JP2000084780A - Nc加工機 - Google Patents

Nc加工機

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JP2000084780A
JP2000084780A JP10252942A JP25294298A JP2000084780A JP 2000084780 A JP2000084780 A JP 2000084780A JP 10252942 A JP10252942 A JP 10252942A JP 25294298 A JP25294298 A JP 25294298A JP 2000084780 A JP2000084780 A JP 2000084780A
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Akifumi Horiie
章史 堀家
Tomoo Minami
智雄 南
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸対称曲面形状の加工に際し、曲面頂点付近
での加工精度の低下が防止できるNC加工機を提供す
る。 【解決手段】 回転させたワーク43に対して、二つの
送り軸で支持された刃物台73に送りを与え、ワーク4
3の外面又は内面を曲面形状に輪郭付け加工するNC加
工機41において、二つの送り軸のそれぞれを、ワーク
43の回転軸に対して45゜以上90゜以下の角度を成
して配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転ワークの外面
又は内面を曲面形状にコンタリング加工するNC加工機
(CNC旋盤、CNC研削盤、CNCドレス装置等)に
関し、更に詳しくは、送り方向の逆転に伴い低下する曲
面精度の改善技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転ワークの外面又は内面を曲面形状に
コンタリング(輪郭付け)加工するものとして、NC加
工機がある。NC加工機には、更にNC旋盤、NC研削
盤、NCドレス装置等がある。例えば、NC旋盤は、ワ
ークを回転させ、工具に送りを与えて切削する旋削(tur
ning)を行う。また、NCドレス装置は、砥石を回転さ
せ、ドレッサーに送りを与えて砥石表面を研削するドレ
ッシングを行う。近年、このNC旋盤やNCドレス装置
には、コンピュータ数値制御(computerized numerical
control)を行う小形コンピュータを内蔵したCNC旋
盤、CNCドレス装置が普及している。
【0003】例えばこのCNC旋盤1は、従来、図14
に示すように、ワーク3をチャックする主軸5と、この
主軸5に対して工具7を平行・垂直に送る二軸駆動のN
Cスライド9を備える。NCスライド9は、主軸5に平
行な送りを行うZ軸スライド11と、主軸5に垂直な送
りを行うX軸スライド13を有する。
【0004】Z軸スライド11は、不図示のベッドに固
定され主軸5に対して平行なリニアガイド15と、主軸
5に対して平行に配設されボールネジサポート17に両
端が回転自在に支持されたZ軸駆動用ボールネジ19
と、このZ軸駆動用ボールネジ19を回転させるZ軸駆
動用サーボモータ21と、リニアガイド15にスライド
自在に支持されZ軸駆動用ボールネジ19によって駆動
されるZテーブル23とからなる。
【0005】X軸スライド13は、Z軸スライドと同等
に構成され、Zテーブル23上に主軸5に対して垂直方
向に固定され、X軸駆動用ボールネジ27を回転させる
X軸駆動用サーボモータ29を備え、Xテーブル31の
上面に刃物台33が取り付けられている。
【0006】このCNC旋盤1は、ワーク3を軸対称曲
面に旋削する場合、加工するワーク3をチャックした主
軸5に対し、NC装置で制御されたそれぞれのZ、X軸
駆動用サーボモータ21、29によって、図15に示す
ように、Z、Xスライド23、31を主軸5に対して平
行、垂直にスライドさせる。これにより、Xスライド3
1上の刃物台33に取り付けられた工具7の先端を曲線
状に動作させて、ワーク3を所望の曲面形状に旋削して
