JP2001290513A - 制御パラメータの提供方法、サーバ装置及び車両制御システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の車両制御では、利用者の好みや装置ご
との特性、経時変化に配慮していないという問題点があ
ったが、本発明では、利用者の好みや装置ごとの特性、
経時変化に配慮した制御パラメータの提供方法及びサー
バ装置を提供する。 【解決手段】 対象装置の識別情報と要望情報とをネッ
トワークを介して取得し、ＣＰＵ１１が要望情報に応じ
た制御パラメータを取得し、制御パラメータデータベー
ス１２を参照して、取得した制御パラメータを分析し、
分析した制御パラメータをネットワークを介して提供す
る。対象装置としての車両側では、提供された制御パラ
メータを利用して車両制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器や車両
等、制御パラメータに基づき制御動作を行う装置に対
し、制御パラメータを提供する方法、サーバ装置及び車
両制御システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、車両における減衰力制御や車高制
御、変速パターン制御等がマイクロコンピュータを用い
て電子的に行われるようになっており、車両メーカは各
車両の特性に応じて、平均的に好まれる状態となるよう
にこれらの制御に用いられる制御パラメータをチューニ
ングしている。

【０００３】また、一部の車両では、運転者の好みや走
行状況に応じて制御パラメータを切り替えるスイッチを
備え、運転者がこのスイッチを切り替えることで、制御
パラメータを微調整可能とするものもある。

【０００４】尚、これらの制御及び制御に関連するパラ
メータについては、平成４年に山海堂から発行されてい
る「新カーエレクトロニクス」（水谷集治監修）に詳し
く説明されているので、ここでの詳細な説明を省略す
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両制御では、運転者の好みが多様化している現状
に必ずしも対応しておらず、また、車両ごとの特性や経
時変化等に配慮していないという問題点があった。

【０００６】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、運転者等利用者の好みに細かく対応し、車両等の装
置ごとの特性や経時変化に対応できる制御パラメータの
提供方法、サーバ装置及び車両制御システムを提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための本発明は、制御パラメータを利用して制御
動作を行う対象装置に対し、電気通信網を介して制御パ
ラメータを提供する方法であって、要望情報を取得する
工程と、前記要望情報に応じて制御パラメータを取得す
る工程と、前記取得された制御パラメータを提供する工
程と、を含み、前記対象装置が提供された制御パラメー
タによって制御動作を行うことを特徴としている。

【０００８】上記従来例の問題点を解決するための本発
明は、制御パラメータを利用して制御動作を行う対象装
置に対し、電気通信網を介して制御パラメータを提供す
る方法であって、前記対象装置を特定する識別情報を取
得する工程と、要望情報を取得する工程と、前記要望情
報に応じて制御パラメータを取得する工程と、前記識別
情報を用いて、前記取得した制御パラメータの分析を行
う工程と、前記分析された制御パラメータを提供する工
程と、を含み、前記対象装置が提供された制御パラメー
タによって制御動作を行うことを特徴としている。

【０００９】上記従来例の問題点を解決するための本発
明は、制御パラメータを利用して制御動作を行う対象装
置に対し、電気通信網を介して制御パラメータを提供す
る方法であって、前記対象装置を特定する識別情報を取
得する工程と、要望情報を取得する工程と、前記要望情
報に応じて制御パラメータを取得する工程と、前記取得
した制御パラメータに基づく前記対象装置の制御に関す
るシミュレーション情報を提供する工程と、前記制御パ
ラメータを提供する工程と、を含み、前記対象装置が提
供された制御パラメータによって制御動作を行うことを
特徴としている。

【００１０】また、これらの制御パラメータの提供方法
において、さらに、前記制御パラメータを提供する工程
は、制御パラメータとともに認証情報を送信し、前記対
象装置では、前記認証情報により制御パラメータの認証
を行い、認証された制御パラメータのみを制御動作に利
用することが好ましい。また対象装置は、車両であり、
制御パラメータは、車両の運行制御のためのパラメータ
であることも好適である。

【００１１】また、さらに、前記制御パラメータの提供
に関連する決済情報を取得する工程と、前記取得した決
済情報に基づいて決済処理を行う工程と、を含むことも
好適である。

【００１２】上記従来例の問題点を解決するための本発
明は、制御の対象となる対象装置に対し、制御用パラメ
ータを電気通信網を介して提供する制御パラメータのサ
ーバ装置であって、要望情報を取得する手段と、前記要
望情報に応じて制御パラメータを取得する手段と、前記
取得した制御パラメータを前記対象装置に提供する手段
と、を含み、前記対象装置が提供された制御パラメータ
によって制御動作を行うことを特徴としている。

