JP2001285635A - 画像処理装置、画像処理方法および画像形成装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像形成装置

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JP2001285635A
JP2001285635A JP2000089612A JP2000089612A JP2001285635A JP 2001285635 A JP2001285635 A JP 2001285635A JP 2000089612 A JP2000089612 A JP 2000089612A JP 2000089612 A JP2000089612 A JP 2000089612A JP 2001285635 A JP2001285635 A JP 2001285635A
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JP2000089612A
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English (en)
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Kazuhisa Kubota
和久 久保田
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃度条件の異なる種々の原稿に応じた適切な
濃度制御を的確に且つ効率よく行うことができる画像処
理方法および画像形成装置を提供する。 【解決手段】 画像データの各画素の濃度を基に、ヒス
トグラム作成部22において各濃度と該濃度を有する画
素の度数とを対応づけた濃度ヒストグラムを作成し、下
地濃度判別設定部32において、上記濃度ヒストグラム
内で、予め定められた下地濃度領域閾値に基づいて下地
濃度判別領域を設定する。下地濃度判別部23では、極
小点・極大点検出部33において抽出される上記下地濃
度判別領域内の濃度ヒストグラムの極大点と極小点とに
対し、下地濃度領域閾値に最も近い濃度の極大点に注目
し、該極大点の濃度と、該極大点に最も近い濃度を有す
る極小点の濃度とを用いて下地濃度を判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置およ
び画像処理方法に関し、特に、対象画像の画素濃度のヒ
ストグラムを作成して、その結果を基に対象画像に適し
た濃度補正曲線を作成して該濃度補正曲線に基づく自動
露光調整処理を行う画像処理装置および画像処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】アナログ複写機では、自動露光機能、即
ち原稿の濃度を原稿濃度センサで検知して露光ランプの
明るさを変化させ最適画質を得る方法が一般的な機能と
して知られている。
【0003】近年、電子複写機などの画像形成装置で
は、従来のアナログ式のほかにデジタル式のものが普及
している。このような状況の中で、デジタル複写機にお
いては、前記自動露光機能を実現する方法として、特公
平3−30143号公報、特開平8−204963号公
報、特開平9−43915号公報、特開平10−164
368号公報にて、濃度ヒストグラムを用いた自動濃度
調整方法が提案されている。
【0004】特公平3−30143号公報に記載の画質
調整装置では、原稿画像の濃度を一定の周期でサンプリ
ングを行うと共に、濃度値が極値となるところでもサン
プリングを行うことにより濃度ヒストグラムを作成して
いる。そして、このようにして得られた濃度ヒストグラ
ムのパターンをROMのデータと比較することによって
原稿の種類(白色地印刷原稿・色地印刷原稿・白色地鉛
筆原稿等)を判別し、画像濃度制御信号を出力してい
る。
【0005】特開平8−204963号公報に記載の画
像形成装置では、作成された濃度ヒストグラムより白と
黒との2つのピーク位置を求めて基準値を決定し、さら
に濃度ヒストグラムより画像の種類を判別して前記基準
値を補正し、補正された基準値を用いて階調補正を行っ
ている。
【0006】特開平9−43915号公報に記載の画像
形成装置では、濃度ヒストグラムの数値を参照して濃度
補正用の基準値を求める自動濃度調整方法において、原
稿カバーが開いている状態でも、原稿領域に対してのみ
ヒストグラムを作成し、原稿外の領域のデータに影響さ
れることなく自動濃度調整を行う方法が述べられてい
る。
【0007】特開平10−164368号公報に記載の
画像処理装置では、作成された濃度ヒストグラムより、
2つのピーク位置と、下地と考えられる領域のなかのピ
ークとで原稿判別を行い、最も濃度の小さい下地を除去
する階調補正を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては下記に示すような問題が生じる。
【0009】これらの従来技術においては、上記濃度ヒ
ストグラムを用いて濃度調整を行うにあたって、濃度の
頻度がピークとなる位置を基にして下地濃度を決定して
いる。このため、複数の下地が存在する原稿において、
これら複数の下地を同時に且つ確実に除去することがで
きないという問題がある。
【0010】例えば、新聞の切り抜きをこれより大きな
面積を持つ白色台紙に貼り付け、これを原稿として複写
を行う場合、該原稿には新聞の下地と台紙の下地との2
つの下地が存在することになる。この時、上記原稿を読
み取ると、新聞の下地濃度と台紙の下地濃度との両方に
おいて度数が大きくなる濃度ヒストグラムが得られる。
但し、この時、台紙の下地濃度の度数の方が大きい場
合、すなわち、台紙の下地濃度における度数がピークと
なる場合、台紙の下地濃度が該原稿の下地濃度として判
断される。このため、新聞の貼付領域は下地ではないと
判断され、この領域で全体的に濃度を上げる濃度補正が
なされ文字が読みづらくなるといったことが起こりう
る。
【0011】また、同様に複数の下地が存在する原稿に
おいて、これらの下地面積がほぼ等しい場合、スキャナ
の読み取り精度の問題等により上記各下地の濃度度数が
読取毎に異なる場合がある。このため、濃度の度数がピ
ークとなる位置を基にして下地濃度を決定する方法で
は、下地であると判定される濃度が読取毎に異なり、一
定した出力画像が得られにくくなるといった問題もあ
る。
【0012】さらに、特公平3−30143号公報の方
法では、原稿の種類を判別するのにROMのデータを用
いていることより、詳細な判別を行う場合、それに見合
ったデータを予め記憶させておく必要があり、ROMの
容量が大きくなる。また、ROM内のデータに合致しな
い特殊な画像に対しては判別不可能という判断が下さ
れ、適用範囲が限定されるという問題がある。
【0013】特開平8−204963号公報並びに特開
平9−43915号公報では、共に対象画像の濃度ヒス
トグラムから階調補正の基準値を求める方法が用いられ
ているが、対象画像が写真か文字か判別できない、写真
と文字が混在している、あるいは、複数の下地が存在し
ているなどといった、濃度ヒストグラムが原稿上の濃度
分布状態を忠実に表していないと最適な補正用基準値を
算出できず、自動濃度調整が不可能、あるいは不良画像
が出力されてしまうといった問題が生じる。
【0014】また、特開平9−43915公報では、原
稿カバーの開閉により異なる処理がなされており、処理
が煩雑になるという問題を有している。
【0015】特開平10−164368公報でも同様
に、原稿の判別を行い最も濃度の小さい下地を除去して
いることにより、複数の下地を除去することは困難であ
る。また、スキャナーなどの精度により濃度値のばらつ
きが生じ、忠実に濃度ヒストグラムが作成されない場合
など、同じ原稿にも関わらず同じ処理が行われない場合
が生じる。
【0016】さらに、従来のデジタル画像形成装置にお
いては、手動の濃度調整装置が組み込まれているものも
多いが、使用者が試しに複写を行ってその出力画像を基
にして最適濃度に調整するか、あるいは、経験に頼って
調整を行っているが、いずれにしても無駄な複写が行わ
れるという問題がある。
【0017】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、対象画像の画素濃度の濃
度ヒストグラムを作成して、該濃度ヒストグラムを基に
簡易に下地濃度を判定し、この下地濃度値を基にして濃
度補正曲線を作成し、濃度条件の異なる種々の原稿に応
じた適切な濃度制御を的確に且つ効率よく行うことがで
きる画像処理方法および画像形成装置を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、上記の課題を解決するために、画像入力装置により
入力される画像データに対し、原稿の下地濃度を判定
し、判定された下地濃度に基づいて上記画像データの下
地領域に相当する部分の画素データを除去する自動露光
調整処理を施す画像処理装置において、上記画像データ
の各画素の濃度を基に、各濃度と該濃度を有する画素の
