JP2001328991A - カルボシラン及びポリカルボシラン - Google Patents
カルボシラン及びポリカルボシランInfo
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Abstract
ルボシラン及びポリカルボシランを提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1)で表わされるカルボシラ
ン及びこれをモノマーとして有機典型金属を開始剤とし
て重合反応することにより得られるポリカルボシランに
よる。 【化1】 ここで、MはSn、GeまたはPb原子を表わし、A
は、炭素数2〜10の脂肪族基、炭素数6〜30の炭素
環式基または珪素、酸素、窒素及び硫黄原子のうちの1
種以上を有する複素環式基であり、R1、R2、R3、
R6、R7及びR8は互いに独立に炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくはアルキ
ニル基または炭素数6〜20のアリール基であり、
R4、R5、R9及びR10は互いに独立に炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは
アルキニル基、炭素数3〜20のアルケニルアルキル基
若しくはアルキニルアルキル基または炭素数6〜20の
アリール基である。
Description
ン、それを用いて合成した新規なポリカルボシラン及び
その製造方法に関する。
d法若しくはWurtz法によって合成されている。例
えば、下記に示す反応により合成することが可能である
と報告されている(K.Nate, M. Ishikawa, H.Ni, H.
Watanabe, Y.Saheki, Organometallics, 6, 1673 (198
7))。
では重合度のコントロールが困難であるため所望の分子
量の化合物がなかなか得られないという欠点があった。
本発明者はこの様な従来技術の欠点を改良することを目
的に研究を進めた結果、特定の有機金属基を末端に有す
るカルボシランを原料として用いることにより従来技術
の欠点を克服することが可能であることを知り本発明に
到達した。また、本発明の有機金属基を末端に有する本
発明のカルボシラン若しくはポリカルボシランはそれ自
体有用な有機材料であると共に、マクロモノマーとして
これを原料とした新規な材料への展開が期待されるもの
である。
たポリカルボシランの合成を可能にしたのは以下の理由
による。 (1)原料として分子の末端にスズ等の特定の有機金属
基を有する本発明のカルボシランを用いたこと。 (2)開始剤としてブチルリチウム等の有機典型金属化
合物を用いたこと。 この両化合物を組合せて用いることによって、重合反応
を行った後でも分子末端の有機金属基は安定に保存され
ている。従って、更に、開始剤である有機典型金属化合
物を添加すると再び反応が始まりポリカルボシランの重
合度を増加させることができる。あるいは、反応時間を
変化させることによりポリカルボシランの重合度は変え
られる。これらの方法により重合度をコントロールする
ことができる。
なる。 [1]下記一般式(1)で表わされるカルボシラン。
は、炭素数2〜10の脂肪族基、炭素数6〜30の炭素
環式基または珪素、酸素、窒素及び硫黄原子のうちの1
種以上を有する複素環式基であり、R1、R2、R3、
R6、R7及びR8は互いに独立に炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくはアルキ
ニル基または炭素数6〜20のアリール基であり、
R4、R5、R9及びR10は互いに独立に炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは
アルキニル基、炭素数3〜20のアルケニルアルキル基
若しくはアルキニルアルキル基または炭素数6〜20の
アリール基である。
原子である[1]項に記載のカルボシラン。 [3]前記一般式(1)において、Aが1,4−フェニレ
ン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン、1,4−キ
シリレン、1,4−チオフェン若しくは4,4′−ビフェ
ニレンである[1]若しくは[2]項に記載のカルボシ
ラン。 [4]前記一般式(1)において、R1、R2、R3、R4、
R5、R6、R7、R8、R 9及びR10が何れもメチル基で
