JP2001315034A - 自由曲面精密加工ツール - Google Patents

自由曲面精密加工ツール

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JP2001315034A JP2000134427A JP2000134427A JP2001315034A JP 2001315034 A JP2001315034 A JP 2001315034A JP 2000134427 A JP2000134427 A JP 2000134427A JP 2000134427 A JP2000134427 A JP 2000134427A JP 2001315034 A JP2001315034 A JP 2001315034A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツール加工部の接触面を軸心からの一定位置
・範囲に限定することにより定周速・定駆動トルクを得
ることができ、同時に加工位置の精度向上および加工ツ
ール接触面の形状精度維持ができ、これにより汎用性の
ある3軸NC加工装置を用いて自由曲面を効率よく、精
密加工できる自由曲面精密加工ツールを提供する。 【解決手段】 回転軸まわりの回転により下端部が接触
して被加工面を精密加工する自由曲面精密加工ツールで
あって、少なくとも下方に円環状円弧凸面加工部13を
有する円錐台状工具12と、円環状円弧凸面の最下点と
断面円弧の中心とを通る鉛直線Zと、直近にある円錐台
形部の側線がほぼ平行になるように傾けられた回転軸N
で円錐台状工具と工具軸を支持する軸受14とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下端部に円環状円
弧凸面加工部を有し自由曲面を精密加工するための自由
曲面精密加工ツールに関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来の自由曲面加工ツールに
よる自由曲面の加工を模式的に示している。従来の自由
曲面加工ツール1は、例えばボールノーズ砥石またはボ
ールエンドミルであり、下端部に球面状の加工面を有
し、軸心zを中心に回転するようになっている。自由曲
面2は、例えばモールド成形用金型、非球面レンズ、等
であり、自由曲面加工ツール1をその軸心zを中心に高
速回転させながら、その下端部を自由曲面2に沿って相
対的に移動させて自由曲面2を加工(研削または切削)
する。このような加工を繰り返すことにより、金型、非
球面レンズ、等の自由曲面を加工ツール1で自由に加工
することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した自由曲面加工
ツール1は、その軸心zを中心に回転するため、軸心
(半径0)の位置では、加工面の周速がゼロ(0)とな
るため、3軸(X−Y−Z)のNC加工装置を用いて
も、軸心(半径0)の位置が死点となりこの位置では良
好な加工ができない問題点がある。そのため、従来は、
自由曲面加工ツール1を4〜5軸を有する多軸NC加工
装置に取り付け、自由曲面がZ軸に垂直になる部分(例
えばA部)を加工する際には、加工ツール1の軸心zが
Z軸に対して適当な角度を有するようにプログラムを作
成していた。しかし、かかるプログラムの作成は複雑・
困難であるばかりでなく、軸数の増加は一方で誤差の増
大をきたすので、精密加工(高精度・高品位加工)がで
きる4軸以上の多軸NC加工装置は、高価であり、汎用
性に乏しい問題点があった。
【0004】次に、自由曲面加工ツールにより精密加工
を行う場合について説明する。図13は加工部分の図解
であり、理解しやすいように多少拡大して描かれてい
る。切り込み量c(加工深さ)が大きい場合(A)は送
り方向y(ツール移動方向)が鉛直方向でない限り、送
り量d(ツール移動量)の大小に拘わらず接触面eは広
がり、主加工部分は軸心zより離れた位置になるので、
上述の問題は発生しない。しかし、切り込み量cが小さ
