JP2001294242A

JP2001294242A - 易開封性包装用袋

Info

Publication number: JP2001294242A
Application number: JP2000111490A
Authority: JP
Inventors: Yoshibumi Ito; 義文伊藤; Yukihiro Nakanaga; 幸宏中永
Original assignee: Meiwa Pax Co Ltd
Current assignee: Meiwa Pax Co Ltd
Priority date: 2000-04-13
Filing date: 2000-04-13
Publication date: 2001-10-23

Abstract

(57)【要約】【課題】芯材層として合成紙を用いている積層シート
から製袋された袋において、その開封に際し引き裂き線
が一直線状に走り、確実、円滑かつ美麗に開封を行うこ
とのできる易開封性包装用袋を提供することを目的とす
る。【解決手段】合成紙(2G)を芯材層(2) とし、その片方
の面に外面側層(1) 、他方の面に内面側層(3) が設けら
れ、かつその内面側層(3) の最内側がシーラント層(3S)
である積層シートから製袋された袋である。芯材層(2)
を構成する合成紙(2G)は、袋の開封方向Ｘの配向性が袋
の開封方向と直角方向Ｙの配向性よりも大の二軸延伸品
からなる。開封方向Ｘの引裂強度をｘ(gf)、それと直角
方向Ｙの引裂強度をｙ(gf)とするとき、袋は、40≦ｘ
≦150 、 100≦ｙ≦250 、 1.5≦ｙ／ｘ≦5.0 、の
関係を全て満たすようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、芯材層として合成
紙を含む易開封性の包装用袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】合成紙として、種々の種類のものが知ら
れている。一般に合成紙は、耐水性があること、破れに
くいこと、耐油・耐薬品性が良好であること、表面が滑
らかであることなどの特長があるため、商業印刷用紙、
出版関係、地図、ステッカー・ラベル、バッグ、名刺を
はじめとする多種多様の用途に用いることができる。

【０００３】（イ）合成紙の中では、無機質充填剤を配
合したポリプロピレンを溶融製膜したものを縦方向に延
伸し、ついでその縦延伸フィルムの両面に上記と同様の
無機質充填剤を配合したポリプロピレンをエクストルー
ジョンコーティングしてから、今度は横方向に延伸した
ものが実用性が高い。このようにして得られた３層構造
の合成紙は、ミクロボイド構造を有し、中間の基層で強
度が得られ、両表層で紙状化が達成されている。この合
成紙は、基層も両表層も同じ材料でできているので、ト
リミング残や稼動開始時の非製品については、これを回
収して裁断、ペレット化し、再び原料として用いること
ができるというメリットもある。

【０００４】（ロ）特許第２９６８７７３号公報には、
無機質粉末入りのポリプロピレンを共押出製膜して３層
フィルムを得た後、まず縦方向に延伸し、ついで横方向
に延伸し、さらにこのようにして得た二軸延伸フィルム
の両側に、塩化ポリプロピレン系のアンダーコーティン
グ層およびポリアクリル酸エステル系のトップコーティ
ング層を設け、さらにプレススムージング処理を行うよ
うにした５層構造の二軸延伸ポリプロピレン合成紙の製
造方法が示されている。この合成紙は、アート紙に匹敵
する品質、特性を有しているとしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上に述べた合成紙は、
商業印刷用紙、出版関係、地図、ステッカー・ラベル、
などの印刷用紙の用途に主として用いられるが、そのほ
か包装用袋の素材として用いることも検討されている。

【０００６】しかしながら、ポリプロピレンを用いた３
層や５層の多層構造の合成紙は、そのままでは包装用袋
として使えないので、少なくとも製袋のためのシーラン
ト層は必要となるが、シーラント層の設置のみでは外面
特性が不足する。

【０００７】そこで、内表面側にシーラント層を設ける
工夫のほかに、外表面側に樹脂コート層や透明蒸着層を
付加することにより外面特性を得ること考えられるが、
たとえこのような工夫を講じても、袋の用途には、次に
述べるように開封のための引き裂き性が要求されるの
で、その引き裂き性の問題を解決することが必要とな
る。

