JP2001322065A - レンズ研削・研磨工具の加工面修正方法 - Google Patents

レンズ研削・研磨工具の加工面修正方法

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JP2001322065A
JP2001322065A JP2000141364A JP2000141364A JP2001322065A JP 2001322065 A JP2001322065 A JP 2001322065A JP 2000141364 A JP2000141364 A JP 2000141364A JP 2000141364 A JP2000141364 A JP 2000141364A JP 2001322065 A JP2001322065 A JP 2001322065A
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lens
grinding
polishing
correction
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Mitsuaki Takahashi
光明 高橋
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Olympus Optical Co Ltd
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 レンズを研削・研磨する研削・研磨工具の加
工面を余分な治具を用いることなく、簡単で高精度に修
正する。 【解決手段】 レンズ研削・研磨工具はレンズ素材の表
面に所望の形状を転写させる。レンズ研削・研磨工具4
よりも研削・研磨能力が高く、且つ加工されるレンズ1
の形状と同曲率半径、略同形状および略同寸法の修正用
工具を、レンズ1の研削・研磨加工と略同じ加工条件で
動作させてレンズ研削・研磨工具4の加工面4aを修正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、顕微鏡等
の光学機器に用いられるレンズを研削・研磨加工する研
削・研磨工具の加工面修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズを研削・研磨加工する研削・研磨
工具の従来の加工面修正方法としては、特開平11−1
0504号公報に開示されている。図8はレンズまたは
修正用ブランクの総型研削工具に対する相対位置により
研削工具の形状が変化することを説明するため上記公報
に記載された図である。
【0003】図8において、総型研削工具(以下、研削
工具という)101は、ダイヤモンド等の砥粒からなる
研削材で、その表面は加工しようとするレンズの球面形
状を略反転した球面形状に形成されている。なお、図8
においてはレンズ等の凹形状の球面形状を精研削する凸
形状の研削工具となっている。研削工具としては、一体
成型された研削工具あるいは研削材を鋳鉄製等の台皿上
に接着した研削工具を用いることができる。
【0004】ブランク102はレンズと略同材質で同形
状の修正用ブランクであり、ホルダー103に保持され
る。研削工具101および修正用ブランク102は、レ
ンズを実際に精研削加工する研削加工装置あるいはその
研削加工装置と同種の装置に装着される。
【0005】そして、ブランク102を研削工具101
に圧接させて通常のレンズ研削加工と同様に加工する際
に、ブランク102(例えば、ブランク102の揺動中
心位置)が図8(a)に示すように研削工具101に対
する基準位置x、すなわち研削工具によってレンズを連
続加工するときにレンズおよび研削工具の形状に変化が
生じない位置、にある場合には、研削工具101は同じ
形状のまま摩耗する。ブランク102(例えば、ブラン
ク102の揺動中心位置)が、図8(b)に示すように
研削工具101に対する基準位置xに対して研削工具1
01の回転軸芯y方向側(すなわち(+)側)にある場
合には、研削工具101は、基準位置での摩耗に比べて
