JP2001295755A - 可変容量圧縮機のガイドピン及び可変容量圧縮機 - Google Patents

可変容量圧縮機のガイドピン及び可変容量圧縮機

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JP2001295755A
JP2001295755A JP2000114806A JP2000114806A JP2001295755A JP 2001295755 A JP2001295755 A JP 2001295755A JP 2000114806 A JP2000114806 A JP 2000114806A JP 2000114806 A JP2000114806 A JP 2000114806A JP 2001295755 A JP2001295755 A JP 2001295755A
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guide
swash plate
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Hiroaki Kayukawa
浩明 粥川
Kiyohiro Yamada
清宏 山田
Masanobu Tomita
正伸 冨田
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Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速回転時において容量の変更に必要なクラ
ンク室圧を低くするとともに、ハンチングの発生を抑制
し、動力伝達をクラッチレスタイプとした場合のオフ運
転時の動力消費を減少する。 【解決手段】 ヒンジ機構22はラグプレート17のリヤ面
から突設された2本の支持アーム36と、各支持アーム36
に形成されたガイド孔37と、斜板19に固定された2本の
ガイドピン38とから構成されている。ガイドピン38は斜
板19に嵌合固着される軸部38aと、その先端に形成され
てガイド孔37と係合する球状部38bとを備えている。ガ
イドピン38には、ガイドピン38を含む斜板19の可変支点
(揺動支点)回りの慣性乗積を小さくするため、球状部
38bの軸部38aと反対側が開放された形状の中空部38c
が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両空調
装置に適用される可変容量圧縮機のヒンジ機構を構成す
るガイドピン及び可変容量圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の可変容量圧縮機は、シリ
ンダブロックを含むハウジングと、ハウジング内に回転
可能に設けられた駆動軸とを備えている。シリンダブロ
ックには駆動軸を取り囲むように複数のシリンダボアが
形成され、各ボアにはピストンが往復動可能に収容され
ている。駆動軸上には、特殊な作動連結機構(ヒンジ機
構)を介して斜板(カムプレート)が、駆動軸と同期回
転可能で且つ駆動軸の軸線方向へのスライド移動を伴い
ながら駆動軸に対して傾動可能となるように設けられて
いる。斜板の外周部は各ピストンに対して係留されてい
る。そして、駆動軸に対し傾斜状態の斜板が駆動軸と共
に回転することで、駆動軸の回転運動がピストンの往復
直線運動に変換され、各シリンダボアにおいてガスの吸
入及び圧縮が行われる。そして、斜板が収容されたクラ
ンク室内の圧力を制御することにより斜板の傾角を制御
してピストンのストロークを変更して吐出容量を変更す
るようになっている。
【0003】図9に特開平11−93833号公報に開
示された斜板と駆動軸との作動連結機構の一例を示す。
駆動軸61にはクランク室62内においてロータ(ラグ
プレート)63が固定され、そのリヤ面からは一対の支
持アーム64が突設されている。支持アーム64には、
該アームをロータ63のほぼ径方向に貫通するガイド孔
65が形成されている。
【0004】クランク室62内には駆動軸61上におい
てロータ63の後方に斜板(カムプレート)66が配設
されている。斜板66は軽量化及びシューとの焼付き防
止のため、アルミ系金属からなる斜板本体67と、鉄系
金属からなる斜板ガイド68とからなり、斜板本体67
が斜板ガイド68に圧入されている。斜板本体67は外
周側の摺動面と摺接するシュー69を介してピストン7
0に対して係留されている。
【0005】斜板ガイド68には一対のガイドピン71
の基端が嵌合固着されている。ガイドピン71は先端に
ガイド孔65と係合する球状部71aを備えている。支
持アーム64、ガイド孔65及びガイドピン71がヒン
ジ機構を構成する。そして、クランク室62内の圧力が
変更されることにより、ピストン70の上死点が変更せ
ずにそのストローク量が変化するように斜板66の傾角
が変更されてピストン70のストロークが変更される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のように構成され
たヒンジ機構を備えた圧縮機では、斜板66には斜板6
6が回転される際の遠心力に起因する回転運動のモーメ
ント、吸入行程及び圧縮行程にある全てのシリンダボア
の内圧と、クランク室62の圧力(クランク圧Pc)と
