JP2001305688A - 感光性ハロゲン化銀写真乳剤およびこれを含有するハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

感光性ハロゲン化銀写真乳剤およびこれを含有するハロゲン化銀写真感光材料

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JP2001305688A JP2000121043A JP2000121043A JP2001305688A JP 2001305688 A JP2001305688 A JP 2001305688A JP 2000121043 A JP2000121043 A JP 2000121043A JP 2000121043 A JP2000121043 A JP 2000121043A JP 2001305688 A JP2001305688 A JP 2001305688A
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Kiyoshi Morimoto
潔 守本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カブリが低く高感度のハロゲン化銀乳剤と、
それを用いたハロゲン化銀写真感光材料を提供するこ
と。 【解決手段】 ハロゲン化銀粒子を含む乳剤であって、
該乳剤がゼラチンのα、β、γ成分の和に対するH2成
分の比が0.03以下でありかつゼラチンのα、β、γ成分
の和に対するL2成分の比が0.05以下であるゼラチンを
用いて粒子を形成する工程を少なくとも1工程含む方法
により製造されたものであり、かつ該乳剤粒子の全投影
面積の50%以上をアスペクト比が4以上であるハロゲ
ン化銀平板粒子が占めることを特徴とする感光性ハロゲ
ン化銀写真乳剤。前記乳剤を含有する感光性ハロゲン化
銀乳剤層を少なくとも一層有するハロゲン化銀写真感光
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカブリが低く高感度
の感光性ハロゲン化銀写真乳剤と、それを用いたハロゲ
ン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、写真用のハロゲン化銀乳剤に対す
る要請はますます厳しく、いっそうの高感度化、感度/
カブリ比の関係の改良及び高画質化などが要求されてい
る。ハロゲン化銀乳剤の高感度化、高画質化技術の1つ
としては平板粒子の使用があり、増感色素による色増感
効率の向上を含む感度の上昇、感度/粒状比の関係改
良、平板粒子の特異的な光学的特質によるシャープネス
の向上、カバーリングパワーの向上等の利点が知られて
いる。
【0003】一方、特にハロゲン化銀平板粒子の高感度
化に伴い、カブリの上昇が問題となってきており、これ
らの両立が望まれていた。
【0004】ハロゲン化銀乳剤の粒子形成工程において
ゼラチンが使用される工程が幾つか存在する。核形成工
程およびその後に引き続く熟成・成長工程には少なくと
も1種類以上のゼラチンがハロゲン化銀粒子の保護コロ
イドとして用いられている。
【0005】近年、高アスペクト比のハロゲン化銀平板
粒子乳剤を調製する技術として、化学修飾を施したゼラ
チンが積極的に用いられるようになった。特公平5-1269
6号には、ゼラチン中のチオエーテル基を過酸化水素等
で無効化したゼラチンを保護コロイドとして用いること
により厚みの薄い平板粒子を調製する技術が開示されて
いる。特開平8-82883号には、アミノ基およびチオエー
テル基を無効化することによって厚みの薄い平板粒子を
調製する技術が開示されている。特開平10-148897号に
は、ゼラチン中のアミノ基を化学修飾する際にカルボキ
シル基を2つ以上導入することによって厚みが薄くかつ
単分散な平板粒子を調製する技術が開示されている。平
板粒子の感度/粒状比の関係の改良技術の1つとして米
国特許5,219,720号や同5,334,495号
には双晶面間隔の小さい平板粒子の技術が開示されてい
る。
【0006】しかしながら、これらの特許出願公開公報
に記載の技術を用いても高アスペクト比で双晶面間隔が
狭い平板粒子が低カブリで高感度のハロゲン化銀乳剤を
得るには不十分であり更なる改良が望まれていた。
【0007】一方、現在、工業的に製造されているゼラ
チンは、一般的には単に動物の骨や皮に含まれるコラー
ゲンから導出されたものである。この動物コラーゲン由
来のゼラチンが有する欠点の一つとして、分子量が多分
散であることが挙げられる。分子量が多分散であること
は、ゼラチンを有する分散媒の物性を制御する上で不利
である。
【0008】特開昭56-86193にはゼラチンの水溶液に機
械的なせん断力を与えて得られる新規なゼラチン類及び
これらのゼラチンを写真材料におけるバインダ物質とし
て使用する方法について記載されている。また、日本写
真学会誌62巻4号308〜312頁(1999)には分子量分布を制
御する方法として、特に高分子量成分を減少させる方法
が開示されている。これらの技術内容には、乳剤として
高アスペクト比で双晶面間隔が狭い粒子を形成する方法
において、低カブリで高感な乳剤を製造する技術に関す
る記載は無く、示唆する記載もない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カブ
リが低く高感度の感光性ハロゲン化銀写真乳剤と、それ
を用いたハロゲン化銀写真感光材料を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、ゼラチンの分子量分布を規定したゼラチンを粒子
形成に用いることで高アスペクト比で双晶面間隔の狭い
平板粒子が得られ、ハロゲン化銀乳剤性能が顕著に改良
(カブリの低減と高感度化)されることを発見した。
【0011】本発明の上記目的は、下記の本発明により
効果的に達成された。
【0012】(1) ハロゲン化銀粒子を含む乳剤であ
って、該乳剤がゼラチンのα、β、γ成分の和に対する
H2成分の比が0.03以下でありかつゼラチンのα、β、
γ成分の和に対するL2成分の比が0.05以下であるゼラ
チンを用いて粒子を形成する工程を少なくとも1工程含
む方法により製造されたものであり、かつ該乳剤粒子の
全投影面積の50%以上をアスペクト比が4以上である
ハロゲン化銀平板粒子が占めることを特徴とする感光性
ハロゲン化銀写真乳剤。
【0013】(2) 前記の乳剤粒子の全投影面積の5
0%以上をアスペクト比が4以上かつ双晶面間隔が0.
012μm以下であるハロゲン化銀粒子が占めることを
特徴とする上記(1)に記載の感光性ハロゲン化銀写真
乳剤。
【0014】(3) 前記の乳剤粒子が平行な主平面が
(111)面でアスペクト比が4以上で1粒子当たり転
位線を10本以上含み、沃臭化銀または塩沃臭化銀から
なる平板状ハロゲン化銀粒子を全投影面積の50%以上
含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記
載の感光性ハロゲン化銀写真乳剤。
【0015】(4) 前記のゼラチンが、その水溶液を
分散部の圧力差が150MPa以上の高圧ホモジナイザー
を用いて処理することにより得られたものであることを
特徴とする上記(1)ないし(3)の何れか1に記載の
感光性ハロゲン化銀写真乳剤。
【0016】(5) 支持体上に少なくとも一層の感光
性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材
料において、該ハロゲン化銀写真乳剤層が上記(1)な
いし(4)の何れか1に記載の感光性ハロゲン化銀写真
乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いることができるゼラチンの製造方法は、分
子量分布を本発明の範囲に規定する以外は一般的に用い
られる写真用ゼラチンの製造方法で作製することができ
る。例えば日本写真学会編「写真工学の基礎銀塩写真
編」(コロナ社)、初版p.122〜124に記載されている。
【0018】本発明に用いられる写真用ゼラチンは牛
骨、牛皮、豚皮になどに含有するコラーゲンから製造す
ることができ、これらを酸処理またはアルカリ処理する
ことにより抽出することができる。原料についての制約
はないが牛骨または牛皮を用いるのが好ましい。また本
発明に用いられるゼラチンは酸処理ゼラチンでもアルカ
リ処理ゼラチンでもよいがアルカリ処理ゼラチンの方が
好ましい。牛骨または牛皮からのアルカリ処理ゼラチン
の製造は、脱灰、石灰処理、抽出、濾過、濃縮、ゲル
化、乾燥の工程により行われる。各工程の詳細は例えば
特開平8-179483の6〜7頁に記載されている。
【0019】本発明に用いるゼラチンの分子量分布の規
定は、日本写真学会誌62巻4号308〜312頁(1999).に記載
の方法で成分を分離することにより行うことができる。
ゲル濾過法によるクロマトグラムを分子量30万以上の
高分子量成分(H2成分及びH1成分、但しH2成分の方が
高分子量)、分子量30万前後のγ成分、分子量20万
前後のβ成分、分子量10万前後のα成分、分子量10
万以下の低分子量成分(L1成分及びL2成分、但しL2成
分の方が低分子量)に分画した。
【0020】本発明に係わるゼラチンの分子量成分比は
上記の方法によるクロマトグラムの各成分のピークある
いはショルダーの高さの比で規定する。すなわち、本発
明のα、β、γ成分の和に対するH2成分の比とは、H2
成分のピーク高さをα、β、γ各成分のピーク高さの合
計で除した値を示し、α、β、γ成分の和に対するL2
成分の比とは、L2成分のピーク高さをα、β、γ各成
分のピーク高さの合計で除した値を示す。
【0021】α、β、γ成分の和に対するH2成分の比
は、0.03以下であればよいが0.02以下が好ましく、0.01
以下がさらに好ましい。α、β、γ成分の和に対するL
2成分の比は0.05以下であればよいが、0.04以下がより
好ましく、0.03以下がさらに好ましい。
【0022】本発明に係わるゼラチンの分子量分布を測
定する条件を下記に示す。 (測定条件) カラム:Shodex Asahipak GS-620 7G(8mmI.D.×500m
m)×2 ガードカラム:Shodex Asahipak GS-1G 7B 溶離液:0.1mol/L りん酸バッファー(pH6.8) 流速:0.8ml/min カラム温度:50℃ 検出:UV230nm サンプル注入量:110μL(0.2%りん酸バッファー溶
液)。
【0023】次に本発明のゼラチンの分子量分布を改良
する方法について述べる。高分子量成分の除去を行うた
めには超音波照射、酵素分解法などが従来より知られて
いる。しかしこれらの方法は低分子量成分の増加を伴う
ため、このゼラチンをハロゲン化銀写真感光材料に用い
ると種々の写真性能に悪影響をもたらすことが多い。ま
た特開平8-179483に記載されているようにコアセルべー
ション法による分子量分別も可能であるが、操作が煩雑
である、収率が低いなどの問題がある。
【0024】本発明において好ましいゼラチン分子量分
布改良方法は、高圧ホモジナイザーを用いることが好ま
しい。特に分散部の圧力差は150MPa以上、好まし
くは210MPa以上より好ましくは300MPa以上
の高圧がかけられることが好ましい。また分散部での液
の最大線速度が300m/s以上が好ましく、より好ま
しくは400m/s以上、さらに好ましくは600m/
sが好ましい。
【0025】このような分散機の例としてはマイクロフ
ルイディクス社のマイクロフルイダイザーやナノマイザ
ー社製のナノマイザーのごとく液を直角に曲がった経路
を通したり、マイクロフルイダイザーやスギノマシーン
社製のアルティマイザーのごとく液同志を衝突させる方
法、Avestin社製エマルシフレックスのごとき液
を壁に衝突させるものなどが挙げられる。また特に高圧
がかけられるものとしては、オリフィスから高圧ジェッ
トを同軸上のセル内に噴出させ、セル内のせん断力をか
けるBEE International社製のDeBee 2000が好ましく用
いられる。本発明に用いる高圧ホモジナイザーは、上記
のH2成分の比を0.03以下にするのに必要な高圧が
かけられるまたは線速度が得られればどのようなものを
用いても良い。
【0026】本発明に用いるゼラチンは、粒子形成工程
の中で、核形成、熟成、成長、分散の各工程で使用する
ことができ、使用の時期は特に限定されるものではな
い。本発明で用いるゼラチンの好ましい添加量は乳剤1
kg当たり0.1〜200gである。他のゼラチンと併用使用
しても構わない。
【0027】本発明のハロゲン化銀乳剤の形状について
述べる。本発明の乳剤において、全粒子の投影面積の5
0%以上をアスペクト比が4以上であるハロゲン化銀平
板粒子が占める。全粒子の投影面積の50%以上を占め
る粒子のアスペクト比は、4ないし60であることが好
ましく、より好ましくは、6ないし50、さらに好まし
くは8ないし40である。
【0028】本発明の乳剤はアスペクト比が4以上か
つ、好ましくは双晶面間隔が0.012μm以下である
ハロゲン化銀平板粒子が乳剤粒子の全投影面積の50%
以上を占める。より好ましくはアスペクト比が4以上か
つ双晶面が0.010μm以下であるハロゲン化銀平板
粒子が乳剤粒子の全投影面積の50%以上を占める。
【0029】また、本発明の乳剤はアスペクト比が8以
上かつ双晶面間隔が0.012μm以下であるハロゲン
化銀平板粒子が乳剤粒子の全投影面積の50%以上を占
めることも好ましい。さらに好ましくはアスペクト比が
8以上かつ双晶面間隔が0.010μm以下であるハロ
ゲン化銀平板粒子が乳剤粒子の全投影面積の50%以上
を占める。
【0030】本発明の乳剤は(111)面を主平面とす
る沃臭化銀または沃塩臭化銀平板粒子で主に占められて
いることが好ましい。ここでハロゲン化銀平板粒子と
は、1枚の双晶面か2枚以上の平行な双晶面を有するハ
ロゲン化銀粒子の総称である。双晶面とは、(111)
面の両側ですべての格子点のイオンが鏡像関係にある場
合にこの(111)面のことをいう。この平板状粒子は
粒子を主平面に対して垂直方向から見た時に三角形状、
四角形状、六角形状もしくはこれらが丸みを帯びた円形
状をしており、三角形状のものは三角形の、六角形状の
ものは六角形の、円形状のものは円形状の互いに平行な
主平面を有している。
【0031】本発明の乳剤はアスペクト比が4以上であ
る平板粒子の投影面積が乳剤粒子の全投影面積の多くを
占めるほど好ましく、100ないし95%を占めること
が好ましい。より好ましくは100ないし98%を占め
る。平板粒子以外の粒子(正常晶や非平行の多重双晶)
が混入すると粒子間の均質性の点で好ましくない。粒子
の投影面積は電子顕微鏡写真上での面積を測定し、撮影
倍率を補正することにより得られる。
【0032】本発明の乳剤は隣接辺比率(最大辺長/最
小辺長)が1.5ないし1である六角形の平板粒子が乳
剤中の全粒子の投影面積の100ないし70%を占める
ことが好ましい。より好ましくは100ないし80%、
さらに好ましくは100ないし90%を占める。また、
本発明の乳剤はより好ましくは、隣接辺比率(最大辺長
/最小辺長)が1.2ないし1である六角形の平板粒子
が乳剤中の全粒子の投影面積の100ないし50%を占
める。さらに好ましくは100ないし70%、特に好ま
しくは100ないし80%を占める。上記六角形以外の
平板粒子が混入すると粒子間の均質性の点で好ましくな
い。
【0033】本発明の平板粒子の等価円相当直径として
は0.3ないし6.0μmであることが好ましく、より
好ましくは0.5ないし5.0μm、さらに好ましくは
1.0ないし4.0μmである。本発明における等価円
相当直径とは、粒子の平行な外表面の投影面積と等しい
面積を持つ円の直径であり、平均等価円相当径直径とは
該乳剤中の全平板粒子の等価円相当直径の算術平均であ
る。
【0034】本発明の平板粒子の平均粒子厚みとしては
0.03ないし0.35μmであることが好ましく、よ
り好ましくは0.05ないし0.25μm、さらに好ま
しくは0.05ないし0.20μmである。平均粒子厚
みとは該乳剤中の全平板粒子の粒子厚みの算術平均であ
る。平均粒子厚みが0.03μm未満の乳剤は調製が困
難である。0.35μmを超えると平板粒子の長所が得
られにくく好ましくない。
【0035】粒子の厚みは、参照用のラテックスととも
に粒子の斜め方向から金属を蒸着し、そのシャドーの長
さを電子顕微鏡写真上で測定し、ラテックスのシャドー
の長さを参照にして計算することにより電子顕微鏡写真
から容易に求められる。
【0036】双晶面間隔とは粒子内に2つの双晶面を有
する粒子においてはその2つの双晶面間の距離であり、
3つ以上の双晶面を有する粒子においては双晶面間の距
離の内、最も長い距離を言う。双晶面の観察は透過型電
子顕微鏡により観察しうる。
【0037】具体的には平板粒子が支持体に対してほぼ
平行に配列した試料を作成し、これをダイヤモンドナイ
フで切削することにより厚さ約0.1μmの切片を作成
する。その切片を透過電子顕微鏡で観察することにより
平板粒子の双晶面を検知することが出来る。電子線が双
晶面を通り抜ける際、電子波に位相のずれが生じるた
め、その存在が認められることになる。
【0038】ハロゲン化銀粒子の厚みに対する等価円相
当直径の比をアスペクト比という。すなわち、個々のハ
ロゲン化銀粒子の投影面積の円相当直径を粒子厚みで割
った値である。アスペクト比の測定法の一例としては、
レプリカ法による透過電子顕微鏡写真を撮影して個々の
粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径(等価円
相当直径)と厚みを求める方法がある。この場合、厚み
はレプリカの影(シャドー)の長さから算出する。
【0039】本発明の乳剤は単分散な粒子からなること
が好ましい。本発明の全ハロゲン化銀粒子の粒子サイズ
(等価球相当直径)分布の変動係数としては30%ない
し3%であることが好ましく、より好ましくは25ない
し3%、さらに好ましくは20ないし3%である。等価
球相当直径分布の変動係数とは個々の平板粒子の等価球
相当直径のばらつき(標準偏差)を平均等価球相当直径
で割った値に100を乗じたものである。全平板粒子の
等価球相当直径分布の変動係数が30%を超えると粒子
間の均質性の点で好ましくない。また、3%を下回る乳
剤は調製が困難である。
【0040】本発明の乳剤の全粒子の等価円相当直径分
布の変動係数は粒子間の均質性の点で低いほど好まし
く、20%ないし3%であることが好ましい。より好ま
しくは15ないし3%である。等価円相当直径分布の変
動係数とは個々の粒子の等価円相当直径のばらつき(標
準偏差)を平均等価円相当直径で割った値に100を乗
じたものである。
【0041】本発明の乳剤の全平板粒子の粒子厚み分布
の変動係数としては25ないし3%あることが好まし
く、より好ましくは20ないし3%、さらに好ましくは
15ないし3%である。粒子厚み分布の変動係数とは個
々の平板粒子の粒子厚みのばらつき(標準偏差)を平均
粒子厚みで割った値である。全平板粒子の粒子厚み分布
の変動係数が25%を超えると粒子間の均質性の点で好
ましくない。また、3%を下回る乳剤は調製が困難であ
る。
【0042】本発明の乳剤の全粒子の双晶面間隔分布の
変動係数は粒子間の均質性の点で低いほど好ましく、2
5%ないし3%であることが好ましい。より好ましくは
15ないし3%である。双晶面間隔分布の変動係数とは
個々の粒子の双晶面間隔のばらつき(標準偏差)を平均
双晶面間隔で割った値に100を乗じたものである。
【0043】本発明では上記の範囲の粒子厚み、双晶面
間隔、アスペクト比、単分散度を目的に応じて選んで良
いが、粒子厚みと双晶面間隔が小さく、高アスペクト比
で単分散な平板粒子を用いることが好ましい。
【0044】本発明では高アスペクト比の平板粒子の形
成方法としては種々の方法を用いることが出来、例えば
米国特許第5,496,694号や同5,498,51
6号に記載の粒子形成法を用いることが出来る。さら
に、超高アスペクト比の平板粒子の形成方法として米国
特許5,494,789号や同5,503,970号に
記載の粒子形成法も用いることが出来る。
【0045】単分散で高アスペクト比の平板粒子を形成
するには、短時間の内に小サイズの双晶核を生成させる
ことが重要である。そのために低温、高pBr、低p
H、低ゼラチン量の下で短時間に核形成を行うことは好
ましい。
【0046】核形成後、物理熟成により正常晶、一重双
晶及び非平行多重双晶の核を消失させ、選択的に平行二
重双晶の核を残す。残った平行二重双晶核の間でさらに
熟成を行うことは単分散性を高め好ましい。また、物理
熟成を例えば米国特許5,147,771号に記載のP
AO(ポリアルキレンオキサイド)の存在下に行うこと
もまた単分散性を高め好ましい。
【0047】その後、ゼラチンを追添してから可溶性銀
塩と可溶性ハロゲン塩を添加し、粒子成長を行う。ま
た、あらかじめ別に調製した、あるいは別の反応容器で
同時に調製したハロゲン化銀微粒子を添加することで銀
とハライドを供給し粒子を成長させることも好ましい。
粒子成長時においても反応液の温度、pH、バインダー
量、pBr、銀及びハロゲンイオンの供給速度等を制御
し最適化することは重要である。本発明の乳剤は上記粒
子形成工程(核形成、熟成及び成長)の内、少なくとも
1つの工程で低粘性の分散媒を用いることが好ましい。
ここで低粘性の分散媒について説明する。
【0048】分散媒の粘度は、分散媒中の保護コロイド
種およびその濃度、系の温度、イオン強度、およびpH
による影響を大きく受ける。さらに、保護コロイドの種
類によっては、分散媒の粘度は経時変化する場合もあり
える。分散媒の粘度は、回転粘度計を用いて測定され
る。本発明においては、分散媒の粘度は用いる保護コロ
イドの溶解後1時間静置した後に測定を行った。
【0049】本発明における低粘性とは、式1で与えら
れる分散媒の粘度ηより小さい領域である。 式1 η=(2.8159−0.0743T)exp{(0.1479−0.0017T)C} ここで、ηは分散媒の粘度(10-3N・s・m-2)、Tは分散
媒の温度(℃)、C は分散媒中の保護コロイドの濃度
(重量%)。
【0050】分散媒のイオン強度は2以下が好ましく、
1.5以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。
分散媒のpHは好ましくは2〜11、より好ましくは3
〜10、さらに好ましくは4〜9である。
【0051】次に本発明の乳剤の組成について説明す
る。本発明で用いるハロゲン化銀粒子を形成するには、
沃臭化銀または塩沃臭化銀を用いることが好ましい。沃
化物、あるいは塩化物を含む相を有する場合、これらの
相は粒子内に均一に分布させても良いし、局在させても
良い。その他の銀塩、例えばロダン銀、硫化銀、セレン
化銀、炭酸銀、リン酸銀、有機酸銀が別粒子として、あ
るいはハロゲン化銀粒子の一部分として含まれていても
良い。
【0052】本発明における乳剤粒子の好ましい臭化銀
含有率の範囲は80モル%以上であり、より好ましくは
90モル%以上である。また、本発明における乳剤粒子
の好ましい沃化銀含有率の範囲は1ないし20モル%で
あり、より好ましくは2ないし15モル%、さらに好ま
しくは3ないし10モル%である。1モル%未満では色
素吸着の強化、固有感度の上昇などの効果が得にくく好
ましくない。20モル%を超えると一般に現像速度が遅
れるため好ましくない。
【0053】本発明における乳剤粒子の好ましい粒子間
の沃化銀含有率分布の変動係数は30%未満であり、よ
り好ましくは25ないし3%、さらに好ましくは20な
いし3%である。3%未満の乳剤は調製が困難であり、
30を超えると粒子間の均質性の点で好ましくない。
【0054】個々の乳剤粒子の沃化銀含有率は、X線マ
イクロアナライザーを用いて1個1個の粒子の組成を分
析することにより測定できる。その測定法は例えば欧州
特許第147,868号に記載されている。
【0055】本発明の乳剤の表面ヨード含量は5モル%
以下であることが好ましく、より好ましくは4モル%以
下、さらに好ましくは3モル%以下である。表面ヨード
量が5モル%を超えると現像阻害や化学増感の阻害を生
じ、好ましくない。表面ヨード含量の測定はESCA
(XPSという名称もある)法(X線を照射し粒子表面
から出て来る光電子を分光する方法)により確認するこ
とができる。
【0056】本発明の乳剤粒子は主として(111)面
と(100)面からなる。本発明の乳剤粒子の全表面の
