JP2001304164A - 磁気結合ポンプ - Google Patents

磁気結合ポンプ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】発熱性電子部品の冷却効率を高めると共に磁気
検出素子の検出精度の向上などを図ること。 【解決手段】隔壁６によってモータ室７と冷却水が流れ
るポンプ室５とに仕切られ、ポンプ室５内に略円筒カッ
プ状のロータ９が配されると共にモータ室７内にロータ
９の円環状端面２９と平行に回路基板２０が配され、回
路基板２０のロータ９の磁石部と対峙する部位に磁気検
出素子３４が、他の部位に発熱性電子部品３８がそれぞ
れ実装される。磁気検出素子３４及び発熱性電子部品３
８は、ロータ円環状端面２９と対峙する回路基板２０の
略円環状領域Ｚ内の対向した位置にそれぞれ配されると
共に、ロータ円環状端面２９と対峙する隔壁６の円環状
壁部３０の肉厚は、円環状壁部３０のロータ円環状端面
２９側の円環状面３９が傾きのない平面である条件下
で、発熱性電子部品３８と近接する部位で薄い。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気結合ポンプ、
特に、ウオータポンプとして用いられる磁気結合ポンプ
において、回路基板に実装される発熱性電子部品の冷却
効率を高めると共に、回路基板に実装される磁気検出素
子の検出精度の向上などを図るための磁気結合ポンプに
関する。
【０００２】
【従来の技術】周知のように、ウオータポンプとして用
いられる磁気結合ポンプは、隔壁によってモータ室と冷
却水が流れるポンプ室とに仕切られ、ポンプ室内にロー
タが、モータ室内にステータ（モータ）がそれぞれ配さ
れる。
【０００３】そして、従来からの磁気結合ポンプの一つ
のタイプとして、特開平１０−３１１２９０号公報の図
２に開示されるように、モータ室内に、ロータの端面と
平行に回路基板を配し、回路基板のロータ端面と対峙す
る部位にモータ駆動用のパワートランジスタ等発熱性電
子部品を実装し、発熱性電子部品を隔壁を介して冷却水
によって冷却するよう構成した磁気結合ポンプが知られ
ている。
【０００４】また、従来からの磁気結合ポンプとして、
モータの通電タイミングを制御するために、換言する
と、パワートランジスタ等のスイッチング動作を制御す
るために、ロータの回転角度位置を検知するための磁気
検出素子としてのホール素子を、回路基板のロータの磁
石部と対峙する部位に実装した磁気結合ポンプが知られ
ている。
【０００５】さらに、回路基板に上記発熱性電子部品と
上記磁気検出素子の両者を実装したタイプの磁気結合ポ
ンプも知られている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回路基
板に発熱性電子部品と磁気検出素子の両者を実装したタ
イプの磁気結合ポンプにおいては、通常、発熱性電子部
品と磁気検出素子とが比較的接近して配置されるため、
磁気検出素子が発熱性電子部品による熱害を受け易く、
また、発熱性電子部品の肉厚が磁気検出素子の肉厚より
も大きいため、磁気検出素子と隔壁との間のエアギャッ
プが比較的大きく、磁気検出素子の検出精度が制限され
ていた。
【０００７】本発明は、上記のような従来の問題点を解
決し、発熱性電子部品の冷却効率を高めると共に磁気検
出素子の検出精度の向上などを図ることを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気結合ポンプ
は、隔壁によってモータ室と冷却水が流れるポンプ室と
に仕切られ、前記ポンプ室内に略円筒カップ状のロータ
が配されると共に前記モータ室内に前記ロータの円環状
端面と平行に回路基板が配され、該回路基板の前記ロー
タの磁石部と対峙する部位に磁気検出素子が、他の部位
に発熱性電子部品がそれぞれ実装される磁気結合ポンプ
であって、前記磁気検出素子及び前記発熱性電子部品
は、前記ロータ円環状端面と対峙する回路基板の略円環
状領域内の対向した位置にそれぞれ配されると共に、前