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た主軸に対して平行、垂直にスライドする二軸駆動のス
ライドを有した従来のCNC旋盤は、図16に示す曲面
(例えば、玉軸受内外輪の軌道面)を加工する場合、そ
の曲面の頂点付近で、X、Z軸駆動用ボールネジを駆動
するX、Z軸駆動用サーボモータ(上述の従来例では、
X軸駆動用サーボモータ)が反転動作を行うことにな
る。即ち、制御軸の象限切替えが行われ、この動作によ
り曲面精度が悪化する問題があった。これに対し、各N
C装置メーカーでは、制御系を工夫することにより、こ
のような象限切替えに伴う精度悪化の改善に努めてい
る。ところが、この曲面の頂点付近では、両スライドの
いずれかが前進から後退に変化するため、機械的な送り
系で発生するバックラッシは避けられず、曲面の頂点付
近での高精度化に限界があった。例えば、玉軸受の軌道
面の仕上加工をCNC旋盤で行う場合、象限切替えによ
り数μmの形状誤差35(図16)が発生し、高精度な
玉軸受けを旋削することができなかった。本発明は上記
状況に鑑みてなされたもので、軸対称曲面形状の加工に
際し、曲面頂点付近での加工精度の低下が防止できるN
C加工機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るNC加工機は、回転させたワークに対し
て、二つの送り軸で支持された刃物台に送りを与え、前
記ワークの外面又は内面を曲面形状に輪郭付け加工する
NC加工機において、前記二つの送り軸のそれぞれが、
前記ワークの回転軸に対して45゜以上90゜以下の角
度を成して配設されたことを特徴とする。
【0009】このNC加工機では、二つの送り軸のそれ
ぞれが、ワークの回転軸に対して45゜以上90゜以下
の角度を成して配設されることで、途中で制御軸が増加
から減少、又は減少から増加と逆転せず、曲面の輪郭加
工において、象限切り換えが不要となり、これに伴う精
度的不具合が発生しなくなる。
【0010】そして、NC加工機は、前記二つの送り軸
同士の成す角度が、前記円弧両端の接線の交わる角度と
同等又はそれより小さいことが好ましい。
【0011】このNC加工機では、二つの送り軸のそれ
ぞれが、ワークの回転軸に対して45゜以上90゜以下
の角度を成して配設され、且つ二つの送り軸同士の成す
角度が、円弧両端の接線の交わる角度と同等又はそれよ
り小さく設定され、二つの送り軸同士の成す角度が、円
弧両端の接線の交わる角度より大きい場合に発生し得る
制御軸の逆転が全て排除される。
【0012】また、NC加工機は、前記二つの送り軸同
士の成す角度が、90゜以下であってもよい。
【0013】このNC加工機では、二つの送り軸同士の
成す角度が、90゜以下に設定されることで、加工対象
曲面の法線変化角度が90゜以上である曲面加工が、制
御軸の象限切り換えを必要とせず行えるようになる。
【0014】更に、NC加工機は、前記二つの送り軸同
士の成す角度が、60゜以上90゜未満であることが好
ましい。
【0015】このNC加工機では、二つの送り軸同士の
成す角度が、60゜以上90゜未満に設定されること
で、高い送り精度を確保する必要がなくなり、且つ変曲
点を生じさせないための実用溝設計条件が満たされるよ
うになる。
【0016】また、NC加工機は、前記二つの送り軸の
それぞれと、前記ワークの回転軸との成す角度が異なる
ものであってもよい。
【0017】このNC加工機では、ボール溝R形状が回
転軸と直交する軸に対して非対称に形成される例えばア
ンギュラー玉軸受等のボール溝R仕上げ加工にも象限切
り換えなく対応可能になる。
【0018】また、NC加工機は、回転させた砥石に対
して、二つの送り軸で支持されたドレッサーに送りを与
え、前記砥石の外面又は内面を曲面形状に輪郭付け加工
するNC加工機において、前記二つの送り軸のそれぞれ
が、前記砥石の回転軸に対して45゜以上90゜以下の
角度を成して配設されたことを特徴とするものであって
もよい。
【0019】このNC加工機では、上述の請求項1のN
C加工機作用と同様、制御軸が増加から減少、又は減少
から増加と逆転せず、曲面の輪郭加工において、象限切
り換えが不要となり、精度のよいボール溝R形状の砥石
