JP2001296287A - 目的化合物の高感度検出方法 - Google Patents

目的化合物の高感度検出方法

Info

Publication number
JP2001296287A
JP2001296287A JP2000112162A JP2000112162A JP2001296287A JP 2001296287 A JP2001296287 A JP 2001296287A JP 2000112162 A JP2000112162 A JP 2000112162A JP 2000112162 A JP2000112162 A JP 2000112162A JP 2001296287 A JP2001296287 A JP 2001296287A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detector
eluent
solution
column
target compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000112162A
Other languages
English (en)
Inventor
Matsuhiro Hori
松浩 堀
Takae Fujii
孝枝 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2000112162A priority Critical patent/JP2001296287A/ja
Publication of JP2001296287A publication Critical patent/JP2001296287A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】検出器に入った夾雑物等のメモリー効果によ
り、目的化合物の測定に悪影響が与えられたり、バック
グラウンドノイズが発生することが抑制され、測定時の
再現性や感度を向上させる目的化合物の高感度検出方法
及びそれに好適に使用しうる目的化合物の高感度検出装
置を提供すること。 【解決手段】目的化合物及び夾雑物を含む試料を、溶離
液を送液している液体クロマトグラフィーに導入した際
に、(A)液体クロマトグラフィーのカラムから流出し
た溶液に目的化合物が含有されているときには、該溶液
を検出器に導入し、(B)液体クロマトグラフィーのカ
ラムから流出した溶液に目的化合物が含有されていない
ときには、該溶液を検出器に導入せずに排出するととも
に、その間、液体クロマトグラフィーに送液している溶
離液と同一の組成を有する溶離液を連続して検出器に導
入する、目的化合物の高感度検出方法、並びに該方法に
使用しうる目的化合物の高感度検出装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目的化合物、すな
わち有機化合物又は無機化合物の高感度検出方法及び該
方法に使用しうる高感度検出装置に関する。更に詳しく
は、活性汚泥中での有機化合物、例えば、界面活性剤の
生分解物を目的化合物とし、その詳細な解析のための高
感度検出の際に好適に使用しうる目的化合物の高感度検
出方法及び該方法に使用しうる高感度検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機化合物の生分解物の詳細な解析を困
難な作業にしている原因は、生分解物が類似化合物の混
合物であることに基づく。有機化合物は、生分解過程に
おいて、酸化、還元、水酸基化等の種々の代謝経路を経
て極性の高い物質に変化していく。特に、ノニオン性界
面活性剤の場合には、元の化合物のエチレンオキシド鎖
やプロピレンオキシド鎖を保持し、その末端の構造が少
しずつ異なる類似化合物に変化していく場合が多い。
【0003】このような類似化合物の構造解析において
は、NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いることがで
きる。しかしながら、NMRによれば、それらの化合物
