JP2001323831A - 内燃機関用制御装置 - Google Patents

内燃機関用制御装置

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JP2001323831A
JP2001323831A JP2000139899A JP2000139899A JP2001323831A JP 2001323831 A JP2001323831 A JP 2001323831A JP 2000139899 A JP2000139899 A JP 2000139899A JP 2000139899 A JP2000139899 A JP 2000139899A JP 2001323831 A JP2001323831 A JP 2001323831A
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JP
Japan
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combustion engine
internal combustion
cylinder
injection
angle sensor
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Application number
JP2000139899A
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English (en)
Inventor
Koji Sakakibara
榊原  浩二
Masahito Gotoda
優仁 後藤田
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の始動性を向上し、その際の未燃ガ
スの排出を確実に防止すること。 【解決手段】 内燃機関30の始動時における燃料噴射
が、所定条件に基づいて禁止される。具体的な所定条件
としては、クランク角センサ1、カム角センサ6、B/
URAMのうち少なくとも1つが異常であるとき、また
は内燃機関30の冷却水温、またはバッテリ電圧、また
は燃料圧力のうち少なくとも1つが低いときには未燃ガ
スの排出が増加したり、内燃機関30の始動性が悪化す
るためPre-injection が禁止される。これにより、内燃
機関の始動性を向上しつつ未燃ガスの排出を確実に防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数気筒からなる
内燃機関に適用される内燃機関用制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関用制御装置に関連する先
行技術文献としては、特開平7−83093号公報にて
開示されたものが知られている。このものでは、未燃ガ
スの排出を抑制すると共に、内燃機関の始動性を向上さ
せる技術が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のもの
では、前回の内燃機関の回転停止時の回転位置を正確に
記憶できない場合や始動時に回転位置がずれてしまうこ
とがあり、このような場合に、噴射すべきでない気筒に
燃料を噴射供給してしまうと、燃料に点火できずに未燃
ガスが排出されるという不具合があった。
【0004】この理由について、以下に説明する。通
常、クランク角センサやカム角センサとしては、マグネ
ットピックアップやMRE(Magnetic Resistance Elem
ent:磁気抵抗素子)等が使用されるが、これらのものは
内燃機関の回転が停止する際に起きる逆転を検出できな
い。即ち、内燃機関が回転停止する直前の回転位置が、
ある気筒の圧縮TDC(Top Dead Center:上死点)付近
の場合、通常、圧縮された空気がシリンダを押戻し、回
転の逆転が生じる。しかしながら、この逆転が起こった
時にも、上記クランク角センサやカム角センサはパルス
を出力するので、マイクロコンピュータは内燃機関が圧
縮TDCを越えたものと誤判定してしまうこととなる。
【0005】また、マグネットピックアップでは、回転
速度が低くなると出力が小さくなるため出力信号を検出
できなくなる。すると、マイクロコンピュータは、逆に
内燃機関の回転位置をより手前に検出してしまうことと
なる。更に、始動時等で内燃機関の回転速度が低いとき
には、同様に、マグネットピックアップからの出力信号
が検出できないため、回転位置が進んでいないと誤判定
してしまうこととなる。このような状況下で、先行噴射
(Pre-injection)を実行すると、内燃機関の回転位置が