【０００８】すなわち、袋の開封個所に付したノッチか
ら引き裂きを開始する場合、引き裂き線が必ずしも真直
に走らず、途中で開口部側にずれてそれ以降の開封がで
きなくなることがあり、また反対に、引き裂き線が袋の
本体側に走って本体部が破れてしまうことがある。実用
化のためには、たとえば１５０mmの距離を引き裂く場
合、引き裂き開始点（始端）と引き裂き終了点（終端）
のずれは、大きくともミリメートルのオーダー、殊に５
ミリメートル程度までにとどまるべきであるが、このよ
うな課題を解決することは容易ではない。

【０００９】本発明は、このような背景下において、芯
材層として合成紙を用いている積層シートから製袋され
た袋において、その開封に際し引き裂き線が一直線状に
走り、確実、円滑かつ美麗に開封を行うことのできる易
開封性包装用袋を提供することを目的とするものであ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の易開封性包装用
袋は、合成紙(2G)を芯材層(2) とし、その片方の面に外
面側層(1) 、他方の面に内面側層(3) が設けられ、かつ
その内面側層(3) の最内側にシーラント層(3S)が設けら
れた積層シートから製袋された袋であって、前記芯材層
(2) を構成する合成紙(2G)が、袋の開封方向Ｘの配向性
が袋の開封方向と直角方向Ｙの配向性よりも大の二軸延
伸品からなることを特徴とするものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。

【００１２】〈基本の層構成〉本発明の易開封性包装用
袋は、外面側層(1) ／芯材層(2) ／内面側層(3) の基本
の層構成を有する。

【００１３】〈芯材層(2) 、合成紙(2G)〉本発明におい
ては、上記の層のうちの芯材層(2) として、合成紙(2G)
を用いる。この合成紙(2G)は、ポリプロピレン系の３層
以上の層構成を有する合成紙であることが特に好まし
い。合成紙(2G)の厚みは、特に限定はないものの、５０
〜１００μm 程度とするのが実際的である。

【００１４】そのようなポリプロピレン系の３層以上の
合成紙の一例（合成紙Ａとする）は、無機質充填剤入り
のポリプロピレンを溶融製膜したものを縦方向に延伸
し、ついでその縦延伸フィルムの両面に無機質充填剤入
りのポリプロピレンを押出コートしてから、今度は横方
向に延伸して得た３層構成の二軸延伸フィルムである。

【００１５】ポリプロピレン系の３層以上の合成紙の他
の一例（合成紙Ｂとする）は、無機質充填剤入りのポリ
プロピレンを共押出製膜して３層フィルムを得た後、ま
ず縦方向に延伸し、ついで横方向に延伸し、さらにこの
ようにして得た二軸延伸フィルムの両側にアンダーコー
ティング層およびトップコーティング層を設け、さらに
プレススムージング処理を行った５層構造のものであ
る。

【００１６】これらのポリプロピレン系の３層以上の合
成紙は、すでに市販されているが、縦横の配向性の度合
いについては本発明の目的に適しているようにはされて
いないので、縦横の配向性の点で本発明の目的に適する
ようにして製造したものを、本発明の芯材層(2) におけ
る合成紙(2G)として用いるようにする。

【００１７】しかしながら、芯材層(2) を構成する合成
紙(2G)は、ポリプロピレン系の３層以上の層構成を有す
る合成紙であり、かつそのポリプロピレン系の３層が、
無機質充填剤入りのポリプロピレンを共押出製膜して３
層フィルムを得た後、まず縦方向に延伸し、ついで横方
向に延伸したものであって、さらに縦方向の延伸率を横
方向の延伸率よりも大にしたものであることが、引き裂
き性の点で特に好ましい。上に述べた合成紙Ｂは、縦方
向の延伸率をカレンダーロールを使って大きくすること
ができるので、この条件を満足するようにすることがで
きる。一方、上に述べた合成紙Ａは、後から押出コート
した層を縦方向に配向させることが難しいため、合成紙
Ｂの製造法に準じた製造法を採用する場合に比しては、
引き裂き性が劣ることを免れない。

【００１８】〈外面側層(1) 〉袋の外面側となる外面側
層(1) としては、トップコート層(1T)、基材フィルム層
(1F)、および無機質蒸着層(1B)付き基材フィルム層(1F)
よりなる群から選ばれた少なくとも１層の層があげられ
る。

