JP2001268800A - 太陽光発電制御方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電量の大小に拘らず、損失の小さい太陽光
発電を実現する。 【解決手段】 各太陽電池１０ａ…１０ｄの発電量に応
じて、発電量が大きい太陽電池は、インバータと一対一
に接続して運転し、発電量が小さい太陽電池は、複数組
み合わせて、太陽電池より少ない数のインバータに直流
側で並列に接続して運転する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池と、該太
陽電池から出力される直流電力を交流電力に交換するイ
ンバータとを組み合わせた発電装置が複数台並列接続さ
れ、電力系統へ連係される太陽光発電装置を制御するた
めの太陽光発電制御方法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】太陽光発電においては、太陽電池と、該
太陽電池から出力される直流電力を交流電力に交換する
インバータとの組合せ単位で、図１（太陽電池の出力電
圧と出力電流の関係）及び図２（同じく出力電圧と出力
電力の関係）に示すような、太陽電池への日射量により
変化する最大電力点で動作させる、いわゆる最大電力追
従制御が行われる。

【０００３】大容量の太陽光発電装置を運転する場合に
は、図３に示す如く、太陽電池パネル１０ａ…１０ｄと
電力変換用のインバータ（ＩＮＶ）１２ａ…１２ｄをそ
れぞれ複数台設置して、全ての太陽電池パネルとインバ
ータを並列接続するシステム（いわゆる直交共通システ
ム）がある。この場合には、各インバータ１２ａ…１２
ｄは負荷を均等に分担し、全太陽電池１０ａ…１０ｄを
１つの太陽電池と見做して、最大電力追従制御を行う。
そして、日射量が低下して各インバータが低出力になっ
た場合には、図４に示す如く変換効率が低下するため、
特許第２９６７６６７号、特公平５−１１４２８号、特
開平６−１６５５１３号、特開平８−３３２１１号等に
示される如く、太陽電池パネル全体の電力情報に応じ
て、運転台数制御装置１４から出力される運転停止指令
により、運転するインバータの台数を少なくして、運転
継続するインバータが変換効率の高い領域で運転される
ようにすることが提案されている。

【０００４】又、これとは別に、図５に示す如く、各太
陽電池パネル１０ａ…１０ｄとインバータ１２ａ…１２
ｄを一対一に接続し、個々を独立に運転する大容量シス
テム（いわゆる直流分離システム）もある。この場合に
は、各組合わせ毎に最大電力追従制御が行われる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
太陽電池全体をつ１の電池として扱って最大電力追従制
御を行う方法では、周囲の建物等の影の状況、太陽電池
パネル面の汚れの状況、太陽電池取付場所による日射量
の差等で、各太陽電池の発電状態が異なる場合には、個
々の太陽電池−インバータの組合せで実現できる最適な
条件での最大電力追従制御に比べ、発電量が低下すると
いう問題がある。

【０００６】一方、後者の各太陽電池とインバータを一
対一に接続する方法では、発電量が大きい状況では、個
々に最適点で発電できる利点はあるが、低日射量の場合
には、インバータの変換効率の悪い状態での運転とな
り、損失が出るという問題がある。

【０００７】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、発電量の大小に拘らず、損失の小さ
い太陽光発電を可能とすることを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、太陽電池と、
該太陽電池から出力される直流電力を交流電力に交換す
るインバータとを組み合わせた発電装置が複数台並列接
続され、電力系統へ連係される太陽光発電装置を制御す
るための太陽光発電制御方法において、各太陽電池の発
電量に応じて、発電量が大きい太陽電池は、インバータ
と一対一に接続して運転し、発電量が小さい太陽電池
は、複数組み合わせて、太陽電池より少ない数のインバ
ータに直流側で並列に接続して運転することにより、前
記課題を解決したものである。

【０００９】又、同様の太陽光発電制御装置において、
前記太陽電池とインバータの接続状態を変更可能な接続
手段と、各太陽電池の発電量に応じて、発電量が大きい
太陽電池は、インバータと一対一に接続し、発電量が小
さい太陽電池は、複数組み合わせて、太陽電池より少な
い数のインバータに直流側で並列に接続する接続制御手
段とを備えることにより、同じく前記課題を解決したも
のである。

【００１０】本発明では、太陽電池とインバータを一対
一の組合せで運転することを基本とし、個々の太陽電池
の発電量が大きく、各インバータが変換効率の高い状態
で運転できる場合には、一対一の組合せで、それぞれ最
適な最大電力追従制御を行い、一方、個々の太陽電池の
発電量が低下して、各インバータが変換効率の低い状態
になる場合には、発電量が小さくなった太陽電池をまと
め、総電力を大きくして、太陽電池より少ない台数のイ
ンバータに直流側で並列に接続することにより、インバ
ータを変換効率の高い状態で運転するようにしたため、
変換損失の小さい状態で、電力の供給が可能になる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。

【００１２】本発明の第１実施形態は、図６乃至図８に
示す如く、太陽電池パネル１０ａ…１０ｄとインバータ
１２ａ…１２ｄを組合せた発電装置が複数台（ここでは
４台）並列接続され、電力系統へ連係される太陽光発電
装置において、前記太陽電池パネル１０ａ…１０ｄの出
力側の接続状態を相互に変更可能な接続器（例えばコン
タクタ）２０と、各インバータ１２ａ…１２ｄへの入力
を切離すための接続器（例えばコンタクタ）２２と、各
太陽電池から入力される電力情報（発電量）に応じて、
該接続器２０、２２を切替える接続制御装置３０とを備
えたものである。