ある[1]〜[3]項に記載のカルボシラン。 [5]前記一般式(2)で示される、ポリスチレン換算重
量平均分子量が800〜100,000であるポリカル
ボシラン。
は、炭素数2〜10の脂肪族基、または炭素数6〜30
の炭素環式基または珪素、酸素、窒素及び硫黄原子のう
ちの1種以上を有する複素環式基であり、R1、R2、R
3、R6、R7及びR8は互いに独立に炭素数1〜20のア
ルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくはアル
キニル基または炭素数6〜20のアリール基であり、R
4、R5、R9及びR10は互いに独立に炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくはア
ルキニル基、炭素数3〜20のアルケニルアルキル基若
しくはアルキニルアルキル基または炭素数6〜20のア
リール基であり、そしてnは1<n≦500である。
チレン換算重量平均分子量が800〜100,000で
あるポリカルボシラン。
びA1は、独立に炭素数2〜10の脂肪族基、または炭
素数6〜30の炭素環式基または珪素、酸素、窒素及び
硫黄原子のうちの1種以上を有する複素環式基であり、
R1、R2、R3、R6、R7、R8、は互いに独立に炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基
若しくはアルキニル基または炭素数6〜20のアリール
基であり、R4、R5、R9、R10、R41、R51、R91及
びR101は互いに独立に炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数2〜20のアルケニル基若しくはアルキニル基、
炭素数3〜20のアルケニルアルキル基若しくはアルキ
ニルアルキル基または炭素数6〜20のアリール基であ
り、そしてn及びn1はそれぞれ、1≦n≦499、1
≦n1≦499、2≦n+n1≦500である。ただし、
2種のカルボシラン構造単位は同一ではないものとす
る。
MがSn原子である[5]若しくは[6]項に記載のポ
リカルボシラン。 [8]前記一般式(2)または(3)においてAが1,4
−フェニレン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン、
1,4−キシリレン、1,4−チオフェン若しくは4,
4′−ビフェニレンである[5]〜[7]項に記載のポ
リカルボシラン。 [9]前記[1]項に記載の同種若しくは異種のカルボ
シランを有機典型金属化合物を開始剤として反応させる
ことを特徴とする[5]項若しくは[6]項に記載のポ
リカルボシランの製造方法。
ルボシランは例えば以下の式に従って合成することがで
きる。更にそれを有機典型金属化合物を開始剤として反
応させることにより本発明のポリカルボシランを得るこ
とができる。尚、本発明で言うポリカルボシランはいわ
ゆるオリゴマーからポリマーまで含み、GPCにより測
定したポリスチレン換算重量平均分子量が800〜10
0,000までのものを言う。
の通りである。
ラン及びポリカルボシランの化学式が一般式(1)及び
(2)と完全には同一でないが、反応させる塩化シラン及
び有機典型金属化合物の種類を2種類とすることにより
一般式(1)及び(2)のR1〜R1 0が互いに異なる基から
なる化合物も得ることはできる。
る化合物の珪素若しくは4価の金属の置換基である
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、
R10、R41、R51、R91及びR101については、既に述
べたが、それらのうちでもアルキル基は炭素数1〜6の
ものが好ましく、アルケニル基若しくはアルキニル基は
炭素数2〜6のものが好ましく、アリール基は炭素数6
〜12のものが好ましい。4価の金属の置換基であるR
1、R2、R3、R6、R7及びR8の場合はこれらのうちの
少なくとも1個がメチル基若しくはエチル基であること
が好ましく、すべてがメチル基若しくはエチル基である
ことがより好ましい。
MはSn、Ge若しくはPb原子を表わすが、Snが最
も好ましい。更に2価の基であるA及びA1は既に述べ
たが、ここで、炭素環式基とは脂環式基若しくは芳香族
炭化水素基等の単環式炭化水素基、縮合多環式炭化水素
基及び橋かけ環式炭化水素基の内の少なくとも1種を必
須成分とし、必要によりこれらに任意の置換基若しくは