を平均化したような化合物の構造解析しか行なうことが
できない。したがって、詳細な解析を行なう場合には、
各化合物の分離、精製、濃縮という煩雑な操作を行なっ
た後に解析を行なう必要がある。また、各化合物の定量
分析は、各化合物の構造を解析した後に、各化合物を液
体クロマトグラフィー(以下、LCという)、特に高速
液体クロマトグラフィー(以下、HPLCという)で分
離した後に行なう必要があるため、非常に多くの労力を
必要とする。
【0004】有機化合物の生分解物の解析においては、
LCの検出器に、質量分析装置(以下、MSという)を
オンライン接続したLC/MSや、プロダクト(ドータ
ー)イオンスキャン、プリカーサー(ペアレント)イオ
ンスキャン、ニュートラルロススキャン、セレクトイオ
ンモニタリング、マルチイオンモニタリング等が可能な
質量分析装置(以下、MS/MSという)をオンライン
接続したLC/MS/MSは、複雑で低濃度の類似化合
物に前処理(脱塩、分離、精製、濃縮、誘導体化等)を
施さなくても高感度で迅速に選択的に各化合物を検出す
ることができるため、詳細な解析に応用されている。ま
た、質量分析イオン化法で安定して測定可能となったこ
とに加え、質量分析装置そのものも精度が向上したた
め、種々のMS/MS解析を短時間で容易に行なうこと
ができ、LC/MSによる保持情報や分子量情報に加え
て、MS/MSによる部分構造情報が得られるため、非
常に簡単に詳細な解析を行なうことができるようになっ
てきている。
【0005】つまり、LC/MS/MSを用いた場合、
LC/MSにより、オンラインで分離、質量選択的検出
を行ない、更にLC/MS/MSにより、構造選択的検
出を行ない、MSやMS/MSスペクトルで構造解析を
行なうため、単純で迅速に詳細な解析を行なうことがで
きる。LC/MS/MSを用いる方法は、特に、生分解
物のように、元の化合物の一部の構造を保持する類似化
合物の混合物に含まれている各化合物の構造解析や定量
を行なうには、非常に有効な方法であるといえる。
【0006】生分解物の試料中には、分析の対象の生分
解物である目的化合物や、夾雑物が含まれている。夾雑
物としては、分析対象でない有機化合物、無機塩類等が
挙げられる。試料を遠心分離することにより、固形物や
不溶成分が除去されているが、濃縮操作で活性汚泥の緩
衝液由来の無機塩類(リン酸塩、硫酸塩、塩化物等)が
飽和状態となって析出するようになる。このため、析出
した無機塩類を避けてその上層の液をサンプリングして
使用することが考えられている。しかしながら、そのサ
ンプルは、無機塩類が飽和状態の溶液であるため、LC
/MS/MS分析時には、サンプル溶液中に大量に存在
する塩類がMSイオン化に悪影響を与えたり、イオン源
の汚染によるメモリー効果により、ベースラインノイズ
が増加するため、測定の再現性や安定性の面で欠点があ
る。
【0007】また、MSイオン化は、溶離液導入後、し
ばらくの間、イオン源の環境(温度や溶剤雰囲気)が安
定しないため、再現性に影響を与えるという欠点があ
る。MS以外の検出器、例えば、誘導結合プラズマ発光
分析装置等でも溶離液を導入した後、しばらくの間、再
現性に影響を与える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、検出器に入
った夾雑物等のメモリー効果により、目的化合物の測定
に悪影響が与えられたり、バックグラウンドノイズが発
生することが抑制され、測定時の再現性や感度を向上さ
せる目的化合物の高感度検出方法及びそれに好適に使用
しうる目的化合物の高感度検出装置を提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 目的
化合物及び夾雑物を含む試料を、溶離液を送液している
LCに導入した際に、(A)LCのカラムから流出した
溶液に目的化合物が含有されているときには、該溶液を
検出器に導入し、(B)LCのカラムから流出した溶液
に目的化合物が含有されていないときには、該溶液を検
出器に導入せずに排出するとともに、その間、LCに送
液している溶離液と同一の組成を有する溶離液を連続し