の相互関係に基づいて発生するモーメント等が作用し、
そのバランスに基づいて斜板66の傾角が決定される。
ヒンジ機構を構成するガイドピン71の質量は遠心力に
起因するモーメントに影響を及ぼし、斜板66の傾角が
大きくなる方向へ作用する。
【0007】斜板66の回転によって生じるモーメント
は、斜板66における揺動軸を含むとともに駆動軸61
の軸心に直交する平面と、該軸心との交点を原点とし、
前記軸心と一致する軸を有した直角座標系(x,y,
z)におけるxz平面及びyz平面に対する斜板66の
慣性乗積Ixyと、駆動軸61の角速度の二乗を掛け合わ
せたものになる(例えば、特開平7−293429号公
報)。慣性乗積Ixyは、Ixy=∫xydmで表される。
なお、前記直角座標系のy軸は駆動軸61の軸心と一致
し、z軸は前記揺動軸と一致する。
【0008】従って、ガイドピン71の質量が大きい
と、高速回転時にその影響が大きくなり、クランク圧P
cを高めて斜板66の傾角を小さくするように制御する
際、可変に必要なクランク圧Pcが高くなる。その結
果、ハンチングが発生したり、シール部材の背圧が高く
なることによるゴムリップの摩耗が進行し易くなる。ま
た、圧縮機への動力伝達をクラッチレスタイプとした場
合は、オフ運転時、即ち最小容量運転時の動力消費が増
加するという問題もある。
【0009】そして、アルミ系金属で形成した斜板本体
67を鉄系の斜板ガイド68に嵌合する構成の場合は、
斜板66の圧入強度を確保するために、斜板本体67か
らガイドピン71の球状部71aまでの距離、即ち前記
直交座標系のxz平面からの距離が、斜板66全体を鉄
系金属で形成した場合に比較して2割程度大きくなる。
その結果、前記モーメントの影響がより大きくなる。
【0010】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は、高速回転時において容
量の変更に必要なクランク室圧を低くできるとともに、
ハンチングの発生を抑制でき、動力伝達をクラッチレス
タイプとした場合のオフ運転時の動力消費を減少するこ
とができる可変容量圧縮機のガイドピンを提供すること
にある。また、第2の目的は前記ガイドピンを備えた可
変容量圧縮機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明では、クランク室、吸
入室、吐出室及びそれら各室と連通されたシリンダボア
を備えたハウジングと、前記シリンダボア内に往復動可
能に収容されたピストンと、前記クランク室内に回転可
能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転運動を前記
ピストンの往復運動に変換するため前記ピストンと作動
連結されるとともに前記駆動軸に貫通された状態で前記
クランク室内に配設されたカムプレートと、前記駆動軸
に一体回転可能に固定された回転支持体と、前記回転支
持体と前記カムプレートとの間に介在されたヒンジ機構
とを備え、前記クランク室内の圧力を制御することによ
り前記カムプレートの傾角を制御して前記ピストンの往
復動に伴う前記シリンダボアから前記吐出室への吐出容
量を変化させる可変容量圧縮機において、前記ヒンジ機
構を構成し、前記回転支持体の回転運動を前記カムプレ
ート側に伝達するとともに、前記カムプレートが前記駆
動軸上をスライドしつつ傾動するのを許容するガイドピ
ンを、該ガイドピンを含む前記カムプレートの可変支点
回りの慣性乗積を小さくするため、少なくとも一部を中
空にした。なお、カムプレートの傾角とは駆動軸に直交
する仮想平面とカムプレートとが成す角度を意味する。
【0012】この発明によれば、駆動軸の回転が回転支
持体及びヒンジ機構を介してカムプレートに伝達され、
カムプレートが駆動軸と一体に回転される。カムプレー
トにはカムプレートの回転時の遠心力に起因する回転運
動のモーメント、吸入行程及び圧縮行程にある全てのシ
リンダボアの内圧と、クランク室の圧力(クランク圧P
c)との相互関係に基づいて発生するモーメント等が作
用し、そのバランスに基づいてカムプレートの傾角が決
定される。ヒンジ機構を構成するガイドピンの質量は遠
心力に起因するモーメントに影響を及ぼし、カムプレー
トの傾角が大きくなる方向へ作用する。そして、ガイド
ピンの質量が大きいと、高速回転時にその影響が大きく
なり、クランク圧を高めてカムプレートの傾角を小さく
するように制御する際、可変に必要なクランク圧が高く
なる。しかし、この発明では、ガイドピンの少なくとも
一部を中空にしたため、ガイドピンを含むカムプレート
の可変支点回りの慣性乗積が小さくなって、カムプレー
トの傾角を大きくする方向への影響が小さくなり、高速
運転時での容量変更時にクランク圧Pcを低くでき、制
御の際のハンチングを抑制できるとともにリップシール
の寿命を伸ばすことができる。また、動力伝達をクラッ
チレスタイプとした場合のオフ運転時の動力消費を減少
することができる。
【0013】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記ヒンジ機構は、前記回転支持体
に前記カムプレート側に向かって延びるように形成され
た支持アームと、該支持アームに形成されたガイド部
と、前記カムプレートに固定されるとともに、前記カム
