JP2001318720A - 温度制御方法及び装置 - Google Patents

温度制御方法及び装置

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JP2001318720A
JP2001318720A JP2000135007A JP2000135007A JP2001318720A JP 2001318720 A JP2001318720 A JP 2001318720A JP 2000135007 A JP2000135007 A JP 2000135007A JP 2000135007 A JP2000135007 A JP 2000135007A JP 2001318720 A JP2001318720 A JP 2001318720A
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JP2000135007A
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English (en)
Inventor
Akihiro Osawa
昭浩 大沢
Katsuo Saibi
克男 齋尾
Katsuhiro Notani
勝博 野谷
Yoshinobu Masutani
栄伸 増谷
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体処理チャンバ内の温度調節プレートの
目標温度を変更したときに、チャンバとプレートとの間
に過渡的な熱交換が生じても、プレート温度を速やかに
新しい目標温度に到達させて整定させる。 【解決手段】 プレートの目標温度100をT1からよ
り高いT2へ切り換える際、まず、目標温度100をT
2より所定の追加温度α分だけ高いT3に切り換え、そ
の後、プレート温度200がT2の近くに来たら、目標
温度100をT3から本来の値T2へと漸次的に戻して
いく。同様に、目標温度100をT2からより低いT1
へ切り換える際には、まず、目標温度100をT1より
所定の追加温度α分だけ低い温度に切り換え、その後、
プレート温度200がT1の近くに来たら、目標温度1
00をT1へと漸次的に戻していく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば半導体プロ
セスチャンバ内でウェハの温度を一定に制御するためな
どに好適な温度制御方法及び装置に関し、特に、目標温
度を変更したときの温度制御方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体プロセスチャンバ内に
は、電熱ヒータと冷却流体路をもった平板状の温度調節
プレートが配置されており、この温度調節プレート上に
処理されるべき半導体ウェハが載置される。そして、そ
のチャンバ内でウェハに対して処理が行われている間、
そのウェハの温度を目標温度で一定に維持するように、
温度調節プレートの電熱ヒータのパワーや冷却流体の流
量が制御される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】チャンバ内での温度調
節プレートの目標温度が常に一定である場合もあるが、
処理内容の変化などに応じて目標温度が別の値に切換え
られる場合もある。後者の場合において、目標温度が前
の温度から新しい温度へと切換わると、その新しい目標
温度にウェハの温度を一致させるように温度調節プレー
トの電熱ヒータのパワーや冷却流体の流量が制御され
る。この制御によって、ウェハの温度は速やかに新しい
目標温度に到達する。
【0004】ところが、温度調節プレート及びウェハの
周囲に存在するチャンバは、通常、温度調節プレートよ
り遥かに大きい熱容量を有しているために、それほど速
やかには、温度調節プレートの新しい目標温度とバラン
スのとれた新しい温度に達することができない。その結
果、目標温度が切換わった直後しばらく(例えば10分
間程度)の間は、(目標温度が下がった場合には)チャ
ンバからウェハ及び温度調節プレートへと大量の輻射熱
が入ってくる、又は(目標温度が上がった場合には)ウ
ェハ及び温度調節プレートからチャンバへと大量の輻射
熱が出ていくというように、チャンバとウェハ及び温度
調節プレートとの間で過渡的な熱交換が生じる。この過
渡的な熱交換が収まってチャンバとウェハ及び温度調節
プレートとの間に定常的な熱的バランスが形成されるま
で、ウェハの温度は、(目標温度が下がった場合には)
目標温度よりも高くなってしまい、(目標温度が上がっ
