JP2001315932A - 搬送物の受け渡しを行うベルトコンベア装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ２つのベルトコンベア装置間で搬送物をスム
ーズに搬送し受け渡すベルトコンベア装置を提供する。 【解決手段】 ２つのベルトコンベア装置間に配置し、
エンドレス状の搬送ベルトを用いて該２つのベルトコン
ベア装置間の搬送物の受け渡しを行うベルトコンベア装
置であって、該受け渡しベルトの搬送面の下で受け渡し
ベルトを支えるベルト支持板を、隣接する２つのベルト
コンベア装置の対向する両端の間に２つのベルトコンベ
ア装置のコンベアベルトの搬送面と受け渡しベルトの搬
送面がほぼ同一面を形成するように配置し、該ベルト支
持板の下方に駆動ロールを配置してエンドレス状の受け
渡しベルトを搬送面を一辺とした三角形ないし台形を形
成するようにベルト支持板と駆動ロール間に掛け入れた
ことを特徴とする搬送物の受け渡しを行うベルトコンベ
ア装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は搬送物を搬送する２
つのベルトコンベア装置間に配置し、搬送物の受け渡し
を円滑に行うためのベルトコンベア装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】製品等を搬送するベルトコンベア装置で
は、製品の工程が変わったり、スペースの問題等の関係
でいくつかのベルトコンベア装置を乗り継いで製品が搬
送されることがある。しかし搬送物が一方のベルトコン
ベア装置から他方のベルトコンベア装置に渡る際に、２
つのベルトコンベア装置間に生じた隙間に小さな搬送物
が落下したり嵌まってしまうことがあった。そのような
ベルトコンベア装置間の隙間を埋めながら搬送物を搬送
するための装置が従来から用いられてきた。該装置につ
いては種々の方法がある。例えば、２つのベルトコンベ
ア装置間に断面円形状の小径ロールを数本配置し、搬送
物の搬送される方向に搬送物の移動、あるいは小径ロー
ルを駆動させることによりロールを回転させ、一方のベ
ルトコンベアから搬送されてくる搬送物を断面円形状の
小径ロールに載置して送り、もう一方のベルトコンベア
まで搬送する方法がある。また、断面円形状の小径ロー
ルを断面六角形や多角形の小径ロールに変えた装置等も
使用された。しかし、これらのコンベア装置は２つのベ
ルトコンベア装置間の隙間に複数本の小径ロールが配置
されている構造であるため、結局は複数本のロール間や
ロールとベルトコンベア装置間に隙間が生じてしまい、
小さな搬送物や形状の崩れやすい柔らかい搬送物の搬送
には問題があった。また、隙間を小さくしようとさらに
小径のロールを使用すると、ベルトが撓んで強度的に耐
えられないという問題があった。また、それ等の隙間を
解消してスムーズに搬送できるように２つのベルトコン
ベア装置の受け渡し部の高さを変え、ベルトコンベア装
置間に傾斜をつけた板状体の搬送媒体を設置し、搬送物
の自重で傾斜を滑らせることによって、一方のベルトコ
ンベア装置の高い方の渡し部からもう一方のベルトコン
ベア装置の低い方の受け部に搬送物を搬送する方法も用
いられた。しかし、このような板状体の搬送媒体では、
重量のある搬送物は傾斜の途中で止まってしまったり、
また傾斜のある板状体の下側にはベルトコンベアとの段
差があるため搬送物に衝撃を与えたり、段差に搬送物が
嵌まってしまい搬送がスムーズに行われないという問題
があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は２つのベルト
コンベア装置間において、小さな製品から大きな製品ま
で搬送物の形状に関わらずベルトコンベア装置間をスム
ーズに搬送し、機械構造が簡単な搬送物の受け渡しを行
うコンベア装置を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、 「１． ２つのベルトコンベア装置間に配置し、エンド
レス状の搬送ベルトを用いて該２つのベルトコンベア装
置間の搬送物の受け渡しを行うベルトコンベア装置であ
って、該受け渡しベルトの搬送面の下で受け渡しベルト
を支えるベルト支持板を、隣接する２つのベルトコンベ
ア装置の対向する両端の間に２つのベルトコンベア装置
のコンベアベルトの搬送面と受け渡しベルトの搬送面が
ほぼ同一面を形成するように配置し、該ベルト支持板の
下方に駆動ロールを配置してエンドレス状の受け渡しベ
ルトを搬送面を一辺とした三角形ないし台形を形成する
ようにベルト支持板と駆動ロール間に掛け入れたことを
特徴とする搬送物の受け渡しを行うベルトコンベア装
置。 ２． エンドレス状の受け渡しベルトが金属製のスパイ
ラル線材の螺旋を噛み合わせ形成される共通孔に連結ロ
ッドを挿通してエンドレス状としたスパイラルベルトで
あり、駆動ロールをスプロケットとし、スパイラル線材
の螺旋と連結ロッドにより形成される溝にスプロケット
の歯を噛み合わせてベルトを駆動させる構造の、１項に
記載された搬送物の受け渡しを行うベルトコンベア装
置。 ３． ベルト支持板のベルト進行方向両端部に支持板の
厚さとほぼ同じかそれよりも小さな径の回動自在なロー
ルを配設した、１項または２項に記載されたベルトコン
ベア装置。」 に関する。