【００１３】上記従来例の問題点を解決するための本発
明は、制御パラメータを電気通信網を介して提供する制
御パラメータのサーバ装置であって、制御の対象となる
対象装置の種別を取得する手段と、要望情報を取得する
手段と、前記要望情報に応じて制御パラメータを取得す
る手段と、前記種別で特定された対象装置の動作に対す
る前記取得した制御パラメータの作用を分析する手段
と、前記分析された制御パラメータを提供する手段と、
を含むことを特徴としている。

【００１４】上記従来例の問題点を解決するための本発
明は、制御パラメータを電気通信網を介して提供する制
御パラメータのサーバ装置であって、制御の対象となる
対象装置の種別を取得する手段と、要望情報を取得する
手段と、前記要望情報に応じて制御パラメータを取得す
る手段と、前記取得した制御パラメータに基づく前記対
象装置の制御に関するシミュレーション情報を提供する
手段と、前記制御パラメータを提供する手段と、を含む
ことを特徴としている。

【００１５】また、ここで、対象装置は、車両であるこ
とも好適である。上記従来例の問題点を解決するための
本発明は、車両制御関連情報を電気通信網を介して提供
するサーバ装置であって、制御の対象となる対象車両の
種別を取得する手段と、前記対象車両に応じて、制御関
連情報を取得する手段と、取得した前記制御関連情報の
前記対象車両の制御に対する作用を分析する手段と、前
記分析された制御関連情報を提供する手段と、を含むこ
とを特徴としている。

【００１６】これらのサーバ装置において、さらに、決
済情報を取得する手段と、前記取得した決済情報に応じ
て、決済処理を行う手段と、を含むことも好適である。

【００１７】上記従来例の問題点を解決するための本発
明は、制御用パラメータを用いて制御動作を行う制御対
象装置のために、前記制御用パラメータを電気通信網を
介して取得する制御システムであって、電気通信網を介
し、前記制御対象装置の識別情報を提供する手段と、要
望情報を提供する手段と、前記要望情報に応じて提供さ
れた前記制御対象装置用の制御パラメータを受信する手
段と、前記受信した制御パラメータに基づいて前記制御
対象装置の制御を行う手段と、を含むことを特徴として
いる。

【００１８】また上記従来例の問題点を解決するための
本発明は、車両側に載置され、当該車両の制御用パラメ
ータを電気通信網を介して取得する車両制御システムで
あって、電気通信網を介し、前記車両の識別情報を提供
する手段と、要望情報を提供する手段と、前記要望情報
に応じて取得され、分析された前記車両用の制御パラメ
ータを受信する手段と、前記受信した制御パラメータに
基づいて前記車両の制御を行う手段と、を含むことを特
徴としている。

【００１９】さらに上記従来例の問題点を解決するため
の本発明は、電子式キーロックを備えた車両の制御用パ
ラメータを電気通信網を介して取得する車両制御システ
ムであって、制御の対象となる対象車両の識別情報を提
供する手段と、要望情報を提供する手段と、前記要望情
報に応じて取得され、分析された前記対象車両用の制御
パラメータを受信する手段と、前記受信した制御パラメ
ータを前記電子式キーロック用のキーカードに設定する
手段と、前記キーカードに設定された制御パラメータを
抽出する手段と、抽出した前記制御パラメータに基づい
て前記車両の制御を行う手段と、を含むことを特徴とし
ている。

【００２０】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら説明する。本発明の第１の実施の形態に
係る制御パラメータのサーバ装置１０は、図１に示すよ
うに、ＣＰＵ１１と、制御パラメータデータベース１２
と、ＲＡＭ１３と、ＲＯＭ１４と、ネットワークインタ
フェース１５とから構成されており、ネットワークを介
して、サービスツール２０に接続されている。

【００２１】制御対象となる装置（車両側）に配置され
た車両制御システムとしての車両制御装置３０は、図２
に示すように、ＣＰＵ３１と、ＲＡＭ３２と、ＲＯＭ３
３と、不揮発性メモリ３４と、ツールインタフェース３
５と、システムインタフェース３６とから構成されてい
る。

【００２２】以下、各部を具体的に説明する。サーバ装
置１０のＣＰＵ１１は、ＲＡＭ１３をワークメモリとし
て用い、ＲＯＭ１４に格納されているプログラムを処理
実行する。このＣＰＵ１１は、具体的にネットワークを
介してネットワークインタフェース１５で受信した要求
に応じて、制御パラメータデータベース１２から制御パ
ラメータを取得して分析し、ネットワークを介して提供
する処理を行う。これらのＣＰＵ１１の処理について
は、後に詳しく説明する。

