JP2001329431A - 複合繊維 - Google Patents

複合繊維

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JP2001329431A
JP2001329431A JP2000146321A JP2000146321A JP2001329431A JP 2001329431 A JP2001329431 A JP 2001329431A JP 2000146321 A JP2000146321 A JP 2000146321A JP 2000146321 A JP2000146321 A JP 2000146321A JP 2001329431 A JP2001329431 A JP 2001329431A
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olefin
mass
polymer
block
copolymer
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Hitoshi Nakatsuka
均 中塚
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン系重合体とポリエステル系樹脂と
からなる複合繊維において、これらの樹脂が本来備えて
いる特性を損なうことなく、接着性、染色性の改良され
た複合繊維を提供する。 【解決手段】 ポリエステル系樹脂(I)およびオレフ
ィン系重合体(II)とからなる複合繊維であって、
(I)又は(II)中にブロック共重合体(III)が1〜3
0質量%含まれており、該ブロック共重合体(III)が オ
レフィン系単量体単位50〜100質量%および該単量
体と共重合可能なビニル系単量体単位50〜0質量%よ
りなる重合体ブロック(A)、並びに(メタ)アクリル
酸系単量体単位0.1〜100質量%および該単量体と
共重合可能なビニル系単量体単位99.9〜0質量%よ
りなる重合体ブロック(B)から構成されるブロック共
重合体である複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系重合
体とポリエステル系樹脂とからなる染色性に優れた複合
繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリプロピレンやポリエチレン
などのポリオレフィン系樹脂は比較的安価であり、かつ
優れた力学性能を有することから繊維への用途でも広く
利用されている。しかし、染色性、耐熱性等の点で限ら
れた用途、特に非衣料用途にしか利用できなかった。染
色性を改良する方法に顔料の練り込みなどがあるが、工
程性、品質が大きく低下する問題があった。一方、ポリ
エチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート
などのポリエステル系樹脂は、染色性、耐熱性などに優
れており、ポリプロピレン、ポリエチレン等の染色性を
改良するためのブレンドが知られているが、相溶性の悪
さに起因する工程性の悪化、品質の低下などの問題があ
った。
【0003】また、それぞれの樹脂の特徴を活かすため
の複合紡糸が提案されているが、両者のポリマー間の界
面での接着性が小さいために剥離しやすく、用途によっ
てはトラブルの原因となっている。特に強撚加工や仮撚
加工など繊維の長さ方向に対して直角に応力が加わる加
工をする場合、所々に2成分間の剥離現象が発生し、該
強撚加工糸や仮撚加工糸を用いて布帛を作成し、染色加
工を施すと剥離部分が白化して見え、商品価値の低いも
のとなることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、オレ
フィン系重合体とポリエステル系樹脂とからなる複合繊
維において、これらの樹脂が本来備えている特性を損な
うことなく、成分間の接着性や染色性が改良された複合
繊維を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を行った結果、オレフィン
系重合体とポリエステル系樹脂とからなる複合繊維のい
ずれか一方の成分に特定のブロック共重合体を特定の割
合で配合して複合紡糸すると、染色性、染色堅牢度、繊
維化工程安定性、複合成分の剥離防止性に優れた複合繊
維が得られることを見出して本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、ポリエステル系樹脂
(I)およびオレフィン系重合体(II)とからなる複合
繊維において、(I)及び/又は(II)には下記に示す
ブロック共重合体(III)が含有されており、かつ複合
繊維中に該ブロック共重合体(III)が1〜30質量%含
有されていることを特徴とする複合繊維である。 ポリエステル系共重合体(III):オレフィン系単量体単
位50〜100質量%および該単量体と共重合可能なビ
ニル系単量体単位50〜0質量%よりなる重合体ブロッ
ク(A)、並びに(メタ)アクリル酸系単量体単位0.