面積に対して(111)面の面積が占める割合は少なく
とも70%である。
【0057】一方、本発明の乳剤粒子において(10
0)面の出現部位は平板粒子の側面であり、(111)
面が乳剤粒子表面を占める面積に対する(100)面が
乳剤粒子表面を占める面積の比は、少なくとも2%であ
り、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは4%以
上である。(100)面比率のコントロールは特開平2
−298935号や特開平8−334850号などを参
考にすることが出来る。(100)面比率は、増感色素
の吸着における(111)面と(100)面との吸着依
存性の違いを利用した方法、例えばT. Tani, J. Imagin
g Sci., 29, 165(1985)などに記載の方法を用いて求め
ることが出来る。
【0058】本発明の乳剤粒子において、全投影面積の
50%以上が、粒子の側面における(100)面の面積
比率が15%以上の平板粒子によって占められることが
好ましく、より好ましくは(100)面の面積比率が2
5%以上の平板粒子によって占められる。平板粒子の側
面における(100)面の面積比率は、例えば特開平8
−334850号に記載の方法から求めることが出来
る。
【0059】本発明における平板粒子は粒子内部に転位
線を有することが好ましい。以下に平板粒子内への転位
線導入について説明する。
【0060】転位線とは結晶のすべり面上で、すでにす
べった領域とまだすべらない領域の境界にある線状の格
子欠陥のことである。ハロゲン化銀結晶の転位線に関し
ては、1)C.R.Berry,J.Appl.Phy
s.,27,636(1956),2)C.R.Ber
ry,D.C.Skilman,J.Appl.Phy
s.,35,2165(1964),3)J.F.Ha
milton,Phot.Sci.Eng.,11,5
7(1967),4)T.Shiozawa,J.So
c.Phot.Sci.Jap.,34,16(197
1),5)T.Shiozawa,J.Soc.Pho
t.Sci.Jap.,35,213(1972)等の
文献があり、X線回折法または低温透過型電子顕微鏡を
用いた直接的観察方法により解析できる。透過型電子顕
微鏡を用いて転位線を直接観察する場合、粒子に転位線
が発生するほどの圧力をかけないよう注意して乳剤から
取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメッ
シュにのせ、電子線による損傷(例えばプリントアウ
ト)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法により観
察を行う。
【0061】この場合、粒子の厚みが厚いほど電子線が
透過しにくくなるので、高圧型(0.25μmの厚さに
対して、200kV以上)の電子顕微鏡を用いたほうが
より鮮明に観察することができる。
【0062】一方、転位線の写真性能に及ぼす影響とし
ては、G.C.Farnell,R.B.Flint,
J.B.Chanter,J.Phot.Sci.,1
3,25(1965)の文献があり、大きいサイズの高
アスペクト比平板状ハロゲン化銀粒子において、潜像核
が形成される場所と粒子内の欠陥とが密接な関係にある
ことが示されている。例えば米国特許4,806,46
1号、同5,498,516号、同5,496,694
号、同5,476,760号、同5,567,580
号、特開平4−149541号、同4−149737号
にはハロゲン化銀粒子中に転位線をコントロールして導
入する技術に関して記載がある。これらの特許の中で転
位線を導入した平板粒子は、転位線のない平板粒子と比
較して、感度、圧力性等の写真特性に優れていることが
示されている。本発明において、これらの特許等に記載
の乳剤を用いることは好ましい。
【0063】本発明では次のようにして平板粒子内部へ
の転位線導入を行なうことが好ましい。すなわち、基盤
となる平板粒子(ホスト粒子とも言う)への沃化銀を含
むハロゲン化銀相のエピタキシャル成長とその後のハロ
ゲン化銀シェルの形成による転位線の導入である。
【0064】ホスト粒子の沃化銀含有率は0〜15モル
%であることが好ましく、より好ましくは0〜12モル
%、特に好ましくは0〜10モル%であるが、目的に応
じて選んで良い。15モル%を超えると一般に現像速度
が遅れるため好ましくない。
【0065】ホスト粒子上にエピタキシャル成長させる
ハロゲン化銀相の組成は沃化銀含有率の高い方が好まし
い。このエピタキシャル成長させるハロゲン化銀相は沃
化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀のいずれでも良
いが、沃化銀または沃臭化銀であることが好ましく、沃
化銀であることがさらに好ましい。沃臭化銀である場合
の好ましい沃化銀(沃化物イオン)含有率は1〜45モ
ル%でありより好ましくは5〜45モル%、特に好まし
くは10〜45モル%である。転位線導入に必要なミス
フィットを形成する点で沃化銀含有率は高いほど好まし
いが、45モル%は沃臭化銀の固溶限界である。
【0066】ホスト粒子上にエピタキシャル成長させる
この高沃化銀含有率相を形成するために添加するハロゲ
ン量は、ホスト粒子の銀量の2〜15モル%であること
が好ましく、より好ましくは2〜10モル%、特に好ま
しくは2〜5モル%である。2モル%未満では転位線が
導入されにくく好ましくない。15モル%を超えると現
像速度が遅れるため好ましくない。
【0067】この時、この高沃化銀含有率相は粒子形成
後から見て全体の粒子銀量の5〜60モル%の範囲内に
存在することが好ましく、より好ましくは10〜50モ
ル%、特に好ましくは20〜40モル%の範囲内に存在
することである。5モル%未満でも、また60モル%を
超えても転位線導入による高感化が得にくく好ましくな
い。
【0068】また、この高沃化銀含有率相をホスト粒子
上に形成する場所は任意であり、ホスト粒子を覆ったり
特定の部位のみに形成させても良いが、特定の部位を選
びエピタキシャル成長させることによって粒子内の転位
線の位置を制御することは好ましいことである。
【0069】本発明では高沃化銀含有率相をホスト平板
粒子のエッジ部及び/または頂点部に形成することが特
に好ましい。その際、添加するハロゲン化物の組成・添
加方法、反応液の温度・pAg・溶剤濃度・ゼラチン濃
度・イオン強度などを自由に選んで用いても良い。粒子
内の沃化銀含有率相は、例えば特開平7−219102
号などに記載の分析電顕によって測定し得る。
【0070】本発明でこの高沃化銀含有率相をホスト粒
子上に形成する際は、沃化カリウムのような水溶性沃化
物溶液を単独あるいは硝酸銀等の水溶性銀塩溶液と同時
に添加する方法、沃化銀を含むハロゲン化銀を微粒子の
形で添加する方法あるいは例えば米国特許5,498,
516号や同5,527,664号に記載のアルカリや
求核剤との反応により沃化物イオン放出剤から沃化物イ
オンを放出させる方法等を好ましく用いることができ
る。
【0071】この高沃化銀含有率相をホスト粒子上にエ
ピタキシャル成長させた後、ホスト平板粒子の外側にハ
ロゲン化銀シェルを形成すると転位線が導入される。こ
のハロゲン化銀シェルの組成は臭化銀、沃臭化銀、塩沃
臭化銀のいずれでも良いが、臭化銀または沃臭化銀であ
ることが好ましい。沃臭化銀である場合の好ましい沃化
銀含有率は0.1〜12モル%であり、より好ましくは
0.1〜10モル%、最も好ましくは0.1〜3モル%
である。
【0072】0.1モル%未満では色素吸着の強化、現
像促進などの効果が得にくく好ましくない。12モル%
を超えると現像速度が遅れるため好ましくない。
【0073】このハロゲン化銀シェル成長に用いる銀量
は全体の粒子銀量の10ないし50モル%であることが
好ましく、より好ましくは20ないし40モル%であ
る。
【0074】上述の転位線導入過程における好ましい温
度は30〜80℃であり、より好ましくは35〜75
℃、特に好ましくは35〜60℃である。30℃未満の
低温あるいは80℃を超える高温での温度制御を行うに
は能力の高い製造装置が必要であり製造上好ましくな
い。また、上述の転位線導入過程における好ましいpA
gは6.4〜10.5である。
【0075】平板粒子の場合、前述のように電子顕微鏡
を用いて撮影した粒子の写真より、主平面に対して垂直
方向から見た場合の各粒子についての転位線の位置と本
数を求めることができる。本発明の平板粒子に転位線を
導入する場合、出来るだけ粒子フリンジ部に限定するこ
とが好ましい。本発明で言うフリンジ部とは平板粒子の
外周のことを指し、詳しくは平板粒子の辺から中心にか
けての沃化銀の分布において、辺側から見て初めてある
点の沃化銀含有率が粒子全体の平均沃化銀含有率を超え
た点、もしくは下回った点の外側を指す。
【0076】本発明では平板粒子フリンジ部に高密度の
転位線を導入することは好ましく、粒子フリンジ部に1
粒子当たり10本以上の転位線を有する平板粒子が好ま
しい。より好ましくは30本以上、さらに好ましくは5
0本以上の転位線を粒子フリンジ部に有する。転位線が
密集して存在する場合、または転位線が互いに交わって
観察される場合には、1粒子当たりの転位線の数は明確
には数えることができないことがある。しかしながら、
これらの場合においてもおおよそ10本、20本、30
本という程度には数えることができる。
【0077】本発明の平板粒子は粒子間の転位線量分布
が均一であることが粒子間の均質性の点で好ましい。本
発明の乳剤では、粒子フリンジ部に1粒子当たり10本
以上の転位線を含むハロゲン化銀平板粒子が全投影面積
の50%以上を占めることが好ましく、より好ましくは
80%以上を占める。50%未満では高感化が得られに
くく好ましくない。
【0078】また、本発明では1粒子当たり30本以上
の転位線を含むハロゲン化銀平板粒子が全投影面積の5
0%以上を占めることが好ましく、より好ましくは80
%以上を占める。
【0079】さらに、本発明の平板粒子は粒子内の転位
線導入位置が均質であることが望ましい。本発明の乳剤
では実質的に粒子フリンジ部のみに転位線が局在するハ
ロゲン化銀平板粒子が全投影面積の50%以上を占める
ことが好ましく、より好ましくは60%以上、さらに好
ましくは80%以上を占める。
【0080】また、転位線が局在するフリンジ領域は平
板粒子を主平面に対して垂直な方向から見た時の外周の
多くに亘って存在するほど好ましく、例えば六角平板粒
子を主として含む乳剤の場合、6つの辺全てに転位線が
局在する粒子が多いほど好ましい。
【0081】「実質的に粒子フリンジ部のみ」とは粒子
フリンジ部以外、すなわち粒子中心部に転位線を5本以
上含まないことを言う。粒子中心部とは、粒子を主平面
に対して垂直方向から見た時にフリンジ領域に囲まれた
内側の領域を言う。
【0082】また、本発明では平板粒子のフリンジ部の
領域は0.05ないし0.25μmであることが好まし
く、より好ましくは0.10ないし0.20μm、であ
る。これ以外の範囲では固有感度の上昇が得られにくく
好ましくない。
【0083】本発明において転位線を含む粒子の割合及
び転位線の本数を求める場合は、少なくとも100粒子
について転位線を直接観察して求めることが好ましく、
より好ましくは200粒子以上、特に好ましくは300
粒子以上について観察して求める。
【0084】また、本発明の乳剤では全投影面積の50
%以上が、粒子フリンジ部の平均沃化銀含有率が粒子中
心部の平均沃化銀含有率よりも2モル%以上の高い平板
粒子によって占められることが好ましく、より好ましく
は粒子フリンジ部の平均沃化銀含有率が粒子中心部の平
均沃化銀含有率よりも4モル%以上、さらに好ましくは
しくは粒子フリンジ部の平均沃化銀含有率が粒子中心部
の平均沃化銀含有率よりも5モル%以上高い平板粒子に
よって占められる。平板粒子内の沃化銀含有率に関して
は例えば分析電顕を用いて特開平7−219102号に
記載の方法で求められる。
【0085】本発明における平板粒子は粒子内に写真的
に有用な金属イオンあるいは錯体(以下、「金属(錯
体)イオン」と言う)を1種以上含有することは好まし
い。
【0086】以下にハロゲン化銀粒子内への金属イオン
ドープについて述べる。写真性有用な金属(錯体)イオ
ンとは感光性ハロゲン化銀乳剤の写真特性を改良する目
的で粒子中にドープされるものである。これらの化合物
はハロゲン化銀結晶中で電子あるいは正孔の過渡的なあ
るいは永久的なトラップとして働き、高感度や高コント
ラスト、相反則特性改良、圧力性改良などの効果が得ら
れる。本発明において乳剤粒子中にドープされる金属と
しては鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミ
ウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、クロ
ム、バナジウムなどの第一から第三遷移金属元素、ガリ
ウム、インジウム、タリウムや鉛などの両性金属元素が
好ましい。これらの金属イオンは錯塩もしくは単独の塩
の形でドープされる。錯体イオンの場合、ハロゲンイオ
ンやシアン(CN)イオンをリガンドとした六配位ハロ
ゲノ錯体やシアノ錯体が好ましく用いられる。
【0087】また、ニトロシル(NO)リガンド、チオ
ニトロシル(NS)リガンド、カルボニル(CO)リガ
ンド、チオカルボニル(NCO)リガンド、チオシアン
(NCS)リガンド,セレノシアネート(NCSe)リ
ガンド、テルロシアネート(CNTe)リガンド、ダイ
ナイトロジェン(N2)リガンド、アジド(N3)リガン
ド、さらにはビピリジルリガンド、シクロペンタジエニ
ルリガンド、1,2−ジチオレニルリガンド、イミダゾ
ールリガンド、等のような有機配位子を有する錯体も用
いることができる。リガンドとしては次のような多座配
位子を用いても良い。すなわち、ビピリジルリガンドの
ような2座配位子、ジエチレントリアミンのような3座
配位子、トリエチレンテトラアミンのような4座配位
子、エチレンジアミンテトラ酢酸のような6座配位子の
いずれを用いてもよい。配位子数は、6が好ましいが、
4でもよい。有機配位子リガンドについては、米国特許
5,457,021号、同5,360,712号、同
5,462,849号に記載されているものも、好まし
く使用される。米国特許5,024,931号記載のよ
うに、金属イオンをオリゴマーとして組み込むことも好
ましい。
【0088】金属(錯体)イオンを、ハロゲン化銀に組
み込む際には、金属(錯体)イオンの大きさが、ハロゲ
ン化銀格子間距離と適合するかが重要である。また、金
属(錯体)イオンの銀あるいはハロゲンイオンとの化合
物が、ハロゲン化銀と共沈することもハロゲン化銀にド
ープされるためには必須である。そのため、金属(錯
体)イオンの銀あるいはハロゲンイオンとの化合物のp
Ksp(溶解度積の逆数の常用対数)がハロゲン化銀のp
Ksp(塩化銀9.8 、臭化銀12.3、沃化銀16.1)と同程度
である必要がある。従って、金属(錯体)イオンの銀あ
るいはハロゲンイオンとの化合物のpKspは、8〜20
が好ましい。
【0089】上記金属錯体のハロゲン化銀粒子へのドー
プ量は、概ねハロゲン化銀1モル当たり10-9から10
-2モルの範囲である。詳しくは、感光過程において過渡
的な浅い電子トラップを提供する金属錯体はハロゲン化
銀1モル当たり10-6から10-2モルの範囲、感光過程
において深い電子トラップを提供する金属錯体はハロゲ
ン化銀1モル当たり10-9から10-5モルの範囲で用い
るのが好ましい。
【0090】乳剤粒子の金属(錯体)イオン含有量は原
子吸光、偏光ゼーマン分光、ICP分析により確認でき
る。金属錯体イオンのリガンドは赤外吸収(特にFT-I
R)により確認できる。
【0091】上記の金属(錯体)イオンのハロゲン化銀
粒子へのドープは、粒子の表面相または内部相あるいは
米国特許5,132,203号や同4,997,751
号記載のような金属イオンを表面に露出させない程度の
極浅い表面相(所謂亜表面)のいずれでも良く目的に応
じて選んで良い。また、複数の金属イオンをドープして
も良く、それらは同一相にドープしても良いし、異なる
相でも良い。これらの化合物の添加方法は、粒子形成時
のハロゲン化物水溶液あるいは水溶性銀塩溶液に該金属
塩溶液を混合して添加しても良いし、該金属塩溶液を直
接添加しても良い。また、該金属イオンがドープされた
ハロゲン化銀乳剤微粒子を添加しても良い。金属塩を水
またはメタノール、アセトンなどの適当な溶媒に溶かす
場合、溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液
(例えば、HCl、HBr)、チオシアン酸あるいはそ
の塩、あるいはハロゲン化アルカリ(例えば、KCl、
NaCl、KBr、NaBrなど)を添加する方法を用
いることが好ましい。また、必要に応じて、酸、アルカ
リ等を加えるのも同様の点で好ましい。
【0092】シアノ錯体の金属イオンを乳剤粒子にドー
プした場合、ゼラチンとシアノ錯体の反応によりシアン
が発生し金増感が阻害されることがある。そうした場
合、例えば特開平6ー308653号に記載されている
ようにゼラチンとシアノ錯体との反応を阻害する機能を
有する化合物を併用することが好ましい。具体的にはシ
アノ錯体の金属イオンをドープ以降の工程を亜鉛イオン
等のゼラチンと配位結合するような金属イオンの存在下
で行うことが好ましい。
【0093】本発明の乳剤およびこれと併用する本発明
以外の写真乳剤は、グラフキデ著「写真の物理と化
学」、ポールモンテル社刊(P.Glafkides,
Chemie et Phisique Photog
raphique,Paul Montel,196
7)、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス
社刊(G.F.Duffin,Photographi
c Emulsion Chemistry(Foca
l Press,1966))、ゼリクマン等著「写真
乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.
Zelikman et al.,Making an
d Coating Photographic Em
ulsion,Focal Press,1964)な
どに記載された方法を用いて調製することができる。す
なわち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでも
よく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる
形式としては片側混合法、同時混合法、それらの組合わ
せなどのいずれを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の
下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用い
ることもできる。同時混合法の一つの形式としてハロゲ
ン化銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、すな
わちいわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用い
ることもできる。この方法によると、結晶形が規則的で
粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0094】乳剤調製用の反応容器にあらかじめ沈澱形
成したハロゲン化銀粒子を添加する方法、米国特許第
4,334,012号、同第4,301,241号、同
第4,150,994号に記載の方法は、場合により好
ましい。これらは種結晶として用いることもできるし、
成長用のハロゲン化銀として供給する場合も有効であ
る。後者の場合粒子サイズの小さい乳剤を添加するのが
好ましく、添加方法として一度に全量添加、複数回に分
割して添加あるいは連続的に添加するなどのなかから選
んで用いることができる。また表面を改質させるために
種々のハロゲン組成の粒子を添加することも場合により
有効である。
【0095】ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成の大部分
あるいはごく一部分をハロゲン変換法によって変換させ
る方法は米国特許第3,477,852号、同第4,1
42,900号、欧州特許273,429号、同第27
3,430号、***公開特許第3,819,241号な
どに開示されており、有効な粒子形成法である。より難
溶性の銀塩に変換するのに可溶性ハロゲンの溶液あるい
はハロゲン化銀粒子を添加することができる。一度に変
換する、複数回に分割して変換する、あるいは連続的に
変換するなどの方法から選ぶことができる。
【0096】粒子成長の方法として、一定濃度、一定流
速で可溶性銀塩とハロゲン塩を添加する方法以外に、英
国特許第1,469,480号、米国特許第3,65
0,757号、同第4,242,445号に記載されて
いるように濃度を変化させる、あるいは流速を変化させ
る粒子形成法は好ましい方法である。濃度を増加させ
る、あるいは流速を増加させることにより、供給するハ
ロゲン化銀量を添加時間の一次関数、二次関数、あるい
はより複雑な関数で変化させることができる。また必要
により供給ハロゲン化銀量を減量することも場合により
好ましい。さらに溶液組成の異なる複数個の可溶性銀塩
を添加する、あるいは溶液組成の異なる複数個の可溶性
ハロゲン塩を添加する場合に、一方を増加させ、もう一
方を減少させるような添加方式も有効な方法である。
【0097】可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩の溶液を反
応させる時の混合器は米国特許第2,996,287
号、同第3,342,605号、同第3,415,65
0号、同第3,785,777号、***公開特許2,5
56,885号、同第2,555,364号に記載され
ている方法のなかから選んで用いることができる。
【0098】熟成を促進する目的に対してハロゲン化銀
溶剤が有用である。例えば熟成を促進するのに過剰量の
ハロゲンイオンを反応器中に存在せしめることが知られ
ている。また他の熟成剤を用いることもできる。これら
の熟成剤は銀およびハロゲン化物塩を添加する前に反応
器中の分散媒中に全量を配合しておくことができるし、
ハロゲン化物塩、銀塩または解膠剤を加えると共に反応
器中に導入することもできる。別の変形態様として、熟
成剤をハロゲン化物塩および銀塩添加段階で独立して導
入することもできる。
【0099】熟成剤としては、例えば、アンモニア、チ
オシアン酸塩(例えば、ロダンカリ、ロダンアンモニウ
ム)、有機チオエーテル化合物(例えば、米国特許第
3,574,628号、同第3,021,215号、同
第3,057,724号、同第3,038,805号、
同第4,276,374号、同第4,297,439
号、同第3,704,130号、同第4,782,01
3号、特開昭57−104926号に記載の化合
物。)、チオン化合物(例えば、特開昭53−8240
8号、同55−77737号、米国特許第4,221,
863号に記載されている四置換チオウレアや、特開昭
53−144319号に記載されている化合物)や、特
開昭57−202531号に記載されているハロゲン化
銀粒子の成長を促進しうるメルカプト化合物、アミン化
合物(例えば、特開昭54−100717号)があげら
れる。
【0100】本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとして、及びその他の親水性コロイド層のバイン
ターとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そ
れ以外の親水性コロイドも用いることができる。
【0101】例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の
高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼインの
ような蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類のよう
なセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体の
ような糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルア
ルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
アミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾー
ルのような単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水
性高分子物質を用いることができる。
【0102】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Ph
oto.Japan.No.16.P30(1966)に
記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、ま
た、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることが
できる。
【0103】本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新し
く用意した保護コロイド分散にすることが好ましい。水
洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃の範囲
で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選べ
るが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好まし
くは3〜8の範囲である。水洗時のpAg も目的に応じて
選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗の方
法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、遠心
分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選んで用
いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を用い
る方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを用い
る方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶこと
ができる。
【0104】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲン化合物を乳剤調製中に添加す
る方法も有用な場合がある。S、Se、Te以外にもシ
アン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、炭酸塩、リン
酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0105】本発明のハロゲン化銀粒子は硫黄増感及び
セレン増感のようなカルコゲン増感、金増感及びパラジ
ウム増感のような貴金属増感、並びに還元増感の少なく
とも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程の任意の工程で
施こすことができる。2種以上の増感法を組み合せるこ
とは好ましい。どの工程で化学増感するかによって種々
のタイプの乳剤を調製することができる。粒子の内部に
化学増感核をうめ込むタイプ、粒子表面から浅い位置に
うめ込むタイプ、あるいは表面に化学増感核を作るタイ
プがある。本発明の乳剤は目的に応じて化学増感核の場
所を選ぶことができるが、一般に好ましいのは表面近傍
に少なくとも一種の化学増感核を作った場合である。
【0106】本発明で好ましく実施しうる化学増感の一
つはカルコゲン増感と貴金属増感の単独又は組合せであ
り、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォト
グラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1
977年、(T.H.James、The Theor
y of the Photographic Pro
cess,4th ed,Macmillan,197
7)67〜76頁に記載されるように活性ゼラチンを用
いて行うことができるし、またリサーチ・ディスクロー
ジャー、120巻、1974年4月、12008;リサ
ーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、
13452、米国特許第2,642,361号、同第
3,297,446号、同第3,772,031号、同
第3,857,711、同第3,901,714号、同
第4,266,018号、および同第3,904,41
5号、並びに英国特許第1,315,755号に記載さ
れるようにpAg5〜10、pH5〜8および温度30〜8
0℃において硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジ
ウム、イリジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せと
することができる。貴金属増感においては、金、白金、
パラジウム、イリジウム等の貴金属塩を用いることがで
き、中でも特に金増感、パラジウム増感および両者の併
用が好ましい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウム
クロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫
化金、金セレナイドのような公知の化合物を用いること
ができる。パラジウム化合物はパラジウム2価塩または
4価の塩を意味する。好ましいパラジウム化合物は、R
2PdX6またはR2PdX4で表わされる。ここでRは水
素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わ
す。Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素または沃素原
子を表わす。
【0107】具体的には、K2PdCl4、(NH42
dCl6、Na2PdCl4、(NH42PdCl4、Li
2PdCl4、Na2PdCl6またはK2PdBr4が好ま
しい。金化合物およびパラジウム化合物はチオシアン酸
塩あるいはセレノシアン酸塩と併用することが好まし
い。
【0108】硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,
711号、同第4,266,018号および同第4,0
54,457号に記載されている硫黄含有化合物を用い
ることができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学
増感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザ
インデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、
化学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大する
ものとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤
改質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同第
3,411,914号、同第3,554,757号、特
開昭58−126526号および前述ダフィン著「写真
乳剤化学」、138〜143頁に記載されている。
【0109】本発明の乳剤は金増感を併用することが好
ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モ
ル当り1×10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ま
しいのは1×10-5〜5×10-7モルである。パラジウ
ム化合物の好ましい範囲はハロゲン化銀1モル当たり1
×10-3から5×10-7モルである。チオシアン化合物
あるいはセレノシアン化合物の好ましい範囲ハロゲン化
銀1モル当たり5×10-2から1×10-6モルである。
本発明のハロゲン化銀粒子に対して使用する好ましい硫
黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×10-4〜1×
10-7モルであり、さらに好ましいのは1×10-5〜5
×10-7モルである。
【0110】本発明の乳剤に対して好ましい増感法とし
てセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不
安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属
セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチル
セレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素)、セレノケ
トン類、セレノアミド類のようなセレン化合物を用いる
ことができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金属増
感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好ましい場
合がある。
【0111】本発明のハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、
粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、ある
いは化学増感後に還元増感することは好ましい。
【0112】ここで、還元増感とは、ハロゲン化銀乳剤
に還元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1
〜7の低pAgの雰囲気で成長あるいは熟成させる方法、
高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの雰囲気で成長あ
るいは熟成させる方法のいずれを選ぶこともできる。ま
た2つ以上の方法を併用することもできる。還元増感剤
を添加する方法は還元増感のレベルを微妙に調節できる
点で好ましい方法である。
【0113】還元増感剤としては、例えば、第一錫塩、
アスコルビン酸およびその誘導体、アミンおよびポリア
ミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン
酸、シラン化合物、ボラン化合物が公知である。本発明
の還元増感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いる
ことができ、また2種以上の化合物を併用することもで
きる。還元増感剤としては塩化第一錫、二酸化チオ尿
素、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸およびその
誘導体が好ましい化合物である。還元増感剤の添加量は
乳剤製造条件に依存するので添加量を選ぶ必要がある
が、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-3モルの範囲
が適当である。
【0114】還元増感剤は、例えば、水あるいはアルコ
ール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド
類のような有機溶媒に溶かし粒子成長中に添加される。
あらかじめ反応容器に添加するのもよいが、粒子成長の
適当な時期に添加する方法が好ましい。また水溶性銀塩
あるいは水溶性アルカリハライドの水溶性にあらかじめ
還元増感剤を添加しておき、これらの水溶液を用いてハ
ロゲン化銀粒子を沈澱せしめてもよい。また粒子成長に
伴って還元増感剤の溶液を何回かに分けて添加しても連
続して長時間添加するのも好ましい方法である。
【0115】本発明の乳剤の製造工程中に銀に対する酸
化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、
金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する
化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および
化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子
を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここ
で生成する銀イオンは、例えば、ハロゲン化銀、硫化
銀、セレン化銀のような水に難溶の銀塩を形成してもよ
く、又、硝酸銀のような水に易溶の銀塩を形成してもよ
い。銀に対する酸化剤は、無機物であっても、有機物で
あってもよい。無機の酸化剤としては、例えば、オゾ
ン、過酸化水素およびその付加物(例えば、NaBO2
・H22・3H2O、2NaCO3・3H22、Na42
O7・2H22、2Na2SO4・H22・2H2O)、ペ
ルオキシ酸塩(例えば、K228、K226、K22
8)、ペルオキシ錯体化合物(例えば、K2[Ti(O
2)C2 4]・3H2O、4K2SO4・Ti(O2)OH
・SO4・2H2O、Na3[VO(O2)(C242
・6H2O)、過マンガン酸塩(例えば、KMnO4)、
クロム酸塩(例えば、K2Cr2O7)のような酸素酸
塩、沃素や臭素のようなハロゲン元素、過ハロゲン酸塩
(例えば、過沃素酸カリウム)、高原子価の金属の塩
(例えば、ヘキサシアノ第二鉄酸カリウム)およびチオ
スルフォン酸塩がある。
【0116】また、有機の酸化剤としては、p−キノン
のようなキノン類、過酢酸や過安息香酸のような有機過
酸化物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−
ブロムサクシンイミド、クロラミンT、クロラミンB)
が例として挙げられる。
【0117】本発明の好ましい酸化剤は、オゾン、過酸
化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォ
ン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤である。
前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用するのは好ま
しい態様である。酸化剤を用いたのち還元増感を施こす
方法、その逆方法あるいは両者を同時に共存させる方法
のなかから選んで用いることができる。これらの方法は
粒子形成工程でも化学増感工程でも選んで用いることが
できる。
【0118】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール
類、例えば、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾー
ル類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミ
ダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプト
チアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカ
プトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニ
トロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類
(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール);
メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン類;例
えば、オキサドリンチオンのようなチオケト化合物;ア
ザインデン類、例えば、トリアザインデン類、テトラア
ザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3
a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン
類のようなかぶり防止剤または安定剤として知られた、
多くの化合物を加えることができる。例えば、米国特許
第3,954,474号、同第3,982,947号、
特公昭52−28660号に記載されたものを用いるこ
とができる。好ましい化合物の一つに特開昭63−21
2932号に記載された化合物がある。かぶり防止剤お
よび安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形成後、水
洗工程、水洗後の分散時、化学増感前、化学増感中、化
学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応じて添加
することができる。乳剤調製中に添加して本来のかぶり
防止および安定化効果を発現する以外に、粒子の晶壁を
制御する、粒子サイズを小さくする、粒子の溶解性を減
少させる、化学増感を制御する、色素の配列を制御する
など多目的に用いることができる。
【0119】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類その他によって分光増感されることが本発明の効果
を発揮するのに好ましい。用いられる色素には、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メ
ロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシア
ニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が
包含される。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシ
アニン色素、および複合メロシアニン色素に属する色素
である。これらの色素類には、塩基性複素環核としてシ
アニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用でき
る。すなわち、例えば、ピロリン核、オキサゾリン核、
チオゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾー
ル核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール
核、ピリジン核;これらの核に脂環式炭化水素環が融合
した核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した
核、即ち、例えば、インドレニン核、ベンゾインドレニ
ン核、インドール核、ベンゾオキサドール核、ナフトオ
キサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール
核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイミダゾール核、キ
ノリン核が適用できる。これらの核は炭素原子上に置換
基を有していてもよい。
【0120】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、例えば、
ピラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チ
オオキサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−
2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸
核の5〜6員複素環核を適用することができる。
【0121】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同第2,97
7,229号、同第3,397,060号、同第3,5
22,052号、同第3,527,641号、同第3,
617,293号、同第3,628,964号、同第
3,666,480号、同第3,672,898号、同
第3,679,428号、同第3,703,377号、
同第3,769,301号、同第3,814,609
号、同第3,837,862号、同第4,026,70
7号、英国特許第1,344,281号、同第1,50
7,803号、特公昭43−4936号、同53−12
375号、特開昭52−110618号、同52−10
9925号に記載されている。
【0122】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。
【0123】増感色素を乳剤中に添加する時期は、これ
まで有用であると知られている乳剤調製の如何なる段階
であってもよい。もっとも普通には化学増感の完了後塗
布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3,62
8,969号、および同第4,225,666号に記載
されているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感
を化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−113
928号に記載されているように化学増感に先立って行
なうことも出来、またハロゲン化銀粒子沈澱生成の完了
前に添加し分光増感を開始することも出来る。更にまた
米国特許第4,225,666号に教示されているよう
にこれらの前記化合物を分けて添加すること、即ちこれ
らの化合物の一部を化学増感に先立って添加し、残部を
化学増感の後で添加することも可能であり、米国特許第
4,183,756号に開示されている方法を始めとし
てハロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよい。
【0124】添加量は、ハロゲン化銀1モル当り、4×
10-6〜8×10-3モルで用いることができるが、より
好ましいハロゲン化銀粒子サイズ0.2〜1.2μmの
場合は約5×10-5〜2×10-3モルが有効である。
【0125】本発明の感光材料は、支持体上に少なくと
も1層の感光性層が設けられていればよい。典型的な例
としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが
感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光
性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料
である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の
何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感
光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色
性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じ
て上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異
なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上
記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層に
は非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプ
ラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよ
い。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤
層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されてい
るように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体
に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ま