た場合には)目標温度よりも低くなってしまう。その結
果、目標温度が切換わった直後しばらくの間は、ウェハ
を温度調節プレートの上に載せてもウェハの温度を精度
よく制御することができないという問題がある。
【0005】こうした問題は、半導体処理チャンバ内の
ウェハの温度制御だけに限らず、温度制御対象の近くに
別の物体が存在していて、目標温度変更時に温度制御対
象とその別の物体との間で無視できない量の過渡的熱交
換が生じるような環境下での温度制御には共通する問題
である。
【0006】従って、本発明の目的は、目標温度を変更
したときに、温度制御対象とその近傍の他物体との間に
過渡的熱交換が生じても、温度制御対象の温度を速やか
に新しい目標温度に到達させて整定させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に従
う温度制御方法は、温度制御対象物と他の物体との間に
過渡的な熱交換が発生するときに、温度制御対象物の目
標温度を所定の追加温度分だけ本来の目標温度から修正
するステップであって、上記過渡的な熱交換で温度制御
対象物から熱が出て行く場合には目標温度を所定の追加
温度分だけ本来の目標温度より高く、また、熱が入って
来る場合には目標温度を所定の追加温度分だけ本来の目
標温度より低く設定するステップと、このように目標温
度を設定した後に、目標温度を本来の目標温度に漸次的
に戻すステップとを有する。
【0008】本発明の第2の観点に従う温度制御装置
は、温度制御対象物と他の物体との間に過渡的な熱交換
が発生するときに、前記温度制御対象物の目標温度を所
定の追加温度分だけ本来の目標温度から修正する手段で
あって、前記過渡的な熱交換で前記温度制御対象物から
熱が出て行く場合には前記目標温度を所定の追加温度分
だけ本来の目標温度より高く、また、熱が入って来る場
合には前記目標温度を所定の追加温度分だけ本来の目標
温度より低く設定する目標温度修正手段と、前記目標温
度を設定した後に、前記目標温度を前記本来の目標温度
に漸次的に戻す目標温度戻し手段とを有する。
【0009】半導体処理チャンバ内の温度調節プレート
では、上述したように、温度調節プレートの目標温度を
別の温度に切り換えるときに、チャンバと温度調節プレ
ートとの間に過渡的な熱交換が発生する。そこで、この
温度調節プレートに適用された本発明の好適な実施形態
では、温度制御対象物たる温度調節プレートの目標温度
を第1の温度からより高い第2の温度へ切り換える必要
が生じたときには、まず、その目標温度を前記第2の温
度より所定の追加温度分だけ高い第3の温度に切り換
え、その後に、その目標温度を前記第3の温度から前記
第2の温度へと漸次的に戻していく。また、その目標温
度を第4の温度からより低い第5の温度へ切り換える必
要が生じた場合には、まず、その目標温度を前記第5の
温度より所定の追加温度分だけ低い第6の温度に切り換
え、その後に、その目標温度を前記第6の温度から前記
第5の温度へと漸次的に戻していく。
【0010】また、この好適な実施形態では、温度調節
プレートの目標温度を一定に維持してその温度調節プレ
ートの温度をその目標温度の近傍に定常的に制御してい
る状態で、この温度調節プレートの上にウェハが載せら
れたときにも、温度調節プレートとウェハとの間で過渡
的な熱交換が生じる。(汎用的な表現をすれば、温度制
御対象物の近傍に他の物体が近づいた場合にも、温度制
御対象物と他の物体との間で過渡的な熱交換が生じ
る。)そこで、このようなときにも、まず、温度調節プ
レートの目標温度を本来の目標温度より所定の追加温度
分だけ高い温度に切り換え、次に、その目標温度を本来
の目標温度へと漸次的に戻していく。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態にか
かる半導体処理チャンバ内に配置された温度調節プレー
トの温度を制御するための装置の概略構成を模式的に示
している。
【0012】図1に示すように、半導体処理チャンバ1
0は、本体12とそれを開閉する蓋11とを有し、その
中に温度調節プレート20が配置されている。温度調節
プレート20は、薄い平板型の形状を有し、その内部に
は冷却流体通路22が通っており、その上面(又は下面
又は上下面の双方)には薄膜状の電熱ヒータ21が貼り
付けられている。さらに、温度調節プレート20の内部
には、この温度調節プレート20の数箇所の温度をそれ
ぞれ測定するための複数の温度センサ23a、23b、
23cが埋め込まれている。図示してないが、このチャ