記ロータ円環状端面と対峙する前記隔壁の円環状壁部の
肉厚は、該円環状壁部のロータ円環状端面側の円環状面
が傾きのない平面である条件下で、前記発熱性電子部品
と近接する部位で薄く形成されていることを特徴とす
る。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【００１０】図１は、磁気結合ポンプの断面図、図２
は、その要部断面図、図３は、回路基板の正面図を示
す。
【００１１】図１において、磁気結合ポンプ１は、冷却
水の流入通路２と流出通路３が形成された合成樹脂製の
ポンプ室側ハウジング４と、このポンプ室側ハウジング
４と共にポンプ室５を形成する合成樹脂製のボデー６
と、このボデー６と共にモータ室７を形成する合成樹脂
製のモータ室側ハウジング８とを備え、ポンプ室側ハウ
ジング４とボデー６、及び、ボデー６とモータ室側ハウ
ジング８はそれぞれ溶着によって一体化されている。
【００１２】ポンプ室５に合成樹脂製のロータ９が収容
されている。
【００１３】ロータ９は略円筒カップ状に形成されてお
り、底部１０の中央部にＰＰＳ（ポリフェニレンスルフ
ィド）材料からなる円筒状の軸受部１１が、また、軸受
部１１の周囲にインペラ１２がそれぞれ形成されてい
る。軸受部１１の貫通孔にシャフト１３が挿通されてお
り、ロータ９はシャフト１３回りに回転自在とされてい
る。シャフト１３はインサート体としてボデー６に部分
的に固着されており、ボデー６に対するシャフト１３の
回転及び抜けを防止するためのスパイラル部１４がボデ
ー６内部に埋められている。シャフト１３の先端部に、
ロータ９の回転時の浮き上がりを防止するためのストッ
パ部材としてのワッシャ１５がスクリュねじ１６によっ
て取り付けられている。ロータ９の筒部１７は磁性体粉
を含有し円周方向に部分的に磁化されたプラスチックマ
グネットにより構成されており、これらの磁石部がステ
ータ１８の回転磁界によって回転力を受け、ロータ９が
回転する。
【００１４】モータ室７に、モータ室側ハウジング８側
の一部を除いて合成樹脂材料が充填されている。この充
填部材１９に回路基板２０が埋まっている。
【００１５】回路基板２０は貫通孔２１を有し、この貫
通孔２１にボデー６のボス部２２が挿通されている。ボ
ス部２２はシャフト１３の延長軸上に形成されており、
その先端面２３はボデー６のモータ室側ハウジング８側
の端面２４と略面一となっている。
【００１６】回路基板２０のロータ９側の基板面２５
に、配線金具２６を介してステータ１８が実装されてお
り、ステータ１８はボデー６の環状凹部２７に収容され
ている。
【００１７】回路基板２０のロータ９側の基板面２５は
複数の支持部材２８と当接している。各支持部材２８は
ボデー６と一体成形されており、各支持部材２８はロー
タ９の筒部１７の円環状端面２９と対峙する円環状壁部
３０からモータ室側ハウジング８の方向に突出してお
り、各支持部材２８の端面３１は面一となっている。
【００１８】また、回路基板２０のロータ９側の基板面
２５に内側ターミナル３２が実装されており、この内側
ターミナル３２は、ボデー６に固着された電源供給用の
外側ターミナル３３と接触している。
【００１９】また、回路基板２０のロータ９側の基板面
２５に磁気検出素子としてのホール素子３４が実装され
ている。ホール素子３４は、ロータ９の回転角度位置を
検出するためのセンサであり、ロータ９の筒部１７の円
環状端面２９と対向している。
【００２０】さらに、回路基板２０のロータ９側の基板
面２５に発熱性電子部品としての複数のパワートランジ
スタ３８が実装されている。パワートランジスタ３８
は、ステータ１８を駆動する電子部品である。
【００２１】ホール素子３４とパワートランジスタ３８
は、図３に示すように、ロータ円環状端面２９（図１）
と対峙する回路基板２０の略円環状領域Ｚ（図３図示二
点鎖線ａ、ｂで囲まれた領域）内の略対向した位置にそ
れぞれ配される。
【００２２】ボデー６の円環状壁部３０において、ロー
タ円環状端面２９側の円環状面３９は傾きのない平面に