しい。また、特開昭57-112751、同62-200350、同62-206
541、62-206543に記載されているように支持体より離れ
た側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を
設置してもよい。
【0126】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。
【0127】また特公昭55-34932公報に記載されている
ように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH
/GL/RLの順に配列することもできる。また特開昭56-2
5738、同62-63936に記載されているように、支持体から
最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列
することもできる。
【0128】また特公昭49-15495に記載されているよう
に上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層を
それよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中
層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置
し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の
異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよう
な感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭
59-202464 に記載されているように、同一感色性層中に
おいて支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳
剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
【0129】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層の順に配置されていてもよい。また、4層以
上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0130】色再現性を改良するために、US 4,663,27
1、同 4,705,744、同 4,707,436、特開昭62-160448、同
63-89850の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と
分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL)を主感
光層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
【0131】本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g/m2
以下が好ましく、4.5g/m2以下が最も好ましい。
【0132】本発明に使用できる写真用添加剤はRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。
【0133】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648 頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4.増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5.光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6.バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 7.可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 8.塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 9.スタチツク 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 10.マツト剤 878 〜879 頁。
【0134】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。
【0135】イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),
(II)で表わされるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2)
で表わされるカプラー (特に18頁のY-28); EP 568,037A
のクレーム1の式(I) で表わされるカプラー; US 5,06
6,576のカラム1の45〜55行の一般式(I) で表わされる
カプラー; 特開平4-274425の段落0008の一般式(I) で表
わされるカプラー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に
記載のカプラー(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4
頁の式(Y) で表わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54
(41 頁)); US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)
〜(IV)で表わされるカプラー(特にII-17,19( カラム1
7),II-24(カラム19))。
【0136】マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(1
1 頁右下),L-68(12 頁右下),L-77(13 頁右下); EP 456,
257 の A-4 -63(134頁), A-4 -73,-75(139頁); EP 486,
965のM-4,-6(26 頁),M-7(27頁); EP 571,959AのM-45(19
頁);特開平5-204106の(M-1)(6 頁);特開平4-362631の
段落0237のM-22。
【0137】シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,
3,4,5,11,12,14,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,
10(35 頁),34,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特
開平6-67385 の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わ
されるカプラー。ポリマーカプラー: 特開平2-44345 の
P-1,P-5(11頁)。
【0138】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁
に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエ
ローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EP
に記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202
頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069
に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム
8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、
WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマ
スキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ま
しい。
【0139】写真性有用基を放出するカプラーとして
は、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:
EP 378,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で
表わされる化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-11
3(36頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP 4
36,938A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特
にD-49(51 頁))、EP 568,037A の式(1) で表わされる化
合物(特に(23)(11 頁))、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記
載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁の
I-(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁
の式(I),(I’)で表わされる化合物(特に61頁の(60),
(61)) 及び特開平6-59411 の請求項1の式(I) で表わさ
れる化合物(特に(7)(7 頁); リガンド放出化合物:US
4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化
合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色
素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化合物1
〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレーム1の
COUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合
物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US
4,656,123のカラム3の式(1)、(2)、(3)で表わされる
化合物(特にカラム25の(I-22)) 及びEP 450,637A2の75
頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基を
放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の式(I) で
表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19)。
【0140】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,
5, 16, 19, 25, 30, 42, 49, 54, 55, 66, 81, 85, 86,
93(140〜144 頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテック
ス: US 4,199,363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体
スカベンジャー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の
式(I) で表わされる化合物(特にI-(1),(2), (6), (12)
(カラム4〜5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行
の式(特に化合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP
298321Aの4頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,
III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,
7, 20, 21, 23, 24, 25, 26, 30, 37, 40, 42, 48, 63,
90, 92, 94, 164(69〜118頁), US5,122,444のカラム25
〜38のII-1〜III-23, 特にIII-10, EP 471347Aの8 〜12
頁のI-1〜III-4, 特にII-2, US 5,139,931のカラム32〜
40のA-1〜48, 特にA-39,42; 発色増強剤または混色防止
剤の使用量を低減させる素材: EP 411324Aの5 〜24頁の
I-1〜II-15,特にI-46; ホルマリンスカベンジャー: EP
477932Aの24〜29頁のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤:
特開平1-214845の17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573の
カラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H-1
〜54),特開平2-214852の8頁右下の式(6) で表わされる
化合物(H-1〜76),特にH-14,US 3,325,287のクレーム1
に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-1
68139 のP-24, 37, 39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレ
ーム1に記載の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐
剤、防黴剤: US 4,923,790のカラム3 〜15のI-1〜III-4
3, 特にII-1, 9, 10, 18, III-25; 安定剤、かぶり防止
剤: US 4,923,793のカラム6〜16のI-1〜(14), 特にI-1,
60,(2),(13), US 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1
〜65, 特に36: 化学増感剤: トリフェニルホスフィン
セレニド,特開平5-40324 の化合物50; 染料: 特開平3-1
56450の15〜18頁のa-1 〜b-20,特にa-1, 12, 18, 27, 3
5, 36, b-5, 27〜29頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627
A の33〜55頁のF-I-1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, E
P 457153Aの17〜28頁のIII-1〜36, 特にIII-1,3, WO 88
/04794の8〜26のDye-1〜124の微結晶分散体, EP319999
Aの6〜11頁の化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A
の式(1) ないし(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜2
8頁),US 4,268,622の式(I) で表わされる化合物1〜22
(カラム3〜10), US 4,923,788 の式(I)で表わされる化
合物(1)〜(31)(カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-333
5 の式(1) で表わされる化合物(18b)〜(18r), 101〜427
(6〜9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3)
〜(66)(10〜44頁)及び式(III)で表わされる化合物HBT-1
〜10(14頁), EP 521823Aの式(1)で表わされる化合物(1)
〜(31)(カラム2〜9)。
【0141】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよ
びカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に
適用することができる。また、特公平2-32615、実公平3
-39784 に記載されているレンズ付きフイルムユニット
用に好適である。
【0142】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716の647頁右
欄から648頁左欄、および同No.307105の879頁に記載さ
れている。
【0143】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下であるこ
とが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μm以下
が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。また膜膨
潤速度T1/2は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好
ましい。T1/2は、発色現像液で30℃、3分15秒処理した
時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたと
き、膜厚がその1/2に到達するまでの時間と定義する。
膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した
膜厚を意味し、T1/2は、エー・グリーン(A. Green)ら
のフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニ
アリング (Photogr. Sci. Eng.), 19卷、2,124〜129
頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用するこ
とにより測定できる。T1/2は、バインダーとしてのゼ
ラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条
件を変えることによって調整することができる。また、
膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率とは、さきに述
べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚
−膜厚)/膜厚 により計算できる。
【0144】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性コ
ロイド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。
このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、
紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダ
ー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させ
ることが好ましい。このバック層の膨潤率は150〜500%
が好ましい。
【0145】本発明の感光材料は、前述のRD.No.1764
3の28〜29頁、同No.18716の651左欄〜右欄、および同N
o.307105の880〜881頁に記載された通常の方法によって
現像処理することができる。
【0146】次に、本発明に使用されるカラーネガフイ
ルム用の処理液について説明する。
【0147】本発明に使用される発色現像液には、特開
平4-121739の第9頁右上欄1行〜第11頁左下欄4行に記
載の化合物を使用することができる。特に迅速な処理を
行う場合の発色現像主薬としては、2−メチル−4−
〔N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕
アニリン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(3−
ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリン、2−メチル−
4−〔N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)アミ
ノ〕アニリンが好ましい。
【0148】これらの発色現像主薬は発色現像液1リッ
トル(以下、「L」とも表記する。)あたり0.01〜0.08
モルの範囲で使用することが好ましく、特には0.015〜
0.06モル、更には0.02〜0.05モルの範囲で使用すること
が好ましい。また発色現像液の補充液には、この濃度の
1.1〜3倍の発色現像主薬を含有させておくことが好ま
しく、特に1.3〜2.5倍を含有させておくことが好まし
い。
【0149】発色現像液の保恒剤としては、ヒドロキシ
ルアミンが広範に使用できるが、より高い保恒性が必要
な場合は、アルキル基やヒドロキシアルキル基、スルホ
アルキル基、カルボキシアルキル基などの置換基を有す
るヒドロキシルアミン誘導体が好ましく、具体的には
N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミン、モノメ
チルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミ
ン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキ
ルアミン、N,N−ジ(カルボキシエチル)ヒドロキル
アミンが好ましい。上記の中でも、特にN,N−ジ(ス
ルホエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。これらはヒ
ドロキシルアミンと併用してもよいが、好ましくはヒド
ロキシルアミンの代わりに、1種または2種以上使用す
ることが好ましい。
【0150】保恒剤は1Lあたり0.02〜0.2モルの範囲で
使用することが好ましく、特に0.03〜0.15モル、更には
0.04〜0.1モルの範囲で使用することが好ましい。また
補充液においては、発色現像主薬の場合と同様に、母液
(処理タンク液)の1.1〜3倍の濃度で保恒剤を含有さ
せておくことが好ましい。
【0151】発色現像液には、発色現像主薬の酸化物の
タール化防止剤として亜硫酸塩が使用される。亜硫酸塩
は1Lあたり0.01〜0.05モルの範囲で使用するのが好ま
しく、特には0.02〜0.04モルの範囲が好ましい。補充液
においては、これらの 1.1〜3倍の濃度で使用すること
が好ましい。
【0152】また、発色現像液のpHは9.8〜11.0の範囲
が好ましいが、特には10.0〜10.5が好ましく、また補充
液においては、これらの値から0.1〜1.0の範囲で高い値
に設定しておくことが好ましい。このようなpHを安定し
て維持するには、炭酸塩、リン酸塩、スルホサリチル酸
塩、ホウ酸塩などの公知の緩衝剤が使用される。
【0153】発色現像液の補充量は、感光材料1m2あた
り80〜1300ミリリットル(以下「mL」とも表記するバイ
ンダー。)が好ましいが、環境汚濁負荷の低減の観点か
ら、より少ない方が好ましく、具体的には80〜600mL、
更には80〜400mLが好ましい。
【0154】発色現像液中の臭化物イオン濃度は、通
常、1Lあたり0.01〜0.06モルであるが、感度を保持し
つつカブリを抑制してディスクリミネーションを向上さ
せ、かつ、粒状性を良化させる目的からは、1Lあたり
0.015〜0.03モルに設定することが好ましい。臭化物イ
オン濃度をこのような範囲に設定する場合に、補充液に
は下記の式で算出した臭化物イオンを含有させればよ
い。ただし、Cが負になる時は、補充液には臭化物イオ
ンを含有させないことが好ましい。
【0155】C=A−W/V C:発色現像補充液中の臭化物イオン濃度(モル/L) A:目標とする発色現像液中の臭化物イオン濃度(モル