1〜100質量%および該単量体と共重合可能なビニル
系単量体単位99.9〜0質量%よりなる重合体ブロッ
ク(B)から構成されるブロック共重合体
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の複合繊維を構成するポリ
エステル系樹脂(I)は、熱可塑性のポリエステル系樹
脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹
脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリブチレンナ
フタレート系樹脂、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート系樹脂、ポリカプロラクトン系樹
脂、p−ヒドロキシ安息香酸系ポリエステル樹脂、ポリ
アリレート系樹脂などを使用することができる。
【0008】上記したポリエステル系樹脂のうちでも、
繊維の特性の点から、ポリエチレンテレフタレート系樹
脂およびポリブチレンテレフタレート系樹脂のうちの少
なくとも一方を使用するのが好ましく、特にポリエチレ
ンテレフタレート系樹脂(以下「PET系樹脂」という
ことがある)を用いるのが好ましい。本発明のポリエス
テル系樹脂組成物において好ましく用いられるPET系
樹脂は、テレフタル酸単位を主体とするジカルボン酸単
位およびエチレングリコール単位を主体とするジオール
単位から主としてなり、その代表例としてはテレフタル
酸単位とエチレングリコール単位のみからなるポリエチ
レンテレフタレート(以下「PET」ということがあ
る)を挙げることができる。
【0009】本発明で用いられるポリエステル系樹脂
(I)は、全構造単位に基づいて20モル%以下であれ
ば必要に応じて基本構造を構成するジカルボン酸単位以
外の他のジカルボン酸単位、および/または基本構造を
構成するジオール単位以外の他のジオール単位を有して
いてもよい。ポリエステル系樹脂(I)が含み得る他の
ジカルボン酸単位の例としては、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタ
ン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリ
ウムなどの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸;1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボ
ン酸;およびそれらのエステル形成性誘導体(メチルエ
ステル、エチルエステルなどの低級アルキルエステル
等)などから誘導されるジカルボン酸単位を挙げること
ができる。ポリエステル系樹脂(I)は、上記したジカ
ルボン酸単位の1種のみを有していても、または2種以
上を有していてもよい。
【0010】また、ポリエステル系樹脂(I)が含み得
る他のジオール単位の例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
2−メチルプロパンジオール、1,5−ペンタンジオー
ルなどの炭素数2〜10の脂肪族ジオール;シクロヘキ
サンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環
式ジオール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどの分子量6000以下のポ
リアルキレングリコールなどから誘導されるジオール単
位を挙げることができる。ポリエステル系樹脂(I)
は、上記のジオール単位の1種のみを有していても、ま
たは2種以上を有していてもよい。
【0011】更に、ポリエステル系樹脂(I)は全構造
単位に基づいて1モル%以下であれば、例えばグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
トリメリット酸、ピロメリット酸などの3官能以上のモ
ノマーから誘導される構造単位を有していてもよい。
【0012】また、限定されるものではないが、本発明
で用いるポリエステル系樹脂(I)は、フェノール/テ
トラクロロエタン(質量比=1/1)混合溶媒中で測定
したときに、その極限粘度が0.4〜1.5の範囲にあ
るのが好ましい。
【0013】次に、本発明の複合繊維を構成するオレフ
ィン系重合体(II)は、ポリエステル系樹脂(I)およ
び後述するブロック共重合体(III)と反応し得る官能
基をその分子中に持たないオレフィン系重合体をいう。
本発明で好ましく用いられるオレフィン系重合体(II)
の代表例としては、例えば、オレフィン単独重合体[以
下、オレフィン単独重合体(II-A)ということがあ
る];エチレンと他のα−オレフィンとからなりエチレ
ンを主成分とする共重合体[以下、エチレン/α−オレ
フィン共重合体(II-B)ということがある];プロピレ
ンと他のα−オレフィンとからなりプロピレンを主成分
とする共重合体[以下、プロピレン/α−オレフィン共
重合体(II-C)ということがある];水添共役ジエン共
重合体[以下、水添共役ジエン共重合体(II-D)という
ことがある]などを挙げることができる。
【0014】上記したオレフィン単独重合体(II-A)と
しては、具体的には低密度、中密度、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリヘキセン−