その中心部の摩耗が多くなり、研削工具のマスターゲー
ジの球面の頂点から弦までの高さHと被測定物である
研削工具の球面の頂点から弦までの高さHとの差△H
(=H−H)は(−)方向に変化する。またブランク
102(例えばブランク102の揺動中心位置)が、図
8(c)に示すように、研削工具101に対する基準位
置xより研削工具101の外周方向側(すなわち(−)
側)にある場合には、研削工具101は基準位置での摩
耗に比べて研削工具101の外周部の摩耗が多くなり、
研削工具101の△Hは(+)方向に変化する。このよ
うに研削工具101の形状は、研削工具101に対する
レンズまたは修正用ブランクの相対位置を変化させて加
工することによって形状変化が生じる。
【0006】レンズを精研削加工する総型研削工具とレ
ンズ又はレンズと略同材質で同形状の修正用ブランクを
用い、レンズまたは修正用ブランクを研削工具に対する
相対位置を変化させて加工することによって研削工具の
形状を修正することができることを利用して、研削工具
に対するレンズまたは修正用ブランクの相対位置を調整
することによって、すなわち研削工具に対するレンズま
たは修正用ブランクの相対位置を基準位置の(+)側ま
たは(−)側に移動させることによって、研削工具の△
Hを(−)方向または(+)方向へそれぞれ変化させ
て、研削工具の球面の摩耗を制御し、所望の必要形状に
整形あるいは修正することができる。
【0007】次に、研削工具の形状修正を説明するにあ
たり、研削工具とそれによって加工されたレンズ(また
は修正用ブランク)の形状の関係について説明する。研
削工具101とレンズとは互いに摩耗しながら整形され
るため、加工での研削量が適正であれば加工完了時の研
削工具とレンズの曲率は等しくなる。しかし、形状的に
は凹凸の組み合わせのため、球面形状の頂点から弦まで
の高さの球面原器に対する差△Hで表示すると符号が逆
になる。
【0008】例えば、凸形状の研削工具の曲率半径rが
7.002mmから7.005mmに変化した場合を、
球面原器曲率7.000mmを基準に測定リング径11
mmの簡易曲率計で△Hを表示すると、曲率半径rが
7.002mmの凸形状の研削工具の△H:−1.2μ
m 曲率半径rが7.005mmの凸形状の研削工具の△
H:−3.1μm となり、△Hは(−)方向に1.9μm変化する(以
下、この変化を下がるという)。
【0009】これに対して、レンズは凹形状になるため
に同じ曲率でも、 曲率半径rが7.002mmの凹形状の研削工具の△
H:+1.2μm 曲率半径rが7.005mmの凹形状の研削工具の△
H:+3.1μm となり、△Hは(+)方向に1.9μm変化する(以
下、この変化を上がるという)。
【0010】このように、研削加工により研削工具の△
Hが下がれば、加工されたレンズの△Hは上がり、逆に
研削加工により研削工具の△Hが上がれば加工されたレ
ンズの△Hは下がる関係にある。
【0011】図9は以上のことを踏まえて、凸形状の総
型研削工具の△Hを修正する方法を示し、球面研削加工
装置は、研削工具によってレンズを精研削加工する。凸
形状の研削工具101aは取り付け治具107aを介し
て主軸モータ108aに装着され、傾斜角θでセットさ
れている。修正用ブランク102aはホルダー103a
に保持され、カンザシ揺動アーム105aに支持された
カンザシ104aにピボット支持されている。そして、
ブランク102aは、カンザシ揺動アーム105aの加
圧及び前後あるいは横方向の揺動運動、さらに研削工具
101aの加工回転により、研削工具101aの球面上
を研削工具101aの形状に沿って回転および揺動する
ように構成されている。この正規の加工条件を表1のよ
うに設定する。
【0012】
【表1】
【0013】そこで、まず図9に示す球面研削加工装置
において、加工前のレンズ△Hが−4.0±1.0μm
の範囲にあるレンズを基準位置xに位置させ、研削液1
06aを供給しながら通常の加工を行うと、レンズの△
Hは0.3μmとなる。従って、このレンズのΔH
(0.3μm)は、レンズの加工完設定値△H(−2.