/L) W:1m2の感光材料を発色現像した場合に、感光材料か
ら発色現像液に溶出する臭化物イオンの量(モル) V:1m2の感光材料に対する発色現像補充液の補充量
(L)。
【0156】また、補充量を低減した場合や、高い臭化
物イオン濃度に設定した場合、感度を高める方法とし
て、1−フェニル−3−ピラゾリドンや1−フェニル−
2−メチル−2−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン
に代表されるピラゾリドン類や3,6−ジチア−1,8
−オクタンジオールに代表されるチオエーテル化合物な
どの現像促進剤を使用することも好ましい。
【0157】本発明における漂白能を有する処理液に
は、特開平4-125558の第4頁左下欄16行〜第7頁左下欄
6行に記載された化合物や処理条件を適用することがで
きる。
【0158】漂白剤は酸化還元電位が150mV以上のもの
が好ましいが、その具体例としては特開平5-72694 、同
5-173312に記載のものが好ましく、特に1,3−ジアミ
ノプロパン四酢酸、特開平5-173312号第7頁の具体例1
の化合物の第二鉄錯塩が好ましい。
【0159】また、漂白剤の生分解性を向上させるに
は、特開平4-251845、同4-268552、EP588,289、同 591,
934、特開平6-208213に記載の化合物第二鉄錯塩を漂白
剤として使用することが好ましい。これらの漂白剤の濃
度は、漂白能を有する液1Lあたり0.05〜0.3モルが好ま
しく、特に環境への排出量を低減する目的から、0.1モ
ル〜0.15モルで設計することが好ましい。また、漂白能
を有する液が漂白液の場合は、1Lあたり0.2モル〜1モ
ルの臭化物を含有させることが好ましく、特に0.3〜0.8
モルを含有させることが好ましい。
【0160】漂白能を有する液の補充液には、基本的に
以下の式で算出される各成分の濃度を含有させる。これ
により、母液中の濃度を一定に維持することができる。
【0161】CR=CT×(V1+V2)/V1+CP CR :補充液中の成分の濃度 CT :母液(処理タンク液)中の成分の濃度 CP :処理中に消費された成分の濃度 V1 :1m2の感光材料に対する漂白能を有する補充液
の補充量(mL) V2 :1m2の感光材料による前浴からの持ち込み量
(mL)。
【0162】その他、漂白液にはpH緩衝剤を含有させる
ことが好ましく、特にコハク酸、マレイン酸、マロン
酸、グルタル酸、アジピン酸など、臭気の少ないジカル
ボン酸を含有させることが好ましい。また、特開昭53-9
5630、RDNo.17129、US 3,893,858に記載の公知の漂白
促進剤を使用することも好ましい。
【0163】漂白液には、感光材料1m2あたり50〜1000
mLの漂白補充液を補充することが好ましく、特には80〜
500mL、さらには100〜300mLの補充をすることが好まし
い。さらに漂白液にはエアレーションを行なうことが好
ましい。
【0164】定着能を有する処理液については、特開平
4-125558の第7頁左下欄10行〜第8頁右下欄19行に記載
の化合物や処理条件を適用することができる。
【0165】特に、定着速度と保恒性を向上させるため
に、特開平6-301169の一般式(I)と(II)で表される
化合物を、単独あるいは併用して定着能を有する処理液
に含有させることが好ましい。またp−トルエンスルフ
ィン酸塩をはじめ、特開平1-224762に記載のスルフィン
酸を使用することも、保恒性の向上の上で好ましい。
【0166】漂白能を有する液や定着能を有する液に
は、脱銀性の向上の観点からカチオンとしてアンモニウ
ムを用いることが好ましいが、環境汚染低減の目的から
は、アンモニウムを減少或いはゼロにする方が好まし
い。漂白、漂白定着、定着工程においては、特開平1-30
9059に記載のジェット撹拌を行なうことが特に好まし
い。漂白定着また定着工程における補充液の補充量は、
感光材料1m2あたり100〜1000mLであり、好ましくは150
〜700mL、特に好ましくは200〜600mLである。
【0167】漂白定着や定着工程には、各種の銀回収装
置をインラインやオフラインで設置して銀を回収するこ
とが好ましい。インラインで設置することにより、液中
の銀濃度を低減して処理できる結果、補充量を減少させ
ることができる。また、オフラインで銀回収して残液を
補充液として再利用することも好ましい。漂白定着工程
や定着工程は複数の処理タンクで構成することができ、
各タンクはカスケード配管して多段向流方式にすること
が好ましい。現像機の大きさとのバランスから、一般に
は2タンクカスケード構成が効率的であり、前段のタン
クと後段のタンクにおける処理時間の比は、0.5:1〜
1:0.5の範囲にすることが好ましく、特には0.8:1〜
1:0.8の範囲が好ましい。
【0168】漂白定着液や定着液には、保恒性の向上の
観点から金属錯体になっていない遊離のキレート剤を存
在させることが好ましいが、これらのキレート剤として
は、漂白液に関して記載した生分解性キレート剤を使用
することが好ましい。
【0169】水洗および安定化工程に関しては、上記の
特開平4-125558、第12頁右下欄6行〜第13頁右下欄第16
行に記載の内容を好ましく適用することができる。特
に、安定液にはホルムアルデヒドに代わってEP504,60
9、同519,190に記載のアゾリルメチルアミン類や特開平
4-362943に記載のN−メチロールアゾール類を使用する
ことや、マゼンタカプラーを二当量化してホルムアルデ
ヒドなどの画像安定化剤を含まない界面活性剤の液にす
ることが、作業環境の保全の観点から好ましい。また、
感光材料に塗布された磁気記録層へのゴミの付着を軽減
するには、特開平6-289559に記載の安定液が好ましく使
用できる。
【0170】水洗および安定液の補充量は、感光材料1
m2あたり80〜1000mLが好ましく、特には100〜500mL、さ
らには150〜300mLが、水洗または安定化機能の確保と環
境保全のための廃液減少の両面から好ましい範囲であ
る。このような補充量で行なう処理においては、バクテ
リアや黴の繁殖防止のために、チアベンダゾール、1,
2−ベンゾイソチアゾリン−3オン、5−クロロ−2−
メチルイソチアゾリン−3−オンのような公知の防黴剤
やゲンタマイシンのような抗生物質、イオン交換樹脂等
によって脱イオン処理した水を用いることが好ましい。
脱イオン水と防菌剤や抗生物質は、併用することがより
効果的である。また、水洗または安定液タンク内の液
は、特開平3-46652、同3-53246、同-355542、同3-12144
8、同3-126030に記載の逆浸透膜処理を行なって補充量
を減少させることも好ましく、この場合の逆浸透膜は、
低圧逆浸透膜であることが好ましい。
【0171】本発明における処理においては、発明協会
公開技報、公技番号94-4992 に開示された処理液の蒸発
補正を実施することが特に好ましい。特に第2頁の(式
−1)に基づいて、現像機設置環境の温度及び湿度情報
を用いて補正する方法が好ましい。蒸発補正に使用する
水は、水洗の補充タンクから採取することが好ましく、
その場合は水洗補充水として脱イオン水を用いることが
好ましい。
【0172】本発明に用いられる処理剤としては、上記
公開技報の第3頁右欄15行から第4頁左欄32行に記載の
ものが好ましい。また、これに用いる現像機としては、
第3頁右欄の第22行から28行に記載のフイルムプロセサ
ーが好ましい。
【0173】本発明を実施するに好ましい処理剤、自動
現像機、蒸発補正方式の具体例については、上記の公開
技報の第5頁右欄11行から第7頁右欄最終行までに記載
されている。本発明に使用される処理剤の供給形態は、
使用液状態の濃度または濃縮された形の液剤、あるいは
顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液など、いかなる形
態でもよい。このような処理剤の例として、特開昭63-1
7453には低酸素透過性の容器に収納した液剤、特開平4-
19655、同4-230748には真空包装した粉末あるいは顆
粒、同4-221951には水溶性ポリマーを含有させた顆粒、
特開昭51-61837、特開平6-102628には錠剤、特表昭57-5
00485にはペースト状の処理剤が開示されており、いず
れも好ましく使用できるが、使用時の簡便性の面から、
予め使用状態の濃度で調製してある液体を使用すること
が好ましい。
【0174】これらの処理剤を収納する容器には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエ
チレンテレフタレート、ナイロンなどが、単独あるいは
複合材料として使用される。これらは要求される酸素透
過性のレベルに合わせて選択される。発色現像液などの
酸化されやすい液に対しては、低酸素透過性の素材が好
ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートやポリ
エチレンとナイロンの複合材料が好ましい。これらの材
料は500〜1500μmの厚さで、容器に使用され、酸素透
過性を20mL/m2・24hrs・atm以下にすることが好ましい
次に本発明に使用されるカラー反転フイルム用の処理液
について説明する。
【0175】カラー反転フイルム用の処理については、
アズテック有限会社発行の公知技術第6号(1991年4月
1日)第1頁5行〜第10頁5行、及び第15頁8行〜第24
頁2行に詳細に記載されており、その内容はいずれも好
ましく適用することができる。
【0176】カラー反転フイルムの処理においては、画
像安定化剤は調整浴か最終浴に含有される。このような
画像安定化剤としては、ホルマリンのほかにホルムアル
デヒド重亜硫酸ナトリウム、N−メチロールアゾール類
があげられるが、作業環境の観点からホルムアルデヒド
重亜硫酸ナトリウムかN−メチロールアゾール類が好ま
しく、N−メチロールアゾール類としては、特にN−メ
チロールトリアゾールが好ましい。また、カラーネガフ
イルムの処理において記載した発色現像液、漂白液、定
着液、水洗水などに関する内容は、カラー反転フイルム
の処理にも好ましく適用できる。上記の内容を含む好ま
しいカラー反転フイルムの処理剤として、イーストマン
コダック社のE−6処理剤及び富士写真フイルム(株)
のCR−56処理剤をあげることができる。
【0177】次に、本発明に好ましく用いられる磁気記
録層について説明する。磁気記録層とは、磁性体粒子を
バインダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液
を支持体上に塗設したものである。
【0178】本発明で用いられる磁性体粒子は、γFe2O
3などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3、Co被着マグネタ
イト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁
性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェ
ライト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用でき
る。Co被着γFe2O3などのCo被着強磁性酸化鉄が好まし
い。形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状
等いずれでもよい。比表面積ではSBETで20m2/g以上が
好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽和
磁化(σs)は、好ましくは3.0×104〜3.0×105A/mであ
り、特に好ましくは4.0×104〜2.5×105mA/mである。強
磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナや有機素
材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子
は特開平6-161032に記載された如くその表面にシランカ
ップリング剤又はチタンカップリング剤で処理されても
よい。又特開平4-259911、同5-81652 号に記載の表面に
無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0179】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4-219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放
射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解
性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導
体など)およびそれらの混合物を使用することができ
る。上記の樹脂のTgは-40℃〜300℃、重量平均分子量は
0.2万〜100万である。例えばビニル系共重合体、セルロ
ースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロ
ースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート
ブチレート、セルローストリプロピオネートなどのセル
ロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特にセル
ロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダー
は、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の架
橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシアネ
ート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、などのイソシアネート類、これらのイソシアネート
類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリレン
ジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1molの
反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮合に
より生成したポリイソシアネートなどがあげられ、例え
ば特開平6-59357に記載されている。
【0180】前述の磁性体を上記バインダ−中に分散す
る方法は、特開平6-35092に記載されている方法のよう
に、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好
ましく併用も好ましい。特開平5-088283に記載の分散剤
や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の
厚みは0.1μm〜10μm、好ましくは0.2μm〜5μm、
より好ましくは0.3μm〜3μmである。磁性体粒子とバ
インダーの重量比は好ましくは0.5:100〜60:100からな
り、より好ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子
の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01〜2g/m2、さ
らに好ましくは0.02〜0.5g/m2である。磁気記録層の透
過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.03〜0.20
がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録
層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面
またはストライプ状に設けることができる。磁気記録層
を塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エ
アナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランス
ファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、
ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、
特開平5-341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0181】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US5,336,589、同5,250,404、同5,
229,259、同5,215,874、EP466,130に記載されている。
【0182】次に本発明に用いられるポリエステル支持
体について記すが、後述する感材、処理、カートリッジ
及び実施例なども含め詳細については、公開技報、公技
番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)に記載されている。
本発明に用いられるポリエステルはジオールと芳香族ジ
カルボン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボ
ン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及び2,7
−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられる。
この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジ
メタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げるこ
とができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸を50モル%〜100モル%含むポリエステルであ
る。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,6−ナ
フタレートである。平均分子量の範囲は約5,000ないし2
00,000である。本発明のポリエステルのTgは50℃以上で
あり、さらに90℃以上が好ましい。
【0183】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理は
この温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しな
がら熱処理してもよい。この熱処理時間は、0.1時間以
上1500時間以下、さらに好ましくは0.5時間以上200時間
以下である。支持体の熱処理は、ロール状で実施しても
よく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表
面に凹凸を付与し(例えばSnO2やSb2O5等の導電性無機
微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端部
にローレットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯
部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望ま
しい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バ
ック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後
のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止
剤塗布後である。
【0184】このポリエステルには紫外線吸収剤を練り
込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化
成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset等ポリエステル
用として市販されている染料または顔料を練り込むこと
により目的を達成することが可能である。
【0185】次に、本発明では支持体と感材構成層を接
着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処
理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面
活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいの
は、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処
理である。
【0186】次に下塗法について述べると、単層でもよ
く2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中
から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めと
して、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化
ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。
支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロ
ルフェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤として
はクロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホル
ムアルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシア
ネート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6
−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒド
リン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げること
ができる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメ
タクリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット
剤として含有させてもよい。
【0187】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。
【0188】帯電防止剤として最も好ましいものは、Zn
O、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO 2、MgO、BaO、Mo
O3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率が
107Ω・cm以下、より好ましくは105Ω・cm以下である粒
子サイズ0.001〜 1.0μm結晶性の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物(Sb, P, B, In, S, Si, Cなど)の
微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複
合酸化物の微粒子である。感材への含有量としては、5
〜500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2であ
る。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバイン
ダーの量の比は1/300〜100/1が好ましく、より好ましく
は1/100〜100/5である。
【0189】本発明の感材には滑り性がある事が好まし
い。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いるこ
とが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.
