JP2001311232A - 温湿度調整機能付き住宅 - Google Patents

温湿度調整機能付き住宅

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JP2001311232A
JP2001311232A JP2000129816A JP2000129816A JP2001311232A JP 2001311232 A JP2001311232 A JP 2001311232A JP 2000129816 A JP2000129816 A JP 2000129816A JP 2000129816 A JP2000129816 A JP 2000129816A JP 2001311232 A JP2001311232 A JP 2001311232A
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Japan
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air
space
temperature
indoor
humidity
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JP2000129816A
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Yukinobu Nomura
幸悦 野村
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NOMURA HOUSE KK
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NOMURA HOUSE KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冬季における暖房された屋内空間の湿度を比較
的高く維持する。 【解決手段】外断熱構造を有する基礎部11と側壁部2
1と屋根部31とにより包囲されて屋内空間が形成さ
れ、屋内空間に複数の部屋が形成される。床下空間18
からそれぞれの部屋を経由して屋根裏空間61に空気を
導く第1空気流路と屋根裏空間から床下空間に屋内空気
を導く第2空気流路とを有し、基礎部にヒータ17が埋
設され、水又は湯の蒸気を第1空気流路に送出可能な浴
槽52aが浴室52に設けられ、戸枠63aの上下の隙
間のみ外気に連通するガラス戸63がはめ込まれ、屋根
裏空間61から屋外に排出可能な排気口41が設けられ
る温湿度調整機能付き住宅である。除湿冷却した空気を
送出可能なエアコン66と床下空間の空気を第1空気流
路に送出可能な送風機54を設けることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に寒冷地又は高
地に設けられる住宅に関する。更に詳しくは従来の高断
熱及び高気密性に加えて温度及び湿度を調整する機能を
有する住宅に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、主に寒冷地や高地に適した住宅と
して、断熱材を多用した高気密性で高断熱性のものが種
々提案されている。これらの住宅では、屋内におけるス
トーブ等の暖房装置により暖められた熱が屋外に放散さ
れることを防止し、主に冬季における暖房の効率を向上
させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、冬季に屋内を
ストーブ等の装置により暖房すると、湿度がきわめて低
くなる不具合がある。即ち、寒冷地や高地における冬季
の外気温が0度以下の状態では、外気の湿度が50%で
も絶対湿度は少なく、このような空気を冬季に屋内で暖
房するとその湿度は更に低下し室内において約20℃に
暖房しているような状態ではその相対湿度は約20%程
度しかない。このような乾燥空気下では、人間の喉の粘
膜の炎症や風邪のウイルスの繁殖を招く不具合がある。
また、ストーブ等の装置による暖房では、屋内空簡にお
ける温度分布は上に行くほど温度が高くなるが、人間の