1、ポリ−3−メチル−ブテン−1、ポリ−4−メチル
−ペンテン−1などのオレフィンの単独重合体などを挙
げることができ、そのうちでも低密度、中密度、高密度
ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンが、繊維特
性(強度、弾性率)などの点から好ましく用いられる。
【0015】また、エチレン/α−オレフィン共重合体
(II-B)としては、エチレンから主としてなり、それと
炭素数3〜20のα−オレフィン(例えばプロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、6−メチル−1−ヘプ
テン、イソオクテン、イソオクタジエン、デカジエンな
ど)の1種または2種以上との共重合体を挙げることが
できる。そのうちでも、エチレンと、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセンなどの炭素数1〜10のオレ
フィンの1種または2種以上との共重合体が好ましく用
いられる。エチレン/α−オレフィン共重合体(II-B)
におけるエチレン:α−オレフィンの質量比は、繊維特
性の点から、50:50〜98:2の範囲であるのが好
ましく、60:40〜90:10であるのがより好まし
い。また、エチレン/α−オレフィン共重合体(II-B)
は、エチレン単位およびα−オレフィン単位と共にジエ
ン単位を有していてもよく、そのような共重合体として
は、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体(EPD
M)などを挙げることができる。
【0016】また、プロピレン/α−オレフィン共重合
体(II-C)としては、プロピレン/エチレンブロック共
重合体やその他の、プロピレンと、エチレンおよび/ま
たは上記で挙げた炭素数4〜20、特に4〜10のα−
オレフィンとの共重合体を挙げることができる。
【0017】また、水添共役ジエン共重合体(II-D)と
しては、代表的には、 スチレンなどの芳香族ビニル化合物から主としてなる
重合体ブロックおよび水素添加された1,2−結合量が
30モル%未満のポリブタジエンブロックから選ばれる
少なくとも1種の重合体ブロックと、水素添加されたポ
リイソプレンブロック、水素添加された1,2−結合量
が30〜80モル%のポリブタジエンブロックおよび水
素添加されたイソプレン/ブタジエン共重合体ブロック
から選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックからなる
ブロック共重合体;および 芳香族ビニル化合物から主としてなる重合体ブロック
と水素添加されたポリイソブチレンブロックからなるブ
ロック共重合体;を挙げることができ、これらのブロッ
ク共重合体を用いてもよい。
【0018】そして、上記のブロック共重合体の具体
例としては、ポリスチレン/ポリイソプレン/ポリスチ
レンからなるブロック共重合体の水添物;ポリスチレン
/イソプレン・ブタジエン共重合体/ポリスチレンから
なるブロック共重合体の水添物;ポリスチレン/ポリブ
タジエン/ポリスチレンからなるブロック共重合体の水
添物を挙げることができる。
【0019】本発明の複合繊維では、オレフィン系重合
体(II)として、上記したオレフィン系重合体のうちの
1種類のみを使用しても、または2種以上を併用しても
よい。また、本発明の目的の妨げにならない範囲で、上
記したオレフィン系重合体と共に他の合成樹脂やゴムを
少量使用してもよい。
【0020】また、本発明においては、オレフィン系重
合体(II)として、質量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下、より好ま
しくは3.5以下のものを用いると、繊維特性の点で好
ましい。なお、本明細書でいう質量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、分子
量が既知のポリスチレンを標準物質とするゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)[GPC用装
置:WATERS社製「150C」、カラム:「Sho
dex AT−807/S」と「Shodex AT−
80MIS」(昭和電工社製)、カラム温度:140
℃、試料濃度:0.1質量%、溶媒:o−ジクロロベン
ゼン]により求めたものである。
【0021】本発明において好ましく用いられる質量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw
/Mn)が4以下であるオレフィン系重合体(II)の製
造法は何ら制限されず、該比(Mw/Mn)が4以下の
市販のオレフィン系重合体をそのまま用いても、または
重合により製造して用いてもよい。何ら限定されるもの
ではないが、比(Mw/Mn)が4以下であるオレフィ
ン系重合体(II)は、例えば、重合触媒としてメタロセ
ン触媒(カミンスキー触媒またはシングルサイト触媒と
称されることもある)を使用して、溶液重合法、塊状重
合法、気相重合法などによって、通常0〜250℃の温
度で、常圧〜1000気圧(100MPa)の圧力下に
単量体を重合させることにより得ることができる。メタ
ロセン触媒としては、例えば、4価の遷移金属を含有す
るメタロセン化合物とメチルアルミノキサンおよび/ま