25以下0.01以上である。この時の測定は直径5mmのステ
ンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表す(25
℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面
に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
【0190】本発明に使用可能な滑り剤としては、ポリ
オルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金
属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等であ
り、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシ
ロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメチ
ルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用い
ることができる。添加層としては乳剤層の最外層やバッ
ク層が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長鎖ア
ルキル基を有するエステルが好ましい。
【0191】本発明の感材にはマット剤が有る事が好ま
しい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでも
よいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。
マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好
ましくは両者を併用することである。例えばポリメチル
メタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタク
リル酸=9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子など
が好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好ましく、そ
の粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9〜1.1
倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好まし
い。又マット性を高めるために0.8μm以下の微粒子を
同時に添加することも好ましく例えばポリメチルメタク
リレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メ
タクリル酸=9/1(モル比)、0.3μm))、ポリスチレン
粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)が挙
げられる。
【0192】次に本発明で用いられるフィルムパトロー
ネについて記す。本発明で使用されるパトローネの主材
料は金属でも合成プラスチックでもよい。好ましいプラ
スチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本発明
のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカ
ーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオ
ン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等
を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止され
たパトローネは特開平1-312537、同1-312538に記載され
ている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ま
しい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与す
るためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラ
スチックを使って製作される。パトローネのサイズは現
在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、
現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下
とすることも有効である。パトローネのケースの容積
は、30cm3以下好ましくは25cm3以下とすることが好まし
い。パトローネおよびパトローネケースに使用されるプ
ラスチックの重量は5g〜15gが好ましい。
【0193】更に本発明で用いられる、スプールを回転
してフイルムを送り出すパトローネでもよい。またフイ
ルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸を
フイルム送り出し方向に回転させることによってフイル
ム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造
でもよい。これらはUS 4,834,306、同 5,226,613に開示
されている。本発明に用いられる写真フイルムは現像前
のいわゆる生フイルムでもよいし、現像処理された写真
フイルムでもよい。又、生フイルムと現像済みの写真フ
ィルムが同じ新パトローネに収納されていてもよいし、
異なるパトローネでもよい。
【0194】本発明のカラー写真感光材料は、アドバン
スト・フォト・システム(以下、APシステムという)用
ネガフイルムとしても好適であり、富士写真フイルム
(株)(以下、富士フイルムという)製NEXIA A 、NEXI
A F 、NEXIA H (順にISO 200/100/400 )のようにフイ
ルムをAPシステムフォーマットに加工し、専用カートリ
ッジに収納したものを挙げることができる。これらのAP
システム用カートリッジフイルムは、富士フイルム製エ
ピオンシリーズ(エピオン300Z等)等のAPシステム用カ
メラに装填して用いられる。また、本発明のカラー写真
感光材料は、富士フイルム製フジカラー写ルンですスー
パースリムのようなレンズ付きフイルムにも好適であ
る。
【0195】これらにより撮影されたフイルムは、ミニ
ラボシステムでは次のような工程を経てプリントされ
る。
【0196】(1) 受付(露光済みカートリッジフイルム
をお客様からお預かり) (2) デタッチ工程(カートリッジから、フイルムを現像
工程用の中間カートリッジに移す) (3) フイルム現像 (4) リアタッチ工程( 現像済みのネガフイルムを、もと
のカートリッジに戻す) (5) プリント(C/H/P3タイプのプリントとインデック
スプリントをカラーペーパー〔好ましくは富士フイルム
製SUPER FA8 〕に連続自動プリント) (6) 照合・出荷(カートリッジとインデックスプリント
をIDナンバーで照合し、プリントとともに出荷)。
【0197】これらのシステムとしては、富士フイルム
ミニラボチャンピオンスーパーFA-298/FA-278/FA-258/F
A-238 及び富士フイルムデジタルラボシステム フロン
ティアが好ましい。ミニラボチャンピオンのフイルムプ
ロセサーとしてはFP922AL/FP562B/FP562B,AL/FP362B/FP
362B,AL が挙げられ、推奨処理薬品はフジカラージャス
トイットCN-16L及びCN-16Qである。プリンタープロセサ
ーとしては、PP3008AR/PP3008A/PP1828AR/PP1828A/PP12
58AR/PP1258A/PP728AR/PP728Aが挙げられ、推奨処理薬
品はフジカラージャストイットCP-47L及びCP-40FAIIで
ある。フロンティアシステムでは、スキャナー&イメー
ジプロセサー SP-1000及びレーザープリンター&ペーパ
ープロセサー LP-1000P もしくはレーザープリンターLP
-1000Wが用いられる。デタッチ工程で用いるデタッチャ
ー、リアタッチ工程で用いるリアタッチャーは、それぞ
れ富士フイルムのDT200/DT100及びAT200/AT100が好まし
い。
【0198】APシステムは、富士フイルムのデジタルイ
メージワークステーションAladdin1000を中心とするフ
ォトジョイシステムにより楽しむこともできる。例え
ば、Aladdin 1000に現像済みAPシステムカートリッジフ
イルムを直接装填したり、ネガフイルム、ポジフイル
ム、プリントの画像情報を、35mmフイルムスキャナーFE
-550やフラットヘッドスキャナーPE-550を用いて入力
し、得られたデジタル画像データを容易に加工・編集す
ることができる。そのデータは、光定着型感熱カラープ
リント方式によるデジタルカラープリンターNC-550ALや
レーザー露光熱現像転写方式のピクトログラフィー3000
によって、又はフイルムレコーダーを通して既存のラボ
機器によりプリントとして出力することができる。ま
た、Aladdin 1000は、デジタル情報を直接フロッピー
(登録商標)ディスクやZip ディスクに、もしくはCDラ
イターを介してCD-Rに出力することもできる。
【0199】一方、家庭では、現像済みAPシステムカー
トリッジフイルムを富士フイルム製フォトプレイヤーAP
-1に装填するだけでTVで写真を楽しむことができるし、
富士フイルム製フォトスキャナーAS-1に装填すれば、パ
ソコンに画像情報を高速で連続的に取り込むこともでき
る。また、フイルム、プリント又は立体物をパソコンに
入力するには、富士フイルム製フォトビジョンFV-10/FV
-5が利用できる。更に、フロッピーディスク、Zip ディ
スク、CD-Rもしくはハードディスクに記録された画像情
報は、富士フイルムのアプリケーションソフトフォトフ
ァクトリーを用いてパソコン上で様々に加工して楽しむ
ことができる。パソコンから高画質なプリントを出力す
るには、光定着型感熱カラープリント方式の富士フイル
ム製デジタルカラープリンターNC-2/NC-2Dが好適であ
る。
【0200】現像済みのAPシステムカートリッジフイル
ムを収納するには、フジカラーポケットアルバムAP-5ポ
ップL、AP-1ポップL、AP-1ポップKG又はカートリッジフ
ァイル16が好ましい。
【0201】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。但しこの実施
例に限定されるものではない。 (実施例1)以下の乳剤調製で分散媒として用いたゼラ
チン−1〜4は、以下の属性を持つゼラチンである。
【0202】ゼラチン−1:牛骨を原料とする、通常の
アルカリ処理オセインゼラチン。分子量分布は複数ピー
クを有し多分散である。ゼラチンのα、β、γ成分の和
に対するH2成分の比は0.07であり、ゼラチンのα、
β、γ成分の和に対するL2成分の比は0.035であった。
【0203】ゼラチン−2:ゼラチン−1に酵素を作用
させて低分子量化し、平均分子量を15000にした
後、酵素を失活させて乾燥させたゼラチン。ゼラチンの
α、β、γ成分の和に対するH2成分の比は0.007であ
り、ゼラチンのα、β、γ成分の和に対するL2成分の
比は0.098であった。
【0204】ゼラチン−3:高圧ホモジナイザーに上記
ゼラチン−1の40℃水溶液を導入し流量は460mL/min.
で、圧力差は100MPaで1回通し乾燥させたゼラチ
ン。ゼラチンのα、β、γ成分の和に対するH2成分の
比は0.011であり、ゼラチンのα、β、γ成分の和に対
するL2成分の比は0.035であった。
【0205】ゼラチン−4:高圧ホモジナイザーに上記
ゼラチン−1の40℃水溶液を導入し流量は460mL/min.
で、圧力差は150MPaで1回通し乾燥させたゼラチ
ン。ゼラチンのα、β、γ成分の和に対するH2成分の
比は0.005であり、ゼラチンのα、β、γ成分の和に対
するL2成分の比は0.033であった。
【0206】(乳剤の調製) 乳剤1−A (種結晶の調製)上記ゼラチン−1を5.0g及びKB
r4.3gを含む水溶液1600mLを40℃に保ちな
がら撹拌し、1.2MのAgNO3水溶液41mLとK
Iを4.3モル%含む1.26MのKBr水溶液41m
Lをダブルジェットで同時に40秒間添加した。その
後、ゼラチン−1を22gを加えてから20分間で58
℃まで昇温し、pAgを8.44に調節した後、アンモ
ニアを加え15分間熟成を行ってから中和した。次に
1.9MのAgNO3水溶液647mLと1.9MのK
Br水溶液、pAgを8.10に保って流量を加速しな
がら(終了時の流量が開始時の5倍)同時に55分間添
加した。この後、この乳剤を35℃に冷却し常法のフロ
キュレーション法で水洗し、ゼラチン−1を42g加え
て分散し、pH=6.2、pAg=8.9に調整した。
【0207】(粒子成長)AgNO3量で9.3gに相
当する沃臭化銀を含む上記種結晶48gに水1145m
Lとゼラチン−1を31g加え75℃に保ちながら撹拌
し、pH=5.5、pAg=8.44に合わせた。その
後、1.9MのAgNO3水溶液479mLとKIを
2.7モル%含む1.7MのKBr水溶液を、pAgを
8.29に保って流量を加速しながら(終了時の流量が
開始時の2.4倍)同時に48分間添加した。さらに
1.9MのAgNO3水溶液50mLと1.9MのKB
r水溶液を、pAgを8.44に保って定量で同時に5
分間添加した。その後、25分間で40℃に降温し沃化
物イオン放出剤であるp−ヨードアセトアミドベンゼン
スルホン酸ナトリウム(1水和物)を10.5g含む水
溶液を添加してから0.8Mの亜硫酸ナトリウム水溶液
40mLを1分間定量で添加し、pHを9.0に制御し
ながら沃化物イオンを生成せしめ、2分後に55℃まで
15分間かけて昇温してからpHを5.5に戻した。こ
の後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウムとK2IrC
6をそれぞれの粒子の総銀量に対して3.8×10-6
モル/モル銀、1×10-8モル/モル銀を溶液で添加し
てから1.9MのAgNO3水溶液269mLと1.9
MのKBr水溶液をpAgを8.59に保って定量で同
時に30分間添加した。
【0208】(水洗、分散)この後、この乳剤を35℃
に冷却し常法のフロキュレーション法で水洗し、pHを
上げゼラチン−1を70g加えて分散し、pH=5.
8、pAg=8.8に調整した。
【0209】乳剤中の粒子の形状をレプリカ法による透
過型電子顕微鏡写真を撮影し、粒子1000個について
計測して求めた(以下の乳剤1−B〜1−Lでも同
様)。
【0210】得られた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒
子の95%(個数)以上を占め、全粒子の投影面積に占
める平板粒子の投影面積の割合は97%を越えていた
(以下の乳剤1−B〜1−Lでも同様であった)。ま
た、全粒子の平均等価球相直径は1.20μmであった
(以下の乳剤1−B〜1−Lでも同様であった)。
【0211】全投影面積の50%以上を占める粒子のア
スペクト比及び双晶面間隔は表1に示した。さらに、乳
剤中の粒子200個について高圧型(加速電圧400k
V)電子顕微鏡により転位線の観察(導入位置、密度、
分布)を行った。得られた乳剤において実質的に粒子フ
リンジ部のみに1粒子当たり10本以上の転位線を有す
る平板粒子が全粒子に対して占める割合(投影面積%)
は80%以上であった(以下の乳剤1−B〜1−Lでも
同様であった)。
【0212】(化学増感)増感色素ExS−8、ExS
−9およびExS−10を添加した後、K2IrCl6、
チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウ
ム、N,N−ジメチルセレノウレアを添加し最適に化学
増感した。化学増感終了時に化合物2および化合物3を
添加した。
【0213】
【化1】
【0214】
【化2】
【0215】
【化3】
【0216】
【表1】
【0217】上記方法の粒子形成法(種結晶の調製、粒
子成長)において用いるゼラチンを表1に挙げるゼラチ
ンに置き換えると共に核形成時の温度、pAg、核形成
銀量、ゼラチンの添加量と熟成時間を変更すると共に粒
子成長時のpAgを調節して、上記表1中に示した粒子
形状の乳剤1−B〜1−Lを同様に調製した。
【0218】以下の製法によりハロゲン化銀乳剤D〜R
を調製した。 (乳剤Dの製法)フタル化率97%のフタル化した分子
量15000の低分子量ゼラチン31.7g、KBr3
1.7gを含む水溶液42.2Lを35℃に保ち激しく
撹拌した。AgNO3,316.7gを含む水溶液15
83mLとKBr、221.5g、上記ゼラチン−4を
52.7gを含む水溶液1583mLをダブルジェット
法で1分間に渡り添加した。添加終了後、直ちにKBr
52.8gを加えて、AgNO3を398.2gを含む
水溶液2485mLとKBrを291.1gを含む水溶
液2581mLをダブルジェット法で2分間に渡り添加
した。添加終了後、直ちにKBr、44.8gを添加し
た。
【0219】その後、40℃に昇温し、熟成した。熟成
終了後、上記ゼラチン−4を923gとKBr、79.
2gを添加し、AgNO3、5103gを含む水溶液1
5947mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終
流量が初期流量の1.4倍になるように流量加速して1
0分間に渡り添加した。この時、反応容器内のバルク乳
剤溶液のpAgを9.90に保った。水洗した後、上記
ゼラチン−4を加えpH、5.7、pAg、8.8、乳
剤1kg当たりの銀換算の重量131.8g、ゼラチン
重量64.1gに調整し、種乳剤とした。
【0220】上記ゼラチン−4を46g、KBr1.7
gを含む水溶液1211mLを75℃に保ち激しく撹拌
した。前述した種乳剤を9.9g加えた後、変成シリコ
ンオイル(日本ユニカ−株式会社製品、L7602)を
0.3g添加した。H2SO4を添加してpHを5.5に
調整した後、AgNO3を7.0gを含む水溶液67.
6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が
初期流量の5.1倍になるように流量加速して6分間に
渡り添加した。この時、反応容器内のバルク乳剤溶液の
pAgを8.15に保った。
【0221】ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム2mg
と二酸化チオ尿素2mgを添加した後、AgNO3を1
05.6gを含む水溶液、328mLとKBr水溶液を
ダブルジェット法で最終流量が初期流量の3.7倍にな
るように流量加速して56分間に渡り添加した。この
時、0.037μmの粒子サイズのAgI微粒子乳剤を
ヨウ化銀含有率が27mol%になるように同時に流量
加速して添加し、かつ反応容器内のバルク乳剤溶液のp
Agを8.60に保った。AgNO3を45.6gを含
む水溶液121.3mLとKBr水溶液をダブルジェッ
ト法で22分間に渡り添加した。この時、反応容器内の
バルク乳剤溶液のpAgを7.60に保った。
【0222】82℃に昇温し、KBrを添加して反応容
器内のバルク乳剤溶液のpAgを8.80に調整した
後、前述したAgI微粒子乳剤をKI重量換算で6.3
3g添加した。添加終了後、直ちに、AgNO3を6
6.4g含む水溶液206.2mLを16分間に渡り添
加した。添加初期の5分間はKBr水溶液で反応容器内
のバルク乳剤溶液のpAgを8.80に保った。水洗し
た後、上記ゼラチン−4を添加し40℃でpH、5.
8、pAg、8.7に調整し、60℃に昇温した。増感
色素ExS−2およびExS−3を添加した後に、チオ
シアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、
N,N−ジメチルセレノウレアを添加し最適に化学増感
した。化学増感終了時に化合物2および化合物1を添加
した。ここで、最適に化学増感するとは、増感色素なら
びに各化合物をハロゲン化銀1モルあたり10-1から1
-8モルの添加量範囲から選択したことを意味する。
【0223】
【化4】
【0224】
【化5】
【0225】(乳剤Eの製法)上記ゼラチン−4を0.