頭部は放熱機能を有しており、足は温度センサの役割を
担っており、遺伝子的に冬は頭寒足熱の温度分布状態に
することが望まれる。更に、人間の快眠の条件としては
室温が10〜15℃であって、湿度が50%程度である
といわれており、冬季における暖房下における湿度調節
は人間の健康を保つための居住を目的とする住宅に関し
ては重要である。本発明の目的は、主として冬季におけ
る暖房された屋内空間の湿度を比較的高く維持すること
のできる温湿度調整機能付き住宅を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、地盤10a上に設けられ外断熱構造
を有する基礎部11とこの基礎部11の上に外気を遮断
するように設けられた側壁部21とこの側壁部21の上
に屋根裏空間61が形成されるように設けられた屋根部
31とにより包囲されて断熱性及び気密性を有する屋内
空間が形成され、屋内空間に複数の部屋56,58及び
浴室52が形成された住宅である。屋内空間は基礎部1
1に包囲される床下空間18からそれぞれの部屋52,
56,58を経由して屋根裏空間61に空気を導く第1
空気流路と屋根裏空間61からそれぞれの部屋を経由す
るか或いは経由することなく床下空間18に屋内空気を
導く第2空気流路とを有し、基礎部11にこの基礎部1
1を加熱可能なヒータ17が埋設され、浴室52の扉5
2bを開放した状態で貯えた水又は湯の気化熱による蒸
気を第1空気流路に送出可能な浴槽52aが浴室52に
設けられ、側壁部21に閉止状態で戸枠63aの上下の
隙間のみ外気に連通する断熱性及び気密性を有する引き
違いガラス戸63がはめ込まれた開口部21aが設けら
れ、屋根部31に第1空気流路を通過した空気を屋根裏
空間61から屋外に排出可能な排気口41が設けられた
ことを特徴とする温湿度調整機能付き住宅である。
【0005】この請求項1に係る発明では、厳寒期にヒ
ータ17により基礎部11を加熱して床下空間18の空
気を加熱し、その空気を床下空間18から第1空気流路
に送出する。これにより第1空気流路に存在する各部屋
又は第1空気流路及び第2空気流路に存在する各部屋を
暖房する。一方、浴室52に流入した床下空間18にお
ける空気は、浴槽52aに貯えた水又は湯の気化熱によ
る蒸気とともに浴室の扉52bから第1空気流路に送出
され、暖房された屋内空間における湿度を比較的高く維
持する。また、屋内空間における通常の換気は、側壁部
21の開口部21aに設けられた引き違いガラス戸63
の戸枠63aの上下の隙間から行うことができ、屋根裏
空間61から屋内空間における空気を排気口41から外
部に排出すれば、比較的短時間に効率よく換気すること
もできる。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、除湿冷却した空気を送出可能なエアコン6
6と、床下空間18の空気を第1空気流路に送出可能な
送風機54が床下空間18に設けられた温湿度調整機能
付き住宅である。この請求項2に係る発明では、夏季に
エアコン66により除湿冷却した空気を床下空間18に
送出させ、その空気を送風機54により床下空間18か
ら第1空気流路に送出させることにより各部屋を冷房す
る。この場合、湿度が比較的高い場合には浴槽52aに
蓋をするか、或いは浴室の扉52bを閉じることにより
湿度の上昇を抑制する。これにより夏季の室内空間にお
ける温度及び湿度の調整が可能になる。
【0007】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、側壁部21に外気と屋内空気がそれ
ぞれ保有する温度及び湿度を互いに交換する全熱交換型
換気扇64が設けられた温湿度調整機能付き住宅であ
る。この請求項3に係る発明では、屋内空気の温度を変
化させることなく屋内空間の換気を可能にする。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、本発明の住宅1
0は、基礎部11と、側壁部21と屋根部31により包
囲されて断熱性及び気密性を有する屋内空間が形成され
る。図2に示すように、基礎部11は、地盤10aを所
定の形状に掘削成形し、断熱材である合成樹脂発泡板1
