明する。
【0032】図3は、本実施形態の磁気抵抗効果膜の断
面図である。
【0033】同図に示す磁気抵抗効果膜10は、スピン
バルブタイプの磁気抵抗効果膜の一例であり、図2に示
す下部絶縁層23上に形成された下地層1、この下地層
1上に形成された反強磁性層2、この反強磁性層2上に
形成された固定磁性層3、この固定磁性層3上に形成さ
れた非磁性中間層4、この非磁性中間層4上に形成され
た自由磁性層5、およびこの自由磁性層5上に形成され
た保護層6によって構成されている。なお、同図は、図
2と同様に、正面が浮上面と平行な面を表し、左右方向
を向く矢印によって示されるように、この磁気抵抗効果
膜10には、上記一対の電極25から、素子長手方向に
センス電流Isが印加される。
【0034】なお、本発明の磁気抵抗効果膜は、磁気抵
抗効果を引き起こすものであれば、ここで述べた構成に
限られるものではない。例えば、積層順を変えて、下地
層1上に、自由磁性層5、非磁性中間層4、固定磁性層
3、反強磁性層2、保護層6の順にこれらの各層が形成
されたものであってもよい。
【0035】以下に、この磁気抵抗効果膜10を構成す
る各層について説明する。
【0036】下地層1は、上記磁気抵抗効果膜10を構
成する各層の下地となる層である。この下地層1は、例
えば、上記下部絶縁層23上に形成された厚さ6nm、
抵抗率200μΩcmのTa膜からなる。抵抗率の定義
については後に述べる。
【0037】反強磁性層2は、反強磁性材料からなる、
上記固定磁性層3に対し、交換結合に起因する交換結合
磁界を付与するものである。この反強磁性層2は、例え
ば、厚さ20nm、抵抗率200μΩcmのPd−Pt
−Mn合金膜からなる。
【0038】固定磁性層3は、軟磁性材料を含み、上記
反強磁性層2から付与された交換結合磁界により方向の
固定された磁化を有する層である。この固定磁性層3
は、軟磁性を示す第1の軟磁性層3_1および第2の軟
磁性層3_3と、これらの軟磁性層に厚み方向に挟まれ
てなる、それらの軟磁性層の磁化を互いに逆向きに結合
する反平行結合中間層3_2とからなるいわゆる積層フ
ェリ膜となっている。
【0039】第1の軟磁性層3_1は、反強磁性層2に
対して厚み方向に隣接するように形成された層であり、
第2の軟磁性層3_3は、非磁性中間層4に対して厚み
方向に隣接するように形成された軟磁性を示す層であ
る。この第1の軟磁性層3_1は、例えば、厚さ2nm
のCo−Fe−B合金膜からなり、第2の軟磁性層3_
3は、例えば、厚さ2.5nmのCo−Fe−B合金膜
からなる。また、反平行結合中間層3_2は、例えば、
厚さ0.5nmのRu膜からなる。このRu膜の抵抗率
と上記Co−Fe−B合金膜の抵抗率とはほぼ同じであ
り、ここでは、この固定磁性層3は、層全体で平均して
抵抗率30μΩcmを有する。
【0040】固定磁性層3を構成する第1の軟磁性層3
_1は、上記反強磁性層2から付与された交換結合磁界
によって浮上面に垂直な方向に磁化が固定される。一
方、固定磁性層3を構成する第2の軟磁性層3_3は、
磁化が、上記反平行結合中間層3_2によって、同じく
浮上面に垂直であるが上記第1の軟磁性層3_1の磁化
とは逆方向に固定される。
【0041】一般に、このような積層フェリ膜からなる
固定磁性層3は、2つの軟磁性層が互いに逆向きの磁化
を有するため、固定磁性層3全体の磁化の大きさが小さ
い。このように磁化の大きさが小さいと、磁化が、外部
からの磁界によって影響を受けにくく安定してピン止め
される。また、このように磁化の大きさが小さいと、こ
の磁化の反磁界も小さく抑えられるため、磁気ディスク
103からの信号磁界Hsigの乱れも減少する。
【0042】非磁性中間層4は、非磁性の導電性材料か
らなる層であり、上記固定磁性層3と自由磁性層5とを
隔てるスペーサとなっている。この非磁性中間層4は、
例えば、厚さ2nm、抵抗率10μΩcmのCu膜から
なる。
【0043】自由磁性層5は、ピン止めされておらず外
部磁界に応じて自由に回転する磁化を有する軟磁性材料
からなる層である。この自由磁性層5は、例えば、Co
−Fe−B合金からなる厚さ1nmの層とNi−Fe合
金からなる厚さ3nmの層とからなる2層膜によって構
成される。この2層膜を構成する材料の1つであるCo