確定されていないことで、噴射された燃料に点火でき
ず、結果的に、噴射された燃料によってシリンダ内ウエ
ットを増やし未燃ガスの排出につながるのである。
【0006】そこで、この発明はかかる不具合を解決す
るためになされたもので、内燃機関の始動性を向上し、
その際の未燃ガスの排出を確実に防止可能な内燃機関用
制御装置の提供を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の内燃機関用制
御装置によれば、複数気筒からなる内燃機関の気筒判別
以前では、クランク角センサ及びカム角センサによって
各気筒の燃焼サイクルに対応する回転位置が確定されな
いので、位置記憶手段に記憶された前回の内燃機関の回
転停止時の回転位置に基づき、先行噴射(Pre-injectio
n)制御手段による始動時の燃料噴射が実行される。こ
こで、内燃機関の始動時における燃料噴射が、先行噴射
禁止手段によって所定条件に基づいて禁止される。つま
り、始動時に先行噴射をすると不都合が起きる可能性が
ある所定条件が成立するときには先行噴射が禁止され
る。これにより、内燃機関の始動性の向上と共に、未燃
ガスの排出が適切に防止される。
【0008】請求項2の内燃機関用制御装置では、先行
噴射禁止手段における所定条件がクランク角センサ、カ
ム角センサ、位置記憶手段のうち少なくとも1つが異常
であるときには、例えば、内燃機関の回転時の位置精度
が悪化したり、位置検出できなくなったり、前回の内燃
機関の回転停止時の位置記憶がないため、先行噴射を実
行しても確実に点火できるとは限らないため、先行噴射
が禁止される。また、内燃機関の冷却水温、またはバッ
テリ電圧、または燃料圧力のうち少なくとも1つが低い
ときには、例えば、未燃ガスの排出が抑制できなくて排
気HC(炭化水素)が増加したり、クランキング速度が
遅くセンサ信号が検出できなかったり、燃料噴射パルス
が長くなることで噴射タイミングがずれたり、燃料粒径
が大きな噴霧状態となるため、先行噴射が禁止される。
これにより、内燃機関の始動性の向上と共に、未燃ガス
の排出が確実に防止される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。
【0010】図1は本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関用制御装置が適用された火花点火式の4サ
イクル6気筒内燃機関の構成を示す概略図である。
【0011】図1において、クランク角センサ1は、内
燃機関30のクランクシャフト2に固定されたクランク
角ロータ3とマグネット式のピックアップコイル4とか
らなる。クランク角ロータ3の外周には10〔°CA
(Crank Angle:クランク角)〕毎に歯部3aが設けら
れ、その一部には歯部3aの2個分を欠落させた欠歯部
3bが設けられている。
【0012】また、カム角センサ6は、内燃機関30の
クランクシャフト2の1回転で1/2回転するカムシャ
フト7に固定されたカム角ロータ8とマグネット式のピ
ックアップコイル9とからなる。カム角ロータ8の外周
には1個の突起部8aが設けられている。
【0013】クランク角センサ1及びカム角センサ6に
は波形整形回路11が接続されている。この波形整形回
路11では、クランク角センサ1及びカム角センサ6か
らの両出力信号がそれぞれ所定の閾値にて波形整形され
2値のパルス信号が生成される。即ち、波形整形回路1
1によって、クランク角ロータ3の欠歯部3bを除く歯
部3aによるクランク角センサ1の出力信号に応じた1
0〔°CA〕毎のクランク角信号NEが生成されると共
に、カム角ロータ8の突起部8aによるカム角センサ6
の出力信号に応じた720〔°CA〕毎の基準位置信号
Gが生成される。
【0014】また、波形整形回路11にはマイクロコン
ピュータ20が接続されている。このマイクロコンピュ
ータ20には、波形整形回路11からのクランク角信号
NE及び基準位置信号Gが入力され、360〔°CA〕
毎の基準位置が検知される。本実施例では、後述のよう
に、内燃機関30の#1気筒及び#4気筒の燃焼サイク
ルにおける圧縮TDCが検知される。
【0015】マイクロコンピュータ20は、周知の各種
演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU、制御
プログラムを格納したROM、各種データを格納するR
AM、B/U(バックアップ)RAM、入出力回路及び
それらを接続するバスライン等からなる論理演算回路と
して構成されている。そして、マイクロコンピュータ2
0では、クランク角信号NEに基づいて機関回転数NE
