JP2001323932A - 転がり支持装置 - Google Patents

転がり支持装置

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JP2001323932A
JP2001323932A JP2000228426A JP2000228426A JP2001323932A JP 2001323932 A JP2001323932 A JP 2001323932A JP 2000228426 A JP2000228426 A JP 2000228426A JP 2000228426 A JP2000228426 A JP 2000228426A JP 2001323932 A JP2001323932 A JP 2001323932A
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rolling element
bearing
durability
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JP2000228426A
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Susumu Tanaka
進 田中
Manabu Ohori
學 大堀
Kenji Yamamura
賢二 山村
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動,衝撃荷重あるいは高速連続運転,高温
静置に対する耐久性に優れた転がり支持装置を提供す
る。 【解決手段】 外輪2と、内輪1と、外輪2と内輪1と
の間に転動自在に配設された複数の転動体3と、を備え
た転がり軸受において、Crの含有量が3重量%以上で
ある鋼で転動体3を構成するとともに、その表面層に硬
さがHv900以上の窒化層を設けた。そして、前記窒
化層の厚さを、転動体直径Daの1.5%以上6%以下
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり軸受,リニ
アガイド,ボールねじ等の転がり支持装置に係り、特
に、ハードディスクドライブ装置(以降はHDDと記
す),ビデオテープレコーダ(以降はVTRと記す),
ディジタルオーディオテープレコーダ(DAT)等の情
報機器、あるいは、ファンモータ,クリーナモータ,車
両のターボチャージャー等の静粛性が要求される機器に
組み込まれて、スピンドルのような回転部分や、HDD
等の構成部品の一部であるスイングアームのような揺動
運動部分を支承するのに好適な転がり支持装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、転がり軸受,リニアガイド,ボ
ールねじ等の転がり支持装置においては、該転がり支持
装置を構成する外方部材,内方部材と転動体との間で転
がり運動が行われ、前記外方部材,前記内方部材,及び
前記転動体が繰り返し接触応力を受ける。そのため、こ
れらの部材を構成する材料には、硬い、負荷に耐える、
転がり疲労寿命が長い、滑りに対する耐摩耗性が良好で
ある等の性質が要求される。
【0003】そこで、一般的には、これらの部材を構成
する材料には、軸受鋼としては日本工業規格のSUJ
2、ステンレス鋼としては日本工業規格のSUS440
C又は13Cr系のマルテンサイト系ステンレス鋼、そ
して肌焼鋼としては日本工業規格のSCR420相当の
鋼を焼入れあるいは浸炭又は浸炭窒化処理したもの等が
よく使用されている。そして、これらの材料は、転がり
疲労寿命等の必要とされる物性を得るために、焼入れ,
焼戻しが施されて、硬さをHRC58〜64としたもの
が使用されている。
【0004】上記のような転がり支持装置のうち、特に
HDDやVTR等の情報機器あるいはファンモータ等に
使用される玉軸受にあっては、トルク,音響,騒音の低
減に対する要求が非常に厳しいため、極めて高精度に仕
上げ加工されている。例えば、HDDに使用されるスピ
ンドルのような回転部分を支承する極めて高い静粛性が
要求される転がり軸受(以降は、スピンドル用軸受と記
す)には、高炭素クロム軸受鋼であるSUJ2が使用さ
れることが多い。
【0005】また、スイングアームのような揺動運動部
分を支承する転がり軸受(以降は、スイングアーム用軸
受と記す)には、絶乾仕様が要求されることが多いこと
もあって、マルテンサイト系ステンレス鋼であるSUS
440Cや0.7C−13Crステンレス鋼あるいはこ
れに類似のステンレス鋼がそれぞれ使用されることが多
い。
【0006】そして、これらの材料には、硬さ,耐摩耗
性等の必要とされる物性を得るために、焼入れ,焼戻し
が施されて、軌道輪の硬さはHRC58〜64とされて
いる。また、転動体は、特殊な場合を除き、基本的には
軌道輪あるいは外輪,内輪のいずれか一方と同一の材料
で構成されることが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
機器の小型化による可搬性が高まったことで、上記のよ
うな転がり支持装置において種々の問題が浮き彫りにな
ってきている。すなわち、機器の小型化に伴って、搬送
中の落下や輸送中に振動に曝される機会が増えたこと
で、機器に組み込まれた転がり支持装置が僅かではある
が損傷を受け、機器の性能を劣化させる原因となり得る
ことが最近の研究で明らかになってきたのである。
【0008】つまり、機器に衝撃荷重が加えられた場
合、特に小型の玉軸受等においては接触楕円が小さいこ
ともあって、比較的小さな衝撃荷重でも軌道面が永久変
形し、音響劣化や回転トルクむらの発生等が生じ、玉軸
受等を組み込んだ機器の性能が劣化するのである。この
問題は、特開平7−103241号公報に記載されてい
るように、鋼中に内在する残留オーステナイト等の軟質
相の降伏応力が低いために発生すると考えられており、
玉軸受に必要な硬さを保持しながら、且つ残留オーステ
ナイトを低減化するために、SUJ2であれば、焼入
後、サブゼロ処理するか、あるいは220〜240℃程
度の比較的高い温度で焼戻しするなどして、可能な限り
残留オーステナイトを低減させるか若しくは完全に消失
させて、衝撃荷重による音響劣化等を防止するような対
策が施されている。
【0009】しかし、近年、機器の可搬性が高まったこ
とによって振動に曝される機会が増え、その結果、転が
り支持装置の転動体と内方部材あるいは外方部材との接
触面において、微小な振動や揺動によるフレッチングが
発生し音響が劣化するという問題が浮き彫りになってき
た。上記公報に記載の発明は、衝撃荷重による音響劣化
に主眼を置いたものであり、機器の振動や動作等で生じ
るフレッチングに対しては、まったく考慮されていな
い。また、実際問題として、HDDやVTR等の情報機
器やその他静粛性が求められる機器に使用される比較的
小型の転がり支持装置においては、潤滑面での対策がな
されているだけで、材料面ではこれといった対策は施さ