プレートに嵌合固着される軸部と、その先端に形成され
前記ガイド部と係合するとともに前記軸部より大径の球
状部とを備えたガイドピンとを備え、該ガイドピンの少
なくとも前記球状部の一部を中空にした。
【0014】この発明によれば、ヒンジ機構を構成する
ガイドピンはその先端側に位置する球状部において支持
アームのガイド部と係合して傾動する。従って、ガイド
部は単純な円筒面に形成するだけで、カムプレートが駆
動軸上をスライドしながら傾動する際にその移動を円滑
に案内することができる。そして、ガイドピンの一部を
中空化する際、前記慣性乗積の値に影響が大きいガイド
ピンの先端に位置する球状部の一部を中空にするため、
同じ重量であっても基端側を中空にするのに比較して効
果が大きくなる。
【0015】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記ガイドピンには、前記球状部の
前記軸部と反対側が開放されるとともに、該球状部のほ
ぼ中央まで至る中空部が形成されている。従って、この
発明では、請求項2に記載の発明に比較して、ガイドピ
ンを含むカムプレートの可変支点回りの慣性乗積が小さ
くなって、高速運転時での容量変更時に必要なクランク
圧Pcをより低くでき、制御の際のハンチングをより抑
制できるとともにリップシールの寿命を伸ばすことがで
きる。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記ガイドピンには、前記球状部の
前記軸部と反対側が開放されるとともに、前記軸部に達
する中空部が形成されている。従って、この発明では、
ガイドピンがさらに軽量化され、前記効果がより大きく
な。
【0017】請求項5に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記ガイドピンには、前記球状部の
前記軸部と反対側が開放されるとともに、前記軸部の前
記カムプレートに対する嵌合部付近まで延びる中空部が
形成されている。従って、この発明では、請求項4に記
載の発明に比較してさらに効果が大きくなる。
【0018】請求項6に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記ヒンジ機構は、前記カムプレー
トに前記回転支持体側に向かって設けられたスイングア
ームと、前記回転支持体に設けられた支持アームと、前
記スイングアーム及び前記支持アームの一方のアームに
設けられたガイド孔と、他方のアームに形成された取付
け孔と、該取付け孔を貫通するとともに突出部が前記ガ
イド孔に挿入されたガイドピンとを備え、該ガイドピン
の少なくとも一部を中空にした。
【0019】従って、この発明では、ヒンジ機構を構成
するガイドピンがガイド孔に沿って移動することによ
り、カムプレートが駆動軸上をスライドしながら傾動す
るのを案内する。ガイドピンは直線状の単純形状でよ
く、球状部を形成する場合に比較して製造が簡単にな
る。
【0020】請求項7に記載の発明では、請求項6に記
載の発明において、前記ガイド孔は前記支持アームに形
成され、前記取付け孔は前記スイングアームに形成され
ている。従って、この発明では、ガイド孔をスイングア
ームに設ける構成に比較して、カムプレートの構造が簡
単になる。
【0021】請求項8に記載の発明では、請求項7に記
載の発明において、前記スイングアームは前記支持アー
ムを挟むように一対設けられ、前記ガイドピンは前記ス
イングアームの取付け孔と対応する両端部が充実状態に
形成されている。従って、この発明では、ガイドピンに
対して圧縮反力が大きく作用する取付け孔と対応する両
端部の強度が高くなり、ガイドピンの寿命が延びる。
【0022】請求項9に記載の発明では、請求項1〜請
求項8のいずれか一項に記載の発明において、前記ガイ
ドピンは鍛造により形成されている。従って、この発明
では、ガイドピンの中空部を切削加工で形成した場合に
比較して、強度が高くなるとともに、製造コストが安く
なる。
【0023】請求項10に記載の発明の可変容量圧縮機
では、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の前記
ヒンジ機構及び前記ガイドピンを備えた。従って、この
発明によれば、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記
載の発明と同様な作用効果が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を車輌用空調装置の可変容量圧縮機に具体化した第1
の実施の形態を図1〜図3に従って説明する。
【0025】図1に示すように、圧縮機10は、シリン
ダブロック11と、その前端に接合固定されたフロント
ハウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁・
ポート形成体13を介して接合固定されたリヤハウジン
グ14とを備えている。両ハウジング12,14、弁・
ポート形成体13及びシリンダブロック11は複数の通
しボルト(1本のみ図示)によって相互に接合固定され
ている。クランク室15は、シリンダブロック11とフ
ロントハウジング12とで囲まれた領域に区画されてい
る。
