JP2001288618A - 高収縮性ポリエステル繊維及びそれからなる紐状物 - Google Patents

高収縮性ポリエステル繊維及びそれからなる紐状物

Info

Publication number
JP2001288618A
JP2001288618A JP2000102117A JP2000102117A JP2001288618A JP 2001288618 A JP2001288618 A JP 2001288618A JP 2000102117 A JP2000102117 A JP 2000102117A JP 2000102117 A JP2000102117 A JP 2000102117A JP 2001288618 A JP2001288618 A JP 2001288618A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
polyester
dtex
heat shrinkage
shrinkage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000102117A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4229570B2 (ja
Inventor
Haruo Nokubo
治男 野窪
Toshio Yamauchi
俊男 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2000102117A priority Critical patent/JP4229570B2/ja
Publication of JP2001288618A publication Critical patent/JP2001288618A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4229570B2 publication Critical patent/JP4229570B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い収縮率及び収縮応力を示し、且つ70℃
以上の高温下での保存安定性に優れており、さらに、高
温高湿度やアルカリなどの薬品と接するような過酷な状
況で使用されても強力劣化を生じない高収縮性ポリエス
テル繊維及びそれからなる紐状物を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート系ポリエス
テル:ポリエチレンナフタレート系ポリエステルのブレ
ンド比率(重量比)を35:65〜75:25としたブ
レンドしたポリマーからなるポリエステル繊維とし、該
繊維の破断強度を4cN/dtex以上、初期モジュラ
スを45cN/dtex以上、150℃乾熱収縮率を3
0%以上、150℃熱収縮応力を0.09cN/dte
x以上とする。さらに、かかる繊維を紐状物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高強度で高収縮性の
ポリエステル繊維及びそれからなる紐状物に関する。さ
らに詳しくは、高温下での保存安定性に優れ、且つ、湿
熱中あるいはアルカリ中に於ける強力劣化の少ない高収
縮性ポリエステル繊維及びそれからなる紐状物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は種々の優れた特性を
有しているため、衣料用だけでなく産業用途にも広く用
いられている。なかでも産業用途では、特殊な用途とし
て高い収縮性能を有するポリエステル繊維(例えば、特
開平2−139409号公報、特開平3−90616号
公報、特開平6−280114号公報)や、こうした高
収縮繊維を用いた食肉用締め糸、安全ロープ、仕上ロー
プ(例えば、特開平5−321062号公報、特開平4
−361675号公報、特開平5−321065号公報
など)が提案されている。
【0003】特に、特開平6−280114号公報に
は、保存安定性に優れた高収縮ポリエステル繊維が提案
されている。確かに、上記繊維は従来のものと比較して
保存安定性が改善されており、40℃程度までの温度下
であれば長期間保存しても収縮特性がほとんど低下する
ことなく安定した品質を維持している。
【0004】しかしながら、上記繊維をはじめ従来提案
されている高収縮性繊維には、70℃以上の高温となる
環境、例えばかかる悪条件となる倉庫やコンテナなどで
上記繊維や該繊維からなるロープなどの製品を保管した
場合、これらの収縮特性が著しく低下してしまう問題が
ある。そこで、最近、こうした厳しい環境下でも収縮特
性が変化しない、より高い温度での保存安定性に優れた
熱収縮性ポリエステル繊維が望まれている。
【0005】また、ハムや肉料理型崩れ防止に用いる食
肉用締め糸には、蒸気などで高温殺菌したり、調味料や
油などの存在下でしかも高温で調理した際、該締め糸の
強力が低下する問題がある。また、高所作業に用いる安
全ロープ、魚網、防鳥網、スポーツネット、建築用ネッ
トなどを仕立てるのに用いる仕上ロープには、近年、こ
れらを使用や保管する環境が多岐にわたり、高温高湿度
や薬品にさらされ強力が低下する問題がでている。この
ように用途によっては、その使用や保管において、高温