96g、KBr、0.9gを含む水溶液1192mLを
40℃に保ち、激しく撹拌した。AgNO3、1.49
gを含む水溶液37.5mLとKBrを1.05g含む
水溶液37.5mLをダブルジェット法で30秒間に渡
り添加した。KBrを1.2g添加した後、75℃に昇
温し熟成した。熟成終了後、上記ゼラチン−4を35g
添加し、pHを7に調整した。二酸化チオ尿素6mgを
添加した。AgNO3、29gを含む水溶液116mL
とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流
量の3倍になるように流量加速して添加した。この時、
反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを8.15に保っ
た。
【0226】AgNO3を110.2gを含む水溶液4
40.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終
流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して3
0分間に渡り添加した。この時、乳剤Dの調製で使用し
たAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が15.8mol
%になるように同時に流量加速して添加し、かつ反応容
器内のバルク乳剤溶液のpAgを7.85に保った。A
gNO3を24.1gを含む水溶液96.5mLとKB
r水溶液をダブルジェット法で3分間に渡り添加した。
この時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを7.8
5に保った。
【0227】エチルチオスルホン酸ナトリウム26mg
を添加した後、55℃に降温し、KBr水溶液を添加
し、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.80に
調整した。前述したAgI微粒子乳剤をKI重量換算で
8.5g添加した。添加終了後、直ちにAgNO3を5
7gを含む水溶液228mLを5分間に渡り添加した。
この時、添加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液のp
Agが8.75になるようにKBr水溶液で調整した。
乳剤Dとほぼ同様に水洗し、化学増感した。
【0228】(乳剤Fの製法)上記ゼラチン−4を1.
02g、KBr0.9gを含む水溶液1192mLを3
5℃に保ち、激しく撹拌した。AgNO3、4.47g
を含む水溶液、42mLとKBr、3.16g含む水溶
液、42mLをダブルジェット法で9秒間に渡り添加し
た。KBrを2.6g添加した後、63℃に昇温し熟成
した。熟成終了後、上記ゼラチン−4を41.2gとN
aCl、18.5gを添加した。pHを7.2に調整し
た後、ジメチルアミンボラン、8mgを添加した。Ag
NO3を26gを含む水溶液203mLとKBr水溶液
をダブルジェット法で最終流量が初期流量の3.8倍に
なるように添加した。この時、反応容器内のバルク乳剤
溶液のpAgを8.65に保った。
【0229】AgNO3を110.2gを含む水溶液4
40.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終
流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して2
4分間に渡り添加した。この時、乳剤Dの調製で使用し
たAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が2.3mol%
になるように同時に流量加速して添加し、かつ反応容器
内のバルク乳剤溶液のpAgを8.50に保った。1N
のチオシアン酸カリウム水溶液10.7mLを添加した
後、AgNO3、24.1gを含む水溶液153.5m
LとKBr水溶液をダブルジェット法で2分30秒間に
渡り添加した。この時、反応容器内のバルク乳剤溶液の
pAgを8.05に保った。
【0230】KBr水溶液を添加して反応容器内のバル
ク乳剤溶液のpAgを9.25に調整した。前述したA
gI微粒子乳剤をKI重量換算で6.4g添加した。添
加終了後、直ちにAgNO3、57gを含む水溶液40
4mLを45分間に渡り添加した。この時、添加終了時
の反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが8.65にな
るようにKBr水溶液で調整した。乳剤Dとほぼ同様に
水洗し、化学増感した。
【0231】(乳剤Gの製法)乳剤Fの調製において核
形成時のAgNO3添加量を2.3倍に変更した。そし
て、最終のAgNO3を57gを含む水溶液404mL
の添加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが
6.85になるようにKBr水溶液で調整するように変
更した。それ以外は乳剤Fとほぼ同様にして調製した。
【0232】(乳剤Hの製法)KBrを1.0g、上記
ゼラチン−4を1.1g含む水溶液1300mLを35
℃に保ち、撹拌した(1st液調製)。Ag−1水溶液
(100mL中にAgNO3を4.9g含有する)38
mLと、X−1水溶液(100mL中にKBrを5.2
g含有する)29mL、およびG−1水溶液(100m
L中に上記ゼラチン−4を8.0g含有する)8.5m
Lをトリプルジェット法で、一定の流量で30秒間にわ
たり添加した(添加1)。その後、KBr6.5gを添
加し、温度を75℃に昇温した。昇温後12分間の熟成
工程を経た後、G−2水溶液(100mL中に上記ゼラ
チン−4を12.7g含有する)300mLを添加し、
更に、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジスルホン酸ジ
ナトリウム一水和物を2.1g、二酸化チオ尿素を0.
002gを1分間づつ間隔をあけて順次添加した。
【0233】次に、Ag−2水溶液(100mL中にA
gNO3を22.1g含有する)157mLと、X−2
水溶液(100mL中にKBrを15.5g含有する)
をダブルジェット法で14分間にわたり添加した。この
時、Ag−2水溶液の添加は最終流量が初期流量の3.
4倍になるように流量加速を行い、X−2水溶液の添加
は反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが8.30を保
つように行った(添加2)。次いで、Ag−3水溶液
(100mL中にAgNO3を32.0g含有する)3
29mLと、X−3水溶液(100mL中にKBrを2
1.5g、KIを1.2g含有する)をダブルジェット
法で27分間にわたり添加した。この時、Ag−3水溶
液の添加は最終流量が初期流量の1.6倍になるように
流量加速を行い、X−3水溶液の添加は反応容器内のバ
ルク乳剤溶液のpAgが8.30を保つように行った
(添加3)。さらに、Ag−4水溶液(100mL中に
AgNO3を32.0g含有する)156mLと、X−
4水溶液(100mL中にKBrを22.4g含有す
る)をダブルジェット法で17分間にわたり添加した。
この時、Ag−4水溶液の添加は一定の流量で行い、X
−4水溶液の添加は反応容器内のバルク乳剤溶液のpA
gが7.52を保つように行った(添加4)。
【0234】その後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウ
ムを0.0025g、G−3水溶液(100mL中に上
記ゼラチン−4を12.0g含有する)125mLを、
1分間づつ間隔をあけて順次添加した。次いでKBr4
3.7gを添加し反応容器内のバルク乳剤溶液のpAg
を9.00にしてから、AgI微粒子乳剤(100g中
に平均粒径0.047μmのAgI微粒子を13.0g
含有する)73.9gを添加し、その2分後から、Ag
−4水溶液249mLと、X−4水溶液をダブルジェッ
ト法で添加した。この時Ag−4水溶液は一定の流量で
9分間にわたって添加し、X−4水溶液は最初の3.3
分間だけ反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.0
0に保つように添加し、残りの5.7分間は添加をせ
ず、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが最終的に
8.4になるようにした(添加5)。
【0235】その後、通常のフロキュレーション法によ
り脱塩を行い、次いで、攪拌しながら水、NaOH、上
記ゼラチン−4を添加し、56℃でpH6.4、pAg
8.6になるように調整した。
【0236】得られた乳剤は、平均等価球相当直径0.
99μm、アスペクト比の平均値が13.5、AgI含
有量の平均値が3.94モル%、平行な主平面が(11
1)面である平板状ハロゲン化銀粒子から成り、XPS
で測定されたハロゲン化銀粒子表面のAgI含有量は
2.6モル%であった。
【0237】続いて、下記の増感色素ExS−4、Ex
S−5およびExS−6、チオシアン酸カリウム、塩化
金酸、チオ硫酸ナトリウムおよびN,N−ジメチルセレ
ノ尿素を順次添加し最適に化学増感を施した後、下記の
水溶性メルカプト化合物MER−1およびMER−2を
4:1の比率で合計でハロゲン化銀1モル当たり3.6
×10-4モル添加することにより化学増感を終了させ
た。各増感色素の使用量は、ハロゲン化銀1モル当た
り、ExS−4が5.50×10-4モル、ExS−5が
1.30×10-4モル、ExS−6が4.65×10-5
モルで最適に化学増感された。
【0238】
【化6】
【0239】(乳剤Iの製法)上記ゼラチン−4を0.
75g、KBr、0.9gを含む水溶液1200mLを
39℃に保ち、pHを1.8に調整し激しく撹拌した。
AgNO3を1.85gを含む水溶液と1.5mol%
のKIを含むKBr水溶液をダブルジェット法で16秒
間に渡り添加した。この時、KBrの過剰濃度を一定に
保った。54℃に昇温し熟成した。熟成終了後、上記ゼ
ラチン−4を20g添加した。pHを5.9に調整した
後、KBr、2.9gを添加した。AgNO3、27.
4gを含む水溶液288mLとKBr水溶液をダブルジ
ェット法で53分間に渡り添加した。この時、粒子サイ
ズ0.03μmのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が
4.1mol%になるように同時に添加し、かつ反応容
器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.40に保った。
【0240】KBr、2.5gを添加した後、AgNO
3、87.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジ
ェット法で最終流量が初期流量の1.2倍になるように
流量加速して63分間に渡り添加した。この時、上述の
AgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が10.5mol%
になるように同時に流量加速して添加し、かつ反応容器
内のバルク乳剤溶液のpAgを9.50に保った。Ag
NO3、41.8gを含む水溶液132mLとKBr水
溶液をダブルジェット法で25分間に渡り添加した。添
加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが8.
15になるようにKBr水溶液の添加を調整した。pH
を7.3に調整し、二酸化チオ尿素、1mgを添加し
た。
【0241】KBrを添加して反応容器内のバルク乳剤
溶液のpAgを9.50に調整した後、上述のAgI微
粒子乳剤をKI重量換算で5.73g添加した。添加終
了後、直ちにAgNO3、66.4gを含む水溶液60
9mLを10分間に渡り添加した。添加初期の6分間は
KBr水溶液で反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
9.50に保った。水洗した後、上記ゼラチン−4を添
加し40℃でpH6.5、pAg、8.2に調整した。
乳剤Hと同様に化学増感した。なお、増感色素の使用量
は、ハロゲン化銀1モル当たり、ExS−4が1.08
×10-3モル、ExS−5が2.56×10-4モル、E
xS−6が9.16×10-5モルである。
【0242】(乳剤Jの製法)上記ゼラチン−4を0.
70g、KBr、0.9g、KI、0.175g、乳剤
Dの調製で使用した変成シリコンオイル0.2gを含む
水溶液1200mLを33℃に保ち、pHを1.8に調
製し激しく撹拌した。AgNO3を1.8gを含む水溶
液と3.2mol%のKIを含むKBr水溶液をダブル
ジェット法で9秒間に渡り添加した。この時、KBrの
過剰濃度を一定に保った。62℃に昇温し熟成した。熟
成終了後、上記ゼラチン−4を27.8g添加した。
【0243】pHを6.3に調製した後、KBr、2.
9gを添加した。AgNO3、27.58gを含む水溶
液270mLとKBr水溶液をダブルジェット法で37
分間に渡り添加した。この時、上記ゼラチン−4の水溶
液とAgNO3水溶液とKI水溶液を特開平10-43570号
に記載の磁気カップリング誘導型撹拌機を有する別のチ
ャンバー内で添加前直前混合して調製した粒子サイズ
0.008μmのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が
4.1mol%になるように同時に添加し、かつ反応容
器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.15に保った。
【0244】KBr、2.6gを添加した後、AgNO
3を87.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジ
ェット法で最終流量が初期流量の3.1倍になるように
流量加速して49分間に渡り添加した。この時、上述の
添加前直前混合して調製したAgI微粒子乳剤をヨウ化
銀含有率が7.9mol%になるように同時に流量加速
し、かつ反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.3
0に保った。二酸化チオ尿素、1mgを添加した後、A
gNO3、41.8gを含む水溶液132mLとKBr
水溶液をダブルジェット法で20分間に渡り添加した。
添加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが
7.90になるようにKBr水溶液の添加を調整した。
【0245】78℃に昇温し、pHを9.1に調整した
後、KBrを添加して反応容器内のバルク乳剤溶液のp
Agを8.70にした。乳剤Dの調製で使用したAgI
微粒子乳剤をKI重量換算で5.73g添加した。添加
終了後、直ちにAgNO3、66.4gを含む水溶液3
21mLを4分間に渡り添加した。添加初期の2分間は
KBr水溶液で反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
8.70に保った。乳剤Hとほぼ同様に水洗し、化学増
感した。なお、増感色素の使用量は、ハロゲン化銀1モ
ル当たり、ExS−4が1.25×10-3モル、ExS
−5が2.85×10-4モル、ExS−6が3.29×
10-5モルである。
【0246】(乳剤Kの製法)上記ゼラチン−4を1
7.8g、KBr、6.2g、KI、0.46gを含む
水溶液を45℃に保ち激しく撹拌した。AgNO3、1
1.85gを含む水溶液とKBrを3.8g含む水溶液
をダブルジェット法で45秒間に渡り添加した。63℃
に昇温後、上記ゼラチン−4を24.1g添加し、熟成
した。熟成終了後、AgNO3、133.4gを含む水
溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初
期流量の2.6倍になるように20分間に渡って添加し
た。この時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
7.60に保った。また添加開始10分後にK2IrC
6を0.1mg添加した。NaClを7g添加した
後、AgNO3を45.6g含む水溶液とKBr水溶液
をダブルジェット法で12分間に渡って添加した。この
時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを6.90に
保った。
【0247】また添加開始から6分間に渡って黄血塩を
29mg含む水溶液100mLを添加した。KBrを1
4.4g添加した後、乳剤Dの調製で使用したAgI微
粒子乳剤をKI重量換算で6.3g添加した。添加終了
後、直ちにAgNO3を42.7gを含む水溶液とKB
r水溶液をダブルジェット法で11分間に渡り添加し
た。この時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
6.90に保った。乳剤Hとほぼ同様に水洗し、化学増
感した。なお、増感色素の使用量は、ハロゲン化銀1モ
ル当たり、ExS−4が5.79×10-4モル、ExS
−5が1.32×10-4モル、ExS−6が1.52×
10-5モルである。
【0248】(乳剤Lの製法)乳剤Kの調製において核
形成時の温度を35℃に変更した以外はほぼ同様にして
調製した。なお、増感色素の使用量は、ハロゲン化銀1
モル当たり、ExS−4が9.66×10-4モル、Ex
S−5が2.20×10-4モル、ExS−6が2.54
×10-5モルである。
【0249】(乳剤Mの製法)上記ゼラチン−4を0.
75g、KBr、0.9gを含む水溶液1200mLを
39℃に保ち、pHを1.8に調整し激しく撹拌した。
AgNO3、0.34gを含む水溶液と1.5mol%
のKIを含むKBr水溶液をダブルジェット法で16秒
間に渡り添加した。この時、KBrの過剰濃度を一定に
保った。54℃に昇温し熟成した。熟成終了後、上記ゼ
ラチン−4を20gを添加した。pHを5.9に調整し
た後、KBr、2.9gを添加した。二酸化チオ尿素、
3mgを添加した後、AgNO3、28.8gを含む水
溶液288mLとKBr水溶液をダブルジェット法で5
8分間に渡り添加した。この時、粒子サイズ0.03μ
mのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が4.1mol
%になるように同時に添加し、かつ反応容器内のバルク
乳剤溶液のpAgを9.40に保った。
【0250】KBr、2.5gを添加した後、AgNO
3、87.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジ
ェット法で最終流量が初期流量の1.2倍になるように
流量加速して69分間に渡り添加した。この時、上述の
AgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が10.5mol%
になるように同時に流量加速して添加し、かつ反応容器
内のバルク乳剤溶液のpAgを9.50に保った。Ag
NO3、41.8gを含む水溶液132mLとKBr水
溶液をダブルジェット法で27分間に渡り添加した。添
加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを8.
15になるようにKBr水溶液の添加を調整した。
【0251】ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム2mg
を添加した後、KBrを添加して反応容器内のバルク乳
剤溶液のpAgを9.50に調整した後、上述のAgI
微粒子乳剤をKI重量換算で5.73g添加した。添加
終了後、直ちにAgNO3、66.4gを含む水溶液6
09mLを11分間に渡り添加した。添加初期の6分間
はKBr水溶液で反応容器内のバルク乳剤溶液のpAg
を9.50に保った。水洗した後、上記ゼラチン−4を
添加し40℃でpH6.5、pAg、8.2に調整し、
56℃に昇温した。増感色素ExS−4およびExS−
7を添加し、その後、チオシアン酸カリウム、塩化金
酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレ
アを添加し熟成し最適に化学増感した。化学増感終了時
に化合物4および化合物5を添加した。なお、増感色素
の使用量は、ハロゲン化銀1モル当たり、ExS−4が
3.69×10-4モル、ExS−7が8.19×10-4
モルである。
【0252】
【化7】
【0253】(乳剤Oの製法)乳剤1−Aの調製におい
て、種結晶の調製時に添加する1.2MのAgNO3
溶液78mLに、KIを4.3モル%含む1.26Mの
KBr水溶液78mLに変更した。それ以外は、1−A
と同様にして調製した。
【0254】(乳剤Pの製法)上記ゼラチン−4を4.