【0026】駆動軸16は、クランク室15を挿通する
ようにして、シリンダブロック11及びフロントハウジ
ング12にベアリングを介して回転可能に支持されてい
る。回転支持体としてのラグプレート17は、クランク
室15において駆動軸16に一体回転可能に固定されて
いる。ラグプレート17はスラストベアリング18を介
してフロントハウジング12の内壁面に接している。
【0027】カムプレートとしての斜板19は、軽量化
及び鉄系金属からなるシュー23aとの焼付き防止のた
め、アルミ系金属製の斜板本体20と、鉄系金属製の斜
板ガイド21とからなり、斜板本体20が斜板ガイド2
1に圧入されている。斜板ガイド21には貫通孔21a
が形成され、斜板19は貫通孔21aに駆動軸16が貫
通された状態でクランク室15内に配設されている。ヒ
ンジ機構22は、ラグプレート17と斜板19との間に
介在されている。従って、斜板19は、ヒンジ機構22
を介したラグプレート17との間でのヒンジ連結及び駆
動軸16の支持により、ラグプレート17及び駆動軸1
6と同期回転可能で、かつ駆動軸16の軸線方向へのス
ライド移動を伴いながら駆動軸16に対し傾動可能とな
っている。
【0028】斜板ガイド21には、駆動軸16を挟んで
ヒンジ機構22と反対側にカウンタウェイト部21bが
一体に形成されている。駆動軸16上にはラグプレート
17と斜板ガイド21との間に押圧ばね16aが巻装さ
れている。押圧ばね16aは斜板19をシリンダブロッ
ク11に接近する方向(即ち、傾角減少方向)に付勢す
る。
【0029】複数(図面には一つのみ示す)のシリンダ
ボア11aは、駆動軸16を等角度間隔にて取り囲むよ
うにしてシリンダブロック11に形成されている。片頭
型のピストン23は、各シリンダボア11aに往復動可
能に収容されている。シリンダボア11aの前後開口
は、弁・ポート形成体13及びピストン23によって閉
塞されており、シリンダボア11a内にはピストン23
の往復動に応じて体積変化する圧縮室11bが区画され
ている。ピストン23はシュー23aを介して斜板19
の周縁部に係留されている。従って、駆動軸16の回転
に伴う斜板19の回転運動が、シュー23aを介してピ
ストン23の往復運動に変換される。
【0030】駆動軸16は、動力伝達機構24を介して
エンジン25に作動連結されている。動力伝達機構24
は、外部からの電気制御によって動力の伝達/遮断を選
択可能なクラッチ機構(例えば電磁クラッチ)であって
もよく、又は、そのようなクラッチ機構を持たない常時
伝達型のクラッチレス機構(例えばベルト/プーリの組
合せ)であってもよい。なお、本実施形態では、クラッ
チレスタイプの動力伝達機構24が採用されている。
【0031】リヤハウジング14内には吸入室26と、
吸入室26を取り囲むほぼ環状の吐出室27とがそれぞ
れ区画形成されている。弁・ポート形成体13には各シ
リンダボア11aに対応して、吸入ポート28、同ポー
ト28を開閉する吸入弁29、吐出ポート30、及び同
ポート30を開閉する吐出弁31が形成されている。吸
入室26と吐出室27とは外部冷媒回路32によって接
続されている。
【0032】シリンダブロック11、弁・ポート形成体
13及びリヤハウジング14には、クランク室15と吐
出室27とを連通する給気通路33と、クランク室15
と吸入室26とを連通した抽気通路34とが設けられて
いる。給気通路33の途中には、制御弁35が設けられ
ている。この制御弁35は例えば、特開平9−2689
73号公報に開示された制御弁と同様に構成され、吸入
圧力を検知して変位するベローズと、電磁力を発生可能
なソレノイドと、ベローズの変位とソレノイドの電磁力
により給気通路33の開度を制御する弁機構(いずれも
図示せず)とを備えている。
【0033】この制御弁35では、吸入室26の圧力が
所定圧力以下になると、ベローズが変位して給気通路3
3が開放され、所定圧力より大きい場合は閉鎖状態に保
持される。圧縮機の吐出容量は、制御弁35によってク
ランク室の圧力(クランク圧)Pcを制御することで可
変調節される。即ち、吸入室26の圧力が小さい場合
は、制御弁35の弁開度が大きくなってクランク圧Pc
が高め誘導され、斜板19の傾角(駆動軸16と直交す
る平面と斜板19とのなす角度)が小さくなり、各ピス
トン23のストロークが小さくなって吐出容量が減少す
る。他方、吸入室26の圧力が大きい場合は、弁開度が
小さくなってクランク圧Pcが低め誘導され、斜板19
の傾角が大きくなり、各ピストン23のストロークが大
きくなって吐出容量が増大する。
【0034】次にヒンジ機構22についてより詳細に説
明する。ヒンジ機構22は、ラグプレート17のリヤ面
から突設された2本の支持アーム36(1本のみ図示)
と、各支持アーム36に形成されたガイド部としてのガ
イド孔37と、斜板19に固定された2本のガイドピン
38とから構成されている。各ガイド孔37は円柱状に
形成されている。両ガイドピン38は駆動軸16を挟ん
で左右に並んで配設され、それぞれ支持アーム36に対
応しており、一つの支持アーム36と一つのガイドピン
38とが組み合わさってヒンジ機構の最小単位(一組)
が構成される。2本のガイドピン38は、形状及び寸法
においても全く等価であり、取付け位置及び方向におい