−Fe−B合金は、NiFeと比べてCuと相互拡散し
にくいものであるため、Cuからなる非磁性中間層4上
に直接形成される層の材料として好ましい。ここで、上
記Co−Fe−B合金の抵抗率と上記Ni−Fe合金の
抵抗率は、ほぼ同じであり、ここでは、自由磁性層5
は、層全体で平均して抵抗率30μΩcmを有する。
【0044】この自由磁性層5の磁化は、磁気ディスク
103の各1ビット領域の磁化からの磁界に応じてこの
自由磁性層5の面内で回転する。磁気抵抗効果膜10の
シート抵抗は、いわゆる巨大磁気抵抗効果により、この
自由磁性層5の磁化と上記固定磁性層3の固定された磁
化とがなす角度に応じて大きく変化する。例えば、この
抵抗は、これらの磁化が互いに同方向を向く場合に最小
値をとり、これらの磁化が互いに逆方向を向く場合に最
大値をとる。この最大値と最小値との差が、上記抵抗変
化Δρ/tであり、この抵抗変化Δρ/tによって、上
記センス電流I sを通じて再生信号が出力される。
【0045】なお、自由磁性層5は、上記磁区制御層2
4によって磁界が与えられて単磁区化されている。この
ため、この自由磁性層5を含む磁気ヘッド30では、磁
壁の移動に伴って再生信号に生ずるバルクハウゼンノイ
ズの発生が抑制されている。
【0046】保護層6は、耐蝕性が高く上記銅酸化物層
7を物理的および化学的に保護する層であり、例えば、
厚さ3nm、抵抗率200μΩcmのTa膜からなる。
【0047】以上の各層から構成された磁気抵抗効果膜
10の形成は、例えば、まず、Ar雰囲気中のDCマグ
ネトロンスパッタリングによって、上述した非磁性の基
板21/下部シールド層22/下部絶縁層23からなる
多層膜上に、下地層1を隣接させた形で、この磁気抵抗
効果膜10を構成する各層を、順に、これらの各層の先
に例示した材料を用いて例示した厚さで連続的に積層
し、続いて、積層した膜全体に、反平行結合中間層3_
2を含む固定磁性層3全体の磁化を飽和させる800k
A/m以上の外部磁界を印加した状態で、上記反強磁性
層2を構成するPd−Pt−Mn合金を規則化する例え
ば250℃以上の温度の熱処理を施すことによって行わ
れる。
【0048】次に、この磁気抵抗効果膜10に対する比
較の対象となる従来の磁気抵抗効果膜10’の構成を図
4に示す。
【0049】図4は、従来の磁気抵抗効果膜の断面図で
ある。
【0050】同図に示す従来の磁気抵抗効果膜10’
は、図3に示す本実施形態の磁気抵抗効果膜10の、固
定磁性層3を、厚さ2nmのCo−Fe−B合金単層膜
からなる固定磁性層3’に置き換え、非磁性中間層4、
自由磁性層5、および保護層6各層を、構成材料はその
ままで、厚さ3nmの非磁性中間層4’、厚さ6nmの
自由磁性層5’、および厚さ5nmの保護層6’各層に
置き換えたものである。ここで、従来の磁気抵抗効果膜
10’を構成する各層の抵抗率は、磁気抵抗効果膜10
を構成する同名の各層の抵抗率に等しい。ここでいう磁
気抵抗効果膜を構成する各層の抵抗率とは、その各層を
構成する材料のみからなる厚さ10nmの単層膜を四探
針法にて測定したシート抵抗率ρ□[Ω/□]に基づい
て定義された抵抗率ρ(ρ=ρ□[μΩcm])をい
う。
【0051】さて、従来の磁気抵抗効果膜10’と、上
記本実施形態の磁気抵抗効果膜10との違いは、電流中
心の位置の違いにある。
【0052】電流中心とは、磁気抵抗効果膜に平行に電
流を流した場合に、その電流を各々等しい電流量となる
ように二分する厚み方向の位置であり、詳しく述べる
と、電流中心は、磁気抵抗効果膜を構成する各層の層厚
tの抵抗率ρに対する比t/ρをその合計であるΣ(t
/ρ)で規格化した場合に、その規格化した比t/ρを
膜厚方向に積算した積算値が0.5となる位置である。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表1は、図4に示す、従来の磁気抵抗効果
膜10’における電流中心の計算結果を示す表であり、
表2は、図3に示す、本実施形態の磁気抵抗効果膜10
における電流中心の計算結果を示す表である。これらの
表の最左欄には、「保護層」、「自由磁性層」、「非磁
性中間層」、「固定磁性層」、「反強磁性層」、「下地
層」といった、磁気抵抗効果膜を構成する各層の名称が
表示されている。なお、すぐ後に説明するように、表1