て検出器に導入する、目的化合物の高感度検出方法、並
びに(2) 目的化合物及び夾雑物を含む試料を導入す
るための導入部を有するLCのカラム(以下、Pとい
う)と、Pに送液している溶離液と同一の組成を有する
溶離液を導入するための溶離液送入用ポンプ(以下、Q
という)と、Pを検出器(以下、Rという)又は排出口
(以下、Sという)に切り換えて接続し、QをR又はS
に切り換えて接続するための切換バルブ(以下、Tとい
う)を有し、TがP及びQと、R及びSとの間に配設さ
れてなる目的化合物の高感度検出装置に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】目的化合物としては、特に限定が
ないが、例えば、生分解物をはじめ、有機合成化合物、
天然有機化合物等の有機化合物及び無機化合物が挙げら
れる。また、試料に含まれる目的化合物の濃度は、検出
の対象とする目的化合物の種類等によって異なるので、
一概には決定することができない。通常、質量分析にお
ける一般的な有機化合物の検出限界や、ダイナミックレ
ンジ、MSのイオン化の安定性等を考慮すれば、目的化
合物の濃度は、10-14 〜10重量%程度、好ましくは
10-11 〜10重量%程度、更に好ましくは10-8〜1
重量%程度とすることが望ましい。
【0011】本明細書において、「夾雑物」とは、試料
に含まれている目的化合物以外の化合物をいう。夾雑物
は、例えば添加物等のように試料に添加されたものであ
ってもよく、あるいは外部から混入したものであっても
よい。夾雑物の種類及びその量は、試料の種類等によっ
て異なるので一概には決定することができない。夾雑物
の一例としては、目的化合物が生分解物である場合に
は、活性汚泥由来の有機化合物、緩衝液由来の無機塩類
(リン酸塩、硫酸塩、塩化物等)等が挙げられる。
【0012】溶離液としては、通常のLCに用いられる
ものであれば特に限定されることない。その例として
は、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニ
トリル、ヘキサン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、
水、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン等が挙げ
られ、それらは単独であってもよく、あるいは混合物で
あってもよい。
【0013】本発明の高感度検出方法を図1に基づいて
説明する。
【0014】図1は、本発明の有機化合物の高感度検出
方法に好適に使用しうる高感度検出装置1の一実施態様
を示す概略説明図である。
【0015】図1に示された検出装置1においては、L
C用ポンプ2は、試料を導入するための導入部2aに接
続され、導入部2aは、カラム(P)3に接続されてい
る。また、検出装置1には、試料に含まれている溶離液
と同一の組成を有する溶離液を導入するための溶離液送
入用ポンプ(Q)6が配設されている。カラム(P)3
を検出器(R)5又は排出口(S)7に切り換えて接続
し、溶離液送入用ポンプ(Q)6を検出器(R)5又は
排出口(S)7に切り換えて接続するための切換バルブ
(T)4が、カラム(P)3及び溶離液送入用ポンプ
(Q)6と、検出器(R)5及び排出口(S)7との間
に配設されている。試料中の目的化合物と夾雑物がカラ
ム(P)3で分離されるため、カラム(P)3から流出
した溶液には、目的化合物又は夾雑物と、溶離液とが含
まれる。
【0016】なお、切換バルブ(T)4と溶離液送入用
ポンプ(Q)6との間には、背圧調整用カラムを設ける
ことが、切換バルブ(T)4での切換時に検出装置1に
導入される溶離液の更なる同一条件化(組成、温度、流
量)の観点から好ましい。
【0017】LCとしては、例えば、吸着クロマトグラ
フィー、順相系クロマトグラフィー、逆相系クロマトグ
ラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー等が挙げられ
る。これらのLCは、溶離液がグラジェントされる形式