て駆動軸16を挟んだ対称性を有している。
【0035】各ガイドピン38は、斜板19に嵌合固着
される軸部38aと、その先端に形成されてガイド孔3
7と係合する球状部38bとを備えている。球状部38
bは軸部38aより大径に形成されるとともに、軸部3
8aと反対側も平面状に削られた形状に形成されてい
る。そして、ガイドピン38は、少なくとも球状部38
bの一部が中空に形成されている。ガイドピン38は、
例えばヘッダーやフォーマを使用した鍛造で形成され
る。
【0036】ガイドピン38の中空部38cは、球状部
38bの軸部38aと反対側が開放された形状に形成さ
れている。例えば、図2(a)に示すように、開口部と
反対側が球状部38bのほぼ中央まで至る形状、図2
(b)に示すように、軸部38aに達する形状、図2
(c)に示すように、軸部38aの斜板ガイド21に対
する嵌合部付近まで延びる形状に形成されている。即
ち、ガイドピン38の軸方向の質量は図2の(a)>
(b)>(c)の順に小さくなる。なお、ガイドピン3
8を含む斜板19の形状は、特開平7−293429号
公報に開示された物と同様に、斜板19における揺動軸
を含むとともに駆動軸16の軸心に直交する平面と、該
軸心との交点を原点とし、前記軸心と一致する軸を有し
た直角座標系(x,y,z)におけるxz平面及びyz
平面に対する斜板19の慣性乗積Ixyが、図4に示すよ
うに斜板19の傾角が0度の状態で自己の回転により容
量が増加する方向に傾角を増加させるモーメントMを生
じるように設定されている。
【0037】次に前記のように構成された圧縮機の作用
を説明する。駆動軸16の回転に伴い斜板19が一体回
転し、斜板19の回転運動がシュー23aを介して各ピ
ストン23の往復運動に変換される。この駆動の継続に
よって圧縮室11bでは、冷媒の吸入、圧縮及び吐出が
順次繰り返される。外部冷媒回路32から吸入室26に
供給された冷媒は、吸入ポート28を介して圧縮室11
bに吸入され、ピストン23の移動による圧縮作用を受
けた後、吐出ポート30を介して吐出室27に吐出され
る。吐出室27に吐出された冷媒は、吐出孔から外部冷
媒回路32に送り出される。
【0038】そして、制御弁35の開度が冷房負荷に応
じて調整され、吐出室27とクランク室15との連通状
態が変更される。冷房負荷が高く吸入室26の圧力が高
い状態では、制御弁35の開度は小さくなり、クランク
室15の圧力(クランク圧Pc)が小さくなって斜板1
9の傾角が大きくなる。そして、ピストン23のストロ
ークが大きくなって圧縮機10が大容量で運転される。
冷房負荷が低く吸入室26の圧力が低い状態では、制御
弁35の開度が大きくなり、クランク圧Pcが大きくな
って斜板19の傾角が小さくなる。そして、ピストン2
3のストロークが小さくなって圧縮機10が小容量で運
転される。
【0039】斜板19には、吸入行程及び圧縮行程にあ
る全てのシリンダボアの内圧と、クランク室の圧力(ク
ランク圧Pc)との相互関係に基づいて発生するモーメ
ントと、斜板19の回転時の遠心力に起因する回転運動
のモーメントと、押圧ばね16aの付勢力等が作用し、
そのバランスに基づいて斜板19の傾角が決定される。
【0040】斜板19の回転によって生じるモーメント
は、斜板19における揺動軸Sを含むとともに駆動軸1
6の軸心に直交する平面と、該軸心との交点を原点Oと
し、前記軸心と一致する軸を有した直角座標系(x,
y,z)におけるxz平面及びyz平面に対する斜板1
9の慣性乗積Ixyと、駆動軸16の角速度ωの二乗を掛
け合わせたものになる。
【0041】図3(a)に示すように、前記直角座標系
のy軸は駆動軸16の軸心と一致し、z軸は前記揺動軸
Sと平行で、x軸はy軸及びz軸に直交する。x軸は上
死点側を正とし、y軸はフロント側を正とすると、慣性
乗積Ixyは、Ixy=∫xydmで表される。ここでdm
はガイドピンを含む斜板19の微小質量である。従っ
て、ピストン23の径、数、位置等が同じで、斜板19
の径も同じでガイドピン38の外形が同じで、回転速度
(角速度ω)が同じ場合でも、ガイドピン38の斜板本
体20を含む平面(xz面)からの距離により前記回転
運動のモーメントが異なる。
【0042】斜板19をアルミ系金属製の斜板本体20
が鉄系金属製の斜板ガイド21に圧入固定された構成と
した場合は、圧入しろを確保するため、図3(a)に示
すように、ガイドピン38の球状部38bの中心とxy
平面との距離Lが、図3(b)に示す、全体が鉄系金属
製の斜板19に比較して2割程度大きくなる。その結
果、慣性乗積Ixyはガイドピン38の形状が同じ場合で
も、鉄系金属製の斜板19より大幅に大きくなる。
【0043】最小傾斜角付近における斜板19の回転に
よって生じるモーメントMは、斜板19の傾角が大きく
なる方向へ作用する。従って、慣性乗積Ixyが大きい
と、高速回転時にその影響が大きくなり、クランク圧P
cを高めて斜板19の傾角を小さくするように制御する
際、可変に必要なクランク圧Pcが高くなる。そして、
ガイドピン38の質量が同じ場合でも、xy平面からの
距離が大きい部分の質量、即ちガイドピン38の先端側
の質量が大きい方が慣性乗積Ixyが大きくなる。
【0044】この実施の形態ではガイドピン38の先端
の球状部38bの質量が小さくなるように、中空部38