【００２３】制御パラメータデータベース１２は、図３
に示すように、制御パラメータを利用する対象装置ごと
に、単数又は複数の制御パラメータと、各制御パラメー
タがとり得る最小値と最大値とを関連づけて格納してい
る。また、制御パラメータが文字列であれば、取りうる
値を列挙して関連づけて格納しておいても構わない。Ｒ
ＡＭ１３は、ＣＰＵ１１のワークメモリとして動作して
いる。ＲＯＭ１４は、ＣＰＵ１１が処理するプログラム
を格納している。ネットワークインタフェース１５は、
ネットワークを介して到来するデータをＣＰＵ１１に出
力し、また、ＣＰＵ１１から入力されるデータをネット
ワークを介して送信する。

【００２４】サービスツール２０は、ノート型のパーソ
ナルコンピュータのようなもので、サーバ１０に対し、
対象装置を特定する識別情報とともに、調整可能な制御
パラメータの各々について変更後の制御パラメータの値
を設定する指示を送信する。この対象装置を特定する識
別情報としては、例えば対象装置としての車両の車種名
及び年式等の種別情報がある。また、このサービスツー
ル２０は、サーバ１０から制御パラメータの値を受信し
て保持する。さらに、このサービスツール２０は、制御
対象としての車両制御装置３０に接続され、保持した制
御パラメータを車両制御装置３０に設定する。

【００２５】ここで、ＣＰＵ１１の処理の内容について
説明する。ＣＰＵ１１は、ネットワークインタフェース
１５で対象装置を特定する識別情報を受信して、図４に
示す制御パラメータを提供する処理を開始し、まず、制
御パラメータに関連する要望情報を取得する（Ｓ１）。
ここで要望情報は、例えば、図５に示すようなパワース
テアリング（ＰＳ）の重さを制御するための車速に対す
るソレノイド通電電流平均値のグラフを書き換えること
で提供される。すなわち、ＣＰＵ１１は、ネットワーク
インタフェース１５を介して平均的な車速対ソレノイド
通電電流平均値のグラフをサービスツール２０側に表示
させ、サービスツール２０側からこのグラフに対する変
更結果を受信する。尚、サービスツール２０における、
このグラフに対する変更は、パーソナルコンピュータ上
で実現され、広く知られているソフトウエアを用いて容
易に実現できる。

【００２６】そして、ＣＰＵ１１は、この要望情報に基
づいて、要望を実現するための目標設定パラメータを取
得する（Ｓ２）。この目標設定パラメータの取得は、Ｃ
ＰＵ１１が要望情報に応じて事前に設定された計算式に
基づいて算出してもよいし、要望情報に関連づけて事前
に格納された値を取得することとしてもよい。

【００２７】さらにＣＰＵ１１は、受信した識別情報で
特定される対象装置についての制御パラメータの最小値
の情報と、最大値の情報とを制御パラメータデータベー
ス１２から取得して（Ｓ３）、処理Ｓ２で取得した目標
設定パラメータがこの最小値と最大値の間にあるか否か
を判断する（Ｓ４）。そして、目標設定パラメータが最
小値と最大値との間になければ（Ｎｏならば）、エラー
をサービスツール２０側にネットワークを介して送信し
（Ｓ５）、処理Ｓ１に戻って処理を続ける（Ａ）。

【００２８】また、処理Ｓ４において、目標設定パラメ
ータが処理Ｓ３で取得した最小値と最大値との間にあれ
ば（Ｙｅｓならば）、当該目標設定パラメータをネット
ワークを介してサービスツール２０に提供する（Ｓ
６）。

【００２９】このＣＰＵ１１が、本発明の対象車両の種
別を取得する手段に相当し、ＣＰＵ１１の処理Ｓ１が要
望情報を取得する手段に相当し、処理Ｓ２が制御パラメ
ータを取得する処理に相当し、処理Ｓ４が制御パラメー
タを分析する手段に相当し、処理Ｓ６が制御パラメータ
を提供する手段に相当する。