2を船底形に組み立てて基礎梁13部分及び基礎スラブ
14部分に鉄筋16の組み上げ及び型枠組みを行い、そ
の後コンクリートを打設することにより作られる船底形
基礎である。この基礎部11は合成樹脂発泡板12によ
り断熱性及び気密性が確保された外断熱構造に形成され
る。
【0009】合成樹脂発泡板12の材料としては、例え
ばポリスチレン発泡体,硬質ウレタン発泡体,フェノー
ル発泡体等が用いられ、この厚みは、地域毎の設計環境
温度等から要求される断熱性能によって決められるが、
通常は50mm〜100mm程度のものが使用される。
基礎スラブ14上にはモルタルコンクリート19により
ヒータ17が埋設される。この実施の形態におけるヒー
タ17は電力により加熱するシーズヒータが使用され、
基礎梁13により包囲され、基礎スラブ14及び後述す
る一階の床材47により上下方向から挟まれる床下空間
18における空気はこのヒータ17により加熱可能に構
成される。なお、基礎部11が形成された後に図示しな
い型枠は除去され、必要に応じて基礎部11の外周部分
には埋土若しくは盛土が行われる。
【0010】側壁部21は基礎部11の全周囲における
基礎梁13上に設けられ、外気を遮断して基礎スラブ1
4上方の空間を包囲して屋内空間を形成するように設け
られる。側壁部21は土台22及び柱23を有し、外壁
通気層24が形成される。土台22及び柱23はいわゆ
る乾燥材が使用され、人体に悪い防虫防蟻・殺虫剤等の
使用された木材は使用されない。土台22は基礎梁13
の上面に必要に応じてパッキン22aを敷設した後固定
される。柱23はその土台22上に組み上げられ、土台
22及び柱23の外側全面には断熱板26が貼着され
る。この断熱板26と基礎部11における発泡板12と
の接合部分には発泡ウレタン26aにより気密処理が施
され、床下空間18が外気から遮断されるように成形さ
れる。柱23の外側全面に貼着された断熱板26の外側
には外壁通気層24を形成するために、厚み20mm程
度の縦胴縁27が所定の間隔をあけて設けられ、この縦
胴縁27に外壁材28が固定される。断熱板26と外壁
材28の間の縦胴縁27により形成される空隙により外
壁通気層24が形成され、その下端部は地盤10aに近
い部分において開口し、後述する屋根通気層39にその
上端が開口される。
【0011】図3に示すように、屋根部31は桁材3
2、第1及び第2タルキ33,36を有し、側壁部21
の上に形成される。桁材32、第1及び第2タルキ3
3,36もいわゆる乾燥材が使用され、人体に悪い防虫
防蟻・殺虫剤等の使用された木材は使用されない。桁材
32は柱23の上端部に設けられ、第1タルキ33は桁
材32の上方に適宜の支持によって所定の傾斜で組み上
げられる。第1タルキ33の上には断熱ボード34が全
面に貼り付けられる。側壁部21における断熱板26の
上端部と断熱ボード34の接続部の外側には、気密テー
プ35を貼付けることによりその部分の気密性を確保し
た後、テープ35の室内側に形成される空間に硬質ウレ
タン34aを充填することによりこの接続部分における
気密性及び断熱性を確保する。断熱ボード34の上方に
は第2タルキ36で空隙を保持して杉材等の野地板37
が張られ、その上に屋根材として例えばアスファルトル
ーフィング38を設けることにより屋根部31が形成さ
れる。屋根部31の端面は外壁材28によって塞がれ、
第2タルキ36で形成された空隙は屋根通気層39とし
て下端部において外壁通気層24に連通される。
【0012】図4に示すように、屋根部31の最頂部に
は排気口41が設けられる。排気口41は野地板37及
びアスファルトルーフィング38の最頂部における隙間
41aと後述する断熱ボード34の最頂部における排気
孔34bにより構成される。野地板37及びアスファル
トルーフィング38には、この隙間41aを覆うように
棟包み下地42がリッヂベンツ43を介して固定され
る。この実施の形態における棟包み下地42は外側がス
テンレス板等の板金42aにより被覆され、リッヂベン
ツ43はポリプロピレン材からなりハニカム状通路43
aを有するものが使用される。棟包み下地42の固定は