への転写が可能になる。
【0020】また、NC加工機の加工方法は、回転させ
たワークに対して、二つの送り軸で支持された刃物台に
送りを与え、前記ワークの外面又は内面を曲面形状に輪
郭付け加工するNC加工機の加工方法において、前記二
つの送り軸のそれぞれを、前記ワークの回転軸に対して
45゜以上90゜以下の角度を成して配設し、前記刃物
台を、該二つの送り軸のそれぞれの送り方向によって合
成される方向で送り、該刃物台に取り付けた工具によっ
て前記ワークの外面又は内面を曲面形状に輪郭付け加工
するものである。
【0021】このNC加工機の加工方法では、途中で制
御軸が増加から減少、又は減少から増加と逆転せず、曲
面の輪郭加工において、象限切り換えが不要となる。こ
れにより従来技術では避けられなかった軸対称曲面の曲
面頂点付近での機械的バックラッシが皆無となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るNC加工機の
好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図
1は本発明に係るCNC旋盤の第1実施形態の構成を示
す平面図である。図1に示すように、本実施形態に係る
NC加工機(CNC旋盤)41は、ワーク43をチャッ
キングする主軸45と、この主軸45に対して工具47
を送る二軸駆動のNCスライド49を備える。NCスラ
イド49は、主軸45に対して45゜の角度を成して送
りを行うZ軸スライド51と、このZ軸スライド51に
対して90゜のスライド交差角を成し、且つ主軸45に
対して45゜の角度を成して送りを行うX軸スライド5
3とを有する。
【0023】Z軸スライド51は、不図示のベッドに固
定されたリニアガイド55と、該リニアガイド55に対
して平行に配設されボールネジサポート57に両端が回
転自在に支持されたZ軸駆動用ボールネジ59と、この
Z軸駆動用ボールネジ59を回転させるZ軸駆動用サー
ボモータ61と、リニアガイド55にスライド自在に支
持されZ軸駆動用ボールネジ59によって駆動されるZ
テーブル63とからなる。
【0024】X軸スライド53は、Zテーブル63に固
定されたリニアガイド65と、該リニアガイド65に対
して平行に配設されボールネジサポート66に両端が回
転自在に支持されたX軸駆動用ボールネジ67と、この
X軸駆動用ボールネジ67を回転させるX軸駆動用サー
ボモータ69と、リニアガイド65にスライド自在に支
持されX軸駆動用ボールネジ67によって駆動されるX
テーブル71と、Xテーブル71の上面に取り付けられ
る刃物台73とからなる。尚、図1中のγは、二つの送
り軸のそれぞれが主軸45と成す角を示し、また、βは
2軸スライド駆動軸の交差するスライド交差角を示して
いる。本実施形態におけるβは90゜で、γは45゜で
ある。
【0025】次に、このように構成されたCNC旋盤4
1の作用を説明する。図2に、溝Rの円弧角が90゜以
下の場合における移動工具座標値の増減を説明する図を
示した。図2において、Aは玉軸受け内輸の外径及びボ
ール溝R部の輪郭、Bは玉軸受け外輪の内径及びボール
溝R部の輪郭とする。
【0026】ここで、ボール溝R部の円弧角を2φ、ボ
ール構R部両端の接線が成す角度をαとすると、(1)
式の関係が成り立つ。 α=π−2φ (1) ここで、(1)式と2φ≦90゜の関係をから、β(9
0゜)≦αとなり、Aの輸郭加工時はXスライド軸、及
びZスライド軸共に、明らかに単調な増加、減少制御で
加工できる。
【0027】即ち、加工途中で制御軸が増加から減少、
又は減少から増加と逆転することはない。従って、Aの
輪郭加工においては象限切り換えが不要であり、これに
伴う精度的不具合は発生しない。Bの輪郭加工において
も同様に象限切り換えが不要であり、これに伴う精度的
不具合は発生しない。例えば、スライド交差角βが90
゜で、2φが90゜である場合は、αが90゜になり、
β≦αの条件を満足するため、高精度に加工が可能とな
る。
【0028】従って、このCNC旋盤41では、軸対称
曲面の法線変化角度が90゜以下の加工(例えば図3の
玉軸受け内輪で2φ≦90゜に相当)に対し、X軸スラ
イド53、Z軸スライド51の駆動軸が、主軸45とそ