9g、KBr、5.3gを含む水溶液1200mLを4
0℃に保ち激しく撹拌した。AgNO3、8.75gを
含む水溶液27mLとKBr、6.45gを含む水溶液
36mLを1分間に渡りダブルジェット法で添加した。
75℃に昇温した後、AgNO3、6.9gを含む水溶
液21mLを2分間に渡り添加した。NH4NO3、2
6g、1N、NaOH、56mLを順次、添加した後、
熟成した。熟成終了後pHを4.8に調製した。AgN
3、141gを含む水溶液438mLとKBrを10
2.6g含む水溶液458mLをダブルジェット法で最
終流量が初期流量の4倍になるように添加した。
【0255】55℃に降温した後、AgNO3を7.1
gを含む水溶液240mLとKIを6.46g含む水溶
液をダブルジェット法で5分間に渡り添加した。KBr
を7.1g添加した後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリ
ウム、4mgとK2IrCl6、0.05mg添加した。
AgNO3、57.2gを含む水溶液177mLとKB
r、40.2gを含む水溶液、223mLを8分間に渡
ってダブルジェット法で添加した。乳剤Nとほぼ同様に
水洗し、化学増感した。
【0256】(乳剤QおよびRの製法)乳剤Kおよび乳
剤Lとそれぞれほぼ同様にして調製した。但し化学増感
は乳剤Oとほぼ同様の方法で行った。
【0257】前記のハロゲン化銀乳剤の特性値を表2、
表3にまとめて示した。表面ヨード含有率はXPSによ
り下記の如く調べることができる。試料を6.7×10
-4Pa以下の真空中で−115℃まで冷却し、プローブX
線としてMgKαをX線源電圧8kV、X線電流20m
Aで照射し、Ag3d5/2、Br3d、I3d5/2
電子について測定し、測定されたピークの積分強度を感
度因子で補正し、これらの強度比から表面のヨード含有
率を求めた。なお、前記の乳剤D〜Rのハロゲン化銀粒
子には特開平3−237450号に記載されているよう
な転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されている。な
お、乳剤S及びTは非感光性沃臭化銀乳剤である。
【0258】
【表2】
【0259】
【表3】
【0260】1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。
【0261】ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリ
マー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin
P.326(チバ・ガイギーCiba−Geigy社
製)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T
型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行
い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに
250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのPEN(ポ
リエチレンナフタレート)フィルムを得た。なおこのP
ENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料及びイエロ
ー染料(公開技法:公技番号94−6023号記載のI
−1、I−4、I−6、I−24、I−26、I−2
7、II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cm
のステンレス巻き芯に巻き付けて、110℃、48時間
の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0262】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン0.1g/m2、ソウジウムα−スルホジ−2−
エチルヘキシルサクシネート0.01g/m2、サリチ
ル酸0.04g/m2、p−クロロフェノール0.2g
/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH
20.012g/m2、ポリアミド−エピクロルヒドリン
重縮合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10mL/
2、バーコーター使用)、下塗層を延伸時高温面側に
設けた。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンの
ローラーや搬送装置はすべて115℃となっている)。
【0263】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0264】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチ
ン0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2
HCO)2CH20.02g/m2、ポリ(重合度10)
オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.005g/
2及びレゾルシンと塗布した。
【0265】3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%)で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸
0.14μm、単軸0.03μm、飽和磁化89Am2
/kg、Fe+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ
酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されている)0.0
6g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC25C(CH2OCONH−C6
3(CH3)NCO)30.3g/m2を、溶媒としてアセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンを用いて
バーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気記録層を
得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と3−
ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキシト
リメトキシシラン(15重量%)で処理被覆された研磨
剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ10mg/
2となるように添加した。乾燥は115℃、6分実施
した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115
℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層
のDBの色濃度増加分は約0.1、また磁気記録層の飽
和磁化モーメントは4.2Am2/kg、保磁力7.3
×104A/m、角形比は65%であった。
【0266】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C613CH
(OH)C1020COOC4081(化合物a,6mg/
2)/C50101O(CH2CH2O)16H(化合物b,
9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合物
は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル(1/
1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチ
ルエーテル(10倍量)に注加分散して作製した後、ア
セトン中で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから
添加した。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と
研磨剤の3−ポリ(重合度15)オキシエチレンプロピ
ルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で被覆され
た酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ15mg/m
2となるように添加した。乾燥は115℃、6分行った
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115
℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのステ
ンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静
摩擦係数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面
と滑り層の動摩擦係数も0.12と優れた特性であっ
た。
【0267】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガ感光材料である試料を
作成した。
【0268】(感光層の組成)各層に使用する素材の主
なものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 (具体的な化合物は以下の記載で、記号の次に数値が付
けられ、後ろに化学式が挙げられている) 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量
を示し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示
す。
【0269】 第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.155 沃臭化銀乳剤T 銀 0.01 ゼラチン 0.87 ExC−1 0.002 ExC−3 0.002 Cpd−2 0.001 HBS−1 0.004 HBS−2 0.002。
【0270】 第2層(第2ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.011 ゼラチン 0.407 ExM−1 0.050 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.074 固体分散染料 ExF−2 0.014 固体分散染料 ExF−3 0.020。
【0271】 第3層(中間層) 沃臭化銀乳剤S 0.020 ExC−2 0.022 ポリエチルアクリレートラテックス 0.085 ゼラチン 0.294。
【0272】 第4層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤R 銀 0.065 沃臭化銀乳剤Q 銀 0.258 ExC−1 0.109 ExC−3 0.044 ExC−4 0.072 ExC−5 0.011 ExC−6 0.003 Cpd−2 0.025 Cpd−4 0.025 HBS−1 0.17 ゼラチン 0.80。
【0273】 第5層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤P 銀 0.21 沃臭化銀乳剤O 銀 0.62 ExC−1 0.14 ExC−2 0.026 ExC−3 0.020 ExC−4 0.12 ExC−5 0.016 ExC−6 0.007 Cpd−2 0.036 Cpd−4 0.028 HBS−1 0.16 ゼラチン 1.18。
【0274】 第6層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤1−A 銀 1.47 ExC−1 0.18 ExC−3 0.07 ExC−6 0.029 ExC−7 0.010 ExY−5 0.008 Cpd−2 0.046 Cpd−4 0.077 HBS−1 0.25 HBS−2 0.12 ゼラチン 2.12。
【0275】 第7層(中間層) Cpd−1 0.089 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.83 ゼラチン 0.84。
【0276】 第8層(赤感層へ重層効果を与える層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.560 Cpd−3 0.020 Cpd−4 0.030 ExM−2 0.096 ExM−3 0.028 ExY−1 0.031 ExG−1 0.006 HBS−1 0.085 HBS−3 0.003 ゼラチン 0.58。
【0277】 第9層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 0.39 沃臭化銀乳剤K 銀 0.28 沃臭化銀乳剤J 銀 0.35 ExM−2 0.36 ExM−3 0.045 ExG−1 0.005 Cpd−3 0.010 HBS−1 0.28 HBS−3 0.01 HBS−4 0.27 ゼラチン 1.39。
【0278】 第10層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 0.45 ExC−6 0.009 ExM−2 0.031 ExM−3 0.029 ExY−1 0.006 ExM−4 0.028 ExG−1 0.005 Cpd−3 0.006 HBS−1 0.064 HBS−3 2.1×10-3 ゼラチン 0.44。
【0279】 第11層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.99 ExC−6 0.004 ExM−1 0.016 ExM−3 0.036 ExM−4 0.020 ExM−5 0.004 ExY−5 0.003 ExM−2 0.013 ExG−1 0.005 Cpd−3 0.004 Cpd−4 0.007 HBS−1 0.18 ポリエチルアクリレートラテックス 0.099 ゼラチン 1.11。
【0280】 第12層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.010 Cpd−1 0.16 油溶性染料ExF−5 0.010 固体分散染料ExF−6 0.020 HBS−1 0.082 ゼラチン 1.057。
【0281】 第13層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 銀 0.18 沃臭化銀乳剤E 銀 0.20 沃臭化銀乳剤F 銀 0.07 ExC−1 0.041 ExC−8 0.012 ExY−1 0.035 ExY−2 0.71 ExY−3 0.10 ExY−4 0.005 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.24 ゼラチン 1.41。
【0282】 第14層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 0.75 ExC−1 0.013 ExY−2 0.31 ExY−3 0.05 ExY−6 0.062 Cpd−2 0.075 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.91。
【0283】 第15層(第1保護層) 沃臭化銀乳剤S 銀 0.30 UV−1 0.21 UV−2 0.13 UV−3 0.20 UV−4 0.025 F−18 0.009 HBS−1 0.12 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 2.3。
【0284】 第16層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径1.7μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.75。
【0285】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために、W−1ないしW−5、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−18及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ルテニウム塩、ロジウム
塩が含有されている。また、第8層の塗布液にハロゲン
化銀1モル当たり8.5×10-3グラム、第11層に
7.9×10-3グラムのカルシウムを硝酸カルシウム水
溶液で添加し、試料を作製した。
【0286】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−3を次の方法で分散した。即ち、水2
1.7mL及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエ
トキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3mL並びに5
%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレン
エーテル(重合度10)0.5gとを700mLのポッ
トミルに入れ、染料ExF−3を5.0gと酸化ジルコ
ニウムビーズ(直径1mm)500mLを添加して内容
物を2時間分散した。この分散には中央工機製のBO型
振動ボールミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、
12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過
して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の
平均粒径は0.44μmであった。
【0287】同様にして、ExF−4の固体分散物を得
た。染料微粒子の平均粒径は0.52μmであった。E
xF−2は欧州特許出願公開(EP)第549,489
A号明細書の実施例1に記載の微小析出(Microp
recipitation)分散方法により分散した。
平均粒径は0.06μmであった。
【0288】ExF−6の固体分散物を以下の方法で分
散した。水を18%含むExF−6のウェットケーキ2
800gに4.0Kgの水及びW−2の3%溶液を37
6g加えて攪拌し、ExF−6の濃度32%のスラリー
とした。次にアイメックス(株)製ウルトラビスコミル
(UVM−2)に平均粒径0.5mmのジルコニアビー
ズを1700mL充填し、スラリーを通して周速約10
m/sec、吐出量0.5リットル/minで8時間粉
砕した。
【0289】上記各層の形成に用いた化合物は、以下に
示すとおりである。
【0290】
【化8】
【0291】
【化9】
【0292】
【化10】
【0293】
【化11】
【0294】
【化12】
【0295】
【化13】
【0296】
【化14】
【0297】
【化15】
【0298】
【化16】
【0299】
【化17】
【0300】
【化18】
【0301】
【化19】
【0302】
【化20】
【0303】
【化21】
【0304】(各試料の作成)上記のように試料101
を作成した。この試料101の第6層の高感度赤感性乳
剤1−Aを1−B〜1−Lに変更した試料102〜11
2を作成した。変更内容は下記表1に記した。
【0305】これらの試料を40℃、相対湿度70%の
条件下で14時間硬膜処理を施した。その後、富士フイ
ルム(株)製ゼラチンフィルターSC−39(カットオ
フ波長が390nmである長波長光透過フィルター)と
連続ウェッジを通して1/100秒間露光した。現像は富士
写真フイルム社製自動現像機FP−360Bを用いて以
下により行った。尚、漂白浴のオーバーフロー液を後浴
へ流さず、全て廃液タンクへ排出する様に改造を行っ
た。このFP−360Bは発明協会公開技法94−49
92号に記載の蒸発補正手段を搭載している。
【0306】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 37.8 ℃ 20 mL 11.5L 漂 白 50秒 38.0 ℃ 5 mL 5L 定着 (1) 50秒 38.0 ℃ − 5L 定着 (2) 50秒 38.0 ℃ 8 mL 5L 水 洗 30秒 38.0 ℃ 17 mL 3L 安定 (1) 20秒 38.0 ℃ − 3L 安定 (2) 20秒 38.0 ℃ 15 mL 3L 乾 燥 1分30秒 60.0 ℃ *補充量は感光材料35mm幅1.1m当たり(24Ex.1本相当)。
【0307】安定液及び定着液は(2)から(1)への
向流方式であり、水洗水のオーバーフロー液は全て定着
浴(2)へ導入した。尚、現像液の漂白工程への持ち込
み量、漂白液の定着工程への持ち込み量、及び定着液の
水洗工程への持ち込み量は感光材料35mm幅1.1m
当たりそれぞれ2.5mL、2.0mL、2.0mLで
あった。また、クロスオーバーの時間はいずれも6秒で
あり、この時間は前工程の処理時間に包含される。
【0308】上記処理機の開口面積は発色現像液で10
0cm2、漂白液で120cm2、その他の処理液は約1
00cm2であった。
【0309】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 3.0 カテコール−3,5−ジスルホン酸 ジナトリウム 0.3 0.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 39.0 39.0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スル ホナートエチル)ヒドロキシルアミン 1.5 2.0 臭化カリウム 1.3 0.3 沃化カリウム 1.3mg − 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3, 3a,7−テトラザインデン 0.05 − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 4.5 6.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.18。
【0310】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二 鉄アンモニウム一水塩 113 170 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 コハク酸 34 51 マレイン酸 28 42 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水で調整〕 4.6 4.0。
【0311】(定着(1)タンク液)上記漂白タンク液
と下記定着タンク液の5対95(容量比)混合液(pH
6.8)。
【0312】 (定着(2)) タンク液(g) 補充液(g) チオ硫酸アンモニウム水溶液 240mL 720 mL (750g/リットル) イミダゾール 7 21 メタンチオスルホン酸アンモニウム 5 15 メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 エチレンジアミン四酢酸 13 39 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.4 7.45。
【0313】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3m
g/L以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナ
トリウム20mg/Lと硫酸ナトリウム150mg/L
を添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあ
った。
【0314】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度10) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン・ナトリウム 0.10 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0L pH 8.5。
【0315】(現像処理及び評価)試料101〜112
について上記の処理を行い、処理済みの試料を赤色フィ
ルターで濃度測定し、写真性能を評価した。感度はシア
ン濃度がカブリ濃度+0.15の濃度に達するのに必要
な露光量の逆数の相対値で評価した。試料101の値を
それぞれ100として相対値で示した。カブリについて
も同様に試料101の値をそれぞれ100として相対値
で示した(値が小さいほど低カブリ)。
【0316】結果を表1中に示す。試料101〜104
から明らかなように、アスペクト比4以上の乳剤におい
て本発明に規定するH2成分およびL2成分を満たすゼラ
チンを用いることによりカブリ、感度が良好(顕著なカ
ブリの低減と高感度化)であることが判る。試料105
〜108から明らかなように、双晶面間隔が0.012
μm以下では更に好ましいことが判る。一方、試料10
9〜112から明らかなように、アスペクト比3以下の
乳剤ではゼラチンによる写真性への影響は小さいことが
判る。アスペクト比4以上の乳剤で効果が顕著であるこ
とが本発明の研究で明らかになった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀粒子を含む乳剤であって、
    該乳剤がゼラチンのα、β、γ成分の和に対するH2成
    分の比が0.03以下でありかつゼラチンのα、β、γ成分
    の和に対するL2成分の比が0.05以下であるゼラチンを
    用いて粒子を形成する工程を少なくとも1工程含む方法
    により製造されたものであり、かつ該乳剤粒子の全投影
    面積の50%以上をアスペクト比が4以上であるハロゲ
    ン化銀平板粒子が占めることを特徴とする感光性ハロゲ
    ン化銀写真乳剤。
  2. 【請求項2】 前記の乳剤粒子の全投影面積の50%以
    上をアスペクト比が4以上かつ双晶面間隔が0.012
    μm以下であるハロゲン化銀粒子が占めることを特徴と
    する請求項1記載の感光性ハロゲン化銀写真乳剤。
  3. 【請求項3】 前記の乳剤粒子が平行な主平面が(11
    1)面でアスペクト比が4以上で1粒子当たり転位線を
    10本以上含み、沃臭化銀または塩沃臭化銀からなる平
    板状ハロゲン化銀粒子を全投影面積の50%以上含有す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性ハ
    ロゲン化銀写真乳剤。
  4. 【請求項4】 前記のゼラチンが、その水溶液を分散部
    の圧力差が150MPa以上の高圧ホモジナイザーを用い
    て処理することにより得られたものであることを特徴と
    する請求項1ないし3の何れか1項に記載の感光性ハロ
    ゲン化銀写真乳剤。
  5. 【請求項5】 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該ハロゲン化銀写真乳剤層が請求項1ないし4の
    何れか1項に記載の感光性ハロゲン化銀写真乳剤を含有
    することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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