0±0.5μm)に対して(+)であるから、研削工具
の△Hは設定値に対して(−)であることが判断でき
る。つまり、加工レンズの△Hを設定値の範囲に入るよ
うにするためには研削工具の△Hを上げてやればよいこ
とになる。
【0014】そこで、前述したところに基づいて作成さ
れる表2に示す修正加工条件に従い、研削工具に対する
修正用ブランクの相対位置を基準位置の(−)側に移動
させて連続加工を行う。
【0015】
【表2】
【0016】図10はこの結果を研削工具の形状修正に
伴うブランク△Hの変化を修正に使用したブランクの△
Hの測定値で示している。図10に示すように修正用ブ
ランクによる加工が10個終了した時点でブランクの△
Hは−2.0μmとなる。つまり、研削工具の△Hは、
−0.3μmから+2.0μmに上げることが確認でき
る。さらに、レンズ相対位置を基準位置に戻してレンズ
を加工することにより、図10に示すように、レンズの
設定△Hの範囲内(−2.0±0.5μm)の正規レン
ズを得ることができ、正規レンズによる安定加工も確認
できる。
【0017】前述の方法と同様の方法で10個の研削工
具を製作しても、表3に示すように全ての研削工具が△
Hの規格を満足する結果が得られる。表4はこの方法以
外の方法によって10個の工具を製作したときの結果を
示す。これらの表の比較から、製作再現性および製作精
度が向上していることが確認できる。
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】次に、凸形状の研削工具の△Hを下げる場
合の修正方法について説明する。球面研削加工装置の構
成、正規の加工条件および修正加工条件は、前述した図
9および表1と表2のとおりであり、レンズを球面研削
加工装置における基準位置xに位置させ、研削液106
aを供給しながら通常の加工を行うと、レンズの△Hが
−3.6μmとなる。このレンズの△H(−3.6μ
m)は、レンズの加工完設定値△H(−2.0±0.5
μm)に対して(−)であるから、研削工具の△Hは設
定値に対して(+)であることが判断できる。したがっ
て加工レンズの△Hを設定値の範囲に入るようにするた
めには研削工具の△Hを下げてやればよいことになる。
【0021】そこで、表2に示す修正加工条件に従い、
研削工具に対する修正用ブランクの相対位置を基準位置
の(+)側に移動させて連続加工を行う。この結果を研
削工具の形状修正に伴うブランク△Hの変化を修正に使
用したブランクの△Hの測定値で示す(図11)。図1
1に示すように修正用ブランクによる加工が7個終了し
た時点でブランクの△Hは−2.0μmが得られる。つ
まり、研削工具の△Hは、+3.6μmから+2.0μ
mに下げることが確認できる。さらに、レンズ相対位置
を基準位置に戻してレンズを加工すると、図11に示す
ように、レンズの設定△Hの範囲内の正規レンズを得る
ことができ、正規レンズによる安定加工も確認できる。
【0022】従来では、以上のようにして、球面形状総
型研削工具の加工面の修正が行われている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たレンズ研削工具の加工面修正方法にあっては、研削工
具の加工面を修正するために、10個程度の修正用ブラ
ンクを加工する必要があると共に、加工する度に修正用
ブランクの被加工面の精度(△H)を測定し、修正の程
度を確認しながら行う必要がある。従って、修正用ブラ
ンクの加工時間および精度測定時間を合計した多大な時
間が必要となっている。また修正用ブランクは、毎回新
しいものを加工する必要があり、多数の修正用ブランク
材料が無駄となっている。
【0024】本発明は、このような問題点を考慮してな
されたものであり、修正用ブランク等の中間物質を何回
も加工することなく、また無駄な材料を生じさせること
なく短時間でかつ容易にしかも精度良くレンズ研削・研
磨工具の加工面を修正することが可能な方法を提供する
ことを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、レンズ素材の表面に所望の形状
を転写させるレンズ研削・研磨工具の加工面修正方法に
おいて、上記レンズ研削・研磨工具よりも研削・研磨能
力が高く、且つ加工されるレンズの形状と同曲率半径、
略同形状および略同寸法の修正用工具を、レンズの研削
・研磨加工と略同じ加工条件で動作させて上記レンズ研