度数とを対応づけた濃度ヒストグラムを作成するヒスト
グラム作成手段と、上記ヒストグラム作成手段により作
成された濃度ヒストグラムの結果を基に、下地濃度を判
別し、上記画像データの濃度を補正する濃度補正手段と
を有し、上記ヒストグラム作成手段は、さらに、上記濃
度ヒストグラム内で、予め定められた下地濃度領域閾値
に基づいて下地濃度判別領域を設定する下地濃度判別領
域設定手段と、上記下地濃度判別領域内の濃度ヒストグ
ラムの極大点と極小点とを抽出する極小点・極大点検出
手段とを備えており、上記濃度補正手段は、抽出された
極大点の中から下地濃度領域閾値に最も近い濃度の極大
点に注目し、該極大点の濃度と、該極大点に最も近い濃
度を有する極小点の濃度とを用いて下地濃度を判別する
下地濃度判別手段を備えていることを特徴としている。
【0019】また、本発明の画像処理方法は、画像入力
装置により入力される画像データに対し、原稿の下地濃
度を判定し、判定された下地濃度に基づいて上記画像デ
ータの下地領域に相当する部分の画素データを除去する
自動露光調整処理を施す画像処理方法において、上記画
像データの各画素の濃度を基に、各濃度と該濃度を有す
る画素の度数とを対応づけた濃度ヒストグラムを作成す
るヒストグラム作成工程と、上記ヒストグラム作成手段
により作成された濃度ヒストグラムの結果を基に、下地
濃度を判別し、上記画像データの濃度を補正する濃度補
正工程とを有し、上記ヒストグラム作成工程は、さら
に、上記濃度ヒストグラム内で、予め定められた下地濃
度領域閾値に基づいて下地濃度判別領域を設定する下地
濃度判別領域設定工程と、上記下地濃度判別領域内の濃
度ヒストグラムの極大点と極小点とを抽出する極小点・
極大点検出工程とを備えており、上記濃度補正工程は、
抽出された極大点の中から下地濃度領域閾値に最も近い
濃度の極大点に注目し、該極大点の濃度と、該極大点に
最も近い濃度を有する極小点の濃度とを用いて下地濃度
を判別する下地濃度判別工程を備えていることを特徴と
している。
【0020】上記の構成によれば、濃度ヒストグラムに
極大点および極小点を用いて下地濃度の判別を行うにあ
たり、上記極大点の度数ではなく、上記極大点と下地濃
度領域閾値との位置関係によって下地濃度の判別を行う
ことができる。このため、上記画像データにおいて複数
の下地が存在する場合、上記濃度ヒストグラム上に極大
点として表れるこれらの下地濃度に関し、これらの下地
濃度が上記下地濃度領域閾値よりも小さい濃度を有する
ものであれば、その度数に関わらず自動露光調整処理に
おいてこれらの下地を確実に除去することができる。
【0021】また、画像入力装置のハード(例えば、ス
キャナー)の精度によりノイズやぶれの影響を受けて極
大点の度数が変わり、判別される下地濃度が読取毎に異
なり、一定した出力画像が得られにくくなるといった問
題を解消できる。これにより、同じ入力画像に対しては
いつも同じ処理を行なうことが可能となり、あらゆる画
像に対して最適な階調処理を施して好ましい出力画像を
得ることができる。
【0022】上記画像処理装置においては、上記下地濃
度判別手段は、注目する極大点の濃度値に対し、該極大
点の濃度を中心値とする濃度範囲を示す濃度幅閾値内に
存在する濃度を有し、且つ、極大点との度数差が度数差
閾値以内となる極小点の中から、該極大点に最も近い濃
度を有する極小点を選択して、該極大点の濃度と選択さ
れた該極小点の濃度とを用いて下地濃度を判別する構成
とすることが好ましい。
【0023】同様に、上記画像処理方法においては、上
記下地濃度判別工程は、注目する極大点の濃度値に対
し、該極大点の濃度を中心値とする濃度範囲を示す濃度
幅閾値内に存在する濃度を有し、且つ、極大点との度数
差が度数差閾値以内となる極小点の中から、該極大点に
最も近い濃度を有する極小点を選択して、該極大点の濃
度と選択された該極小点の濃度とを用いて下地濃度を判
別する構成とすることが好ましい。
【0024】上記構成によれば、下地濃度の判別にあた
って、上記濃度幅閾値と度数差閾値とを満足する極小値
が選択される。この時、注目する極大点に対して上記各
閾値を満足する極小値が存在しなければ、上記極大値は
その濃度付近において、ある程度の濃度分布を有する下
地ではない画像の一部であると見なされ、極大点として
不適切であると言える。このため、上記方法によって、
不適切な極大点を用いて下地濃度判別を行うことが回避
され、簡易な方法で速やかに、またハード(スキャナ
ー)の精度が多少悪くても影響されず、下地の判断を的
確に行うことができる。
【0025】上記画像処理装置においては、上記下地濃
度判別手段は、注目する極大点に対し、該極大点の濃度
を中心値とする濃度範囲を示す濃度幅閾値内に存在する
濃度を有し、且つ、極大点の度数差が度数差閾値以内と
なる極小点が存在しない場合、注目する極大点を下地濃
度領域閾値に次に近い濃度を有する極大点に変更して下
地濃度を判別する構成とすることが好ましい。
【0026】同様に、上記画像処理方法においては、上
記下地濃度判別工程は、注目する極大点に対し、該極大
点の濃度を中心値とする濃度範囲を示す濃度幅閾値内に
存在する濃度を有し、且つ、極大点の度数差が度数差閾
値以内となる極小点が存在しない場合、注目する極大点
を下地濃度領域閾値に次に近い濃度を有する極大点に変
更して下地濃度を判別する構成とすることが好ましい。
【0027】上記構成によれば、注目する極大点に対し
て、上記各閾値を満たす極小点が存在しなかった場合で
あっても、注目する極大点を次に近い濃度を有する極大
点に変更することで、常に最適な下地濃度判別が可能と
なる。
【0028】上記画像処理装置においては、上記下地濃
度判別手段は、注目された極大点の濃度に、該極大点の
濃度と該極小点の濃度との差の絶対値を加えた値もしく
は引いた値を下地濃度として判別する構成とすることが
好ましい。
【0029】同様に、上記画像処理方法においては、上
記下地濃度判別工程は、注目された極大点の濃度に、該
極大点の濃度と該極小点の濃度との差の絶対値を加えた
値もしくは引いた値を下地濃度として判別する構成とす
ることが好ましい。
【0030】上記構成によれば、これによって判定され
る下地濃度は、注目する極大点に対し、該極大点の濃度
と該極小点の濃度との差の絶対値を加えた値もしくは引
いた値となることにより、画像データにおいて下地濃度
を示していると思われる極大点の濃度が自動露光調整処
理において確実に除去される。尚、極大点の濃度と極小
点の濃度との差の絶対値を加えた値を下地濃度として判
別するのは、画像データとした例えばスキャナ等から入
力されたRGB系の信号を色補正したCMY系の信号を
用いる場合であり、極大点の濃度と極小点の濃度との差
の絶対値を引いた値を下地濃度として判別するのは、画
像データとした例えばスキャナ等から入力されたRGB
系の信号をそのまま用いる場合である。
【0031】上記画像処理装置においては、上記濃度補
正手段は、さらに、予め用意された入力濃度値と出力濃
度値との補正関係を設定する基準濃度補正曲線を基に、
上記下地濃度判別手段によって下地濃度と判定された濃
度を用いて上記基準濃度補正曲線を均等圧縮して濃度補
正曲線を作成する濃度補正曲線作成手段を備えており、
上記濃度補正曲線作成手段は、上記基準濃度補正曲線上
に対して複数の補正ポイントを設け、作成する濃度補正
曲線に対しては上記下地濃度を0の出力濃度値を与える
基準点とし、基準濃度補正曲線において0の出力濃度値
を与える始点と上記基準値との圧縮率に応じて、上記補
正ポイントをそれぞれ均等圧縮し濃度補正曲線を作成す
ると共に、上記濃度補正手段は、上記濃度補正曲線作成
手段によって作成された濃度補正曲線を用いて自動露光
調整処理時の濃度補正を行う構成とすることが好まし
い。
【0032】同様に、上記画像処理方法においては、上
記濃度補正工程は、さらに、予め用意された入力濃度値
と出力濃度値との補正関係を設定する基準濃度補正曲線
を基に、上記下地濃度判別手段によって下地濃度と判定
された濃度を用いて上記基準濃度補正曲線を均等圧縮し
て濃度補正曲線を作成する濃度補正曲線作成工程を備え
ており、上記濃度補正曲線作成工程は、上記基準濃度補
正曲線上に対して複数の補正ポイントを設け、作成する
濃度補正曲線に対しては上記下地濃度を0の出力濃度値
を与える基準点とし、基準濃度補正曲線において0の出
力濃度値を与える始点と上記基準値との圧縮率に応じ
て、上記補正ポイントをそれぞれ均等圧縮し濃度補正曲
線を作成すると共に、上記濃度補正工程は、上記濃度補
正曲線作成手段によって作成された濃度補正曲線を用い
て自動露光調整処理時の濃度補正を行う構成とすること
が好ましい。
【0033】上記構成によれば、上記自動露光調整処理
を行うにあたって使用する濃度補正曲線を、基準濃度補
正曲線上の補正ポイントの圧縮処理といった簡単な演算
で実現できるため、各画像データに対し、最適でより精
度良く濃度補正曲線作成が可能になる。また、濃度補正
曲線作成における処理速度、回路規模を少なくすること
ができ、上記処理を行うハードウェアが大幅に簡略化さ
