JP2001315216A - 繊維強化プラスチック成形品の製造法 - Google Patents

繊維強化プラスチック成形品の製造法

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JP2001315216A
JP2001315216A JP2000139321A JP2000139321A JP2001315216A JP 2001315216 A JP2001315216 A JP 2001315216A JP 2000139321 A JP2000139321 A JP 2000139321A JP 2000139321 A JP2000139321 A JP 2000139321A JP 2001315216 A JP2001315216 A JP 2001315216A
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Japan
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molding
acid
resin composition
fiber
mold
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Koichi Yokota
光一 横田
Masahiro Kimura
昌宏 木村
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オープンモールド工法によってFRPを成形
するに際し、ずれ落ちを防止して、生産性や品質に優れ
た成形品を得ることができる繊維強化プラスチック成形
品の製造法を提供する。 【解決手段】 塗料用樹脂を離型剤で処理された成形型
に硬化させた後、スプレイアップ機により成形用樹脂組
成物と繊維強化材を成形型に吹き付ける繊維強化プラス
チック成形品の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ック(以下、FRPと記すことがある)成形品の製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】浄化槽、浴槽などの繊維強化プラスチッ
ク成形品の製造法の中でハンドレイアップ成形法や、ス
プレイアップ成形法のオープンモールド成形法は、常温
常圧で多品種少量生産が可能であり、また、設備費が安
いことから広く採用されている。この中でもスプレイア
ップ成形法は、予め製作した型の表面に離型剤を塗布し
た後、必要に応じてゲルコート層を設け、その表面にガ
ラス繊維等の短繊維(繊維強化材)及び不飽和エステル
等を含む成形用樹脂組成物を吹き付けて繊維補強層を形
成する方法である。この時、成形作業中もしくは作業完
了後に、成形型へ吹き付けた成形用樹脂組成物と繊維強
化材とのずれ落ちやタレなどの問題が発生しやすい。こ
のずれ落ちが発生した場合は、人手作業によって手直し
を行うが、場合によっては成形が不可能となる。また、
手直しをしても、成形品の厚みのバラツキが大きくな
り、優れた成形品を得ることができないため、生産性や
品質確保に問題があった。
【0003】これらの問題を解決する手段として、成形
用樹脂組成物の粘度や揺変性(チクソトロピー)を高く
したり、また、特公昭59−17127号公報には、揺
変性付与剤の添加に加えて四級アンモニウム塩と高分子
非イオン性界面活性剤を組み合わせて添加することによ
り、ずれ落ちを防止する方法が提案されている。しかし
ながら、粘度や揺変性が高くなると、脱泡ロールを用い
て気泡を除去する時に時間がかかることや、作業時の疲
労が激しくなる。さらに、気泡が除去出来ずに残りやす
くなることから、浄化槽では水漏れの不良が発生し易い
という問題がある。また、界面活性剤の添加は、従来の
シリコーン系離型剤や、カルナバーワックスなどの離型
剤を用いた場合には効果があるものの、現在で多く用い
られているポリマー系の離型剤では、厚みが大きくなる
とズレ落ちることから、厚みを薄くして吹き付け、成形
を2〜3度にわける対策を講ずることが必要となるた
め、生産性を低下させる問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オープンモ
ールド工法によってFRPを成形するに際し、ずれ落ち
を防止して、生産性や品質に優れた成形品を得ることが
できる繊維強化プラスチック成形品の製造法を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、塗料用樹脂を
離型剤で処理された成形型に硬化させた後、スプレイア
ップ成形法により成形用樹脂組成物と繊維強化材を成形
型に吹き付ける繊維強化プラスチック成形品の製造法に
関する。また本発明は、塗料用樹脂にアクリルラッカ
ー、不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂を
用いた前記の繊維強化プラスチック成形品の製造法に関
する。また、本発明は塗料用樹脂を成形型に0.01〜
1.0mmの厚さになるように硬化させる前記の繊維強
化プラスチック成形品の製造法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる成形用樹脂組
成物の成分となる不飽和ポリエステル樹脂に特に制限は