cが形成されているため、ガイドピン38の質量が同じ
でも中空部38cが形成されていない従来のものに比較
して慣性乗積Ixyが小さくなり、斜板19の回転に基づ
くモーメントMも従来のモーメントMo より小さくな
る。(図4参照)これにより、斜板19の傾角を変更す
るのに必要なクランク圧Pcが低くなる。傾角を変更す
るのに必要なクランク圧Pcが高い場合は、所望の傾角
に調整しても圧縮負荷の少しの変動で傾角がずれ易くな
り、ハンチングが発生し易いが、前記必要なクランク圧
Pcが低くなることによりハンチングが発生し難くな
る。このことは、図4に示されるように斜板19の傾角
に対するモーメントMの変化率が、従来のガイドピンを
備えた斜板におけるモーメントMo より小さいことから
も理解できる。ガイドピン39の軽量化はカウンタウェ
イト部21bの軽量化に繋がり、斜板19の回転モータ
Mの変化率の低減に寄与する。
【0045】この実施の形態は以下に示す効果を有す
る。 (1) ヒンジ機構22を構成するガイドピン38の少
なくとも一部が中空に形成されているため、ガイドピン
38を含む斜板19の駆動軸16との一体回転に伴う回
転モーメントに影響を与えるガイドピン38の部分の慣
性乗積が小さくなる。その結果、高速回転時において容
量の変更に必要なクランク圧Pcを低くできるととも
に、ハンチングの発生を抑制できる。また、動力伝達を
クラッチレスタイプとした場合に、オフ運転時の斜板1
9の傾角が0度に近くなり動力消費を減少することがで
きる。また、吐出孔より下流側に逆止め弁を設けた場
合、その開弁圧を下げることができ、性能が向上する。
【0046】(2) ヒンジ機構22は、ラグプレート
17に突設された支持アーム36のガイド孔37に、斜
板19に突設されたガイドピン38の球状部38bが係
合する構成となっている。従って、ガイド孔37は単純
な円筒面に形成するだけで、斜板19が駆動軸16上を
スライドしながら傾動する際に、その移動を円滑に案内
することができる。
【0047】(3) ガイドピン38の一部を中空化す
る際、慣性乗積Ixyの値に影響が大きいガイドピン38
の先端に位置する球状部38bの一部を中空にするた
め、同じ重量であっても基端側を中空にするのに比較し
て効果が大きくなる。
【0048】(4) ガイドピン38に形成する中空部
38cの形状を、球状部38bの軸部38aと反対側が
開放される形状とし、その深さを変えることでガイドピ
ン38の先端側の質量を小さくした。従って、中空部3
8cの深さを変えることで慣性乗積Ixyの値を変更でき
る。また、中空部38cの加工が容易となる。
【0049】(5) ガイドピン38の球状部38bの
形状が、軸部38aと反対側も切り落とした形状に形成
されているため、軸部38aと反対側が球状の従来のガ
イドピンに比較して、球状部38bの曲率が同じでも慣
性乗積Ixyの値が小さくなる。
【0050】(6) ガイドピン38は鍛造により形成
されている。従って、ガイドピン38の中空部38cを
切削加工で形成した場合に比較して、強度が高くなる。
また、ガイドピン38をヘッダーやフォーマで製造すれ
ば、量産性も確保できる。
【0051】(7) 斜板19が、アルミ系金属製の斜
板本体20と、鉄系金属製の斜板ガイド21とから構成
されているため、斜板19全体を鉄系金属製とした場合
に比較して、斜板19全体が軽量となり、圧縮機の軽量
化を図り得る。
【0052】(8) 斜板19が、その貫通孔21aを
介して駆動軸16に直接支持される構成である。従っ
て、斜板19と駆動軸16との間に、例えば、駆動軸1
6上をスライド移動可能に配設されるスリーブ、及びこ
のスリーブに突設されて斜板を傾動可能に支持する枢軸
ピンを設ける必要がないため、部品点数の削減を実現す
ることができる。
【0053】(第2の実施形態)次に、第2の実施の形
態を図5及び図6に基づいて説明する。この実施の形態
ではヒンジ機構22の構成が前記実施の形態と異なって
おり、その他の構成は基本的に前記実施の形態と同じで
ある。従って、同一部分は同一符号を付して説明を省略
し、異なる点についてのみ説明する。
【0054】図5に示すように、駆動軸16にはスリー
ブ39が摺動可能に設けられ、斜板ガイド21はスリー
ブ39に突設された一対の支軸40(一方のみ図示)を
介して傾動可能に支持されている。支軸40は駆動軸1
6と直交する方向に突設されている。
【0055】ヒンジ機構22は、ラグプレート17側に
向かって斜板ガイド21に設けられたスイングアーム4
1と、ラグプレート17に設けられた支持アーム42
と、両アーム41,42を連結するガイドピン43とを
備えている。スイングアーム41は支持アーム42を挟
むように一対設けられ、支持アーム42にガイド孔44
が形成されている。スイングアーム41には支軸40と
平行に延びる取付け孔45が形成され、ガイドピン43
は取付け孔45を貫通するとともに突出部(両端部)が
ガイド孔44に挿入された状態で取付け孔45に圧入固
定されている。ガイド孔44は斜板傾角が変化してもピ
ストン23の上死点位置が実質的に変化しないように、
斜板19側に向かうにつれて、駆動軸16の軸線に対し
て外方から近づくように延在される長孔状をなしてい
る。ガイドピン43は円筒パイプにより形成され、全体