れる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図12に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0035】図2は、本実施の形態に係る画像形成装置
としてデジタルカラー複写機の概略構成を示す正面断面
図である。
【0036】画像形成装置本体1の上面には、原稿台1
11及び操作部(不図示)が設けられ、画像形成装置本
体1の内部には画像入力装置110および画像出力装置
210が設けられた構成である。
【0037】原稿台111の上面には該原稿台111に
対して開閉可能な状態で支持され、原稿台111面に対
して所定の位置関係をもって両面自動原稿送り装置(RA
DF:Reversing Automatic Document Feeder)112が装
着されている。
【0038】さらに、両面自動原稿送り装置112は、
まず、原稿の一方の面が原稿台111の所定位置におい
て画像入力装置110に対向するよう原稿を搬送し、こ
の一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他
方の面が原稿台111の所定位置において画像入力装置
110に対向するよう原稿を反転して原稿台111に向
かって搬送するようになっている。そして、両面自動原
稿送り装置112は、1枚の原稿について両面の画像読
み取りが終了した後にこの原稿を排出し、次の原稿につ
いての両面搬送動作を実行する。以上の原稿の搬送およ
び表裏反転の動作は、画像形成装置全体の動作に関連し
て制御されるものである。
【0039】画像入力装置110は、両面自動原稿送り
装置112により原稿台111上に搬送されてきた原稿
の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置さ
れている。画像入力装置110は該原稿台111の下面
に沿って平行に往復移動する第1および第2の走査ユニ
ット113・114と、光学レンズ115と、光電変換
素子であるCCD(Charge Coupled Device )ラインセ
ンサ116とを有している。
【0040】第1の走査ユニット113は原稿画像表面
を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の
方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台1
11の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査
速度で平行に往復移動するものである。第2の走査ユニ
ット114は、第1の走査ユニット113の第1ミラー
により偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方
向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、
第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って平
行に往復移動するものである。
【0041】光学レンズ115は、第2の走査ユニット
114の第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光
像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ11
6上の所定位置に結像させるものである。
【0042】CCDラインセンサ116は、結像された
光像を順次光電変換して電気信号として出力するもので
ある。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいは
カラー画像を読み取り、R(赤) ・G(緑) ・B(青)
の各色成分に色分解したラインデータを出力することの
できる3ラインのカラーCCDである。このCCDライ
ンセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情
報は、さらに、後述する画像処理装置(図3・図4に示
す) に転送されて所定の画像データ処理が施される。
【0043】次に、画像出力装置210の構成および画
像出力装置210に係わる各部の構成について説明す
る。
【0044】画像出力装置210の下方には、用紙トレ
イ内に積載収容されている用紙( 記録媒体) Pを1枚ず
つ分離して画像出力装置210に向かって供給する給紙
機構211が設けられている。そして1枚ずつ分離供給
された用紙Pは、画像出力装置210の手前に配置され
た一対のレジストローラ212によりタイミングが制御
されて画像出力装置210に搬送される。さらに、片面
に画像が形成された用紙Pは、画像出力装置210の画
像形成のタイミングに合わせて画像出力装置210に再
供給搬送される。
【0045】画像出力装置210の下方には、転写搬送
ベルト機構213が配置されている。転写搬送ベルト機
構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215との
間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト2
16に用紙Pを静電吸着させて搬送する構成となってい
る。そして、転写搬送ベルト216の下側に近接して、
パターン画像検出ユニット232が設けられている。
【0046】さらに、用紙搬送路における転写搬送ベル
ト機構213の下流側には、用紙P上に転写形成された
トナー像を用紙P上に定着させるための定着装置217
が配置されている。この定着装置217の一対の定着ロ
ーラ間のニップを通過した用紙Pは、搬送方向切り換え
ゲート218を経て、排出ローラ219により画像形成
装置本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ22
0上に排出される。
【0047】切り換えゲート218は、定着後の用紙P
の搬送経路を、画像形成装置本体1外へ用紙Pを排出す
る経路と、画像出力装置210に向かって用紙Pを再供
給する経路との間で選択的に切り換えるものである。切
り換えゲート218により再び画像出力装置210に向
かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバ
ック搬送経路221を介して表裏反転された後、画像出
力装置210へと再度供給される。
【0048】また、画像出力装置210における転写搬
送ベルト216の上方には、転写搬送ベルト216に近
接して、第1の画像形成部Pa・第2の画像形成部Pb
・第3の画像形成部Pcおよび第4の画像形成部Pd
が、用紙搬送経路上流側から順に並設されている。
【0049】転写搬送ベルト216は駆動ローラ214
によって、図2において矢印Zで示す方向に駆動され、
前述したように給紙機構211を通じて給送される用紙
Pを担持し、用紙Pを画像形成部Pa〜Pdへと順次搬
送する。
【0050】各画像形成部Pa〜Pdは、実質的に同一
の構成を有している。各画像形成部Pa・Pb・Pc・
Pdは、図2に示す矢印F方向に回転駆動される感光体
ドラム222a・222b・222cおよび222dを
それぞれ含んでいる。各感光体ドラム222a〜222
dの周辺には、感光体ドラム222a〜222dをそれ
ぞれ一様に帯電する帯電器223a〜223dと、感光
体ドラム222a〜222d上に形成された静電潜像を
それぞれ現像する現像装置224a〜224dと、現像
された感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を
用紙Pへ転写する転写部材225a〜225dと、感光
体ドラム222a 〜222d上に残留するトナーを除去
するクリーニング装置226a〜226dとが感光体ド
ラム222a 〜222dの回転方向に沿って順次配置さ
れている。
【0051】また、各感光体ドラム222a 〜222d
の上方には、レーザービームスキャナユニット227a
〜227dがそれぞれ設けられている。レーザービーム
スキャナユニット227a 〜227dは、画像データに
応じて変調された光を発する半導体レーザ素子(図示せ
ず) 、半導体レーザ素子からのレーザービームを主走査
方向に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)2
40a〜240d、ポリゴンミラー240a〜240d
により偏向されたレーザビームを感光体ドラム222a
〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241a
〜241d、ミラー242a〜242d・243a〜2
43dなどから構成されている。
【0052】レーザービームスキャナユニット227a
にはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号
が、レーザービームスキャナユニット227bにはカラ
ー原稿画像のシアン色成分の像に対応する画素信号が、