のグラジェントLCであることが、幅広い種類の有機化
合物の分析を行なう観点から好ましい。グラジェントL
Cの形式は、勾配式及び段階式のいずれでもよい。
【0018】従来、試料は、導入部2aに導入され、カ
ラム(P)3から溶液が流出するが、この溶液は、その
まま検出器(R)5に導入されている。したがって、か
かる溶液に夾雑物が含まれている場合、その夾雑物が検
出器(R)5内に入り、目的化合物の測定時にも検出器
(R)5内に残存し、検出器(R)5内で検出しようと
している目的化合物のMSイオン化に悪影響を与えた
り、バックグラウンドノイズを発生させるため、測定に
おける再現性や感度が低下するおそれがあった。
【0019】これに対し、本発明では、カラム(P)3
から流出した溶液に目的化合物が含まれていない場合に
は、該溶液を検出器(R)5に導入せずに切換バルブ
(T)4によって排出口(S)7から排出する。したが
って、この溶液に含まれている夾雑物が検出器(R)5
内に流入しないため、検出しようとしている目的化合物
のMSイオン化にこの夾雑物による悪影響が回避され、
バックグラウンドノイズの発生が効果的に阻止されるの
で、測定における再現性や感度が低下するという問題を
大幅に回避することができる。
【0020】なお、カラム(P)3から流出した溶液に
目的化合物が含有されていないときには、該溶液を検出
器(R)5に導入せずに切換バルブ(T)4によって排
出口(S)7から排出するが、その間、LC用ポンプ2
に導入された試料に含まれている溶離液と同一の組成を
有する溶離液を溶離液送入用ポンプ(Q)6から切換バ
ルブ(T)4を介して連続的に検出器(R)5に導入す
る。したがって、検出器(R)5内には、連続して溶離
液が導入されている状態にある。これにより、検出器
(R)5内の溶媒雰囲気がほぼ一定に保たれているの
で、溶媒雰囲気等の変動による測定値の変動が抑制さ
れ、再現性のある測定値を得ることができる。更に、再
現性を向上させる場合には、検出器(R)5内に導入さ
れる、カラム(P)3から流出した溶液の液温と溶離液
の液温との温度差は、±5℃の範囲内にあることが好ま
しく、±2℃の範囲内にあることがより好ましい。
【0021】この溶液を検出器(R)5に導入させず
に、溶離液送入用ポンプ(Q)6からの溶離液を連続し
て検出器(R)5内に導入させるために、切換バルブ
(T)4を切り換えることにより、カラム(P)3と排
出口(S)7とを接続し、また溶離液送入用ポンプ
(Q)6と検出器(R)5とを接続する。
【0022】なお、カラムから流出した溶液に目的化合
物が含有されているかどうかは、マスクロマトグラムや
セレクトイオンモニタリングにより、容易に確認するこ
とができる。
【0023】カラム(P)3から流出した溶液に目的化
合物が含有されている場合には、この溶液が検出器
(R)5に導入され、溶離液送入用ポンプ(Q)6から
送液される溶離液が検出器(R)5内に導入されないよ
うにするために、切換バルブ(T)4を切り換えること
により、カラム(P)3と検出器(R)5とを接続し、
また溶離液送入用ポンプ(Q)6と排出口(S)7とを
接続する。
【0024】検出器(R)5としては、質量分析装置、
蒸発光散乱検出装置、誘導結合プラズマ発光分析装置
(以下、ICPという)、示差屈折計、電気化学検出装
置、赤外吸光度計、ポーラログラフ、電気伝導度計、熱
検出装置、放射能測定装置等が挙げられる。これらの中
では、従来法で測定した場合には溶離液及び夾雑物の影
響を受けやすく感度が低いのに対し、本発明の方法によ
って測定した場合には溶離液及び夾雑物の影響を受けに
くく感度が高いという効果を発現させることができるこ
とから、質量分析装置、蒸発光散乱検出装置及びICP
が好ましく、質量分析装置がより好ましい。質量分析装
置としては、電子衝撃イオン化質量分析装置、大気圧化
学イオン化質量分析装置、エレクトロスプレーイオン化
質量分析装置、ターボイオンスプレー質量分析装置、高
速原子衝突質量分析装置等が挙げられる。具体的には、
MS〔パーキンエルマー社(Perkin Elmer)製、商品名:
サイエックス(SCIEX)API300MS〕、MS/MS〔TIS
−MS(陽イオン、陰イオン)〕又はTIS−MS/M
S(陽イオン、陰イオン)が挙げられる。
【0025】本発明の高感度検出装置1に使用しうる切
換バルブ(T)4の一実施態様を図2〜3に示す。
【0026】図2は、カラム(P)3からの溶液に目的
化合物が含有されているときの、四方切換バルブ(T)
4の切換状態を示す概略説明図である。四方切換バルブ
(T)4により、カラム(P)3は検出器(R)5と接
続され、また溶離液送入用ポンプ(Q)6が排出口
(S)7と接続されている。
【0027】カラム(P)3から導入された溶液は、矢
印Aで示されるように、導入管3aから切換バルブ
(T)4内の流路4aを介して送入路5aに流れ、検出
器(R)5へと運ばれる。一方、溶離液送入用ポンプ
(Q)6から導入された溶離液は、矢印Bで示されるよ
うに、導入管6aから切換バルブ(T)4内の流路4b
を介して排出口(S)7へと運ばれる。
【0028】一方、カラム(P)3からの溶液に目的化
合物が含有されていないときには、図3に示されるよう
に、切換バルブ(T)4により、カラム(P)3は排出
口(S)7と接続され、また溶離液送入用ポンプ(Q)
6が検出器(R)5と接続されている。
【0029】カラム(P)3から導入された溶液は、矢
印Aで示されるように、導入管3aから切換バルブ
(T)4内の流路4aを介して排出口(S)7へと運ば
れる。一方、溶離液送入用ポンプ(Q)6から導入され
た溶離液は、矢印Bで示されるように、導入管6aから
切換バルブ(T)4内の流路4bを介して送入路5aに
流れ、検出器(R)5へと運ばれる。
【0030】以上のようにして、カラム(P)3から導
入管3aに導入される溶液に目的化合物が含有されてい
るか否かに応じて切換バルブ(T)4を切り換えるだけ
で、溶液に目的化合物が含有されている場合には、カラ
ム(P)3からの溶液を検出器(R)5に導入し、かつ
溶離液送入用ポンプ(Q)6からの溶離液を排出口
(S)7から排出させ、また溶液に目的化合物が含有さ
れていない場合には、カラム(P)3からの溶液を排出
口(S)7から排出させ、かつ溶離液送入用ポンプ
(Q)6からの溶離液を連続して検出器(R)5に導入
することを容易に行なうことができる。
【0031】本発明の高感度検出装置の他の実施態様と
して、例えば、図4に示されるように、図1に示される
切換バルブ(T)4の代わりに三方切換バルブ8が2個
が配設された装置が挙げらる。この装置も本発明におい
て好適に使用しうるものである。
【0032】更に、本発明の高感度検出装置の他の実施
態様として、例えば、図1に示されたLC用ポンプ2と
溶離液送入用ポンプ(Q)6の代わりに、図5に示され
るように溶離液送入用ポンプ(Q)6と三方Tコネクタ
ー9が設けられ、また三方Tコネクター9と検出器
(R)5との間に三方切換バルブ10、11が設けら
れ、溶離液送入用ポンプ(Q)6からの液を三方Tコネ
クター9で2液に分ける装置が挙げられる。この装置に
は、簡素化を図ることができるという利点がある。な
お、この装置には、三方切換バルブ10、11の切換時
に、検出器(R)5に導入される溶離液の更なる同一条
件化(組成、温度、流量)の観点から、三方Tコネクタ
ー9と三方切換バルブ11との間に背圧調整用カラム1
2が設けられていることが更に好ましい。なお、溶離液
送入用ポンプ(Q)6には、LCの性能を高める観点か
ら、LC用ポンプ2を用いることが好ましい。
【0033】
【実施例】実施例1 (1)解析サンプル 生分解物分析用サンプルには、式(I): R1 O−(EO)5(PO)2(EO)3−H (I) (式中、R1 は炭素数12又は14のアルキル基、EO
は -CH2CH2O-基、POは-CH2CH(CH3)O-基を示す)で表
されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル型ノニオ
ン界面活性剤〔花王(株)製、商品名:エマルゲンKS