丸針44を打ちつけることにより行われる。リッヂベン
ツ43は、隙間41aから上昇する気流をハニカム状通
路43a内に円滑に導くことができるように形成され、
暴風雨時に屋根部31上を吹き上げる雨水が隙間41a
内に流入することを防止するため、隙間41aの端部に
は板金からなる水返し45が設けられる。
【0013】このような側壁部21と屋根部31では、
太陽光により外壁材28及び屋根材38が加熱され、そ
の裏面に熱伝導して外壁通気層24及び屋根通気層39
内の空気を暖めても、その空気は煙突現象によって上昇
し屋根通気層24の最上位置における隙間41aから外
部に連続的に排出される。このため、基礎部11と側壁
部21と屋根部31により包囲されて形成された屋内空
間は断熱性及び気密性が確保される。
【0014】図1に戻って、この屋内空間には床材47
や天井材48及び内壁材49が張られ、更に仕切壁材5
1により仕切られて複数の部屋56,58及び浴室52
が形成される。床材47や天井材48及び内壁材49を
張る前に下端が床下空間18に開口するエアダクト53
が鉛直方向に配設され、床下空間18には送風機54及
び第1エアコン66が予め設けられる。送風機54はエ
アダクト53の下端に接続して設けられ、第2エアコン
66は空気を除湿冷却してこの除湿冷却した空気を床下
空間18に送出可能に構成される。その後床材47や天
井材48及び内壁材49が張られ、屋内空間は更に仕切
壁材51により仕切られて複数の部屋が形成される。こ
こで、天井材48、内壁材49及び仕切壁材51等は大
気汚染物質吸収建材であるいわゆるクリーンボードが使
用され、室内のホルムアルデヒト等の刺激ガスや、アン
モニア等の悪臭ガスを吸収させて常に奇麗な室内空間を
保つように構成される。この実施の形態では、浴室52
の他、一階居間56及びこの居間56に階段57を介し
て移動可能な2階居室58が形成され、その他図示しな
いトイレ、台所等が形成される。台所に設置される煮炊
き等に使用される熱源は電気式のものが使用され、ガス
等のいわゆる化石燃料を使用する熱源は使用されない。
【0015】1階床材47の所定箇所には、それぞれの
部屋と床下空間18を連通する暖気グリル59が設けら
れ、2階床材47の所定箇所には、2階居室58と一階
におけるそれぞれの部屋を連通する暖気グリル59が設
けられる。一方、階段57下の1階床材47には、床下
空間18に屋内空気を導く比較的大型の吸入グリル60
が設けられる。また、2階居室58に設けられた天井材
48にも暖気グリル59が設けられ、ダクト53の上端
は天井材48近傍の2階居室58に開口するように構成
される。天井材48と屋根部31の断熱ボード34で包
囲された屋根裏空間61と2階居室58は天井材48に
設けられた暖気グリル59により連通される。屋根裏空
間61を形成する屋根部31の断熱ボード34には、図
4に示すように、隙間41aに対応する位置に排気口4
1を構成する排気孔34bが形成され、この排気孔34
bには屋根裏空間61における空気を排気口41を介し
て屋外に排出可能な電動ファン62が設けられる。
【0016】図1に戻って、床材47や天井材48及び
仕切壁材51により仕切られた屋内空間には、ヒータ1
7で加熱された空気が床下空間18から暖気グリル59
を介して浴室52及び1階居間56に流入し、2階床材
47に設けられた暖気グリル59から2階居室58に流
入し、その後2階居室58の天井材48に設けられた暖
気グリル59を通過して屋根裏空間61に導く第1空気
流路が形成される。屋根部31に設けられた電動ファン
62を駆動すると、第1空気流路を通過して屋根裏空間
61に達した空気は、排気口41である排気孔34b及
びアスファルトルーフィング38等の隙間41aから外
部に排出されるように形成される。
【0017】一方、階段57周囲の吸入グリル60上方
における上下方向に延びる空間は屋根裏空間61まで上
昇した空気を床下空間18に戻す第2空気流路を形成す
る。即ち、屋根裏空間61まで上昇した空気は、階段上
方に位置する天井材48に設けられた暖気グリル59か
ら2階居室58に戻り、階段57周囲の空間を下方に移