が表す磁気抵抗効果膜10’は、非磁性中間層中に上記
電流中心が存在し、非磁性中間層は、その電流中心を境
として、「非磁性中間層a」と「非磁性中間層b」とに
分けられた形で示されている。また、表2が表す磁気抵
抗効果膜10は、固定磁性層中に上記電流中心が存在
し、固定磁性層は、その電流中心を境として、「固定磁
性層a」と「固定磁性層b」とに分けられた形で示され
ている。
【0056】これらの表の最上段には、「層厚t」、
「抵抗率ρ」、「比t/ρ」、規格化された比t/ρで
ある「規格化比t/ρ」、規格化比t/ρの保護層側か
らの「積算値」という各項目が表示されており、これら
の表の上記各層を表す各段には、これらの各項目の数値
が示されている。これらの数値のうちの、保護層、自由
磁性層、非磁性中間層、固定磁性層、反強磁性層、下地
層それぞれの、層厚tおよび抵抗率ρの数値について
は、既に述べており、比t/ρ、規格化比t/ρは、こ
れらの層厚tおよび抵抗率ρの数値から上述したように
して求められる。
【0057】求められた規格化比t/ρに基づいて、保
護層側から順に、その規格化比t/ρの積算値を求める
と、表1に示す従来の磁気抵抗効果膜10’では、その
積算値は、保護層全体で0.0346、自由磁性層まで
で0.312、非磁性中間層までで0.728となる。
このため、従来の磁気抵抗効果膜10’では、その積算
値が0.5となる電流中心は非磁性中間層内に位置する
ことがわかる。この場合、非磁性中間層の、その電流中
心から自由磁性層側の非磁性中間層aの層厚tは、1.
35nmとなり、固定磁性層側の非磁性中間層bの層厚
tは、1.65nmとなる。
【0058】同じく、表2に示す本実施形態の磁気抵抗
効果膜10では、その積算値は、保護層で0.021
3、自由磁性層までで0.210、非磁性中間層までで
0.494、固定磁性層までで0.816となる。この
ため、本実施形態の磁気抵抗効果膜10では、その積算
値が0.5となる電流中心は固定磁性層内に位置するこ
とがわかる。この場合、固定磁性層の、その電流中心か
ら非磁性中間層側の固定磁性層aの層厚tは、0.02
5nmとなり、反強磁性層側の固定磁性層層bの層厚t
は、4.725nmとなる。
【0059】このように、本実施形態の磁気抵抗効果膜
10は、従来の磁気抵抗効果膜10’と比較して、電流
中心が固定磁性層内あるいは、固定磁性層に近い位置に
存在するものである。従来の磁気抵抗効果膜10’は、
例示したもののように、電流中心が、上記非磁性中間層
の層厚の中心位置から自由磁性層を含む側に位置してお
り、本実施形態の磁気抵抗効果膜10は、電流中心が、
その磁気抵抗効果膜10を上記非磁性中間層の層厚の中
心位置で厚み方向に二分した際の、上記固定磁性層を含
む側に位置するものであることに特徴がある。
【0060】磁気抵抗効果膜は、このように電流中心が
固定磁性層内あるいは固定磁性層に近い位置にある場合
には、以下に示すように、静電破壊等の破壊に対する耐
性を備えたものとなる。
【0061】図5は、従来の磁気抵抗効果膜における静
電破壊のプロセスの模式図を示す。
【0062】同図には、図4に示す従来の磁気抵抗効果
膜10’を構成する各層の厚さを変えることによって、
従来の多くの磁気抵抗効果膜と同様に、電流中心が自由
磁性層内に位置するようになった磁気抵抗効果膜10”
が示されている。また、この図5では、一点鎖線によっ
て磁気抵抗効果膜10”を構成する自由磁性層5”を通
る電流中心が表される。
【0063】一般に、磁気抵抗効果膜には、外部から、
あるいは内部の蓄積電荷の放電により、センス電流Is
以外の、静電パルスIpulseが流れる現象であるESD
(Electric Static Discharg
e)が見られる。同図に示すように、磁気抵抗効果膜1
0”に同図左から右向きに静電パルスIpulseが流れる
と、磁気抵抗効果膜10”の温度が、瞬時に、例えば3
50°C程度まで上昇する。また、静電パルスIpulse
によって、温度上昇と同時にパルス磁界Hpulseが発生
する。静電パルスIpulseの流れる方向によっては、こ
のパルス磁界Hpulseは、磁気抵抗効果膜10”を構成
する固定磁性層3”で、その固定磁性層3”の磁化の方
向(ここでは紙面裏から表方向)とは逆方向(紙面表か