橋かけ基、例えば、炭化水素基、または珪素、酸素、硫
黄及び窒素原子の1種以上を含有する炭化水素基あるい
はスルホン基等のようにこれらの原子のみから構成され
る基により置換されあるいは橋かけされている基をい
う。
メチル−1,4−フェニレン、1,4−キシリレン、1,
4−チオフェン若しくは4,4′−ビフェニレンが好ま
しく、これらのうちでは1,4−チオフェンが溶媒に対
する溶解性に優れている。
例として以下の式で表わされる化合物を挙げることがで
きる。
金属基を有するカルボシランを有機典型金属化合物を開
始剤として重合反応させることにより本発明のポリカル
ボシランを得ることができる。既に述べたように本発明
のポリカルボシランは反応終了後もその末端の有機金属
基は安定に存在しているために、開始剤を添加すると更
に反応は進行する。あるいは反応時間を変化させること
によっても生成するポリカルボシランの重合度をコント
ロールすることができる。
能であるが、2種類以上のカルボシランを最初から混合
することによるランダムポリマーの合成を行うことがで
きる。この様な方法により溶媒に対する溶解性に優れた
ポリマーを合成することができる。あるいは2種類のポ
リマーが別々に保有する異なる物性上の特徴を併せ持つ
ポリマーを得るためには、予め両ポリマーを別々に合成
しておき、それらを混合し、開始剤の存在下反応を行う
ことによりブロックポリマーを合成することもできる。
典型金属化合物の有機基は炭素数1〜20のアルキル基
または炭素数2〜20のアルケニル基若しくはアルキニ
ル基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭
素数2〜6のアルケニル基若しくはアルキニル基または
炭素数6〜12のアリール基である。その典型金属はリ
チウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム若しく
は亜鉛であり、好ましくはリチウムである。リチウム化
合物の中でもブチルリチウム、メチルリチウムが好まし
い。多価金属の場合、置換基の少なくとも1個が上述し
た有機基であればよい。
で行うことができる。原料化合物と反応せず、且つ原料
化合物を溶解することができるものなら特に限定されな
いが、例えば、汎用溶媒であるテトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘ
キサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族、若しく
は脂環式炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素等を単一で若しくは混合して使用することができ
る。反応温度は−40〜30℃、好ましくは−20〜1
0℃である。
シランあるいはポリカルボシランの用途としては液晶化
合物、導電性材料、光スイッチ素子、メモリー素子のよ
うなセンサー材料、有機感光材料、光メモリー材料等の
機能性材料あるいはセラミック前駆体等が考えられる。
以下、本発明を実施例により具体的に開示するが、本発
明は、これらの具体例に限定されるものではない。
ル)ベンゼンの調製 滴下ロート2本と還流冷却器付き500ml三口フラスコ
に削状Mg(5.35g、220mmol)を入れ窒素置換
した。窒素雰囲気下で無水THF(150ml)を入れ、
一方の滴下ロートに1,4−ジブロモベンゼン(23.6
g、100mmol)と無水THF(25.0ml)、もう一
方の滴下ロートにジメチルクロロシラン(25.5ml、
230mmol)を入れ均一溶液にし、激しく撹拌した。約
3.0mlを滴下し、ドライヤーで加熱した。約10分
後、還流が始まり、保温しながら残りを滴下した。滴下
終了後、ホッチングマグネチックスターラーを用いて約
30分間加熱還流を行った。氷浴を用いてフラスコを冷
却し、エーテル(60.0ml)を加えて、飽和NH4Cl
水溶液(100ml)で中和、加水分解を行った。その
後、セライト−エーテルを用いた濾過でマグネシウム塩
を除去し、エーテル(100ml)で分液抽出し、無水M
gSO4で乾燥した。乾燥後、乾燥剤を濾別し、常圧蒸
留及び減圧濃縮で溶媒を除去後、精留ビーズを詰めた蒸
留塔を用いて減圧蒸留により目的物である1,4−ビス
(ジメチルヒドロシリル)ベンゼンを得た。IR測定に
より2100cm-1にSi−Hの伸縮振動が確認された。
蒸留条件は102〜104℃/16mmHg、収量は11.