削・研磨工具の加工面を修正することを特徴とする。
【0026】この発明では、研削・研磨工具の加工面に
対し、レンズの加工時と同様に修正用工具が動作するた
め、レンズの加工に適した加工面を高精度に修正するこ
とができ、又、修正用ブランク等の中間物質が不要とな
り、材料を無駄にすることがないと共に、短時間で行う
ことができる。
【0027】請求項2の発明は、請求項1記載の発明で
あって、上記修正用工具は、上記レンズ研削・研磨工具
の砥粒よりも粒度が大きい砥粒を、メタルボンドまたは
レジンボンドのボンド材により結合した工具であること
を特徴とする。
【0028】この発明では、請求項1と同様に作用する
と共に、砥粒をボンド材によって結合させるため、修正
用工具を簡単に作製することができる。
【0029】請求項3の発明は、請求項1記載の発明で
あって、上記修正用工具は、上記レンズ研削・研磨工具
の砥粒よりも粒度が大きい砥粒を、加工されるレンズと
同曲率半径、略同形状および略同寸法の金属製の台金に
電着または接着した工具であることを特徴とする。
【0030】この発明では、請求項1と同様に作用する
と共に、砥粒を台金に電着又は接着することにより修正
用工具とするため、修正用工具を簡単に作製することが
できる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1はレンズ研削・研磨機の主要
構成を示し、貼付治具2にレンズ1が貼り付けられてい
る。貼付治具2は、レンズ保持部材3に回転及びわずか
な傾斜が可能なように保持されている。レンズ1の研削
・研磨を行う研削・研磨工具4は、工具回転スピンドル
5に固定され、図示しないモーターにより設定回転数で
回転する。又、工具回転スピンドル5および研削・研磨
工具4は、図示しないモーターにより設定角度範囲およ
び周期で揺動可能となっている。加工時は、レンズ1を
設定荷重で研削・研磨工具4に当接させ、加工液を供給
しながら研削・研磨工具4を設定回転数で回転させると
共に矢印A方向に設定揺動角度範囲で揺動させることに
よって設定時間加工を行う。
【0032】上記レンズ研削・研磨機を使用してレンズ
の研削・研磨加工を連続的に行うことにより、レンズ研
削・研磨工具が徐々に偏摩耗する。これにより、加工さ
れたレンズの曲率半径が目標の規格範囲から外れてく
る。このような場合、上述した問題が発生する前にレン
ズ研削・研磨工具の加工面を修正し、防止する必要があ
る。
【0033】このため、レンズの研削・研磨工具よりも
研削・研磨能力の高い修正用工具を、加工されるレンズ
と同曲率半径、略同形状及び略同寸法に成形し、加工す
るレンズの代わりに研削・研磨加工機上でレンズの加工
と略同じ加工条件で動作させ、修正用工具の曲率半径を
レンズ研削・研磨工具の加工面に転写することにより、
加工面を所望の形状及び精度に修正する。
【0034】図2はレンズ研削・研磨用工具の加工面を
修正するための修正用工具10を貼付治具2に貼り付け
た状態を示す。貼付治具2は図1と同一のものが使用さ
れ、この貼付治具2に修正用工具10が貼り付けられ
る。
【0035】修正用工具10は加工されるレンズ1(図
1参照)の形状と同曲率半径を有すると共に、レンズ1
と略同形状及び略同寸法となるように成形されている。
従って、修正用工具10を図1に示すレンズ研削・研磨
機に装着すると、修正用工具10は研削・研磨工具4の
加工面と密に接触する。
【0036】このような修正用工具10としては、レン
ズ研削・研磨工具4よりも研削・研磨能力が高くなるよ
うに形成されるものである。このため、レンズ研削・研
磨工具4の砥粒よりも大きい粒度の砥粒が用いられる。
この砥粒をメタルボンド又はレジンボンドのボンド材に
よって結合させることにより、上述したようにレンズ1
の外形に合わせた形状となるように修正用工具10が作
製される。この場合、修正用工具10としては、レンズ
研削・研磨工具4の砥粒よりも大きい粒度の砥粒を金属
製の台金に電着又は接着して作製することも可能であ
る。
【0037】以上のようにして作製された修正用工具1
0を、レンズ研削・研磨機の貼付治具2に貼り付け、こ
の貼り付け状態で研削・研磨工具4の加工面4aに接触
させる。そして、レンズ1の研削・研磨加工と同一の条
件で修正用工具10を動作させる。すなわち、修正用工
具10及び研削・研磨工具4の揺動中心角θ、揺動角度
幅及び加工荷重をレンズ1への加工条件に一致させると