レーザービームスキャナユニット227cにはカラー原
稿画像のマゼンタ色成分の像に対応する画素信号が、そ
して、レーザービームスキャナユニット227dにはカ
ラー原稿画像のイエロー色成分の像に対応する画素信号
がそれぞれ入力される。
【0053】これにより色変換された原稿画像情報に対
応する静電潜像が各感光体ドラム222a 〜222d上
に形成される。そして、現像装置224aには黒色のト
ナーが、現像装置224bにはシアン色のトナーが、現
像装置224cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置2
24dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されてお
り、感光体ドラム222a 〜222d上の静電潜像は、
これら各色のトナーにより現像される。これにより、画
像出力装置210にて原稿画像情報が各色のトナー像と
して再現される。
【0054】また、第1の画像形成部Paと給紙機構2
11との間には用紙吸着用帯電器228が設けられてお
り、この吸着用帯電器228は転写搬送ベルト216の
表面を帯電させる。これにより、給紙機構211から供
給された用紙Pは、転写搬送ベルト216上に確実に吸
着させた状態で第1の画像形成部Paから第4の画像形
成部Pdの間をずれることなく搬送される。
【0055】一方、第4の画像形成部Pdと定着装置2
17との間で駆動ローラ214のほぼ真上部には除電器
229が設けられている。この除電器には搬送ベルト2
16に静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト21
6から分離するための交流電圧が印加されている。
【0056】上記構成のデジタルカラー画像形成装置に
おいては、用紙Pとしてカットシート状の紙が使用され
る。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙
機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、
その用紙Pの先端部分がセンサー(図示せず)にて検知
され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一
対のレジストローラ212により一旦停止される。
【0057】そして、用紙Pは各画像形成部Pa〜Pd
とタイミングをとって図2の矢印Z方向に回転している
転写搬送ベルト216上に送られる。このとき転写搬送
ベルト216には前述したように吸着用帯電器228に
より所定の帯電が施されているので、用紙Pは、各画像
形成部Pa〜Pdを通過する間、安定して搬送供給され
る。
【0058】各画像形成部Pa〜Pdにおいては、各色
のトナー像が、それぞれ形成され、転写搬送ベルト21
6により静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で
重ね合わされる。第4の画像形成部Pdによる画像の転
写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次、除
電用放電器229により転写搬送ベルト216上から剥
離され、定着装置217へと導かれる。最後に、トナー
画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず) か
ら排紙トレイ220上へと排出される。
【0059】尚、上述の説明では、レーザービームスキ
ャナユニット227a 〜227dによって、レーザービ
ームを走査して露光することにより、感光体への光書き
込みを行っているが、レーザービームスキャナユニット
の代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイ
からなる書き込み光学系を用いても良い。LED(LED:
Light Emitting Diode)ヘッドはレーザービームスキャ
ナーユニットに比べ、サイズも小さく、また可動部分が
なく無音である。よって、複数個の光書き込みユニット
を必要とするタンデム方式のデジタルカラー画像形成装
置などでは、好適に用いることができる。
【0060】次に、図3に本実施の形態に係る画像処理
装置の構成を示す。図3に示す画像処理装置(画像処理
手段)1は、画像入力装置(画像入力手段)2から入力
される画像データに対して画像処理を施し、該画像デー
タを画像出力装置(画像出力手段)3での出力に適する
形態に修正するものである。上記画像処理装置1で画像
処理が施された画像データは上記画像出力装置3へ出力
され、該画像出力装置3にて出力処理される。
【0061】上記画像入力装置2は、例えば、図2にお
いては、スキャナー部として設けられた画像入力装置1
10に相当するものであり、原稿からの反射光像をCC
Dにて読み取り、得られたRGBアナログ信号を画像デ
ータとして画像処理装置1に出力する。また、上記画像
出力装置3は、例えば、図2においては画像出力装置2
10に相当する。そして、上記画像処理装置1は、図2
において図示はされていないものの、画像処理部として
備えられているものである。
【0062】上記画像処理装置1は、図3に示すよう
に、A/D(アナログデジタル)変換部11、シェーデ
ィング補正部12、入力階調補正部13、色補正部1
4、黒生成・下色除去部15、空間フィルタ処理部1
6、出力階調補正部17、階調再現処理部18、および
領域分離処理部19を備えている。
【0063】画像入力装置2から画像処理装置1に入力
された画像データは、先ず、A/D変換部11によりR
GBのアナログ信号からデジタル信号に変換され、シェ
ーディング補正部12にて、画像入力装置2の照明系・
結像系・撮像系で生じる各種の歪みを取り除くためのシ
ェーディング補正が行われる。その後、上記画像データ
は、入力階調補正部13にて、RGBの反射率信号をカ
ラーバランスを整えるのと同時に、濃度信号など画像処
理システムの扱いやすい信号に変換する入力階調補正処
理が施される。
【0064】次に、色補正部14にて、色再現の忠実化
実現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特
性に基づいた色濁りを取り除く色補正処理が行われる。
黒生成・下色除去部15では、色補正後のCMYの3色
信号から黒(K)信号を生成する黒生成、および元のC
MY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなC
MY信号を生成する下色除去処理が行われ、CMYの3
色信号がCMYKの4色信号に変換される。
【0065】次に、得られた画像信号に対して、空間フ
ィルタ処理部16にて、デジタルフィルタによる空間フ
ィルタ処理がなされ、空間周波数特性を補正することに
よって出力画像のボヤケや粒状性劣化を防ぐよう処理さ
れる。そして、出力階調補正部17にて濃度信号などの
信号を画像形成装置の特性値である網点面積率に変換す
る出力階調補正処理が行われ、階調再現処理部18に
て、最終的に画像を画素に分割してそれぞれの階調を再
現できるように処理する階調再現処理(中間調生成処
理)がなされる。
【0066】また、前述の色補正処理後、文字及び写真
混在原稿における特に文字部分の再現性を高めるため
に、領域分離処理部19にて黒文字(場合によっては色
文字も含む)として抽出された画像領域は、空間フィル
タ処理部16における鮮鋭度強調処理により高域周波数
の強調量が大きくなるようフィルタ処理される。同時
に、上記画像領域は、階調再現処理部18での中間調生
成処理においては、高周波数再現に適した高解像のスク
リーンでの二値化または多値化処理が選択される。
【0067】一方、領域分離処理部19により写真と判
別された領域に関しては、空間フィルタ処理部16にお
いて、入力網点成分を除去するためのローパス・フィル
タ処理が施される。同時に、階調再現処理部18での中
間調生成処理では、階調再現性を重視したスクリーンで
の二値化または多値化処理が行われる。上述した各処理
が施された画像データは、一旦記憶手段に記憶され、所
定のタイミングで読み出されて画像出力装置3に入力さ
れる。
【0068】本実施の形態に係る画像処理装置1にて行
われる自動露光調整処理は、前述の入力階調補正部13
において行われる。すなわち、画像形成装置にて自動露
光調整モードが選択されていれば、図4に示すように、
入力画像データであるRGB信号(あるいは、上記RG
B信号を変換したCMY信号)より選ばれた単色信号を
用いて上記入力階調補正部13にて自動露光調整処理が
行われ、該処理が施された単色信号はK信号に変換され
た後、領域分離処理・空間フィルタ処理・出力階調補正
処理・階調再現処理(中間調生成処理)が行われ出力さ
れる。但し、上記図4に示す自動露光調整処理は、原稿
のプレスキャン時に行われる場合を例示するものであ
り、前述の色補正及び黒生成・下色除去処理は省略され
ている。
【0069】上記自動露光調整処理を行う入力階調補正
部13は、図1に示すように、単色信号変換部21、ヒ