が算出される。また、マイクロコンピュータ20には、
この他、各種センサ情報として吸気圧センサ12からの
吸気圧信号、水温センサ13からの冷却水温信号等が入
力されている。
【0016】一方、内燃機関30の#1気筒(第1気
筒)〜#6気筒(第6気筒)の吸気管(図示略)にはイ
ンジェクタ(燃料噴射弁)31A〜31Fが配設されて
いる。そして、マイクロコンピュータ20では、各種セ
ンサ情報の検出結果に基づきインジェクタ31A〜31
Fによる燃料噴射量が演算され、この演算信号(燃料噴
射信号)によってインジェクタ31A〜31Fが駆動さ
れる。これにより、インジェクタ31A〜31Fでは、
所定の気筒順(#1気筒→#2気筒→#3気筒→#4気
筒→#5気筒→#6気筒→#1気筒の順)に燃料の独立
噴射が実行される。また、イグナイタ32は各気筒の点
火プラグ(図示略)を駆動するものであって、マイクロ
コンピュータ20では各種センサ情報の検出結果に基づ
き点火信号が求められ、イグナイタ32に出力される。
この点火信号に基づき点火プラグは所定の気筒順(イン
ジェクタ31A〜31Fと同様の順序)に駆動され、火
花が発生される。
【0017】また、マイクロコンピュータ20には、イ
グニッションスイッチ15を介してバッテリ14が接続
されている。イグニッションスイッチ15には、「OF
F」、「ON」、「START」の切換位置が設けられ
ている。そして、イグニッションスイッチ15が図示し
ないキーによって「OFF」位置から「ON」位置に切
換えられると、マイクロコンピュータ20にバッテリ1
4から電力が供給されてマイクロコンピュータ20が起
動され、マイクロコンピュータ20内のCPUがROM
内の各種制御プログラムが実行される。また、イグニッ
ションスイッチ15が「START」位置に切換えられ
ると、マイクロコンピュータ20への電力供給に加え
て、バッテリ14からスタータモータ16に電力が供給
され、停止状態にある内燃機関30に初期回転が付与さ
れる。
【0018】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関用制御装置が適用された火花点火式の4サ
イクル6気筒内燃機関30におけるクランク角信号NE
及び基準位置信号Gと各気筒の燃焼サイクルとの関係を
示す図2のタイミングチャートについて、以下に説明す
る。
【0019】図2に示すクランクカウンタCCRNK
は、内燃機関30のクランクシャフト2の回転に伴って
クランク角センサ1から10〔°CA〕毎に1回の割合
で出力されるクランク角信号NEのエッジ3回に1回の
割合、即ち、30〔°CA〕毎にインクリメントされ、
#1気筒、#4気筒の圧縮TDCで所定の値にセットさ
れる。このクランクカウンタCCRNK値としては、2
桁の16進数が用いられており、以下の説明では、この
クランクカウンタCCRNK値を(××)16のように記
載する。なお、クランクカウンタCCRNKがマイクロ
コンピュータ20への電源投入時に(00)16に初期化
されるとすると、このクランクカウンタCCRNK値は
マイクロコンピュータ20の起動後、30〔°CA〕毎
に(00) 16,(01)16,(02)16,・・・のよう
にインクリメントされる。
【0020】そして、図2の時刻t0 は内燃機関30の
回転開始時刻、時刻t0 〜時刻t1はクランク角信号N
E及び基準位置信号Gのマスク期間、時刻t2 は内燃機
関30の回転開始後の最初に基準位置が検出される時刻
を示している。なお、内燃機関30の回転開始時のクラ
ンク角信号NEの「P1(図2では、660〔°C
A〕)」は、前回の内燃機関30の回転停止時のクラン
ク角信号NEの「P2(図2では、690〔°C
A〕)」から30〔°CA〕だけ逆転した角度になって
いる。また、前回の内燃機関30の回転停止時のクラン
クカウンタCCRNK値は(1A)16であり、B/UR
AMには対応する特定気筒情報として#4気筒、#5気
筒、#6気筒が格納されている。
【0021】図2において、時刻t0 で内燃機関30の
回転が開始される。即ち、時刻t0でイグニッションス
イッチ15が「OFF」位置から「ON」並びに「ST
ART」位置に切換えられ、スタータモータ16が起動
される。また、この時刻t0では、前回の内燃機関30
の回転停止時にB/URAMに格納されている特定気筒
である#4気筒、#5気筒、#6気筒に対して同時に燃
料が噴射される。
【0022】ここで、時刻t0 〜時刻t1 では、クラン
ク角信号NE及び基準位置信号Gを一定の期間(例え
ば、100〜150〔ms:ミリ秒〕)だけマスクして
気筒判別を行わないようにされる。これは、本実施例の
ようにマグネット式のピックアップコイルにてクランク