ンバ10内で半導体ウェハが処理されるとき、その半導
体ウェハは温度調節プレート20の上面上に載置され、
その半導体ウェハの温度が温度調節プレート20によっ
て所定の処理温度で一定に制御される。
【0013】温度調節プレート20の内部の冷却流体通
路22は、循環配管30を介して冷却流体源40と接続
されている。循環配管30には、冷却流体を流したり止
めたりするための電磁バルブ50が設けられている。電
磁バルブ50が開いていれば、冷却流体が一定流量で流
れる、このとき、冷却流体は、冷却流体源40内で所定
の一定温度に調節され、冷却流体源40から出て温度調
節プレート20に入り、温度調節プレート20の内部の
冷却流体通路22を通って温度調節プレート20から熱
を奪い、そして、温度調節プレート20から出て冷却流
体源40に戻るという循環を繰り返す。電磁バルブ50
が閉じているときは、冷却流体の流れは止まっている。
【0014】電熱ヒータ21は、それに電力を供給する
ための電源60に接続されている、電源60は、電熱ヒ
ータ21への供給電力をゼロから所定の最大値までの範
囲で無段階に且つ高速に調節することができるように構
成されている。
【0015】温度調節プレート20の温度を所定の目標
温度に制御するためのコントローラ70が設けられてお
り、これは例えば、温度制御プログラムがインストール
されたコンピュータである。コントローラ70は、温度
調節プレート20内の温度センサ23a、23b、23
cから温度検出信号71(図では簡単に一本線で示して
あるが、センサの個数分の信号がある)を受け、これに
基づいて後述するような制御処理を行い、その結果とし
て、電磁バルブ72を開閉するためのバルブ制御信号7
2を電磁バルブ50に加え、また、電源60から電熱ヒ
ータ21に供給される電力を制御するためのヒータパワ
ー制御信号73を電源60に印可する。
【0016】以下、この実施形態の動作を説明する。図
2は、温度調節プレート20の目標温度を以前より高い
温度に切り換えるときのコントローラ70が行う制御方
法を示し、図3はその制御方法を行うときのコントロー
ラ70の情報処理の流れを示している。図4は、温度調
節プレート20の目標温度を以前より低い温度に切り換
えるときのコントローラ70が行う制御方法を示し、図
5はその制御方法を行うときのコントローラ70の情報
処理の流れを示している。
【0017】図2、図4に示した制御例は、温度調節プ
レート20の目標温度が低い温度T1=70℃と高い温
度T2=150℃に切換わる場合の例である。図中の実
線の曲線100は、コントローラ70が設定する温度調
節プレート20の目標温度を示し、一点鎖線の曲線20
0は、温度調節プレート20の実際の温度を示してい
る。これらの曲線100、200の下方に、コントロー
ラ70が行う電熱ヒータ21の電力(ヒータパワー)の
制御のモードの変化、及び、冷却流体の流れの制御のモ
ードの変化が示されている。コントローラ70は、ヒー
タパワーの制御を、基本的に、温度センサ23a、23
b、23cからフィードバックされた検出温度と目標温
度と用いたフィードバックPID制御の方法で行う。
【0018】ヒータパワー制御には、図示のように、
「定常」「昇温」及び「降温」というPID制御の3種
類のモードと、「OFF」というヒータパワーをゼロに
して加熱をしないモードの合計4種類のモードがある。
ここで、「定常」モードとは、温度調節プレート20の
温度を目標温度付近で安定して一定に維持しておくのに
適したPIDパラメータを用いてヒータパワーを調節す
るモードである。「昇温」モードとは、温度調節プレー
ト20の温度を、それより高い目標温度に向けて速やか
に上昇させるのに適したPIDパラメータを用いてヒー
タパワーを調節するモードである。「降温」モードと
は、冷却流体の作用又は自然放熱によって降下中の温度
調節プレート20の温度を、それより多少低い目標温度
にオーバーシュートすることなく速やかに近づけるのに
適したPIDパラメータを用いてヒータパワーを調節す
るモードである。
【0019】また、コントローラ70は、冷却流体の流
れの制御を電磁バルブ50の開閉で行い、そこには、図
示のように、「OFF」という電磁バルブ50を閉じて
冷却流体の流れを止めるモードと、「一定」という電磁
バルブ50を開いて一定流量で冷却流体を流すモードと
がある。
【0020】以下、まず図2及び図3を参照して、目標
温度を低い温度T1から高い温度T2へ切り換えるとき
の制御方法を説明する。
【0021】まず、目標温度100がT1=70℃で一