れていなかった。
【0010】このフレッチングという問題に対して、最
近では、窒化珪素等のセラミックスボールの適用の可否
が検討されている。セラミックスボールは摺動性が良好
であることに加えて非常に硬度も高いため、極めて損傷
を受け難い。よって、転動体をセラミックスボールにす
ることで、凝着摩耗が抑制されて、フレッチング耐久性
に関しては鋼球に比較して格段に向上する。さらに、転
動体にセラミックスボールを使用すると、高速連続運転
後の音響耐久性も非常に優れている。
【0011】しかしながら、セラミックスボールは鋼球
と比較してコストが非常に高い。しかも、一般に弾性係
数が鋼と比較して著しく大きいため、鋼球と比較して大
きな接触面圧を受けることとなり、そのため衝撃荷重に
よって軌道輪の方に圧痕形成が起こり易い。したがっ
て、鋼球と比較して音響劣化が生じやすいという問題点
を有している。
【0012】また、線膨張係数が鋼球に比べて著しく小
さいため、機器が動作した際の温度上昇により与圧抜け
が生じて剛性が低下するといった問題点も有している。
さらに、セラミックスは一般に絶縁体であるため、静電
気作用により異物が吸引されてゴミ音による不良率が大
きくなったり、さらに、極めて比重が小さいということ
もあって、静電作用により組立工程で搬送トラブルが生
じ易いという問題も有しているなど、必ずしもこれら情
報機器やその他静粛性が要求される機器の性能を満足で
きるものではない。
【0013】さらに、転がり支持装置においては、近年
の益々の高性能化(例えば、スピンドル用軸受において
は回転速度の高速化)に伴う問題点も、新たに浮上して
きている。以下に、転がり支持装置が転がり軸受である
場合を例に、この問題点について説明する。例えば、H
DDの場合にあっては、装置の小型化に加えて、スピン
ドルの回転数が近年さらに高速化してきており、これに
用いられる転がり軸受においてもより高い耐衝撃性,高
速耐久性が求められるようになってきている。
【0014】また、磁気ヘッドを搭載したスイングアー
ムにおいても、高速シーク特性を確保するために、より
パワーの高いボイスコイルモーターが使用されるように
なってきており、そのため転がり軸受の周囲温度が益々
高くなる傾向にある。その結果、転がり軸受が停止状態
で長時間高温に保持された場合(以降は、高温静置と記
す)は、転動体と軌道輪との接触面においてブリネル痕
が形成されて、音響劣化が生じるという問題が顕在化し
てきていて、さらに高温静置に対する耐久性が求められ
るようになってきている。
【0015】この高温静置によるブリネル痕の形成は、
残留オーステナイトが接触部位において分解促進される
ことにより発生するものと考えられている。よって、前
述の衝撃荷重の劣化を防止する場合と同様に、SUJ2
であれば、焼入れ後にサブゼロ処理するか、あるいは2
20〜240℃程度の比較的高い温度で焼戻しするなど
して、可能な限り残留オーステナイトを低減化もしくは
完全に消失させて、従来より高温静置による音響劣化を
防止するような対策が施されている。
【0016】しかしながら、このような対策による効果
は、現状の転がり軸受にあっては、70〜80℃程度の
温度で長時間保持された場合の音響劣化を防止できるレ
ベルであって、それより高い温度における高温静置に対
しては、必ずしも十分な効果がない場合がある。今後さ
らにHDDの高性能化が進むと、100℃を超えるよう
な温度での高温静置に対しても耐久性を有する転がり軸
受が必要となってくると考えられ、さらなる対策が必要
となってきている。
【0017】本発明は、上記のような従来の転がり支持
装置の有する問題点を解決するためになされたものであ
り、その目的は、第一に、前記転がり支装置が組み込ま
れた機器の可搬性が高まったことに伴なう振動や衝撃荷
重による前記転がり支持装置の性能劣化を効果的に防止
することにあり、第二に、前記機器の高性能化に伴なっ
て低下する前記転がり支持装置の種々の耐久性(耐衝撃
性,高速耐久性,高温静置に対する耐久性)を改良する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、まず、機
器の微小振動や揺動による音響劣化の要因を詳細に調査
し、その主原因が転動体の損傷によるものであることを
突き止めた。すなわち、SUJ2等の一般軸受鋼からな
る従来の転動体は、図1に示すように、内輪、外輪との
接触部において振動や揺動による著しいフレッチング摩
耗痕(図1の横縞棋様)が生じ、転動体精度が著しく劣
化することによって音響劣化を招くのである。
【0019】そこで、HDDやVTR等に使用される極
めて静粛性が要求される玉軸受等の転がり支持装置に関
し、基本的には鋼の特性をそのまま利用し、転がり支持
装置の表面に適当な改質層を形成させることによって転
がり支持装置の性能を飛躍的に高めることができない
か、検討を重ねた。表面改質法には、蒸着やめっきなど
があるが、これらにより得た改質被膜は、摺動性には優
れるものの、複雑形状部品の表面に均一な改質層を形成
させることは非常に困難である。さらに、高い剪断応力
を受ける転動部材としては、母材と被膜との界面強度が
不足して、容易に被膜が剥離したり脱落したりする可能
性があり、信頼性に欠けるという問題があり、好ましく
ない。
【0020】そこで本発明者らは、鋼製部品の表面改質
法の一つである窒化処理の適用可否を検討した。窒化処
理には、塩浴窒化、ガス窒化、イオン窒化処理などがあ
り、摺動性の要求される機械部品の表面処理法として古
くから利用されている。一般に、所望の形状に加工され
た製品を500〜600℃程度の温度に保持し、表面か
ら窒素を拡散浸透させ硬化させる方法である。
【0021】こうして表面に形成された窒化層は、デポ
ジットした改質層とは異なり拡散浸透させたものである
ため、より高い界面強度を有するものと考えられる。し
かし、高い剪断応力を受ける転動部品の場合は、窒化層
よりもより深いところで大きな剪断応力を受けるため、
その適用は容易ではない。こうした理由から、これま
で、基本的には各種機械部品の摺動性を付与することを
目的に実施されているにすぎない。
【0022】転がり軸受やその他転動部品への窒化処理
の具体的な適用例としては、特開平6−341442号
公報、特開平10−131970号公報などがある。特
開平6−341442号公報では、機械部品の少なくと
も一つを塩浴窒化して、その表面に硬さがHv654〜
Hv830で、厚さが5〜20μmの化合物層を形成す
ることにより、耐食性に優れ、洗濯機用のローラークラ
ッチに好適に使用できる転がり軸受を提案している。
【0023】また、特開平10−131970号公報で
は、前記特開平6−341442号公報と同様に、一般
軸受鋼からなる構成部品の少なくとも一つに窒化処理を
施し、耐食性改善を図るとともに、さらに表面層におけ
る窒化物の平均粒子径を1μm以下に限定することによ
って耐焼付性を向上させ、自動車のエンジンのウォータ