ら裏方向)を向く。磁気抵抗効果膜10”に使用されて
いる反強磁性層2”が、固定磁性層3”との間の交換結
合力を失う温度(ブロッキング温度)は高くとも300
℃程度であるため、磁気抵抗効果膜10”の温度が上記
350℃程度にまで上昇すると、上記パルス磁界H
pulseによって固定磁性層3”の磁化の方向が反転して
しまう。さらに、この磁化の反転によって、この磁気抵
抗効果膜10”を含む磁気ヘッド10の再生部からの出
力も反転してしまう。また、状況によっては、上記パル
ス磁界Hpulseによって固定磁性層3”の磁化が全体と
してはほとんど消失して、再生ヘッドからの出力が非常
に弱くなってしまうこともある。このように、静電パル
スIpulseの発生により、磁気抵抗効果膜の、磁気特性
の異常を伴う破壊が生じ、この破壊によって再生ヘッド
からの出力に異常が生じて情報の再生が困難となる。
【0064】このような磁気抵抗効果膜の破壊は、ES
Dが発生しないような作業環境を構築したり、反強磁性
層を構成する材料として、PtMn、NiMn、PdP
tMn等のブロッキング温度が高い反強磁性材料を用い
たり、固定磁性層を、上述した積層フェリ膜とする等の
対策をとることによって、ある程度回避される。しか
し、これらの対策だけでは、依然として無視できない頻
度で磁気抵抗効果膜の破壊が生じてしまう。
【0065】ESDにより発生する磁化の反転等の異常
の一因は、上述したようにパルス磁界Hpulseの発生に
よる固定磁性層の磁化への影響にある。図5や表1に示
すように、電流中心が自由磁性層付近に位置する膜構造
では、パルス磁界Hpulseは固定磁性層において強い。
これに対して、本実施形態の磁気抵抗効果膜10のよう
に、磁気抵抗効果膜を構成する各層の各層厚tと各抵抗
率ρを調整して電流中心を非磁性中間層の膜厚中心より
固定磁性層を含む側に、好ましくは固定磁性層内に位置
させた膜構造では、パルス磁界Hpulseの固定磁性層に
おける強さが低減される。このように、磁気抵抗効果膜
は、電流中心が、磁気抵抗効果膜のうちの、非磁性中間
層の膜厚中心より固定磁性層側に位置するように、磁気
抵抗効果膜を構成する各層の膜厚および材料が調整され
た場合に、磁気特性に異常が生じにくく、ESDによる
破壊に対する耐性が高められる。
【0066】なお、このように、電流中心が非磁性中間
層の膜厚中心より固定磁性層を含む側に位置する膜構造
では、パルス磁界Hpulseの自由磁性層における強さが
増大する。しかし、自由磁性層の磁化容易軸の方向への
影響はほとんどない。なぜなら、この磁化容易軸の方向
は上記磁区制御層24によって決定されており、この磁
区制御層24の強磁性の消失するキュリー温度は上記ブ
ロッキング温度とは異なり一般に上記温度350℃より
も遙かに高いためである。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
破壊耐性の高い磁気抵抗効果膜、そのような磁気抵抗効
果膜を備えた磁気抵抗効果型ヘッド、およびそのような
磁気抵抗効果型ヘッドを備えた情報再生装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のハードディスク装置の概略構成図
である。
【図2】本実施形態の磁気ヘッドの要部断面図である。
【図3】本実施形態の磁気抵抗効果膜の断面図である。
【図4】従来の磁気抵抗効果膜の断面図である。
【図5】従来の磁気抵抗効果膜における静電破壊のプロ
セスの模式図を示す。
【符号の説明】
1 下地層 2,2” 反強磁性層 3,3’,3” 固定磁性層 3_1 第1の軟磁性層 3_2 反平行結合中間層 3_3 第2の軟磁性層 4,4’ 非磁性中間層 5,5’,5” 自由磁性層 6,6’ 保護層 10 磁気抵抗効果膜 10’,10” 従来の磁気抵抗効果膜 21 基板 22 下部シールド層 23 下部絶縁層 24 磁区制御層 25 電極 26 上部絶縁層 27 上部シールド層 30 磁気ヘッド 100 HDD 101 ハウジング 102 回転軸 103 磁気ディスク 104 浮上ヘッドスライダ 105 アーム軸 106 キャリッジアーム 107 アクチュエータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイアス磁界を発生させるバイアス層
