JP2001282246A - 波形データ時間伸張圧縮装置 - Google Patents
波形データ時間伸張圧縮装置Info
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Abstract
チで読み出す際に、音色を損ねず、聴く者に不自然感を
与えない自然な音が再現でき、且つリアルタイムでも楽
音の時間伸張圧縮再生ができる波形データ時間伸張圧縮
装置を提供せんとするものである。 【解決手段】 PCM波形データを記憶する波形メモリ
101と、PCM波形のトレンドとなるピッチの波長を
1ブロックとしてブロック毎のアドレスを記憶するブロ
ックアドレスメモリ103と、伸張圧縮パラメータRを
設定するパラメータ設定部3と、伸張圧縮パラメータR
に応じて、所定ブロックの波形データを読み出す回数を
決定し、それに応じて前記ブロックアドレスを順次読み
出すと共に、読み出された該ブロックアドレスに基づい
てPCM波形データの読み出しを行い、波形再生を行う
波形再生部4とを有している。
Description
張圧縮装置に関する。
単体の装置構成を含む)では、生楽器の波形データを記
憶するのに、記憶部の記憶容量が膨大になる弊害を避け
るため、いくつかの異なる音程のPCM波形データを記
憶しておき、これらと異なる音程のものを再生する時に
は、該PCM波形データを元のピッチと異なるピッチで
読み出して、再生することで対応している。
ータを、元のピッチと異なるピッチで読み出す時には、
ピッチが変化すると同時に発音時間も変化する。例え
ば、C4で、立ち上がり時間が0.1秒、全体の発音時
間が1秒の楽音がある場合、1オクターブ下げてC3の
ピッチで読み出すと、立ち上がり時間が0.2秒、全体
の発音時間が2秒になる。逆に1オクターブ上げてC5
のピッチで読み出すと、立ち上がり時間が0.05秒、
全体の発音時間が0.5秒になる。
(ヘッド部分;アタック部分)とその後の定状部(サス
テイン部分)で構成されることになる。そして多くの楽
音は、この立ち上がり部の過渡現象に特徴を持ち、その
時間が元と大きく変化すると、聴く者に不自然感を与え
ることになる。すなわち、上記のように、元のピッチと
異なるピッチで波形データを読み出した時に、立ち上が
り時間が大きく変化すると、不自然な音として聞こえる
ことになる。
の適当なフレーム(どの波形データに対しても固定長)
に分割し、時間を伸張する時は、フレームを繰り返し、
且つつなぎ目をクロスフェードさせ、反対に時間を圧縮
する時は、一部のフレームを省略して、つなぎ目をクロ
スフェードさせることが行われている。
の長さが適当であるため、フレームの繰り返しが聞こえ
たり(耳についたり)、クロスフェードで位相干渉を起
こし、音色を損ねるということが多くあった。また処理
負荷が大きく、処理に時間が掛かるため、リアルタイム
で発音するには不向きであるという問題もある。
れたもので、音色を損ねず、聴く者に不自然感を与えな
い自然な音が再現でき、且つリアルタイムでも楽音の時
間伸張圧縮再生ができる波形データ時間伸張圧縮装置を
提供せんとするものである。
時間伸張圧縮装置の構成は、PCM波形データを記憶す
る波形記憶部と、該PCM波形のトレンドとなるピッチ
の波長乃至その整数倍の波長を1ブロックとしてブロッ
ク毎のアドレスを記憶するブロックアドレス記憶部と、
伸張圧縮パラメータを設定するパラメータ設定部と、伸
張圧縮パラメータに応じて、所定ブロックの波形データ
を読み出す回数を決定し、それに応じて前記ブロックア
ドレスを順次読み出すと共に、読み出された該ブロック
アドレスに基づいてPCM波形データの読み出しを行
い、波形再生を行う波形再生部とを有することを特徴と
している。
1単位(1ブロック)として、これらを順に読み出すだ
けでなく、必要に応じて繰り返し読み出したり、間引き
して読み出すことで、全体の発音時間を伸張・圧縮させ
て、波形再生を行う。すなわち、ピッチを上げて波形デ
ータの読み出しを行う際には、全体の発音時間が短くな
るのに対し、立ち上がり部を中心に、前記波形データの
或る単位を繰り返し読み出すことで時間を伸張させ、元
の波形データの発音時間に近づけるようにする。反対に
ピッチを下げて波形データの読み出しを行う際には、全
体の発音時間が長くなるのに対し、立ち上がり部を中心
に、前記波形データの或る単位を間引いて読み出すこと
で時間を圧縮させ、元の波形データの発音時間に近づけ
るようにする。特に立ち上がり部の発音時間が元の波形
データのものに近づくことで、異なるピッチで波形デー
タを読み出す場合でも、聴く者に自然な感じで聞こえる
ことになる。
クを、PCM波形のトレンドとなるピッチの波長乃至そ
の整数倍の波長としたのは、読み出す1つの単位(ブロ
ック)を決定する際、最終的にそれらはつなぎ合わされ
て波形として生成されるのであるから、上記つなぎ目に
おいても、波形の連続としてつながっている必要がある
というのがその理由である。またPCM波形のトレンド
となるピッチの波長を基にして読み出す波形データのブ
ロックを決定しているのは、音色を決定する基音又はそ
の倍音の波長をトレンドとなるピッチの波長とすること
で、音色が損なわれないようにするためである。なお、
PCM波形の基音よりも、倍音の方が振幅が大きくその
音を決定する要素となる場合もあるので、その場合は倍
音のピッチをトレンドとなるピッチとすることもある。
その整数倍の波長を1ブロックとして、ブロック毎のア
ドレスを記憶しておき、該ブロックアドレスを単位に波
形データの読み出しを行う(時に所定のブロックを繰り
返し読み出し、或いは特定のブロックを間引いて読み出
すものとする)。
の求め方は、一例として自己相関関数により求めること
ができる。すなわち、自己の波形をずらして相関関係を
とった時に、トレンドとなるピッチ波長だけずらしたと
ころが、干渉し合って相関値が一番高くなり、トレンド
となるピッチを抽出し易いので、自己相関関数により求
めることが望ましい。また自己関数による場合は、サン
プリング周波数を考慮する必要がないという理由からも
同様である。特にPCM波形のように、基音のレベルが
小さく、ビブラートがかかっているような場合には、そ
れが有効である。
0クロスポイント間のものにすると良い。その理由は、
これらの単位を繰り返し読み出したり、間引きして読み
出す際に、その0クロスする所に近ければ近いほど、そ
のつなぎ目が滑らかになり、不自然なつながりとならな
くなるからである。
2に示すように、サンプリングポイントの現在点(たと
えばポイント11)の振幅値が0以下であり、次の点
(ポイント12)の振幅値が正である時の現在点(ポイ
ント11)をいうものとする。これは、負から正への0
クロスのみを0クロスポイントとすることで、位相を合
わせ易くできるからである。
れに応じて、波形データを読み出す回数を決定するとし
ている。これは、前述のように、ピッチを上げて波形デ
ータの読み出しを行う際には、全体の発音時間が短くな
り、反対にピッチを下げて波形データの読み出しを行う
際には、全体の発音時間が長くなるので、それを元に戻
し、元の波形データの発音時間に近づけるようにするた
めに、ピッチを上げて波形データの読み出しを行った場
合は、立ち上がり部を中心に、前記波形データの或る単
位を繰り返し読み出すことで時間を伸張させるように
し、反対にピッチを下げて波形データの読み出しを行っ
た場合は、立ち上がり部を中心に、前記波形データの或
る単位を間引いて読み出すことで時間を圧縮させるよう
にしようとしているからである。そのため、上記のよう
な伸張圧縮パラメータを設定し、それに応じて、波形デ
ータを読み出す回数を決定することで、繰り返しの読み
出しや間引いての読み出しができるようにした。もちろ
んその読み出す波形データのブロックは、前述のよう
に、PCM波形のトレンドとなるピッチ波長(又はその
整数倍の波長)を基にしている。特に立ち上がり部の発
音時間が元の波形データのものに近づくので、異なるピ
ッチで波形データを読み出す場合でも、聴く者に自然な
感じで聞こえるようになる。
形データの読み出し回数の決定は、後述する実施例で
は、伸張圧縮パラメータを、前記アドレスの読み出し毎
に加算し、その整数部を上記読み出し回数とすると共
に、その回数決定が行われた後、該整数部を0にして、
上記加算処理を繰り返すことで実行している。しかしそ
れに限定されるわけではない。またそのような方法によ
る場合、設定される伸張圧縮パラメータは、元となるP
CM波形を再生する場合を1として、それより周波数が
高くなる場合は1より大きくなり、それより周波数が低
くなる場合は1未満になるように設定することになる。
チと大きく変えたピッチで読み出すと、フォルマントが
大きく移動し、聞く者に不自然感を与えることがある。
人間の声などは、ピッチを変えてもフォルマントは移動
しないことが知られている。請求項2の構成は、上述の
ような元波形のピッチと変えたピッチでPCM波形を読
み出す場合に、フォルマントを移動させないようにする
ための構成である。すなわち、その具体的な構成は、元
PCM波形データのフォルマント成分を記憶するフォル
マント成分記憶部と、フォルマント成分の取り去られた
PCM波形データを記憶する波形記憶部と、該PCM波
形のトレンドとなるピッチの波長乃至その整数倍の波長
を1ブロックとしてブロック毎のアドレスを記憶するブ
ロックアドレス記憶部と、伸張圧縮パラメータを設定す
るパラメータ設定部と、伸張圧縮パラメータに応じて、
所定ブロックの波形データを読み出す回数を決定し、そ
れに応じて前記ブロックアドレスを順次読み出すと共
に、読み出された該ブロックアドレスに基づいてPCM
波形データの読み出しを行い、波形再生を行う波形再生
部と、再生された波形に、対応するフォルマントを付加
するフォルマント付加部とを有することを特徴としてい
る。
記憶しておき、上述の処理が行われた後、再生された波
形に、対応するフォルマントを付加するようにしている
ので、ピッチの変更があっても、フォルマントの移動が
なく、聞く者に自然に聞こえるようになる。
器などで鍵盤に割り振られた音程の楽音を再生しようと
する場合に、夫々のキーが指し示す音程に合わせて伸張
圧縮パラメータの修正を行った上で、上記構成に適用し
ようとするものである。すなわち、前記パラメータ設定
部で設定される伸張圧縮パラメータを、キースケールパ
ラメータで修正するようにしている。
波形のトレンドとなるピッチの波長が整数ワードでない
場合(サンプリング周波数が44100Hz、ピッチが
438.8Hzの時は、波長は100.5ワードとなり、
整数ワードではない)、波形の繰り返し部やつなぎ目で
ノイズを発生することがある。これは、波形の繰り返し
部やつなぎ目で、振幅値の飛びがあるからである。
形の繰り返し部やつなぎ目でクロスフェードさせ、波形
のつなぎを滑らかにしている。より具体的な構成は、前
記波形再生部における波形データの読み出しに際し、1
つのブロックの波形データの読み出しを終了した時、0
クロスポイントの次の数ポイント分のサンプルデータを
バッファに入れ、次のブロックの波形データを読み出す
時、その最初の数ポイント分のサンプルデータと上記バ
ッファのサンプルデータとをクロスフェードさせるとい
うものである。
形の準備段階につき説明する。図1乃至図10は、本発
明の波形データ時間伸張圧縮装置によるPCM波形読み
出し時における波形データ時間伸張圧縮方法の原理を説
明する説明図である。
て、後述する波形編集装置10の波形メモリ101に記
憶されている処理対象となる元PCM波形である。この
波形の〜丸10までが、PCM波形のアタック部分(ヘ
ッド部分)H及びディケイ部分Dである。その後サステ
イン部分Sに連なる。
形のトレンドとなるピッチ(基準ピッチ)を抽出し、基
準ピッチメモリ102に記憶する。
トを見つけ、そのアドレスを後述するブロックアドレス
メモリ103に記憶する。
チ波長に一番近い距離分離間した0クロスポイントを見
つけ、そのアドレスを前記ブロックアドレスメモリ10
3に記憶する。
ング周波数Fsが30000Hz、基準ピッチとなる周
波数Fが1010Hzと抽出された場合、その波長L
は、下記数1式で求めることができる。
リングポイントの振幅値が0以下であり、次のサンプリ
ングポイントの振幅値が正である時の、現在の振幅値と
する。上記図2の例では、1(ポイント1)、11、2
0、30、41、50、60、71、80、90が0ク
ロスポイントとなる。
イントは、次のようにして求めることができる。まず最
初の0クロスポイントは、ポイント1になる。次に、そ
の0クロスポイントより、前記基準ピッチの波長(30
サンプル)分離れたポイント31の前後15サンプルの
範囲の0クロスポイントを抽出すると、ポイント20、
30、41が抽出される。ポイント1との距離は、夫々
19、29、40となり、波長30に一番近いのは29
であるので、求める0クロスポイントは、ポイント30
となる。以下同様にして、ポイント60、90、...と
抽出される。
を繰り返す。各ブロックのアドレスは、PCM波形の先
頭より順に前記ブロックアドレスメモリ103に記憶さ
れる。
置10の機能ブロック図である。同図に示すように、生
楽器の音或いは人の声を取り込み、元PCM波形とし
て、波形メモリ101に記憶している。尚該波形編集装
置10は、電子回路乃至パソコン上で特定のプログラム
の読み出し実行により形成されるものであって、主にC
PUなどの演算制御回路と、RAMやROM或いはハー
ドディスクドライブなどの記憶回路と、上記CPUに読
み出されて実行されることで、これらの構成を上記波形
編集装置10として機能させるためのプログラムなどに
より構成される。
01aによって、パワーエンベロープを略一定にし、編
集波形メモリ101bに記憶させておくこともできる。
関数により、上記波形データの基準ピッチを求め、該基
準ピッチを基準ピッチメモリ102に記憶する。
り、上記基準ピッチに基づく、ブロックアドレスを抽出
し、ブロックアドレスメモリ103に記憶する。
タ時間伸張圧縮装置が適用された電子鍵盤楽器20の機
能ブロック図を示している。そのうち波形メモリ10
1、基準ピッチメモリ102及びブロックアドレスメモ
リ103は、前記波形編集装置10で抽出された波形デ
ータ、基準ピッチ、ブロックアドレスが複製され、これ
らに記憶せしめられている。
で構成される波形記憶部1と、ブロックアドレスメモリ
103で構成されるブロックアドレス記憶部2と、後述
の伸張圧縮パラメータ算出器31で構成されるパラメー
タ設定部3と、後述のFナンバ算出器41、Fナンバ累
算器42、波形読出アドレス生成部43、Rナンバ累算
器44、ブロックアドレス指定部45、ブロックAサン
プルバッファ46、ブロックBサンプルバッファ47、
ブロック間クロスフェードミキシング部48で構成され
る波形再生部4とを有している。以上の構成は、電子回
路上で特定のプログラムの読み出し実行により形成され
るものであって、主にCPUなどの演算制御回路と、R
AMやROMなどの記憶回路と、上記CPUにROMか
ら読み出されて実行されることで、これらの構成を上記
波形データ時間伸張圧縮装置として機能させるためのプ
ログラムなどにより構成される。
1、エンベロープ発生器22、積算器23、複数チャン
ネル同時発音のための累算器24、D/A変換部25、
増幅器26及びスピーカ27を備えている。
機能を有しており、そのため上記波形メモリ101に人
の声などがサンプリングされて、波形再生が行われる場
合に、人の声のフォルマントが変わらないようにするた
めの構成が備えられている。すなわち、上記人の声など
のサンプリングが行われた場合に、そのフォルマント成
分をケプストラム解析などによりフォルマント係数とし
て抽出し、フォルマントフィルタ係数メモリ28に記憶
している。もしこのフォルマント係数の抽出が行われた
場合は、元PCM波形データに、抽出したフォルマント
の逆特性のフィルタを掛けてフォルマント成分を除去し
たものを、上記波形メモリ101に記憶することにな
る。また本装置の出力側にフォルマントデジタルフィル
タ29が備えられており、再生された波形データに該フ
ォルマント係数を掛けて、フォルマントの移動していな
い元のPCM波形データに戻すことになる。これらの構
成による機能については後述する。
21でキーオンが検出されると、キーナンバ(発音ピッ
チ)が、エンベロープ発生器22、Fナンバ算出器4
1、及び伸張圧縮パラメータ算出器31に入力される。
れると、該キーナンバに対応したFナンバが算出され、
そのFナンバは、次のFナンバ累算器42に入力され、
波形読出アドレス生成部43に入力される。Fナンバ累
算器42でFナンバは累算され、その累算の度に該Fナ
ンバ累算値は上記波形読出アドレス生成部43に入力さ
れ、通常はそのFナンバ累算値に基づいて波形読出アド
レスが生成される。それによって波形メモリ101から
PCM波形データが読み出される。
は、キーナンバの発音ピッチと前記基準ピッチメモリ1
02に記憶された基準ピッチとから、伸張圧縮パラメー
タR(実数、R<1:圧縮、R>1:伸張)を算出・設
定する。すなわち、該伸張圧縮パラメータ算出器31に
は、キースケールパラメータとして、元PCM波形の基
準ピッチ(KeyOrg)と、上記キーナンバの発音ピ
ッチ(Key)、及びキースケールデプス(Dept
h、Depth=1の時はそのまま、Depth<1の
時は緩くなる)が入力され、下式数2によって伸張圧縮
パラメータRが求められる。
epth/12] R':ユーザの設定又は操作値(デフォルトでは1、音
色毎にある)
Rは、Rナンバ累算器44に読み出され、一旦図示しな
いバッファに書き込まれる。ただし最初の1周期は、そ
のまま読み出されるようにするため、R<1の時は、伸
張圧縮パラメータRはそのまま、R>1の時は0がバッ
ファBに書き込まれる。
り、ブロックアドレスメモリ103から最初のブロック
アドレスが読み出されて、波形読出アドレス生成部43
に与えられる。この波形読出アドレス生成部43により
そのアドレスまでPCM波形が読み出されて、ブロック
Aサンプルバッファ46に書き込まれる。また該ブロッ
クアドレスは、ブロックアドレス指定部45のアドレス
バッファ(図示なし)に書き込まれる。
発生器22によって与えられたエンベロープが積算器2
3で付加されて、累算器24によって同時発音分累算さ
れ、D/A変換部25、増幅器26及びスピーカ27を
通して出力される。
最初のパラメータの整数部がクリアされる(0にされ
る。仮にバッファBが1.5なら、該バッファBは0.5
にされる)。そして次の伸張圧縮パラメータRがRナン
バ累算器44のバッファBに読み出され、Rナンバ累算
器44で上記次の伸張圧縮パラメータRに加算されて、
その値がRナンバ累算器44のバッファBに書き込まれ
る。
込まれたパラメータRの整数部の値を読み出し回数とし
て出力する。ブロックアドレス指定部45は、その回数
だけアドレスバッファ中に記憶されたブロックアドレス
を波形読出アドレス生成部43に出力する。或いは順次
ブロックアドレスメモリ103から次のブロックアドレ
スを読み出し、さらには所定分だけ先にブロックアドレ
スを移行させて読み出し(整数部が0なら、読み出され
ない)、波形読出アドレス生成部43に出力する。
られたアドレスまでPCM波形の読み出しを行い、ブロ
ックAサンプルバッファ46に書き込む。
ロープ発生器22によって与えられたエンベロープが積
算器23で付加されて、累算器24によって同時発音分
累算され、D/A変換部25、増幅器26及びスピーカ
27を通して出力される。
5は、図1のキーナンバより半オクターブだけ上げた場
合の波形処理状態を示している。この場合は、伸張圧縮
パラメータRが1.5となり、ヘッダ部Hにつき、2回
に1回同じブロックの波形(、、、、丸10)が
読み出され、時間長にして約1.5倍になっている。ま
た図6は、図1のキーナンバより3/4オクターブだけ
下げた場合の波形処理状態を示している。この場合は、
伸張圧縮パラメータRが0.75となり、ヘッダ部Hに
つき、4回に1回、所定のブロックの波形(、)が
間引いて読み出され、時間長にして約0.75倍になっ
ている。
を繰り返すと、図7のように、ポイント29とポイント
30の間で振幅値の数値が飛び、ノイズの原因となる。
また図2の例で求めた0クロスポイントを全て、周期毎
の0クロスポイント(1周期の波長を約10ポイント)
とし、最初の0クロスポイント11とし、伸張圧縮パラ
メータRを0.5とすると、ポイント19まで読み出し
た後はポイント30へ飛ぶことになる。その場合ポイン
ト30の振幅値はポイント19のそれより小さいため、
図8のように、不連続点ができ、ノイズの原因となる。
でクロスフェード処理を行う構成としている。すなわ
ち、波形再生時に1つのブロックの波形読み出しを行っ
て、ブロックAサンプルバッファ46に書き込んだ時
に、0クロスポイントの次の3つのポイント分のサンプ
ルデータ(DataB0、DataB1、DataB
2)をブロックBサンプルバッファ47に入れ、次のブ
ロックの波形データを読み出す時、その最初の3つのポ
イント分のサンプルデータ(Data0、Data1、
Data2)と上記バッファ47のサンプルデータ(D
ataB0、DataB1、DataB2)とを、ブロ
ック間クロスフェードミキシング部48により、下式数
3、数4及び数5に示すように、クロスフェードさせる
B0*0.7 DataO’:ブロック間クロスフェードミキシング部
48からの出力
B1*0.5 Data1’:ブロック間クロスフェードミキシング部
48からの出力
B2*0.3 Data2’:ブロック間クロスフェードミキシング部
48からの出力
行った場合に、前記図7のようなノイズが発生しなくな
った場合の波形例(図2のポイント30、31、32を
フェードアウトして、ポイント1、ポイント2、ポイン
ト3をフェードイン)を示している。図7ではポイント
29からポイント30へ振幅値が大きく飛んでいたの
が、クロスフェードによりポイント29からポイント3
3の間が均一になり、ノイズが出にくくなっている。
ドを行った場合に、前記図8のようなノイズが発生しな
くなった場合の波形例(図2のポイント20、21、2
2をフェードアウトして、ポイント30、ポイント3
1、ポイント32をフェードイン)を示している。図8
ではポイント19からポイント21の間に不連続点が存
在していたのが、クロスフェードによりポイント19か
らポイント23の間が滑らかになり、ノイズが出にくく
なっている。
機能により人の声などがサンプリングされて、上記波形
メモリ101に記憶せしめられる時に、そのフォルマン
ト成分がケプストラム解析などによりフォルマント係数
として抽出され、フォルマントフィルタ係数メモリ28
に記憶される。またその波形データが再生される時に
は、フォルマントデジタルフィルタ29により、再生さ
れた波形データに該フォルマント係数が掛けられて、フ
ォルマントの移動していない元のPCM波形データに戻
されるようにしている。
合は、上記波形メモリ101には、元PCM波形データ
に、抽出したフォルマントの逆特性のフィルタを掛けて
フォルマント成分を除去したものが記憶されることにな
る。
は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得
ることは勿論である。たとえば、上記伸張圧縮パラメー
タRの制御を、図11に示す電子鍵盤楽器20のホイー
ル200にアサインすることで、演奏中に該ホイール2
00を適宜回動・制御することで、PCM波形の再生時
間の伸張圧縮をリニアに変化させることができ、これま
でにない楽音のコントロールとして、演奏方法の幅を広
げることができるようになる。
〜8記載の波形データ時間伸張圧縮装置によれば、PC
M波形データを元のピッチと異なるピッチで読み出す際
に、音色を損ねず、聴く者に不自然感を与えない自然な
音が再現でき、且つリアルタイムでも楽音の時間伸張圧
縮再生ができるという優れた効果を奏し得る。
01に記憶されている元PCM波形の波形図である。
記憶された元PCM波形の波形図である。
縮装置が適用された電子鍵盤楽器20の機能ブロック図
である。
場合の波形処理状態を示すPCM波形の波形図である。
げた場合の波形処理状態を示すPCM波形の波形図であ
る。
れた場合の振幅値の飛びの状態を示す波形図である。
された場合の不連続点の状態を示す波形図である。
びが発生しなくなってノイズが発生しなくなった場合の
波形図である。
不連続点の発生がなくなってノイズが発生しなくなった
場合の波形図である。
説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 PCM波形データを記憶する波形記憶部
と、 該PCM波形のトレンドとなるピッチの波長乃至その整
数倍の波長を1ブロックとしてブロック毎のアドレスを
記憶するブロックアドレス記憶部と、 伸張圧縮パラメータを設定するパラメータ設定部と、 伸張圧縮パラメータに応じて、所定ブロックの波形デー
タを読み出す回数を決定し、それに応じて前記ブロック
アドレスを順次読み出すと共に、読み出された該ブロッ
クアドレスに基づいてPCM波形データの読み出しを行
い、波形再生を行う波形再生部とを有することを特徴と
する波形データ時間伸張圧縮装置。 - 【請求項2】 元PCM波形データのフォルマント成分
を記憶するフォルマント成分記憶部と、 フォルマント成分の取り去られたPCM波形データを記
憶する波形記憶部と、 該PCM波形のトレンドとなるピッチの波長乃至その整
数倍の波長を1ブロックとしてブロック毎のアドレスを
記憶するブロックアドレス記憶部と、 伸張圧縮パラメータを設定するパラメータ設定部と、 伸張圧縮パラメータに応じて、所定ブロックの波形デー
タを読み出す回数を決定し、それに応じて前記ブロック
アドレスを順次読み出すと共に、読み出された該ブロッ
クアドレスに基づいてPCM波形データの読み出しを行
い、波形再生を行う波形再生部と、 再生された波形に、対応するフォルマントを付加するフ
ォルマント付加部とを有することを特徴とする波形デー
タ時間伸張圧縮装置。 - 【請求項3】 自己相関関数により、PCM波形のトレ
ンドとなるピッチ波長を求めることを特徴とする請求項
1又は2記載の波形データ時間伸張圧縮装置。 - 【請求項4】 PCM波形のトレンドとなるピッチの波
長乃至その整数倍の波長に一番近い距離分離間した0ク
ロスポイントを1ブロックとすることを特徴とする請求
項1〜3いずれか1つに記載の波形データ時間伸張圧縮
装置。 - 【請求項5】 前記パラメータ部で設定される伸張圧縮
パラメータは、元となるPCM波形を再生する場合を1
として、それより周波数が高くなる場合は1より大きく
なり、それより周波数が低くなる場合は1未満になるよ
うに設定することを特徴とする請求項1〜4いずれか1
つに記載の波形データ時間伸張圧縮装置。 - 【請求項6】 前記波形再生部における波形データの読
み出し回数の決定は、前記伸張圧縮パラメータを、前記
アドレスの読み出し毎に加算し、その整数部を上記読み
出し回数とすると共に、その回数決定が行われた後、該
整数部を0にして、上記加算処理を繰り返すことを特徴
とする請求項1〜5いずれか1つに記載の波形データ時
間伸張圧縮装置。 - 【請求項7】 前記パラメータ設定部で設定される伸張
圧縮パラメータを、キースケールパラメータで修正する
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1つに記載の波
形データ時間伸張圧縮装置。 - 【請求項8】 前記波形再生部における波形データの読
み出しに際し、1つのブロックの波形データの読み出し
を終了した時、0クロスポイントの次の数ポイント分の
サンプルデータをバッファに入れ、次のブロックの波形
データを読み出す時、その最初の数ポイント分のサンプ
ルデータと上記バッファのサンプルデータとをクロスフ
ェードさせることを特徴とする請求項1〜7いずれか1
つに記載の波形データ時間伸張圧縮装置。
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