角センサ1及びカム角センサ6が構成されている場合、
微小回転数(例えば、20〔rpm〕以下)での信号検
出精度が低くなることによる。このため、本実施例で
は、内燃機関30の回転開始直後の所定期間を検出信号
のマスク期間とされている。なお、内燃機関30の回転
開始直後には、バッテリ14の電圧変動やスタータモー
タ16の起動による振動のために、クランク角信号NE
や基準位置信号Gに誤検出が生じることも考えられる。
【0023】そして、マスク期間が経過した時刻t1 に
て、後述の図3の先行噴射(以下、『Pre-injection 』
と記す)制御ルーチンが実行開始される。この後、時刻
t2で最初の気筒判別が行われ、#4気筒の圧縮TDC
が検出される。また、この時刻t2 でクランクカウンタ
CCRNKが(10)16にセットされ、クランク角度の
逆転(「P2」→「P1」)やマスク期間によって生じ
ていたクランクカウンタCCRNKと実際のクランク角
度とのずれが解消される。そして、マイクロコンピュー
タ20にて点火時期の設定により点火信号IGtが生成
され、時刻t3(#4気筒の圧縮ATDC(After Top D
ead Center:上死点後)10〔°CA〕)でイグナイタ
32によって#4気筒の点火プラグに火花が発生され
る。
【0024】このとき、#4気筒にはPre-injection に
より燃料が供給され吸入されているため、初爆が起きる
こととなる。この後、第2回目の点火以降は通常の点火
制御となり、各気筒の圧縮TDCで火花が発生される。
また、時刻t2 ののちでは、独立噴射による燃料供給に
移行される。この独立噴射の開始気筒は、時刻t2 にて
Pre-injection が行われていない#1気筒であり、この
#1気筒に対して最初の独立噴射が行われたのち、#2
気筒→#3気筒→#4気筒→・・・の順に独立噴射が実
行されることとなる。
【0025】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる内燃機関用制御装置で使用されているマイクロコン
ピュータ20内のCPUにおけるPre-injection 制御の
処理手順を示す図3のフローチャートに基づき、上述の
図2のタイミングチャートを参照して説明する。なお、
このPre-injection 制御ルーチンはスタータモータ16
が駆動され、内燃機関30の回転位置が確定するまでの
期間、クランク角センサ1からのパルス信号が入力され
る10〔°CA〕毎にマイクロコンピュータ20内のC
PUにて繰返し実行される。
【0026】図3において、ステップS101では、ク
ランクカウンタCCRNKの更新が実行される。なお、
クランクカウンタCCRNKの初期値としては、マイク
ロコンピュータ20内のB/URAMの記憶領域に格納
されている前回の内燃機関30の回転停止時の値(本実
施例では、図2に示す(1A)16)がセットされる。そ
して、マイクロコンピュータ20への電源投入時、上述
したように、(00) 16に初期化され、マスク期間の経
過後で内燃機関30のクランクシャフト2の30〔°C
A〕毎に(00)16,(01)16,(02)16,・・・
のようにインクリメントされ、#1気筒の圧縮TDCで
所定の値として(00)16、#4気筒の圧縮TDCで所
定の値として(10)16にセットされる。
【0027】ここで、クランク角センサ1のクランク角
ロータ3の欠歯部3bによるクランク角信号NEの欠歯
位置は、360〔°CA〕毎の#1気筒、#4気筒の圧
縮TDC直前に検出される。また、カム角センサ6のカ
ム角ロータ8の突起部8aによる基準位置信号Gのエッ
ジ位置は、720〔°CA〕毎の#1気筒の圧縮TDC
直前に検出される。したがって、クランク角信号NEの
欠歯位置と基準位置信号Gのエッジ位置とが共に検出さ
れることで#1気筒の圧縮TDCと判別することができ
る。また、クランク角信号NEの欠歯位置が判別され、
基準位置信号Gのエッジ位置が検出されないことで#4
気筒の圧縮TDCと判別することができる。
【0028】次にステップS102に移行して、Pre-in
jection が許可されているかが判定される。ステップS
102においては、以下の条件のうち1つでも成立する
とPre-injection が不許可とされる。この条件として
は、クランク角センサ、カム角センサ、B/URAMの
異常、または内燃機関30の冷却水温が所定値以下、バ
ッテリ電圧が所定値以下、燃料圧力が所定値以下、Pre-
injection が既に実行された気筒等が挙げられる。
【0029】ここで、クランク角センサ1が異常である
ときには、内燃機関30の回転時の位置精度が極端に悪