共に、工具回転スピンドル5の回転数をレンズ1への加
工条件に一致させて修正用工具10を動作させる。
【0038】この動作によって、研削・研磨工具4の加
工面4aに対し、レンズ1の加工時と同様に修正用工具
10が相対的に動作するため、レンズ1の加工に適した
加工面に修正することができる。従って、このような方
法では、レンズの実際の加工と同じ条件で修正用工具を
動作させるため、研削・研磨工具4の加工面4aを高精
度に加工することができ、加工精度も安定する。従っ
て、従来のように修正用ブランク等の中間物質が不要と
なり、材料を無駄にすることがなくなる。又、実際のレ
ンズの加工と同じ条件で修正を行うため、短時間で精度
の良い修正を行うことができる。
【0039】図3はレンズの加工面、研削・研磨工具の
加工面および修正用工具の作用面の精度を評価する測定
器具としての簡易球面計6を示し、ダイヤルゲージ7の
測定端子軸に測定リング8が固定されている。基準とす
るマスターレンズ9または図4に示すニュートン原器1
5の球面に、測定リング8を当接させてゼロ合わせし、
次に評価する球面に測定リング8を当接させて、測定値
を読み取る。この測定値は、基準球面からのズレ量(△
h)である。凸球面の場合、測定値がマイナスでは基準
球面より曲率半径が大きく、プラスでは基準球面より曲
率半径が小さい。凹球面の場合にはこの逆になる。
【0040】ニュートン原器15はガラスからなり、図
4に示すように、評価するレンズの球面と同じ曲率半径
で凹凸が逆となっている球面を有している。ニュートン
原器15の球面と加工されたレンズの球面をきれいにク
リーニングし、両球面を軽く接触させて、特定波長の干
渉縞(ニュートンリング、以下NRと記す)の本数およ
び形状を観察することにより、目標の曲率半径からのズ
レを評価する。
【0041】(実施の形態1)この実施の形態では、凸
形状のレンズの精研削工程で使用する凹形状の精研削工
具の加工面を修正する。表5は精研削工具によってレン
ズを加工する加工条件を示す。精研削工具は#1500
メッシュの粒度のダイヤモンド砥粒をレジンボンドで結
合させることにより形成されている。
【0042】この実施の形態では、加工されるレンズの
NR本数が目標値から外れるように予め意識的に精研削
工具の加工面形状を正規の状態からずらし(△h=+1
〜+3μm)、表6に示す修正用工具を用いた修正操作
条件によって精研削工具の加工面の修正を行った(△h
=+0.5μm)。修正用工具は、精研削工具よりもメ
ッシュ番手が低く(#1000メッシュ)、粒度が大き
なダイヤモンド砥粒をレジンボンドで結合したものを使
用した。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】表6に示す条件で研削工具の加工面の修正
を3回行った。表7は加工面を修正する前の研削工具を
使用して研削したレンズのNR本数、加工面を修正した
後の研削工具を使用して研削したレンズのNR本数およ
び修正操作の回数を示す。3回とも1回の修正操作で研
削工具の加工面を正確に修正することができ、加工され
るレンズのNR本数(−4±1本)に戻すことができ
た。
【0046】
【表7】
【0047】また、3回目の修正後、10個のレンズを
連続加工し、レンズのNR本数の推移を調べた。図5に
加工面修正前の研削工具を使用して研削したレンズのN
R本数(レンズNo.1)と、修正後の研削工具を使用
して連続10個加工したレンズの NR本数(レンズN
o.2〜11)をプロットしたグラフを示す。図5から
判るように、修正後の研削工具を使用して加工したレン
ズのNR本数は全て設定NR本数内に入っており、研削
工具の加工面を修正した後の研削面精度の安定性も確認
することができた。
【0048】従って、この実施の形態の加工面の修正で
は、レンズを目標のNR本数に加工できなくなった研削
工具の加工面に対しても、修正用ブランクのような中間
物質を何回も加工することなく、また無駄な材料を生じ
させることなく、短時間かつ容易にしかも精度良く修正
することができる。
【0049】(実施の形態2)この実施の形態では、凸
形状のレンズの研磨工程で使用する凹形状の研磨工具の
加工面を修正する。表8は研磨工具によってレンズを研
磨加工する加工条件を示す。研磨工具は#8000メッ
シュの粒度の酸化セリウム砥粒をレジンボンドで結合さ
せることにより形成されている。
【0050】この実施の形態では、加工されるレンズの