が中空に形成されている。
【0056】この実施の形態のヒンジ機構22では、ガ
イド孔44に沿ってガイドピン43が移動することによ
り、斜板19がラグプレート17と一体回転するととも
に、斜板19が駆動軸16上をスライドしながら傾動す
るのが案内される。
【0057】従って、この実施の形態では、前記実施の
形態の(1)及び(7)の効果の他に次の効果を有す
る。 (9) ヒンジ機構22を構成するガイドピン43は、
ガイド孔44に沿って移動することにより、斜板19が
駆動軸16上をスライドしながら傾動するのを案内す
る。従って、ガイドピン43は直線状の単純形状でよ
く、球状部を形成する場合に比較して製造が簡単にな
る。
【0058】(10) ガイド孔44が支持アーム42
に形成され、取付け孔45がスイングアーム41に形成
されている。従って、ガイド孔44をスイングアーム4
1に設ける構成に比較して、斜板19の構造が簡単にな
る。
【0059】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
ではなく、例えば次のように構成してもよい。 ○ 第1の実施の形態のように球状部38bを有するガ
イドピン38を使用する構成において、ガイドピン38
の形状を、図7(a),(b)に示すように中空部38
cがガイドピン38を貫通する形状としてもよい。ま
た、図7(c)に示すように中空部38cがガイドピン
38を貫通する形状にするとともに、軸部38aの先端
の圧入部に割り38dを形成してもよい。この場合、軸
部38aの外径公差を大きくすることができる。
【0060】○ 第2の実施の形態において、ガイドピ
ン43として単純なパイプ形状ではなく、図8(a)に
示すように、中空部43aがガイドピン43の両側に存
在する形状としたり、図8(b)に示すように、スイン
グアーム41の取付け孔45と対応する両端部が充実状
態に形成された形状としてもよい。ガイドピン43の両
端部を充実状態に形成した場合は、ガイドピン43に対
して圧縮反力が大きく作用する取付け孔45と対応する
両端部の強度が高くなり、ガイドピン43の寿命が延び
る。
【0061】○ 第1の実施の形態において斜板19を
第2の実施の形態のように駆動軸16に摺動可能に設け
られたスリーブ39に支軸40を介して揺動可能に設け
てもよい。また、第2の実施の形態において第1の実施
の形態と同様に斜板ガイド21に形成された貫通孔21
aを駆動軸16が貫通する状態で斜板19を駆動軸16
に支持する構成としてもよい。また、駆動軸16に球面
スリーブを摺動可能に設け、該球面スリーブの外周面に
斜板19を支承してもよい。
【0062】○ ヒンジ機構22を構成する支持アーム
36及びガイドピン38、又は支持アーム42、スイン
グアーム41、ガイドピン43及びガイド孔44の組み
は2組に限らず、1組であってもよいが、回転バランス
や駆動力伝達の安定性の点から2組あった方が好まし
い。
【0063】○ 斜板19を鉄系金属等の1種類のみの
金属で構成してもよい。この場合、圧入しろが不要とな
ってガイドピン38とxz平面との距離を小さくできる
ため、ガイドピン38を中空に形成する効果と相俟って
慣性乗積Ixyをより小さくできる。斜板19の材質がシ
ュー23aの材質と同じ場合は、焼付き防止のため、斜
板19のシュー23aとの摺動部に焼付き防止用の表面
処理(例えばアルミニウム溶射)を行う。
【0064】○ 第2の実施の形態のヒンジ機構22に
おいて、ガイド孔44をスイングアーム41側に設け、
取付け孔45を支持アーム42側に設けてもよい。 ○ ガイドピン38を鍛造ではなく、切削加工や鋳造で
製造してもよい。
【0065】○ 本発明をワッブルタイプの可変容量圧
縮機に適用してもよい。前記各実施の形態から把握され
る請求項記載以外の技術的思想について、以下にその効
果とともに記載する。
【0066】(1) 請求項2〜請求項5のいずれか一
項に記載の発明において、前記球状部の形状が、軸部と
反対側も切り落とした形状に形成されている。この場
合、球状部の重量が小さくなって慣性乗積Ixyの値がよ
り小さくなる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
9に記載の発明のガイドピンを備えた圧縮機及び請求項
10に記載の発明によれば、高速回転時において容量の
変更に必要なクランク室圧を低くできるとともに、ハン
チングの発生を抑制でき、動力伝達をクラッチレスタイ
プとした場合のオフ運転時の動力消費を減少することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の圧縮機の断面図。
【図2】 ガイドピンの断面図。
【図3】 作用を説明する斜板の模式断面図。
【図4】 斜板の傾角とモーメントの関係を示すグラ
フ。
【図5】 第2の実施の形態のヒンジ機構を示す部分断
面図。
【図6】 同じく図5のA矢視図。
【図7】 (a),(b)は第1の実施の形態に使用す
るガイドピンの別の実施の形態の断面図、(c)は同じ
く斜視図。
【図8】 (a)は第2の実施の形態に使用するガイド
ピンの別の実施の形態の断面図、(b)は同じく斜視
図。
【図9】 従来技術の可変容量圧縮機の部分断面図。
【符号の説明】
10…圧縮機、11…ハウジングを構成するシリンダブ