化する、また、カム角センサ6が異常であるときには、
内燃機関30の回転時の位置検出ができないため、Pre-
injection を禁止すべきである。そして、マイクロコン
ピュータ20内のB/URAMが異常であるときには、
前回の内燃機関30の回転停止時の位置記憶がないた
め、Pre-injection を禁止すべきである。
【0030】更に、上述したように、前回の内燃機関3
0の回転停止時の位置記憶の精度はよくない。加えて、
内燃機関30の冷却水温が、例えば、10〔℃〕以下と
低いときには、燃料噴射パルスを長く設定する必要があ
り、例えば、吸気バルブ(図示略)が開く前に噴射終了
するように設計しても、それができずに燃料が直接、シ
リンダ内に吸入されることでウエットとなり、未燃ガス
の排出により排気HCが増加することとなる。また、冷
却水温が低いときには、通常、クランキング回転数も低
いため、始動初期のクランク角センサ1からのクランク
角信号を検出できず位置検出誤差が増すこととなる。こ
のことから、Pre-injection を禁止すべきである。
【0031】そして、バッテリ電圧が、例えば、8
〔V〕以下と低いときには、クランキング速度が遅くな
り、センサ信号を検出できない可能性があるため、Pre-
injection を禁止すべきである。更に、燃料圧力が、例
えば、200〔kPa〕以下と低いときには、燃料噴射
パルスを長くする必要があると共に、燃料粒径も大きく
なり、好ましくないタイミング及び噴霧状態で噴射され
る可能性があるため、Pre-injection を禁止すべきであ
る。
【0032】ステップS102の判定条件が成立、即
ち、上述の条件が全て不成立であるときにはPre-inject
ion が許可されステップS103に移行し、Pre-inject
ion を実行すべき気筒の選定が行われる。つまり、現在
のクランクカウンタCCRNKがどの気筒の燃料噴射タ
イミングに一致するかが判定される。このPre-injectio
n タイミングは、例えば、各気筒の圧縮ATDC90
〔°CA〕から排気ATDC90〔°CA〕に設定され
る。この条件に該当し選定されるのは、本実施例では、
#4気筒、#5気筒及び#6気筒である。
【0033】次にステップS104に移行して、ステッ
プS103で選定された#4気筒、#5気筒及び#6気
筒に対してPre-injection が実行される。そして、ステ
ップS105に移行し、Pre-injection の実行された気
筒が記憶され、本ルーチンを終了する。上述のステップ
S105における処理が実行されることで、次回のクラ
ンク角センサ1からのパルス信号の入力タイミングで本
ルーチンが作動されたとき、#4気筒、#5気筒及び#
6気筒に燃料が再度、Pre-injection されるのを防止す
ることができる。
【0034】なお、本実施例では、上述したように、ク
ランクカウンタCCRNKが(10)16となった時点で
回転位置が確定され、点火動作が開始され、#4気筒か
ら燃焼が始まることとなる。また、クランクカウンタC
CRNKが(10)16となった時点で#1気筒に対し
て、CCRNKが(12)16となった時点で#2気筒に
対して、CCRNKが(16)16となった時点で#3気
筒に対して独立噴射による燃料供給がそれぞれ実行され
る。
【0035】このように、本実施例の内燃機関用制御装
置は、複数気筒(#1気筒〜#6気筒)からなる内燃機
関30のクランクシャフト2の回転位置を検出するクラ
ンク角センサ1と、内燃機関30のカムシャフト7の回
転位置を検出するカム角センサ6と、クランク角センサ
1及びカム角センサ6からの出力信号に基づき内燃機関
30の各気筒の燃焼サイクルに対応する回転位置を確定
するマイクロコンピュータ20にて達成される位置確定
手段と、前記位置確定手段で確定された内燃機関30の
回転位置を記憶する位置記憶手段としてのマイクロコン
ピュータ20内のB/URAMと、前記位置確定手段で
内燃機関30の回転位置が確定される気筒判別以前で
は、前記位置記憶手段に記憶された内燃機関30の回転
位置に基づいて始動時の燃料噴射を制御するマイクロコ
ンピュータ20にて達成される先行噴射(Pre-injectio
n)制御手段と、前記先行噴射制御手段による始動時の
燃料噴射を所定条件に基づいて禁止するマイクロコンピ
ュータ20にて達成される先行噴射禁止手段とを具備す
るものである。また、本実施例の内燃機関用制御装置の
マイクロコンピュータ20にて達成される先行噴射禁止
手段は、所定条件がクランク角センサ1、カム角センサ
6、B/URAMのうち少なくとも1つが異常であると
き、または内燃機関30の冷却水温、バッテリ電圧、燃