より形成されている。そして、図２に示すように、円環
状壁部３０の肉厚は、パワートランジスタ３８と近接す
る部位ｃで薄く形成されている。すなわち、部位ｃの肉
厚Ａは、ホール素子３４と対峙する部位ｄの肉厚Ｂより
も小さい。
【００２３】回路基板２０の他方の基板面３５とモータ
室側ハウジング８の内面３６との間に、ボス部２２を囲
んで圧縮スプリング３７が配設されている。
【００２４】以上説明したように、本実施形態は、隔壁
６によってモータ室７と冷却水が流れるポンプ室５とに
仕切られ、ポンプ室５内に略円筒カップ状のロータ９が
配されると共にモータ室７内にロータ９の円環状端面２
９と平行に回路基板２０が配され、回路基板２０のロー
タ９の磁石部と対峙する部位に磁気検出素子３４が、他
の部位に発熱性電子部品３８がそれぞれ実装される磁気
結合ポンプ１であって、磁気検出素子３４及び発熱性電
子部品３８は、ロータ円環状端面２９と対峙する回路基
板２０の略円環状領域Ｚ内の対向した位置にそれぞれ配
されると共に、ロータ円環状端面２９と対峙する隔壁６
の円環状壁部３０の肉厚は、円環状壁部３０のロータ円
環状端面２９側の円環状面３９が傾きのない平面である
条件下で、発熱性電子部品３８と近接する部位で薄く形
成されていることを特徴とする。
【００２５】このように円環状壁部３０の肉厚を薄く形
成したことにより、発熱性電子部品３８が冷却水によっ
て効率よく冷却されることになり、発熱性電子部品３８
の発熱により磁気検出素子３４が受ける熱害を抑制する
ことができる。
【００２６】また、磁気検出素子３４及び発熱性電子部
品３８を回路基板２０の略円環状領域Ｚ内の略対向した
位置にそれぞれ配したため、磁気検出素子３４と発熱性
電子部品３８との間隔が大きくなり、発熱性電子部品３
８の発熱により磁気検出素子３４が受ける熱害を抑制す
ることができる。
【００２７】また、円環状壁部３０の肉厚の減少分だ
け、回路基板２０を円環状壁部３０に接近させることが
できるようになり、その結果、磁気検出素子３４から円
環状壁部３０のモータ室側端面４０までの距離が短くな
り、ロータ円環状端面２９と磁気検出素子３４との間隔
Ｃ（図２）が狭くなる。このため、磁気検出素子３４の
検出レベルが増大し、磁気検出素子３４の検出精度が向
上する。
【００２８】
【発明の効果】本発明によると、発熱性電子部品の冷却
効率を高めると共に磁気検出素子の検出精度の向上など
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による磁気結合ポンプの一実施形態の断
面図である。
【図２】その要部断面図である。
【図３】回路基板の正面図である。
【符号の説明】 １ 磁気結合ポンプ ５ ポンプ室 ６ 隔壁（ボデー） ７ モータ室 ９ ロータ ２０ 回路基板 ２９ ロータ円環状端面 ３０ 円環状壁部 ３４ 磁気検出素子（ホール素子） ３８ 発熱性電子部品（パワートランジスタ） Ｚ 円環状領域

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 隔壁によってモータ室と冷却水が流れる
    ポンプ室とに仕切られ、前記ポンプ室内に略円筒カップ
    状のロータが配されると共に前記モータ室内に前記ロー
    タの円環状端面と平行に回路基板が配され、該回路基板
    の前記ロータの磁石部と対峙する部位に磁気検出素子
    が、他の部位に発熱性電子部品がそれぞれ実装される磁
    気結合ポンプであって、 前記磁気検出素子及び前記発熱性電子部品は、前記ロー
    タ円環状端面と対峙する回路基板の略円環状領域内の対
    向した位置にそれぞれ配されると共に、 前記ロータ円環状端面と対峙する前記隔壁の円環状壁部
    の肉厚は、該円環状壁部のロータ円環状端面側の円環状
    面が傾きのない平面である条件下で、前記発熱性電子部
    品と近接する部位で薄く形成されていることを特徴とす
    る磁気結合ポンプ。
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