【００１９】トップコート層(1T)の例は、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、
メラミン系樹脂、マレイン酸系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、セルロース系樹高分子などである。トップコート層
(1T)の厚みは、 0.1〜３μm程度、殊に 0.2〜２μm 程
度とすることが多い。

【００２０】基材フィルム層(1F)の例は、二軸延伸ポリ
プロピレンフィルム（ＯＰＰ）、二軸延伸ナイロンフィ
ルム（ＯＮｙ）、二軸延伸ポリエステルフィルム（ＰＥ
Ｔ）、無延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ナイロン
フィルム、セルロース系フィルムなどである。基材フィ
ルム層(1F)の厚みは、７〜３０μm 程度とすることが多
い。

【００２１】基材フィルム層(1F)上に形成する無機質蒸
着層(1B)の例は、SiO₂, SiO_x, Al₂O ₃ 等の金属酸化物ま
たは複合金属酸化物；金属窒化物；金属炭化物；金属窒
炭化物；金属ホウ化物；Al, Sn等の金属；である。無機
質蒸着層(1B)は、ＰＶＤ法（真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等）やＣＶＤ法により、基材
フィルム層(1F)上に設けられる（「蒸着」の用語は、広
義の蒸着の意味で用いている）。無機質蒸着層(1B)の厚
みは、１０〜３０００Å程度とすることが多いが、無機
質の種類によっては厚手になると透明性が損なわれるこ
とがあるので、透明性が要求されるときには、おのずか
ら厚みには上限がある。

【００２２】〈内面側層(3) 〉袋の内面側となる内面側
層(3) は、製袋のためにヒートシールを行うことから、
その最内側がシーラント層(3S)であることが必要であ
る。このシーラント層(3S)としては、低密度ポリエチレ
ン（ＬＤＰＥ）、リニア低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰ
Ｅ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、高密度ポリエ
チレン（ＨＤＰＥ）、エチレン−酢酸ビニル共重合体
（ＥＶＡ）、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重
合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、アイオノ
マー、エチレン−プロピレン共重合体等のポリエチレン
系樹脂；ＣＰＰと称されるポリプロピレン系樹脂をはじ
め、ヒートシール性を有する種々の樹脂の層があげられ
る。シーラント層(3S)の厚みは、５〜２００μm 程度、
殊に１５〜１５０μm 程度とすることが多い。

【００２３】なお、上記のうち「不飽和カルボン酸」と
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチ
レン性不飽和カルボン酸や、フマール酸、マレイン酸、
イタコン酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸を言
い、エチレン性不飽和ジカルボン酸の場合にはそのハー
フエステルであってもよく、マレイン酸およびイタコン
酸の場合にはその無水物であってもよい。なお内面側層
(3) が後述の金属箔(3A)を含みかつその金属箔(3A)がシ
ーラント層(3S)と隣接するときは、そのシーラント層(3
S)は、金属箔(3A)との密着性が得られるエチレン−不飽
和カルボン酸共重合体の層であることが好ましい場合が
多い。

【００２４】内面側層(3) は、その最内側となるシーラ
ント層(3S)のほかに、金属箔(3A)および樹脂フィルム層
(3F)よりなる群から選ばれた少なくとも１層の層を含ん
でいることも好ましい。

【００２５】ここで金属箔(3A)の代表例は、アルミニウ
ム箔であり、その厚みは５〜５０μm 程度、殊に５〜１
５μm 程度が適当である。

【００２６】樹脂フィルム層(3F)としては、先にあげた
基材フィルム層(1F)やシーラント層(3S)と同様の樹脂の
フィルム層があげられる。樹脂フィルム層(3F)は、接着
剤層の役割を果すことが多いので、ポリエチレン系の樹
脂層とすることが多い。この樹脂フィルム層(3F)は１層
のみならず複層であってもよい。樹脂フィルム層(3F)の
厚みは１層につき、たとえば５〜４０μm 程度とするこ
とが多い。

【００２７】〈積層方法〉各層間の積層は、無機質蒸着
層(1B)の形成の場合を除き、ドライラミネート法、ウエ
ットラミネート法、流延法、サンドラミネート法、共押
出法、エクストルージョンコーティング法、印刷法など
の方法によりなされる。