定のときは、ヒータパワーは「定常」のモードでPID
制御される(図3ステップS0)。
【0022】目標温度をT1=70℃からT2=150
℃へと切り換える時点が到来すると、まず、ヒータパワ
ーのPID制御モードは「昇温」モードに切り換えられ
(S1)、同時に、目標温度100は、本来の新目標温
度であるT2=150℃より若干の追加温度α分だけ高
い温度T3に切り換えられる(S2)。これにより、プ
レート温度200は速やかに上昇していくが、この高速
な温度上昇にチャンバ10の温度は追従できないため、
チャンバ10とウェハ及び温度調節プレート20との間
で過渡的な熱交換が発生する。目標温度100を本来の
新目標温度T2よりも追加温度αだけ高い温度T3に設
定する理由は、その過渡的な熱交換を補償して、ウェハ
の温度が円滑にウェハの新しい目標温度へ到達できるよ
うにするためである。追加温度αの具体的な値は、制御
系の諸特性、例えば、チャンバ10の熱容量、温度調節
プレート20の熱容量、ウェハの熱容量、電熱ヒータ2
1の最大出力パワー、前の目標温度T1と新しい目標温
度T2との差、及び「昇温」モードのPID制御パラメ
ータ値などによって異なるが、この実施形態では0.8
Kにしている。よって、T3は150.8℃である。
【0023】プレート温度200が本来の新目標温度T
2=150℃の或る程度近くまで上がってくると、コン
トローラ70は、プレート温度200の上昇勾配を計算
して所定値と比較し(S3)、この上昇勾配が所定値よ
り小さくなった時点で、ヒータパワーの制御を「定常」
モードに戻す(S4)。
【0024】また、コントローラ70は、目標温度10
0を高い温度T3に切り換えてからの経過時間を測定し
て、その経過時間がその高い目標温度T3を維持してお
くべき所定時間に達したかチェックし(S5)、達する
と(図2のポイントP1)、次に、目標温度100を漸
次的に降下させて徐々に本来の新目標温度T2に戻して
いく(S6)。目標温度100を本来の新目標温度T2
に戻していく方法は、図6(A)に示すように段階的に
変化させていってもよいし、図6(B)に示すように無
段階に連続的に変化させていってもよい。このように目
標温度100を新目標温度T2へ向けて徐々に降下させ
ていく理由は、チャンバ10とウェハ及び温度調整プレ
ート20との間の過渡的な熱交換量が時間経過と共に徐
々に減っていくからである。
【0025】最終的に目標温度100が新目標温度T2
に到達する時点(図2ポイントP2)は、チャンバ10
の温度が十分に上昇してチャンバ10とウェハ及び温度
調節プレート20との間に定常的な熱的バランスが確立
した時点と概略一致するように設定されている。目標温
度100をT3に立ち上げてからT2に完全に戻し終わ
るまでの所要時間の具体的な設定値は、制御系の諸特
性、例えば、チャンバ10の熱容量、温度調節プレート
20の熱容量、ウェハの熱容量、電熱ヒータ21の最大
出力パワー、前の目標温度T1と新しい目標温度T2と
の差、及び「昇温」モードと「定常」モードのPID制
御パラメータ値などによって異なるが、例えば8分〜1
0分程度である。
【0026】目標温度100がT2に完全に戻った後
は、その目標温度T2で「定常」モードでヒータパワー
が制御される(S7)。以上の制御の間、冷却流体循環
系の電磁バルブ50は閉じたままであり、冷却流体の流
れは止まっている。
【0027】次に、図4と図5を参照して、目標温度を
高い温度T2から低い温度T1に切り換えるときの制御
方法を説明する。
【0028】まず、目標温度100がT2=150℃で
一定のときは、ヒータパワーは「定常」のモードでPI
D制御される(図5ステップS10)。
【0029】目標温度をT2=150℃からT1=70
℃へと切り換える時点が到来すると、コントローラはT
2とT1の差(つまり目標温度の降下量)が所定値より
大きいか否かを判断し(S11)、大きければ(この例
の場合はそうである)(S11でYes)、ヒータパワ
ーの制御モードを「OFF」モードに切り換え(つま
り、ヒータパワーをゼロにする)(S12)、同時に、
冷却流体循環系の電磁バルブ50を開いて冷却流体を一
定流量で流しての冷却動作を開始する(S13)。これ
により、プレート温度200は速やかに降下していく。
なお、ステップS11で、目標温度の降下量が所定値よ
り小さかった場合には(S11でNo)、冷却流体を流
さずに、いきなり、後述するステップS16以降の「降
温」モードでのヒータパワー制御に入る。
【0030】冷却流体を流してプレート温度200を降
