JP2001277084A - 両頭研削盤 - Google Patents

両頭研削盤

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JP2001277084A
JP2001277084A JP2000089159A JP2000089159A JP2001277084A JP 2001277084 A JP2001277084 A JP 2001277084A JP 2000089159 A JP2000089159 A JP 2000089159A JP 2000089159 A JP2000089159 A JP 2000089159A JP 2001277084 A JP2001277084 A JP 2001277084A
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grindstone
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JP2000089159A
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Shigeo Kobayashi
茂雄 小林
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Nippei Toyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ワーク厚の実測値と目標基準値との差分値に基
づいて、砥石の送り移動量を適切に補正し、ワークを高
精度に研削加工することができる両頭研削盤を提供す
る。 【解決手段】砥石17,18の位置を補正量に基づいて
修正してワーク24の厚さを特定の寸法に管理するため
の定寸装置2を有する両頭研削盤1であり、ワーク厚の
実測値と目標基準値との差分値に補正率を掛けたものを
補正量とし(STEP3)、砥石17,18の送り移動
量を補正する。また、砥石17,18のそれぞれの摩耗
量に基づいて補正量を振分け分配し(STEP4)、砥
石17,18の送り移動量をそれぞれ補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両頭研削盤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、図11に示すように従来からワ
イヤソーにより切断された硬脆材料からなるウエーハ状
のワーク24等の両面を一対の砥石17,18により研
削する両頭研削盤1が知られている。この両頭研削盤1
は、一対の砥石17,18の対向する端面である二つの
研削面17a,18aを有し、それぞれの研削面17
a,18aはほぼ平行の状態で対向配置されている。そ
して、両砥石17,18は回転しながら、ワーク24に
向かって両砥石または片方の砥石が送り移動させられ
て、それら二つの研削面17a,18aに接触したワー
ク24の両面が同時に研削されるようになっている。
【0003】このワーク24の研削に際して、ワーク2
4を所定の厚さに加工するためには、例えば研削加工が
終了した時点でワーク24の実際の寸法を測定し、その
測定寸法に基づいて両砥石17,18の切込み量を決定
して、荒研削加工や仕上げ研削加工を行っている。図1
8に示すように、切込み量とは、研削加工を施すワーク
の加工前の表面である被削面と、研削加工後の表面であ
る仕上げ面との距離をいう。砥石の切込み量が多い程ワ
ーク24の厚さ(幅)は薄く加工され、一般的に、加工
中のワークの厚さは砥石の切込み量で管理されている。
【0004】また、両頭研削盤1のメンテナンスを行っ
ている間等の研削加工中以外のときは、砥石17、18
は退避位置にあり、研削加工の際には退避位置からワー
クの被削面まで送り移動させられる。この移動量を砥石
の送り移動量といい、例えば縦型の両頭研削盤において
は、上側の砥石18がワーク24の被削面に向かって下
降する距離と、下側の砥石17がワーク24の被削面に
向かって上昇する距離とをいう。
【0005】しかしながら、砥石を長時間使用している
と、その砥石が摩耗するため、上下砥石17,18の研
削面17a,18aの位置が変化する。また、砥石1
7,18は一定時間使用するごとに、研削面17a,1
8aのドレッシングを必要とする場合がある。このドレ
ッシングによっても砥石17,18が削除されるため研
削面17a,18aの位置が変化する。よって、砥石1
7,18を退避位置からワーク24の被削面まで送り移
動させても、砥石17,18の摩耗,ドレッシングによ
る研削面17a,18aの変位のため、ワーク24の被
削面まで到達しない。そして、その位置から切込み量分
切り込んだ場合にも、砥石17,18の実際の切込み量
は、研削面17a,18aの位置変化による影響を受け
て、その変位量分だけワーク24の厚さが変化する。
【0006】このため、ワーク研削加工時の加工誤差を
最小にするには、砥石17,18の摩耗等に伴う研削面
17a,18aの位置変化を検出して、その検出結果に
基づいて砥石17,18の送り移動量を補正する必要が
ある。特に、ワイヤソーにより切断されたウエーハ状の
ワーク24を研削する場合には、ワーク24が薄板状で
あって高精度の研削加工が要求されるため、上下砥石1
7,18の研削面17a,18aの摩耗等に伴う位置変
化を一層正確に検出して、砥石17,18の送り移動量
に適切にフィードバックさせる必要がある。
【0007】上記問題点に着目した両頭研削盤について
図11〜図13を用いて説明する。両頭研削盤1は、ワ
ーク24の表裏面を研削する研削盤に、ワーク24の厚
さを特定の寸法に管理するための定寸装置2を有する。
【0008】図12は定寸装置2の概念図である。図1
2に示すように、定寸装置2は、測定装置70とアンプ
3と演算部54とを有し、測定装置70におけるワーク
厚の測定結果を両頭研削盤1にフィードバックさせて、
ワーク24の仕上げ厚を特定の寸法にするものである。
【0009】測定装置70には種々のものがあるが、差
動トランス式の一例を簡潔に示すと、測定装置70は、
ワーク24を挟むコンタクト部61を先端に設けた二本
のフィンガー62と、両フィンガー62が装設される本
体63と、その本体63に設置されている差動トランス
64とからなる。二本のフィンガー62は支軸67部に
おいて本体63に回転可動に設置されている。一方のフ
ィンガー62の本体63側端部には差動トランス64が
連結されており、他方のフィンガー62の本体63側端
部には、支軸68を連結軸としてコア65が回動可能に
連結されている。差動トランス64は電源に接続された
一次コイル69を有し、その一次コイル69に対向する
位置には二本の二次コイル66が配置されている。一次
コイル69と二次コイル66の間にはコア65が配置さ
れており、コア65は一次コイル69と二本の二次コイ
ル66の間を両コイルにほぼ平行してスライド移動でき
る仕組みになっている。
【0010】ワーク24の厚さを測定するときには、二
本のフィンガー62を開いてからコンタクト部61でワ
ーク24を挟むようにする。そのとき、両フィンガー6
2の間隔若しくは角度の変位からフィンガー62に連結
された差動トランス64のコア65と二次コイル66が
相対的に移動し、発生した誘起電圧に基づいてワーク2
4の厚さを測定するものである。測定結果は、アンプ3
にアナログまたはデジタル表示される。
【0011】両頭研削盤1において研削されたウエーハ
状のワーク24の厚さを所望の値に収めるため、測定装
置70により両面を研削加工したワーク24の厚さを一
枚ごとに実測する。そして、その測定装置70により測
定されたワーク24の厚さを製品出荷合格基準となる目
標基準値と比較するために差分((実測値)−(目標基
準値))を算出する。算出された差分値が製品として出
荷が可能な許容値の範囲内に入っているか否かを検出す
る。
【0012】図13を用いて上記許容値について詳述す
る。図13に示すアンプ3は、説明の便宜上、上述の測
定装置70により測定されたワーク24の厚さをそのま
ま表示するものではなく、製品出荷合格基準となる目標
基準値とワーク実測値の差分値を表示するものを使用し
ている。上記の許容値には、目標範囲値71と補正範囲
値72とがある。目標範囲値71(図13の右上がり斜
線範囲部)とは、目標基準値とほぼ同一であると認めら
れる範囲の値をいう。補正範囲値72(図13の左上が
り斜線範囲部)とは、目標範囲値71内ではないが目標
基準値の誤差の範囲内にあり製品として出荷しても全く
問題がないと認められる範囲の値をいう。そして、差分
値が目標範囲値71と補正範囲値72とをあわせた許容
値の範囲を超えた場合(NG範囲値73の部分)には、
そのワーク24は製品として出荷することができない。
【0013】図8は上記両頭研削盤1における送り移動
量補正のためのフローチャートを示している。まず、両
頭研削盤1において研削加工が終わったウエーハ状のワ
ーク24を一枚ずつ測定装置70に送る。そして、測定
装置70においてワーク24の厚さを測定し(STEP
1)、目標基準値との差分値を求めた後に、差分値が許
容値の範囲内にあるか否かを検出する(STEP2)。 差分値が目標範囲値内71にある場合は、そのワーク
24の加工は終了し、次のワーク24の研削加工を開始
する。 また、差分値が目標範囲値71及び補正範囲値72
外、即ち許容値の範囲内に入っていない場合(NG範囲
値73内にある場合)は、両頭研削盤1に故障等が発生
していると考えられるため両頭研削盤1を停止する。 さらに、差分値が目標範囲値71外であるが補正範囲
値72内にある場合は、そのワーク24の加工は終了す
るが、次のワーク24’の研削加工に移る前に砥石1
7,18の送り移動量を補正する(STEP3)。次の
ワーク24’の研削加工時には送り移動量は補正されて
いるため、目標範囲値71内に収まるように研削加工が
おこなわれる。
【0014】上下砥石17,18の送り移動量の補正方
法としては、上記の場合に、ワークの実測値と目標基
準値との差分を算出し、その差分値だけ上側の砥石18
の送り移動量のみを増加または減少させたり、上部砥石
18と下部砥石17の送り移動量をそれぞれ差分値の1
/2ずつ増加または減少させたりする方法がある。この
方法によれば、実測値と目標基準値との差分を砥石1
7,18の送り移動量にフィードバックさせているた
め、原則として、次のワーク24’は目標基準値に一致
する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の両頭研
削盤において、差分値が補正範囲値72内に入った場合
に、砥石17,18の送り移動量を増加または減少させ
ても、必ずしも次のワーク24’の差分値を目標範囲値
71内に収めることができず、目標基準値に収束するの
に数回の補正が必要となる場合があった。
【0016】また、研削加工を繰り返すことにより、ワ
ーク24の研削加工の精度に誤差を生じることがあっ
た。
【0017】更に、砥石の送り移動量を補正する場合
に、上記研削盤のように上部砥石18の送り移動量のみ
を補正する方法では、下部砥石17の摩耗が考慮されて
いなかったため、上部砥石18の送り移動量の補正だけ
では、ワーク24が基準位置よりも下降してしまうとい
う問題点があった。一方、砥石の送り移動量の補正方法
として上下両砥石17,18の送り移動量を均等に増減
させる方法では、上部砥石18と下部砥石17の送り移
動量を共に差分値の1/2ずつ増加させた場合に、上下
両砥石17,18の減り量の違い分だけ基準位置よりも
ずれるという問題点があった。
【0018】本出願に係る発明は、上記のような問題点
を解決するためになされたものであり、その目的とする
ところは、研削盤自体の機械的な精度誤差や測定装置の
測定誤差等による誤差を補正して、ワークを高精度に研
削加工することができる両頭研削盤を提供することにあ
る。
【0019】また、本出願に係る発明の他の目的は、研
削加工を繰り返すことにより生じる、ワーク研削加工の
精度誤差を補正できる両頭研削盤を提供することにあ
る。
【0020】更に、本出願に係る発明の他の目的は、砥
石の送り移動量を補正する場合に、上側の砥石と下側の
砥石の送り移動量をそれぞれに適切に補正する機能を有
する両頭研削盤を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本出願に係る第1の発明は、研削加工された被研削
物を測定し、砥石位置を修正する定寸装置を有する両頭
研削盤において、前記被研削物の測定結果と被研削物の
所望の厚さとの差分値に対して予め定められた補正率を
掛けた値に基づいて補正量を検出し、前記砥石の送り移
動量を前記補正量分増加または減少させることを特徴と
する両頭研削盤である。
【0022】また、本出願に係る第2の発明は、研削加
工された被研削物を測定し、砥石位置を修正する定寸装
置を有する両頭研削盤において、既に研削加工が終了し
た前記被研削物の測定結果と被研削物の所望の厚さとの
差分値を用いて適宜補正率を算出し、該補正率に基づい
て補正量を検出し、前記砥石の送り移動量を前記補正量
分増加または減少させることを特徴とする両頭研削盤で
ある。
【0023】更に、本出願に係る第3の発明は、両砥石
の研削面の計測手段を有し、前記計測手段の計測による
研削面のそれぞれの摩耗量に基づいて前記補正量を振分
け分配して、前記両砥石の送り移動量をそれぞれ増加ま
たは減少させることを特徴とする前記第1又は第2に記
載された両頭研削盤である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本出願に係る発明の一実施
の形態を図1〜図10に基づいて詳細に説明する。
【0025】本発明の実施の形態の両頭研削盤1は、ワ
ーク24の表裏面を研削する研削盤に、砥石位置を修正
してワーク24の厚さを特定の寸法に管理するための定
寸装置2を有する。
【0026】図1は、両頭研削盤1の概略図である。下
部フレーム11の上に中間フレーム12が固定され、そ
の中間フレーム12の上には上部フレーム13が固定さ
れている。下部フレーム11には下部砥石送り装置14
及びワーク支持機構15が装設され、上部フレーム13
には上部砥石送り装置16が装設されている。
【0027】下部砥石送り装置14は、下部砥石17の
回転中心軸となる下部砥石回転軸14aを備え、下部砥
石回転軸14aの上端にはフランジ部14bが設けられ
ている。フランジ部14bには下部砥石17が装備され
ており、その下部砥石17の上面は研削面17aとなっ
ている。同様に、上部砥石送り装置16には、上部砥石
18の回転中心軸となる上部砥石回転軸16aを備え、
上部砥石回転軸16aの下端にはフランジ部16bが設
けられている。フランジ部16bには上部砥石18が装
備されており、その上部砥石18の下面は研削面18a
となっている。そして、前記下部砥石17の回転軸線が
上部砥石18の回転軸線の延長線上に配置されるととも
に、下部砥石17の研削面17aが上部砥石18の研削
面18aとほぼ平行に対向配置されている。
【0028】上部砥石送り装置16には昇降用サーボモ
ータ56が装備されており、その昇降用サーボモータ5
6は制御部53に接続されている。また、下部砥石送り
装置14にも昇降用サーボモータ55が装備されてお
り、その昇降用サーボモータ55は制御部52に接続さ
れている。制御部53,52はそれぞれ昇降用サーボモ
ータ55,56の回転を制御する部位であり、昇降用サ
ーボモータ55,56の回転により上下両砥石18,1
7の回転軸が軸線方向に移動する。即ち、制御部53,
52により上下両砥石18,17の送り移動が制御され
るようになっている。また、中間フレーム12には上部
砥石送り装置16を中心として左右対称の位置に変位検
出機構50と砥石修正機構51が配置されている。
【0029】次に前記ワーク支持機構15について説明
すると、図2に示すように、支持台21は上下両砥石送
り装置16,14間において、下部フレーム11上に配
設されている。支持台21上には移動枠22が、一対の
ガイドレール23を介して移動可能に支持されている。
そして、この移動枠22が図示しない移動用モータによ
り、図2に実線で示すワーク24を着脱交換するための
ワーク搬入搬出位置P1と、同図に鎖線で示すワーク2
4を研削するための加工位置P2とに移動するようにな
っている。
【0030】前記移動枠22にはワークホルダ25が回
転可能に支持され、その中央にはワーク24を着脱可能
にセットするためのセット孔26が形成されている。セ
ット孔26内には係合突起27が突設され、セット孔2
6内にワーク24がセットされるとき、そのワーク24
の外周面の切欠部24aがこの係合突起27に係合す
る。移動枠22上には回転用モータ28が配設され、ワ
ーク24の研削加工時に、この回転用モータ28から図
示されない回転力伝達手段を介してワークホルダ25に
回転が付与されて、ワーク24が回転させられる。
【0031】図2に示すように、前記支持台上21には
一対の取付けプレート29が、移動枠22の移動方向に
並設されている。各取付けプレート29上には、複数の
エアパッド30a,30bがほぼ一列に並べて配設され
ている。各エアパッド30a,30bは図3に示すよう
に取付けプレート29上に取り付けられた円板状部材3
1を備え、その円板状部材31の中心にはエア噴出孔3
2が形成されている。図3に示すように前記各エアパッ
ド30a,30bのエア噴出孔32には、ノズル33が
接続され、これらのノズル33には図示しないエアコン
プレッサ等のエア供給源が接続されている。そして、こ
のエア供給源より供給されるエアが、各エアパッド30
a,30bのノズル33からエア噴出孔32を介してワ
ーク24の下面に噴出することにより、ワーク24がセ
ット孔26内において浮上した状態で保持され、移動枠
22の移動に伴ってワーク搬入搬出位置P1と加工位置
P2の間を浮上した状態で搬送させられる。
【0032】図2、図3に示すように、加工位置P2に
おいて、ワーク24は下部砥石17上に載置され、下部
砥石17よりはみ出した部分24bは複数(図2では4
個)の基準部材としてのエアパッド30bに対向してい
る。そして、図4に示すようにワーク24が下部砥石1
7の研削面17aに傾斜して載置されることのないよう
に、エア供給源からエアをワーク24の下面に噴出し、
ワーク24を下部砥石17の研削面17aと平行状態に
維持する。その結果、図3のように下部砥石17の研削
面17aすなわちワーク24の下面と、基準部材となる
エアパッド30bの上面との距離がL1に保持される。
【0033】次に、前記上下両砥石18,17の変位検
出機構50について説明する。
【0034】図6に示すように、前記加工位置P2の近
傍において、中間フレーム12には支持筒36が垂下固
定され、その内部には回動軸37が一対のベアリング3
8を介して回転可能に支持されている。支持筒36の上
端にはロータリシリンダ39が配設され、その駆動軸4
0が回動軸37に回転を伝えるように連結されている。
回動軸37の下端には検出アーム41が固定されてお
り、ロータリシリンダ39により回動軸37が回転させ
られることにより、検出アーム41が図5に実線で示す
退避位置P3と、同図に鎖線で示す検出位置P4との間
を回転移動する。前記検出アーム41の先端の下面及び
上面には一対の接触センサ42,43が配設されてお
り、検出アーム41が検出位置P4に回転移動した状態
で、これらの接触センサ42,43が両砥石17,18
の研削面17a,18aに対向配置される。各接触セン
サ42,43は、接触子42a,43aと、接触子42
a,43aが研削面17a,18aに接触して変位した
量を検出する検出手段としての差動トランス42b,4
3bとから構成されている。
【0035】そして、図7に示すように、検出アーム4
1が検出位置P4に回動配置された状態で、両砥石1
7,18を退避位置から砥石厚測定基準位置P5,P6
まで所定送り移動量L2,L3だけ送り移動するとき、
各接触センサ42,43の接触子42a,43aが研削
面17a,18aとの接触によって移動させられる。こ
のとき、各接触センサ42,43の差動トランス42
a,43aにより、接触子42a,43aの移動量の変
化が研削面17a,18aの変位量として検出されて、
電圧変化として出力される。
【0036】上下砥石17,18が退避位置から砥石厚
測定基準位置P5,P6まで送り移動させられたとき
に、接触センサ42,43の接触子42a,43aが研
削面17a,18aとの接触により所定量だけ移動させ
られるように設定しておき、その状態を初期状態として
差動トランス42b,43bの出力が0Vとなるように
設定する。作業を行う場合には、例えば一日の作業を開
始する前に、初期状態の設定を行う。そして、ワーク2
4を複数枚研削加工した後の砥石厚測定の際には、上下
砥石17,18は摩耗や熱変位等により研削面17a,
18aが変位しており、その変位に伴い研削面17a,
18aとの接触による接触子42a,43aの移動量が
変位する。接触子42a,43aの移動量の変位量に応
じて差動トランス42b,43bから0V以外の電圧が
検出される。
【0037】さらに、これらの差動トランス42b,4
3bからの出力が図1に示す演算部54に入力されて、
上下両砥石17,18の送り移動量を調節する制御信号
に換算される。その制御信号は制御部52,53に入力
され、制御部52,53が下砥石回転軸14aと上砥石
回転軸16aの回転量を調節し、以後の上下砥石17,
18の送り移動量が補正される。
【0038】図5〜図7に示すように、前記検出アーム
41の先端付近の下面には、近接センサ等からなる位置
センサ44が配設されている。そして、ワーク24の研
削加工後に、検出アーム41が検出位置P4に回転移動
させられた状態で、この位置センサ44が加工位置P2
にある1つのエアパッド30bの上面に対向配置され
る。
【0039】この状態で、位置センサ44によりエアパ
ッド30bの上面と位置センサ44との間隔L4が検出
される。そして、エアパッド30bや研削盤フレームの
熱変位等により、検出間隔L4が増減して変化したと
き、エアパッド30bの上面の位置変化量に応じて以後
の各砥石17,18の送り移動量を補正したり、各砥石
17,18の基準位置のオフセットを行ったりする。
【0040】すなわち、エアパッド30bの上面が研削
盤フレームの熱膨張により、上昇した場合には、その上
昇量に応じて下部砥石17の送り移動量を増大させると
ともに、上部砥石18の送り移動量を減少させる。これ
に対して、エアパッド30bの上面が研削盤フレームの
熱収縮変化により、ワーク24の浮上保持位置が下降し
た場合には、その下降量に応じて下部砥石17の送り移
動量を減少させるとともに、上部砥石18の送り移動量
を増大させる。
【0041】次に、前記のように構成された両頭研削盤
1の動作を説明する。
【0042】この両頭研削盤1にワーク24を搬入搬出
する場合には、移動枠22が図2に実線で示すワーク搬
入搬出位置P1に移動させられた状態となる。未加工の
ワーク24が複数枚収められたワークカセット(図示し
ない)から、図示しないロボットアーム等により、ワー
クホルダ25のセット孔26内にワーク24が挿入セッ
トされ、そのワーク24の切欠部24aが係合突起27
に係合する。
【0043】そして、このワーク24のセット状態にお
いて、図3に示すようにエア供給源より供給させるエア
が、各エアパッド30a,30bのノズル33からエア
噴出孔32を介してワーク24の下面に噴出される。こ
れにより、ワーク24がセット孔26内において、浮上
した状態に保持される。
【0044】その後、図2に鎖線で示すように、移動枠
22が移動用モータ(図示しない)により、ワーク24
が浮上した状態のままワーク搬入搬出位置P1から加工
位置P2に搬送される。同時に、ワークホルダ25はモ
ータ28から図示されない回転伝達手段を介して回転さ
せられ、ワーク24も回転する。そして、この加工位置
P2では、下部砥石17が、ワーク24の下部被削面ま
で回転しながら送り移動されて上昇することにより、ワ
ーク24が下部砥石17に載置される。次に、上部砥石
18が、ワーク24の上部被削面まで回転しながら送り
移動されて下降する。そして、上砥石18を切込み量だ
け切込むことにより、上下両砥石17,18の回転とワ
ーク24の回転送りに基づいて、それらの研削面17
a,18aによりワーク24の上下両面に研削加工が施
される。
【0045】図2及び図3に示すように、上部砥石18
と下部砥石17の直径はウエーハ状のワーク24の直径
よりも小さいので、ワーク24の上下面を均等に研削す
るために、ワークホルダ25が回転をする。このとき、
ワーク24はワークホルダ25に形成されたセット孔2
6内に浮上した状態で保持されているが、ワーク24の
切欠部24aが係合突起27に係合しているため、ワー
ク24がワークホルダ25の回転に追従できずに空回り
をするということはない。すなわち、自転をしている上
下砥石17,18が、ワーク24の表裏面上に相対的に
円を描くように回ることによって、ワーク24は平坦に
研削される。
【0046】所定の切込み位置まで上砥石18が切込み
移動され、ワーク24が所望の厚みになるまで研削され
た後、上下砥石17,18を退避位置まで戻し、ワーク
24をワーク搬入搬出位置P2まで搬送する。ワーク搬
入搬出位置P2では、図示しないロボットアーム等が研
削加工後のワーク24を取り出し、測定装置70へ搬送
する。
【0047】図12に示すように、測定装置70におい
ては、二本のフィンガー62の先端に設けられたコンタ
クト部61で研削加工後のワーク24の厚さを測定す
る。測定装置本体63内に設置された差動トランス64
からの出力が、アンプ3上に表示され、その情報が演算
部54に送られる。測定装置70で測定するのは、加工
後のワーク24の実際の厚さでも良いし、目標基準値と
ワーク厚との差分値であっても良い。前者のように、測
定装置70において実際のワーク厚を測定する場合は、
演算部54で実測値と目標基準値との差分値を求める演
算を行う。また、後者のように、測定装置70において
目標基準値との差分値を直接求める場合は、基準となる
見本ウエハをコンタクト部61で挟んだときに、差動ト
ランス64の出力が0Vになるように基準合わせをして
おき、加工後の実際のワーク24を測定したときには、
差動トランス64からは差分の電圧が出力されるように
しておけば良い。また、後者の場合には、特定枚数のワ
ーク24を測定する毎に見本ウエーハを用いて基準合わ
せを行うのが好ましい。
【0048】測定装置70による加工後のワーク厚の測
定は、加工されたワーク24の総てについて1枚毎に行
うのを原則としている。
【0049】次に、図9に示すフローチャートに基づい
て、ワーク厚測定後の砥石送り移動量の補正について説
明する。
【0050】まず、上述のように、測定装置70で加工
後のワーク24の厚さの測定を行う(STEP1)。
【0051】STEP2で、上記測定結果に基づいて、
砥石送り移動量の補正が必要か否かを判断する。 目標基準値と実測値との差分値が、図13に示す目標
範囲値71内にある場合は、補正は不要であるため、そ
のワーク24の研削加工は終了して、次のワーク24’
の研削加工に継続する。次のワーク24’を両頭研削盤
1で研削したら、STEP1に戻り、測定装置70でワ
ーク24’の厚さを測定する。 差分値が目標範囲値71及び補正範囲値72を超えて
NG範囲値73内に入ってしまった場合には、両頭研削
盤1に故障等が生じている可能性があるため、研削盤を
停止して研削作業を終了し、次のワーク24’の研削加
工には継続しない。研削盤や定寸装置2のメンテナンス
を行い、両頭研削盤1が正常に可動可能であると判断さ
れた場合には、運転を再開する。 差分値が目標範囲値71内にはないが、補正範囲値7
2内にある場合は、そのワーク24自体は出荷可能であ
るため研削加工を終了するが、次に研削されるワーク2
4’がNG範囲値73に入ってしまう可能性があるた
め、砥石送り移動量の補正を行う。
【0052】上記の場合にはSTEP3に進む。ST
EP3においては、実測値と目標基準値との差分値に基
づいて、砥石の送り移動量の補正量を求める。この作業
は、図1及び図12に示す演算部54で行う。
【0053】従来技術として説明したように、一般的に
は、実測値と目標基準値との差分値((実測値)−(目
標基準値))を補正量として砥石17,18の送り移動
量の補正が行われている。しかし、測定装置70で求め
た実測値と目標基準値との差分値をそのまま補正量とし
て補正をすると、一回の補正で目標範囲値71内に入ら
ない場合がある。
【0054】例えば、図14に示すように、差分値が+
(−)の補正範囲値72内に入っている場合(図14の
81)に砥石17,18の送り移動量を増加(減少)さ
せると、今度は送り移動量が増加(減少)し過ぎてしま
い、目標範囲値71を超えて−(+)の補正範囲値72
内に入ってしまうことがあった(図14の82)。すな
わち、一回の送り移動量補正では、差分値を目標範囲値
71内に収めることができず、目標基準値に収束するの
に数回の補正が必要となる場合があった。この原因とし
て、両頭研削盤1自体の機械的な精度誤差、測定装置7
0のフィンガー62の撓みや熱変位による測定誤差等の
要因が考えられる。
【0055】そこで実験を行ったところ、両頭研削盤1
や測定装置70特有の機械的精度の誤差(装置の癖)等
が原因である場合には、差分値をダイレクトに補正量と
するのではなく、差分値に特定の補正率をかけることに
より上記不都合を回避できる場合があることに想到し
た。
【0056】以下、上記の思想について、図14に示す
グラフを用いて詳細に説明する。ワーク24の研削が終
了し、差分値を検出したところ、差分値((実測値)−
(目標基準値))は+0.9μm(プロット81)であ
り補正範囲値72内にあるので、次のワーク24’を研
削する前に砥石17,18の送り移動量の補正をする必
要がある。そして、差分値である+0.9μmに基づい
て砥石17,18の送り移動量を+0.9μmだけ補正
して次のワーク24’を研削したところ、差分値は−
0.7μm(プロット82)となり目標範囲値71を超
えて再び補正範囲値72内に入ってしまっている。すな
わち、両頭研削盤1の砥石送り移動量を+0.9μmだ
け増やす補正をしたところ、結果的には1.6μm(|
+0.9|+|−0.7|)も研削量が増加してしまっ
たということになる。
【0057】そこで、本実施の形態においては、上記の
ような装置特有の誤差等を補正するために、差分値
((実測値)−(目標基準値))に、更に補正率をかけ
て求めた値を補正量とするものである。例えば、差分値
である+0.9μmに補正率0.5をかけた値を補正量
として、砥石17,18の送り移動量を補正すると、次
のワーク24’がプロット82’のように目標範囲値7
1内に入る場合がある。この補正率の大きさは経験値的
なもので良く、また、顧客側の要求にあわせて決めても
良い。補正率は1以下である必要はなく、当然1以上の
値もとりうる。
【0058】補正率は図1及び図12に示す演算部54
(演算部54内の記憶部または演算部54に接続されて
いる記憶部)で記憶しておき、測定装置70で求めた差
分値の情報に基づき、演算部54でその差分値と補正率
との掛け算を行う。演算部54で求めた補正量を図1に
示す制御部52,53に伝送し、制御部52及び53は
それぞれ下部砥石17及び上部砥石18の送り移動量を
補正する。補正率は、手入力で入力することもでき、作
業時の状況に応じて日ごとに変化させても良い。また、
演算部54においては、複数の補正率を記憶しておくこ
ともでき、顧客毎に対応させて予め複数の補正率を用意
しておき、顧客毎に異なる補正率を用いて研削加工を行
うことも可能である。
【0059】このように予め用意した一定の補正率を差
分値にかけて補正量を求めることにより、両頭研削盤1
自体の精度誤差(装置の癖)等を補正して、高精度に研
削加工をすることができる。
【0060】次に、図15に示す両頭研削盤1自体の熱
変位による誤差等を補正するための補正率について説明
する。両頭研削盤1も研削加工を繰り返すことにより発
熱するため、両頭研削盤1自体が熱変位を生じ、ワーク
24の研削加工の精度に誤差を生じることが考えられ
る。図15は、砥石の送り移動量を補正せずにワーク2
4を研削加工した場合の仕上がりワーク厚の差分値を縦
軸に、時間の経過を横軸にとった場合の時間的変化の一
例を示したグラフである。
【0061】図15の実線で示すグラフを見ると、両頭
研削盤1の立ち上げ時には熱膨張による変化が大きく、
時間変化に伴って差分値が大きくなり、ある時間経過後
からはほぼ一定の値をとっているのがわかる。両頭研削
盤1を立ち上げた時点と、ワーク24を複数枚研削した
時点とでは、両頭研削盤1自体の温度が異なっており、
熱膨張による精度の誤差が生じているためと考えられ
る。従って、作業時間の変化に伴って補正率を変化させ
ることが考えられる。
【0062】図15の実線で示すグラフの両頭研削盤1
は、立ち上げ時は差分値の変化率が大きく(プロット8
5)、時間の経過に伴って変化率は小さくなる(プロッ
ト86及び87)。従って、砥石17,18の送り移動
量の補正量を求める補正率は、立ち上げ時には大きく
(又は、小さく)、時間の経過に伴って小さく(又は、
大きく)すれば良い。補正率の変化は演算部54に予め
記憶させておき、時間の経過とともに自動的に変化する
ようにしておくのが好ましい。また、図15の破線で示
すグラフのように、両頭研削盤1の立ち上げ時は差分値
の変化率が小さく、時間の経過に伴って大きくなる場合
は、補正率は立ち上げ時には小さく(又は、大きく)、
時間の経過に伴って大きく(又は、小さく)なるように
設定すれば良い。その他、図15の二点鎖線で示すグラ
フのように、グラフがS字を描く場合等には、そのグラ
フにあうように補正率を時間の経過とともに変化させれ
ば良い。
【0063】他に、補正率を適宜自動的に求めて補正を
行う方法について、図14に示すグラフを用いて説明す
る。例えば、ワーク24の研削が終了し、差分値を検出
したところ、差分値は+0.9μm(プロット81)で
あり補正範囲値72内にあるので、砥石17,18の送
り移動量を補正して、次のワーク24’を研削する必要
がある。このときの補正は、差分値をそのまま補正量と
して用いる方法と、差分値に補正率をかけて求めた補正
量を用いる方法とを、問わない。砥石17,18の送り
移動量を補正して次のワーク24’を研削加工し、測定
装置70で測定したところ、差分値は−0.7μm(プ
ロット82)となり、目標範囲値71を超えて再び補正
範囲値72内に入っている。更に次のワーク24”を研
削した場合にも、まだ、補正範囲値72内に入る場合が
ある(プロット83)。このままワークの研削を続けれ
ば、差分値はいずれ目標範囲値71内に入るが、収束効
率が悪く、高精度でないワークが大量に生産される可能
性がある。
【0064】そこで、ワーク24”を研削する前に、そ
のすぐ直前のワーク24’の補正量及び差分値を用いて
新たな補正率を求め、逐次補正量を補正することによ
り、収束効率を高めるようにする。
【0065】補正率の具体的な演算方法について、図1
4を用いて説明する。図14においては、プロット81
の差分値+0.9μmを0にするために、両頭研削盤1
の砥石送り移動量の補正をしたところ、結果的には1.
6μm(|+0.9|+|−0.7|)も研削量が増加
したことになる。すなわち、予定していたよりも約1.
8倍(1.6/0.9)も研削量が増加している。従っ
て、その次のワーク24”を研削するときには更に新た
な補正率を掛けて補正量を減少させるのである(プロッ
ト83’)。プロット82から次のワーク24”の加工
を行うときには、プロット82の差分値である−0.7
μmを用いるのではなく、−0.7μmに更に補正率
0.56(0.9/1.6)を掛けた値を差分値として
用いて補正量の演算を行う。その結果、加工後のワーク
の差分値は補正範囲値72ではなく、急速に収束して目
標範囲値71内に入る(プロット83’)。
【0066】前記補正率の演算は演算部54が行うた
め、演算部54は少なくとも直前二つのワークの差分値
と、補正率を求める演算式を記憶しておく必要がある。
【0067】この方法は、研削加工するワーク直前二つ
のワークの差分値をフィードバックさせるものであり、
両頭研削盤1の温度変化のみならず、時々刻々と変化す
る外部要因等にも適応して、補正率を適宜変化させなが
ら加工を行うことができる。また、必ずしも、研削加工
するワーク直前二つのワークの差分値を用いる必要はな
く、順方向と逆方向の送り移動量に違いがある場合は、
二つ前及び三つ前のワークの差分値をフィードバックさ
せても良い。補正率の算出方法は前記の方法に限られ
ず、過去の実測値を元に算出するものであれば他の算出
方法でも構わない。
【0068】図9に示すフローチャートに説明を戻す
と、上記STEP3で求めた補正量に基づいて、今度は
上下両砥石18,17の砥石送り移動量を補正する(S
TEP4)。
【0069】従来技術で説明したように、STEP3で
求めた補正量に従って上部砥石18の送り移動量のみを
補正する場合でも、補正量を均等に二分して上下両砥石
17,18の送り移動量を補正する場合でも不都合が生
じていた。この不都合について、図16及び17を用い
て詳細に説明する。
【0070】図16に示すように、砥石の送り移動量を
補正する場合に、従来の両頭研削盤1のように上側の砥
石18の送り移動量のみを補正する方法では、下側の砥
石17の摩耗が考慮されていなかった。例えば、上側の
砥石18が5μm摩耗し、下側の砥石17が5μm摩耗
した場合には、上側の砥石18の送り移動量を10μm
(5μm+5μm)増加させるため、上側砥石18の研
削面18aがワーク24の上研削表面より5μmだけ下
降してしまうという問題点があった。
【0071】一方、図17に示すように、砥石の送り移
動量の補正方法として上下の砥石17,18の送り移動
量を均等に増減させる方法では、例えば、上側の砥石1
8の摩耗量が多く(例えば、30μm)、下側の砥石1
7の摩耗量が少ない(例えば、20μm)場合に、上側
の砥石18と下側の砥石17の送り移動量を共に差分値
の1/2(25μm)ずつ増加させた場合には、下側の
砥石17の研削面17aがワーク24の下研削面より
(5μmだけ)上昇してしまうという問題点があった。
【0072】そこで、本実施の形態においては、上下両
砥石17,18の研削面17a,18aの変位量を測定
し、その測定値に基づいて補正量を上部砥石18と下部
砥石17の送り移動量に振り分けるようにしている。
【0073】図9を用いて、補正量の振り分け分配につ
いて説明する。まず、STEP2においてに該当する
場合には、ワーク24の研削加工が終了しても、すぐに
次のワーク24’の研削を継続せず、上部砥石18及び
下部砥石17の摩耗量や熱変位等を上部砥石研削面18
aおよび下部砥石研削面17aの変位量として測定す
る。
【0074】図5に示すように、ロータリシリンダ39
により検出アーム41が退避位置P3から検出位置P4
に回動する。これにより、接触センサ42,43が両砥
石17,18の研削面17a,18aに対向配置され
る。この状態で、図7に示すように、両砥石17,18
が基準位置P5,P6まで送り移動され、両接触センサ
42,43により、砥石17,18の研削面17a,1
8aの変位量が検出される。砥石の変位量は、初期状態
の砥石17,18の厚さから研削後の砥石17,18の
厚さの実測値を引くことによっても算出することができ
る。図10に示す例においては、上部砥石18の研削面
18aの変位量は30μmであり、下部砥石17の研削
面17aの変位量は20μmである。両接触センサ4
2,43により検出された変位量の情報は演算部54に
送られる。
【0075】次に、演算部54は、上部砥石18と下部
砥石17の変位量に比例させて補正量を分配する演算を
行う。例えば、STEP3で、差分値が10μm、補正
率が80%で補正量を8μm(10μm×80%)とし
て算出した場合には、補正量8μmを上部砥石研削面1
8aと下部砥石研削面17aの変位量の比に分配する。
演算部54は上部砥石18の変位量(30mm)と下部
砥石17の変位量(20mm)の情報に基づいて、補正
量8μmを30:20に分配演算し、上部砥石18の補
正量を4.8μm、下部砥石17の補正量を3.2μm
と算出する。
【0076】図9フローチャートのSTEP5におい
て、上記のように演算部54で求めた上部砥石18の補
正量4.8μmを図1に示す制御部53伝送し、下部砥
石17の補正量3.2μmを制御部52に伝送する。そ
して、制御部53は上部砥石回転軸16aの砥石送り移
動量を4.8μm補正し、制御部52は下部砥石回転軸
14aの砥石送り移動量を3.2μm補正する。
【0077】上記のように、上部砥石18と下部砥石1
7の研削面18a,17aの変位量の比に基づいて補正
量を比例配分するため、従来のように上部砥石18の研
削面18aがワーク24より下降したり、下部砥石17
の研削面17aがワーク24より上昇したりするという
不都合を回避することができる。
【0078】このようにして、特定枚数(例えば、10
00枚ごと)のワーク24の研削加工が終了すると、上
下砥石17,18の基準位置のオフセットを行う。図5
に示すように、ロータリシリンダ39により検出アーム
41が退避位置P3から検出位置P4に回動する。これ
により、接触センサ42,43が両砥石17,18の研
削面17a,18aに対向配置されるとともに、位置セ
ンサ44が1つのエアパッド30bの上面に対向配置さ
れる。この状態で、図7に示すように、両砥石17,1
8が基準位置P5,P6まで送り移動され、両接触セン
サ42,43により、砥石17,18の研削面17a,
18aの変位量が検出される。また、位置センサ44に
よりエアパッド30bの上面位置を検出する。そして、
これらの研削面17a,18aの検出変位量及びエアパ
ッド30bの上面位置の検出結果に基づいて、各砥石1
7,18の基準位置のオフセットを行う。上記オフセッ
トを行う際には、上下砥石17,18の送り移動量の補
正量は維持したままで、全体的に行う。このオフセット
により、砥石の送り移動量補正により累積的に蓄積され
る砥石の基準位置からのずれを修正でき、ワークが目標
厚みに正確に加工される。
【0079】なお、上記の実施の形態においては、上下
両砥石17,18の送り移動量を補正する例を示した
が、送り移動量はそのまま補正せず、図18に示す切込
み量を補正する方法でも構わない。差分値を切込み量に
フィードバックさせた場合でも同様の効果が得られる。
【0080】前記の実施の形態によって期待できる効果
について、以下に記載する。
【0081】本実施の形態においては、1枚毎のワーク
の研削加工終了時等において、ワークの厚さを実測して
いるため、ワークの厚さを高精度に保つことができる。
また、ワーク厚の実測値と目標基準値との差分値が許容
範囲を超えた場合に、上下砥石の研削面17a,18a
の変位量を測定するため、1枚のワークを研削加工する
度に研削面17a,18aの変位量を測定する方法に比
べて、高速に加工することができる。
【0082】ワーク厚の実測値と目標基準値との差分値
に、予め用意した一定の補正率を掛けて補正量を算出す
ることにより、研削盤自体の機械的な精度等による誤差
に柔軟に対応して、砥石の送り移動量を補正し、ワーク
を高精度に加工することができる。また、実際に測定し
た差分値に基づいて補正率を算出し、以後のワーク研削
の砥石送り移動量を補正することにより、逐次適切な補
正量によって研削加工を行うことができ、ワーク厚の実
測値を目標基準値に速やかに収束することができる。上
下の砥石17,18の研削面17a,18aの摩耗等に
伴う位置変化を検出し、上部砥石18と下部砥石17の
研削面18a,17aの変位量に比例させて、上下砥石
18,17それぞれの送り移動量の補正量を算出するた
め、ワークを高精度に研削加工することができる。
【0083】
【発明の効果】本願発明は、補正量の算出に補正率を用
いることにより、砥石の送り移動量を適切に補正し、ワ
ークを高精度に加工することができる。
【0084】また、補正量を両砥石研削面の変位値に基
づいて振分け分配することにより、両砥石の送り移動量
をそれぞれ適切に補正することができ、ワークの被削面
を高精度に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の研削盤の一実施の形態を示す正面図
である。
【図2】ワーク支持機構を拡大して示す平面図である。
【図3】図2の3−3線における部分拡大断面図であ
る。
【図4】図2の3−3線における部分拡大断面図であ
る。
【図5】上下両砥石の変位検出機構を示す要部平面図で
ある。
【図6】変位検出機構の要部断面図である。
【図7】変位検出機構の検出動作を示す説明図である。
【図8】従来装置の研削作業の流れを示すフローチャー
ト図である。
【図9】本実施の形態の研削作業の流れを示すフローチ
ャート図である。
【図10】上下砥石の研削面の変位の様子を示す図であ
る。
【図11】従来の研削盤の一実施の形態を示す正面図で
ある。
【図12】ワークの厚さを測定している定寸装置の概略
図である。
【図13】差分値を表示するアンプの概略図である。
【図14】差分値の時間的な変化を示すグラフである。
【図15】熱変化に伴う差分値の時間的な変化を示すグ
ラフである。
【図16】従来装置の上部砥石送り移動量のみを補正し
た場合を示す図である。
【図17】従来装置の上下砥石送り移動量を均等に補正
した場合を示す図である。
【図18】送り移動量と切込み量を示す説明図である。
【符号の説明】
1…両頭研削盤 2…定寸装置 3…アンプ 11…下部フレーム 12…中間フレーム 13…上部フレーム 14…下部砥石送り装置 15…ワーク支持機構 16…上部砥石送り装置 17…下部砥石 17a…研削面 18…上部砥石 18a…研削面 21…支持台 22…移動枠 23…ガイドレール 24…ワーク 25…ワークホルダ 26…セット孔 27…係合突起 28…回転用モータ 29…取付けプレート 30a,30b…エアパッド 31…円板状部材 32…エア噴出孔 33…ノズル 36…支持筒 37…回動軸 38…ベアリング 39…ロータリシリンダ 40…駆動軸 41…検出アーム 42…接触センサ 42a…接触子 42b…差動トラ
ンス 43…接触センサ 43a…接触子 43b…差動トラ
ンス 44…位置センサ 50…変位検出機構 51…砥石修正機構 52,53…制御部 54…演算部 55,56…昇降用サーボモータ 61…コンタクト部 62…フィンガー 63…測定装置本体 64…差動トランス 65…コア 66…二次コイル 67,68…支軸 69…一次コイル 70…測定装置 71…目標範囲値 72…補正範囲値 73…NG範囲値 81,82,83,85,86,87…プロット P1…ワーク搬入搬出位置 P2…加工位置 P3…退避位置 P4…検出位置 P5,P6…基準位置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研削加工された被研削物を測定し、砥石
    位置を修正する定寸装置を有する両頭研削盤において、 前記被研削物の測定結果と被研削物の所望の厚さとの差
    分値に対して予め定められた補正率を掛けた値に基づい
    て補正量を検出し、前記砥石の送り移動量を前記補正量
    分増加または減少させることを特徴とする両頭研削盤。
  2. 【請求項2】 研削加工された被研削物を測定し、砥石
    位置を修正する定寸装置を有する両頭研削盤において、 既に研削加工が終了した前記被研削物の測定結果と被研
    削物の所望の厚さとの差分値を用いて適宜補正率を算出
    し、該補正率に基づいて補正量を検出し、前記砥石の送
    り移動量を前記補正量分増加または減少させることを特
    徴とする両頭研削盤。
  3. 【請求項3】 両砥石の研削面の計測手段を有し、前記
    計測手段の計測による研削面のそれぞれの摩耗量に基づ
    いて前記補正量を振分け分配して、前記両砥石の送り移
    動量をそれぞれ増加または減少させることを特徴とする
    請求項1又は2に記載された両頭研削盤。
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