料圧力のうち少なくとも1つが所定値以下であるとき始
動時の燃料噴射を禁止するものである。
【0036】つまり、複数気筒からなる内燃機関30の
始動時における燃料噴射が、所定条件に基づいて禁止さ
れる。具体的な所定条件としては、クランク角センサ
1、カム角センサ6、B/URAMのうち少なくとも1
つが異常であるときには、内燃機関30の回転時の位置
精度が悪化したり、位置検出できなくなったり、前回の
内燃機関30の回転停止時の位置記憶がないため、Pre-
injection を実行しても確実に点火できるとは限らない
ため、Pre-injection が禁止される。また、内燃機関3
0の冷却水温、またはバッテリ電圧、または燃料圧力の
うち少なくとも1つが低いときには未燃ガスの排出が抑
制できなくて排気HCが増加したり、クランキング速度
が遅くセンサ信号が検出できなかったり、燃料噴射パル
スが長くなることで噴射タイミングがずれたり、燃料粒
径が大きな噴霧状態となるため、Pre-injection が禁止
される。これにより、気筒判別以前で、所定条件の全て
がクリアされていないときには始動時の燃料噴射が禁止
されるため、内燃機関30の始動性を向上しつつ未燃ガ
スの排出を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関用制御装置が適用された火花点火式の4サイ
クル6気筒内燃機関の構成を示す概略図である。
【図2】 図2は図1におけるクランク角信号及び基準
位置信号と各気筒の燃焼サイクルとの関係を示すタイミ
ングチャートである。
【図3】 図3は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る内燃機関用制御装置で使用されているECU内のCP
UにおけるPre-injection 制御の処理手順を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 クランク角センサ 2 クランクシャフト 6 カム角センサ 7 カムシャフト 20 マイクロコンピュータ 30 内燃機関
フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 BA15 CA01 DA09 DA10 DA30 DA32 EA07 EA11 EB22 FA00 FA03 FA20 FA36 FA38 FA39 3G301 HA01 JA00 JA26 JB01 JB05 KA01 KA02 MA19 MA21 NA08 NC01 NC08 NE00 NE23 PB08Z PE00B PE00Z PE03B PE03Z PE04Z PE05Z PE08Z PF16Z PG01Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数気筒からなる内燃機関のクランクシ
    ャフトの回転位置を検出するクランク角センサと、 前記内燃機関のカムシャフトの回転位置を検出するカム
    角センサと、 前記クランク角センサ及び前記カム角センサからの出力
    信号に基づき前記内燃機関の各気筒の燃焼サイクルに対
    応する回転位置を確定する位置確定手段と、 前記位置確定手段で確定された前記内燃機関の回転位置
    を記憶する位置記憶手段と、 前記位置確定手段で前記内燃機関の回転位置が確定され
    る気筒判別以前では、前記位置記憶手段に記憶された前
    記内燃機関の回転位置に基づいて始動時の燃料噴射を制
    御する先行噴射制御手段と、 前記先行噴射制御手段による始動時の燃料噴射を所定条
    件に基づいて禁止する先行噴射禁止手段とを具備するこ
    とを特徴とする内燃機関用制御装置。
  2. 【請求項2】 前記先行噴射禁止手段は、前記所定条件
    を前記クランク角センサ、前記カム角センサ、前記位置
    記憶手段のうち少なくとも1つが異常であるとき、また
    は前記内燃機関の冷却水温、バッテリ電圧、燃料圧力の
    うち少なくとも1つが所定値以下であるとき始動時の燃
    料噴射を禁止することを特徴とする請求項1に記載の内
    燃機関用制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010101324A (ja) * 2002-01-03 2010-05-06 Johnson Controls Automotive Electronics 内燃エンジンに結合された電気機械のローターの電気的位置を検出する方法および装置

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