下させている間、コントローラ70は、プレート温度2
00が本来の新目標温度T1より所定値だけ高いバルブ
閉温度T4に達したか否かをチェックし(S14)、達
すると、電磁バルブ50を閉じて冷却流体の流れを止め
(S15)、同時に、「降温」モードでのヒータパワー
の制御を開始し(S16)、同時に、温度調節プレート
2の目標温度100を本来の新目標温度T1より若干の
追加温度α分だけ低い温度T5に切り換える(S1
7)。目標温度100を本来の新目標温度T1よりも追
加温度αだけ低い温度T5に設定する理由は、目標温度
100を低くした直後のチャンバ10とウェハ及び温度
調節プレート20との過渡的な熱交換を補償して、ウェ
ハの温度が速やかにウェハの新しい目標温度へ到達でき
るようにするためである。追加温度αの具体的な値は、
制御系の諸特性、例えば、チャンバ10の熱容量、温度
調節プレート20の熱容量、ウェハの熱容量、電熱ヒー
タ21の最大出力パワー、前の目標温度T1と新しい目
標温度T2との差、及び「昇温」モードのPID制御パ
ラメータ値などによって異なるが、この実施形態では
0.8Kにしている。よって、T5は69.2℃であ
る。
【0031】プレート温度200が本来の新目標温度T
1=70℃の或る程度近くまで下がってくると、コント
ローラ70は、プレート温度200の下降勾配を計算し
て所定値と比較し(S18)、この下降勾配が所定値よ
り小さくなった時点で、ヒータパワーの制御を「定常」
モードに戻す(S19)。
【0032】また、コントローラ70は、目標温度10
0を低い温度T5に切り換えてからの経過時間を測定し
て、その経過時間がその低い目標温度T5を維持してお
くべき所定時間に達したかチェックし(S20)、達す
ると(図5のポイントP3)、次に、目標温度100を
漸次的に上昇させて徐々に本来の新目標温度T1に戻し
ていく(S21)。目標温度100を本来の新目標温度
T1に戻していく方法は、(温度を変化させる方向は図
6とは逆ではあるが)図6(A)に示すように段階的に
変化させていってもよいし、図6(B)に示すように無
段階に連続的に変化させていってもよい。このように目
標温度100を新目標温度T1へ向けて徐々に上昇させ
ていく理由は、チャンバ10とウェハ及び温度調整プレ
ート20との間の過渡的な熱交換量が時間経過と共に徐
々に減っていくからである。
【0033】最終的に目標温度100が新目標温度T1
に到達する時点(図5ポイントP4)は、チャンバ10
の温度が十分に降下してチャンバ10とウェハ及び温度
調節プレート20との間に定常的な熱的バランスが確立
した時点と概略一致するように設定されている。目標温
度100をT5に立ち下げてからT1に完全に戻し終わ
るまでの所要時間の具体的な設定値は、制御系の諸特
性、例えば、チャンバ10の熱容量、温度調節プレート
20の熱容量、ウェハの熱容量、電熱ヒータ21の最大
出力パワー、前の目標温度T1と新しい目標温度T2と
の差、冷却流体の流量や温度、及び「降温」モードと
「定常」モードのPID制御パラメータ値などによって
異なるが、例えば8分〜10分程度である。
【0034】目標温度100がT1に完全に戻った後
は、その目標温度T1で「定常」モードでヒータパワー
が制御される(S22)。
【0035】以上のように、温度調節プレート20の目
標温度を切り換えるときには、目標温度の本来の切り換
え幅よりも若干の追加温度分だけ大きく切り換え、そし
て、その後に、目標温度を本来の新しい目標温度へ徐々
に戻していくという制御を行っている。これにより、目
標温度の切り換え直後のチャンバ10とウェハ及び温度
調節プレート20との間の過渡的な熱交換を補償して、
ウェハの温度を円滑かつ速やかにウェハの目標温度へ到
達させることができる。その結果、目標温度を切り換え
た後、チャンバ10の温度が安定するまで待つことな
く、早い時期からウェハを温度調節プレート20上に載
せて処理を開始することができる。
【0036】ところで、図2、3のグラフには示してな
かったが、目標温度近傍に安定に温度制御されている温
度調節プレート20の上にウェハを載せた時にも、ウェ
ハと温度調節プレート20との間で過渡的な熱交換が発
生して、温度調節プレート20の温度が目標温度から若
干低下する。その結果、ウェハの温度が上昇して最適温
度に到達して整定するまでに要する時間が長くなる。こ
の問題を解決するため、本実施形態では、温度調節プレ
ート20上にウェハを載せた時にも、温度調節プレート
20の目標温度を本来の目標温度より若干高くし、その