ストグラム作成部(ヒストグラム作成手段)22、下地
濃度判別部(下地濃度判別手段)23、濃度補正曲線作
成部(濃度補正曲線作成手段)24、濃度補正ポイント
作成部25、および信号変換部26を備えている。尚、
特許請求の範囲に記載の濃度補正手段は、上記下地濃度
判別部23、濃度補正曲線作成部24、濃度補正ポイン
ト作成部25、および信号変換部26によって構成され
る。
【0070】単色信号変換部21は、シェーディング補
正部12より入力されるRGB信号からCMY系の単色
信号を取り出す。ヒストグラム作成部22は、各画素の
濃度と度数とより濃度ヒストグラムを作成する。下地濃
度判別部23は、前記ヒストグラム作成部22で作成さ
れた濃度ヒストグラムより下地濃度を判断する。濃度補
正曲線作成部24は、前記下地濃度判別部23の結果を
基に基準濃度補正曲線を作成する。濃度補正ポイント作
成部25は、濃度補正曲線を作成する際に予め用意され
た基準濃度補正ポイントを基に濃度補正ポイントを作成
する。信号変換部26は、前記単色信号をK信号に変換
する。
【0071】また、上記ヒストグラム作成部22は、下
地濃度領域閾値設定部31、下地濃度判別領域設定部3
2、および極小点・極大点検出部33を備えている。下
地濃度領域閾値設定部(下地濃度領域閾値設定手段)3
2は、下地濃度判別対象となる下地濃度判別領域を作成
するための閾値を設定する。下地濃度判別領域作成部3
3は、上記閾値を基に下地濃度判別領域を作成する。極
小点・極大点検出部(極小点・極大点検出手段)31
は、上記下地濃度判別領域内において濃度ヒストグラム
の極小値と極大値を検出する。
【0072】上記自動露光調整処理の流れを図5のフロ
ーチャートを参照して説明する。尚、以下の説明では、
CMYより選択された単色信号を用いて処理を行う場合
を示す。
【0073】先ず、最初にステップ1(S1:以下、ス
テップをSと記す)にて、自動露光調整モードの設定が
なされる。自動露光調整モードの設定は、例えば、デジ
タルカラー画像形成装置の操作部に自動露光調整モード
設定ボタンを設けることにより行うことができる。自動
露光調整モードの設定がなされると、プレスキャンが開
始され(S2)、読みとられた原稿の全画素のRGB信
号を色補正して得られるCMY信号から単色信号(例え
ば、M信号)が選択される(S3)。
【0074】ここで、上記自動露光調整処理において単
色信号を用いるのは、以下の理由による。すなわち、上
記自動露光調整処理は、原稿の下地濃度を判定して該下
地濃度以下の濃度データを除去する処理を行うわけであ
るが、この時、該下地濃度は十分に小さい濃度であり、
各単色信号の濃度分布において、下地濃度付近の度数分
布はほぼ同じ傾向を示すことが容易に予測される。この
ため、1つの単色信号について下地濃度判定を行っても
十分に適正な結果が得られ、1つの単色信号を用いて自
動露光調整処理を行うことにより処理を簡略化すること
ができる。
【0075】次に、原稿の下地濃度を抽出するにあた
り、抽出される下地濃度はある所定濃度以下の値である
と見なし、該所定値を下地濃度領域閾値として下地濃度
判定領域を設定する。上記下地濃度判定領域は、上記下
地濃度領域閾値以下の濃度を有する領域となる。上記下
地濃度領域閾値は予め設定されている値であるが、この
時点で該閾値を手動により設定し直すこともできる。す
なわち、この時、S4にて手動による下地濃度判定領域
の設定を行うか否かの判定がなされ、上記下地濃度領域
閾値の手動による設定を行う場合は、S5にて該設定が
なされる。下地濃度領域閾値の設定方法については後述
する。
【0076】次に、S3にて選択された単色信号を用い
て濃度ヒストグラムが作成される(S6)。作成された
濃度ヒストグラムを基に、上記下地濃度判定領域におけ
る極小値と極大値とがS7にて判別され、S8にて下地
濃度(基準値)の判別がなされる。次に、S9にて、S
8で抽出された下地濃度を基に濃度補正曲線が作成され
る。
【0077】次に、上記S9で作成された濃度補正曲線
を用いて画像が出力される(S10)。S11では、出
力された画像に対してさらに濃度調整を行うか否かの判
定がなされる。すなわち、上記S10で出力された画像
に対し、使用者が満足する結果が得られなかった場合、
上記下地濃度領域閾値等を設定し直すことで所望の結果
を得るようにすることができる。さらに濃度調整を行う
場合は、S12にて手動モードにより下地濃度領域閾値
の設定がなされ、S7からS10の処理が再度行われ
る。
【0078】S10にて出力された画像が満足いくもの
であり、S11にて濃度調整を行う必要がない場合は一
連の処理を終了する。尚、S1にて、自動露光調整モー
ドが設定されていない場合は、通常のコピー動作(S1
3)が行われる。
【0079】上記説明では、S11にて濃度調整を行う
場合、手動モードにて下地濃度領域閾値を設定し、検出
される下地濃度を変化させている。しかしながら、別の
制御例として、図6に示すように、使用者が手動モード
にて基準値(すなわち下地濃度)を直接設定することも
可能である。基準値を設定する方法については後述す
る。尚、図6に示す処理手順については、S11にて濃
度調整を行う場合、S12’で基準値の設定が行われ、
その後S9〜S11の処理が繰り返される。それ以外は
図5に示した処理手順と同様であるので説明は省略す
る。
【0080】尚、図5および図6のS12およびS1
2’で、下地濃度領域閾値をS6の後で設定するのは、
出力された画像に対して適切な処理が行えるようにする
ためである。
【0081】次に、上記で述べた、濃度ヒストグラムよ
り下地濃度を判別する方法、及びその結果に基づいて濃
度補正曲線を作成する方法について図7〜図11を用い
て以下に説明する。
【0082】本実施の形態に係る自動露光調整処理にお
いて作成される濃度ヒストグラムは、図7に示すよう
に、256段階の濃度毎に各々の度数が表されるもので
ある。もちろん、ハードウェアの簡易化を考えるなら
ば、濃度ヒストグラムの256段階の濃度を分割する方
法も考えられる。しかし、256段階の濃度を分割せず
に、各濃度毎の度数を求めることで、より正確な処理を
行うことができる。
【0083】下地濃度を判断するには、どの濃度値まで
を下地と判断するか、つまり下地と判断される濃度値の
最大値を図8に示すように、予め下地濃度領域閾値とし
て設けておく。さらに、上記下地濃度領域閾値以下の濃
度領域となる下地濃度判定領域において、前記濃度ヒス
トグラムの度数を用いて、全ての極小点と極大点とを検
出する。
【0084】上記濃度ヒストグラムの下地濃度判定領域
内で求められた極小点と極大点とを用いて、下地濃度は
以下のようにして求められる。
【0085】先ず、下地濃度判定のための濃度幅閾値と
度数差閾値とを設定しておく。上記濃度幅閾値とは、図
9に示すように、注目する極大点の濃度値と下地濃度と
判定される濃度値との差を限定する閾値であり、上記注
目する極大点の濃度値をX、濃度幅閾値をHとした場
合、下地濃度は、X−H/2からX+H/2の間の濃度
値で設定されることとなる。また、上記度数差閾値と
は、濃度幅閾値内における極小点の度数値と注目する極
大点の度数値の差を限定する閾値であり、注目する極大
点の度数をm、極小点の濃度値をn、度数差閾値をvと
する場合、m−n>vとなる極小点を選択するようにす
る。
【0086】上記説明において、注目する極大点を選択
する方法としては、低濃度側、または、下地濃度判定領
域の高濃度側から、順次選択を行うことができるが、下
地濃度判定領域の高濃度側から比較することが好まし
い。高濃度側から比較することにより、容易に且つ速や
かに上記条件を充たす最も高い濃度の極大点を選択する
ことができる。また、最も高い濃度の極大点を選択する
ことにより、複数の下地除去が可能となる。
【0087】注目する極大点が決定すると、上記濃度幅
閾値および度数差閾値に基づいて、図9に示すハッチン
グ領域内に存在する極小点が下地濃度を判定する際の対
象とされる。このような極小点が複数存在する場合は、
その濃度差が上記極大点の濃度差に最も近い点が選択さ
れる。すなわち、上記ハッチング領域内に濃度値αおよ
びβの2つの極小点が存在し、|x−β|>|x−α|
であれば、濃度値αの点を選択する。
【0088】こうして選択された極小点が基準点(下地
濃度)設定に使用される。具体的には、基準点設定に使
用される極小点の濃度値がαであれば、X+|X−α|
の濃度が基準点(下地濃度)となる。この基準点の濃度
値を次に説明する補正濃度曲線の基準値として入力す
る。尚、上記ハッチング領域内に極小点が存在しない場
合には、注目する極大点を 次に大きな濃度値を持つ極
大点に変更して、同様の手順によって基準点設定に使用
する極小点を決定する。
【0089】次に、上記で求めた基準値を基に基準濃度
補正曲線に対して濃度補正曲線が作成される。濃度補正
曲線の作成方法の一例を図10を参照して説明する。
尚、図10における基準濃度補正曲線は、自動露光調整
用の基準曲線となる濃度補正曲線の一例である(自動露
光調整を行わない場合は行わない用のガンマを用意して