【０００５】

【発明の実施の形態】ベルトコンベア装置のベルトは通
常エンドレス状になっており、２つのロール間に掛け入
れられそのロールを軸に回転している。そのためベルト
がロールを通過する際ベルトはロールに沿って弧を描き
ながら折り返しているので、２つのベルトコンベア装置
をどんなに近付けても搬送面と同一平面には必ずＶ字型
の窪みが存在して、特に重量のある搬送物を搬送する場
合は、強度のあるベルトや大きなロールを必要とするた
め窪みはさらに大きくなってしまう。そのため、２つの
ベルトコンベア装置間の隙間を解消し、搬送物を円滑に
搬送できるコンベア装置が望まれていた。

【０００６】本発明の受け渡しベルトコンベア装置は２
つのベルトコンベア装置の対向する端部間に配置されて
おり、ベルトコンベア装置間にできたＶ字型の窪みに嵌
合させることができるように、受け渡しベルトの搬送部
の下方に駆動ロールを配置し、搬送面を一辺として駆動
ロールとで三角形ないし台形を形成するようにベルトが
掛け入れられている。このような構造とすることによっ
て平坦な搬送面が形成され、また、隣接のベルトコンベ
ア装置と接近できるためベルトコンベア装置間に生じた
隙間を埋めることができ、小さな搬送物の搬送や形状の
崩れやすい柔らかい搬送物のスムーズな受け渡しが可能
となった。そして、該ベルトコンベア装置の受け渡しベ
ルトの搬送面の下で、受け渡しのベルトを支えるように
ベルト支持板を設置することで受け渡しベルトの撓みを
防止することができ、強度も優れたものとなった。その
上、受け渡しベルトの折り返し部が板状体のエッヂであ
り、エンドレスベルトが三角形ないし台形を形成するよ
うに掛け入れられているので、ベルトの折り返し部付近
に窪みが生じることがなく、隣接するベルトコンベア装
置との間に大きな隙間が生じることもない。

【０００７】該受け渡しベルトコンベア装置に使用する
搬送ベルトは搬送物よりも目が細かく屈曲性を有し、駆
動させることのできる構造であればよく、スパイラルコ
イルを組み合わせたベルトや連結パーツを組み合わせた
ベルト、あるいはモノフィラメントで製織した織物等が
使用できる。材質もステンレス、燐青銅、アルミニウム
等の金属やポリオレフィン、ナイロン、ポリエチレンテ
レフタレート等の合成樹脂が使用でき特に制限されな
い。しかし、スパイラルコイルの螺旋ともう１つのスパ
イラルコイルの螺旋を噛み合わせ、２つのスパイラルコ
イルが形成する共通孔にロッドを挿入し、順次連結して
エンドレスとしたベルトは屈曲性、剛性に優れ、折れや
曲げが発生することがなく、スプロケット駆動が容易で
大掛かりな駆動装置を必要としない構造であるため好ま
しい。スパイラルコイルとしては断面円形状のコイルの
他、断面偏平状のコイルや楕円形のコイル等も使用でき
る。

【０００８】搬送面の下に配置されたベルト支持板の形
状は、隣接するベルトコンベア装置間の隙間の大きさと
ベルトの巾、つまり受け渡しベルトの搬送面とほぼ同じ
形状の平面を持ち、搬送物と受け渡しベルトとの自重に
耐えられるような適度な厚さが必要である。また、材質
については特に限定されないがプラスチック製や金属製
のものがあり、特にアセタール樹脂やＡＢＳ樹脂等のプ
ラスチック材が好適である。また、ベルト支持板のベル
ト進行方向の両端部に支持板の厚さとほぼ同じかそれよ
りも小さな径の回動自在なロールを一体にした構造とし
てもよい。このロールによって折り返し部における受け
渡しベルトと支持板の摩耗を軽減することができるため
好ましい。ロールの径が大きすぎると受け渡しベルトコ
ンベア装置とそれに隣接する２つのベルトコンベア装置
間に窪みが生じるため、強度に耐え得る範囲で支持板の
厚さよりも小さな径のロールにした方がよい。