    と、該バイアス層から発生したバイアス磁界によって方
    向が固定された磁化を有する固定磁性層と、外部磁界に
    応じて方向が変化する磁化を有する自由磁性層と、該固
    定磁性層および該自由磁性層によって厚み方向に挟まれ
    た非磁性中間層とを含む多層膜であって、該固定磁性層
    の磁化の方向と該自由磁性層の磁化の方向との間の角度
    に応じた抵抗の大きさを示す、厚み方向に一対の絶縁層
    によって挟まれてなる磁気抵抗効果膜において、 前記磁気抵抗効果膜に平行に電流を流した場合に、該電
    流を各々等しい電流量となるように二分する厚み方向の
    位置である電流中心が、該磁気抵抗効果膜を前記非磁性
    中間層の層厚の中心位置で厚み方向に二分した際の、前
    記固定磁性層を含む側に位置するものであることを特徴
    とする磁気抵抗効果膜。
  2. 【請求項2】 前記電流中心が、前記固定磁性層内に位
    置することを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果
    膜。
  3. 【請求項3】 バイアス磁界を発生させるバイアス層
    と、該バイアス層から発生したバイアス磁界によって方
    向が固定された磁化を有する固定磁性層と、外部磁界に
    応じて方向が変化する磁化を有する自由磁性層と、該固
    定磁性層および該自由磁性層によって厚み方向に挟まれ
    た非磁性中間層とを含む多層膜であって、該固定磁性層
    の磁化の方向と該自由磁性層の磁化の方向との間の角度
    に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗効果膜を備え、該
    磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検知することにより前
    記外部磁界の強さを検知する磁気抵抗効果型ヘッドにお
    いて、 前記磁気抵抗効果膜を厚み方向に挟む一対の絶縁層を備
    え、 前記一対の絶縁層によって挟まれた磁気抵抗効果膜は、
    該磁気抵抗効果膜に平行に電流を流した場合に、該電流
    を各々等しい電流量となるように二分する厚み方向の位
    置である電流中心が、該磁気抵抗効果膜を前記非磁性中
    間層の層厚の中心位置で厚み方向に二分した際の、前記
    固定磁性層を含む側に位置するものであることを特徴と
    する磁気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁化の方向により情報が記録された磁気
    記録媒体に近接あるいは接触して配置されて該磁気記録
    媒体各点の磁化の方向を検出する磁気ヘッドを備え、該
    磁気ヘッドにより検出された前記磁気記録媒体各点の磁
    化の方向に応じた情報を再生する情報再生装置におい
    て、 前記磁気ヘッドが、 バイアス磁界を発生させるバイアス層と、該バイアス層
    から発生したバイアス磁界によって方向が固定された磁
    化を有する固定磁性層と、外部磁界に応じて方向が変化
    する磁化を有する自由磁性層と、該固定磁性層および該
    自由磁性層によって厚み方向に挟まれた非磁性中間層と
    を含む多層膜であって、該固定磁性層の磁化の方向と該
    自由磁性層の磁化の方向との間の角度に応じた抵抗の大
    きさを示す磁気抵抗効果膜を備え、該磁気抵抗効果膜の
    抵抗の大きさを検知することにより前記外部磁界の強さ
    を検知するものであって、 前記磁気抵抗効果膜を厚み方向に挟む一対の絶縁層を備
    え、 前記一対の絶縁層によって挟まれた磁気抵抗効果膜は、
    該磁気抵抗効果膜に平行に電流を流した場合に、該電流
    を各々等しい電流量となるように二分する膜み方向の位
    置である電流中心が、該磁気抵抗効果膜を前記非磁性中
    間層の層厚の中心位置で厚み方向に二分した際の、前記
    固定磁性層を含む側に位置するものであることを特徴と
    する情報再生装置。
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