い場合(B)、即ち、精密加工においては接触面eが狭
まり、主加工部分が軸心zに近づく上述の問題が発生す
る。更に、接触面eが狭まると同時に接触面eの軸心か
らの距離(回転半径)の大小により周速および必要駆動
トルクが大きく変動することになり、加工面の表面粗度
のむら、びびり(振動による)、加工精度の低下をきた
す問題がある。
【0005】一方、接触面eの狭まりは加工される自由
曲面の特性により、加工ツールの接触位置の局部的集中
や偏りをきたし、加工機能(切れ味)の低下部、接触摩
耗による変形部が局所に集中し、被加工面にその変形を
逆転写したり、表面を荒らしたりすることになる。研削
加工では砥石の適切な摩耗により良好な研削が維持され
ているのであるから、摩耗による変形の修正(ツルーイ
ング、ドレッシング)および加工機能の回復のため、常
時、高精度の修正が不可欠となる。また、正確な加工位
置であるためには、加工ツールの消耗量を設定し、プロ
グラム補正する必要がある。そのため、小刻みな強制的
修正が不可欠となり、球面部の大部分がその修正により
無駄に消費されてしまうのである。
【0006】図13(C),(D)は加工軌跡に垂直な
断面を示している。ピックフィードgを小さくするか、
加工ツールの球面半径を大きくするかして、カブス量h
の微小化または除去を図らなければならないのである
が、加工ツールの球面半径はツール干渉による加工曲面
への傷付けを避けることから、自由曲面中にある最小負
(凹)曲面の曲率以下でなければならないので、加工時
間は増大するものの、ピックフィードgを半ピッチずら
したり小さくする手段を選択さぜるをえない問題があ
る。また、加工ツールの球面半径を小さくすることによ
り、加工位置の精度を向上させることはできるが、反
面、上述の如く加工時間が増大する問題がある。
【0007】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。即ち、本発明の目的は、ツール
加工部の接触面を軸心からの一定位置・範囲に限定する
ことにより定周速・定駆動トルクを得ることができ、同
時に加工位置の精度向上および加工ツール接触面の形状
精度維持ができ、これにより汎用性のある3軸NC加工
装置を用いて自由曲面を効率よく、精密加工できる自由
曲面精密加工ツールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、回転軸
まわりの回転により下端部が接触して被加工面を精密加
工する自由曲面精密加工ツールであって、少なくとも下
方に円環状円弧凸面加工部(13)を有する円錐台状工
具(12)と、該円環状円弧凸面の最下点と断面円弧の
中心とを通る鉛直線Zと、直近にある円錐台形部の側線
がほぼ平行になるように傾けられた回転軸Nで円錐台状
工具と工具軸を支持する軸受(14)とを有する、こと
を特徴とする自由曲面精密加工ツールが提供される。
【0009】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
円錐台状工具(12)は、前記工具軸と軸受に支持され
その回転軸を軸心とする円錐台形部(13b)と、該台
形部の下方に設けられた円環状円弧凸面加工部(13
a)とからなる。また前記円環状円弧凸面加工部(1
3)は、砥石もしくは刃物からなる。砥石は、その結合
材に金属を含む、ことが好ましい。上記本発明の構成に
よれば、自由曲面精密加工ツールが下方に円環状円弧凸
面加工部を有する円錐台状工具と、鉛直線に対し傾きを
もつ回転軸で円錐台状工具と工具軸を支持する軸受とを
有しているので、被加工面に接触する工具の加工面は円
錐台状工具(12)の円環状円弧凸面(13a)の最下
部に限定され、この部分は円錐台状工具の軸心Nから遠
く狭い部分の外径部に位置するため周速・駆動トルクが
ほぼ一定し、良好な精密加工ができる。また、円環状円
弧凸面(13)の垂直断面下方円弧半径を小さくし、加
工位置の精度を高めることができると同時に、円錐台状
工具の回転軸Nを傾けることにより円環状円弧凸面の前