3g、収率は41%であった。
1,4−ビス(ジメチルヒドロシリル)ベンゼンを入
れ、窒素雰囲気下で脱水CCl4(45.0ml)を加え均
一溶液とした。PdCl2(0.021g、0.12mmo
l)を加え、オイルバスを用いて加熱還流した。約3時
間加熱還流後、室温に冷却し、反応溶液の一部をマイク
ロシリンジで抜き取りGC分析で反応終了を確認した。
減圧で溶媒を除去後、クーゲルロール蒸留装置を用いて
塩素化物の単離を行った。外気にできる限り触れないよ
う窒素置換した受器を用いて蒸留することにより目的物
である1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼン
を得た。蒸留終了後、窒素バルーンをつけて次の反応ま
で保存した。蒸留条件は80〜110℃/0.9mmHg、
収率は90%であった。なお、次の反応の反応器への移
動については受器を反応器に連結して無水THFで流し
込んだ。
ラスコを窒素置換して、Arガス雰囲気下で無水THF
(80ml)を入れ、塊状金属Li(400mmol)を細か
く切り入れた。滴下ロートにMe3SnCl(1mol/L
のTHF溶液100ml)を入れ、氷塩浴を用いて−3〜
0℃の範囲にフラスコを冷却した。約5.0ml滴下して
20〜30分後、0〜1℃まで温度上昇して溶液が黄緑
色へ変化した。その後、約1.5時間−3〜0℃に温度
を保ち、残りを滴下した。
製 (a) 1,4−ビス(ジメチルトリメチルスタニルシリ
ル)ベンゼンの調製 窒素置換した100ml滴下ロート付き300ml三つ口フ
ラスコにArガス雰囲気下でフラスコへ、無水THF
(60ml)と1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベ
ンゼン(50mmol)を入れ、均一溶液にした。滴下ロー
トに注射器でスタニルリチウムのTHF溶液を移し、氷
塩液を用いて約0℃にフラスコを冷却し、0℃を越えな
いように滴下した。滴下終了後、20〜30分間撹拌放
置し、反応溶液の一部をマイクロシリンジで抜き取りG
C分析で反応終了を確認した。減圧蒸留で溶媒を除去
後、セライト−ヘキサン(100ml)を用いた濾過で塩
化リチウムを除去し、溶液に無水MgSO4を入れ乾燥
した。乾燥後、減圧濃縮で溶媒を除去し、精留ビーズを
詰めた蒸留塔で減圧蒸留して、沸点98〜130℃/
1.3mmHgの白色固体である1,4−ビス(ジメチルトリ
メチルスタニルシリル)ベンゼン15.6g(収率60
%)を得た。また、得られた生成物の1H−NMR分
析、13C−NMR分析、IR分析及びGC分析から構造
を決定した。ヘキサンを用いて再結晶化して、白色結晶
化物を得た。融点は97〜98℃であった。
−ジメチル−1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ビス
(ブロモメチル)ベンゼン、及び1,4−ジブロモチオ
フェンをそれぞれ用いて同様に反応を行うことにより、
2,5−ジメチル−1,4−ビス(ジメチルヒドロシリ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロシリルメ
チル)ベンゼン及び1,4−ビス(ジメチルヒドロシリ
ル)チオフェンをそれぞれ表1に示す収率で得た。
チルヒドロシリル)ベンゼンに代えて2,5−ジメチル
−1,4−ビス(ジメチルヒドロシリル)ベンゼン、1,
4−ビス(ジメチルヒドロシリルメチル)ベンゼン、及
び1,4−ビス(ジメチルヒドロシリル)チオフェンを
それぞれ用いて同様に反応を行うことにより、2,5−
ジメチル−1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベン
ゼン、1,4−ビス(ジメチルクロロシリルメチル)ベ
ンゼン及び1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)チオ
フェンをそれぞれ表2に示す収率で得た。
ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンに代えて2,5
−ジメチル−1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベ
ンゼン、1,4−ビス(ジメチルクロロシリルメチル)
ベンゼン、及び1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)
チオフェンをそれぞれ用いて同様に反応を行うことによ
り、2,5−ジメチル−1,4−ビス(ジメチルトリメチ
ルスタニルシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチル
トリメチルスタニルシリルメチル)ベンゼン及び1,4
−ビス(ジメチルトリメチルスタニルシリル)チオフェ
ンをそれぞれ表3に示す収率で得た。
の重合反応
0ml三つ口フラスコに1,4−ビス(ジメチルトリメチ
ルスタニルシリル)ベンゼン(1.2g、2.0mmol)を
入れ、Arガス雰囲気下で無水THF(10.0ml)を
加え均一溶液とした。氷塩浴を用いて−10℃の温度に
フラスコを冷却し、マイクロシリンジを用いてn−Bu
Li(0.8ml、1.0mmol)を添加すると、溶液は白濁
してきた。約30分放置後、マイクロシリンジで溶液の
一部を採取し、GC分析で原料の完全消費を確認した。
反応終了後、減圧下で溶媒を除去し、ヘキサン(20m
l)を用いた吸引濾過で不溶性の固体を濾別回収し、水
洗後、デシケーター中で乾燥した。母液は減圧下で濃縮
後、セライト−ヘキサン(40ml)で濾別し、ヘキサン
可溶物とTHF可溶物を分取した。共に減圧下で濃縮
後、ヘキサン可溶物0.46g、THF可溶物0.17
g、不溶性固体0.18gを得た。この反応物の分析結
果を表4に示す。1H−NMR分析チャートを図1、13
C−NMR分析チャートを図2に示す。
シリル)ベンゼンに代えて、それぞれ2,5−ジメチル
−1,4−ビス(ジメチルトリメチルスタニルシリル)
ベンゼン(実施例6)、1,4−ビス(ジメチルトリメ
チルスタニルシリルメチル)ベンゼン(実施例7)、
1,4−ビス(ジメチルトリメチルスタニルシリル)チ
オフェン(実施例8)または4,4′−ビス(ジメチル
トリメチルスタニルシリル)ビフェニル(実施例9)を
用いて実施例5と同様に反応を行い各ポリマーを得た。
結果は表4に示す。
行った後、更に開始剤を追加して重合を行った結果得ら
れたポリマーの分子量が増加していた。GPCにより、
測定したポリスチレン換算分子量の測定結果は以下の通
りである(溶媒THF)。 1段目の反応後 Mn=1237,Mw=1631,Mz
=2084 Mw/Mn=1.3185、Mz/Mn=1.6853 2段目の反応後 Mn=2155,Mw=2913,Mz
=4193 Mw/Mn=1.3516,Mz/Mn=1.9454
NMR分析チャートを図3、13C−NMR分析チャート
を図4に示す。更に、実施例8で1段目の反応で得られ
たポリマーの1H−NMR分析チャートを図5に、2段
目の反応で得られたポリマーの1H−NMR分析チャー
トを図6に、13C−NMR分析チャートを図7に、実施
例9で得られたポリマーの1H−NMR分析チャートを
図8に、13C−NMR分析チャートを図9に、UV分析
チャートを図10に、それぞれ示す。
0ml三つ口フラスコに1,4−ビス(トリメチルスタニ
ルジメチルシリル)ベンゼン(1)(0.50mmol)と
1,2−ビス(トリメチルスタニルジメチルシリル)エ
タン(2)(0.5mmol)及びTHF(4.0ml)を入
れ、0℃に保った。この溶液に1.0mmolのn−BuL
iを含有するそのヘキサン溶液をゆっくりと添加した。
12時間後に水を5ml添加して反応を停止した。反応液
をクロロホルムで抽出し、その抽出液をシリカゲルカラ
ムにかけ、続いてヘキサン及びTHFで分画した。ヘキ
サンで溶出した分画物の1H−NMRチャートを図11
に、13C−NMR分析チャートを図12にそれぞれ示し
た。これらのチャートより上記(1)及び(2)の共重
合物であることがわかる。更に、GPC分析の結果、数
平均分子量(Mn)が850、重量平均分子量(Mw)
が1000であった。
新規なカルボシランを原料として有機典型金属化合物を
開始剤として合成することにより、重合度の制御された
ポリカルボシランを合成することが可能になり、また、
本発明の新規なカルボシラン及びポリカルボシランはそ
れ自体有用な工業材料であると共に、マクロモノマーと
して有用な高分子材料の原料となる可能性を有している
化合物である。
の1H−NMR分析チャートである。
の13C−NMR分析チャートである。
の1H−NMR分析チャートである。
の13C−NMR分析チャートである。
カルボシランの1H−NMR分析チャートである。
カルボシランの1H−NMR分析チャートである。
カルボシランの13C−NMR分析チャートである。
シランの1H−NMR分析チャートである。
シランの13C−NMR分析チャートである。
ボシランのUV分析チャートである。
カルボシラン共重合体の1H−NMR分析チャートであ
る。