【０００９】受け渡しベルトの駆動については、搬送面
の下方に配置した駆動ロールをスプロケットにすると他
の大掛かりな駆動装置を必要とせず、走行安定性もよ
く、構造が簡単な受け渡しベルトコンベア装置となり好
ましい。また、スプロケットはベルト巾方向に一定の間
隔をおいて複数個配置すればよく、巾方向に伸びるロー
ル状のスプロケットでなくても構わない。スプロケット
駆動は、スパイラルベルトのスパイラル線材の螺旋と連
結ロッドで形成された溝にスプロケットの歯を噛み合わ
せることによって容易に行われる。勿論、全ての溝にス
プロケットの歯を噛み合わせる必要はない。また、スプ
ロケット駆動に限らず、受け渡しベルトに張力を掛けて
駆動ロールの回転によりベルトを駆動させてもよく、ま
たその他の駆動装置を用いても構わない。支持板の下方
に位置する駆動ロールの位置や大きさ、個数については
ベルトコンベア装置間に形成される窪みの深さ、つまり
該受け渡しベルトコンベア装置に隣接するベルトコンベ
ア装置の回転軸となるロールの大きさや、ベルトコンベ
ア装置間の距離など様々な条件によって適宜変更すれば
よく、ベルト支持板の下方に位置する駆動ロールの形状
はベルトに嵌合させることのできるスプロケット形状
や、断面円形状の駆動ロール等ベルトの駆動装置やベル
トの種類によって適宜変更することができる。駆動ロー
ルを１本設ければ受け渡しコンベアベルトは三角形状と
なり、複数本設けると略々台形となる。

【００１０】

【実施例】次に本発明を実施例に基づき図面を参照して
具体的に説明する。図１、２、３、４は本発明の実施例
を示した図である。図１は本発明の搬送ベルトの受け渡
しを行うベルトコンベア装置の側面を示す図である。図
２は本発明の搬送ベルトとして好ましく使用されるスパ
イラルベルトに形成された溝にスプロケットの歯を噛み
合わせたときの配置図の一部を示す平面図である。図３
は本発明の実施例に使用するスプロケットを示す平面図
である。図４は図３に示したスプロケットの側面図であ
る。

【００１１】図１の１は受け渡しベルトであって、本実
施例では金属製のスパイラル線材の螺旋を噛み合わせて
形成される共通孔に連結ロッドを挿通して無端状とした
スパイラルベルトを使用した。２は搬送ベルト１の搬送
面を示している。３は搬送面の下で搬送部の受け渡しベ
ルトを支えるために配置されたベルト支持板である。こ
のベルト支持板３のベルト進行方向の両端部は摩耗を軽
減させるために曲線状のカーブを描いた形状とした。４
はスプロケットであり、本実施例では、ベルト支持板３
の下方にベルト巾方向に一定の間隔をおいて複数個配置
されている。受け渡しベルト１をベルト支持板３とスプ
ロケット４に搬送面２を一辺として三角形を形成するよ
うに掛け入れ、搬送ベルト１のスパイラル線材の螺旋７
と連結ロッド８により形成された溝９にスプロケットの
歯１０を噛み合わせてベルトを回転させる。本実施例で
用いたスプロケット４の形状は図３と図４に示されてい
る通り断面図が四角形、横断面が台形状の歯１０が巾方
向に１列、円周方向に１周、円周上に配置されたもので
あり、図２に示すようにそれぞれの歯１０を受け渡しベ
ルト１のスパイラル線材のピッチの２倍のピッチで、ス
パイラル線材の螺旋７と連結ロッド８により形成された
溝９に噛み合わせてベルトを回転させている。そして、
ベルトの回転により、隣接する一方のベルトコンベア装
置５から搬送されてくる搬送物６を受け取って受け渡し
ベルトで形成した平滑な搬送面２の上に載置して送り、
もう一方のベルトコンベア装置５まで搬送する。図５は
ベルト支持板の他の実施例である。図５はベルト進行方
向の両端部にベルト支持板３の厚さとほぼ同じかそれよ
りも小さな径の回転自在なロール１１を配設したベルト
支持板であり、このロールを配設することによってベル
トと支持板の摩耗を軽減することができるため好まし
い。