後に徐々に本来の目標温度に戻すという制御を行う。
【0037】図7は、この温度調節プレート20上にウ
ェハを載せた時のコントローラ70が行う温度制御方法
を示し、図8は、この温度制御方法を行う時のコントロ
ーラ70の情報処理の流れを示す。図7において、曲線
300は温度調節プレートの目標温度を示し、曲線40
0はウェハの温度を示している。
【0038】温度調節プレート20の温度が一定の目標
温度T10(例えば、150℃)の近傍で定常状態にあ
るとき(図8ステップS30)、温度調節プレート20
の上に常温のウェハが載置されると(S31)、コント
ローラ70は、温度調節プレート20の目標温度100
をT10より若干の追加温度β分だけ高い温度T11に
切り換える(S32)。ここで、追加温度βは、温度調
節プレート20の熱がウェハに奪われるのを補償してウ
ェハの温度を速やかに立ちあがらせるためのものであ
り、その具体的な値は制御系の特性、例えば、ウェハの
熱容量と元の温度、温度調節プレートの熱容量と目標温
度、電熱ヒータの最大パワー、ヒータパワー制御のPI
Dパラメータの値などによって異なるが、この実施形態
では0.2Kである。
【0039】その後、コントローラ70は、目標温度を
T11に切り換えてからの経過時間を測り、その経過時
間がT11を維持するべき所定の時間に達したか否かを
判断し(S33)、達すると(図7のポイントP5)、
目標温度を本来の値T10に向けて徐々に降下させる
(S34)。徐々に降下させるのは、ウェハと温度調プ
レート20との間の熱交換量が時間経過と共に徐々に減
っていくからである。この降下のさせ方も、図6(A)
のように段階的でもよいし、図6(B)のように無段階
で連続的でもよい。
【0040】目標温度が本来の値T10に完全に戻る時
点(図7ポイントP6)は、ウェハの温度400が最適
温度に達して整定する時点と概略一致するように設定さ
れている。ウェハを載置してから目標温度が本来の値T
10に完全に戻るまでの所要時間は、制御系の特性で異
なるが、例えば数十秒から1分程度である。上記の制御
により、ウェハの温度400は円滑かつ速やかに最適温
度に達して整定する。
【0041】上述した実施形態は、本発明の説明のため
の例示に過ぎず、本発明の範囲をこの実施形態ににのみ
限定する趣旨ではない。本発明は、上記の実施形態以外
の様々な形態でも実施することができる。例えば、上記
実施形態では、ヒータパワーのPID制御として「定
常」「昇温」「降温」などの複数のモードを設けて使い
分けたが、単純に「定常」モード1つだけで制御するよ
うにしてもよいし、或いは、実施形態よりも多くのモー
ドを設けて使い分けても良い。冷却流体の流量制御は、
単純なオン/オフ制御だけでなく、比例弁やポンプ回転
数などで流量調節を行っても良い。電熱ヒータに代えて
赤外線ランプを用いても良い。
【0042】目標温度を切り換えるとき、目標温度を本
来の値Tよりαだけ高い値T+αに(又は低い値T−
α)に切り換えた後、その目標温度を本来の値Tに戻し
ていくやり方として、実施形態以外にも、様々なやり方
が採用し得る。図6に示したような多段階又は連続的に
変化させるやり方に代えて、例えば、目標温度をT+α
で所定時間t1だけ維持した後、次にT+α/2に切り
換えて所定時間t2だけ維持し、次にTに切り換えると
いう、実施形態よりもずっと単純な2段階で切り換える
やりかたを採用してもよい。
【0043】図2〜図5を参照して説明した制御は、熱
交換プレート上にウェハを置いた状態で目標温度を切り
換える場合であるが、プレート上にウェハが載ってない
ときにプレートの目標温度を切り換える場合にも、本発
明の原理に従った制御を行うことができる。
【0044】本発明は、半導体処理チャンバ内のウェハ
の温度制御だけでなく、他の目的の温度制御にも適用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる半導体処理チャン
バ内に配置された温度調節プレートの温度を制御するた
めの装置の概略構成を示す模式図。
【図2】温度調節プレート20の目標温度を以前より高
い温度に切り換えるときのコントローラ70が行う制御
方法を示す図。
【図3】図2の制御方法を行うときのコントローラ70
の情報処理の流れを示したフローチャート。
【図4】温度調節プレート20の目標温度を以前より低
い温度に切り換えるときのコントローラ70が行う制御
方法を示す図。
【図5】図4の制御方法を行うときのコントローラ70
の情報処理の流れを示したフローチャート。