−108〕(以下、化合物Aという)、又は式(II): R1 O−(EO)7(PO)2(EO)3−H (II) (式中、R1 、EO及びPOは前記と同じ)で表される
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型ノニオン界面
活性剤〔花王(株)製、商品名:エマルゲンKS−11
0〕(以下、化合物Bという)を用いた。
【0034】(2)生分解試験とサンプルの前処理 化合物A及び化合物Bを用いて活性汚泥による生分解試
験を10週間行なった。
【0035】汚泥からのサンプリングは、2、3、4、
6、8、10週間目に行なった。サンプルの前処理とし
て、サンプリングした活性汚泥残液を遠心分離により、
固形物や不溶成分を除去し、窒素気流下で40℃でトッ
ピングにより濃縮した。
【0036】(3)分析条件 図1に示されるのと同様の構造を有する検出装置を使用
し、図2又は図3に示される実施態様で実施した。
【0037】HPLC分析装置において、LC2にはヒ
ューレット・パッカード社製、1100システムを用い
た。切換バルブ(T)4として、6方切換バルブ(レオ
ダイン社製、品番:7750)の6個のポートのうち、
2個のポートを配管で接続して4方切換バルブとしたも
のを用いた。溶離液送入用ポンプ(Q)6として、ポス
トカラムスィッチ用ポンプ〔(株)日立製作所製、品
番:655〕を用いた。
【0038】また、カラム(P)3と切換バルブ(T)
4との間に、紫外線吸光度計をモニター用検出器として
設けた。
【0039】測定装置において、流量は1.0mL/min 、注
入量は0.02mL、カラム温度は40℃に調整した。紫外線吸
光度計の検出波長を210nm とした。検出器(R)5とし
て、パーキンエルマー社製、MS:サイエックスAPI
300、MS(陽イオン検出)を使用した。イオン化法
は、TIS(ターボイオンスプレー、乾燥窒素ガス7L
/min)を使用した。
【0040】イオン検出時間をフルスキャンで400msec
(scan Range m/z=100/500) 、マルチイオンモニタリン
グで60msec(1イオンあたり)とした。
【0041】ガードカラム及び分析用カラムには、それ
ぞれ(財)化学品検査協会製、L−Column ODS(10* 4.
0mm i.d.) 及びL−Column ODS(150 * 4.6mm i.d.) を
用いた。
【0042】溶離液に、水(0.1 %酢酸、10mmol/L酢酸
アンモニウム水溶液)と、メタノール溶液(0.1 %酢
酸、10mmol/L酢酸アンモニウム水溶液)を流速1.0mL/mi
n で用いた。
【0043】溶離液のメタノールのグラジェント条件と
して、〔3%(0〜5min)〕−〔3〜97%(5〜20mi
n)〕−〔97% (20〜30min)〕のリニアグラジェントプロ
グラムを用いた。
【0044】また、ポストカラムスィッチ用溶液とし
て、97%のメタノール(0.1 %酢酸、10mmol/L酢酸アン
モニウム)水溶液を用い、ポストカラムスィッチは、サ
ンプル注入後2.7 分経過後に行ない、カラムからの溶離
液を導入した。
【0045】なお、水としてミロポア(MILLIPORE) 社
製、商品名:ミリ-Q(MILLI-Q) を用いて製造されたイオ
ン交換水を用い、メタノールとして関東化学(株)製の
HPLC用メタノールを用い、酢酸アンモニウムとして
片山化学工業(株)製の試薬特級を用い、また酢酸とし
て和光純薬(株)製の試薬特級を用いた。
【0046】表1にMS及びMS/MSの測定条件を示
す。
【0047】
【表1】
【0048】MS測定は、イオン源、オルフィス及びリ
ング電圧を、陽イオン検出では、それぞれ4200V、
75V及び310Vに、陰イオン検出では、それぞれ−
3000V、−20V及び−240Vに調整して行なっ
た。
【0049】イオン源の温度は、陽イオン及び陰イオン
とも425℃に調整した。また、MS/MS測定は、陽
イオン及び陰イオンの検出とも、衝突活性解離(CAD; Co
llision Activated Dissorption)ガスに窒素ガスを用
い、圧力3.5×10-3Pa、衝突エネルギーは19.