【００１２】図６、７は従来例を示した図である。図６
は２つのベルトコンベア装置間に断面円形状の小径ロー
ル１２を数本配置し搬送物の搬送される方向に小径ロー
ル１２を回転させ、一方のベルトコンベア装置５から搬
送されてくる搬送物６を断面円形状の小径ロール１２の
上に載置して送り、もう一方のベルトコンベア装置５ま
で搬送する装置である。しかし、これ等の複数本のロー
ル間やロールとベルトコンベア装置間に隙間が生じてし
まい、小さな搬送物や形状の崩れやすい柔らかい搬送物
の搬送には適していない。図７は２つのコンベアベルト
の受け渡し部の高さを変え、ベルトコンベア装置間に傾
斜をつけた板状体１３の搬送媒体を設置し搬送物６の自
重で傾斜を滑らせることにより、一方のベルトコンベア
装置の高い方の渡し部からもう一方のベルトコンベア装
置の低い方の受け部に搬送物を搬送する装置である。し
かし、この傾斜のある搬送面を有する装置では、重量の
ある搬送物が板状体の途中で止まってしまったり、また
傾斜した板状体の底部には隣接のベルトコンベア装置と
の段差があるため受け渡しがスムーズに行われないとい
う問題があった。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の受け渡しベ
ルトコンベア装置は、従来の搬送物を搬送する２つのベ
ルトコンベア装置間に配置されたコンベア装置と比較し
て、ベルトコンベア装置間に生じる窪みに嵌合するよう
に配置されているため大きな隙間を生じず、どんな形状
の搬送物の搬送も可能であり、ベルトは大掛かりな駆動
装置を必要とせず、装置も簡単な構造であるため優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の搬送物の受け渡しを行なうベルトコン
ベアの断面図である。

【図２】本発明の搬送ベルトとして使用されているスパ
イラルベルトの説明図である。

【図３】本発明のスプロケットの実施例を示す平面図で
ある。

【図４】本発明のスプロケットの側面図である。

【図５】本発明の他の実施例のベルト支持板の側面図で
ある。

【図６】搬送物の受け渡しを行なうコンベア装置の従来
例の説明図である。

【図７】搬送物の受け渡しを行なうコンベア装置の他の
従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ 受け渡しベルト ２ 受け渡しベルトの搬送面 ３ ベルト支持板 ４ スプロケット ５ 隣接するベルトコンベア装置 ６ 搬送物 ７ スパイラル線材の螺旋 ８ 連結ロッド ９ スパイラル線材の螺旋と連結ロッドにより形成され
た溝 １０ スプロケットの歯 １１ ロール １２ 搬送媒体の小径ロール １３ 傾斜をつけた板状体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浮田 朝紀 東京都稲城市大丸2220番地 日本フイルコ ン株式会社東京事業所内 (72)発明者 龍野 剛彦 東京都稲城市大丸2220番地 日本フイルコ ン株式会社東京事業所内 (72)発明者 黒川 奉弥 東京都稲城市大丸2220番地 日本フイルコ ン株式会社東京事業所内 Ｆターム(参考） 3F023 BA02 BB01 BC01 BC08 FA02 3F024 CA04 EA03 3F044 AA01 AB12 CD01

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２つのベルトコンベア装置間に配置し、
   エンドレス状の搬送ベルトを用いて該２つのベルトコン
   ベア装置間の搬送物の受け渡しを行うベルトコンベア装
   置であって、該受け渡しベルトの搬送面の下で受け渡し
   ベルトを支えるベルト支持板を、隣接する２つのベルト
   コンベア装置の対向する両端の間に２つのベルトコンベ
   ア装置のコンベアベルトの搬送面と受け渡しベルトの搬
   送面がほぼ同一面を形成するように配置し、該ベルト支
   持板の下方に駆動ロールを配置してエンドレス状の受け
   渡しベルトを搬送面を一辺とした三角形ないし台形を形
   成するようにベルト支持板と駆動ロール間に掛け入れた
   ことを特徴とする搬送物の受け渡しを行うベルトコンベ
   ア装置。
2. 【請求項２】 エンドレス状の受け渡しベルトが金属製
   のスパイラル線材の螺旋を噛み合わせ形成される共通孔
   に連結ロッドを挿通してエンドレス状としたスパイラル
   ベルトであり、駆動ロールをスプロケットとし、スパイ
   ラル線材の螺旋と連結ロッドにより形成される溝にスプ
   ロケットの歯を噛み合わせてベルトを駆動させる構造
   の、請求項１に記載された搬送物の受け渡しを行うベル
   トコンベア装置。
3. 【請求項３】 ベルト支持板のベルト進行方向両端部に
   支持板の厚さとほぼ同じかそれよりも小さな径の回動自
   在なロールを配設した、請求項１または２に記載された
   ベルトコンベア装置。