カルボシランの13C−NMR分析チャートである。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされるカルボシラ
ン。 【化1】 ここで、MはSn、GeまたはPb原子を表わし、A
は、炭素数2〜10の脂肪族基、炭素数6〜30の炭素
環式基または珪素、酸素、窒素及び硫黄原子のうちの1
種以上を有する複素環式基であり、R1、R2、R3、
R6、R7及びR8は互いに独立に炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくはアルキ
ニル基または炭素数6〜20のアリール基であり、
R4、R5、R9及びR10は互いに独立に炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは
アルキニル基、炭素数3〜20のアルケニルアルキル基
若しくはアルキニルアルキル基または炭素数6〜20の
アリール基である。 - 【請求項2】 前記一般式(1)において、MがSn原子
である請求項1に記載のカルボシラン。 - 【請求項3】 前記一般式(1)において、Aが1,4−
フェニレン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン、
1,4−キシリレン、1,4−チオフェン若しくは4,
4′−ビフェニレンである請求項1若しくは2に記載の
カルボシラン。 - 【請求項4】 前記一般式(1)において、R1、R2、R
3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10が何れもメ
チル基である請求項1〜3に記載のカルボシラン。 - 【請求項5】 下記一般式(2)で示される、ポリスチレ
ン換算重量平均分子量が800〜100,000である
ポリカルボシラン。 【化2】 ここで、MはSn、GeまたはPb原子を表わし、A
は、炭素数2〜10の脂肪族基、または炭素数6〜30
の炭素環式基または珪素、酸素、窒素及び硫黄原子のう
ちの1種以上を有する複素環式基であり、R1、R2、R
3、R6、R7及びR8は互いに独立に炭素数1〜20のア
ルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくはアル
キニル基または炭素数6〜20のアリール基であり、R
4、R5、R9及びR10は互いに独立に炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくはア
ルキニル基、炭素数3〜20のアルケニルアルキル基若
しくはアルキニルアルキル基または炭素数6〜20のア
リール基であり、そしてnは1<n≦500である。 - 【請求項6】 下記一般式(3)で示される、ポリスチレ
ン換算重量平均分子量が800〜100,000である
ポリカルボシラン。 【化3】 ここで、MはSn、GeまたはPb原子を表わし、A及
びAlは、独立に炭素数2〜10の脂肪族基、または炭
素数6〜30の炭素環式基または珪素、酸素、窒素及び
硫黄原子のうちの1種以上を有する複素環式基であり、
R1、R2、R3、R6、R7、R8、は互いに独立に炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基
若しくはアルキニル基または炭素数6〜20のアリール
基であり、R4、R5、R9、R10、R41、R51、R91及
びR101は互いに独立に炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数2〜20のアルケニル基若しくはアルキニル基、
炭素数3〜20のアルケニルアルキル基若しくはアルキ
ニルアルキル基または炭素数6〜20のアリール基であ
り、そしてn及びn1はそれぞれ、1≦n≦499、1
≦n1≦499、2≦n+n1≦500である。ただし、
2種のカルボシラン構造単位は同一ではないものとす
る。 - 【請求項7】 前記一般式(2)または(3)においてM
がSn原子である請求項5若しくは6に記載のポリカル
ボシラン。 - 【請求項8】 前記一般式(2)または(3)においてA
が1,4−フェニレン、2,5−ジメチル−1,4−フェ
ニレン、1,4−キシリレン、1,4−チオフェン若しく
は4,4′−ビフェニレンである請求項5〜7に記載の
ポリカルボシラン。 - 【請求項9】 請求項1に記載の同種若しくは異種のカ
ルボシランを有機典型金属化合物を開始剤として反応さ
せることを特徴とする請求項5若しくは6に記載のポリ
カルボシランの製造方法。
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