ないが、α,β−不飽和多塩基酸を含む酸成分と、アル
コール成分とを反応させて得られる不飽和ポリエステル
を架橋性単量体に溶かしたものが一般的である。用いら
れるα,β−不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等及びこれ
らの酸無水物等の反応性誘導体などが挙げられ、これら
の1又は2以上を使用することができる。α,β−不飽
和多塩基酸の組成比率は、適当な硬化性を与えるため、
酸成分の全体に対して10〜100モル%、好ましくは
30〜80モル%の範囲とされる。必要に応じて、α,
β−不飽和多塩基酸以外の酸成分として、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メ
チルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒド
ロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸、テト
ラブロムフタル酸、トリメリト酸等の飽和酸及びこれら
の酸無水物等の誘導体などが挙げられ、これらの1又は
2以上を酸成分全体に対して90〜0モル%、好ましく
は70〜20モル%の範囲で使用することができる。ま
た必要に応じて、アマニ油、大豆油、トール油、ヒマシ
油等の植物油脂肪酸、グリシジルメタアクリレート又は
グリシジルアクリレート等のエポキシ基を有するメタク
リレート若しくはアクリレート等の変性成分を酸成分の
0〜30重量%の割合で使用しても良い。
【0007】アルコール成分としては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ジブロムネオペンチルグリコール、1,2−プロ
パンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペン
タンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ヘ
キサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−
ヘキサンジオール等の脂肪族グリコール、シクロペンタ
ンジオール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオー
ル、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピ
レンオキシド付加物、キシレングリコール、ジメチルキ
シレングリコール等の芳香族ジオール、ビスプロピレン
グリコールエーテル、ビスブチレングリコールエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリットジ
アリルエーテル等のエーテル類、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコ
ールの1又は2以上を使用することができる。また、必
要に応じてジシクロペンタジエンを用いてもよい。
【0008】不飽和ポリエステルの合成法は、酸成分と
アルコール成分を同時に仕込み縮合反応させる1段合成
法と、一部の酸成分とアルコール成分を縮合反応させ、
途中で、残りの酸成分、アルコール成分を仕込んで反応
させる2段合成法等により行うことができ、製造条件に
特に制限はない。また不飽和ポリエステルの酸価に制限
はないが、成形用樹脂組成物の粘度、成形品の離型性等
を考慮して、好ましくは80〜1mgKOH/g、より
好ましくは30〜5mgKOH/gの範囲とされる。
【0009】本発明で用いられる成形用樹脂組成物の成
分となるビニルエステル樹脂に特に制限はないが、エポ
キシ樹脂と不飽和一塩基酸とを反応させて得られるビニ
ルエステルを架橋性単量体に溶かしたものが一般的であ
る。この合成に用いられるエポキシ樹脂としては、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
AD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、またこれらの水
素化又はハロゲン化物、ビスフェノールAアルキレンオ
キシド付加物のジグリシジルエーテル等のビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタ
レンノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ジプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロー
ルプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコール
類のグリシジルエーテル類、3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−
エポキシシクロヘキサン等の脂環式エポキシ樹脂、フタ
ル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグ
リシジルエステル、ジグリシジルp−オキシ安息香酸、
ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル
類、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テト
ラグリシジルm−キシレンジアミン、トリグリシジルp
−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン等
のグリシジルアミン類、1,3−ジグリシジル−5,5
−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレ
ート等の複素環式エポキシ樹脂、2,2′,4,4′−
テトラグリシドキシビフェニル、ジメチルビスフェノー
ルCジグリシジルエーテル、ビス−β−トリフルオロメ
チルジグリシジルビスフェノールA、グリシジルメタク
リレート等が挙げられ、これらの1又は2以上を使用す
ることができる。
【0010】また不飽和一塩基酸としては、例えば、メ
タクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビ
ン酸、ヒドロキシエチルメタクリレートマレート、ヒド
ロキシエチルアクリレートマレート、ヒドロキシプロピ
ルメタクリレートマレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レートマレート、モノメチルマレート、モノプロピルマ
レート、モノブチルマレート、モノ(2−エチルヘキシ
ル)マレート、ジシクロペンタジエンマレート、アクリ
ル酸ダイマーなどが挙げられ、これらの1又は2以上を
使用することができる。
【0011】またビニルエステルの合成にあたって、必
要に応じて、グリシジルメタアクリレート、グリシジル
アクリレート等のエポキシ基を有する不飽和単量体、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸、
無水マレイン酸、無水イタコン酸等のα,β−不飽和多
塩基酸無水物等の変性成分を使用しても良い。ビニルエ
ステル樹脂合成工程における変性成分を加える時期に特
に制限はないが、変性効果を有効に引き出すため及びビ
ニルエステル合成の効率からエステル化が適当に進んだ
合成途中で変性成分を加えることが好ましい。変性成分
は、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との総量に対して3
0重量%以下の量で使用することが好ましい。
【0012】ビニルエステルの合成条件、その他の製造
条件に特に制限はない。またビニルエステルの酸価に制
限はないが、成形用樹脂組成物の粘度、成形品の離型性
等を考慮して、好ましくは70〜0.1mgKOH/
g、より好ましくは30〜1mgKOH/gの範囲とさ
れる。本発明で用いられる上記の樹脂の含有成分となる
架橋性単量体に特に制限はないが、例えば、スチレン、
ビニルトルエン、p−メチルスチレン、α−メチルスチ
レン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香
族ビニル化合物、クロルスチレン等のハロゲン化スチレ
ン、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、
ラウリル酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸モノ
ビニルエステル類、ジアリルフタレート、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパ
ンまたはトリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これ
らの1又は2以上を使用することができる。これらの中
では、粘度と硬化性のバランスが良いスチレン等の芳香
族ビニル化合物が好ましい。
【0013】ここで、本発明に用いられる成形用樹脂組
成物における架橋性単量体と不飽和ポリエステル又はビ
ニルエステルの割合は総量を100重量部とし、架橋性
単量体が10〜90重量部、不飽和ポリエステル又はビ
ニルエステルが90〜10重量部の範囲とされる。架橋
性単量体が10重量部未満では粘度が高くなり作業性が
悪くなるためであり、90重量部を超えると良好な硬化
性が得られなくなるためである。この理由から、不飽和
ポリエステル又はビニルエステルと架橋性単量体の割合
は、好ましくは、不飽和ポリエステル又はビニルエステ
ル80〜20重量部に対し、架橋性単量体20〜80重
量部、より好ましくは、不飽和ポリエステル又はビニル
エステル70〜30重量部に対し、架橋性単量体30〜
70重量部とし総量が100重量部とされる。
【0014】本発明で用いられる揺変性付与剤の組成と
しては、微細シリカなどの無機質をはじめ、公知のポリ
エステルアミド、エトキシル化したポリアミドなどの有
機質からなる増粘または揺変性付与剤である。本発明に
おける成形用樹脂組成物には、揺変助剤を必要に応じて
用いてもよい。配合量は、成形用樹脂組成物に対して3
重量%以下であることが好ましく、1重量%以下である
ことがより好ましい。揺変助剤の種類としては特に制限
はないが、グリセリン等の多価アルコール等、水酸基を
有する化合物が挙げられる。本発明で用いられる成形用
樹脂組成物には必要に応じて安定剤、脱泡剤、消泡剤な
どの各種添加剤、界面活性剤などを配合しても良い。
【0015】また、本発明の成形用樹脂組成物には、硬
化性を調整するために、2,6−ジターシャリブチルフ