たは非配位性のホウ素系化合物との併用物が用いられ
る。その使用割合は、一般にメタロセン化合物1モルに
対して、メチルアルミノキサンおよび/または非配位性
のホウ素系化合物2〜1,000,000モル、好まし
くは50〜5,000モルである。
【0022】上記のメタロセン化合物としては、例え
ば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチル
アミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリ
ス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)
チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシ
クロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジ
エニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロリド、ジメ
チルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n
−ブチルフェニルアミドジルコニウムクロリド、メチル
フェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t
−ブチルアミドハフニウムジクロリド、(t−ブチルア
ミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2
−エタンジイルチタンジクロリド、インデニルチタニウ
ムトリス(ジメチルアミド)、インデニルチタニウムト
リス(ジエチルアミド)、インデニルチタニウムビス
(ジ−n−ブチルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)
などを使用することができる。
【0023】本発明で用いるオレフィン系重合体(II)
のメルトインデックス(以下これを「MI」ということ
がある)は、得られる繊維の特性、繊維化工程性を良好
なものにする点から、0.1〜50g/10分の範囲内
であるのが好ましく、0.1〜30g/10分の範囲内
であるのがより好ましく、0.1〜15g/10分の範
囲内であるのがさらに好ましい。なお、本発明でいうオ
レフィン系重合体(II)のMIは、JIS K7210
に準じて、190℃、2.16kg荷重の条件下に測定
したときの値をいう。
【0024】さらに、本発明で用いるオレフィン系重合
体(II)の比重は、0.86〜0.92の範囲内である
のが好ましく、0.86〜0.90の範囲内であるのが
より好ましい。
【0025】次に、本発明で用いられるブロック共重合
体(III)は、複合繊維を構成するポリエステル系樹脂
(I)又はオレフィン系重合体(II)の少なくとも一方に配
合され、複合繊維中に1〜30質量%の割合で含有され
ていることが必要である。ポリエステル系共重合体(II
I)は、以下に述べる重合体ブロック(A)および重合体
ブロック(B)から構成されており、例えば、A−B型
ジブロック共重合体、A−B−A型トリブロック共重合
体、B−A−B型トリブロック共重合体などを挙げるこ
とができる。これらのなかでも、A−B型ジブロック共
重合体が好ましい。
【0026】ブロック共重合体を構成する重合体ブロッ
ク(A)は、オレフィン系単量体単位を全構造単位に対
して50〜100質量%含有しており、70〜100質
量%含有しているのが好ましく、80〜100質量%含
有しているのがより好ましい。50質量%未満ではオレ
フィン本来の特長が失われることとなり、本発明に記載
した効果を発現することができない。オレフィン系単量
体単位としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブ
テン、2−ブテン、イソブチレン、ブタジエン、イソプ
レン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセン、
ビニルシクロヘキサン、シクロペンタジエン、β−ピネ
ンなどから誘導される単位を挙げることができ、これら
のうち1種または2種以上を用いることができる。これ
らのなかでも、エチレン、プロピレン、イソブチレン、
イソプレンから誘導される単位が好ましい。さらに、共
役ジエンから誘導された単位の場合には、残存する不飽
和結合が水素添加されていてもよい。
【0027】重合体ブロック(A)は、必要に応じて、
上記のオレフィン系単量体と共重合可能なビニル系単量
体単位を50〜0質量%、好ましくは30〜0質量%、
より好ましくは20〜0質量%の割合で含有していても
よい。該ビニル系単量体を含有することにより、本発明
の効果がより高く発現する場合がある。オレフィン系単
量体と共重合可能なビニル系単量体単位としては、例え
ば、スチレン、p−スチレンスルホン酸、およびそのナ
トリウム塩、カリウム塩などのスチレン系単量体;(メ
タ)アクリロニトリル類;酢酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ルなどのビニルエステル類;(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリ
ル酸およびそのエステル類;(メタ)アクリルアミド;
N−ビニル−2−ピロリドンなどから誘導される単位を
挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上
を用いることができる。なかでも、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリルから
誘導される単位が好ましい。
【0028】本発明のブロック共重合体を構成する重合
体ブロック(B)は、(メタ)アクリル酸系単量体単位
を全構成単位に対して0.1〜100質量%含有してい
る。該(メタ)アクリル酸系単量体単位が0.1質量%
未満の場合には本発明の効果が低くなり、特に分散染料
による十分な染色性が得られなくなる。従って(メタ)
アクリル酸系単量体単位の含有割合としては55〜10
0質量%であるのが好ましく、70〜100質量%であ
るのがより好ましく、90〜100質量%であるのがさ
らに好ましい。ここで(メタ)アクリル酸系単量体単位
とは(メタ)アクリル酸やそのエステルから誘導される
単位であり、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)
アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ドデシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリ
シジルエステル等の単量体から誘導される単位であり、
これら単量体は単独、あるいは2種以上を混合して用い
ることができる。なかでもメタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチルはガラス転移点が比較的高いために分散染
料で染色した場合に、洗濯堅牢度、湿潤摩擦堅牢度等の
堅牢度が高くなるので好ましい。本発明の繊維がブロッ
ク共重合体とポリエステルやポリアミドなど相溶性の低
い重合体との混合紡糸繊維あるいは複合紡糸繊維である
場合は、両重合体の界面が剥離しやすいので(メタ)ア
クリル酸グリシジルエステル等のエポキシ基を有するも
のが好ましい。
【0029】重合体ブロック(B)は、必要に応じて、
(メタ)アクリル酸系単量体と共重合可能なビニル系単
量体単位を、全構造単位に対して99.9質量%以下含
んでてもよく、好ましくは45質量%以下、より好まし
くは30質量%、さらに好ましくは10質量%の割合で
ある。(メタ)アクリル酸系単量体と共重合可能なビニ
ル系単量体単位としては、例えば、スチレン、p−スチ
レンスルホン酸、およびそのナトリウム塩、カリウム塩
などのスチレン系単量体;(メタ)アクリロニトリル
類;酢酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステ
ル類;(メタ)アクリルアミド;N−ビニル−2−ピロ
リドンなどの単量体から誘導される単位を挙げることが
でき、これらのうち1種または2種以上を用いることが
できる。これらを共重合することによりブロック共重合
体の硬さや吸湿性を調整することができる。
【0030】重合体ブロック(A)の数平均分子量は、
1,000〜100,000であるのが好ましく、2,
500〜50,000であるのがより好ましい。また重
合体ブロック(B)の数平均分子量は、1,000〜1
00,000であるのが好ましく、2,500〜50,
000であるのがより好ましい。ブロック共重合体全体
の数平均分子量は、2,000〜200,000である
のが好ましく、5,000〜100,000であるのが
より好ましい。ブロック(A)およびブロック(B)の
数平均分子量が1,000未満では、繊維強度が低下す
ることがあり、また100,000以上ではブロック重
合し難いため目的の繊維が得られにくい。なお、本発明
でいう数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量
線から求めた値である。
【0031】また、ブロック共重合体における重合体ブ
ロック(A)と重合体ブロック(B)との組成割合は、そ
れぞれのブロックにおけるオレフィン系単量体単位や
(メタア)アクリル酸系単量体単位の含有割合によって
一概に設定することができないが、ブロック共重合体に
おけるオレフィン系単量体単位が少なすぎると、軽量
性、強度、耐薬品性等が劣る場合があり、また、(メタ)
アクリル酸系単量体単位が少なすぎると染色性の改善効
果が十分には現れにくい場合があるので、重合体ブロッ
ク(A):重合体ブロック(B)=10〜90:90〜1
0であることが望ましい。
【0032】ブロック共重合体の製造法は、特に制限さ
れないが、例えば、末端にメルカプト基を有するオレフ
ィン系重合体ブロック(A)の存在下に、重合体ブロッ
ク(B)を構成する単量体成分をラジカル重合すること
によりブロック共重合体を製造する方法が、目的とする
数平均分子量および分子量分布を有するブロック共重合
体を簡便かつ効率的に得ることができるので好ましい。
【0033】末端にメルカプト基を有するオレフィン系
重合体ブロック(A)は、各種方法により合成可能であ
り、例えば、末端に二重結合を有するポリオレフィン系
樹脂に、チオ酢酸、チオ安息香酸、チオプロピオン酸、
チオ酪酸またはチオ吉草酸などを付加させた後、酸また
はアルカリで処理する方法や、オレフィンのアニオン重
合において、停止剤としてエチレンスルフィドなどを用
いる方法により合成することができる。
【0034】そして、本発明の複合繊維では、ポリエス