ーポンプ等の補機に好適に使用できる転がり軸受を提案
している。
【0024】しかし、これらは耐食性や耐焼付性に主眼
を置いたものであり、転がり軸受において必要不可欠で
ある剪断応力に対する心部硬度などの考慮がほとんどな
されていないうえ、HDD等の情報機器用玉軸受に特有
の問題点及びその解決方法にも触れられていない。した
がって、情報機器用玉軸受として適用するには極めて不
十分な内容となっている。
【0025】特に、特開平10−131970号公報に
あっては、窒化層の深さに関する言及がなく、表面に関
しても窒化処理したままの、所謂研削仕上げが施されて
いないものと推察されることから、静粛性の要求される
情報機器用の玉軸受としては到底使用できない。さら
に、特開平5−179401号公報には、Crを3重量
%以上含有する所定の鋼に窒化処理を行なうことによ
り、Hvl000程度の硬い窒化層を形成し、異物によ
る傷が付きにくいものとし、異物が混入する場合の転動
疲労寿命を改善する提案がなされている。しかし、この
発明も、前記発明と同様に、情報機器用の玉軸受に特有
の問題点、すなわち静粛性,フレッチング,衝撃荷重に
よる音響劣化,あるいは予圧抜け等の問題点及びその解
決方法には一切触れられていない。
【0026】そこで、本発明者らは、窒化処理技術を転
がり軸受等の転がり支持装置の転動体に応用し、セラミ
ックスボールを使用した転がり軸受(以下、ハイブリッ
ド軸受と記載する)と同様に、音響耐久性,耐フレッチ
ング性を高め、さらにハイブリッド軸受の短所である耐
衝撃性,予圧抜け,静電作用による不具合などの問題点
を解決できないか鋭意検討を行なった。
【0027】その結果、転動体の母材として所定の軸受
用鋼を用い、表面層に好ましくは硬さHvll00以上
の窒化層を設け、さらに、窒化層下地の硬度及び窒化層
厚さ等の最適化を図ることで、静粛性,耐フレッチング
性,耐衝撃性等が極めて優れた情報機器用玉軸受などの
転がり支持装置を提供できることを見出した。さらに、
本発明者らは、転動体のみならず、転がり支持装置を構
成する転動部材である外方部材や内方部材についても、
上記転動体と同様の構成とすることにより、転がり支持
装置の耐久性(高速耐久性,高温静置に対する耐久性
等)を飛躍的に高めることが可能であることを見出し
た。このことにより、転がり支持装置が組み込まれた機
器の高性能化に伴う問題点を解決できる。
【0028】かくして、本発明に係る転がり支持装置
は、外方部材と、内方部材と、前記外方部材と前記内方
部材との間に転動自在に配設された複数の転動体と、を
備えた転がり支持装置において、前記外方部材,前記内
方部材,及び前記転動体のうち少なくとも前記転動体
を、Crの含有量が3重量%以上である鋼で構成すると
ともに、その表面層に硬さがHv900以上の窒化層を
設け、前記窒化層の厚さを、転動体直径Daの1.5%
以上6%以下及び転動体直径Daの1.5%以上100
μm以下のいずれか一方としたことを特徴とする。
【0029】なお、本発明における転がり支持装置とし
ては、例えば、転がり軸受,ボールねじ,リニアガイド
(直動案内軸受)等があげられる。そして、本発明にお
ける前記外方部材及び前記内方部材とは、前記転がり支
持装置が転がり軸受の場合には、外輪及び内輪を意味す
る。また、同じくボールねじの場合には、雌ねじを有す
るナット及び雄ねじを有するねじ軸を意味する。さら
に、同じくリニアガイド(直動案内軸受)の場合には、
スライダ及び案内レールを意味する。
【0030】以下に、本発明の臨界的意義について説明
する。 (外方部材,内方部材,及び転動体の構成材料である鋼
について)転がり支持装置を構成する転動部材である外
方部材,内方部材,及び転動体の母材となる軸受用鋼
は、表面特性、特にフレッチング耐久性の観点から、C
rを少なくとも3重量%、好ましくは5重量%以上、よ
り好ましくは8重量%以上含有する高Cr鋼とする。
【0031】さらに、静粛性の観点から、鋼の炭素
(C)含有量とCr含有量との関係を、C%≦−0.0
5Cr%+1.41を満たすようにすることが好まし
い。その結果、表面に形成される窒化層が、微細なCr
窒化物等の析出等によって非常に高硬度となり、摺動
性,耐フレッチング性,高速耐久性などが大幅に向上す
る。また、前記窒化層は耐熱性等にも優れていて、その
厚さに関して一定の要件を具備した場合は、高温静置に
対する耐久性や耐衝撃性等をも飛躍的に向上させる作用
がある。これについては、後述する。
【0032】また、上記関係式を満たさない場合には、
凝固過程で長径10μmを超える粗大な共晶炭化物を生
成して、転動体の場合には、素材の線引き時に断線の問
題が生じたり、転動体及び外方部材,内方部材の場合に
は、仕上げ加工の際に、これら共晶炭化物が仕上げ加工
精度を阻害して目標精度が得られなくなるなどの問題が
生じる場合がある。なお、上記のような問題をより生じ
にくくするためには、含有する共晶炭化物の大きさは、
長径が5μm以下であることが好ましい。
【0033】また、窒化処理によって芯部は非常に高い
温度で焼戻しを受けることになって、幾分軟化する。こ
の芯部の軟化を抑えるためには、炭素と窒素の総含有量
を0.45重量%以上とすることが好ましい。0.05
重量%以上窒素を合金化したものを使用すると、より軟
化を抑えることができ、さらに炭化物の微細化にも寄与
するので、より好ましい。また、上記成分に加えて、M
o,V,W,Nb,Al,Si等の窒化物形成元素を複
合的に添加すると、これらの微細な窒化物が析出してよ
り耐久性が向上するため、コストが許される範囲で添加
してもよい。
【0034】(転動体の製造方法及び完成品品質につい
て)転動体の製造は、まず、冷間で引抜加工された線材
を用い、ヘッダーによる冷間加工あるいは切削加工とフ
ラッシング等により素球を製作し、焼入れ後にサブゼロ
処理及び焼戻しを行ない、荒研削加工を行う。その後、
後述の半加工球を作製するのであるが、その際取り扱い
上の表面キズ発生の防止対策として、予めバレルあるい
はボールピーニング等の機械的硬化加工により、表面硬
度を高めておくとよい。これらの機械的硬化方法は、鋼
中の残留オーステナイトをマルテンサイトへ誘起変態さ
せることにも寄与し、転動体に起因する転がり支持装置
の耐衝撃性の低下を抑制する作用もある。
【0035】その後に、目標寸法すなわち完成品寸法に
設定取りしろを加算した寸法まで研削加工を行なう(以
降は、こうして得られたものを半加工球と称する)。設
定取りしろは、具体的には目標とする精度まで仕上げ加
工を行なう際の必要取りしろを指すが、もちろん窒化処
理による膨縮量も含めたものを指す。この半加工球の精
度は、真球度3.0μm以下とすることが好ましく、よ
り好ましくは1.0μm以下である。その理由は次の通
りである。
【0036】一般に窒化層は、処理物の形状にならった
形で生成する。そのため、真球度の劣悪な転動体に窒化
層を設けて仕上げ加工すると、不均一に研削されること
になって、窒化層厚さが不均一となると同時に、窒化処