ロック、11a…シリンダボア、12…フロントハウジ
ング、14…リヤハウジング、15…クランク室、16
…駆動軸、17…回転支持体としてのラグプレート、1
9…カムプレートとしての斜板、22…ヒンジ機構、2
3…ピストン、26…吸入室、27…吐出室、36,4
2…支持アーム、37,44…ガイド部としてのガイド
孔、38…ガイドピン、38a…軸部、38b…球状
部、39c…中空部、41…スイングアーム、43…ガ
イドピン、43a…中空部、45…取付孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 正伸 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB32 BB38 BB43 CC12 CC18 CC19 CC20 CC83

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク室、吸入室、吐出室及びそれら
    各室と連通されたシリンダボアを備えたハウジングと、 前記シリンダボア内に往復動可能に収容されたピストン
    と、 前記クランク室内に回転可能に支持された駆動軸と、 前記駆動軸の回転運動を前記ピストンの往復運動に変換
    するため前記ピストンと作動連結されるとともに前記駆
    動軸に貫通された状態で前記クランク室内に配設された
    カムプレートと、 前記駆動軸に一体回転可能に固定された回転支持体と、 前記回転支持体と前記カムプレートとの間に介在された
    ヒンジ機構とを備え、 前記クランク室内の圧力を制御することにより前記カム
    プレートの傾角を制御して前記ピストンの往復動に伴う
    前記シリンダボアから前記吐出室への吐出容量を変化さ
    せる可変容量圧縮機において、 前記ヒンジ機構を構成し、前記回転支持体の回転運動を
    前記カムプレート側に伝達するとともに、前記カムプレ
    ートが前記駆動軸上をスライドしつつ傾動するのを許容
    するガイドピンを、該ガイドピンを含む前記カムプレー
    トの可変支点回りの慣性乗積を小さくするため、少なく
    とも一部を中空にした可変容量圧縮機のガイドピン。
  2. 【請求項2】 前記ヒンジ機構は、前記回転支持体に前
    記カムプレート側に向かって延びるように形成された支
    持アームと、該支持アームに形成されたガイド部と、前
    記カムプレートに固定されるとともに、前記カムプレー
    トに嵌合固着される軸部と、その先端に形成され前記ガ
    イド部と係合するとともに前記軸部より大径の球状部と
    を備えたガイドピンとを備え、該ガイドピンの少なくと
    も前記球状部の一部を中空にした請求項1に記載の可変
    容量圧縮機のガイドピン。
  3. 【請求項3】 前記ガイドピンには、前記球状部の前記
    軸部と反対側が開放されるとともに、該球状部のほぼ中
    央まで至る中空部が形成されている請求項2に記載の可
    変容量圧縮機のガイドピン。
  4. 【請求項4】 前記ガイドピンには、前記球状部の前記
    軸部と反対側が開放されるとともに、前記軸部に達する
    中空部が形成されている請求項2に記載の可変容量圧縮
    機のガイドピン。
  5. 【請求項5】 前記ガイドピンには、前記球状部の前記
    軸部と反対側が開放されるとともに、前記軸部の前記カ
    ムプレートに対する嵌合部付近まで延びる中空部が形成
    されている請求項2に記載の可変容量圧縮機のガイドピ
    ン。
  6. 【請求項6】 前記ヒンジ機構は、前記カムプレートに
    前記回転支持体側に向かって設けられたスイングアーム
    と、前記回転支持体に設けられた支持アームと、前記ス
    イングアーム及び前記支持アームの一方のアームに設け
    られたガイド孔と、他方のアームに形成された取付け孔
    と、該取付け孔を貫通するとともに突出部が前記ガイド
    孔に挿入されたガイドピンとを備え、該ガイドピンの少
    なくとも一部を中空にした請求項1に記載の可変容量圧
    縮機のガイドピン。
  7. 【請求項7】 前記ガイド孔は前記支持アームに形成さ
    れ、前記取付け孔は前記スイングアームに形成されてい
    る請求項6に記載の可変容量圧縮機のガイドピン。
  8. 【請求項8】 前記スイングアームは前記支持アームを
    挟むように一対設けられ、前記ガイドピンは前記スイン
    グアームの取付け孔と対応する両端部が充実状態に形成
    されている請求項7に記載の可変容量圧縮機のガイドピ
    ン。
  9. 【請求項9】 前記ガイドピンは鍛造により形成されて
    いる請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の可変容
    量圧縮機のガイドピン。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれか一項に
    記載の前記ヒンジ機構及び前記ガイドピンを備えた可変
    容量圧縮機。
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