【００３０】尚、ここで処理Ｓ３で取得する分析用の情
報は、制御パラメータの最小値及び最大値を表すレンジ
情報としているが、制御パラメータが取りうる値を列挙
した情報であってもよい。この場合には、ＣＰＵ１１
は、処理Ｓ４の処理として、当該列挙された値のいずれ
かに目標設定パラメータが該当しているか否かを判断す
る。また、分析用の情報としては、２以上の制御パラメ
ータ間の関係式であっても構わない。この場合には、当
該関係式で算出される結果との比較により分析が行わ
れ、適性な値となっているか否かが判断される。

【００３１】車両制御装置３０のＣＰＵ３１は、ツール
インタフェース３５から制御パラメータを取得して不揮
発性メモリ３４に設定する。また、このＣＰＵ３１は、
不揮発性メモリ３４に設定した制御パラメータをシステ
ムインタフェース３６を介して車両の各制御部（減衰力
制御部や車高制御部等）に伝達する。ＲＡＭ３２は、Ｃ
ＰＵ３１のワークメモリとして動作する。ＲＯＭ３３
は、ＣＰＵ３１で処理されるプログラムを格納してい
る。不揮発性メモリ３４は、ＥＥＰＲＯＭ等であり、サ
ービスツール２０から取得した制御パラメータを保持す
る。ツールインタフェース３５は、サービスツール２０
から入力されるデータをＣＰＵ３１に伝達する。システ
ムインタフェース３６は、ＣＰＵ３１から入力されるデ
ータをＣＰＵ３１から指示された車両の各制御部に伝達
する。

【００３２】次に、本発明の実施の形態に係るサーバ装
置１０及び車両制御装置３０の動作について、パワース
テアリングの特性を変更する場合を例として説明する。
車両のメンテナンスを行うディーラーは、対象となる車
両の運転者からの要望を受け付けて、サービスツール２
０をネットワークに接続し、ネットワークを介してサー
バ装置１０に対象車両の車種及び年式等の種別情報を送
信する。

【００３３】すると、サーバ装置１０のネットワークイ
ンタフェース１５がこの情報を受信してＣＰＵ１１に出
力し、ＣＰＵ１１が要望情報の受付処理を開始する。デ
ィーラーは、サービスツール２０を操作して、パワース
テアリングの制御パラメータとして、車速に対するソレ
ノイド通電電流平均値のグラフを書き換えて要望情報と
して送信し、サーバ装置１０のＣＰＵ１１がこの要望情
報に従って、要望を実現するための制御パラメータを取
得する。

【００３４】さらにＣＰＵ１１は、制御パラメータデー
タベース１２から対象車両の車種・年式に対応する設定
パラメータの分析用の情報（該当車両に対する制御パラ
メータのレンジなどの情報）を取得して、制御パラメー
タが妥当な値となっているか否かを分析・判断し、妥当
な値であれば、取得した目標設定パラメータをサービス
ツール２０に送信する。そして、サービスツール２０が
この目標設定パラメータを保持するようになる。

【００３５】ディーラーは、このサービスツール２０を
車両側に配置された車両制御装置３０のツールインタフ
ェース３５に接続し、サービスツール２０を操作して、
不揮発性メモリ３４に保持した制御パラメータを格納さ
せる。ここで、既に過去に設定した制御パラメータが格
納されているときには、当該制御パラメータに上書きし
て格納する。

【００３６】そして、車両運行時に車両制御装置３０の
ＣＰＵ３１がこの不揮発性メモリ３４に格納された制御
パラメータをシステムインタフェース３６を介して車両
の各制御部に伝達し、制御パラメータが利用されるよう
になる。

【００３７】次に、本発明の第２の実施の形態について
説明する。本実施の形態に係るサーバ装置１０と、対象
装置としての車両に配置された車両制御装置３０は、そ
れぞれ図１及び図２に示した第１の実施の形態のものと
同様のものであるが、サーバ装置１０における処理が少
々異なっている。

【００３８】すなわち、本実施の形態に係るサーバ装置
１０のＣＰＵ１１は、第１の実施の形態における制御パ
ラメータの分析、提供の処理の他に、仮入力された制御
パラメータに基づいてシミュレーションを行い、シミュ
レーション情報を提供する処理を行う。具体的にＣＰＵ
１１は、制御対象装置としての車両の識別情報（車種や
年式等の種別情報）をネットワークを介して受信し、さ
らに要望情報の入力を受けて、この要望情報に基づきパ
ワーステアリングの重さや車高、減衰力制御等の制御パ
ラメータを取得して、これらの制御パラメータを反映さ
せたネットワークゲーム環境を提供する。制御パラメー
タの仮入力者は、ネットワークにパーソナルコンピュー
タを接続し、ネットワークを介してこのサーバ装置１０
から提供されるゲームをプレイする。このゲーム環境は
例えば、Ｊａｖａ（商標）アプレットとしてＷｅｂペー
ジを通じて提供される。