動して階段57下に設けられた吸入グリル60から床下
空間18に戻るように構成される。なお、床下空間18
に設けられた送風機54は、床下空間18における空気
を吸引してダクト53の内部にその下端から送風するよ
うに構成され、その空気はダクトの上端から第1空気流
路の途中である2階居室58の天井材48近傍に送出可
能に構成される。
【0018】浴室52には浴槽52aが設けられ、床下
空間18における空気はこの浴室52にも流入するた
め、この浴室の扉52bを開放した状態では、浴槽52
aに貯えた水又は湯の気化熱による蒸気が扉52bから
1階居間56等からなる第1空気流路に送出するように
構成される。また、1階居間56における側壁部21の
階段57近傍には外部に通じる開口部21aが形成さ
れ、この開口部21aには閉止状態で戸枠63aの上下
の隙間のみ外気に連通する断熱性及び気密性を有する引
き違いガラス戸63がはめ込まれる。更に、2階居室5
8の側壁部21には外気と屋内空気がそれぞれ保有する
温度及び湿度を互いに交換する全熱交換型換気扇64が
設けられ、この換気扇64に隣接して主に夏季における
屋内空間の除湿を目的とする第2エアコン67が設けら
れる。
【0019】このように構成された住宅10は気密性及
び断熱性に優れた完全な外断熱構造のいわゆるノンスト
レス住宅になり、基礎部11を蓄熱体として使用するこ
とにより屋内空間の温度調整を行うことができる。即
ち、外断熱構造を有する基礎部11は床下空間18に導
入された冷気若しくは暖気の顕熱を蓄熱し、外気の影響
が少ない安定的な季節毎の主たる熱源として用いられ
る。この船底形基礎部11では、地盤10a側のコンク
リート面が全て発泡板12で覆われ風雨や地盤10aの
湿気に直接晒されず、また、コンクリートの全てが室内
側となり、基礎部11自体が夏冬通じて比較的一定の温
度条件に保たれるため、基礎部11そのものの耐久性が
向上する。また、鉄筋16入りの基礎部11全体で荷重
を地盤10aに伝達する構造であるため、軟弱地盤での
耐震性を向上することもできる。
【0020】即ち、外気温の変動が比較的激しい春季及
び秋期にあって、外気温が比較的高いときには相対的に
低い基礎蓄熱部によって相対的に温度の低い床下空間の
空気が第1空気流路に送出されることにより冷房効果を
得、外気温が低いときには相対的に高い基礎蓄熱部によ
って相対的に温度の高い床下空間の空気が第1空気流路
に送出されることにより暖房効果を得る。また、昼夜の
温度変化が激しい場合では、外気温が比較的高い昼間に
は相対的に温度の低い床下空間の空気が第1空気流路に
送出されることにより冷房効果を得、そして夜間にな
り、室温のゆるやかな低下と共にこの逆作用が働き、基
礎部11がゆっくり放熱を始めて夜間における暖房効果
を得るようになる。よって本発明の住宅では、たとえ外
気温が急激に変動しても、熱容量の非常に大きなコンク
リートを用いた基礎部11の性質を利用した蓄熱と放熱
のサイクルを都合よく利用することにより、極めて変動
の少ない室内空間を仕上げることができる。
【0021】厳寒期においては、ヒータ17により基礎
部11を直接加熱する。基礎部11が昇温することによ
り、床下空間18の空気は加熱され、夜間電力を使用す
れば経済的な基礎蓄熱型低温輻射暖房が可能になる。即
ち、ヒータ17で間接的に加熱された空気は床下空間1
8から暖気グリル59を介して浴室52及び一階居間5
6に流入し更に2階居室58に流入して各部屋を暖め
る。このように下方から暖房されるため、上に行くほど
温度が低い自然温度分布となり、従来各部屋に設けられ
ていたストーブ等の暖房機器による暖房と異なり、無理
な対流や送風を行うことなく頭寒足熱の温度分布状態が
実現される。また、この住宅10は側壁部21及び屋根
部31により高い断熱性及び気密性を有するので、その
熱は全室に循環し、温度むらを生じることがなくなるほ
か、高効率の空調を行うことができる。また、外壁から
室内壁に冷熱が伝熱することがなく、屋内に温度むらを
生じないことから、結露を生じることはなく、かびやダ
ニの発生は防止され、居住者のぜんそくやアトピー性皮
膚炎等のアレルギー性病気の発生を防ぐこともできる。