【００２８】〈他の付加的な層〉外面側層(1) となる層
の内面側または／および外面側（特に内面側）には、パ
ターン状やベタ状の印刷層(pt)を設けることができる。
また各層間の積層のために、アンカーコーティング層や
接着剤層を設けることができる。なお先に述べた各層の
ほかに、エチレン含量が２０〜６０モル％のエチレン−
ビニルアルコール共重合体、アクリロニトリル含量の高
いアクリロニトリル系重合体のようなガスバリア性を有
する樹脂の層を含んでいてもよい。

【００２９】〈使用時の開口部側の工夫〉袋の開口部と
なる側には、消費者に渡った段階での使用時の開口を容
易にするため、Ｉノッチ、Ｖノッチ、Ｕノッチなどのノ
ッチを設けることができる。ノッチに代えて、ヒートシ
ール部の外縁側に微細な傷や微小孔を設けることもでき
る。しかしながら、そのような工夫を施さなくても、単
に爪で引き裂くこともできることが多い。

【００３０】また、一旦開口した後の再封止が可能なよ
うに、袋の開口部側の内面に嵌合式のジッパーを設けて
おくこともできる。

【００３１】〈層構成の代表的な態様〉本発明の易開封
性包装用袋は、上述のように、外面側層(1) ／芯材層
(2) （合成紙(2G)）／内面側層(3) （その最内側はシー
ラント層(3S)）の層構成を有する積層シートから製袋さ
れるが、その典型的な層構成は次の如くである。

【００３２】（イ）トップコート層(1T)／印刷層(pt)／
合成紙(2G)／アンカーコート層(ac)／樹脂フィルム層(3
F)／金属箔(3A)／シーラント層(3S)の層構成。

【００３３】（ロ）基材フィルム層(1F)／印刷層(pt)／
接着剤層(ad)／合成紙(2G)／アンカーコート層(ac)／樹
脂フィルム層(3F)／金属箔(3A)／シーラント層(3S)の層
構成。

【００３４】（ハ）基材フィルム層(1F)／無機質蒸着層
(1B)／印刷層(pt)／接着剤層(ad)／合成紙(2G)／アンカ
ーコート層(ac)／樹脂フィルム層(3F)／シーラント層(3
S)の層構成。

【００３５】〈本発明の特徴点〉さて本発明にあって
は、上記の芯材層(2) を構成する合成紙(2G)が、袋の開
封方向Ｘの配向性が袋の開封方向と直角方向Ｙの配向性
よりも大の二軸延伸品からなる。配向性は主として延伸
の度合いに依存するので、延伸倍率を目安に配向性を制
御して、所定の引き裂き性が得られるようにすればよ
い。

【００３６】今、JIS K7128 のエルメンドルフ法により
測定される袋の開封方向Ｘの引裂強度をｘ(gf)、袋の開
封方向と直角方向Ｙの引裂強度をｙ(gf)とするとき、合
成紙(2G)を含む積層シートを製袋した袋が、引き裂き性
に関し、４０≦ｘ≦１５０、殊に４５≦ｘ≦１００１００≦ｙ≦２５０、殊に１１０≦ｙ≦２２０ 1.5≦ｙ／ｘ≦5.0 、殊に 1.8≦ｙ／ｘ≦4.0 の関係を全て満たすことが好ましい。ｘが余りに小さい
ときは包装に不安が残り、ｘが余りに大きいときは一直
線状の引き裂きが困難となる。ｙが余りに小さいときは
一直線状の引き裂きが困難となり、ｙが余りに大きいと
きは円滑な引き裂きを行いにくくなる。ｙ／ｘが余りに
小さいときは、引き裂きに際し始端と終端とでずれを生
じやすく、一方ｙ／ｘが余りにが余りに大きいときは、
相対的にｘが過小となるため、取り扱い中に不測に裂け
るおそれがあり、包装に不安が残る。

【００３７】上記、およびの全ての条件を満足す
るようにすることにより、たとえば袋を横断して始端側
から終端側までの１５０mmの距離を引き裂く場合（始端
側と終端側には各１０mmのヒートシール部があるものと
する）、始端と終端との間のずれは、１０mm以下はもと
より、５mm以下、４mm以下、殊に３mm以下というように
することができる。

【００３８】なお不測の破袋を起こすことを防止するた
めに、袋のヒートシール部のシール強度については、JI
S Z0238 に規定のシール強度の測定法で、縦横方向のい
ずれも、下限が 0.8kgf/15mm以上、殊に 1.0kgf/15mm以
上であることが好ましい。上限については特に限定はな
いものの、通常は 2.5kgf/15mm程度までである。