NR本数が目標値から外れるように予め意識的に研磨工
具の加工面形状を正規の状態からずらし(△h=+1〜
+2.5μm)、表9に示す修正用工具を用いた修正操
作条件で研磨工具の加工面の修正を行った(△h=0μ
m)。
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】表9に示す条件で研磨工具の加工面の修正
を3回行った。表10に加工面を修正する前の研磨工具
を使用して研磨したレンズのNR本数、加工面を修正し
た後の研磨工具を使用して研磨したレンズのNR本数お
よび修正操作の回数を示す。3回とも1回の修正操作で
研磨工具の加工面を正確に修正することができ、加工さ
れるレンズのNR本数を目標の設定NR本数(±1本)
に戻すことができた。
【0054】
【表10】
【0055】また、3回目の修正後、10個のレンズを
連続加工し、レンズのNR本数の推移を調べた。図6に
加工面修正前の研磨工具を使用して研磨したレンズのN
R本数(レンズNo.1)と、修正後の研磨工具を使用
して連続10個加工したレンズのNR本数(レンズNo
2〜11)をプロットしたグラフを示す。図6から判る
ように、修正後の研磨工具を使用して加工したレンズの
NR本数は全て設定NR本数内に入っており、研磨工具
の加工面を修正した後の研磨面精度の安定性も確認する
ことができた。
【0056】この実施の形態ではさらに、研磨工具の偏
摩耗によるレンズ研磨面の部分的変形(以下クセと記
す)を、上述した研磨工具の修正と同じ方法により修正
することを試みた。予め研磨後のレンズにクセが発生す
るように研磨工具の加工面を崩し、その研磨工具でレン
ズを1個研磨し、次に研磨工具の加工面を修正した後、
再度新規レンズを1個研磨した。
【0057】以上の操作を3回繰り返し、研磨工具の加
工面修正前後に研磨したレンズの干渉縞を比較した。図
7に干渉縞の対比を示す。図7から判るように3回とも
1回の修正操作で、クセが発生する研磨工具の加工面を
きれいに修正することができた。
【0058】このような実施の形態の加工面修正方法に
よれば、レンズを目標のNR本数およびクセ本数に加工
できなくなった研磨工具の加工面を、修正用ブランクの
ような中間物質を何回も加工することなく、また無駄な
材料を生じさせることなく、短時間かつ容易にしかも精
度良く修正することができる。
【0059】なお、以上の各実施の形態では、修正用工
具として、砥粒をレジンボンドで結合したものを使用し
たが、これに限らずボンド材をメタルボンド等に変更し
ても良く、また砥粒を加工されるレンズと同曲率半径、
略同形状および略同寸法の金属製の台金に電着あるいは
接着したものを使用しても良い。
【0060】以上の説明から、本発明は次に示す技術的
思想を包含するものである。
【0061】(1)レンズ素材と研削・研磨工具とを当
接させ、加工液を供給しながら相対運動させることによ
って、研削・研磨工具の形状をレンズ素材面に転写させ
る倣い研削・研磨加工方法に使用されるレンズ研削・研
磨工具の加工面修正方法において、レンズを研削・研磨
する加工機上で、前記研削・研磨工具より研削・研磨能
力の高い工具からなり、加工されるレンズと同曲率半
径、略同形状および略同寸法を有する修正用工具をレン
ズの加工と略同じ条件で動作させることを特徴とするレ
ンズ研削・研磨工具の加工面修正方法。
【0062】この発明によれば、修正用工具をレンズの
加工時と同様に動作させて研削・研磨工具の加工面を修
正するため、修正用ブランク等の中間物質が不要とな
り、材料を無駄にすることがないと共に、短時間で高精
度に修正することができる。
【0063】(2)上記修正用工具は、上記研削・研磨
工具よりも砥粒のメッシュ番手が低いメタルボンドある
いはレジンボンドを使用した工具であることを特徴とす
る上記(1)項記載のレンズ研削・研磨工具の加工面修
正方法。
【0064】この発明によれば、上記(1)項の効果に
加えて、修正用工具を簡単に作製することができる。
【0065】(3)上記修正用工具は、上記研削・研磨
工具よりも砥粒のメッシュ番手が低い砥粒を、加工する
レンズと略同曲率半径、略同形状および略同寸法の金属
製の台金に電着あるいは接着した工具であることを特徴
とする上記(1)項記載のレンズ研削・研磨工具の加工
面修正方法。
【0066】この発明によれば、上記(1)項の効果に
加えて、台金への電着又は接着して修正用工具とするた