面投影輪郭(Y軸方向投影)が横楕円となり、ピックフ
ィードを大きくすることができ、加工時間を短縮でき
る。このことにより、汎用性のある3軸NC加工装置を
用いて、自由曲面を効率よく、精密加工することができ
る。
【0010】さらに円環状曲面加工部(13)の最下点
と垂直断面下方円弧の中心とを通る鉛直線Zと、直近に
ある円錐台形部の側線がほぼ平行になるように傾けられ
ているので、加工部の摩耗および修正による消耗が鉛直
線に沿って進行し、最下点の水平方向位置は近似的に変
わらない。また、鉛直方向の消耗量も周速、駆動トル
ク、時間の摩耗特性から容易に算出できることから、加
工位置の制御プログラムの補正はZ軸についてのみ行え
ばよく、しかも、平易に行える。このことにより、円錐
台状工具の材料効率よい使用および自由曲面精密加工の
3軸NC制御プログラムの作成が平易にできる。
【0011】また、精密加工ではツール加工部の接触面
が小さいことから、加工に有効・最小なツール加工部で
あればよく、ツール加工部の薄肉化により、材料節約お
よび該加工部の高精度管理ができる。しかしながら、反
面、振動発生の主原因である剛性不足をきたすことにな
る。この課題を解決するため、円環状円弧凸面加工部
(13)の内外側に直接、加工に関わらない結合材もし
くは被加工面を損傷せず、容易に摩耗する材料からなる
非加工部を設け、剛性補強を図ったものである。かかる
構造の円錐台状工具により、振動発生を防止するのみな
らず、自由曲面精密加工の更なる精度向上が図れる。
【0012】また、前記円錐台状工具(12)を回転軸
周りに回転させる駆動手段を有する。この円錐台状工具
の駆動手段は、直結したタービン又はモータ、もしく
は、ギヤ、フリクションホイル、フレキシブルジョイン
ト、流体継手、等の軸角度変換継手を介して駆動力が伝
達されるタービン、モータ、又は外部駆動軸からなる。
この構成により、被加工材と該加工ツールとの干渉もな
く、円錐台状工具の回転軸を設定された傾斜角に固定で
き、一つの制御軸が省略される。従って、汎用性のある
3軸NC加工装置の使用を確実にするものである。
【0013】更に、円錐台状工具の円環状円弧凸面加工
部を修正する修正手段を有する。この修正手段は、砥石
もしくは、電解または放電手段、又はこれらの複合手段
からなることが好ましい。また、前記修正手段は、被加
工材の加工と同時に機能するのがよい。この構成によ
り、砥石、電解、放電等の修正手段により、好ましくは
被加工材の加工と同時に円環状円弧凸面加工部を修正す
ることができ、精密加工を長時間継続することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付して重複した説明を省略す
る。図1は、本発明による自由曲面精密加工ツールの第
1実施形態を示す図である。本発明の自由曲面精密加工
ツール10は、回転軸Nまわりの回転により下端部が接
触して被加工面2(図12参照)を加工するようになっ
ている。なお、以下の実施形態では、被加工面2が自由
曲面精密加工ツール10の下方に位置し、この自由曲面
精密加工ツール10の下端部で加工する場合について説
明するが、本発明はこれに限定されず、自由曲面精密加
工ツール10の水平または上向きに用いてその水平端部
または上端部で加工する場合にもそのまま適用すること
ができる。
【0015】図1に示すように本発明の自由曲面精密加
工ツール10は、円錐台状工具12と工具軸12aと軸
受14とを有している。円錐台状工具12は、少なくと
も下方に円環状円弧凸面加工部13aを有する。また、
軸受14は、円環状円弧凸面加工部13aの最下点と断
面下方円弧の中心Oを通る鉛直な線Zに傾きを持つ回転
軸Nで円錐台状工具12を回転可能に支持している。な
お、この図で11は、ツール本体であり、NC加工装置
のヘッド(図示せず)に取付けられ、その軸心zを中心
に回動できるようになっている。
【0016】更に、この図において、円錐台状工具12
は、軸受14に支持され、その回転軸Nを軸心とする円