高湿度下や薬品の存在下で強度低下の少ない、高収縮性
繊維からなる製品の要求がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い収縮率
及び収縮応力を示し、且つ70℃以上の高温下での保存
安定性に優れたポリエステル繊維及びそれからなる、締
め糸、各種ロープなどの紐状物を提供することを目的と
する。さらにもう一つの目的は、高温高湿度やアルカリ
などの薬品と接するような過酷な状況で使用されても強
力劣化を生じない高収縮性ポリエステル繊維及びそれか
らなる紐状物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため、ポリエチレンテレフタレート系ポリエス
テル及びポリエチレンナフタレート系ポリエステルとを
ブレンドした繊維について検討した結果、これらのポリ
エステルのブレンド率や製造条件などによっては、15
0℃という高温でも高い収縮応力を実現できる繊維が得
られ、かかる繊維は本発明の目的とする70℃の条件下
でも優れた保存安定性を有していることを見出し、本発
明に到達した。さらに上記繊維について製造条件などの
検討を進めた結果、得られる繊維の物性によっては、従
来の高収縮性繊維と比べて高温高湿度下及びアルカリ存
在下での強力保持性が極めて良好となるところがあるこ
とを見出した。
【0008】すなわち、本発明によれば、ポリエチレン
テレフタレート系ポリエステルとポリエチレンナフタレ
ート系ポリエステルとをブレンドしたポリマーからなる
繊維であって、ポリエチレンテレフタレート系ポリエス
テル:ポリエチレンナフタレート系ポリエステルのブレ
ンド比率(重量比)が35:65〜75:25であり、
かつ、破断強度が4cN/dtex以上、初期モジュラ
スが45cN/dtex以上、150℃乾熱収縮率が3
0%以上、150℃熱収縮応力が0.09cN/dte
x以上であることを特徴とする高収縮性ポリエステル繊
維、及び、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル
とポリエチレンナフタレート系ポリエステルとをブレン
ドしたポリマーからなる繊維であって、ポリエチレンテ
レフタレート系ポリエステル:ポリエチレンナフタレー
ト系ポリエステルのブレンド比率(重量比)が35:6
5〜75:25であり、かつ、破断強度が4cN/dt
ex以上、初期モジュラスが45cN/dtex以上、
150℃乾熱収縮率が30%以上、150℃熱収縮応力
が0.09cN/dtex以上である高収縮性ポリエス
テル繊維からなることを特徴とする紐状物が提供され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の高収縮ポリエステル繊維
は、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルとポリ
エチレンナフタレート系ポリエステルとをブレンドした
ポリマーからなる繊維である。
【0010】本発明でいうポリエチレンテレフタレート
系ポリエステルは、エチレンテレフタレート単位を主た
る繰返し単位とするポリエステルであり、一方、ポリエ
チレンナフタレート系ポリエステルは、エチレン−2,
6−ナフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエ
ステルである。
【0011】上記の両方のポリエステルには、本発明の
目的を阻害しない範囲、例えば酸成分を基準として15
モル%以下、好ましくは5モル%以下で第3成分が共重
合されていてもかまわない。好ましく用いられる共重合
成分としては、例えば、イソフタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸、スルホイソフタ
ル酸ナトリウム塩、スルホイソフタル酸テトラブチルホ
スホニウム塩などの酸成分、エチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル]プロパン、分子量が4000以下のポリエチ
レングリコールなどのグリコール成分が挙げられる。
【0012】また、上記の両方のポリエステルには、酸
化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛などの艶消剤、リン
酸、亜リン酸及びそれらのエステルなどの熱安定剤、あ
るいは光安定剤などが添加剤が含まれていてもよい。
【0013】上記のポリエチレンテレフタレート系ポリ
エステル及びポリエチレンナフタレート系ポリエステル
の固有粘度は共に0.7以上であることが、後述する高
破断強力、高モジュラス、特に150℃での高熱収縮応
力を達成する上で好ましい。なお、上記の各ポリエステ
ルの固有粘度が高いほど上記特性を発現するのには有効
であるが、高くなり過ぎると曳糸性が低下し断糸が発生
しやすくなるため、固有粘度は共に1.0以下が好まし
い。
【0014】本発明においては、上記のポリエチレンテ
レフタレート系ポリエステルA:ポリエチレンナフタレ
ート系ポリエステルBのブレンド率(重量比)を、3
5:65〜75:25の範囲とする必要がある。ポリエ
チレンテレフタレート系ポリエステルAのブレンド比率
が35重量%未満、すなわちポリエチレンナフタレート
系ポリエステルのブレンド比率が65重量%を越える場