0eVで行なった。
【0050】(4)定量用標準化合物 定量用標準化合物として、陽イオン検出法では、トリプ
ロピレングリコールを、陰イオン検出法では、ジプロピ
レングリコールモノカルボキシメチルエーテルを用い
た。以上の結果を図6に示す。
【0051】比較例1 実施例1において、カラム(P)3からの溶液に目的化
合物が含有されていないときでもカラム(P)3と検出
器(R)5とが接続されるように切換バルブ(T)4を
切換えた以外は、実施例1と同様にして分析を行なっ
た。その結果を図7に示す。
【0052】図6に示された実施例1の結果と、図7に
示された比較例1の結果とを対比して、実施例1の方法
によれば、無機塩由来のベースラインノイズが減少し、
安定した検出を行なうことができることがわかる。
【0053】
【発明の効果】本発明の方法によれば、MSイオン源に
析出した無機塩等の夾雑物のメモリー効果により、微量
の目的化合物のMSイオン化に悪影響を与えたり、バッ
クグラウンドノイズが発生することが抑制され、測定に
おける再現性や感度を向上させることができる。
【0054】また、本発明の高感度検出装置を用いれ
ば、MSイオン源に析出した無機塩のメモリー効果によ
り、MSイオン化に悪影響を与えたり、バックグラウン
ドノイズが発生することが抑制され、測定における再現
性や感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高感度検出法に使用される高感度検出
装置の一実施態様を示す概略説明図である。
【図2】本発明の高感度検出法に使用される高感度検出
装置に使用される切換バルブの一実施態様を示す概略説
明図である。
【図3】本発明の高感度検出法に使用される高感度検出
装置に使用される切換バルブの一実施態様を示す概略説
明図である。
【図4】本発明の高感度検出法に使用される高感度検出
装置の他の一実施態様を示す概略説明図である。
【図5】本発明の高感度検出法に使用される高感度検出
装置の他の一実施態様を示す概略説明図である。
【図6】本発明の実施例1におけるLC/MSのMS測
定結果を示す図である。
【図7】従来の比較例1におけるLC/MSのMS測定
結果を示す図である。
【符号の説明】
1 検出装置 2 LC用ポンプ 2a 試料を導入するための導入部 3 カラム 3a 導入管 4 切換バルブ 4a 切換バルブ内の流路 4b 切換バルブ内の流路 5 検出器 5a 検出器の送入路 6 溶離液送入用ポンプ 6a 溶離液送入用ポンプの導入管 7 排出口 8 三方切換バルブ 9 三方Tコネクター 10 三方切換バルブ 11 三方切換バルブ 12 背圧調整用カラム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的化合物及び夾雑物を含む試料を、溶
    離液を送液している液体クロマトグラフィーに導入した
    際に、(A)液体クロマトグラフィーのカラムから流出
    した溶液に目的化合物が含有されているときには、該溶
    液を検出器に導入し、(B)液体クロマトグラフィーの
    カラムから流出した溶液に目的化合物が含有されていな
    いときには、該溶液を検出器に導入せずに排出するとと
    もに、その間、液体クロマトグラフィーに送液している
    溶離液と同一の組成を有する溶離液を連続して検出器に
    導入する、目的化合物の高感度検出方法。
  2. 【請求項2】 液体クロマトグラフィーが、グラジェン
    ト液体クロマトグラフィーである請求項1記載の高感度
    検出方法。
  3. 【請求項3】 目的化合物及び夾雑物を含む試料を導入
    するための導入部を有する液体クロマトグラフィーのカ
    ラム(以下、Pという)と、Pに送液している溶離液と
    同一の組成を有する溶離液を導入するための溶離液送入
    用ポンプ(以下、Qという)と、Pを検出器(以下、R
    という)又は排出口(以下、Sという)に切り換えて接
    続し、QをR又はSに切り換えて接続するための切換バ
    ルブ(以下、Tという)を有し、TがP及びQと、R及
    びSとの間に配設されてなる目的化合物の高感度検出装
    置。
  4. 【請求項4】 液体クロマトグラフィーが、グラジェン
    ト液体クロマトグラフィーである請求項3記載の高感度
    検出装置。
JP2000112162A 2000-04-13 2000-04-13 目的化合物の高感度検出方法 Pending JP2001296287A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000112162A JP2001296287A (ja) 2000-04-13 2000-04-13 目的化合物の高感度検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000112162A JP2001296287A (ja) 2000-04-13 2000-04-13 目的化合物の高感度検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001296287A true JP2001296287A (ja) 2001-10-26

Family

ID=18624378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000112162A Pending JP2001296287A (ja) 2000-04-13 2000-04-13 目的化合物の高感度検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001296287A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010025791A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd イオンクロマトグラフ法によるリチウムの高精度分析方法
JP2013514538A (ja) * 2009-12-15 2013-04-25 ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン サイズ排除クロマトグラフィーを行うための装置および方法
CN108593810A (zh) * 2018-07-05 2018-09-28 中国科学院上海有机化学研究所 一种用于液相色谱的在线纯化装置及方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010025791A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd イオンクロマトグラフ法によるリチウムの高精度分析方法