【００３９】このゲーム環境を通して、制御パラメータ
に基づく制御状態を体感させ、適切な制御パラメータを
提供でき、また、新車の購入を検討している相手に対
し、これから購入しようとする車両の運行状況に関する
情報を提供できる。

【００４０】また、シミュレーション情報は、このよう
なネットワークゲーム環境の提供のみならず、数値情
報、アニメーション、グラフ等の態様で提供できる。

【００４１】尚、ここまでの説明では、ディーラーがサ
ービスツール２０を用いて制御パラメータをサーバ１０
から取得（ダウンロード）する場合について説明した
が、例えば運転者等が個人的に車両の制御パラメータを
ダウンロードして、車両側に設定することとしてもよ
い。

【００４２】この場合には、サービスツール２０の代わ
りにＰＣカードライタを備えたパーソナルコンピュータ
をネットワークに接続し、サービスツール２０と同様に
して、制御パラメータを取得して、ＰＣカードライタに
挿入されたＰＣカードに取得した制御パラメータを格納
することとするとともに、車両制御装置３０が、ツール
インタフェース３５の代わりにカードリーダを備え、こ
のＰＣカードリーダにＰＣカードを挿入して読み込ま
せ、ＣＰＵ３１がこのＰＣカードリーダで読み込まれた
制御パラメータをシステムインタフェース３６を介し
て、車両の各制御部に伝達する。

【００４３】さらに、不正な制御パラメータが設定され
ないようにするため、サーバ装置１０が、制御パラメー
タとともに、認証情報を提供し、車両制御装置３０側で
認証情報に基づく認証処理を行うこととしてもよい。こ
の場合には制御対象となる車両ごとに事前に設定された
パスコードを認証情報とし、サーバ装置１０が車両を特
定する情報とパスコードとを関連づけたテーブルを記憶
する記憶手段を含み、ＣＰＵ１１が制御パラメータの提
供処理を行う際に、制御パラメータとともに対応するパ
スコードを送信し、サービスツール２０又はＰＣカード
側に制御パラメータとパスコードとを設定する。

【００４４】一方、車両制御装置３０側では、当該車両
制御装置３０が設置されている車両に設定されたパスコ
ードを記憶するレジスタを備え、サービスツール２０又
はＰＣカードから制御パラメータとともに、パスコード
を読み取って、記憶しているパスコードと比較し、これ
らのパスコードが一致しているときにのみ、不揮発性メ
モリに当該制御パラメータを設定する。または、不揮発
性メモリに制御パラメータとパスコードとを設定し、運
行時にパスコードを比較し、一致しているときにのみ、
制御パラメータをシステムインタフェース３６を介して
各制御部に伝達して、制御パラメータを利用することと
しても構わない。さらに、ここまでの説明においてサー
バ装置１０は、車両メーカ側に配置しておき、制御パラ
メータの提供とともに発生する決済関連処理をサーバ装
置１０側で行うこととするのも好ましい。具体的には、
サーバ装置１０のＣＰＵ１１がネットワークを介して決
済情報としての口座番号・暗証番号情報や、クレジット
カード情報を取得し、これら決済情報を利用して、電気
通信網を介して接続可能な決済処理機関（信販会社な
ど）との間で決済処理を行って料金を徴収する。これに
より、種々の制御パラメータの各々や対象装置ごとの課
金を容易にすることができる。このＣＰＵ１１の処理が
本発明の決済処理を行う手段に相当する。

【００４５】さらに、車両制御装置３０は、キーカード
を受け付けるキーカードリーダを備え、電子式キーロッ
クとしても動作するものであることが好ましい。この場
合には、パーソナルコンピュータなどをネットワークに
接続して、このパーソナルコンピュータにより、サーバ
装置１０からダウンロードした制御パラメータをこのキ
ーカードに設定する。そして、車両制御装置３０は、こ
のキーカードから制御パラメータを読み出してシステム
インタフェース３６を介して各制御部に制御パラメータ
を伝達する。これにより、キーカードの所有者ごとの好
みに合わせて制御パラメータを変更することができ、運
転者ごとの好みに合わせた細かな設定を容易にできる。
この場合のパーソナルコンピュータが本発明の識別情報
と要望情報とを提供する手段と、制御パラメータを受信
してキーカードに設定する手段とに相当する。車両制御
装置３０が本発明の制御パラメータを抽出する手段に相
当する。