錐台筒部13bと、円錐台筒部13bの下方に設けられ
た円環状円弧凸面加工部13aとからなる。線Zは、円
環状円弧凸面加工部13aの修正による加工位置の水平
方向狂いを防ぐため、3軸の鉛直軸であるZ軸と一致さ
せることが好ましい。また、金型のキャビティ等の実際
の加工では、自由曲面精密加工ツール10を軸心zまわ
りに回動させてツール本体11および円錐台状工具12
の干渉を防ぐため、軸心zと線Zは一致させるか、また
は近距離に位置することが好ましい。
【0017】円環状円弧凸面加工部13aは、砥石もし
くは刃物からなるのがよい。円環状円弧凸面加工部13
aが砥石である場合には、その結合材に金属を含むこと
が好ましい。この構成により、円環状円弧凸面加工部1
3aで電解ドレッシング加工を行うことができ、精密加
工を能率よく行うことができる。軸受14は、ボールベ
アリング、ローラベアリング、ニードルベアリング、ジ
ャーナルベアリング等が用いられ、円錐台状工具12を
回転軸Nを中心に精度よく回転させるようになってい
る。
【0018】図1において、本発明の自由曲面精密加工
ツール10は、円錐台状工具12を回転軸Nの周りに回
転させる駆動手段16を有している。この駆動手段16
は、この実施形態では、工具軸12aに取付けられた遠
心タービン16Aであり、ツール本体11の導通孔11
aから供給される切削液3によりタービン16Aを駆動
するようになっている。タービン16Aを通過した切削
液3は、工具軸12aの中心孔から円環状円弧凸面加工
部13aの表面へ供給される。
【0019】なお、本発明の駆動手段16は、かかる遠
心タービンに限定されず、別の形式のタービン又はモー
タもしくは、ギヤ、フリクションホイル、フレキシブル
ジョイント、流体継手等の軸角度変換継手および変速機
構を介して、駆動力が伝達されるタービン、モータ又は
外部駆動軸であってもよい。
【0020】更に、本発明の自由曲面精密加工ツール1
0は、円錐台状工具12の円環状円弧凸面加工部13a
を修正する修正手段20を有する。この修正手段20
は、電極21および印加装置22からなる。電極21
は、円環状円弧凸面加工部13aと隙間を隔てて対向す
る円環状円弧凹面21aを有し、その間に導電性液(切
削液3)を流すようになっている。また、印加装置22
は円環状円弧凸面加工部13aと電極21との間に電圧
を印加するようになっている。なお、図1における印加
装置22は、ツール本体11の内部を通して、円環状円
弧凸面加工部13aと電極21に電気的に接続し、絶縁
部24で絶縁している。
【0021】この構成により、導電性砥石13aにより
被加工面を研削しながら同時に導電性砥石13aの表面
を電解ドレッシングにより修正することができる。な
お、本発明の修正手段20は、かかる構成に限定され
ず、修正手段20を砥石もしくは、電解または放電手
段、又はこれらの複合手段としてもよい。また、本発明
の構成によれば、加工工具の回転軸Nの傾きとX-Y-Z
軸の方向により、加工前面投影輪郭線の見かけ半径を自
在に変えることもできる。
【0022】図2は、本発明の自由曲面精密加工ツール
の第2実施形態図である。この例では、円錐台状工具1
2を回転軸Nの周りに回転させる駆動手段16は、外部
駆動軸16Bとフレキシブルジョイント17Aとの組合
せからなる。その他の基本構成は図1と同様である。
【0023】図3は、本発明の自由曲面精密加工ツール
の第3実施形態図である。この例では、駆動手段16
は、直流モータ16Cと傘歯車17Bとの組合せからな
る。その他の基本構成は図1と同様である。
【0024】図4は、本発明の自由曲面精密加工ツール
の第4実施形態図である。この例では、駆動手段16
は、外部駆動軸16Bと傘歯車17Cとの組合せからな
る。その他の基本構成は図1と同様である。
【0025】図5は、本発明の自由曲面精密加工ツール
の第5実施形態図である。この例では、駆動手段16
は、外部駆動軸16Bと流体継手17Dとの組合せから
なる。その他の基本構成は図1と同様である。