いてもよい)。
【0090】下地濃度と判断された基準値の濃度値が、
濃度補正曲線の始点、すなわち、入力濃度値に対して補
正値0を与える点となる。つまり、上記濃度補正曲線で
は、入力濃度値が基準値より小さい画素についてはその
濃度の補正値は0となり、補正値を用いた出力画像にお
いて下地が除去される。また、上記濃度補正曲線の終点
は、予め用意された基準濃度補正曲線の終点と一致す
る。
【0091】上記濃度補正曲線は予め用意された基準濃
度補正曲線に基づいて作成されるが、この時、該基準濃
度補正曲線に補正ポイントを設定しておく。上記補正ポ
イントとしては、すべての濃度値に対して設定されるこ
とが望ましいが、図10のように予め補正するポイント
を定めておき、これらのポイントを補正することにより
全濃度値を対応させてもよい。
【0092】例えば、図10において、基準濃度補正曲
線上に基準補正ポイント(a1 ,b 1 )、(a2
2 )、(a3 ,b3 )、(a4 ,b4 )、…を予め設
定しておく。基準値となる濃度値pが決定されると、上
記各基準補正ポイントの入力濃度値a1 、a2 、a3
4 、…に対して、ci =p+(ai ×((255−
p)/ 255))となる補正ポイントを設定し、それぞ
れに対する補正濃度値b1 、b2 、b3 、b4 …を結ぶ
ことにより濃度補正曲線が作成される。このようにし
て、入力画像に対する濃度補正曲線作成を可能とするこ
とにより、より最適な濃度補正が行え、且つハードウェ
アが大幅に簡略化される。
【0093】次に、本スキャンが開始されると、上述の
ようにして作成された濃度補正曲線に基づいて、例え
ば、図10に示す基準値以下の濃度が除去され、各入力
値に対する濃度値が補正された最適画像が出力される。
しかし、場合によっては、使用者が好みの画像を出力し
たいという事態が生じうる。その際には、作成された上
記濃度補正曲線における上記基準値を、例えば、画像形
成装置の操作部に設けられた露光調整ボタン(濃度補正
量調節手段)を手動で低濃度・高濃度それぞれに調節す
ることで好みの画像を出力させることが可能となる。使
用者の手動による濃度補正曲線の調整方法は以下に示す
通りである。
【0094】すなわち、上記濃度補正曲線を作成するに
あたって使用される下地濃度領域閾値および度数差閾値
の二つの閾値は基準となる値が予め設定されているが、
これらの閾値を任意に調節することにより、濃度補正曲
線の始点、すなわち、基準値(下地濃度)を変化させる
ことができる。この結果、作成される濃度補正曲線が変
化し、出力画像において除去しようとする下地濃度を変
えることができるため、より広範囲な処理を行う事が可
能となる。
【0095】上記下地濃度領域閾値および度数差閾値に
ついては、予想される複数の値を予めROM(Read Onl
y Memory)等に記憶させておき、必要に応じてスイッチ
等により、上記ROM等の記憶手段に格納される値を選
択設定できるようにしておけばよい。あるいは、以下に
示すように、使用者が上記下地濃度領域閾値および度数
差閾値を任意の値に設定できるようにしても構わない。
【0096】例えば、図11に示すように、デジタルカ
ラー画像形成装置の操作部の液晶表示パネルなどの表示
部51に、256段階の濃度の帯を表示しておき、該濃
度帯上に表示されたカーソル等の指示部52を、2つの
ボタン等からなる指示部の位置設定手段53により左右
に動かし所定の濃度(下地濃度と判断すべき濃度)を選
択する。これにより、選択された濃度値が下地濃度領域
閾値として記憶手段に格納され、どの濃度値までを下地
と判断するかの調整を容易に行える。これにより、注目
するどのような濃度の下地に対しても、該下地を除去す
るかあるいは残して出力するかの選択が可能となる。
【0097】上記表示部51における数値表示部54
は、指示部52の指している位置の濃度を数値で表示す
るものであり、決定ボタン55は選択した濃度を採用す
る際に押すボタンである。上記では、256階調の濃度
の帯を表示する例を示しているが、これに限定されるも
のではなく、所定のステップ毎の濃度を表示するもので
もよく、また、指示部52の操作は指示部を左右に動か
すことのできる2つのボタンではなくマウス等のポイン
ティングデバイスであっても構わない。また、上記説明
は、下地濃度領域閾値を調整するものとして説明した
が、上記指示部52によって選択される濃度が、下地濃
度領域閾値ではなく濃度補正曲線の基準値であるとすれ
ば、上記と全く同じ方法で、基準値(下地濃度)そのも
のを調整することも可能である。
【0098】同様に度数差閾値を調整する際にも、図1
2に示すように、デジタルカラー画像形成装置の操作部
における表示部51に、除去しようとする下地の大きさ
(原稿全体に占める下地領域の大きさであり、例えば、
今の場合、最小サイズがはがきであり最大サイズがA3
に設定されている)を表わす帯を表示しておき、下地濃
度閾値領域を設定する場合と同様に2つの設定ボタンや
マウスで指示部52を動かして下地の大きさを選択する
方法が挙げられる。尚、設定する下地の大きさについて
は、図12のようなサイズで表すのではなく、原稿画像
全体に占める下地領域の割合等で設定することも可能で
ある。
【0099】下地の大きさを選択すると、選択した下地
の大きさに対応する画素数が度数差閾値として記憶手段
に格納される。このように、どのくらいの度数差まで下
地と判断するかを容易に調整可能であり、これにより注
目するどんな大きさの下地に対しても下地の除去あるい
は下地の出力が可能となる。
【0100】尚、図11および図12に示したデジタル
カラー画像形成装置の操作部より上記2つの閾値を入力
する場合、下地と判定するのに無理があるような濃度の
高い値が入力されることがある。このような場合、メッ
セージ表示部(不図示)に例えば「薄い色を選択して下
さい」等のメッセージが表示され、対応する閾値に順次
データが入力されるようになっており、使用者はそのメ
ッセージに従って入力をやりなせばよい。
【0101】また、上記下地濃度領域閾値および度数差
閾値のそれぞれに、誤った数値が入力されることによる
誤動作を防ぐために、各々の閾値に上限値・下限値が決
められており、例えば、下地の濃度としてはありえない
ような高い数値については禁則処理がなされ、エラーメ
ッセージが表示されるようになっている。あるいは、上
記図11および図12の表示部51に表示される濃度の
帯や下地の大きさを表す帯において、設定される閾値の
上限値・下限値に対応する範囲のみを表示するようにし
てもよい。
【0102】上記説明では、濃度ヒストグラムの作成に
用いられる単色信号がCMY系の信号であった場合を例
示したが、RGB系の単色信号を用いる場合には、濃度
ヒストグラムにおいて下地濃度領域閾値以上の濃度領域
が下地濃度判定領域となる。そして、注目する極大点
は、該下地濃度判定領域内で濃度の低い側から順に選択
される。また、下地濃度の判定に用いられる極小点とし
ては、RGB系の単色信号を用いる場合と同様に、濃度
幅閾値と度数差閾値を満たすもので、且つ、注目する極
大点に最も近い濃度を有する点が選択されるが、これに
よって判断される下地濃度は、注目する極大点の濃度値
Xに対して選択された極小点の濃度値がαとすれば、
(X−|X−α|)に決定される。その他の処理におい
てはCMY系の単色信号を用いる場合と同様に行えばよ
い。
【0103】また、上記説明では、プレスキャンによる
データを用いて上記自動露光調整処理を行う場合を説明
したが、これ以外に、本スキャンにより得られた入力デ
ータを二つに分離し、一方を一旦画像メモリ等の記憶手
段に記憶しておき、他方のデータを用いて本発明の自動
濃度調整を行って濃度補正曲線を求めた後、前記記憶手
段から入力データを読み出して上記濃度補正曲線を用い
て画像を出力する方式を用いても構わない。
【0104】また、上記説明では、電子写真プロセスを
用いたデジタル複写機を例として説明しているが、本発
明は上記の例に限定されるものではなく、画像入力手段
から情報を入力して、所定の画像処理を行い、その結果
を出力する画像形成装置、例えば、インクジェット記録
方式や昇華型の記録方式を用いた画像形成装置にも無論
適用可能である。
【0105】
【発明の効果】本発明の画像処理装置は、以上のよう
に、上記画像データの各画素の濃度を基に、各濃度と該
濃度を有する画素の度数とを対応づけた濃度ヒストグラ
ムを作成するヒストグラム作成手段と、上記ヒストグラ
ム作成手段により作成された濃度ヒストグラムの結果を
基に、下地濃度を判別し、上記画像データの濃度を補正
する濃度補正手段とを有し、上記ヒストグラム作成手段
は、さらに、上記濃度ヒストグラム内で、予め定められ
た下地濃度領域閾値に基づいて下地濃度判別領域を設定
する下地濃度判別領域設定手段と、上記下地濃度判別領
域内の濃度ヒストグラムの極大点と極小点とを抽出する
極小点・極大点検出手段とを備えており、上記濃度補正
手段は、抽出された極大点の中から下地濃度領域閾値に
最も近い濃度の極大点に注目し、該極大点の濃度と、該
極大点に最も近い濃度を有する極小点の濃度とを用いて