【００３９】〈用途〉上記構成を有する本発明の易開封
性包装用袋は、医薬品、医薬部外品または化粧用のシー
トの包装用、たとえば、ハップ剤シート、シート状パッ
ク、冷却用シートなどのシートの包装用として特に有用
である。また、これら以外の内容物を包装する包装用袋
としても用いることができる。

【００４０】

【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。なお、実施例１〜３のいずれも引き裂き開始点とし
てのノッチは設けていない。

【００４１】実施例１図１は本発明の易開封性包装用袋の一例を示した平面図
である。図２は図１の包装用袋の断面図である。

【００４２】外面側層(1) ／芯材層(2) ／内面側層(3)
の層構成の積層シートでできた袋、さらに詳しくは、ト
ップコート層(1T)／印刷層(pt)／合成紙(2G)／アンカー
コート層(ac)／樹脂フィルム層(3F)／金属箔(3A)／シー
ラント層(3S)の層構成の積層シートでできた袋を、次の
ようにして製造した。

【００４３】芯材層(2) となる合成紙(2G)として、従来
の技術の項で述べた特許第２９６８７７３号の特許権者
から提供を受けた合成紙を準備した。この合成紙は、基
本的には、無機質充填剤入りのポリプロピレンを共押出
製膜して３層フィルムを得た後、まず縦方向に延伸し、
ついで横方向に延伸し、さらにこのようにして得た二軸
延伸フィルムの両側にアンダーコーティング層およびト
ップコーティング層を設け、さらにプレススムージング
処理を行った５層構造のものであって、本発明の目的に
使用するために、カレンダーロールによる縦方向（ＭＤ
方向）の延伸率を大にし、横方向（ＴＤ方向）の延伸率
を相対的に小にすることにより、故意に配向性を縦横方
向で違えるようにして製造したものである（厚みは７０
μm ）。

【００４４】この合成紙(2G)の片面にグラビア印刷によ
り印刷層(pt)を設けてから、架橋型アクリル系樹脂液に
よるコーティングを行って、厚み 0.5μm のトップコー
ト層(1T)を形成した。

【００４５】ついで、合成紙(2G)の他方の面にウレタン
系アンカーコーティング剤をコーティングしてアンカー
コート層(ac)を形成してから、樹脂フィルム層(3F)とな
る低密度ポリエチレンを厚みが１５μm になるように溶
融状態で押出コートすると共に、金属箔(3A)の一例とし
ての厚み７μm のアルミニウム箔を圧着してサンドラミ
ネーションした。最後にその金属箔(3A)の上から、厚み
２０μm のエチレン−メタクリル酸共重合体のフィルム
を熱圧着してシーラント層(3S)となした。

【００４６】このようにして得た積層シートを用いて、
１５０mm×１０４mmの大きさのハップ剤シート用の図１
の包装用袋を製袋した。周縁ヒートシール部は１０mmと
した。内容物の充填前の開口部を有する包装用袋につ
き、散点で示したヒートシール部のシール強度（JIS Z0
238 ）を測定すると共に、図１の矢印方向に向かって引
き裂きを行い、引裂強度（JIS K7128 のエルメンドルフ
法）を測定した。結果を後述の表１に示す。

【００４７】実施例２図３は本発明の易開封性包装用袋の他の一例を示した断
面図である。

【００４８】外面側層(1) ／芯材層(2) ／内面側層(3)
の層構成の積層シートでできた袋、さらに詳しくは、基
材フィルム層(1F)／印刷層(pt)／接着剤層(ad)／合成紙
(2G)／アンカーコート層(ac)／樹脂フィルム層(3F)／金
属箔(3A)／シーラント層(3S)の層構成の積層シートでで
きた袋を、次のようにして製造した。

【００４９】芯材層(2) となる合成紙(2G)としては、実
施例１と同じものを用いた。シーラント層(3S)として
も、実施例１と同じものを用いた。

【００５０】基材フィルム層(1F)の一例としての厚み１
２μm の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
の片面にグラビア印刷により印刷層(pt)を設けてから、
接着剤層(ad)を介して、先に述べた合成紙(2G)をドライ
ラミネートした。