【0026】図6は、本発明の自由曲面精密加工ツール
の第6実施形態図である。この例の円錐台形工具12で
は、円環状円弧凸面加工部13aと円錐台形部13bの
内側に直接、加工に関わらない非加工部13cが補強材
として設けられている。
【0027】図7は、本発明の自由曲面精密加工ツール
の第7実施形態図である。この例の円錐台形工具12で
は、図6と同様に円環状円弧凸面加工部13aと円錐台
形部13bの内側に直接、加工に関わらない非加工部1
3cが補強材として設けられている。図6とは、円錐台
形部13bと非加工部13cの断面形状が相違する。
【0028】図8は、本発明の自由曲面精密加工ツール
の第8実施形態図である。この例の円錐台形工具12で
は、円環状円弧凸面加工部13aと円錐台形部13bの
外側に直接、加工に関わらない非加工部13cが補強材
として設けられている。
【0029】図9は、本発明の自由曲面精密加工ツール
の第9実施形態図である。この例の円錐台形工具12で
は、図8と同様に円環状円弧凸面加工部13aと円錐台
形部13bの外側に直接、加工に関わらない非加工部1
3cが補強材として設けられている。図8とは、円錐台
形部13bと非加工部13cの断面形状が相違する。
【0030】図10は、本発明の自由曲面精密加工ツー
ルの第10実施形態図である。この例の円錐台形工具1
2では、円環状円弧凸面加工部13aと円錐台形部13
bの内外側に直接、加工に関わらない非加工部13cが
補強材として設けられている。
【0031】図11は、本発明の自由曲面精密加工ツー
ルの第11実施形態図である。この例の円錐台形工具1
2では、図10と同様に円環状円弧凸面加工部13aと
円錐台形部13bの内外側に直接、加工に関わらない非
加工部13cが補強材として設けられている。図10と
は、円錐台形部13bと非加工部13cの断面形状が相
違する。
【0032】上述した本発明の構成によれば、被加工面
に接触する工具の加工面は円錐台状工具12の円環状円
弧凸面13aの最下部に限定され、この部分は円錐台状
工具の軸心Nから遠く狭い部分の外径部に位置するため
周速・駆動トルクがほぼ一定し、良好な精密加工ができ
る。
【0033】また、円環状円弧凸面13の垂直断面下方
円弧半径を小さくし、加工位置の精度を高めることがで
きると同時に、円錐台状工具の回転軸Nを傾けることに
より円環状円弧凸面の前面投影輪郭(Y軸方向投影)が
横楕円となり、ピックフィードを大きくすることがで
き、加工時間を短縮できる。このことにより、汎用性の
ある3軸NC加工装置を用いて、自由曲面を効率よく、
精密加工することができる。
【0034】さらに円環状曲面加工部13の最下点と垂
直断面下方円弧の中心とを通る鉛直線Zと、直近にある
円錐台形部の側線がほぼ平行になるように傾けられてい
るので、加工部の摩耗および修正による消耗が鉛直線に
沿って進行し、最下点の水平方向位置は近似的に変わら
ない。また、鉛直方向の消耗量も周速、駆動トルク、時
間の摩耗特性から容易に算出できることから、加工位置
の制御プログラムの補正はZ軸についてのみ行えばよ
く、しかも、平易に行える。このことにより、円錐台状
工具の材料効率よい使用および自由曲面精密加工の3軸
NC制御プログラムの作成が平易にできる。
【0035】また、円環状円弧凸面加工部13の内外側
に直接、加工に関わらない結合材もしくは被加工面を損
傷せず、容易に摩耗する材料からなる非加工部を設け、
剛性補強を図った構造の円錐台状工具により、振動発生
を防止するのみならず、自由曲面精密加工の更なる精度
向上が図れる。
【0036】また、種々の円錐台状工具の駆動手段によ
り、被加工材と加工ツールとの干渉もなく、円錐台状工
具の回転軸を設定された傾斜角に固定でき、一つの制御
軸が省略される。従って、汎用性のある3軸NC加工装
置の使用を確実にするものである。
【0037】更に、円錐台状工具の円環状円弧凸面加工
部を修正する修正手段を有する構成により、砥石、電
解、放電等の修正手段により、好ましくは被加工材の加
工と同時に円環状円弧凸面加工部を修正することがで