れぞれ45゜になるように配置されることで、制御軸の
象限切り換えを必要とせずに、高精度に曲面加工を行う
ことができる。
【0029】図4は本実施形態のCNC旋盤による玉軸
受け内輪のボール溝加工方法の説明図である。図4に示
すように、玉軸受け内輸の端面A1、外径及び軌道面A
2の加工時において、A1はX、Z軸の直線補間動作
で、A2は直線、円弧、直線補間動作で各スライド軸を
駆動して加工が行われる。この場合、制御軸の逆転動作
が必要ないため、従来の2軸制御旋盤では不可能であっ
た象限切り換えのない理想的曲面での加工が可能にな
る。
【0030】また、図5は本実施形態のCNC旋盤によ
る玉軸受け外輪のボール溝加工方法の説明図である。図
5に示すように、玉軸受け外輸の端面B1、外径及び軌
道面B2の加工時においても、内輸の時と全く同様の加
工が可能になる。即ち、B1はX、Z軸の直線補間動作
で、B2は直線、円弧、直線補間動作で各スライド軸を
駆動して加工が行われる。そして制御軸の逆転動作が必
要ないため、従来の2軸制御旋盤では不可能であった象
限切り換えのない理想的曲面での加工が可能になる。
【0031】従って、上述のCNC旋盤41によれば、
従来技術では避けられなかった軸対称曲面ワーク旋削時
の曲面頂点付近でのスライド前後動による機械的バック
ラッシが皆無となり、曲面頂点付近での精度悪化を防止
することができる。
【0032】次に、本発明に係るNC加工機の第2実施
形態を説明する。図6は本発明に係るCNC旋盤の第2
実施形態を示す平面図である。本実施形態に係るNC加
工機(CNC旋盤)81は、図6に示すように、ワーク
43をチャックする主軸45と、この主軸45に対して
工具47を送る二軸駆動のNCスライド49を備える。
このNCスライド49は、Z軸スライド51と、X軸ス
ライド53との交差角βが、β<90゜に設定されてい
る。他の構成は、上述のCNC旋盤41と同様である。
【0033】次に、このCNC旋盤81の作用を説明す
る。図7は溝Rの円弧角が90゜以上で180゜より小
さい場合における移動工具座標値の増減を説明する図で
ある。図7によれば、本実施形態では、ボール溝深さが
図2の場合より深いワーク43に対しての加工が可能と
なる。そして、この際、後述の説明により明らかとなる
ように、スライド交差角βをβ≦αとすることが条件と
なる。
【0034】まず、図7に示すように、直交座標軸x、
zとスライド方向X、Yに関して、x軸−X軸のなす角
度、z軸−Z軸の成す角度をそれぞれθとすると、 θ=45゜−(β/2) (2) が成り立つ。
【0035】ここで、図8に直交するx、z軸と、この
x、z軸に対して傾斜したX、Z軸との相関図を示し
た。図8によれば、 z=Zcosθ+Xsinθ (4) x=Zsinθ+Xcosθ (5) であるから、(4)式にsinθ、(5)式にcosθ
を乗じると、 zsinθ=Zcosθ・sinθ+Xsin2 θ (6) xcosθ=Zsinθ・cosθ+Xcos2 θ (7) となり、さらに(6)式から(7)式を減算すると、 zsinθ−xcosθ=X(sin2 θ−cos2 θ) (8) となる。即ち、Xは、 X=(xcosθ−zsinθ)/(cos2 θ−sin2 θ) (9) で表すことができ、同様にZは、 Z=(zcosθ−xsinθ)/(cos2 θ−sin2 θ) (10) で表すことができる。従って、X、Y軸に対しては、
(9)、(10)式で変換した値で制御すればよい。
【0036】ここで、図9に示すS→T→Uの経路にお
いて、Xs→Xt→Xuの範囲でXが減少し続ける条件
は、X軸のz軸に対する傾きより、S点の接線gとz軸
との成す角ψ1が大きいことが条件となる。即ち、接線
gの傾きψ1は、 ψ1={(π/2)−φ}+{(β/2)+θ} (11) であり、X軸のz軸に対する傾きは、β+θであるか
ら、 {(π/2)−φ}+{(β/2)+θ}≧β+θ ∴β≦π−2φ (12) となる。π−2φはαと等しいので、結局、(13)式
が条件となる。 β≦α (13)
【0037】同様に、Z座標に対しても、S→T→Uの
経路において、Zu→Zt→Zsの範囲でzが増加し続
ける条件は、Z軸のx軸に対する傾きより、U点の接線
fとx軸との成す角ψ2が大きいことが条件となる。従
って、Zの増加条件についても(13)式が成立するこ
とになる。
【0038】さらに、このことを図10及び図11を用
いて補足的に説明する。図10はスライド交差角βがπ
−2φより大きい場合のX、Z値の増減を説明する図
で、図11はスライド交差角βがπ−2φより小さい場
合のX、Z値の増減を説明する図である。尚、図1に示
した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複する
説明は省略するものとする。まず、図10に示すβ>π
−2φの場合、例えば、Aの形状をスライド軸Z、Xで
コンタリングするとき、円弧部P1からP8まで連続し
てコンタリングする際のP1〜P8に対応する点Z1〜
Z8と、X1〜X8の座標を考える。この場合、図10
から明らかなように、P1→P2→P3→・・・→P7
→P8のX、Z座標の増分は、表1に示すようになる。
【0039】
【表1】
【0040】即ち、P1〜P3の間でZの増分は正負反
転し、送り駆動系の象限切り換えが発生する。同様に、
P6〜P8の間でX'の増分は正負反転し、送り駆動系
の象限切り換えが発生する。つまり、β>π−2φの場
合、象限切り換えによりバックラッシが発生し、加工精
度の低下が避けられない。
【0041】一方、図11に示すβ≦π−2φの場合、
例えば、Aの形状をスライド軸Z、Xでコンタリングす
るとき、円弧部P1からP6まで連続してコンタリング
する際のP1〜P6に対応する点Z1〜Z6と、X1〜
X6の座標を考える。この場合、図11から明らかなよ
うに、P1→P2→P3→・・・→P5→P6のX、Z
座標の増分は、表2に示すようになる。
【0042】
【表2】
【0043】即ち、P1〜P6の間でZ、Xの増分は正
負切り換わることなく一様である。このため、送り駆動
系の象限切り換えは発生しない。つまり、β≦π−2φ
の関係を有するスライドを用いれば、象限切り換えは発
生せず、高精度の加工が可能になる。
【0044】そして、このx、z座標系において、β≦
π−2φ(β≦α)なる関係を満足する限り、第1実施
形態と同様の効果を得ることができる。例えば、2φ=
120゜の場合はα=60゜であるため、β≦60゜と
すればよい。このとき、β=60゜にすると、ボール溝
Rの輪郭加工時はX、Zスライド軸制御において、象限
切り換えが不要となり、これに伴う精度不良は発生しな
い(両スライド駆動軸と主軸の成す角度γは60゜にと
る)。
【0045】従って、このCNC旋盤81によれば、ス
ライド交差角度βを90゜以下にし、且つ主軸軸方向と
両スライド駆動軸方向を適切にすることにより、加工対
象曲面の法線変化角度が90゜以上の曲面加工を、制御
軸の象限切り換えを必要とせず行うことができる。
【0046】尚、βと2φとは、β≦π−2φであるこ
とから、下記の関係にある。 〔β〕 〔2φ〕 0゜ 180゜以下 30゜ 150゜以下 60゜ 120゜以下 90゜ 90゜以下 ・ ・ 180゜ 0゜以下
【0047】ここで、CNC旋盤の理論的範囲は、0<
β≦90゜であるから、2φは、90゜〜180゜の範
囲となる。そして、βの下限値としては、以下のことが
考慮される。即ち、βが90゜より十分に小さくなる
と、高い送り精度が求められる。これは、2軸スライド
の直進成分が工具の送り量に近づくので、スライド移動
量の制御が困難となるためである。また、2φの実用範
囲としては、120゜程度までカバーできればよい。一
方、βの上限値としては、以下のことが考慮される。即
ち、90゜を越えると、変曲点を生じさせないための2
φが90゜以下となり、実用溝設計条件を満たさなくな
る。これらのことから、二つの送り軸同士の成す角度β
は、60゜以上90゜未満であることが好ましい。
【0048】次に、本発明に係るNC加工機の第3実施
形態を説明する。図12は本発明に係るCNC旋盤の第
3実施形態を示す平面図、図13は図12に示した加工
部の拡大図である。尚、図1に示した部材と同一の部材
には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものと
する。