下地濃度を判別する下地濃度判別手段を備えている構成
である。
【0106】また、本発明の画像処理方法は、以上のよ
うに、上記画像データの各画素の濃度を基に、各濃度と
該濃度を有する画素の度数とを対応づけた濃度ヒストグ
ラムを作成するヒストグラム作成工程と、上記ヒストグ
ラム作成手段により作成された濃度ヒストグラムの結果
を基に、下地濃度を判別し、上記画像データの濃度を補
正する濃度補正工程とを有し、上記ヒストグラム作成工
程は、さらに、上記濃度ヒストグラム内で、予め定めら
れた下地濃度領域閾値に基づいて下地濃度判別領域を設
定する下地濃度判別領域設定工程と、上記下地濃度判別
領域内の濃度ヒストグラムの極大点と極小点とを抽出す
る極小点・極大点検出工程とを備えており、上記濃度補
正工程は、抽出された極大点の中から下地濃度領域閾値
に最も近い濃度の極大点に注目し、該極大点の濃度と、
該極大点に最も近い濃度を有する極小点の濃度とを用い
て下地濃度を判別する下地濃度判別工程を備えている構
成である。
【0107】上記の構成によれば、濃度ヒストグラムに
極大点および極小点を用いて下地濃度の判別を行うにあ
たり、上記極大点の度数ではなく、上記極大点と下地濃
度領域閾値との位置関係によって下地濃度の判別を行っ
ているため、上記画像データにおいて複数の下地が存在
する場合に、上記濃度ヒストグラム上に極大点として表
れるこれらの下地濃度に関し、その度数に関わらず自動
露光調整処理においてこれらの下地を確実に除去するこ
とができるという効果を奏する。
【0108】また、画像入力装置のハード(例えば、ス
キャナー)の精度により判別される下地濃度が読取毎に
異なり、一定した出力画像が得られにくくなるといった
問題を解消できる。これにより、同じ入力画像に対して
はいつも同じ処理を行なうことが可能となり、あらゆる
画像に対して最適な階調処理を施して好ましい出力画像
を得ることができるという効果を奏する。
【0109】上記画像処理装置においては、上記下地濃
度判別手段は、注目する極大点の濃度値に対し、該極大
点の濃度を中心値とする濃度範囲を示す濃度幅閾値内に
存在する濃度を有し、且つ、極大点との度数差が度数差
閾値以内となる極小点の中から、該極大点に最も近い濃
度を有する極小点を選択して、該極大点の濃度と選択さ
れた該極小点の濃度とを用いて下地濃度を判別する構成
とすることができる。
【0110】同様に、上記画像処理方法においては、上
記下地濃度判別工程は、注目する極大点の濃度値に対
し、該極大点の濃度を中心値とする濃度範囲を示す濃度
幅閾値内に存在する濃度を有し、且つ、極大点との度数
差が度数差閾値以内となる極小点の中から、該極大点に
最も近い濃度を有する極小点を選択して、該極大点の濃
度と選択された該極小点の濃度とを用いて下地濃度を判
別する構成とすることができる。
【0111】それゆえ、注目する極大点に対して上記各
閾値を満足する極小値が存在しなければ、上記極大値は
その濃度付近において、ある程度の濃度分布を有する下
地ではない画像の一部であると見なされ、極大点として
不適切であるため、上記方法によって、不適切な極大点
を用いて下地濃度判別を行うことを回避することができ
るという効果を素する。
【0112】上記画像処理装置においては、上記下地濃
度判別手段は、注目する極大点に対し、該極大点の濃度
を中心値とする濃度範囲を示す濃度幅閾値内に存在する
濃度を有し、且つ、極大点の度数差が度数差閾値以内と
なる極小点が存在しない場合、注目する極大点を下地濃
度領域閾値に次に近い濃度を有する極大点に変更して下
地濃度を判別する構成とすることができる。
【0113】同様に、上記画像処理方法においては、上
記下地濃度判別工程は、注目する極大点に対し、該極大
点の濃度を中心値とする濃度範囲を示す濃度幅閾値内に
存在する濃度を有し、且つ、極大点の度数差が度数差閾
値以内となる極小点が存在しない場合、注目する極大点
を下地濃度領域閾値に次に近い濃度を有する極大点に変
更して下地濃度を判別する構成とすることができる。
【0114】それゆえ、注目する極大点に対して、上記
各閾値を満たす極小点が存在しなかった場合であって
も、注目する極大点を変更することで、常に最適な下地
濃度判別が可能となるという効果を奏する。
【0115】上記画像処理装置においては、上記下地濃
度判別手段は、注目された極大点の濃度に、該極大点の
濃度と該極小点の濃度との差の絶対値を加えた値もしく
は引いた値を下地濃度として判別する構成とすることが
できる。
【0116】同様に、上記画像処理方法においては、上
記下地濃度判別工程は、注目された極大点の濃度に、該
極大点の濃度と該極小点の濃度との差の絶対値を加えた
値もしくは引いた値を下地濃度として判別する構成とす
ることができる。
【0117】それゆえ、画像データにおいて下地濃度を
示していると思われる極大点の濃度が自動露光調整処理
において確実に除去されるという効果を奏する。
【0118】上記画像処理装置においては、上記濃度補
正手段は、さらに、予め用意された入力濃度値と出力濃
度値との補正関係を設定する基準濃度補正曲線を基に、
上記下地濃度判別手段によって下地濃度と判定された濃
度を用いて上記基準濃度補正曲線を均等圧縮して濃度補
正曲線を作成する濃度補正曲線作成手段を備えており、
上記濃度補正曲線作成手段は、上記基準濃度補正曲線上
に対して複数の補正ポイントを設け、作成する濃度補正
曲線に対しては上記下地濃度を0の出力濃度値を与える
基準点とし、基準濃度補正曲線において0の出力濃度値
を与える始点と上記基準値との圧縮率に応じて、上記補
正ポイントをそれぞれ均等圧縮し濃度補正曲線を作成す
ると共に、上記濃度補正手段は、上記濃度補正曲線作成
手段によって作成された濃度補正曲線を用いて自動露光
調整処理時の濃度補正を行う構成とすることができる。
【0119】同様に、上記画像処理方法においては、上
記濃度補正工程は、さらに、予め用意された入力濃度値
と出力濃度値との補正関係を設定する基準濃度補正曲線
を基に、上記下地濃度判別手段によって下地濃度と判定
された濃度を用いて上記基準濃度補正曲線を均等圧縮し
て濃度補正曲線を作成する濃度補正曲線作成工程を備え
ており、上記濃度補正曲線作成工程は、上記基準濃度補
正曲線上に対して複数の補正ポイントを設け、作成する
濃度補正曲線に対しては上記下地濃度を0の出力濃度値
を与える基準点とし、基準濃度補正曲線において0の出
力濃度値を与える始点と上記基準値との圧縮率に応じ
て、上記補正ポイントをそれぞれ均等圧縮し濃度補正曲
線を作成すると共に、上記濃度補正工程は、上記濃度補
正曲線作成手段によって作成された濃度補正曲線を用い
て自動露光調整処理時の濃度補正を行う構成とすること
ができる。
【0120】それゆえ、上記自動露光調整処理を行うに
あたって使用する濃度補正曲線を、基準濃度補正曲線上
の補正ポイントの圧縮処理といった簡単な演算で実現で
きるため、濃度補正曲線作成における処理速度、回路規
模を少なくすることができ、上記処理を行うハードウェ
アが大幅に簡略化されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、画像処
理装置の入力階調補正部の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】上記画像処理装置が適用されるデジタルカラー
画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図3】上記画像処理装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】上記画像処理装置における自動露光調整時の画
像処理を示すブロック図である。
【図5】上記画像処理装置による入力階調補正処理(自
動露光調整)の流れを表すフローチャートである。
【図6】上記画像処理装置による入力階調補正処理(自
動露光調整)の、上記図5とは別の流れを表すフローチ
ャートである。
【図7】上記画像処理装置において、濃度を256段階
に区分した時に作成される濃度ヒストグラムの例を示す
説明図である。
【図8】上記画像処理装置による濃度ヒストグラムの作
成において、下地濃度領域閾値を任意に設定する際の構
成と極大点・ 極小点検出の一例を示す説明図である。
【図9】上記画像処理装置による下地判別方法の一例を
示す説明図である。
【図10】上記画像処理装置による濃度補正曲線作成の
一例を示す説明図である。
【図11】上記画像処理装置による濃度ヒストグラムの
作成において、下地濃度領域閾値を任意に設定する際の
構成の一例を示す説明図である。
【図12】上記画像処理装置による濃度ヒストグラムの
作成において、度数差閾値を任意に設定する際の構成の
一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像処理装置(画像処理手段) 2 画像入力装置(画像入力手段) 3 画像出力装置(画像出力手段) 22 ヒストグラム作成部(ヒストグラム作成手段) 23 下地濃度判別部(濃度補正手段、下地濃度判別