【００４６】尚、対象装置が車両のように、各車両ごと
にシリアル番号が付されているときには、サーバ装置１
０側にこのシリアル番号と車種・年式などの種別の情
報、及び認証情報としてのパスコードとを関連づけて格
納しておき、サーバ装置１０がシリアル番号の入力を受
けて、これらの種別の情報とパスコードとを取得するよ
うにしておくのも好ましい。

【００４７】次に、本発明の第３の実施の形態について
説明する。本実施の形態のサーバ装置及び車両制御装置
は、図６に示すように、無線にて相互に通信して、情報
の取得・提供を行う。すなわち、本実施の形態のサーバ
装置１０は、ネットワークを介して、無線通信設備４０
に接続されている。また、本実施の形態の車両制御装置
３０は、無線通信装置５０に接続されている。ここで無
線通信設備４０は、公知のＰＨＳ（Personal HandyPhon
e System）網や、ｅｚＷｅｂシステム（商標）を含むデ
ジタルセルラ網である。また、無線通信装置５０は、無
線通信設備４０との間で無線にて通信を行う。尚、サー
バ装置１０と車両制御装置３０とは、第１の実施の形態
のものと同様の動作を行うものであるが、車両制御装置
３０が無線通信装置５０と、無線通信設備４０とを介し
てネットワークに接続されている点が異なる。すなわ
ち、本実施の形態の車両制御装置３０は、サーバ装置１
０に対し、このネットワークを介して直接車両の種別を
表す情報を送信し、要望情報を送信し、要望情報に従っ
て取得され、分析された制御パラメータを受信して、不
揮発性メモリ３４に設定する。

【００４８】ここで、車両制御装置３０と無線通信装置
５０とが本発明の車両制御システムに相当し、この無線
通信装置５０が本発明の識別情報を提供する手段と、制
御パラメータを受信する手段に相当している。また、本
実施形態の車両制御装置３０が車両の制御を行う手段に
相当する。

【００４９】さらに本実施形態においては、車両制御装
置３０が各制御部で取得された車両の運行状況に関する
情報をサーバ装置１０に提供するようにしてもよい。こ
の場合には、サーバ装置１０は、この運行状況に関する
情報に応じて制御パラメータを選択、生成し、分析し
て、対象装置としての車両制御装置３０に提供する。こ
こで、車両の運行状況に関する情報とは、平均的な乗員
人数（重量関連情報）や、走行速度に関する情報、走行
路面に関する情報などである。これにより、各車両の運
行状況に適した制御パラメータを提供することができ
る。

【００５０】さらに本実施形態においては、サーバ１０
側に車両の識別情報に応じた顧客管理データベースが設
置されているときには、サーバ１０が取得した識別情報
を利用して、当該顧客管理データベースを参照し、決済
処理を行うこととしてもよい。

【００５１】尚、ここまでの説明においては、制御の対
象となる装置は、車両であることとして説明したが、制
御パラメータによって制御動作を行う装置であれば、例
えば家庭用電化製品（冷蔵庫や洗濯機、掃除機など）で
あっても構わないし、電話機やＦＡＸなどの通信機器で
あっても構わない。

【００５２】

【発明の効果】本発明によれば、制御パラメータを利用
して制御動作を行う対象装置に対し、電気通信網を介し
て制御パラメータを提供する方法であって、対象装置の
識別情報と要望情報とを取得し、要望情報に応じた制御
パラメータとを取得し、識別情報を用いて制御パラメー
タを分析し、分析した制御パラメータを提供する制御パ
ラメータの提供方法としているので、装置の利用者の好
みや装置の経時変化、装置ごとの特性に配慮した制御を
行わせることができる。また、分析が行われることで、
利用できないような制御パラメータが設定されることを
防止できる。

【００５３】さらに、認証情報により、制御パラメータ
の認証を行う本発明によれば、不正に取得した制御パラ
メータが設定されることを防止できる。

【００５４】また、本発明によれば、制御パラメータを
電気通信網を介して提供する制御パラメータのサーバ装
置であって、制御対象としての対象装置の種別を取得
し、制御パラメータを取得し、制御パラメータの対象装
置の制御に対する作用を分析し、分析した制御パラメー
タを提供するサーバ装置としているので、装置の利用者
の好みや装置の経時変化、装置ごとの特性に配慮した制
御を行わせることができる。また、分析が行われること
で、利用できないような制御パラメータが設定されるこ
とを防止できる。