テル系樹脂(I)及び/又はオレフィン系重合体(II)
中に該ブロック共重合体(III)を含み、それにより複
合繊維中に該共重合体(III)が1〜30質量%含有されて
いることが重要となる。(III)の含有量が30質量%
より多いと繊維化工程性が悪化し、さらに品質の低下が
発生する。また、1質量%より少ないと接着性の効果と
濃染化が得られない。
【0035】さらに、本発明の複合繊維は、ポリエステ
ル系樹脂(I):オレフィン系樹脂(II)の比が20:8
0〜80:20(質量比)であることが好ましく、特に
30:70〜70:30(質量比)であることが好まし
く、複合形態や繊維形状に応じて両者の複合比を調整す
ることができる。ポリエステル系樹脂(I)の複合比が
20質量%未満の場合、すなわち、オレフィン系重合体
(II)が80質量%を超える場合には、繊維強度が不十
分になり、染色による発色性が不足する。一方、ポリエ
ステル系樹脂(I)の複合比が80質量%を超える場
合、すなわち、オレフィン系重合体(II)が20質量%
未満の場合には、軽量化が不十分でかつ風合いとしての
張り腰が不足となる。
【0036】本発明の複合繊維の複合形態は、特に限定
されず、例えば、図1に見られるような種々の複合形態
をとることができるが、ポリエステル系樹脂(I)が鞘
部、オレフィン系重合体(II)が芯部である芯鞘型複合
繊維であることが発色性、繊維強度、軽量性の点におい
て好ましい。
【0037】また必要に応じて平均粒子径が0.01μ
m以上5μm以下の微粒子を0.05質量%以上10質量
%以下、重合反応時、またはその後の工程で添加するこ
とができる。微粒子の種類は特に限定されず、たとえば
シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム等の不活性微粒子を添加することができ、これ
らは単独で使用しても2種以上併用してもよい。特に平
均粒子径が0.02μm以上1μm以下の無機微粒子が好
ましく、紡糸性、延伸性が向上する。
【0038】また、本発明の複合繊維は、必要に応じ
て、酸化防止剤、熱分解防止剤、紫外線吸収剤、結晶化
核剤、結晶化促進剤、着色剤、難燃剤、可塑剤、帯電防
止剤、加水分解防止剤、上記以外のポリマー(例えばポ
リスチレン、ABS、ポリカーボネート、ポリジメチル
シロキサン等の有機ポリシロキサンなど)などの1種ま
たは2種以上を含有していてもよい。
【0039】本発明の複合繊維は、通常の溶融紡糸法に
より複合紡糸を行なうことができ、例えば、低速、中速
で溶融紡糸した後に延伸する方法、高速による直接紡糸
延伸法、紡糸後に延伸と仮撚を同時に又は続いて行なう
方法の任意の製造方法で製造することができる。
【0040】もう少し具体的に説明すれば、例えば、予
めブロック共重合体(III)を所定量含有させたポリエ
ステル系樹脂(I)とオレフィン系重合体(II)をそれ
ぞれ別の溶融押出し機で溶融し、ついでそれぞれの溶融
ポリマー流を紡糸頭に導きギヤポンプで計量し、所望の
複合形態の複合紡糸ノズルから吐出させ、必要に応じて
延伸処理などを行ない、ついで巻き取ることにより複合
繊維を製造することができる。この時、ブロック共重合
体(III)は、ポリエステル系樹脂(I)又はオレフィン
系樹脂(II)のいずれか一方に配合されていてもよい
し、両者に配合されていても何ら差し支えない。紡糸ノ
ズルから吐出された糸条は延伸せずにそのまま高速で巻
き取るか必要に応じて延伸される。延伸は破断伸度(HDm
ax)×0.55〜0.9倍の延伸倍率でガラス転移点(Tg)以上
の温度で延伸される。延伸倍率がHDmax×0.55未満では
十分な強度を有する繊維が安定して得られず、HDmax×
0.9を越えると断糸しやすくなる。延伸は紡糸ノズルか
ら吐出された後に一旦巻き取ってから延伸する場合と、
延伸に引き続いて施される場合があるが、本発明におい
てはいずれでもよい。延伸は通常熱延伸され、熱風、熱
板、熱ローラー、水浴等のいずれを用いて行ってもよ
い。また、引取り速度は、一旦巻き取ってから延伸処理
を行う場合、紡糸直結延伸の一工程で紡糸延伸して巻き
取る場合、延伸を行わずに高速でそのまま巻き取る場合
で異なるが、大凡500m/分〜6000m/分の範囲で
引き取る。500m/分未満で紡糸できないことはない
が、生産性の点からは意味が少ない。一方、6000m
/分を超えるような超高速では、繊維の断糸が起こりや
すい。また、本発明の繊維断面形状は特に限定されず、
通常の溶融紡糸の手法を用いてノズルの形状により真円
状にも中空にも異型断面にもできる。繊維化や製織化で
の工程通過性の点からは真円が好ましい。
【0041】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はそれにより限定されない。以下の実施例
および比較例において、繊維の強度、伸度、染色性、接
着性、風合い、工程性の評価は次のようにして行った。
【0042】[繊維強度、伸度]JISL1013に準拠
して測定した。
【0043】[紡糸工程性]100Kg紡糸した際の毛羽
・断糸の発生状況で評価した。 ○:毛羽・断糸の発生なく良好 △:断糸はなく、毛羽の発生が僅かに認められる ×:断糸が発生
【0044】[染色性]筒編地について下記の条件で染色
したときの発色性を、10人のパネラーにより官能評価
を行なった。その結果、「非常に優れる」を2点、「優