合は、乾熱収縮率が低い繊維しか得られず、また繊維の
熱収縮応力が低くなりその結果70℃以上の高温下での
保存安定性が不十分となる。一方、ポリエチレンテレフ
タレート系ポリエステルのブレンド比率が75重量%を
越え、ポリエチレンナフタレート系ポリエステルのブレ
ンド比率が25重量%未満となる場合は、同様に十分な
熱収縮率が得られず、繊維あるいは製品の高温高湿度下
やアルカリ存在下で強力劣化が発生し易くなる。より高
い熱収縮応力を得るには、好ましくはA:B=50:5
0〜75:25の範囲である。
【0015】本発明においては、上記ブレンド比率とし
たポリエチレンテレフタレート系ポリエステルとポリエ
チレンナフタレート系ポリエステルとのブレンドポリマ
ーからなるポリエステル繊維とするだけでなく、後述す
る破断強度、初期モジュラス、150℃乾熱収縮率、1
50℃熱収縮応力を同時に満足させる必要がある。特に
本発明では、このうちポリエステル繊維の150℃熱収
縮応力を0.09cN/dtex以上とすることが肝要
である。上記熱収縮応力が0.09cN/dtex未満
のポリエステル繊維は保存安定性が悪く、70℃以上の
高温下で該ポリエステル繊維やかかる繊維からなる締め
糸、安全ロープ、仕上げロープなどの製品を保管した
際、これらの熱収縮率及び熱収縮応力が低下し十分な性
能が得られない。
【0016】また、破断強度を4cN/dtex以上、
好ましくは4.5cN/dtexとする必要がある。破
断強度が4cN/dtex未満の場合は、例えば締め
糸、安全ロープ、仕上げロープ、締付け用ロープ、テー
プ、布帛などの製品として使用する際、十分な強力が得
られない。
【0017】さらに、初期モジュラスを45cN/dt
ex以上、好ましくは50cN/dtex以上とする必
要がある。初期モジュラスが45cN/dtex未満の
場合は、上記のような150℃乾熱収縮応力を0.09
cN/dtex以上を達成できず、十分な締付け力が得
られない。
【0018】本発明においては、上記の破断強度及び初
期モジュラスを同時に満足させることで、構造的にも安
定した繊維となり、高温高湿度下やアルカリ存在下での
強力低下の少ない繊維を得ることができる。
【0019】また、本発明においては上記の要件に加
え、150℃乾熱収縮率を30%以上、好ましくは40
%以上とする必要がある。30%未満の場合には、本発
明の目的とする高収縮性能を満足せず、締め糸、安全ロ
ープ、仕上げロープ、締付け用ロープ、テープ、布帛な
どとして不適なものとなってしまう。
【0020】本発明のポリエステル繊維としては、該繊
維の熱応力を測定したとき、熱応力曲線のピークが、好
ましくは120〜180℃の範囲、より好ましくは13
0〜160℃の範囲にあるものが、高温での保存安定性
と、収縮処理の熱源確保のし易さとの両方の点から望ま
しい。
【0021】また、本発明のポリエステル繊維の見かけ
の固有粘度は、0.7以上であることがこの好ましく、
これにより高強度、高モジュラス、特に、高い150℃
熱収縮応力を達成し易くなる。
【0022】さらに、本発明のポリエステル繊維の繊度
は、単糸繊度が1〜20dtex、総繊度は500〜2
000dtexが好ましい。
【0023】以上に説明した本発明の高収縮性ポリエス
テル繊維は、例えば以下のような方法で製造することが
できる。すなわち、通常のポリエチレンテレフタレート
やポリエチレンナフタレートのチップの固有粘度はいず
れも0.6〜0.7であり、これらのチップを170〜
230℃でそれぞれ数時間固相重合を行っていずれも固
有粘度を0.7以上とする。これにより、高強度、高モ
ジュラス、特に高い熱収縮応力を得易くなる。
【0024】次いでこれらのチップを所望の比率にてブ
レンドした後、通常の溶融紡糸装置にて温度260〜3
30℃で溶融吐出し、吐出糸条を融点以上の温度の加熱
雰囲気中を通過させた後、冷却風にて冷却固化せしめ、
油剤を付与して高収縮ポリエステル繊維を得ることがで
きる。この際、冷却風を吹付ける位置を口金面から20
cm以下、好ましくは15cm以下とすることによっ
て、150℃熱収縮応力を高くでき、0.09cN/d
tex以上を達成し易くなる。
【0025】上記のように延伸を行なわず高収縮性繊維
を製造する場合は、紡糸のみで繊維の配向結晶を促進せ
しめるため、引取速度を5000m/分以上とすること
が好ましく、6000m/分以上がより好ましい。引取
速度を速くすれば、より繊維の配向結晶構造が促進さ
れ、高強度、高モジュラスで、かつ150℃熱収縮応力
が高いものが得られる点では好ましいが、一方で150
℃乾熱収縮率30%以上の高収縮が得難くなるため70
00m/分以下が好ましい。
【0026】また、本発明の高収縮ポリエステル繊維は
延伸糸であっても良く、その際、例えば以下の方法によ
って製造できる。すなわち、延伸糸では、延伸によって
配向結晶構造を形成せしめることができるため、紡糸に
おける引取り速度は、前述よりも低速の1000〜50
00m/分が好ましい。得られた未延伸糸を延伸する方
法は、引取った未延伸糸を巻き取らずに直接延伸する方
法でも、未延伸糸を一旦巻き取った後これを別延伸する
方法でもかまわない。その際の延伸条件としては、加熱
ロールにてブレンドポリマーのガラス転移点以上の温
度、例えば70〜130℃の温度で予熱し、未延伸糸の
引き取り速度に応じた延伸倍率、例えば1.05〜3.