き、精密加工を長時間継続することができる。
【0038】なお、本発明は上述した実施形態及び実施
例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更できることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】上述したように本発明は、高精度、高品
位な加工、すなわち精密加工における諸問題を解決する
ために、(1)加工周速とトルク、(2)加工工具の整
形、(3)加工位置の精度、の3つの観点をもって創案
されたものである。
【0040】すなわち本発明により以下の効果が得られ
る。 (1)軸心における周速が0となる球状工具の欠点が、
本発明の構成により解決される。 (2)球状工具の加工位置(接触角)の相違により回転
半径は相違し、周速・トルクが大きく変動する問題が、
解決される。 (3)切り込み量が小さい場合、自由曲面の形状的特性
により発生する球状工具の加工位置の偏り、不確実性の
問題が、本発明の構成により解決される。 (4)加工工具の消耗の方向付けと計量を可能にし、加
工位置の精度を高めるプログラム補正作業が単純化され
る。 (5)加工工具の加工部の最小化、位置限定により、加
工工具の修正作業の敏速性と精度を高め、よりELID
研削の効果が発揮できる。 (6)加工工具の回転軸の傾きとX-Y-Z軸の方向によ
り、加工前面投影輪郭線の見かけ半径を自在に変えるこ
とができる。すなわち加工工具の回転軸zをZ軸回りに
旋回する制御軸を追加することにより、加工進行中に自
由凹曲面の曲率に対応して、加工工具のY軸方向投影曲
率を自在に変え、ピックフィードの調節、加工工具の干
渉を防ぐ効果を得ることができる。このことは加工前に
設定した加工工具を終了まで一貫して使用でき、加工工
具の取り替えなど、加工工程の断点における誤差発生を
防止することができる。 (7)加工工具の2ピース化、内外面の補強、サンドイ
ッチ構造などの本発明の構成により、工具加工部の薄肉
化ができ、高価な研削材の節約と同時に精密な加工が可
能となる。 (8)加工工具の回転軸が加工のために1つのみであ
り、駆動力を傾きを有する回転軸に伝達する種々の機構
を選択できる。
【0041】従って、本発明の自由曲面精密加工ツール
は、ツール加工部の接触面を軸心からの一定位置・範囲
に限定することにより定周速・定駆動トルクを得ること
ができ、同時に加工位置の精度向上および加工ツール接
触面の形状精度維持ができ、これにより汎用性のある3
軸NC加工装置を用いて自由曲面を効率よく、精密加工
できる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自由曲面精密加工ツールの第1実
施形態を示す図である。
【図2】本発明の自由曲面精密加工ツールの第2実施形
態図である。
【図3】本発明の自由曲面精密加工ツールの第3実施形
態図である。
【図4】本発明の自由曲面精密加工ツールの第4実施形
態図である。
【図5】本発明の自由曲面精密加工ツールの第5実施形
態図である。
【図6】本発明の自由曲面精密加工ツールの第6実施形
態図である。
【図7】本発明の自由曲面精密加工ツールの第7実施形
態図である。
【図8】本発明の自由曲面精密加工ツールの第8実施形
態図である。
【図9】本発明の自由曲面精密加工ツールの第9実施形
態図である。
【図10】本発明の自由曲面精密加工ツールの第10実
施形態図である。
【図11】本発明の自由曲面精密加工ツールの第11実
施形態図である。
【図12】従来の自由曲面加工ツールによる自由曲面加
工を模式図である。
【図13】図12の加工部分の説明図である。
【符号の説明】