ェノール、2,4−ジメチル−6−ターシャリブチルフ
ェノール、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフ
ェノール等のフェノール類、パラベンゾキノン、トルキ
ノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、2,5−ジ
フェニルパラベンゾキノン等のキノン類、トルハイドロ
キノン、ハイドロキノン、ターシャリブチルカテコー
ル、モノターシャリブチルハイドロキノン、2,5ジタ
ーシャリブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、
ナフテン酸銅等の有機銅塩、アセトアミジンアセテート
等のアミジン類、フェニルヒドラジン塩酸塩等のヒドラ
ジン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等
の第4級アンモニウム塩類等の重合禁止剤、ナフテン酸
コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸マンガン等
の金属石鹸類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ
エチルアニリン等の芳香族3級アミン類、N,N−ジメ
チルアセトアセタミド、N,N−ジエチルアセトアセタ
ミド、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチル
アセトン、ジメドン、ジベンゾイルメタン、アセチルシ
クロペンタン、アセチルブチロラクトン、フェニルジエ
タノールアミン等の硬化促進剤の1種または2種以上を
必要に応じて用いてもよい。その使用量は、要求される
硬化性により適宜決定されるが、成形用樹脂混和物に対
して3重量%以下であることが好ましく、1重量%以下
であることがより好ましい。
【0016】また、本発明の成形用樹脂組成物には、公
知の顔料、染料等の着色剤、模様材等、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム等の内部離型剤、粘度調整
剤、湿潤剤、紫外線吸収剤等の添加成分を必要に応じて
用いてもよい。その使用量は特に制限はないが、好まし
くは成形用樹脂組成物に対して20重量%以下であるこ
とが好ましく、5重量%以下であることがより好まし
い。また、本発明の成形用樹脂組成物には、平均粒径3
0μm以下の酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、酸化アル
ミニウム、炭酸カルシウム、硝子粉末、クレー、タル
ク、カオリン、石英粉末、粉砕石等の無機充填剤等を添
加することができる。その使用量は特に制限はないが、
粘度が高くなり過ぎない範囲とされ、好ましくは成形用
樹脂組成物100重量部に対して100重量部以下であ
ることが好ましく、80重量部以下であることがより好
ましい。
【0017】本発明の成形用樹脂組成物には、さらに低
収縮剤として、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、飽和ポ
リエステル、ポリエチレン、アクリルシラップ、ポリメ
チルメタクリレート等の熱可塑性樹脂及びスチレンブタ
ジエンゴム、ニトリルゴム等の熱可塑性ゴムの1又は2
以上を成形用樹脂組成物100重量部に対し、100重
量部以下、好ましくは50重量部以下の範囲で必要に応
じて加えても良い。また本発明の成形用樹脂組成物を硬
化させる際には、必要に応じて硬化触媒としてメチルエ
チルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパー
オキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパ
ーオキシド類、ベンゾイルパーオキシド、イソブチルパ
ーオキシド等のジアシルパーオキシド類、クメンハイド
ロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド等の
ハイドロパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−
t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド
類、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサノン、2,2−ジ−(t−ブチ
ルパーオキシ)−ブタン等のパーオキシケタール類、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、2,4,4−トリメチル
ペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のア
ルキルパーエステル類、ビス(4−t−ブチルシクロヘ
キシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオ
キシイソブチルカーボネート等のパーカーボネート類等
の有機過酸化物等の1又は2以上併用しても良い。硬化
触媒の種類及び量は、成形温度によって決定されるもの
で、この組み合わせに制限はないが、良好な反応性を得
るため、有機過酸化物を成形用樹脂組成物に対して0.