0倍の範囲内にて延伸を行う。得られた延伸糸は、十分
な強力を発現し、リジッドな繊維構造が形成され高い収
縮率とするため、更に120〜170℃の加熱ローラで
熱処理を行うことが好ましい。
【0027】本発明の紐状物は、以上に説明した高収縮
性ポリエステル繊維からなる紐状物であり、具体的に
は、該繊維を80重量%以上含有してなる紐状物をい
う。
【0028】本発明でいう紐状物は、例えば、ハムや肉
料理型崩れ防止に用いる食肉用締め糸、高所作業に用い
る安全ロープ、魚網、防鳥網、スポーツネット、建築用
ネットなどを仕立てるのに用いる仕上ロープ、梱包用材
料に用いる締付けロープをいいう。特に、高温殺菌処理
や、調味料などの存在下でしかも高温となる調理にさら
される食肉用締め糸には好適である。
【0029】このうち、例えば食肉用締め糸の場合に
は、前記の高収縮性ポリエステル繊維に撚糸50〜20
0回/mの上撚及び下撚を加えて、総繊度4000〜4
0000dtexの繊維コードとして用いるのが好まし
い。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、繊維の各物性の評価は以下の方法にしたがっ
た。
【0031】(1)固有粘度 ポリエチレンテレフタレートチップの固有粘度は、フェ
ノールとテトラクロルエタンとの当量混合溶液中140
℃にて20分間溶解し、温度30℃で測定した粘度から
求めた。一方、ポリエチレンナフタレートチップの固有
粘度、及びポリエステル繊維の見かけの固有粘度は、フ
ェノールとトリクロロフェノールとの当量混合溶液中に
て150℃にて20分間溶解し、温度30℃で測定した
粘度から求めた。
【0032】(2)破断強度、初期モジュラス JIS L1017の測定方法に準拠して測定した。
【0033】(3)150℃乾熱収縮率 原糸長(L0)の繊維を150℃の循環機能付き加熱オ
ーブン中に無荷重状態で投入し、30分後の収縮長
(L)を測定し、次式により求めた。 乾熱収縮率=(L0−L)/L0×100
【0034】(4)150℃熱収縮応力 初荷重0.044cN/dtexを繊維に負荷し、昇温
速度4℃/分で昇温して150℃における応力を測定
し、この収縮応力を繊維の繊度で除した値である。
【0035】(5)100℃封管湿熱処理後の強力維持
率 相対湿度100%の密閉容器中に強力測定に必要な繊維
を無荷重状態で封入し100℃、5hr湿熱処理を行っ
た後繊維を取り出し、湿熱処理前後の強力比を%単位で
求めた。この値が80%以上を合格とした。
【0036】(6)80℃NaOH処理後の強力維持率 濃度5重量%のNaOH水溶液中に強力測定に必要な繊
維を無荷重状態で浸漬し、80℃、24hr加熱処理を
行った後繊維を取り出し、加熱処理前後の強力比を%単
位で求めた。この値が80%以上を合格とした。
【0037】(7)保存安定性 相対湿度100%の密閉容器中に乾熱収縮率及び熱収縮
応力の測定に必要な繊維を無荷重状態で封入し70℃、
1週間放置した後繊維を取り出し、150℃乾熱収縮
率、150℃熱収縮応力を測定した。
【0038】[実施例1〜4及び比較例1〜6]ポリエ
チレンテレフタレートのチップとポリエチレンナフタレ
ートのチップを各々固相重合し、それぞれ固有粘度0.