れる」を1点、「劣る」を0点とし、総合点で3段階に
分けて行なった。 ○:合計点が15点以上 △:合計点が6〜14点 ×:合計点が5点以下 <染色条件> Foron Navy S2GL 2%omf ディスパーTL 1g/l 酢酸(50%) 1cc/l 浴比 1:50 120℃×40分
【0045】[耐光堅牢度]JIS L−0842に準
じて耐光カーボンフェード、ブラックパネル温度63℃
の条件で評価した。[洗濯堅牢度]JIS L−084
4に記載のA−2法に準じて評価した。
【0046】[複合繊維の各ポリマーの接着性]24〜3
6フィラメントを500〜1000T/mの撚りをか
け、そのままの状態で糸条を切断し、切断面のフィラメ
ントの剥離状態を電子顕微鏡で500倍に拡大して観察し
た。切断箇所を10ヶ所について、下記の基準により評
価した。 ○:剥離程度が2割未満の場合 △:剥離程度が2割〜5割程度の場合 ×:剥離程度が5割を超える場合
【0047】[風合い]織物の触感を官能評価した。 ○:張り腰良好なもの △:張り腰やや不良なもの ×:張り腰不良なもの
【0048】以下の実施例、比較例では、ポリエステル
系樹脂(I)、オレフィン系重合体(II)、ブロック共
重合体(III)として下記のものを使用した。
【0049】[ポリエステル系樹脂(I)] ポリエステル系樹脂(I−1): ポリエチレンテレフタレート(株式会社クラレ製「KS
750RCT」、極限粘度[η]=0.68) ポリエステル系樹脂(I−2): ポリブチレンテレフタレート(株式会社クラレ製「S1
000」、極限粘度[η]=1.15)
【0050】[オレフィン系重合体(II)] オレフィン系重合体(II−1): ポリプロピレン(株式会社グランドポリマー製「J70
4」) オレフィン系重合体(II−2): ポリプロピレン(株式会社グランドポリマー製「J70
5」)
【0051】[ブロック共重合体(III)] ブロック共重合体(III−1): ポリプロピレンブロック−ポリメタクリル酸メチルブロ
ックからなるジブロック共重合体 ブロック共重合体(III−2): PP−b−MMA−GMAブロック共重合体
【0052】参考例1[ブロック共重合体(III−1)
の製造] (1)ポリプロピレン(三菱化学株式会社製「三菱ノー
ブレンMH8」登録商標)を2軸押出機に供給し、42
0℃で溶融混練して熱分解させて、末端に二重結合を有
するポリプロピレンを製造した。 (2)上記(1)で得られた末端に二重結合を有するポ
リプロピレン100質量部、トルエン1000質量部お
よびチオ−S−酢酸30質量部を反応器に入れて、内部
を充分窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル10質量部を添加して、80℃で6時間反応さ
せて、末端にチオアセチル基を有するポリプロピレンを
製造した。 (3)上記(2)で得られた末端にチオアセチル基を有
するポリプロピレン60質量部を、トルエン100質量
部とn−ブタノール20質量部の混合溶媒中に溶解し、
水酸化カリウムの7%n-ブタノール溶液1質量部を添
加して、窒素中トルエン環流温度で6時間反応させるこ
とにより、末端にメルカプト基を有するポリプロピレン
を製造した。
【0053】(4)上記(3)で得られた末端にメルカ
プト基を有するポリプロピレン50質量部をトルエン1
84質量部に溶解し、それにメタクリル酸メチル42質
量部を加えて、窒素中、90℃で、メタクリル酸メチル
の重合速度が1時間あたり約10%になるように1,
1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)を添加し、重合率が95%になった時点で反応を停
止した。それにより得られた反応溶液から溶媒および未
反応モノマーを除去することによって、ポリプロピレン
ブロック−ポリメタクリル酸メチルブロックからなるA
−B型ジブロック共重合体が得られた[以下「ブロック
共重合体(III−1)」という]。得られたブロック共重
合体(III−1)におけるポリプロピレンの数平均分子
量は13,000、ポリメタクリル酸メチルブロックの
数平均分子量は12,000、全体の数平均分子量は2
5,000、分子量分布2.5であった。 <参考例2>[ブロック共重合体(III−2)の製造]参
考例1で得られた末端にメルカプト基を有するポリプロ
ピレン50質量部をトルエン184質量部に溶解し、そ
れにメタクリル酸メチル40質量部、メタクリル酸グリ
シジル10質量部を加えて、窒素中、90℃で、メタク
リル酸メチル/メタクリル酸グリシジルの重合速度が1
時間あたり約10%になるように1,1’−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を添加し、重
合率が95%になった時点で反応を停止した。それによ
り得られた反応溶液から溶媒および未反応モノマーを除
去することによって、ポリプロピレンブロック−ポリメ
タクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジルブロックか
らなるA−B型ジブロック共重合体が得られた[以下
「ブロック共重合体(III−2)」という]。得られたブ
ロック共重合体(III−2)におけるポリプロピレンの
数平均分子量は13,000、ポリメタクリル酸メチル
/メタクリル酸グリシジルブロックの数平均分子量は1
0,000、全体の数平均分子量は23,000、分子