【００５５】さらに本発明によれば、装置の制御パラメ
ータを電気通信網を介して提供する制御パラメータのサ
ーバ装置であって、制御対象としての対象装置の種別と
要望情報とを取得し、要望情報に応じた制御パラメータ
を取得し、対象装置の種別と制御パラメータとに基づく
シミュレーション情報を提供するサーバ装置としている
ので、制御パラメータの変更の効果を体感させることが
でき、利便性を向上できる。

【００５６】さらに本発明によれば、装置側に載置さ
れ、当該装置の制御用パラメータを電気通信網を介して
取得する制御システムであって、装置の識別情報と要望
情報とを提供し、制御パラメータを受信して、受信した
制御パラメータで装置の制御を行う制御システムとして
いるので、利用者の好み、装置の経時変化、装置ごとの
特性に応じた制御パラメータを設定できる。

【００５７】さらに本発明によれば、車両側に載置さ
れ、当該車両の制御用パラメータを電気通信網を介して
取得する車両制御システムであって、車両の識別情報と
要望情報とを提供し、制御パラメータを受信して、受信
した制御パラメータで車両の制御を行う車両制御システ
ムとしているので、利用者の好み、装置の経時変化、装
置ごとの特性に応じた制御パラメータを設定できる。

【００５８】さらに、本発明によれば、電子式キーロッ
クのキーカードに制御パラメータを設定し、このキーカ
ードに設定された制御パラメータに従って車両制御を行
う車両制御システムとしているので、運転者ごとのキー
カードにそれぞれの運転者の好みに合わせた制御パラメ
ータを設定できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態に係るサーバ装置を含む
ネットワークシステムを表す構成ブロック図である。

【図２】 車両制御装置の構成ブロック図である。

【図３】 制御パラメータデータベースの内容の一例を
表す説明図である。

【図４】 サーバ装置のＣＰＵにおける処理の一例を表
すフローチャート図である。

【図５】 サーバ装置に対する要望情報の提供の一例を
表す説明図である。

【図６】 本発明の実施の形態に係るサーバ装置及び車
両制御装置を含むネットワークシステムを表す構成ブロ
ック図である。

【符号の説明】

１０ サーバ装置、１１，３１ ＣＰＵ、１２ 制御パ
ラメータデータベース、１３，３２ ＲＡＭ、１４，３
３ ＲＯＭ、１５ ネットワークインタフェース、２０
サービスツール、３０ 車両制御装置、３４ 不揮発
性メモリ、３５ツールインタフェース、３６ システム
インタフェース、４０ 無線通信設備、５０ 無線通信
装置。