1〜3重量%用いることが好ましい。
【0018】本発明における繊維強化材としては、特に
制限はなく、公知の各種の繊維強化材及びカップリング
剤で表面処理された繊維強化材を用いることができ、例
えば、ガラス繊維、炭素繊維、有機合成繊維、ウィスカ
ー、セラミック繊維、金属繊維、天然繊維などが挙げら
れる。本発明における塗料用樹脂としては、アクリルラ
ッカー、不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹
脂が用いられる。アクリルラッカーには特に制限はない
が、市販のラッカースプレー等のようにアクリル樹脂に
セルロース類を含むものを用いる。手軽さを考えると、
スプレー方式で成形型に塗布して硬化させるのが好まし
い。
【0019】また、不飽和ポリエステル樹脂及びビニル
エステル樹脂は前述記載の成分からなるもので、硬化触
媒を配合したもの又は含んだものを、羊毛製などのロー
ル等で成形型に塗布して硬化させる。また、スプレイ機
により塗布して硬化させてもよい。本発明の塗料用樹脂
を成形型に硬化させる厚さは、薄い場合には成形時のず
れ落ちが発生しやすく、また、浄化槽の水漏れを防止す
る効果が小さくなり、厚すぎると成形品となった場合に
塗料用樹脂の部分にクラックが発生しやすくなることか
ら、0.01〜1.0mmが好ましく、0.05〜0.
3mmであることがより好ましい。
【0020】また、本発明のFRP成形品の製造は、ス
プレイアップ成形法により、行われるが、この方法で
は、予め製作した成形型の表面に離型剤を塗布硬化し、
その表面に成形用樹脂組成物と繊維強化材を吹き付け、
アルミ製、豚毛製、ジュラコン製などの脱泡ロールを用
いてロール掛けするなどの脱泡作業を行った後に硬化さ
せて行われる。次に、本発明によって製造されるFRP
成形品としては、特に制限はないが、例えば浄化槽、浴
室ユニット(壁、防水パン、天井、エプロン、カウンタ
ー等)、浴槽、洗面台、キッチンカウンター、壁材等の
各種住宅機器、各種のパイプ、タンク製品、梁、グレー
チング等の建設資材、カップ、トレイ等の雑貨品、船
艇、車両部材等の成形品があげられる。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を説明するが、本発明は
これらによって制限されるものではない。なお、例中特
に断らない限り「部」は「重量部」、「%」は「重量
%」を意味する。
【0022】合成例1(不飽和ポリエステル樹脂組成物
Aの製造) 無水マレイン酸5モル、無水フタル酸5モル、ジエチレ
ングリコール4モル、プロピレングリコール6.5モル
を、攪拌機、コンデンサ、温度計及び不活性ガス導入口
付の2リットルの四つ口フラスコに仕込み、窒素ガス導
入下に210℃で常法により反応させた。得られた不飽
和ポリエステル52部にスチレン48部及びこの混合物
に対してハイドロキノン200ppmを加えて不飽和ポ
リエステル樹脂組成物Aを得た。
【0023】配合例1 合成例1で製造した不飽和ポリエステル樹脂組成物A1
00部、揺変剤(シリカ粉、商品名アエロジル#20
0、日本アエロジル(株)製)1.5部、グリセリン
0.1部、6%ナフテン酸コバルト0.4部、5%ナフ
テン酸銅0.01部及びジメチルアニリン0.1部を混
合し、粘度0.4Pa・s、揺変度4.0、ゲル化時間
10分とした成形用樹脂組成物Bを調整した。粘度、揺
変度及びゲル化時間は、JIS K6901に従って測
定した。なお、ゲル化時間の測定に際しては、硬化剤と
してメチルエチルケトンパーオキサイド(商品名パーメ
ックN、日本油脂(株)製)を上記成形用樹脂組成物B
に対して1%となるように用いた。
【0024】配合例2 配合例1で得られた成形用樹脂組成物B100部、炭酸
カルシウム(商品名R重炭、丸尾カルシウム(株)製)
50部を混合し、成形用樹脂組成物Cを得た。
【0025】実施例1 室温が10〜12℃において、成形型に離型剤(商品名
ケムリース70、ケムリースアジア(株)製)を塗布し
て処理した後、塗料用樹脂としてアクリルラッカー(商
品名タミヤカラークリヤ、TAMIYA PLASTI
C CO JAPAN製)を成形型に塗布し、厚さが
0.2mmとなるように硬化させた。さらに成形用樹脂
組成物Bに対して硬化剤1%の割合のメチルエチルケト
ンパーオキサイド(商品名パーメックN、日本油脂
(株)製)及びガラスロービングからなる繊維強化材
