JP2001316123A5 - - Google Patents

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【書類名】明細書
【発明の名称】合成石英ガラス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学部材用合成石英ガラスにおいて、20℃における波長157.6nmでの内部光透過率が70%/cm以上、かつ20〜35℃における波長157.6nmでの内部光透過率の温度による変化量が−0.5〜0%/cm/℃であることを特徴とする合成石英ガラス。
【請求項2】
OH基含有量が10ppm未満、塩素含有量が10ppm以下であり、実質的に還元型欠陥を含有しない請求項1記載の合成石英ガラス。
【請求項3】
レーザラマンスペクトルにおける495cm-1の散乱ピーク強度I1および606cm-1の散乱ピーク強度I2が、440cm-1の散乱ピーク強度I0に対してそれぞれI1/I0≦0.60、I2/I0≦0.15である請求項1または2記載の合成石英ガラス。
【請求項4】
フッ素含有量が100ppm以上である請求項1、2または3記載の合成石英ガラス。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学部材用合成石英ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体デバイス製造用ステッパの光学部材として合成石英ガラスが用いられている。現在ステッパの露光用光源として、KrFエキシマレーザが実用化されており、今後、より短波長のArFエキシマレーザが実用化されると予想される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
また、ArFエキシマレーザよりさらに短波長のF2レーザ(波長157.6nm)をステッパの光源に用いることが提案されており、そのための光学部材が模索されている。本発明は、このような光学部材の材料としての1つの候補である合成石英ガラスに関し、光透過率が従来よりも安定している合成石英ガラスを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光学部材用合成石英ガラスにおいて、20℃における波長157.6nmでの内部光透過率が70%/cm以上、かつ20〜35℃における波長157.6nmでの内部光透過率の温度による変化量が−0.5〜0%/cm/℃であることを特徴とする合成石英ガラスを提供する。
【0005】
本発明者らは、合成石英ガラスの光透過率が温度によって影響を強く受けるため、内部光透過率の温度による変化量が小さいガラスを用いることが光透過率の安定性の観点で有効であることを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、光を照射して使用される合成石英ガラスを対象とする。光学部材としては、レンズ(投影系、照明系)、プリズム、エタロン、フォトマスク、ペリクル(ペリクル材、ペリクルフレームまたはその両者)、窓材などが挙げられる。
【0007】
本発明の合成石英ガラスは、20℃における波長157.6nmでの内部光透過率が70%/cm以上、かつ20〜35℃における波長157.6nmでの内部光透過率の温度による変化量が−0.5〜0%/cm/℃であること、好ましくは、20℃における波長157.6nmでの内部光透過率が85%/cm以上、かつ20〜35℃における波長157.6nmでの内部光透過率の温度による変化量が−0.25〜0%/cm/℃であることを特徴とする。
【0008】
このようにすることにより、安定な光透過率を持つ合成石英ガラス、たとえば光透過率のばらつきがおおよそ±1%以内の合成石英ガラスを得ることができる。ここで、「内部光透過率の温度による変化量」とは、温度変化の過程における最終の温度での内部光透過率から最初の温度での内部光透過率を引いた差をいう。また、「光透過率のばらつき」とは、合成石英ガラスの光透過率を多数の箇所で測定し、その最大の光透過率から最小の光透過率を引いた差をいう。
【0009】
本発明者らの知見によると、光透過率の温度依存性は、光透過率が高いほど小さくなる傾向がある。したがって、高い光透過率の石英ガラスを得ることは、光透過率の安定性のために好ましい。この観点から、本発明の合成石英ガラスは、OH基含有量が10ppm未満、塩素含有量が10ppm以下であり、実質的に還元型欠陥を含有しないことが好ましい。OH基、塩素、および還元型欠陥はいずれも光透過率を低下させる傾向があるためである。特に、OH基は5ppm以下、塩素は1ppm以下であることが好ましい。なお、還元型欠陥を実質的に含まないということの意味は、後の実施例で詳述する。
【0010】
また、本発明において、合成石英ガラス中の三員環構造、四員環構造などの歪んだ構造は、光透過率を低下させる傾向があるため、少ない方が好ましい。具体的にはレーザラマンスペクトルにおける495cm-1の散乱ピーク強度I1および606cm-1の散乱ピーク強度I2が、440cm-1の散乱ピーク強度I0に対してそれぞれI1/I0≦0.59、I2/I0≦0.14であることが好ましい。
【0011】
さらに、合成石英ガラスにフッ素を含有させると、OH基を置換し、低減する効果を有するうえ、上記の三員環構造、四員環構造などの歪んだ構造を低減する効果があるので好ましい。具体的には本発明の合成石英ガラスはフッ素を100ppm以上、特に300ppm以上、含有することが好ましい。
本発明の合成石英ガラスは、スート法、直接法、ゾルゲル法など、公知のいずれの方法で製造されてもよい。
【0012】
【実施例】
表1に示すガラス原料、すなわち四塩化ケイ素またはヘキサメチルジシラザンを酸水素火炎中で加水分解させ、形成されたSiO2微粒子を基材上に堆積させて直径350mm、長さ600mmの多孔質石英ガラス体を作製した。原料として四塩化ケイ素を用いた場合は、酸素と水素の体積比が四塩化ケイ素を1として15:25となる酸水素火炎中で加水分解し、原料としてヘキサメチルジシラザンを用いた場合は、酸素と水素の体積比がヘキサメチルジシラザンを1として10:25となる酸水素火炎中で加水分解した。この多孔質石英ガラス体を雰囲気制御可能な電気炉に設置し、表1に示す脱水処理条件にて保持することにより、多孔質石英ガラス体の脱水(すなわち低OH基化)を行った。