め、修正用工具を簡単に作製することができる。
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、修正用工具を
レンズの加工時と同様に動作させて研削・研磨工具の加
工面を修正するため、加工面を高精度に修正することが
でき、しかも、修正用ブランク等の中間物質が不要とな
り、材料を無駄にすることがないと共に、短時間で修正
することができる。
【0068】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
発明の効果に加えて、修正用工具を簡単に作製すること
ができる。
【0069】請求項3の発明によれば、請求項1記載の
発明の効果に加えて、台金への電着又は接着して修正用
工具とするため、修正用工具を簡単に作製することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ研削・研磨機の要部の正面図である。
【図2】(a)は修正用工具を貼付治具に貼り付けた状
態の正面図、(b)はその底面図である。
【図3】測定に使用する簡易球面計の正面図である。
【図4】ニュートン原器の正面図である。
【図5】実施の形態1によってレンズを加工したレンズ
番号とNR本数との相関を示す特性図である。
【図6】実施の形態2によってレンズを加工したレンズ
番号とNR本数との相関を示す特性図である。
【図7】実施の形態2によって加工したレンズの干渉縞
を工具修正前及び工具修正後で分けて示す投影図であ
る。
【図8】従来における研削工具の形状変化を説明する正
面図である。
【図9】従来における研削工具の修正方法を示す正面図
である。
【図10】研削工具の形状修正に伴うΔHの変化を示す
特性図である。
【図11】研削工具の形状修正に伴うΔHの変化を示す
特性図である。
【符号の説明】
1 レンズ 4 研削・研磨工具 10 修正用工具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ素材の表面に所望の形状を転写さ
    せるレンズ研削・研磨工具の加工面修正方法において、 上記レンズ研削・研磨工具よりも研削・研磨能力が高
    く、且つ加工されるレンズの形状と同曲率半径、略同形
    状および略同寸法の修正用工具を、レンズの研削・研磨
    加工と略同じ加工条件で動作させて上記レンズ研削・研
    磨工具の加工面を修正することを特徴とするレンズ研削
    ・研磨工具の加工面修正方法。
  2. 【請求項2】 上記修正用工具は、上記レンズ研削・研
    磨工具の砥粒よりも粒度が大きい砥粒を、メタルボンド
    またはレジンボンドのボンド材により結合した工具であ
    ることを特徴とする請求項1記載のレンズ研削・研磨工
    具の加工面修正方法。
  3. 【請求項3】 上記修正用工具は、上記レンズ研削・研
    磨工具の砥粒よりも粒度が大きい砥粒を、加工されるレ
    ンズと同曲率半径、略同形状および略同寸法の金属製の
    台金に電着または接着した工具であることを特徴とする
    請求項1記載のレンズ研削・研磨工具の加工面修正方
    法。
JP2000141364A 2000-05-15 2000-05-15 レンズ研削・研磨工具の加工面修正方法 Pending JP2001322065A (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000024548A1 (fr) * 1998-10-28 2000-05-04 Hitachi, Ltd. Dispositif de polissage et procede de fabrication de semi-conducteurs au moyen dudit dispositif

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WO2000024548A1 (fr) * 1998-10-28 2000-05-04 Hitachi, Ltd. Dispositif de polissage et procede de fabrication de semi-conducteurs au moyen dudit dispositif

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