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 制御パラメータを利用して制御動作を行
   う対象装置に対し、電気通信網を介して制御パラメータ
   を提供する方法であって、 要望情報を取得する工程と、 前記要望情報に応じて制御パラメータを取得する工程
   と、 前記取得された制御パラメータを提供する工程と、 を含み、 前記対象装置が提供された制御パラメータによって制御
   動作を行うことを特徴とする制御パラメータの提供方
   法。
2. 【請求項２】 制御パラメータを利用して制御動作を行
   う対象装置に対し、電気通信網を介して制御パラメータ
   を提供する方法であって、 前記対象装置を特定する識別情報を取得する工程と、 要望情報を取得する工程と、 前記要望情報に応じて制御パラメータを取得する工程
   と、 前記識別情報を用いて、前記取得した制御パラメータの
   分析を行う工程と、 前記分析された制御パラメータを提供する工程と、 を含み、 前記対象装置が提供された制御パラメータによって制御
   動作を行うことを特徴とする制御パラメータの提供方
   法。
3. 【請求項３】 制御パラメータを利用して制御動作を行
   う対象装置に対し、電気通信網を介して制御パラメータ
   を提供する方法であって、 前記対象装置を特定する識別情報を取得する工程と、 要望情報を取得する工程と、 前記要望情報に応じて制御パラメータを取得する工程
   と、 前記取得した制御パラメータに基づく前記対象装置の制
   御に関するシミュレーション情報を提供する工程と、 前記制御パラメータを提供する工程と、 を含み、 前記対象装置が提供された制御パラメータによって制御
   動作を行うことを特徴とする制御パラメータの提供方
   法。
4. 【請求項４】 請求項１から３のいずれかに記載の制御
   パラメータの提供方法において、さらに、 前記制御パラメータを提供する工程は、制御パラメータ
   とともに認証情報を送信し、 前記対象装置では、前記認証情報により制御パラメータ
   の認証を行い、認証された制御パラメータのみを制御動
   作に利用することを特徴とする制御パラメータの提供方
   法。
5. 【請求項５】 請求項１から４のいずれかに記載の制御
   パラメータの提供方法において、さらに、 前記制御対象装置は、車両であることを特徴とする制御
   パラメータの提供方法。
6. 【請求項６】 請求項１から５のいずれかに記載の制御
   パラメータの提供方法において、さらに、 前記制御パラメータの提供に関連する決済情報を取得す
   る工程と、 前記取得した決済情報に基づいて決済処理を行う工程
   と、 を含むことを特徴とする制御パラメータの提供方法。
7. 【請求項７】 制御の対象となる対象装置に対し、制御
   用パラメータを電気通信網を介して提供する制御パラメ
   ータのサーバ装置であって、 要望情報を取得する手段と、 前記要望情報に応じて制御パラメータを取得する手段
   と、 前記取得した制御パラメータを前記対象装置に提供する
   手段と、を含み、 前記対象装置が提供された制御パラメータによって制御
   動作を行うことを特徴とするサーバ装置。
8. 【請求項８】 制御パラメータを電気通信網を介して提
   供する制御パラメータのサーバ装置であって、 制御の対象となる対象装置の種別を取得する手段と、 要望情報を取得する手段と、 前記要望情報に応じて制御パラメータを取得する手段
   と、 前記種別で特定された対象装置の動作に対する前記取得
   した制御パラメータの作用を分析する手段と、 前記分析された制御パラメータを提供する手段と、 を含むことを特徴とするサーバ装置。
9. 【請求項９】 制御パラメータを電気通信網を介して提
   供する制御パラメータのサーバ装置であって、 制御の対象となる対象装置の種別を取得する手段と、 要望情報を取得する手段と、 前記要望情報に応じて制御パラメータを取得する手段
   と、 前記取得した制御パラメータに基づく前記対象装置の制
   御に関するシミュレーション情報を提供する手段と、 前記制御パラメータを提供する手段と、 を含むことを特徴とするサーバ装置。
10. 【請求項１０】 請求項７から９のいずれかに記載のサ
    ーバ装置において、 前記対象装置は、車両であることを特徴とするサーバ装
    置。
11. 【請求項１１】 車両制御関連情報を電気通信網を介し
    て提供するサーバ装置であって、 制御の対象となる対象車両の種別を取得する手段と、 前記対象車両に応じて、制御関連情報を取得する手段
    と、 取得した前記制御関連情報の前記対象車両の制御に対す
    る作用を分析する手段と、 前記分析された制御関連情報を提供する手段と、 を含むことを特徴とするサーバ装置。
12. 【請求項１２】 請求項７から１１のいずれかに記載の
    サーバ装置において、さらに、 決済情報を取得する手段と、 前記取得した決済情報に応じて、決済処理を行う手段
    と、 を含むことを特徴とするサーバ装置。
13. 【請求項１３】 制御用パラメータを用いて制御動作を
    行う制御対象装置のために、前記制御用パラメータを電
    気通信網を介して取得する制御システムであって、 電気通信網を介し、前記制御対象装置の識別情報を提供
    する手段と、 要望情報を提供する手段と、 前記要望情報に応じて提供された前記制御対象装置用の
    制御パラメータを受信する手段と、 前記受信した制御パラメータに基づいて前記制御対象装
    置の制御を行う手段と 、を含むことを特徴とする制御システム。
14. 【請求項１４】 車両側に載置され、当該車両の制御用
    パラメータを電気通信網を介して取得する車両制御シス
    テムであって、 電気通信網を介し、前記車両の識別情報を提供する手段
    と、 要望情報を提供する手段と、 前記要望情報に応じて取得され、分析された前記車両用
    の制御パラメータを受信する手段と、 前記受信した制御パラメータに基づいて前記車両の制御
    を行う手段と、を含むことを特徴とする車両制御システ
    ム。
15. 【請求項１５】 電子式キーロックを備えた車両の制御
    用パラメータを電気通信網を介して取得する車両制御シ
    ステムであって、 制御の対象となる対象車両の識別情報を提供する手段
    と、 要望情報を提供する手段と、 前記要望情報に応じて取得され、分析された前記対象車
    両用の制御パラメータを受信する手段と、 前記受信した制御パラメータを前記電子式キーロック用
    のキーカードに設定する手段と、 前記キーカードに設定された制御パラメータを抽出する
    手段と、 抽出した前記制御パラメータに基づいて前記車両の制御
    を行う手段と、を含むことを特徴とする車両制御システ
    ム。