JP2013514538A (ja) * 2009-12-15 2013-04-25 ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン サイズ排除クロマトグラフィーを行うための装置および方法
CN108593810A (zh) * 2018-07-05 2018-09-28 中国科学院上海有机化学研究所 一种用于液相色谱的在线纯化装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gustavsson et al. Studies of signal suppression in liquid chromatography–electrospray ionization mass spectrometry using volatile ion-pairing reagents
Takino et al. Determination of polycyclic aromatic hydrocarbons by liquid chromatography–electrospray ionization mass spectrometry using silver nitrate as a post-column reagent
Gledhill Electrospray ionisation-mass spectrometry of hydroxamate siderophores
AU2022200704A1 (en) Peptide purification using mixed-phase solid phase extraction material
CN103439445B (zh) 水体中三苯甲烷类及其代谢物的超高效液相色谱-三重四极杆/复合线性离子阱质谱检测方法
BR112014012366B1 (pt) processo para a determinação da quantidade de triiodotironina inversa por espectrometria de massa
CN105510483A (zh) 一种全自动在线检测血清中全氟及多氟化合物的***
Hirata et al. Determination of trace metals in seawater by on-line column preconcentration inductively coupled plasma mass spectrometry using metal alkoxide glass immobilized 8-quinolinol
CN112684030A (zh) 一种富集净化-液相色谱串联质谱法检测水产品中全氟烷酸化合物的方法与应用
CN112014509A (zh) 同步测定样品中血管紧张素i和醛固酮的方法
Jin et al. Development and comparison of UPLC-ESI-MS and RP-HPLC-VWD methods for determining microcystin-LR
Chen et al. Development of a high-performance liquid chromatography method for the simultaneous quantification of four organoarsenic compounds in the feeds of swine and chicken
Takino et al. Determination of Diquat and Paraquat in Water by Liquid Chromatography/Electrospray–Mass Spectrometry Using Volatile Ion-Pairing Reagents
US20140179018A1 (en) Method for analyzing halogen oxoacids
Cheng et al. Sensitive analysis of phthalate esters in plastic bottled water via on-line capillary solid-phase microextraction liquid chromatography electrospray ionization-ion trap mass spectrometry
JP2001296287A (ja) 目的化合物の高感度検出方法
CN109270192B (zh) 用于水产品磺胺类抗生素检测的前处理装置、方法和用途
CN103293268B (zh) 一种人尿氢化可的松的检测方法
Kadmi et al. A highly sensitive liquid chromatography-tandem mass spectrometry method for the analysis of a toxic water disinfection by-product, N-nitrosomethylethylamine
CN115754072A (zh) 一种酸铜电镀液中硫代丙烷磺酸钠光亮剂定性定量的方法
Li et al. Sensitive determination of two major mercapturic acid metabolites of 1, 3-butadiene in human urine based on the isotope dilution ultrahigh performance liquid chromatography-tandem mass spectrometry
US7358486B1 (en) Cleaning and reconditioning of an inline automated chemical analysis system
Liesener et al. Turbulent flow chromatography for the reduction of matrix effects in electrospray ionization mass spectrometry‐based enzyme assays
Zhou et al. Rapid and selective determination of 9 nitrosamines in biological samples using ultra-high performance liquid chromatography-triple quadrupole linear ion trap mass spectrometry
CN114324635B (zh) 一种利用离子色谱在线基体消除***测定饮用水中溴酸盐的方法