理によって生じた内部応力のバランスもくずれるので、
精度を出すために研削に長時間を要したり、場合によっ
ては目標精度が達成できなくなるのである。
【0037】窒化処理には、一般的に、ガス窒化、塩浴
窒化、イオン窒化等があげられるが、イオン窒化は量産
性に欠け、処理物の形状等の影響も強く受け、球体表面
に均一な窒化層を形成させることはできない。また、一
般のガス窒化、塩浴窒化は処理温度が480〜600℃
と比較的高く、その際、芯部は焼戻し作用により軟化す
る。
【0038】しかし、転がり支持装置に荷重が加わる
と、深さ方向に大きな剪断応力を受けることになるの
で、窒化層の下地の硬度も極めて重要である。すなわ
ち、上記の一般的な窒化方法の場合、窒化処理温度が高
く、母材に十分な耐熱性がなくて芯部が著しく軟化する
と、表面の窒化層を支える下地の強度が不足して、転が
り支持装置が高い接触応力を受けた際に表面窒化層の破
損を招くことがある。そこで、芯部硬度をHRC57以
上確保しておくことが好ましい。
【0039】また、窒化処理温度が高いと、窒化処理後
において真球度,直径相互差等が大きく低下し、やはり
鋼球の精度及び諸機能において不具合を生じる。したが
って、窒化処理温度は好ましくは450℃以下、さらに
好ましくは420℃以下とする。また、窒化層は処理温
度が低いほど緻密であり、粗悪なポーラス層は生成しな
い。そのため、ラップ仕上げ後の表面粗さやウェービネ
ス等も向上する傾向にある。具体的には、次に記載した
窒化方法が好適に利用できる。
【0040】一般のガス窒化の場合は、処理温度を低く
するとアンモニアガスの反応性が低下する。加えて、C
rを多量に含有する鋼の場合には表面層に緻密なCr酸
化層が形成されているために、これが窒化を阻害し均一
な窒化層を形成できなくなる場合がある。また、塩浴窒
化の場合は、基本的には塩浴の融点が高いため、処理温
度を下げることには限界がある。
【0041】そこで、本発明の窒化プロセスとしては、
例えば、Nv窒化プロセス(大同ほくさん株式会社の商
品名)が好適に使用できる。この処理は、窒化処理の前
処理として、例えばNF3 (三フッ化窒素)等のフッ素
系ガスを用いて250〜400℃程度でフッ化処理を行
なうプロセスと、NH3 ガスによる窒化処理を行なうプ
ロセスとからなっている。
【0042】フッ化処理により、窒化反応を阻害するC
r酸化層が除去されて表面層にごく薄いフッ化層が形成
され、表面が極めて活性化する。そのため、その後の窒
化処理を400℃程度の低い温度で行っても、非常に均
一な窒化層を形成させることが可能となるのである。そ
の結果、表面に生成した窒化層は非常に緻密なものとな
って、且つ窒化処理後に転動体の精度が劣化することも
抑えられ、その後の仕上げ加工が比較的容易に行えると
いうメリットもある。
【0043】もっとも、上記プロセスはあくまで例示で
あって、塩浴窒化であっても、塩浴の組成によってはそ
の融点を420〜430℃とすることは一応可能である
ので、処理温度が450〜480℃程度の低温塩浴窒化
であってもよい。その結果、表面層には硬さがHv90
0以上の窒化層が形成され、静粛性,耐衝撃性等が向上
する。また、当該窒化層には(Fe,Cr)2-4 N、C
rN、Cr2 N等の微細な窒化物が多量に析出するの
で、前述のような種々の耐久性が飛躍的に向上する。な
お、上記の諸性質をより好ましいものとするためには、
窒化層の硬さはHvll00以上が好ましく、Hv12
00〜1400程度が特に好ましい。
【0044】また、転がり支持装置が衝撃荷重を受けた
際に、外方部材や内方部材に圧痕形成が起こって音響劣
化する場合があり、この対策として、残留オーステナイ
トを可能な限り低減することが有効であることは前述の
通りである。しかし、一般に、転がり支持装置の外方部
材あるいは内方部材(転がり軸受の場合は外輪あるいは
内輪)の溝曲率は転動体の曲率よりやや大きく設計され
ているため、実際には転動体の方がより高い接触応力を
受け易く、表面に非常に高硬度の窒化層を付与した転動
体の場合には、窒化層の厚さが重要なファクターとな
る。
【0045】本発明者らは、窒化層の厚さに関して詳細
に検討を行なった。均一で安定した窒化層を形成させる
ためには、一定の窒化処理時間が必要となり、その厚さ
が大きい方が好ましい場合がある。さらに、歪み速度が
比較的大きい場合、つまり衝撃荷重を受ける場合には、
応力体積に占める窒化層の割合が大きいほど転動体表面
の剛性が増し、結果として耐衝撃性が向上する。そのた
め、窒化層の厚さは転動体直径Daの1.5%以上とす
る必要があり、転動体直径Daの2.0%以上とするこ
とがより好ましい。
【0046】ただし、窒化層の厚さがより厚くなると、
転動体表面の剛性が増すかわりに軌道輪等の外方部材,
内方部材に圧痕形成が起こり易くなる場合もあるため、
外方部材,内方部材は残留オーステナイトを1%以下と
した軸受用鋼から構成することが好ましい。外方部材,
内方部材に関するより好ましい形態については、後に詳
細に述べる。
【0047】また、必要以上の厚い窒化層を設けること
は、すなわち窒化処理時間の延長につながり、処理コス
ト及び窒化処理後の真球度低下による加工コストの増
大、さらには表面組織が粗くなって要求精度を満足でき
ない場合や諸特性が低下する場合もあるため、好ましく
ない。したがって、その窒化層の厚さを転動体直径Da
の6%以下又は100μm以下とする必要がある。転動
体直径Daが1.667mm以下の場合には、窒化層の
厚さを100μm以下とすることが好ましい。
【0048】また、転動体は窒化処理が施された後に仕
上げ加工されて、目標精度、具体的にはJIS B 1
501記載の等級10以上(スイングアーム用軸受の鋼
球グレードも包含する)の高精度球に仕上げ加工され
る。近年、HDD等の情報機器に使用される玉軸受、特
にスピンドル用軸受においては、さらに高い精度の高精
度球が求められており、この場合には、等級3以上とす
ることが好ましく、さらに好ましくは、真球度及び径相
互差を0.05μm以下、表面粗さを0.003μmR
a以下とする。
【0049】以上の方法により作製された転動体の完成
品表面の窒化層の厚さは非常に均一で、静粛性,耐フレ
ッチング性,耐衝撃性はもちろんのこと、高速回転時の
音響耐久性及びバーイン特性(転動体表面のウェービネ
スの経時変化による音響劣化)も向上する。 (外方部材,内方部材の製造方法及び完成品品質につい
て)外方部材,内方部材の構成材料である鋼については
前記の通りであり、JISG 4805記載のSUJ2
はもちろんのこと、SUJ3及びこれらに類似した高炭
素軸受用鋼、SCR,SCM等の肌焼鋼を使用すること
ができる。
【0050】ただし、衝撃荷重による音響劣化を防止す
るため、それらは焼入れ硬化した後、サブゼロ処理ある
いはショットピーニングなどの機械的硬化方法、さらに
は焼戻しなどの手法により、軌道面表面における残留オ