70、0.75のチップを得た。これを50:50の比
率でブレンドし、通常の一軸エクストルーダーにて溶融
し、孔径0.6mm、孔数250ホールの口金より未延
伸糸の総繊度が1100dtexとなるように計量して
吐出した。吐出された糸条は口金下に設けられた長さ3
00mm、温度300℃の加熱雰囲気を通過させた後、
長さ15cmに亘って相対湿度65%、温度25℃の冷
却風を送風して冷却固化させた。冷却固化した糸条はメ
タリングオイリング装置で油剤を付与した後、紡糸速度
5000m/分で引取り、ワインダーにて巻き取った。
得られた繊維の性能を表1の実施例1に示す。
【0039】ポリエチレンテレフタレート及びポリエチ
レンナフタレートのブレンド比率及び固有粘度、製糸条
件を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にし
て、実施例2〜4、比較例1〜6の繊維を得た。得られ
た繊維の性能を表1に示す。
【0040】[実施例5〜7]紡糸速度を表1のように
変更し、延伸後の総繊度が1100dtexとなるよう
に吐出量を調整した以外は、実施例1と同様にして未延
伸糸を引取った。さらに、引取った糸条は、実施例1の
ようにそのまま巻き取らず、これを連続して表1に示す
条件で延伸・熱処理して巻き取った。得られた繊維の性
能を表1に示す。
【0041】さらに、上記の実施例、比較例で得られた
繊維について、これを製品とし、熱収縮処理したものを
実際に使用することを想定し、該繊維を150℃、10
分間で、収縮率を10%とした制限熱収縮処理(比較例
1及び2は収縮率を7%とした制限熱収縮処理)を行な
った。そして、この熱収縮処理した繊維について、10
0℃封管湿熱処理前後の強力維持率、80℃NaOH処
理前後の強力維持率を測定した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】また、実施例1の繊維を3本S撚、撚数8
0T/mで撚合わせてリングヤーンとし、リングヤーン
3本をZ撚、撚数80回/mで撚合わせてロープヤーン
を作成し、このロープヤーン21本をS撚、撚数16回
/mで撚合わせてロープストランドを作成し、得られた
繊維ロープは乾熱140℃で30分間熱処理し、15m
mφのロープにした。このロープを80℃、濃度5重量
%のNaOH水溶液中で12hr処理し、その前後でロ
ープの強力を測定したが、強力保持率は93%と良好で
あった。
【0044】さらに、実施例1の繊維を6本合糸して撚
数190T/mの下撚をかけ、次いでこれを3本合糸し
て撚数105T/mをかけてコードを作成した。このコ
ードを緯糸として、筒状のネットを作成した。このネッ
トにロールハムを挿入した後、100℃スチームによる
加湿熱浴中にて3分間処理した。さらに、このロールハ
ムを120℃スチームで1分間し、この処理の前後でコ
ードの強力を測定したが、強力保持率は95%と良好で
あった。
【0045】
【発明の効果】本発明の高収縮性ポリエステル繊維は、
高強度で、しかも高い収縮率及び収縮応力を有してして
いるため収縮処理時の締付け力が大きく、しかもこれら
の特性は70℃を超える環境下においてもその効果が損
なわれることがない。また、本発明の紐状物は、使用ま
たは保管される環境が高温高湿状態やアルカリが存在す
るような劣悪な環境であっても、安定した強力を維持す
ることができるため、例えば、食肉用締め糸、安全ロー
プ、仕上ロープなどとして優れた性能を発揮するもので
ある。さらに、本発明の高収縮性ポリエステル繊維は、
上記紐状物に限らず、高収縮性の布帛やテープなどとし
て産業資材や包装用材料などの用途に幅広く応用できる
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B153 AA01 BB01 CC21 CC31 CC32 FF01 FF08 FF21 FF42 FF43 GG40 4L035 BB31 BB33 BB34 BB56 BB59 EE01 EE02 EE08 EE20 FF01 HH10 4L036 MA05 MA15 PA21 RA03 UA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート系ポリエス
    テルAとポリエチレンナフタレート系ポリエステルBと
    を、重量比A:Bを35:65〜75:25の範囲でブ
    レンドしたポリマーからなり、破断強度が4cN/dt
    ex以上、初期モジュラスが45cN/dtex以上、
    150℃乾熱収縮率が30%以上、150℃熱収縮応力
    が0.09cN/dtex以上である高収縮性ポリエス
    テル繊維。
  2. 【請求項2】 高収縮性ポリエステル繊維の見かけの固
    有粘度が0.7以上である請求項1記載の高収縮性ポリ
    エステル繊維。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンテレフタレート系ポリエス
    テルAとポリエチレンナフタレート系ポリエステルBと
    を、重量比A:Bを35:65〜75:25の範囲でブ
    レンドしたポリマーからなり、破断強度が4cN/dt
    ex以上、初期モジュラスが45cN/dtex以上、
    150℃乾熱収縮率が30%以上、150℃熱収縮応力
    が0.09cN/dtex以上である高収縮性ポリエス
    テル繊維からなることを特徴とする紐状物。