量分布2.6であった。
【0054】実施例1 上記のポリエステル系樹脂(I−1)(PET)を複合
繊維を構成する一成分として用い、もう一方の成分とし
ては、オレフィン系重合体(II−1)およびブロック共
重合体(III−1)とを表1に示す割合で混合し、二軸
押出機(株式会社日本製鋼所製「TEX44C」)に供
給してシリンダー温度250℃の条件下に溶融混練して
押し出し、冷却、切断して得られるペレットを用いた。
次いで上記のポリエステル系樹脂(I−1)、及び(II
−1)と(III−1)との混合物をそれぞれ別々の溶融押し
出し機を用いて溶融し、ポリマー流を紡糸頭に導き、前
者と後者を50対50の質量比となるようにギヤポンプ
で計量し、孔径0.25mm、ホール数24のノズルか
ら吐出させ1000m/分の速度で巻き取った。得られ
た紡糸原糸をホットローラー温度85℃、ホットプレー
ト温度140℃で3倍(HDmax×0.7に相当)にローラープ
レート延伸し、75d/24f(83dtex/24f)の延伸
糸を得た。得られた延伸糸の断面は、ポリエステル系樹
脂(I−1)を鞘成分とする図1(ロ)に示すようなのもの
であった。繊維の物性、染色性、堅牢度、接着性、風合
いその時の紡糸工程性を表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】比較例1 ブロック共重合体(III)を配合しなかったこと以外は実
施例1と同様にして繊維化を行ない、繊維物性、染色
性、堅牢度、接着性、風合いその時の紡糸工程性を評価
した(表1)。
【0057】比較例2 ブロック共重合体(III)の配合比率を表1に示すように
変更したこと以外は実施例1と同様にして繊維化を行な
い、繊維物性、染色性、堅牢度、接着性、風合いその時
の紡糸工程性を評価した(表1)。
【0058】実施例2,3、比較例3,4 ポリエステル系共重合体(III)の配合条件を表1に示す
ように変更すること以外は実施例1と同様にして繊維化
を行ない、繊維物性、染色性、堅牢度、接着性、風合い
その時の紡糸工程性を評価した(表1)。
【0059】実施例4,5 複合比率を表1に示すように変更すること以外は実施例
1と同様にして繊維化を行ない、繊維物性、染色性、堅
牢度、接着性、風合いその時の紡糸工程性を評価した
(表1)。
【0060】実施例6,7 繊維の複合形態を表1に示すように変更すること以外は
実施例1と同様にして繊維化を行ない、繊維物性、染色
性、堅牢度、接着性、風合いその時の紡糸工程性を評価
した(表1)。
【0061】実施例8,9 ポリエステル系樹脂(I)及び/又はオレフィン系重合体
(II)、ブロック共重合(III)の種類を表1に示すように
変更すること以外は実施例1と同様にして繊維化を行な
い、繊維物性、染色性、堅牢度、接着性、風合いその時
の紡糸工程性を評価した(表1)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合繊維の複合形態の例を表す繊維
断面図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂(I)およびオレフ
    ィン系重合体(II)とからなる複合繊維において、
    (I)及び/又は(II)には下記に示すブロック共重合
    体(III)が含有されており、かつ複合繊維中に該ブロ
    ック共重合体(III)が1〜30質量%含有されているこ
    とを特徴とする複合繊維。 ブロック共重合体(III):オレフィン系単量体単位50
    〜100質量%および該単量体と共重合可能なビニル系
    単量体単位50〜0質量%よりなる重合体ブロック
    (A)、並びに(メタ)アクリル酸系単量体単位0.1
    〜100質量%および該単量体と共重合可能なビニル系
    単量体単位99.9〜0質量%よりなる重合体ブロック
    (B)から構成されるブロック共重合体
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体を構成する、重合体ブ
    ロック(A)の数平均分子量が1,000〜100,0
    00であり、重合体ブロック(B)の数平均分子量が
    1,000〜100,000である請求項1記載の複合
    繊維。
  3. 【請求項3】 オレフィン系重合体(II)が、ポリエチ
    レン、ポリプロピレン、エチレン/α−オレフィン共重
    合体および水素添加された共役ジエン共重合体のうちの
    少なくとも1種である請求項1または2に記載の複合繊
    維。
  4. 【請求項4】 ポリエステル系樹脂(I)が、ポリエチ
    レンテレフタレートである請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の複合繊維。
  5. 【請求項5】 ポリエステル系樹脂(I)が、0.4〜
    1.5の範囲内の固有粘度を有し、かつ110〜130
    ℃の範囲内の結晶化温度を有するポリエチレンテレフタ
    レートである請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合
    繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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