【００５１】ついで、実施例１の場合と同様に、合成紙
(2G)の他方の面にウレタン系アンカーコーティング剤を
コーティングしてアンカーコート層(ac)を形成してか
ら、樹脂フィルム層(3F)となる低密度ポリエチレンを厚
みが１５μm になるように溶融状態で押出コートすると
共に、金属箔(3A)の一例としての厚み７μm のアルミニ
ウム箔を圧着してサンドラミネーションした。最後にそ
の金属箔(3A)の上から、エチレン−メタクリル酸共重合
体を溶融状態で押出コートして、厚み２０μm のシーラ
ント層(3S)となした。

【００５２】このようにして得た積層シートを用いて、
実施例１の場合と同じ袋を作製し、さらに実施例１の場
合と同様にして、シール強度と引裂強度とを測定した。
結果を後述の表１に示す。

【００５３】実施例３図４は本発明の易開封性包装用袋のさらに他の一例を示
した断面図である。

【００５４】外面側層(1) ／芯材層(2) ／内面側層(3)
の層構成の積層シートでできた袋、さらに詳しくは、基
材フィルム層(1F)／無機質蒸着層(1B)／印刷層(pt)／接
着剤層(ad)／合成紙(2G)／アンカーコート層(ac)／樹脂
フィルム層(3F)／シーラント層(3S)の層構成の積層シー
トでできた袋を、次のようにして製造した。

【００５５】芯材層(2) となる合成紙(2G)としては、実
施例１と同じものを用いた。シーラント層(3S)として
も、実施例１と同じものを用いた。

【００５６】基材フィルム層(1F)の一例としての厚み１
２μm の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
の片面に、真空蒸着法により無機質蒸着層(1B)の一例と
しての厚み４００ÅのＳｉＯ₂ の薄層を設けてから、そ
の薄層形成側の面にグラビア印刷により印刷層(pt)を設
けた。ついで、無機質蒸着層(1B)付き基材フィルム層(1
F)の印刷層(pt)の側の面に、接着剤層(ad)を介して、先
に述べた合成紙(2G)をドライラミネートした。

【００５７】ついで、合成紙(2G)の他方の面にウレタン
系アンカーコーティング剤をコーティングしてアンカー
コート層(ac)を形成してから、樹脂フィルム層(3F)とな
る低密度ポリエチレンを厚みが１５μm になるように溶
融状態で押出コートすると共に、エチレン−メタクリル
酸共重合体（またはリニア低密度ポリエチレン）を溶融
状態で押出コートして、厚み２０μm のシーラント層(3
S)となした。

【００５８】このようにして得た積層シートを用いて、
実施例１の場合と同じ袋を作製し、さらに実施例１の場
合と同様にして、シール強度と引裂強度とを測定した。
結果を後述の表１に示す。「ずれ量」は、引き裂きを１
０回行ったときに最大のずれを生じたときの値である。

【００５９】

【表１】実施例１実施例２実施例３シール強度 (kgf/15mm) ＭＤ方向（Ｘ方向）ｘ 1.67 1.31 1.99 ＴＤ方向（Ｙ方向）ｙ 1.74 1.17 2.12 引裂強度 (gf) ＭＤ方向（Ｘ方向）ｘ 56 121 56 ＴＤ方向（Ｙ方向）ｙ 134 182 134 ｙ／ｘ 2.4 1.5 2.4 引き裂き時のずれ量 (mm) 右手を手前側に引くとき 0.5 9 3 右手を奥側に引くとき 0 1 3

【００６０】表１から、本発明の易開封性包装用袋にあ
っては、一直線状に引き裂いて開封することができるこ
とがわかる。

【００６１】

【発明の効果】本発明の易開封性包装用袋にあっては、
芯材層(2) として合成紙(2G)を用いているにかかわら
ず、その開封に際し引き裂き線が一直線状に走り、確
実、円滑かつ美麗に開封を行うことができる。また、合
成紙(2G)を用いたことによる耐水性、強度、耐油・耐薬
品性などの好ましい性質がそのまま生かされる。よっ
て、本発明の易開封性包装用袋は、実用性が極めて高い
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の易開封性包装用袋の一例を示した平面
図である。