手段) 24 濃度補正曲線作成部(濃度補正手段、濃度補正
曲線作成手段) 25 濃度補正ポイント作成手段(濃度補正手段) 26 信号変換部(濃度補正手段) 32 下地濃度判別領域設定部(下地濃度判別領域設
定手段) 33 極小点・極大点検出部(極小点・極大点検出手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C262 AA24 AA26 AB13 BB36 BC05 BC09 EA04 EA11 GA02 GA19 5B057 AA11 BA12 BA24 BA30 CA16 CB16 CE06 CE11 CH09 DA08 DC23 5C077 MM20 MP08 PP15 PP25 PP32 PP33 PP43 PP47 PP51 PQ19 PQ20 SS02 TT06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像入力装置により入力される画像データ
    に対し、原稿の下地濃度を判定し、判定された下地濃度
    に基づいて上記画像データの下地領域に相当する部分の
    画素データを除去する自動露光調整処理を施す画像処理
    装置において、 上記画像データの各画素の濃度を基に、各濃度と該濃度
    を有する画素の度数とを対応づけた濃度ヒストグラムを
    作成するヒストグラム作成手段と、 上記ヒストグラム作成手段により作成された濃度ヒスト
    グラムの結果を基に、下地濃度を判別し、上記画像デー
    タの濃度を補正する濃度補正手段とを有し、 上記ヒストグラム作成手段は、さらに、 上記濃度ヒストグラム内で、予め定められた下地濃度領
    域閾値に基づいて下地濃度判別領域を設定する下地濃度
    判別領域設定手段と、 上記下地濃度判別領域内の濃度ヒストグラムの極大点と
    極小点とを抽出する極小点・極大点検出手段とを備えて
    おり、 上記濃度補正手段は、抽出された極大点の中から下地濃
    度領域閾値に最も近い濃度の極大点に注目し、該極大点
    の濃度と、該極大点に最も近い濃度を有する極小点の濃
    度とを用いて下地濃度を判別する下地濃度判別手段を備
    えていることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】上記下地濃度判別手段は、注目する極大点
    の濃度値に対し、該極大点の濃度を中心値とする濃度範
    囲を示す濃度幅閾値内に存在する濃度を有し、且つ、極
    大点との度数差が度数差閾値以内となる極小点の中か
    ら、該極大点に最も近い濃度を有する極小点を選択し
    て、該極大点の濃度と選択された該極小点の濃度とを用
    いて下地濃度を判別することを特徴とする請求項1記載
    の画像処理装置。
  3. 【請求項3】上記下地濃度判別手段は、注目する極大点
    に対し、該極大点の濃度を中心値とする濃度範囲を示す
    濃度幅閾値内に存在する濃度を有し、且つ、極大点の度
    数差が度数差閾値以内となる極小点が存在しない場合、
    注目する極大点を下地濃度領域閾値に次に近い濃度を有
    する極大点に変更して下地濃度を判別することを特徴と
    する請求項2記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】上記下地濃度判別手段は、注目された極大
    点の濃度に、該極大点の濃度と該極小点の濃度との差の
    絶対値を加えた値もしくは引いた値を下地濃度として判
    別することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記
    載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】上記濃度補正手段は、さらに、 予め用意された入力濃度値と出力濃度値との補正関係を
    設定する基準濃度補正曲線を基に、上記下地濃度判別手
    段によって下地濃度と判定された濃度を用いて上記基準
    濃度補正曲線を均等圧縮して濃度補正曲線を作成する濃
    度補正曲線作成手段を備えており、 上記濃度補正曲線作成手段は、上記基準濃度補正曲線上
    に対して複数の補正ポイントを設け、作成する濃度補正
    曲線に対しては上記下地濃度を0の出力濃度値を与える
    基準点とし、基準濃度補正曲線において0の出力濃度値
    を与える始点と上記基準値との圧縮率に応じて、上記補
    正ポイントをそれぞれ均等圧縮し濃度補正曲線を作成す
    ると共に、 上記濃度補正手段は、上記濃度補正曲線作成手段によっ
    て作成された濃度補正曲線を用いて自動露光調整処理時
    の濃度補正を行うことを特徴とする請求項1ないし4の
    何れかに記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】画像入力装置により入力される画像データ
    に対し、原稿の下地濃度を判定し、判定された下地濃度
    に基づいて上記画像データの下地領域に相当する部分の
    画素データを除去する自動露光調整処理を施す画像処理
    方法において、 上記画像データの各画素の濃度を基に、各濃度と該濃度
    を有する画素の度数とを対応づけた濃度ヒストグラムを
    作成するヒストグラム作成工程と、 上記ヒストグラム作成手段により作成された濃度ヒスト
    グラムの結果を基に、下地濃度を判別し、上記画像デー
    タの濃度を補正する濃度補正工程とを有し、 上記ヒストグラム作成工程は、さらに、 上記濃度ヒストグラム内で、予め定められた下地濃度領
    域閾値に基づいて下地濃度判別領域を設定する下地濃度
    判別領域設定工程と、 上記下地濃度判別領域内の濃度ヒストグラムの極大点と
    極小点とを抽出する極小点・極大点検出工程とを備えて
    おり、 上記濃度補正工程は、抽出された極大点の中から下地濃
    度領域閾値に最も近い濃度の極大点に注目し、該極大点
    の濃度と、該極大点に最も近い濃度を有する極小点の濃
    度とを用いて下地濃度を判別する下地濃度判別工程を備
    えていることを特徴とする画像処理方法。
  7. 【請求項7】上記下地濃度判別工程は、注目する極大点
    の濃度値に対し、該極大点の濃度を中心値とする濃度範
    囲を示す濃度幅閾値内に存在する濃度を有し、且つ、極
    大点との度数差が度数差閾値以内となる極小点の中か
    ら、該極大点に最も近い濃度を有する極小点を選択し
    て、該極大点の濃度と選択された該極小点の濃度とを用
    いて下地濃度を判別することを特徴とする請求項6記載
    の画像処理方法。
  8. 【請求項8】上記下地濃度判別工程は、注目する極大点
    に対し、該極大点の濃度を中心値とする濃度範囲を示す
    濃度幅閾値内に存在する濃度を有し、且つ、極大点の度
    数差が度数差閾値以内となる極小点が存在しない場合、
    注目する極大点を下地濃度領域閾値に次に近い濃度を有
    する極大点に変更して下地濃度を判別することを特徴と
    する請求項7記載の画像処理方法。
  9. 【請求項9】上記下地濃度判別工程は、注目された極大
    点の濃度に、該極大点の濃度と該極小点の濃度との差の
    絶対値を加えた値もしくは引いた値を下地濃度として判
    別することを特徴とする請求項6ないし8の何れかに記
    載の画像処理方法。
  10. 【請求項10】上記濃度補正工程は、さらに、 予め用意された入力濃度値と出力濃度値との補正関係を
    設定する基準濃度補正曲線を基に、上記下地濃度判別手
    段によって下地濃度と判定された濃度を用いて上記基準
    濃度補正曲線を均等圧縮して濃度補正曲線を作成する濃
    度補正曲線作成工程を備えており、 上記濃度補正曲線作成工程は、上記基準濃度補正曲線上
    に対して複数の補正ポイントを設け、作成する濃度補正
    曲線に対しては上記下地濃度を0の出力濃度値を与える
    基準点とし、基準濃度補正曲線において0の出力濃度値
    を与える始点と上記基準値との圧縮率に応じて、上記補
    正ポイントをそれぞれ均等圧縮し濃度補正曲線を作成す
    ると共に、 上記濃度補正工程は、上記濃度補正曲線作成手段によっ
    て作成された濃度補正曲線を用いて自動露光調整処理時
    の濃度補正を行うことを特徴とする請求項6ないし9の
    何れかに記載の画像処理方法。
  11. 【請求項11】原稿を読み取って画像データを得る画像
    入力手段と、 上記画像データに対して自動露光調整処理を施す請求項
    1ないし5の何れかに記載の画像処理装置である画像処
    理手段と、 上記画像処理手段により自動露光調整処理が施された画
    像データを印字出力する画像出力手段とを備えているこ
    とを特徴とする画像形成装置。
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