【0022】一方、床下空間18における空気の一部は
浴室52に流入する。空気は調和機能を有する生気体で
あり、おおよそ日本の気候条件ではその湿度を50%〜
60%に保とうとするものである。このため、浴室の扉
52bを開放した状態にすることにより、浴槽52aに
貯えた水又は湯の気化熱による蒸気は扉52bから一階
居間56等からなる第1空気流路にその空気とともに送
出される。よって、寒冷地や高地における冬季の外気温
が0度以下の状態であっても、本発明の住宅では暖房さ
れた屋内空間における湿度を比較的高く維持することが
でき、人間の喉の粘膜の炎症や風邪のウイルスの繁殖を
抑制することができる。屋内空間における通常の換気
は、側壁部21に設けられた全熱交換型換気扇64を用
いて行われる。この換気扇64は、外気と屋内空気がそ
れぞれ保有する温度及び湿度を互いに交換する全熱交換
型であるので、換気することにより屋内空間の温度が低
下することを防止できる。また、換気については、側壁
部21の開口部21aに設けられた引き違いガラス戸6
3の戸枠63aの上下の隙間からも行うことができ、戸
枠63aの隙間から流入した外気はは階段57下に設け
られた吸入グリル60から床下空間18に流入し、ヒー
タ17により暖められた後各部屋を暖房するようにな
る。
【0023】逆に、夏季においては、第1エアコン66
により除湿冷却した空気を床下空間18に送出させる。
この空気は基礎部11を冷却するとともに、床下空間1
8から第1空気流路に暖気グリル59を介して流入し、
各部屋を冷房する。この場合、床下空間18に設けられ
た送風機54及び屋根部31に設けられた電動ファン6
2をそれぞれ駆動することが好ましい。屋内空間の温度
より低い温度の床下空間18における空気は、冬季と異
なり比重差により2階居室58にまで上昇することが期
待できないからである。即ち、送風機54を駆動する
と、ダクト53を介して床下空間18における空気は第
1空気流路の途中である2階居室58の天井材48近傍
に送出され屋内空間における全ての部屋を有効に冷房す
ることができ、電動ファン62を駆動すれば煙突現象に
より屋根裏空間61の上部にまで上昇した比較的暑い空
気はその屋根裏空間61から排気口41を介して外部に
排出され、床下空間18で冷却された空気が屋内空間を
上昇することを助ける。
【0024】この場合、冷熱は、内壁材49、床材4
7、天井材48等を通って外へ伝熱しようとするが、そ
の熱は住宅10の外囲全周に設けた断熱板26によって
伝熱が遮断され、熱の放散は防止される。一方、湿度が
比較的高い場合には浴槽52aに蓋をするか、或いは浴
室の扉52bを閉じ、湿度の上昇を抑制する。必要であ
る場合には、2階居室58に設けられた第1エアコン6
7を駆動して夏季における屋内空間を更に除湿する。ま
た、日中においては太陽光により外壁材28及び屋根材
38が加熱されてその熱が裏面に伝導するが、室内側に
は外壁通気層24及び屋根通気層24が存在するので、
これらの加熱された空気は全て煙突現象もしくは外気風
力により無動力で上昇し、外壁通気層24の最下部に設
けた開口から吸入する地盤10a近傍の空気と共に外壁
通気層24、屋根通気層24を通り、屋根通気層24の
最上部に設けた棟換気のハニカム状通気路を通って外部
に排出されるので、その熱が室内空間に伝導することは
ない。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、床
下空間からそれぞれの部屋を経由して屋根裏空間に空気
を導く第1空気流路と、その屋根裏空間から床下空間に
屋内空気を導く第2空気流路とを有し、基礎部を加熱可
能なヒータを埋設したので、床下空間の加熱された空気
は第1空気流路に送出され、冬季における屋内空間の各
部屋を有効に暖房することができる。暖房の際、浴室の
扉を開放した状態で貯えた水又は湯の蒸気を第1空気流
路に送出可能な浴槽を設けたので、浴室に流入した床下
空間における空気は、浴槽に貯えた水又は湯の蒸気を浴
室の扉から第1空気流路に送出するので、暖房された屋
内空間における湿度を比較的高く維持することができ
る。また、側壁部に戸枠の上下の隙間のみ外気に連通す
る引き違いガラス戸がはめ込まれた開口部設けたので、
通常の換気をこの戸枠の上下の隙間から行うことがで
き、屋根部に屋根裏空間から屋外に排出可能な排気口を
設けたので、この排気口を開放すれば比較的短時間に効
率よく換気をすることもできる。
【0026】また、外気を除湿冷却して除湿冷却した空
気を第2空気流路に送出可能なエアコンを設け、その空
気を第1空気流路に送出可能な送風機を設ければ、夏季
に除湿冷却した空気が床下空間から第1空気流路に流入
して各部屋を冷房することもできる。この場合、湿度が
比較的高い場合には浴槽に蓋をするか、或いは浴室の扉
を閉じることにより湿度の上昇を抑制することができ、
夏季の室内空間における温度及び湿度の調整が可能にな
る。更に、側壁部に外気と屋内空気がそれぞれ保有する
温度及び湿度を互いに交換する全熱交換型換気扇を設け
れば、温度及び湿度をあまり変化させることなく屋内空
間の換気を可能にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における住宅を示す断面
図。
【図2】図1のA部拡大断面図。
【図3】図1のB部拡大断面図。
【図4】図1のC部拡大断面図。
【符号の説明】
10 住宅 10a 地盤 11 基礎部 17 ヒータ 18 床下空間 21 側壁部 21a 開口部 31 屋根部 41 排気口 52 浴室(部屋) 52a 浴槽 52b 扉 54 送風機 56 一階居間(部屋) 58 2階居室(部屋) 61 屋根裏空間 63 ガラス戸 63a 戸枠 64 全熱交換型換気扇 66 エアコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04H 1/02 E04H 1/02 // F24F 7/00 F24F 7/00 C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤(10a)上に設けられ外断熱構造を有
    する基礎部(11)と前記基礎部(11)の上に外気を遮断する
    ように設けられた側壁部(21)と前記側壁部(21)の上に屋
    根裏空間(61)が形成されるように設けられた屋根部(31)
    とにより包囲されて断熱性及び気密性を有する屋内空間
    が形成され、前記屋内空間に複数の部屋(56,58)及び浴
    室(52)が形成された住宅であって、 前記屋内空間は前記基礎部(11)に包囲される床下空間(1
    8)からそれぞれの部屋(52,56,58)を経由して前記屋根裏
    空間(61)に空気を導く第1空気流路と前記屋根裏空間(6
    1)からそれぞれの部屋を経由するか或いは経由すること
    なく前記床下空間(18)に屋内空気を導く第2空気流路と
    を有し、 前記基礎部(11)にこの基礎部(11)を加熱可能なヒータ(1
    7)が埋設され、 前記浴室(52)の扉(52b)を開放した状態で貯えた水又は
    湯の気化熱による蒸気を前記第1空気流路に送出可能な
    浴槽(52a)が前記浴室(52)に設けられ、 前記側壁部(21)に閉止状態で戸枠(63a)の上下の隙間の
    み外気に連通する断熱性及び気密性を有する引き違いガ
    ラス戸(63)がはめ込まれた開口部(21a)が設けられ、 前記屋根部(31)に前記第1空気流路を通過した空気を前
    記屋根裏空間(61)から屋外に排出可能な排気口(41)が設
    けられたことを特徴とする温湿度調整機能付き住宅。
  2. 【請求項2】 除湿冷却した空気を床下空間(18)に送出
    可能なエアコン(66)と、前記床下空間(18)の空気を第1
    空気流路に送出可能な送風機(54)が床下空間(18)に設け
    られた請求項1記載の温湿度調整機能付き住宅。
  3. 【請求項3】 側壁部(21)に外気と屋内空気がそれぞれ
    保有する温度及び湿度を互いに交換する全熱交換型換気
    扇(64)が設けられた請求項1又は2いずれか記載の温湿
    度調整機能付き住宅。
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