【図２】図１の包装用袋の断面図である。

【図３】本発明の易開封性包装用袋の他の一例を示した
断面図である。

【図４】本発明の易開封性包装用袋のさらに他の一例を
示した断面図である。

【符号の説明】

(1) …外面側層、(1T)…トップコート層、(1F)…基材フ
ィルム層、(1B)…無機質蒸着層、(2) …芯材層、(2G)…
合成紙、(3) …内面側層、(3S)…シーラント層、(3A)…
金属箔、(3F)…樹脂フィルム層、(pt)…印刷層、(ac)…
アンカーコート層、(ad)…接着剤層

フロントページの続きＦターム(参考） 3E064 AA05 AD26 BA03 BA30 BB03 HM01 HN05 HP05 4F100 AA00B AA00E AB01C AB10 AB33C AK01A AK01B AK01C AK06 AK07E AK25 AK51 AK70 AR00D AT00B AT00C BA05 BA07 BA10B BA10D CA23E CB00 DG10A EH17 EH20E EH46B EH66B EJ38 GB15 HB31E JB01 JB07 JK01 JK03 JL00 JL12D YY00

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】合成紙(2G)を芯材層(2) とし、その片方の
面に外面側層(1) 、他方の面に内面側層(3) が設けら
れ、かつその内面側層(3) の最内側がシーラント層(3S)
である積層シートから製袋された袋であって、前記芯材
層(2) を構成する合成紙(2G)が、袋の開封方向Ｘの配向
性が袋の開封方向と直角方向Ｙの配向性よりも大の二軸
延伸品からなることを特徴とする易開封性包装用袋。
【請求項２】JIS K7128 のエルメンドルフ法により測定
される袋の開封方向Ｘの引裂強度をｘ(gf)、袋の開封方
向と直角方向Ｙの引裂強度をｙ(gf)とするとき、合成紙
(2G)を含む積層シートを製袋した袋が、引き裂き性に関
し、４０≦ｘ≦１５０、１００≦ｙ≦２５０、 1.5≦ｙ／ｘ≦5.0 の関係を全て満たすことを特徴とする請求項１記載の易
開封性包装用袋。
【請求項３】芯材層(2) を構成する合成紙(2G)が、ポリ
プロピレン系の３層以上の層構成を有する合成紙であ
り、かつそのポリプロピレン系の３層が、無機質充填剤
入りのポリプロピレンを共押出製膜して３層フィルムを
得た後、まず縦方向に延伸し、ついで横方向に延伸した
ものであって、さらに縦方向の延伸率を横方向の延伸率
よりも大にしたものである請求項１記載の易開封性包装
用袋。
【請求項４】外面側層(1) が、トップコート層(1T)、基
材フィルム層(1F)、および無機質蒸着層(1B)付き基材フ
ィルム層(1F)よりなる群から選ばれた少なくとも１層の
層からなることを特徴とする請求項１記載の易開封性包
装用袋。
【請求項５】内面側層(3) が、その最内側となるシーラ
ント層(3S)のほかに、金属箔(3A)および樹脂フィルム層
(3F)よりなる群から選ばれた少なくとも１層の層を含ん
でいる請求項１記載の易開封性包装用袋。
【請求項６】積層シートの層構成が「トップコート層(1
T)／印刷層(pt)／合成紙(2G)／アンカーコート層(ac)／
樹脂フィルム層(3F)／金属箔(3A)／シーラント層(3S)」
である請求項１記載の易開封性包装用袋。
【請求項７】積層シートの層構成が「基材フィルム層(1
F)／印刷層(pt)／接着剤層(ad)／合成紙(2G)／アンカー
コート層(ac)／樹脂フィルム層(3F)／金属箔(3A)／シー
ラント層(3S)」である請求項１記載の易開封性包装用
袋。
【請求項８】基材フィルム層(1F)も、袋の開封方向Ｘの
配向性が袋の開封方向と直角方向Ｙの配向性よりも大の
二軸延伸品からなることを特徴とする請求項７記載の易
開封性包装用袋。
【請求項９】積層シートの層構成が「基材フィルム層(1
F)／無機質蒸着層(1B)／印刷層(pt)／接着剤層(ad)／合
成紙(2G)／アンカーコート層(ac)／樹脂フィルム層(3F)
／シーラント層(3S)」である請求項１記載の易開封性包
装用袋。