1 自由曲面加工ツール 2 自由曲面 3 切削液 10 自由曲面精密加工ツール 11 ツール本体 11a 導通孔 12 円錐台形工具 13,13a 円環状円弧凸面加工部 13b 円錐台筒部(円錐台形部) 13c 補強材 14 軸受 16 駆動手段 16A タービン 16B 外部駆動軸 16C モータ 17A フレキシブルジョイント 17B 内歯車列 17C 傘歯車列 17D 流体継手 18 変速機構 20 修正手段 21 電極 21a 電極の球面状内面部 22 印加装置 24 絶縁部 25 シールパッキン 26 ベアリング c 切り込み量 d 送り量 e 接触面 g ピックヒィード h カブス量 y 送り方向 N 回転軸 X,Y 水平方向軸(直角座標系における) Z 鉛直軸 z 自由曲面加工ツールの軸心 O 円弧の中心 R 円弧の半径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山木 英教 埼玉県久喜市南5−5−30 池上金型工業 株式会社内 Fターム(参考) 3C047 AA13 AA16 AA25 AA26 3C048 BB14 3C049 AA04 AA09 AA19 CB01 3C059 AA02 AB01 HA08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸まわりの回転により下端部が接触
    して被加工面を精密加工する自由曲面精密加工ツールで
    あって、 少なくとも下方に円環状円弧凸面加工部(13)を有す
    る円錐台状工具(12)と、該円環状円弧凸面の最下点
    と断面円弧の中心とを通る鉛直線Zと、直近にある円錐
    台形部の側線がほぼ平行になるように傾けられた回転軸
    Nで円錐台状工具と工具軸を支持する軸受(14)とを
    有する、ことを特徴とする自由曲面精密加工ツール。
  2. 【請求項2】 前記円錐台状工具(12)は、前記工具
    軸と軸受に支持されその回転軸Nを軸心とする円錐台形
    部(13b)と、該台形部の下方に設けられた円環状円
    弧凸面加工部(13a)とからなり、該加工部の消耗が
    鉛直線に沿って進行し、最下点の水平方向位置の狂いが
    生じない、ことを特徴とする請求項1に記載の自由曲面
    精密加工ツール。
  3. 【請求項3】 前記円環状円弧凸面加工部(13)は、
    砥石もしくは刃物からなる、ことを特徴とする請求項1
    記載の自由曲面精密加工ツール。
  4. 【請求項4】 前記砥石は、その結合材に金属を含む、
    ことを特徴とする請求項3記載の自由曲面精密加工ツー
    ル。
  5. 【請求項5】 前記円環状円弧凸面加工部(13)の内
    外側に直接、加工に関わらない非加工部を設けた、こと
    を特徴とする請求項1記載の自由曲面精密加工ツール。
  6. 【請求項6】 前記非加工部は、結合材もしくは被加工
    面を損傷せず、容易に摩耗する材料からなる、ことを特
    徴とする請求項5記載の自由曲面精密加工ツール。
  7. 【請求項7】 前記円錐台状工具(12)を回転軸周り
    に回転させる駆動手段(16)を有する、ことを特徴と
    する請求項1記載の自由曲面精密加工ツール。
  8. 【請求項8】 前記円錐台状工具の駆動手段(16)
    は、直結したタービン又はモータ、もしくは、ギヤ、フ
    リクションホイル、フレキシブルジョイント、流体継手
    等の軸角度変換継手を介して駆動力が伝達されるタービ
    ン、モータ又は外部駆動軸からなる、ことを特徴とする
    請求項7記載の自由曲面精密加工ツール。
  9. 【請求項9】 更に、円錐台状工具の円環状曲面加工部
    (13a)を修正する修正手段を有する、ことを特徴と
    する請求項1記載の自由曲面精密加工ツール。
  10. 【請求項10】 前記修正手段は、砥石もしくは、電解
    または放電手段、又はこれらの複合手段からなる、こと
    を特徴とする請求項9記載の自由曲面精密加工ツール。
  11. 【請求項11】 前記修正手段は、被加工材の加工と同
    時に機能する、ことを特徴とする請求項9記載の自由曲
    面精密加工ツール。
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