ーステナイトを限りなく低減することが好ましい。残留
オーステナイト量は1%以下とすることが好ましく、ま
た、摩耗や剪断応力に耐えるために、硬度はHRC58
以上とすることが好ましい。
【0051】また、軌道面表面に浸炭窒化層を形成させ
ると、軌道輪に起こる圧痕形成も起こり難くなって耐衝
撃性は飛躍的に向上する。そのため、軌道輪の完成品品
質について、次のように規定することが好ましい。その
理由及び形態に関する臨界的意義について、以下に説明
する。通常、外方部材,内方部材に浸炭窒化処理がなさ
れる場合は、その表面に残留オーステナイトを多量に含
有させて、異物混入潤滑下における転がり寿命を確保す
ることに主眼が置かれるのが一般的である。しかし、残
留オーステナイトは、前記したように静粛性が要求され
る小型の転がり軸受等においては有害であって、これを
残留させることは好ましくない。したがって、本発明に
あっては、浸炭窒化焼入れ後に引続いて、250〜32
0℃程度の温度で焼戻しを行なうことによって、残留オ
ーステナイトを1%以下とする。
【0052】ただし、窒化層による十分な効果を得るた
めには、窒化層の転動体直径Daの2%の深さ位置にお
ける窒素濃度を0.1重量%以上とすることが好まし
い。より好ましくは、0.3重量%以上である。また、
焼入れ後に残存した残留オーステナイトを直接、焼戻し
で分解させるよりも、焼入れ後にサブゼロ処理あるいは
ショットピーニング,ボールピーニング等の機械的硬化
方法によってマルテンサイトに誘起変態させ、焼戻しを
行なう前に可能な限りこれを低減化しておいた方が、さ
らに高い耐衝撃性が得られるのでより好ましい。さら
に、外方部材,内方部材の軌道面表面の硬さを、HRC
62以上とすることが好ましい。
【0053】外方部材,内方部材の製造方法及び完成品
品質については、前述の転動体の場合と同様である。す
なわち、Crの含有量が3重量%以上である鋼で構成す
るとともに、その表面層に硬さがHv900以上の窒化
層を設け、前記窒化層の厚さを、転動体直径Daの1.
5%以上6%以下及び転動体直径Daの1.5%以上1
00μm以下のいずれか一方とする。外方部材,内方部
材の軌道面表面に窒化層を設けると、外方部材,内方部
材に圧痕が生じにくくなって、耐衝撃性が飛躍的に向上
する。
【0054】以下に、転がり軸受を例として、具体的な
製造方法を述べる。まず、旋削加工により所望の形状に
加工された軌道輪を、焼入れ,焼戻しを行なうことによ
って硬化させる。場合によっては、焼戻しの前にサブゼ
ロ処理を行なう。一般に、この時点の軌道輪の精度は、
例えば、真円度が数十〜100μm以上であり、これに
前述の窒化処理を行なうと、形成した窒化層が研削時に
不均一に加工されることになる。そうすると、所望の窒
化層を残留させることができなくなるばかりか、応力バ
ランスが崩れて目標精度が達成できなくなったり、研削
取りしろが増加して研削に長時間要するなど、弊害が多
くなる。そのため、焼入れ硬化した後には引続いて研削
加工を行ない、少なくとも真円度1μm以下まで研削仕
上げ加工を行なうことが好ましい。
【0055】また、このときの軸受寸法は、窒化処理を
行なうと窒化層の厚さに見合った膨張を来たすため、そ
の膨張量を考慮したものにしておく必要がある。その
後、前述の転動体の場合と同一の窒化処理に供される。
なお、窒化処理後には、酸化物や窒化物等の粗悪な粒子
又は異物等が表面に付着しているため、バレル又はその
他の機械的な方法によって、これらを除去することが好
ましい。
【0056】また、本発明の窒化方法によれば、窒化処
理後に著しくその精度が低下することはないが、膨張量
等のばらつきやその精度等を考慮すると、特に、情報機
器用の転がり軸受においては、再研削仕上げ加工(ラッ
プ仕上げ加工を含む)を窒化処理後に行なうことが好ま
しい。その場合、転動面の粗さを0.1μm以下とする
ことが好ましく、さらに好ましくは0.05μm以下で
ある。窒化層のその他の品質に関しては、前述の転動体
の場合と同様である。
【0057】
【発明の実施の形態】本発明に係る転がり支持装置の実
施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図2
は、本発明に係る転がり支持装置の一実施形態である転
がり軸受の断面図である。この転がり軸受は、複数の転
動体(ボール)3と、それよりも内方に位置する内輪1
と、それよりも外方に位置する外輪2とからなり、転動
体3は内輪1と外輪2との間に保持されながら、転がり
案内される。このとき、内輪1及び外輪2には、転動体
3を案内するための転動溝が設けられており、転動体3
は、前記転動溝において保持器4によって等配に保持さ
れている。また、転動体3には後述する方法により、そ
の表面に窒化層Nが設けられている。
【0058】このような転がり軸受にあって、実施例と
比較例との軸受の静粛性及び各種耐久性評価はすべて玉
軸受695(JIS呼び番号)で行なった。なお、軸受
に組み込まれる転動体としては、すべて等級3以上まで
ラップ加工されたものを使用し、保持器にはプラスチッ
ク保持器を、潤滑には内部防錆油及び鉱油系グリースを
使用した。
【0059】本実施の形態における転動体は以下の方法
で製作した。なお、転動体材料には、表1記載の成分組
成を有する記号A−1〜A−4の鋼を使用した。
【0060】
【表1】
【0061】まず、直径1.5mmの線材を用いてへッ
ダー加工及びフラッシングにより素球を作製し、これに
焼入れ,サブゼロ処理,焼戻しを行なった。次いで、粗
研削加工を行なった後にボールピーニングを行ない、引
き続いて真球度1.0μmまで仕上げ加工を行ない、窒
化処理,仕上加工(ラップ仕上げ)を施した。当該窒化
処理については、410〜440℃×24〜48時間の
Nv窒化プロセスにより行なった。図3に、その転動体
製造工程の概略図を示す。以上の工程を経て、JIS等
級G3以上、真球度及び径相互差0.05μm以下、面
粗さ0.003μmRa以下の転動体を得た。
【0062】表2に、この転動体の完成品品質を示す。
材料記号は表1に示すものである。
【0063】
【表2】
【0064】表中の表面硬さは、荷重100gで転動体
表面を直接ビッカース硬度計により測定した結果を示
す。芯部硬さは、ボールを熱可塑性樹脂に包埋した後、
研磨して得られる断面の芯部硬度を荷重l00gでビッ
カース硬度を測定し、ロックウェルC硬度に換算したも
のである。また、窒化層厚さは、熱可塑性樹脂に包埋し
た転動体を適当な断面径まで研磨してマーブル試薬でエ
ッチングを行ない、観察面の転動体断面径と、その断面
径においてエッチングした後に明瞭に観察される窒化層
厚さとをそれぞれ顕微鏡で測定し、測定された直径及び
窒化層厚さに基づいて、幾何学的に真の窒化層厚さを算
出することで求めた。図4の転動体の断面図において、
転動体の表面部分に示されている白層が窒化層である。
【0065】また、本発明における転動体の精度は、真
球度が0.05μm以下、ボールウェービネスがM.
B.(円周あたりの山数5〜30)で40npc以下、
H.B.(円周あたりの山数30〜160)で83np
c以下のものである。なお、図4には、本発明の転動体
の断面図の一例を示したが、非常に均一に且つ緻密な窒
化層が形成されていることが確認できる。
【0066】一方、軌道輪にはSUJ2を用い、以下の
二通りの熱処理のいずれかを施した。なお、それぞれ鋼
中の残留オーステナイトはほぼ完全に分解し消失してい
る。 (1)820〜850℃で焼入れ後、サブゼロ処理、続
いて220〜240℃で焼戻しを施した(表3中の軌道
輪の欄には「SUJ2」と記載)。 (2)820〜850℃で浸炭窒化焼入れ後、サブゼロ
処理、続いて260〜280℃で焼戻しを施した(表3
中の軌道輪の欄には「SUJ2+浸炭窒化」と記載)。
【0067】軌道輪の軌道面表面硬さは、(1)の場合
がHRC59.5、(2)の場合がHRC62.5であ
った。また、(2)においてEPMAで断面窒素濃度分
布を測定した結果、2%Da深さにおける窒素濃度は
0.34重量%であった。これらの転動体と軌道輪とを
組み合わせてなる試料玉軸受について、音響耐久性,フ
レッチング耐久性,耐衝撃性等を評価した。
【0068】まず、試料玉軸受を予圧11.8N,回転
数1800rpmで作動させたときのアキシアル振動加
速度(G値)を測定することで初期音評価を行ない、そ
の後各種評価試験に供した。表3に、その評価結果を記
載した。
【0069】
【表3】
【0070】音響耐久性評価は、予圧11.8N,回転
数7200rpm、温度70℃で1000時間回転作動
させた後、再度、アキシアル振動加速度(G値)を測定
し、初期値からの音響劣化量を求め、全SUJ2製の比
較例E−5の場合を1としたときの比で示した。したが
って、表3中の数値が小さいほど音響耐久性に優れてい
ることを示す。
【0071】フレッチング耐久性評価は、下記条件で揺
動試験を行ない、初期値からの音響劣化量を求め、全S
UJ2製の比較例E−5の場合を1としたときの比で示
した。したがって、音響耐久性の評価結果と同様、表3
中の数値が小さいほど音響耐久性に優れていることを示
す。耐衝撃性評価は、玉軸受に11.8Nの予圧をかけ
た状態で、アキシアル方向に種々の高さ(30cm〜1
m)から落下させて、試験前に対するG値上昇量を測定
することで行なった。なお、軸受は外輪回転で、ハブを
含めた総重量は35gとし、ハブに取り付けた加速度ピ
ックアップにより、落下時の加速度を測定した。試験前
に比較してG値が5mG増加した加速度を求め、全SU
J2製の比較例E−5の場合を1としたときの比で示し
た。したがって、表3中の数値が大きいほど、耐衝撃性
に優れていることを示す。
【0072】表3より、本発明が音響耐久性、耐フレッ
チンク性及び耐衝撃性のすべてにおいて比較例より優れ
ていることがわかる。その耐フレッチング性,音響耐久
性はセラミックスボールを使用した比較例E−6とほぼ
同等かあるいはそれ以上であり、耐衝撃性に関してはこ
れよりも格段に向上しており、SUJ2からなる転動体
を使用した比較例E−5と比較しても同等以上である。
特に、軌道輪を浸炭窒化したもの(実施例D−5〜D−
10)でその効果が著しい。
【0073】これに対して、比較例であるE−1はSU
J2からなる転動体表面を窒化処理した場合の例である
が、Cr含有量が少ないため十分な表面硬度が得られ
ず、フレッチング耐久性,音響耐久性が劣っている。ま
た、比較例E−2はSUS440Cからなる転動体の表
面を窒化処理した場合の例であるが、粗大共晶炭化物が
存在するため表面精度が得られ難く、本発明の実施例に
比較してやや耐久性が劣っている。
【0074】また、比較例E−3及び比較例E−4は窒
化層厚さが転動体直径Daの1.5%に満たない場合の
例であるが、落下衝撃試験において転動体損傷に起因し
た音響劣化が認められた。以上、述べたように、本実施
形態の転がり軸受は、セラミックスボールを使用したハ
イブリッド軸受に特有の問題であった衝撃落下時の音響
劣化を防止できて、且つ、ハイブリッド軸受と同等ある
いはそれ以上にフレッチング耐久性、音響耐久性を高め
たものであるが、その他、以下に述べる利点もある。
【0075】セラミックスボールを使用した比較例E−
6の場合の構成では、窒化ケイ素(Si34)セラミッ
クスの比抵抗はl013〜1014Ω・cmと非常に大きく
て静電気作用により異物を吸引し易く、製造工程におい
てゴミ音不良あるいは搬送トラブルが起こり易い。さら
には、窒化ケイ素セラミックスは線膨張係数も非常に小
さい(2.8×10-6/℃)ため、温度変化により予圧
が変化してトルク変動が生じたり、極端な場合は完全に
予圧が抜けてしまうという現象もある。
【0076】本実施例においては、基本的には鋼を利用
したものであるため、比抵抗の面でも〜10-5Ω・cm
であってSUJ2とオーダー的にそれほど変わらない。
さらに、線膨張係数もSUJ2(12.5×10-6
℃)と比較してわずかに低下する(表1のA−4の場
合、10.8×10-6/℃)のみで、軸受のハウジング
の材質はフェライト系ステンレス鋼(10.4×10-6
/℃)が使用される場合が多く、むしろこの場合には0
〜70℃における予圧荷重変化量は0.98Nとなり、
全SUJ2の2.94Nに比較しても有利である。窒化
珪素セラミックスの場合には、これが11.8Nという
値になるため、初期予圧が20℃で7.84N程度であ
る場合には、70℃で完全に予圧が抜けてしまう結果と
なる。
【0077】図5には、転動体表面に形成した窒化層厚
さの転動体直径Da比と落下衝撃試験における耐衝撃性
との関係を示した。図5から分かるように、この比が
1.5%以下の場合には、軌道輪がSUJ2であるもの
と、軌道輪がSUJ2に浸炭窒化したものとの差が無く
なっている。すなわち、窒化層厚さの転動体直径Daに
対する比が1.5%の場合には、落下衝撃時に転動体に
起因した音響劣化が起こっているものと考えられる。
【0078】これが1.5%以上になると、転動体の剛
性が増して耐衝撃性が向上し、さらに軌道輪がSUJ2
であるものと、軌道論がSUJ2に浸炭窒化したものと
に差が認められる。すなわち、転動体表面の窒化層厚さ
の転動体直径Daに対する比が1.5%以上でないと、
真に落下衝撃時の音響劣化を防止できない。特に、窒化
層厚さの転動体直径Daに対する比が2%を超える場合
にその効果が大きい。また、軌道輪を浸炭窒化した場合
には、さらにその改善効果が大きい。これは、マルテン
サイト中に固溶している炭素や窒素などの侵入型元素が
転位を固着させる雰囲気を形成し、さらに焼戻し時に析
出した炭化物あるいは炭窒化物が転位の連動を抑制する
作用があるためと考えられる。
【0079】しかし、焼戻し温度が高すぎると、焼戻し
作用によって固溶している炭素,窒素がさらに炭化物あ
るいは炭窒化物となって析出し、さらにはそれらが次第
に凝集していくために、転位を固着させる作用が小さく
なり、さらに、焼戻し過程で析出した炭化物や炭窒化物
が凝集しあうために転位のピンニング効果も小さくな
る。すなわち、転位強化機構が緩和されるため耐衝撃性
が低下する。したがって、焼戻し温度は残留オーステナ
イトがほぼ完全に分解する温度がもっとも好ましく、必
要以上に高くすることは好ましくない。好ましい焼戻し
温度は、250〜320℃である。
【0080】浸炭窒化処理することにより好ましい結果
が得られるのは、固溶窒素がより転位を固着させること
に加え、炭窒化物がより効果的に転位のピン止めに作用
するためではないかと考えられるが、本発明者らが詳細
に検討を行なった結果、軌道輪において、転動体直径D
aの2%深さにおける窒素濃度を少なくとも0.1重量
%以上(最表面においては、それより若干大きい)確保
しないと、その効果は非常に小さかった。より好ましく
は、転動体直径Daの2%深さにおける窒素濃度を、少
なくとも0.3重量%以上とするのが良い。
【0081】次に、本発明に係る転がり支持装置の他の
実施形態である転がり軸受について、各種耐久性評価を
行った結果を説明する。使用した転がり軸受はすべて、
内径6.350mm,外径9.525mm,幅3.17
5mmの寸法形状を有する日本精工株式会社製玉軸受で
ある。なお、転がり軸受に組み込まれる転動体として
は、すべて直径Daが1.0mmで等級5相当のもの
を、保持器としてはプラスチック保持器を用い、潤滑に
は内部防錆油及び鉱油系グリースを使用した。
【0082】また、材料である鋼には、以下に示すもの
(鋼A,B,C)及び高炭素クロム軸受鋼SUJ2を用
いた。そして、これらの鋼中の残留オーステナイト量を
4%以下にするとともに、転動体,軌道輪の表面層に所
望の窒化層を形成させた。さらに、比較例として、窒化
層の厚さが本発明の要件を満たしていない場合について
も評価を行なった。
【0083】 鋼A:C含有量0.60重量%、Cr含有量13重量
%、N含有量0.15重量% 鋼B:C含有量0.80重量%、Cr含有量8.0重量
% 鋼C:C含有量0.80重量%、Cr含有量4.0重量
【0084】
【表4】
【0085】表4に、転動体及び軌道輪の完成品品質と
それらを使用した転がり軸受の耐久性評価結果とを示
す。表中の表面硬さは、荷重100gで転動体の表面及
び軌道輪端面の表面を直接ビッカース硬度計により測定
した結果である。また、窒化層厚さは、転動体において
は、熱可塑性樹脂に包埋した転動体を適当な断面径まで
研磨してマーブル試薬でエッチングを行ない、観察面の
転動体断面径とその断面径おいてエッチング後において
明瞭に観察される窒化層厚さとをそれぞれ顕微鏡で測定
し、測定された直径及び窒化層厚さに基づいて幾何学的
に算出することにより求めた。
【0086】また、軌道輪においては、熱可塑性樹脂に
包理した軌道輪の切断面を、マーブル試薬でエッチング
を行ない、直接窒化層厚さを測定した。なお、ここで
は、エッチング後に観察される窒化による影響を受けた
層を、すべて窒化層とみなした。また、測定値して得ら
れた窒化層厚さが真の値となるように、転動体の場合は
中心を通る断面(断面積が最大となる様な断面)におけ
る窒化層厚さ、軌道輪の場合は軸線を含む断面における
窒化層厚さに、測定値を補正した。
【0087】転がり軸受の耐久性評価については、音響
耐久性,フレッチング耐久性,耐衝撃性,高温放置耐久
性,耐食性等について評価した。まず、前記玉軸受を予
圧4.9N,回転数1800rpmで作動させたときの
アキシャル振動加速度(G値)を測定することで初期音
評価を行ない、各種評価試験に供した。
【0088】音響耐久性評価は、予圧4.9N,回転数
15000rpm,温度70℃で1000時間回転作動
させた後に、再度アキシャル振動加速度(G値)を測定
し、初期値からの音響劣化量を求めることにより行っ
た。そして、全て(転動体及び軌道輪)がSUJ2製の
玉軸受である比較例G−1の値を1としたときの比によ
り示した。したがって、表中の数値が小さいほど音響耐
久性が優れていることを示す。
【0089】フレッチング耐久性評価は、常温で予圧
4.9N,揺動角度8deg,揺動周波数30Hz,揺
動回数1000万回試験を行なった後、再度アキシャル
振動加速度(G値)を測定し、試験前に対するG値の上
昇量を求めることにより行った。そして、全SUJ2製
の比較例G−1の値を1としたときの比で示した。した
がって、音響耐久性評価と同様に、表中の数値が小さい
ほどフレッチング耐久性に優れていることを示す。
【0090】耐衝撃性評価は、アキシャル荷重を9.8
Nづつ増加させながら294Nまで負荷し、除荷した
後、再度アキシャル振動加速度(G値)を測定し、試験
前に対するG値の上昇量を求めることにより行った。そ
して、5mG増加したアキシャル荷重を耐衝撃荷重とし
た。表中には、全SUJ2製の比較例G−1の耐衝撃荷
重を1としたときの比で示した。したがって、表中の数
値が大きいほど耐衝撃性に優れていることを示す。
【0091】高温静置耐久性は、予圧を4.9N付与
し、110℃に155時間保持した後、再度アキシャル
振動加速度(G値)を測定し、試験前に対するG値の上
昇量を求めることにより行った。そして、5mG以上増
加したものを不良と評価し、表中に×印で表し、5mG
以下であったものは良好と評価して、○印で表した。耐
食性評価は、70℃,95%RHの条件で2週間湿潤試
験を行ない、発錆の有無により評価した。表において
は、発錆が見られなかったものを○印、著しい発錆が見
られたものを×印、発錆は認められるが比較例G−1よ
りも明らかに良好であるものを△印で示した。
【0092】表4より、本実施例(F−1〜F−6)の
転がり軸受は、すべての評価試験において比較例より勝
っていることが分かる。なお、これらの転がり軸受の窒
化層の厚さは、転動体直径Da(1.0mm)の10%
以下、すなわち100μm以下となっている。これに対
して、比較例G−1は、内輪,外輪,転動体のすべてが
SUJ2の場合の例であるが、すべての項目において前
記実施例より劣っている。また、比較例G−2は、内
輪,外輪,転動体のすべてが、マルテンサイト系ステン
レス鋼である鋼Aを窒化処理しないで使用した場合の例
であるが、耐食性を除くその他の項目すべてにおいて前
記実施例より劣っている。
【0093】また、比較例G−3及び比較例G−4は、
軌道輪(内輪,外輪)及び転動体のいずれか一方に、窒
化処理した鋼Aを使用した場合の例であるが、構成部品
(軌道輪及び転動体)のすべてが本発明の構成要件(鋼
の組成,窒化層の有無及び厚さ)を満たしているわけで
はないため、高温静置耐久性が改善されていない。図6
に、比較例G−1の転がり軸受を高温静置耐久性試験し
た後に音響測定し、その結果を周波数解析(エンベロー
プ解析)したチャートの一例を示す。図6からも明らか
なように、110℃に長時間保持した場合には、転動
体,外輪,内輪すべてにおいて、音響劣化要因(ブリネ
ル痕の存在)が確認できる。したがって、このことは転
がり軸受の構成部品のすべてが本発明の構成要件を満た
している場合でなければ音響耐久性が改善できず、転が
り軸受等の転がり支持装置が組み込まれる機器におい
て、転がり軸受等の転がり支持装置の周辺温度に対する
対策を講じる必要性があることを示している。
【0094】また、比較例G−5には、窒化層厚さを除
き、内輪,外輪,転動体のすべてが本発明の要件を満足
する場合の例であるが、窒化層厚さが不足していること
から耐衝撃性が改善されていない。さらに、表4からも
明らかなように、前記実施例の転がり軸受は15000
rpmの高速回転に対する音響耐久性も具備しており、
前記機器の高性能化に対して充分対応できるものと考え
られる。
【0095】さらにまた、前記実施例の転がり軸受は、
従来のSUJ2製の転がり軸受よりも耐食性に優れてい
るから、絶乾仕様が要求される場合、例えばスイングア
ーム用軸受等に対しても適用可能である。なお、本実施
形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本
実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形
態においては、転がり支持装置として転がり軸受を例示
して説明したが、本発明の転がり支持装置は、他の種類
の様々な転がり支持装置に対して適用することができ
る。例えば、ボールねじやリニアガイド等である。
【0096】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る転
がり支持装置は、少なくとも転動体の表面層に非常に硬
質且つ繊密な窒化層が最も適した厚さとなるように設け
られているので、一般の転がり支持装置と比較して、静
粛性はもちろんのこと、フレッチング耐久性,音響耐久
性,耐衝撃性が優れている。
【0097】さらに、転がり支持装置が組み込まれた機
器の高性能化に伴なって低下する高速耐久性や高温静置
に対する耐久性に関しても、大変優れている。また、本
発明に係る転がり支持装置によれば、セラミック球を使
用したハイブリッド軸受において問題視されている耐衝
撃性,予圧抜け,及び静電気作用によるゴミ吸引に起因
する音響不良などの問題も解決できて、且つ低コストに
提供できるという多大なる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転動体表面のフレッチング摩耗痕の説明図であ
る。
【図2】本発明の転がり支持装置の一実施形態である転
がり軸受の縦断面図である。
【図3】本発明の転動体の製造工程の概略説明図であ
る。
【図4】本発明の実施例の転動体の断面図である。
【図5】転動体の窒化層の厚さと耐衝撃性との関係を示
す説明図である。
【図6】転がり軸受の音響測定結果を示すチャートであ
る。
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 3 転動体 N 窒化層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/18 C22C 38/18 F16C 33/34 F16C 33/34 33/62 33/62 F16H 25/22 F16H 25/22 L 25/24 25/24 A E (72)発明者 山村 賢二 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA02 AA32 AA42 AA54 AA62 BA70 DA02 EA02 FA31 FA35 GA24 GA53 4K042 AA14 AA22 BA03 CA06 CA07 DA06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外方部材と、内方部材と、前記外方部材
    と前記内方部材との間に転動自在に配設された複数の転
    動体と、を備えた転がり支持装置において、前記外方部
    材,前記内方部材,及び前記転動体のうち少なくとも前
    記転動体を、Crの含有量が3重量%以上である鋼で構
    成するとともに、その表面層に硬さがHv900以上の
    窒化層を設け、前記窒化層の厚さを、転動体直径Daの
    1.5%以上6%以下及び転動体直径Daの1.5%以
    上100μm以下のいずれか一方としたことを特徴とす
    る転がり支持装置。
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