【0013】
続いて圧力150Pa以下の減圧に保持した状態で1450℃まで昇温し、この温度にて10時間保持し透明石英ガラス体(直径180mm、長さ400mm)を作製した。この透明石英ガラス体を、カーボン製発熱体を有する電気炉内で軟化点以上の1750℃に加熱して自重変形を行わせ、200mm角で250mm長のブロック形状に成形して合成石英ガラスブロックを得た。ついで、表1に示すアニール条件にてアニールを行った。
例1〜10で得られた合成石英ガラスブロックの長さ方向の中心付近から200mm角で10mm厚の評価用試料を切出し、以下の評価を行った。
【0014】
(評価1:OH基含有量)
評価用試料の200mm角の中央付近について赤外分光光度計による測定を行い、波長2.7μmにおける吸収ピークからOH基含有量を求め、OH基含有量を求めた(J.P.Wiliams et. al., Ceramic Bulletin, 55(5), 524, 1976)。本法による検出限界は0.1ppmである。
【0015】
(評価2:塩素含有量)
評価用試料の200mm角の中央付近についてCrのKα線を用いた蛍光X線分析を行い、塩素の特性X線強度を測定することにより、合成石英ガラス中の塩素含有量を求めた。本法による検出限界は2ppmである。
【0016】
(評価3:フッ素含有量)
評価用試料の200mm角の中央より10mm×10mm×10mmの試料を切出し、フッ素濃度を分析した。なおフッ素濃度の分析方法は下記のとおりである。日本化学会誌、1972(2), 350に記載された方法に従って、合成石英ガラスを無水炭酸ナトリウムにより加熱融解し、得られた融液に蒸留水および塩酸(1+1)を加えて試料液を調製した。試料液の起電力をフッ素イオン選択性電極および比較電極としてラジオメータトレーディング社製No.945−220およびNo.945−468をそれぞれ用いてラジオメータにより測定し、フッ素イオン標準溶液を用いてあらかじめ作成した検量線に基づいて、フッ素含有量を求めた。本法による検出限界は10ppmである。
【0017】
(評価4:還元型欠陥)
評価用試料の200mm角の中央より20mm×20mm×3mmの試料、および20mm×20mm×10mmの試料を切り出し、それぞれ20mm角の2面を鏡面研磨し、試料の温度を25℃に保持した状態で真空紫外分光光度計(分光計器社製「UV201M」、以下同じ)により波長163nmでの光透過率を測定した。厚み3mmおよび厚み10mmの2種類の試料の波長163nm光透過率T1、T2より、波長163nmにおける内部光透過率T163を式(1)に従って求め、式(2)の条件が満足するかどうかを調べた。式(2)の条件を満たさない場合、すなわち式(2)の左辺の値が右辺の値より小さい場合は、還元型欠陥が存在することを意味する。
【0018】
【数1】
Figure 2001316123
【0019】
(評価5:157.6nm内部光透過率およびその温度による変化量)
評価用試料の200mm角の中央より20mm×20mm×3mm試料、20mm×20mm×10mm試料を切出し、それぞれ20mm角の2面を鏡面研磨し、真空紫外分光光度計により、温度20℃および35℃における波長157.6nmでの光透過率を測定した。各温度における厚み3mmおよび厚み10mmの2種類の試料の波長157.6nm光透過率T1、T2より、波長157.6nmにおける内部光透過率T157.6を式(3)に従って求め、波長157.6nmでの内部光透過率およびその温度による変化量を求めた。
【0020】
【数2】
Figure 2001316123
【0021】
(評価6:歪み構造)
歪み構造の解析方法は以下のように行った。まず例えば波長514.5nmのアルゴンイオンレーザを励起光として、1000〜720cm-1の波数範囲でその合成石英ガラスのラマンスペクトルを取得する。すると、Si−Oを1単位として立体六員環を形成する基本骨格振動に基づいた非常にブロードなピークが約420cm-1に現れる。それと重複して、約495cm-1には平面四員環構造(D1とも称される)に基づくピークが、それらとはほぼ独立して約605cm-1には平面三員環構造(D2とも称される)に基づくピークが現れる。四員環構造、三員環構造ともに石英ガラスの立体六員環構造を歪ませる。すなわちD1、D2ピークとも、石英ガラス中の歪み構造が大きいほど強度が大きくなる傾向を持つ。故に、そのスペクトルにピーク分離を行い、立体六員環の基本骨格振動ピーク強度に対する、各D1、D2ピークの強度比を求めると、歪み構造が定量的に求められる。スペクトルのベースラインに二次関数を、D1、D2ピークにはローレンツ関数を、その他に3つのガウス関数を用いて、実スペクトルに対してカーブフィッティングすると、ほぼ100%の精度でスペクトルが再現される。この方法は特開平11−230830に詳細に記載されている。3つのガウス関数を用いたピークを合成して得られたピークが、その合成石英ガラスの立体六員環の基本骨格振動ピークに相当する。これをピーク強度I0とした。次にローレンツ関数を用いてピーク分離されたD1、D2ピークの強度、すなわちI1、I2を求めた。以上よりI0に対するI1、I2のピーク強度比を用いて「歪み構造」の指標値とした。
【0022】
表1、2において、例3〜例8は実施例、その他は比較例である。実施例の合成石英ガラスは波長157.6nmでの内部光透過率が高く、かつ温度による変化量も小さく、光学部材として使用して、安定した光透過率が得られるものと考えられる。
【0023】
【表1】
Figure 2001316123
【0024】
【表2】
Figure 2001316123
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、光透過率が安定している合成石英ガラスが得られる。

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