(商品名ER3460 RC−SP355A、旭ファイ
バーグラス(株)製)を、成形用樹脂組成物Bと繊維強
化材の総量に対して33%になるように、表1に示す成
形品厚さになるように成形型に塗布して20分間放置し
た後、脱泡して繊維強化プラスチック成形品を得た。
【0026】実施例2〜3 室温が10〜12℃において、成形型に離型剤(商品名
ケムリース70、ケムリースアジア(株)製)を塗布し
て処理した後、塗料用樹脂としてアクリルラッカー(商
品名タミヤカラークリヤ、TAMIYA PLASTI
C CO JAPAN製)を成形型に塗布し、厚さが
0.2mmとなるように硬化させた。さらに成形用樹脂
組成物Cに対して硬化剤1%の割合のメチルエチルケト
ンパーオキサイド(商品名パーメックN、日本油脂
(株)製)及びガラスロービングからなる繊維強化材
(商品名ER3460 RC−SP355A、旭ファイ
バーグラス(株)製)を、成形用樹脂組成物Cと繊維強
化材の総量に対して25%になるように、表1に示す成
形品厚さになるように成形型に塗布して20分間放置し
た後、脱泡して繊維強化プラスチック成形品を得た。
【0027】実施例4〜5 室温が10〜12℃において、成形型に離型剤(商品名
フレコートFRP、巴工業(株)製)を塗布して処理し
た後、塗料用樹脂としてアクリルラッカー(商品名タミ
ヤカラークリヤ、TAMIYA PLASTIC CO
JAPAN製)を成形型に塗布し、厚さが0.1mm
となるように硬化させた。さらに成形用樹脂組成物Cに
対して硬化剤1%の割合のメチルエチルケトンパーオキ
サイド(商品名パーメックN、日本油脂(株)製)及び
ガラスロービングからなる繊維強化材(商品名ER34
60 RC−SP355A、旭ファイバーグラス(株)
製)を、成形用樹脂組成物Cと繊維強化材の総量に対し
て25%になるように、表1に示す成形品厚さになるよ
うに成形型に塗布して20分間放置した後、脱泡して繊
維強化プラスチック成形品を得た。成形用樹脂組成物と
繊維強化材を塗布後、成形中のずれ落ちの有無及びずれ
落ち開始時間を目視により観察し、その結果を表1に示
した。
【0028】比較例1〜2 実施例2〜3に示す方法で、アクリルラッカーを用いず
成形し、成形中のずれ落ちの有無及び成形用樹脂組成物
と繊維強化材を塗布後のずれ落ち開始時間を目視により
観察して、その結果を表2に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明により、オープンモールド工法に
よってFRPを成形するに際し、成形型を処理した離型
剤の影響によるずれ落ちを防止して、生産性や品質に優
れた厚肉の成形品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F205 AA43 AC05 AD04 AD16 AH48 AH49 AJ11 HA04 HA24 HA33 HA37 HA47 HB01 HC05 HC16 HF01 HF24 HK02 HK05 HK16 HK31 HM05 HT03 HT13 HT24 HT27

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料用樹脂を離型剤で処理された成形型
    に硬化させた後、スプレイアップ成形法により成形用樹
    脂組成物と繊維強化材を成形型に吹き付けることを特徴
    とする繊維強化プラスチック成形品の製造法。
  2. 【請求項2】 塗料用樹脂にアクリルラッカー、不飽和
    ポリエステル樹脂、又はビニルエステル樹脂を用いる請
    求項1記載の繊維強化プラスチック成形品の製造法。
  3. 【請求項3】 塗料用樹脂を成形型に0.01〜1.0
    mmの厚さになるように硬化させる請求項1記載の繊維
    強化プラスチック成形品の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7014809B2 (en) 2004-07-30 2006-03-21 Audette Lawrence F Process for making a reusable soft bag for use in infusion processes for making plastic parts

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