【0049】この実施形態に係るNC加工機(CNC旋
盤)91は、図12に示すように、上述の第1実施形態
に係るCNC旋盤41の両スライド駆動軸と主軸45と
の成す角γを非対称にした旋盤である。即ち、二つの送
り軸のそれぞれと、主軸45との成す角度が、γ1とγ
2の異なるものとなっている。他の構成は、上述のCN
C旋盤41と同様である。
【0050】このCNC旋盤91によれば、両スライド
駆動軸を非対称配置することにより、例えば、図13の
S−T−UのR形状に示すようなボール溝R形状が、玉
軸受け回転軸と直交する軸に対して非対称に形成される
アンギュラー玉軸受95等のボール溝R仕上げ加工にも
象限切り換えなく対応することができる。
【0051】次に、本発明に係るNC加工機の第4実施
形態を説明する。この実施形態に係るNC加工機は、図
示は省略するが、上述のワーク43を砥石、工具47を
ドレッサーに置き換えた、玉軸受ボール溝R研削盤用の
ドレス装置として構成される。即ち、回転させた砥石に
対して、二つの送り軸で支持されたドレッサーに送りを
与え、砥石の外面又は内面を曲面形状に輪郭付け加工す
る。そして、このドレッサーにおいても、上述のNC加
工機の場合と同様、二つの送り軸のそれぞれを、砥石の
回転軸に対して45゜以上90゜以下の角度を成して配
設してある。このNC加工機(ドレッサー)によれば、
象限切り換えなく精度のよいボール溝R形状を砥石に転
写することができる。
【0052】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るNC加工機は、二つの送り軸のそれぞれを、ワークの
回転軸に対して45゜以上90゜以下の角度を成して配
設したので、玉軸受けのボール溝R部の旋削、研削、砥
石ドレス加工を、NCスライドの象限切り換えせずに行
うことができ、従来技術では避けられなかった曲面頂点
付近でのスライド前後動による機械的バックラッシを皆
無にすることができる。この結果、象限切り換えによる
加工形状誤差を回避でき、曲面頂点付近での精度悪化を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCNC旋盤の第1実施形態を示す
平面図である。
【図2】溝Rの円弧角が90゜より小さい場合における
移動工具座標値の増減を説明する図である。
【図3】玉軸内輪のボール溝R加工時における円弧角の
説明図である。
【図4】第1実施形態のCNC旋盤による玉軸受け内輪
のボール溝加工方法の説明図である。
【図5】第1実施形態のCNC旋盤による玉軸受け外輪
のボール溝加工方法の説明図である。
【図6】本発明に係るCNC旋盤の第2実施形態を示す
平面図である。
【図7】溝Rの円弧角が90゜以上で180゜より小さ
い場合における移動工具座標値の増減を説明する図であ
る。
【図8】直交するx、z軸と、このz、z軸に対して傾
斜したX、Z軸との相関図である。
【図9】X、Z軸上でのX、Z値の増減条件を説明する
図である。
【図10】スライド交差角がπ−2φより大きい場合の
X、Z値の増減を説明する図である。
【図11】スライド交差角がπ−2φ以下の場合のX、
Z値の増減を説明する図である。
【図12】本発明に係るCNC旋盤の第3実施形態を示
す平面図である。
【図13】図12に示した加工部の拡大図である。
【図14】従来のCNC旋盤を示す平面図である。
【図15】図14に示した加工部の拡大図である。
【図16】従来のCNC旋盤で加工される玉軸受け軌道
面の断面図である。
【符号の説明】
43、95 ワーク 73 刃物台 41、81、91 NC加工機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転させたワークに対して、二つの送り
    軸で支持された刃物台に送りを与え、前記ワークの外面
    又は内面を曲面形状に輪郭付け加工するNC加工機にお
    いて、 前記二つの送り軸のそれぞれが、前記ワークの回転軸に
    対して45゜以上90゜以下の角度を成して配設された
    ことを特徴とするNC加工機。
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