【図6】目標温度を本来の新目標温度に戻すときの目標
温度の変化のさせ方の2つの例を示す図。
【図7】温度調節プレート20上にウェハを載せた時の
コントローラ70が行う温度制御方法を示す図。
【図8】図7の温度制御方法を行う時のコントローラ7
0の情報処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
10 半導体処理チャンバ 20 温度調節プレート 22 は冷却流体通路 21 薄膜状の電熱ヒータ 23a、23b、23c 温度センサ 40 冷却流体源 50 電磁バルブ 60 電源 70 コントローラ 100、110、120、300 温度調節プレートの
目標温度 200 温度調節プレートの実際の温度 400 温度調節プレート上のウェハの温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野谷 勝博 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 増谷 栄伸 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 Fターム(参考) 3K058 AA73 BA18 CA23 5F045 EJ03 EJ09 EK08 EK27 EM02 GB05 GB16 5H323 AA05 BB04 CA09 CB02 CB22 CB44 EE03 FF03 FF10 KK05 NN03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度制御対象物と他の物体との間に過渡
    的な熱交換が発生するときに、前記温度制御対象物の目
    標温度を所定の追加温度分だけ本来の目標温度から修正
    するステップであって、前記過渡的な熱交換で前記温度
    制御対象物から熱が出て行く場合には前記目標温度を所
    定の追加温度分だけ本来の目標温度より高く、また、熱
    が入って来る場合には前記目標温度を所定の追加温度分
    だけ本来の目標温度より低く設定するステップと、 前記ステップで前記目標温度を設定した後に、前記目標
    温度を前記本来の目標温度に漸次的に戻すステップと、
    を有した温度制御方法。
  2. 【請求項2】 温度制御対象物と他の物体との間に過渡
    的な熱交換が発生するときに、前記温度制御対象物の目
    標温度を所定の追加温度分だけ本来の目標温度から修正
    する手段であって、前記過渡的な熱交換で前記温度制御
    対象物から熱が出て行く場合には前記目標温度を所定の
    追加温度分だけ本来の目標温度より高く、また、熱が入
    って来る場合には前記目標温度を所定の追加温度分だけ
    本来の目標温度より低く設定する目標温度修正手段と、 前記目標温度修正手段が前記目標温度を設定した後に、
    前記目標温度を前記本来の目標温度に漸次的に戻す目標
    温度戻し手段と、を有した温度制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標温度を第1の温度からより高い
    第2の温度へ切り換える必要が生じた場合、まず、目標
    温度修正手段が、前記目標温度を前記第2の温度より前
    記追加温度分だけ高い第3の温度に切り換え、次に、前
    記目標温度戻し手段が、前記目標温度を前記第3の温度
    から前記第2の温度に漸次的に戻し、 前記目標温度を第4の温度からより低い第5の温度へ切
    り換える必要が生じた場合、まず、目標温度修正手段
    が、前記目標温度を前記第5の温度より前記追加温度分
    だけ低い第6の温度に切り換え、次に、前記目標温度戻
    し手段が、前記目標温度を前記第6の温度から前記第5
    の温度に漸次的に戻す、請求項2記載の温度制御装置。
  4. 【請求項4】 前記目標温度を第1の温度で一定に維持
    して前記温度制御対象物の温度を前記第1の温度の近傍
    に定常的に制御しているときに前記温度制御対象物の近
    傍に他の物体が近づいた場合、まず、目標温度修正手段
    が、前記目標温度を前記第1の温度より前記追加温度分
    だけ高い第2の温度に切り換え、次に、前記目標温度戻
    し手段が、前記目標温度を前記第2の温度から前記第1
    の温度に漸次的に戻す、請求項2記載の温度制御装置。
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