JP2000102117A 2000-04-04 2000-04-04 高収縮性ポリエステル繊維及びそれからなる紐状物 Expired - Fee Related JP4229570B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000102117A JP4229570B2 (ja) 2000-04-04 2000-04-04 高収縮性ポリエステル繊維及びそれからなる紐状物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000102117A JP4229570B2 (ja) 2000-04-04 2000-04-04 高収縮性ポリエステル繊維及びそれからなる紐状物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001288618A true JP2001288618A (ja) 2001-10-19
JP4229570B2 JP4229570B2 (ja) 2009-02-25

Family

ID=18616054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000102117A Expired - Fee Related JP4229570B2 (ja) 2000-04-04 2000-04-04 高収縮性ポリエステル繊維及びそれからなる紐状物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4229570B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007105494A1 (ja) 2006-03-10 2007-09-20 Kuraray Co., Ltd. 導電性複合繊維及びその製造方法
JP2010053484A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Kuraray Co Ltd 高収縮ポリエステル繊維とその製造方法及び用途
JP2013085585A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Toray Monofilament Co Ltd ラケットガット用ポリエステルモノフィラメントとその製造方法
CN103694653A (zh) * 2013-12-12 2014-04-02 长园集团股份有限公司 电工用f级耐温聚酯热收缩材料及其热收缩管的制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007105494A1 (ja) 2006-03-10 2007-09-20 Kuraray Co., Ltd. 導電性複合繊維及びその製造方法
JP4859916B2 (ja) * 2006-03-10 2012-01-25 株式会社クラレ 導電性複合繊維及びその製造方法
JP2010053484A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Kuraray Co Ltd 高収縮ポリエステル繊維とその製造方法及び用途
JP2013085585A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Toray Monofilament Co Ltd ラケットガット用ポリエステルモノフィラメントとその製造方法
CN103694653A (zh) * 2013-12-12 2014-04-02 长园集团股份有限公司 电工用f级耐温聚酯热收缩材料及其热收缩管的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4229570B2 (ja) 2009-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100901325B1 (ko) 폴리유산 섬유
TWI247829B (en) Conjugate fiber and method for production thereof
JP6855683B2 (ja) 液晶ポリエステルマルチフィラメント
JP2016176161A (ja) 液晶ポリエステルマルチフィラメント
KR20010081027A (ko) 폴리에스테르사 및 그 제조방법
JP2013133576A (ja) 液晶ポリエステルマルチフィラメント
JP4648814B2 (ja) 高収縮繊維マルチフィラメント、それを用いた高密度織物および高密度織物の製造方法
AU2006330497A1 (en) Polyester yarn and process for producing
JP2001288618A (ja) 高収縮性ポリエステル繊維及びそれからなる紐状物
JP2006283203A (ja) カチオン可染性特殊断面仮撚加工糸及びその製造方法
JP3599707B2 (ja) 延伸糸パーン
JP4729819B2 (ja) 高温力学特性に優れたポリ乳酸繊維
JP2010090516A (ja) ポリエステルマルチ繊維
JPS59216918A (ja) 捩れを有するポリエステル繊維
JP3693552B2 (ja) ポリエステル繊維の製造方法
JP2000136440A (ja) 潜在捲縮発現性ポリエステル繊維および製造方法
JP2011026762A (ja) 高収縮繊維
JPH11124726A (ja) 低伸度ポリエステル繊維及びその製造法
JPH1161568A (ja) ポリエステル繊維の製造方法
JP2007031848A (ja) 扁平断面を有する分繊用ポリエステルマルチフィラメント
JP2003213526A (ja) ストレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維
JP2002227050A (ja) 縫 糸
JP4059681B2 (ja) ポリトリメチレンテレフタレート前配向糸の製造方法
JPH1193021A (ja) 鞘芯ポリエステル繊維
JPH05321065A (ja) 食肉用締め糸

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060818

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees