JP2001276705A - 基材の被覆方法、被覆物品および被覆装置 - Google Patents

基材の被覆方法、被覆物品および被覆装置

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JP2001276705A
JP2001276705A JP2000158790A JP2000158790A JP2001276705A JP 2001276705 A JP2001276705 A JP 2001276705A JP 2000158790 A JP2000158790 A JP 2000158790A JP 2000158790 A JP2000158790 A JP 2000158790A JP 2001276705 A JP2001276705 A JP 2001276705A
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coating
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liquid
pump
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Seitaro Yamaguchi
誠太郎 山口
Koichiro Ogita
耕一郎 荻田
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来含フッ素重合体を含む塗料組成物の塗装
には使用が困難であったカーテンフローコーターを適用
する。 【解決手段】 平均粒子径が0.01〜100μmであ
る含フッ素重合体粒子を含み、使用時の粘度が0.1〜
500mPa・sである液状の塗料組成物をカーテンフ
ローコーターにより基材に塗布することを特徴とする基
材の被覆方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーテンフローコ
ーターにより基材に液状の含フッ素系塗料組成物を塗布
して基材を被覆する方法に関し、回収した塗料組成物の
泡立ちが少なく、しかも回収した塗料組成物を用いてカ
ーテンフローコーターを連続運転しても表面平滑性に優
れた乾燥塗膜を与えることができる基材の被覆方法およ
び得られる被覆物品、さらには低流量であっても均一に
塗装できるカーテンフローコーターに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なカーテンフローコーターは、図
1に概略フローチャートとして示すように、スリット4
を有するヘッド部3と、液状塗料組成物1の貯溜槽5
と、該貯溜槽5中に配置されかつ回転部分(インペラ
ー)7を有する塗料供給ポンプ6と、基材2を供給する
コンベア8とからなり、液状の塗料組成物1を貯留槽5
から塗料供給ポンプ6により該ポンプ6の回転部分7の
外周の周速度を調節することによって輸送管20を介し
てヘッド部3に送り、スリット4からカーテン状に流下
させ、コンベア8で送られて来る基材2の表面に塗布す
る装置である。
【0003】このカーテンフローコーターを用いて基材
2(被塗物)を被覆する場合は、貯溜槽5から塗料供給
ポンプ6の回転部分7を回転させて塗料組成物1をヘッ
ド部3に供給し、ヘッド部3のスリット4から薄膜状
(カーテン状)に塗料組成物1を連続的に流下させる。
ヘッド部3の下でコンベア8によって被塗物を水平方向
に通過させ、ヘッド部2から流下した塗料組成物1で基
材2を被覆する。基材2に付着しなかった塗料組成物1
は塗料組成物の回収経路を経て再び貯溜槽5に回収さ
れ、再利用される。
【0004】このようにカーテンフローコーターを使用
するときは、高速で塗装できる、塗料のロスが極めて少
ない、コンベアの速度を調節することにより被覆(塗
装)膜厚を制御できるなどといった長所がある。
【0005】しかし一方、カーテンフローコーターで
は、供給ポンプ6の回転部分7で泡が発生し、この泡を
巻き込んだ塗料組成物がそのままヘッド部3に送られ、
流下して基材を被覆するため、得られる塗膜に泡が残
り、乾燥塗膜に泡の跡が生じてしまうことがある。
【0006】また、塗料組成物として含フッ素系重合体
粒子を分散させた塗料組成物を使用する場合、ポンプ6
の回転部分7で塗料組成物にセン断力が働くため含フッ
素系重合体粒子が凝集や繊維化が生じ、塗料組成物の増
粘が起こるという重大な問題点がある。さらにカーテン
フローコーターを長時間連続運転し、塗料を回収・循環
使用した場合には前記の泡の発生はさらに著しい。これ
らの課題の解決が図られていないため、含フッ素系重合
体粒子を使用した塗料組成物をカーテンフローコーター
で現実に塗装した例は知らない。
【0007】大韓民国特許公開第95−26671号公
報に、アルミニウム厨房器用のフッ化炭素樹脂を連続エ
アープレスコーティング方法で塗装することが記載され
ている。しかし、開示されている装置はフッ化炭素樹脂
液に空気圧を加えることによってスリットからフッ化炭
素樹脂液を強制的に流出させる装置であり、前記の公知
のカーテンフローコーターとは異なる。また、フッ化炭
素樹脂液が溶液なのか、液状担体に含フッ素重合体粒子
を分散したものであるかは不明であり、使用時のフッ化
炭素樹脂液の粘度は2000〜8000mPa・sとい
う高粘度のものが使用されている。また、泡立ちについ
ての解決手段についても記載がない。
【0008】以上説明したように、含フッ素系重合体粒
子を媒体に分散させた塗料組成物をカーテンフローコー
ターで塗装することは困難であるため、現在、一般的に
含フッ素系重合体粒子を分散させた塗料組成物はスプレ
ーコート法またはロールコート法で塗装されている。し
かしスプレーコート法では塗装効率がわるく、塗料組成
物のロスが多いという問題があり、ロールコート法では
塗装効率は高いが、ロール目(跡)が塗膜に残るという
問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように泡立ちが
多く、長時間の連続運転に不利な含フッ素系重合体粒子
を含む液状の塗料組成物を用いたカーテンフローコータ
ーによる被覆方法について鋭意検討した結果、貯溜槽か
らヘッド部への塗料組成物の供給方法と、使用時におけ
る塗料組成物の粘度範囲を工夫することにより、泡立ち
が少なく、しかも連続運転しても表面平滑性に優れた乾
燥塗膜を与えることができる被覆方法を見出し、本発明
を完成するにいたった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒子径が
0.01〜100μmである含フッ素重合体粒子を含
み、使用時の粘度が0.1〜500mPa・sである液
状の塗料組成物をカーテンフローコーターにより基材に
塗布することを特徴とする基材の被覆方法に関する。
【0011】また本発明は、スリットを有するヘッド部
と、液状塗料組成物の貯溜槽と、該貯溜槽中に配置され
かつ回転部分を有する塗料供給ポンプと、基材供給コン
ベアとからなり、液状塗料組成物を貯留槽から塗料供給
ポンプにより該ポンプの回転部分の外周の周速度を調節
することによってヘッド部に送り、スリットから流下さ
せ、コンベアで送られて来る基材表面に塗布するカーテ
ンフローコーター(以下、「カーテンフローコーター
(I)」という)を用いて基材を被覆する方法であっ
て、該液状塗料組成物が平均粒子径0.01〜100μ
mの含フッ素重合体粒子を含み、かつ使用時の粘度が
0.1〜500mPa・sである液状の塗料組成物であ
り、該塗料組成物を塗料供給ポンプの回転部分の外周部
の周速度が0.1〜12.0m/秒の条件でヘッド部に
供給することを特徴とする基材の被覆方法に関する。
【0012】さらにまた本発明は、スリットを有するヘ
ッド部と、液状塗料組成物の下部貯溜槽と、液状塗料組
成物の上部貯溜槽と、空気圧ポンプと、基材供給コンベ
アとからなり、液状塗料組成物を下部貯留槽から空気圧
ポンプにより上部貯溜槽に送り、上部貯溜槽からヘッド
部に自然落下により送り、ついでスリットから流下さ
せ、コンベアで送られて来る基材表面に塗布する新規な
方式のカーテンフローコーター(以下、「カーテンフロ
ーコーター(II)」という)を用いて基材を被覆する方
法であって、該液状塗料組成物が平均粒子径0.01〜
100μmの含フッ素重合体粒子を含み、かつ使用時の
粘度が0.1〜500mPa・sである液状の塗料組成
物であることを特徴とする基材の被覆方法に関する。
【0013】これらの方法に使用する前記液状塗料組成
物としては、塗料組成物100重量部(以下、「部」と
いう)に対して、消泡作用を有する有機液体、ポリエー
テル系高分子界面活性剤、脂肪酸エステル、金属石ケン
およびシリコーン系化合物よりなる群から選ばれる少な
くとも1種が0.01〜15.0部添加された組成物を
用いることが好ましい。
【0014】前記使用時の塗料の温度としては、0〜2
5℃の範囲が適当である。
【0015】本発明はさらに、基材をこれらの被覆方法
によって被覆して得られる塗装物品にも関する。
【0016】また、本発明は低塗料流量であっても極め
て均一な膜厚に塗装できる塗料供給機構を備えたヘッド
部を有するカーテンフローコーターにも関する。かかる
塗料供給機構は、ヘッド部内に塗料を供給する流入口
が、スリットを横切る方向に設けられている2つの側壁
に互いに対向した位置で同数配置されたことを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明で使用する含フッ素系重合
体は基材である被塗装物品に、たとえば非粘着性や潤滑
性を付与するために好適に使用される。
【0018】好ましい含フッ素系重合体としては、フッ
素原子またはフッ素原子および塩素原子で水素原子の一
部または全部が置換されているモノエチレン系不飽和炭
化水素の単独重合体または共重合体であり、単独重合体
および/または共重合体を含む混合物も使用できる。以
下に具体例をあげるが、これらに限定されるものではな
い。
【0019】単独重合体としては、たとえばポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライ
ド(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)があげら
れる。
【0020】共重合体としては、たとえばテトラフルオ
ロエチレン(TFE)とTFEと共重合し得る単量体、
たとえば一般式(I): X(CF2mnCF=CF2 (I) (式中、Xは水素原子、塩素原子またはフッ素原子、m
は1〜6の整数、nは0または1を表わす)で示される
化合物、一般式(II): C37O[CF(CF3)CF2O]p−CF=CF2 (II) (式中、pは1または2を表わす)で示される化合物、
一般式(III): X(CF2qCY=CH2 (III) (式中、Xは前記と同じ。Yは水素原子またはフッ素原
子、qは1〜6の整数を表わす)で示される化合物との
共重合体があげられる。
【0021】具体杓には、たとえばTFE−パーフルオ
ロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体
(PFA)、TFE−ヘキサフルオロプロピレン(HF
P)共重合体(FEP)があげられる。これら以外にT
FE−クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合
体、TFE−ビニリデンフルオライド(VdF)共重合
体、TFE−トリフルオロエチレン(3FH)共重合
体、TFE−エチレン共重合体(ETFE)、VdF−
HFP共重合体、エチレン−CTFE共重合体(ECT
FE)、エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、TFE−プロピレン共重合体があげられる。
【0022】また3元共重合体としては、たとえばVd
F−TFE−HFP共重合体をあげることができる。
【0023】前記単独重合体または共重合体の混合物と
しては、たとえばPTFEとPFA、PTFEとFE
P、PTFEとPFAとFEP、PFAとFEPなどが
あげられる。
【0024】そのほか、(メタ)アクリル酸のパーフル
オロアルキル基含有エステル、たとえば
【0025】
【化1】
【0026】(式中、Rfは炭素数4〜20のパーフル
オロアルキル基、Rlは水素または炭素数1〜10のア
ルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキレン基、R3
水素またはメチル基、R4は炭素数1〜17のアルキル
基であり、rは1〜10の整数を表わす)など、または
パーフルオロアルキル基を含有するカルボン酸のビニル
エステル、たとえば Rf(CH2sCOOCH=CH2 (式中、Rfは前記と同じ、sは0〜10の整数を表わ
す)など、または(メタ)アクリル酸のパーフルオロア
ルキル基含有アリルエステル、たとえば RfCH=CH(CH2rOCOCR3=CH2 (式中、Rfおよびrは前記と同じ)などの単独重合体
もしくは共重合体、またはこれらの単量体とこれと共重
合し得る他の単量体からなる共重合体があげられる。
【0027】他の共重合し得る単量体としてはたとえ
ば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(アルキル
の炭素数1〜20)、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ルまたはベンジルエステル、ジ(メタ)アクリル酸ポリ
エチレングリコール、N−メチロールプロパンアクリル
アミド、エチレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、(メ
タ)アクリル酸アミド、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、ビニルアルキルエーテル(ア
ルキルの炭素数1〜20)、ハロゲン化アルキルビニル
エーテル(アルキルの炭素数1〜20)、ビニルアルキ
ルケトン(アルキルの炭素数1〜20)、無水マレイン
酸、ブタジエン、イソプレン、クロロブレンなどをあげ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】前記含フッ素重合体粒子は通常、水性媒体
中で界面活性剤の存在下、前記単量体のいわゆる乳化重
合によって製造される。その平均粒子径は0.01〜1
00μmであり、含フッ素重合体粒子の分散安定性が良
好であることから0.1〜10μmの範囲であることが
好ましい。
【0029】本発明で使用する塗料組成物中の樹脂粒子
として前記含フッ素重合体に加えて、造膜性、耐腐食性
などの塗膜性能を改善する目的で含フッ素系以外の樹脂
を添加することもできる。具体的にはポリアミド樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテル
スルホン樹脂、ポリフェニレンスルフイド樹脂、フェノ
ール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メ
ラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ア
クリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、シリコーン樹
脂、シリコーンポリエステル樹脂などを例示することが
できるが、これらに限定されるものではない。これらの
他の樹脂の平均粒径も含フッ素系重合体と同様の範囲の
ものが好ましい。
【0030】本発明に使用する液状塗料組成物の液状媒
体は、水もしくは水を主成分とする混合液体(以下、あ
わせて「水性媒体」という)、または有機液体もしくは
有機液体を主成分とする混合液体(以下、あわせて「有
機媒体」という)である。
【0031】有機媒体には、たとえばN−メチル−2−
ピロリドンやジメチルアセトアミドなどの含窒素系溶
剤;γ−ブチロラクトンなどの含酸素系溶剤;キシレン
やトルエンなどの芳香族炭化水素類;ミネラルスピリッ
ト(日本工業規格、工業ガソリン4号)やソルベッソ
(エクソン化学社製)に代表される石油系混合溶剤など
の炭化水素類;酢酸ブチルなどのエステル類;メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン類;ブチルセロソルブなど
のグリコールエーテル類;1−ブタノールなどのアルコ
ール類から選ばれる少なくとも1種を使用することがで
きるが、これらに限定されるものではない。
【0032】本発明において、液状塗料組成物に含フッ
素重合体粒子の分散安定性を向上させるために、分散安
定剤としての界面活性剤を添加することができる。具体
的には、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面
活性剤、パーフルオロクタン酸アンモニウムなどの含フ
ッ素系アニオン性界面活性剤などを例示することができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0033】さらに、塗料の混合、輸送、塗装、回収な
どの際に発生し得る泡を消失させるために消泡剤を加え
ることが好ましい。消泡剤としては、有機液体、ポリエ
ーテル系高分子界面活性剤、脂肪酸エステル、金属石ケ
ンまたはシリコーン系化合物などの1種または2種以上
があげられる。
【0034】消泡剤としての有機液体は液状担体が水性
媒体場合に使用し、以下のものが例示できるが、これら
に限定されるものではない。
【0035】具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルアセトアミド、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミンなどの含窒素系溶剤;γ−ブチロラクト
ンなどの含酸素系溶剤;キシレン、トルエンなどの芳香
族炭化水素類;ミネラルスピリット(日本工業規格、工
業ガソリン4号)やソルベッソ(エクソン化学社製)に
代表される石油系混合溶剤などの炭化水素類;酢酸ブチ
ルなどのエステル類;メチルイソブチルケトン、アセト
ンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどの
多価アルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル
類;ブチルセロソルブなどのグリコールエーテル類;1
−ブタノール、メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコールなどの1価のアルコール類;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−
ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オー
ルなどのアセチレン類を例示することができ、これらか
ら選ばれた少なくとも1種を使用することができる。少
量で消泡効果が得られるトルエン、キシレン、ミネラル
スピリット、ソルベッソ、エチレングリコール、2,
4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオ
ールから選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられ
る。
【0036】消泡剤としてのポリエーテル系高分子界面
活性剤としては、たとえばソルビタンラウリン酸モノエ
ステル、ソルビタンラウリン酸トリエステル、ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキ
シプロピレンランダム共重合体、オキシエチエレン−オ
キシプロピレンブロック共重合体などから選ばれる少な
くとも1種以上のHLB値(親水性)の低い非イオン性
界面活性剤を使用することができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0037】消泡剤としての脂肪酸エステルとしては、
たとえば脂肪酸とグリセリンのトリグリセリルエステル
(いわゆるトリグリセリド)、脂肪酸と高級一価アルコ
ール類または二価アルコールとのエステル(いわゆるロ
ウまたはワックス)などを使用することができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0038】消泡剤としての金属石ケンとしては、たと
えば脂肪酸、樹脂酸、ナフテン酸のアルカリ金属以外の
金属塩などを使用することができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0039】消泡剤としてのシリコーン系化合物として
は、たとえばジメチルシリコーン、メチル塩化シリコー
ン、有機変性シリコーンなどから選ばれる少なくとも1
種を使用することができるが、これらに限定されるもの
ではない。シリコーン系化合物を有機溶剤に溶解した溶
液の形態やシリコーン系化合物を水に乳化分散したエマ
ルジョン形態でも使用することができる。
【0040】本発明に使用する塗料組成物には必要に応
じて配合される消泡剤としての有機液体、ポリエーテル
系高分子界面活性剤、シリコーン系化合物は、塗料組成
物100部に対して0.01〜15.0部、好ましくは
0.02〜10.0部添加することができる。
【0041】本発明に使用する塗料組成物にはさらに、
塗膜の用途に応じてあるいは塗装性や塗膜改善を目的と
して各種の添加剤を配合することができる。添加剤とし
ては、たとえば固体潤滑剤、顔料、充填材、顔料分散
剤、沈降防止剤、水分吸収剤、表面調整剤、チキソトロ
ピー性付与剤、粘度調節剤、ゲル化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、可塑剤、色分かれ防止剤、皮張り防止
剤、スリ傷防止剤、防カビ剤、抗菌剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、シランカップリング剤などがあげられる。
【0042】本発明に使用する塗料組成物の使用時にお
ける粘度は0.1〜500mPa・sである必要があ
り、好ましくは1〜300mPa・s、さらに好ましく
は5〜130mPa・sである。使用時の塗料の温度と
しては通常0〜25℃であり、10〜25℃とするのが
さらに好ましい。塗料粘度が高すぎると破泡し難いため
塗膜に泡の痕跡が乾燥焼成後でも多く残存し、長時間カ
ーテンフローコーターを運転すると貯溜槽に固形分が付
着してしまい、塗膜中の泡の痕跡がさらに多くなる。塗
料の粘度が低すぎると基材に付着した塗料が流れる傾向
にある。塗装時の温度が低すぎると塗料組成物の液状担
体が水の場合には凍結し、あるいは塗料の流動性がわる
いため塗料を液状担体で希釈する必要が生じ、塗装乾燥
後の塗膜の膜厚が薄くなってしまう。また、塗装時の温
度が25℃以上では含フッ素重合体粒子が凝集しやすく
なる。本発明における粘度の測定は、JIS K540
0−4.5.3に記載されている単一円筒回転粘度計
(SB型粘度計)で行なう。
【0043】本発明の被覆方法で被覆する基材として
は、たとえば鉄、アルニニウム、銅またはこれらの合金
などの金属類;ホーロー、ガラス、セラミックスなどの
無機材料などを例示することができるが、これらに限定
されるものではない。カーテンフローコーターで塗装を
行なう前に脱脂、化成処理、酸あるいはアルカリエッチ
ング、サンドプラストなどの下地処理を塗料の種類や用
途に応じて適宜行なうことが望ましい。
【0044】本発明で使用できるカーテンフローコータ
ーとしては公知のカーテンフローコーター(I)でも、
含フッ素重合体粒子用に特に改良されたカーテンフロー
コーター(II)でもよい。
【0045】まずカーテンフローコーター(I)を図1
に示す概略フローチャートにしたがって説明する。カー
テンフローコーター(I)は、基本的に、スリット4を
有するヘッド部3と、液状塗料組成物1の貯溜槽5と、
該貯溜槽中5に配置されかつ回転部分(インペラー)7
を有する塗料供給ポンプ6と、基材供給コンベア8とか
らなり、液状塗料組成物1を下部にある貯留槽5から塗
料供給ポンプ6により該ポンプの回転部分7の外周の周
速度を調節することによって輸送管20を介してヘッド
部3に送り、スリット4から流下させ、コンベア8で送
られて来る基材2の表面に塗布する装置である。
【0046】塗料供給ポンプ6は塗料組成物1の粘度に
応じていくつかの種類のものが用いられるが、使用時の
塗料粘度が0.1〜500mPa・sという比較的低粘
度の場合、ポンプ6の回転部分7であるインペラー(回
転翼)を回転させることによって貯溜槽7の塗料組成物
1に渦巻き流を生じさせ、遠心力を利用して塗料組成物
を吸い上げる遠心式ポンプが好ましい。この場合、回転
部分(インペラー)7の外周部の周速度は0.1〜1
2.0m/秒である必要があり、1.0〜8.0m/秒
が好ましく、3.0〜7.0m/秒がさらに好ましい。
周速度が遅すぎると塗料組成物を吸い上げることができ
ず、速すぎると塗料組成物に強いセン断がかかり含フッ
素重合体粒子の凝集が起きたり、繊維化してしまう。回
転部分(インペラー)の外周部の周速度は以下の式によ
って求めることができる。 (周速度:m/秒)=(インペラーの1分間の回転数:
rpm)×2×(インペラーの半径:m)×(円周率)
/60
【0047】また通常、ポンプ6からヘッド部3へ塗料
組成物を送る輸送管20に、流量調整バルブ16や異物
(たとえば大粒径の凝集物など)を除去するためのフィ
ルターチャンバー17が設けられている。
【0048】塗料供給ポンプ6としては、前記の遠心ポ
ンプ以外に、斜流ポンプ、軸流ポンプ、歯車ポンプ、ベ
ーンポンプ、ねじポンプ、カムポンプ、スクリューポン
プ、渦流ポンプなどの回転部分を有するポンプも使用で
きる。
【0049】カーテンフローコーター(I)を使用する
ときは、以上の条件(含フッ素重合体粒子の平均粒径、
塗料組成物の使用時の粘度、および供給ポンプの回転部
の外周の周速度)を本発明の範囲に設定するとき、含フ
ッ素重合体の塗料組成物を連続して基材に塗装できる。
その他の操作条件は、適宜選定される。
【0050】つぎにカーテンフローコーター(II)につ
いて図2に示す概略フローチャートにしたがって説明す
る。カーテンフローコーター(II)は、スリット4を有
するヘッド部3と、液状塗料組成物1の下部貯溜槽5a
と、液状塗料組成物1の上部貯溜槽5bと、空気圧ポン
プ9と、基材供給コンベア8とからなり、液状塗料組成
物1を下部貯留槽5aから空気圧ポンプ9により上部貯
溜槽5bに送り、上部貯溜槽5bからヘッド部3に自然
落下により送り、ついでスリット4から流下させ、コン
ベア8で送られて来る基材2の表面に塗布する装置であ
る。
【0051】このカーテンフローコーター(II)は下部
貯溜槽5aと上部貯溜槽5bと空気圧ポンプ9を組合せ
て塗料組成物を輸送し、供給する点で新規である。前記
のように、含フッ素重合体粒子を含む塗料組成物にセン
断力をかけると凝集や繊維化が生じやすくなる。そこで
このカーテンフローコーター(II)では空気圧ポンプ9
を採用することによりセン断力を最小限に止めている。
空気圧ポンプ9はチャンバー10、連結バルブ11、圧
縮空気用バルブ12、放出バルブ13、輸送管14およ
び該輸送管14に配設されている逆流防止バルブ15と
から基本的に構成されている。操作は、まず連結バルブ
11を開放し下部貯溜槽5a中の塗料組成物をチャンバ
ー10に導入する。このとき圧縮空気用バルブ12およ
び逆流防止バルブ15を閉じ、放出バルブ13を開いて
おく。ついで連結バルブ11と放出バルブ13を閉じ、
圧縮空気用バルブ12を開放してチャンバー10の上部
空間の圧力を高める。所定の圧力になったとき逆流防止
バルブ15を開放すると塗料組成物は輸送管14を通
り、また要すればフィルターチャンバー17を通って上
部貯溜槽5bに押出される。チャンバー10内の塗料組
成物が送り出されると、逆流防止バルブ15および圧縮
空気用バルブ12を閉じ、連結バルブ11および放出バ
ルブ13を開放して初期状態に戻る。上部貯溜槽5bに
上げられた塗料組成物はその静圧による自然落下により
ヘッド部3に流下し、スリット4からカーテン状の膜と
なって基材2に塗布される。ヘッド部3への流下量を調
節するために流量調整バルブ16を設けてもよい。空気
圧ポンプ9による塗料組成物の汲み上げ操作はスリット
4からの流下を定常状態で実施できるようなサイクルで
繰り返される。
【0052】空気圧ポンプ9としては、前記の圧縮空気
を送り込むタイプのポンプ以外に、ピストンポンプ、プ
ランジャポンプ、ダイヤフラムポンプなども使用でき
る。
【0053】このようにカーテンフローコーター(II)
では塗料組成物にセン断力を加える部分がほとんどな
く、凝集や繊維化という特別の問題をもつ含フッ素重合
体粒子の塗料組成物用のカーテンフローコーターとして
有利である。
【0054】チャンバー10にかける空気圧は、塗料組
成物の粘度や含フッ素重合体の種類、スリット4の有効
幅などによって適宜選定すればよい。好ましくは0.0
1〜1.0MPa程度である。
【0055】カーテンフローコーター(I)および(I
I)に共通するその他の好ましい条件などについて簡単
に説明する。
【0056】ヘッド部3のスリット4の間隙は使用する
塗料組成物の粘度および流量において塗料組成物のカー
テン状の膜が切れないように調整する。通常、0.1〜
1.0mmの範囲とする。
【0057】基材(被塗物)2を水平に移動させるコン
ベア8の速度は、遅いと塗布量が多くなり、速いと塗布
量が少なくなる。所望の塗布量となるようにコンベアの
速度を決めるが、通常毎分20〜150mの範囲とす
る。
【0058】ところで、通常、ヘッド部3への塗料の供
給は1本の輸送管20の途中に流量調整バルブ16を設
け、ヘッド部3の概略断面図である図5に示すように、
スリット4を横切る方向に設けられた側壁21aおよび
21bの一方の側壁21aに流入口22aを設けること
により行なっている。
【0059】しかし輸送中の泡の発生を抑制したり、膜
厚の薄い塗膜を形成したりするために塗料の供給流量を
少なくすると、当然にヘッド部3への塗料の供給量が減
少し、ヘッド部3内の塗料1の量が少なくなる。そうす
ると流入口22aから遠い部分の流下量が少なくなり、
スリット4から流下する塗料の量がスリット4の長手方
向でバラつく。その結果、基材2に塗装された塗膜の膜
厚が流入口22aより遠い部分で薄くなってしまう。
【0060】そうした塗料の流下量のバラツキを少なく
するべく検討したところ、図3に示すように、ヘッド部
3への塗料の供給を側壁21aと側壁21bにそれぞれ
設けられた流入口22aおよび22bの両方から同時に
行なうことにより、塗料供給量が少なくなりヘッド部3
内の塗料1の量が減ってもスリット4の長手方向の流下
量にバラツキが生じなくなり、得られる塗膜の膜厚のバ
ラツキもなくなることを見出した。
【0061】流入口22aおよび22bへの塗料の輸送
は、たとえば輸送管20をフィルターチャンバー17の
ヘッド部3寄りで2本に分岐させて2本の輸送管23a
および23bとし、それぞれの輸送管23a、23bに
流量調整バルブ24a、24bを設け、流入口22a、
22bに接続する方法がある。図示していないが、もち
ろん供給ポンプ(図1に示す)を2個使用し、各流入口
に流量調整バルブを介して直接接続してもよい。
【0062】対向する流入口22aおよび22bからヘ
ッド部3内への塗料の流入量は、実質的に同じになるよ
うに流量調整バルブ24aおよび24bで調整される。
【0063】各側壁21aまたは21bに設けられる流
入口の個数は1個でも複数個でもよいが、同数であるこ
とが好ましい。
【0064】この同時供給機構をヘッド部に設けること
により、供給流量を低く抑える必要のある含フッ素重合
体含有塗料はもちろんのこと、その他の塗料において
も、流量を低くしなければならない場合は極めて有効な
手段である。
【0065】本発明においてカーテンフローコーターで
塗料組成物を塗装後、塗料組成物の種類に応じて10〜
420℃で10〜45分間の条件で乾燥および焼付けを
行なう。塗膜乾燥後、必要に応じてさらにカーテンフロ
ーコーターを使用して塗装を行なうこともでき、この工
程を繰り返すことによって2層以上の塗膜を塗り重ねる
ことも可能である。
【0066】かくして得られる塗膜は従来のスプレーコ
ート法で塗装した塗膜に比べて表面平滑性に優れてお
り、光沢も良好である。
【0067】塗装物品の用途は特に限定されないが、塗
膜の非粘着性を利用する場合、フライパン、鍋、グリル
鍋、炊飯器、オーブン、電気ポット、製氷トレー、ホッ
トプレート、パン焼き型、包丁、ガステーブルなどの金
属製の調理器具;ロール、レンジフード、金型などの一
般工業用途;また塗膜の滑り性を利用する場合、のこぎ
り、やすりなどの工具;アイロン、ベアリング、バル
ブ、電線、金属箔(摺動部材用)などを例示することが
できる。
【0068】
【実施例】つぎに実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0069】実施例1 PTFE水性分散液(平均粒子径0.28μmのPTF
E粒子の水性分散液(固形分60重量%)。分散安定剤
としてのポリエーテル系非イオン性界面活性剤をPTF
Eに対して6重量%含有している)100部、ポリアミ
ドイミド水性分散体(固形分29重量%のポリアミドイ
ミドワニス(N−メチル−2−ピロリドンを71重量%
含む)20部と脱イオン水9部を混合攪拌して調製した
ポリアミドイミドの水性分散体(固形分20重量%))
98.84部、ミルベース1(顔料。脱イオン水90.
2部、ポリエーテル系非イオン性界面活性剤6.24
部、カーボン31.1部の混合物をボールミルで混合し
た混合物)6.59部、フルオロカルボン酸アンモニウ
ム塩(分散安定剤)1.39部、脱イオン水(液状担
体)30.98部、ポリエーテル系高分子界面活性剤1
(分散安定剤。ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル)1.39部、メチルセルロース(増粘剤)0.4
部およびアセチレン系消泡剤1(2,4,7,9−テト
ラメチル−5−デシン−4,7−ジオールと非イオン性
界面活性剤の混合物)0.63部を攪拌機により充分混
合してプライマー用の塗料組成物を調製した。
【0070】この塗料組成物を図1に示すカーテンフロ
ーコーター(I)(遠心式ポンプの回転部分(インペラ
ー)の外周の周速度5m/秒、スリット4の間隙0.5
mm、コンベア有効幅300mm、コンベア長1010
mm(2本設置)。コンべア速度は80〜100m/分
に調整した)を用いて、予め脱脂およびサンドブラスト
処理を施したアルミニウム板に乾燥後の膜厚が12〜1
5μmとなるように18〜22℃にてプライマー塗装を
行なった後、80〜100℃で15分間乾燥して、乾燥
塗膜を作製した。使用(塗装)時の粘度(20℃)は1
16mPa・sであり、塗装はカーテンフローコーター
の運転開始から30分後に開始した。なお、プライマー
層であるため、焼き付けは行なわなかった。
【0071】粘度の測定は(株)東京計器製B型粘度計
(BM型)、No.2ローターを用いてローターの回転
数60rpmで2分間回転させて20℃で測定した。
【0072】塗装開始30分後に得られた乾燥塗膜の塗
膜外観をつぎの方法で調べたところ、目視観察では「良
好」であり、顕微鏡観察では5点であった。
【0073】(塗膜外観) 目視観察:塗膜表面の泡の痕跡や凹みの有無を目視で観
察し、異常が認められないときを「良好」とする。 顕微鏡観察:(株)ニコン製の金属顕徹境(倍率30
倍)を用いて泡の痕跡の有無を観察し、泡の痕跡の多さ
を5段階で評価する。 1点=泡の跡が1平方mmあたり20個を超える 2点=泡の跡が1平方mmあたり10個より多く20個
以下 3点=泡の跡が1平方mmあたり3個より多く10個以
下 4点=泡の跡が1平方mmあたり1〜3個 5点=泡の痕跡がない。
【0074】実施例2〜7 液状塗料組成物をつぎに示す成分を表1に示す割合(重
量部)で混合して調製し、実施例1で作製したプライマ
ー層にカーテンフローコーター(I)を用いて重ねて塗
装した。
【0075】(樹脂成分) PTFE水性分散液:平均粒子径0.28μmのPTF
E粒子の水性分散液(固形分60重量%)。分散安定剤
としてのポリエーテル系非イオン性界面活性剤をPTF
Eに対して6重量%含有している。
【0076】ポリエーテル系樹脂エマルジョン:分子量
約2000のポリエーテル系ウレタン樹脂の水性分散体
(固形分30重量%)。
【0077】(分散安定剤) パーフルオロクタン酸アンモニウム ラウリル硫酸ナトリウム
【0078】(消泡剤) ポリエーテル系高分子界面活性剤2:平均分子量250
00のオキシエチレンーオキシフロピレンランダム共重
合体 (消泡剤としてのポリエーテル系高分子界面活性剤トル
エン(有機液体としての消泡剤)
【0079】ミネラルスピリット(有機液体としての消
泡剤):日本工業規格の工業ガソリン4号であり、飽和
炭化水素と芳香族炭化水素の混合物(沸点範囲160〜
200℃)。
【0080】アセチレン系消泡剤2:2,4,7,9−
テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール/エチレ
ングリコール(75/25、重量比)の混合物。
【0081】シリコーン系消泡剤:アルキル変性シリコ
ーンオイルを分散安定剤としての非イオン性界面活性剤
で水に乳化したエマルジョン(固形分30重量%)。
【0082】(pH調整剤) コハク酸
【0083】(着色剤) ミルベース2:脱イオン水6.75部、分散安定剤とし
てのポリエーテル系非イオン性界面活性剤0.72部、
パーフルオロクタン酸アンモニウム0.18部、カーボ
ン0.90部、ベンガラ(α−三酸化二鉄)0.45部
の混合物をボールミルで混合した混合物。
【0084】(充填剤) 二酸化チタン被覆雲母:二酸化チタンで被覆された雲母
で比重約3、平均粒子径30μmのもの。
【0085】(液状担体) 脱イオン水 カーテンフローコター(I)は実施例1と同じ仕様のも
のを使用し、コンベア速度は目的とする膜厚に応じて4
5〜90m/分の間で調整した。
【0086】(塗装方法)実施例1で作製したプライマ
ー層の上に実施例2〜7の塗料組成物を表1にそれぞれ
示す塗装条件(ポンプのインペラーの周速度)で乾燥後
の膜厚が17〜22μm(表1)になるように塗装し
た。塗装はカーテンフローコーター運転開始後約30分
経過してから実施した。
【0087】塗装開始30分後に得られた被塗装物を8
0〜100℃で10分間乾燥した後380℃で20分間
焼成し、室温まで冷却した後、前記の塗膜外観およびつ
ぎの塗膜試験を行なった。結果を表1に示す。
【0088】(表面粗度)東京精密(株)製の表面粗さ
計(商品名:サーフコム)を用いて塗膜の表面粗度の平
均値(Ra値)を求める。
【0089】(光沢)スガ試験機(株)製のSMカラー
コンピューター(SM−7型)を用いて入射角60度−
受光角60度の条件で塗膜表面の光沢度を測定する。
【0090】実施例8 表1に示す組成で液状塗料組成物を調製し、つぎの仕様
のカーテンフローコーター(II)を用いて実施例1で作
製したプライマー層の上に20℃にて塗装した。塗装は
カーテンフローコーター運転開始後約30分経過してか
ら実施した。
【0091】塗装開始30分後に得られた被塗装物を8
0〜100℃で10分間乾燥した後380℃で20分間
焼成し、室温まで冷却した後、実施例2と同様にして塗
膜外観および塗膜試験を行なった。結果を表1に示す。
【0092】カーテンフローコーター(II) 図2に示す装置。スリット4の間隙0.5mm、コンベ
ア有効幅300mm、コンベア長1010mm(二本設
置)。コンベア速度は45〜90m/分に調整した。チ
ャンバー10の最大空気圧を0.1MPaとした。
【0093】比較例1 表1に示す組成で液状塗料組成物を調製した。この塗料
組成物を重力式ノズル径1.0mmのスプレーガン(ア
ネスト岩田(株)製のRG−2型)を用い、乾燥後の膜
厚が20μmとなるように吹付け圧力0.2MPaとい
う条件でスプレー塗装した。
【0094】塗装後、80〜100℃で10分間乾燥し
た後380℃で20分間焼成し、室温まで冷却した後、
実施例2と同様にして塗膜外観および塗膜試験を行なっ
た。結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】実施例9 実施例2とまったく同じ条件でカーテンフローコーター
(I)を7時間連続運転した後、塗装を実施し、乾燥焼
付けした。得られた塗装物品について実施例2と同様に
して塗膜物性および塗膜外観を調べたところ、実施例2
とまったく同じく良好な結果が得られた。
【0097】実施例1〜9および比較例の結果から明ら
かなように、平均粒子径が0.01〜100μmである
含フッ素重合体粒子含み、かつ使用時(0〜25℃)に
おける粘度が0.1〜500mPa・sに調整された液
状塗料組成物を用いるときは、含フッ素重合体粒子を含
む塗料組成物への適用が困難であったカーテンフローコ
ーターを使用することができ、表面粗度が小さく、光沢
に優れ、顕微鏡で観察しても泡の痕跡が存在しないか少
ない塗膜が得られる。
【0098】また、塗料供給ポンプに回転部分をもつカ
ーテンフローコーター(I)を使用する場合、塗料供給
ポンプの回転部分の外周部の周速度を0.1〜12.0
m/秒の条件でヘッド部へ塗料を供給するときには、顕
微鏡で観察しても泡の痕跡が存在しない塗膜が得られ
る。一方、空気圧ポンプを使用するカーテンフローコー
ター(II)の場合も表面粗度が小さく、光沢に優れ、顕
微鏡で観察しても泡の痕跡が存在しない塗膜が得られ
る。
【0099】実施例10 カーテンフローコーターとして図1に示すタイプ(I)
を使用し、この輸送管20をフィルターチャンバー17
の上部で2つに分岐し、この2本の輸送管23aおよび
23bをそれぞれ図3に示すようにヘッド部3に設けら
れた流入口22aおよび22bに接続した。
【0100】塗料として実施例2で使用した塗料を用
い、遠心式ポンプの回転部分(インペラー)の外周の周
速度4.7m/秒、スリット4の間隙0.5mm、コン
ベア有効幅300mm、コンベア長1010mm(2本
設置)。コンべア速度は85m/分に調整した)の塗装
条件で、予め脱脂およびサンドブラスト処理を施したア
ルミニウム板(200mm×200mm×1.5mm)
に乾燥後の膜厚が20μmとなるように、カーテンフロ
ーコーターの運転開始から30分後に塗装を開始した。
【0101】塗装開始30分後に得られた被塗装物を8
0〜100℃で10分間乾燥した後380℃で20分間
焼成し、室温まで冷却した後、前記の塗膜物性および塗
膜外観を調べ、さらに被験塗装物品の各部分における塗
膜の膜厚をつぎの要領で測定した。結果を表2に示す。
【0102】なお、参考までに、実施例2(流入口が1
個の場合)で得られた塗装物品についても、膜厚を測定
した。
【0103】(膜厚の測定)図4に平面図として示す焼
成後の被験塗装物品25について、図4に示すA〜Dの
4点における膜厚を(株)サンコウ電子研究所製の渦電
流式膜厚計EL−10D型により測定する。
【0104】実施例11 実施例10において、遠心式ポンプの回転部分(インペ
ラー)の外周の周速度を4.0m/秒に減速したほかは
実施例10と同様にして塗装し、得られた塗装物品の塗
膜物性、塗膜外観および膜厚を調べた。結果を表2に示
す。
【0105】
【表2】
【0106】表2から、ヘッド部への塗料の流入口が1
つよりも対向して2個設ける方が得られる塗装物品の塗
膜の膜厚をより一層均一にできることがわかる。なお、
参考にあげた実施例2で得られた塗装物品は、塗膜の膜
厚均一性の面からは若干劣るが、塗膜物性および塗膜外
観は従来の方法で製造されたものより優れていることは
表1で明らかにされており、高度な膜厚均一性が要求さ
れない用途(たとえばフライパンなどの調理器具など)
には何ら問題なく使用できる。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、従来含フッ素重合体を
含む塗料組成物の塗装には使用が困難であったカーテン
フローコーターを適用することができ、連続して多量に
塗装ができるとともに、塗料の再使用ができるので経済
的であり、環境に優しい被覆方法が提供できる。
【0108】また得られる塗装物品の塗膜は、表面粗度
が小さく、光沢に優れ、顕微鏡で観察しても泡の痕跡が
存在しないか少ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するカーテンフローコーター
(I)の概略フローチャートである。
【図2】本発明で使用するカーテンフローコーター(I
I)の概略フローチャートである。
【図3】本発明の好ましい形態で使用するヘッド部への
塗料供給機構の概略断面図である。
【図4】本発明において、塗装物品の塗膜の膜厚測定点
を説明するための塗板の平面図である。
【図5】従来のヘッド部への塗料供給機構の概略断面図
である。
【符号の説明】 1 液状塗料組成物 2 基材 3 ヘッド部 4 スリット 5 貯溜槽 5a 下部貯溜槽 5b 上部貯溜槽 6 塗料供給ポンプ 7 回転部分 8 基材供給コンベア 9 空気圧ポンプ 10 チャンバー 11 連結バルブ 12 圧縮空気用バルブ 13 放出バルブ 14 輸送管 15 逆流防止バルブ 16 流量調整バルブ 17 フィルターチャンバー 20 輸送管 21a 側壁 21b 側壁 22a 流入口 22b 流入口 23a 輸送管 23b 輸送管 24a 流量調整バルブ 24b 流量調整バルブ 25 被験塗装物品
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AC14 AC74 AC84 EB16 EB35 EB42 EC35 EC52 EC53 EC54 4F041 AA02 AB01 CA04 CA15 4F042 BA15 CB02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.01〜100μmであ
    る含フッ素重合体粒子を含み、使用時の粘度が0.1〜
    500mPa・sである液状の塗料組成物をカーテンフ
    ローコーターにより基材に塗布することを特徴とする基
    材の被覆方法。
  2. 【請求項2】 スリットを有するヘッド部と、液状塗料
    組成物の貯溜槽と、該貯溜槽中に配置されかつ回転部分
    を有する塗料供給ポンプと、基材供給コンベアとからな
    り、液状塗料組成物を貯留槽から塗料供給ポンプにより
    該ポンプの回転部分の外周の周速度を調節することによ
    ってヘッド部に送り、スリットから流下させ、コンベア
    で送られて来る基材表面に塗布するカーテンフローコー
    ターを用いて基材を被覆する方法であって、該液状塗料
    組成物が平均粒子径0.01〜100μmの含フッ素重
    合体粒子を含み、かつ使用時の粘度が0.1〜500m
    Pa・sである液状の塗料組成物であり、該塗料組成物
    を塗料供給ポンプの回転部分の外周部の周速度が0.1
    〜12.0m/秒の条件でヘッド部に供給することを特
    徴とする基材の被覆方法。
  3. 【請求項3】 スリットを有するヘッド部と、液状塗料
    組成物の下部貯溜槽と、液状塗料組成物の上部貯溜槽
    と、空気圧ポンプと、基材供給コンベアとからなり、液
    状塗料組成物を下部貯留槽から空気圧ポンプにより上部
    貯溜槽に送り、上部貯溜槽からヘッド部に自然落下によ
    り送り、ついでスリットから流下させ、コンベアで送ら
    れて来る基材表面に塗布するカーテンフローコーターを
    用いて基材を被覆する方法であって、該液状塗料組成物
    が平均粒子径0.01〜100μmの含フッ素重合体粒
    子を含み、かつ使用時の粘度が0.1〜500mPa・
    sである液状の塗料組成物であることを特徴とする基材
    の被覆方法。
  4. 【請求項4】 前記液状塗料組成物が、該塗料組成物1
    00重量部に対して、消泡作用を有する有機液体、ポリ
    エーテル系高分子界面活性剤、脂肪酸エステル、金属石
    ケンおよびシリコーン系化合物よりなる群から選ばれる
    少なくとも1種が0.01〜15.0重量部添加された
    組成物である請求項2または請求項3記載の被覆方法。
  5. 【請求項5】 前記使用時の塗料の温度が0〜25℃の
    範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の被覆方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の方法に
    よって被覆して得られる塗装物品。
  7. 【請求項7】 スリットを有するヘッド部と、液状塗料
    組成物の貯溜槽と、該貯溜槽中に配置されかつ回転部分
    を有する塗料供給ポンプと、基材供給コンベアとからな
    り、液状塗料組成物を貯留槽から塗料供給ポンプにより
    該ポンプの回転部分の外周の周速度を調節することによ
    って輸送管を介してヘッド部に送り、スリットから流下
    させ、コンベアで送られて来る基材表面に塗布するカー
    テンフローコーターであって、ヘッド部内に塗料を供給
    する流入口がスリットを横切る方向に設けられている2
    つの側壁に、対向した位置で同数配置されたヘッド部へ
    の塗料供給機構を有するカーテンフローコーター。
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JP2019520480A (ja) * 2016-06-23 2019-07-18 アトテツク・ドイチユラント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングAtotech Deutschland GmbH 金属表面の後処理用の水性組成物

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