【００１３】まず、個々の太陽電池パネルの発電量が大
きい場合は、図６に示す如く、全ての太陽電池パネル１
０ａ…１０ｄとインバータ１２ａ…１２ｄをそれぞれ一
対一で接続して運転する。

【００１４】一方、発電量が小さく、４台の太陽電池の
総発電量がインバータ１台分以下になった場合は、図７
に示す如く、１台のインバータ（ここでは最上段のイン
バータ１２ａ）に全ての太陽電池パネル１０ａ…１０ｄ
が並列接続され、且つ、他のインバータ（ここではイン
バータ１２ｂ…１２ｄ）への入力が遮断されるように、
接続制御装置３０により接続器２０、２２が切換えられ
る。この場合、最上段のインバータ１２ａ以外は入力が
無くなるため、自動的に運転停止となる。

【００１５】又、発電量が中程度で、例えば３台の太陽
電池パネルの総発電量がインバータ２台分以下になった
場合には、図８に示す如く、接続制御装置３０により接
続器２０、２２を切換えて、その部分だけ太陽電池パネ
ル（ここでは１０ｂ、１０ｃ、１０ｄ）を１台のインバ
ータ（ここでは１２ｂ）に並列接続する。当該インバー
タ以外は入力が無くなるため、自動的に運転停止とな
る。なお、１台の太陽電池パネル（ここでは１０ａ）と
インバータ（ここでは１２ａ）は、一対一に接続したま
まとする。

【００１６】なお、第１実施形態では、接続器２２を設
けて、運転停止するインバータの入力を切り離すように
していたが、図９（発電量大の場合）、図１０（発電量
小の場合）、図１１（発電量中の場合）に示す第２実施
形態のように、接続器２２を設ける代わりに、接続・運
転制御装置３２から各インバータ１２ａ…１２ｄに運転
停止指令を外部入力することで、該当インバータの運転
を停止させることも可能である。

【００１７】この第２実施形態によれば、インバータ入
力を切り離すための接続器２２を省略できる。

【００１８】なお、前記実施形態では、いずれも、図面
の簡略化のため、太陽電池パネル及びインバータの台数
を各４台とし、隣り合う太陽電池パネル間でのみ並列接
続が可能な構成を示していたが、太陽電池パネルの数や
並列接続可能とする構成は、これに限定されず、任意の
パネルを並列接続できるよう、接続器をネットワーク上
に配置することも可能である。又、接続器の種類もコン
タクタに限定されず、半導体素子等を用いてもよい。

【００１９】図１２に、本発明の実施形態による制御を
実施するための制御手順の例を示す。

【００２０】まず、ステップ１００で、各インバータの
発電量を算出する。

【００２１】次いでステップ１０２で、複数の太陽電池
を接続したインバータの中に発電量が１００％のものが
あるか否かを判定する。判定結果が正の場合には、ステ
ップ１０４に進み、接続器を切換えて、太陽電池とイン
バータを一対一の組合せに戻す。

【００２２】次いでステップ１０６で、当該インバータ
の発電量を再度算出する。

【００２３】ステップ１０６終了後、又は前出ステップ
１０２の判定結果が否である場合には、ステップ１０８
に進み、同程度の発電量のインバータで、１００％を超
えない組合せを求める。例えば４０％が３台ある場合に
は、２台と１台の組合せとする。あるいは、３０％が３
台の場合には３台を一纏めとする。

【００２４】次いでステップ１１０に進み、ステップ１
０８で決定した組合せになるよう、接続器を切換えると
共に、太陽電池を外したインバータを停止させる。

【００２５】このようにして、各インバータの発電量を
算出し、できるだけ個々のインバータの発電量が大き
く、変換効率の良いポイントでインバータを稼動させ
る。なお、この例では、一度まとめたものであっても、
日射条件が変化し、発電量が１００％を超えてしまうと
太陽エネルギの有効活用ができないので、１００％に達
した場合は一度個別の状態に戻し、改めて個々の発電量
をチェックする方式としている。更に、本例では、同程
度の発電量の太陽電池を組み合わせることとしている。
これは、発電状態の異なる太陽電池を並列にすること
で、発電状態の良いものの出力が悪化するケースを避け
るためである。なお、そのような恐れがない太陽電池を
用いる場合には、単に個々のインバータの発電量が最大
になる組合せを作ればよい。

【００２６】

【実施例】図１３に示す如く、太陽電池パネル１０ａ、
１０ｂが、壁面に取り付けられ、発電量が４０％であ
り、対応するインバータ１２ａ、１２ｂが、４０％出力
運転効率８５％で運転され、太陽電池パネル１０ｃ、１
０ｄが屋根に取り付けられ、発電量が７０％であり、対
応するインバータ１２ｃ、１２ｄが、７０％出力運転効
率９０％であった場合に、図１４に示す如く、壁面に付
けた太陽電池パネル１０ａと１０ｂの出力をまとめ、イ
ンバータ１２ｂの運転を停止することによって、インバ
ータ１２ａを８０％出力運転効率９３％に高めることが
できた。

【００２７】このようにして、壁面に付けた太陽電池パ
ネル１０ａ、１０ｂを１台のインバータ１２ａにまとめ
ることで、インバータを高効率のポイントで稼動でき、
損失が低減できた。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、発電量の大小に拘ら
ず、損失の小さい太陽光発電を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】太陽電池の日射量による出力電圧と出力電流の
関係の変化の例を示す線図

【図２】同じく出力電圧と出力電力の関係の変化の例を
示す線図

【図３】全ての太陽電池パネルとインバータが並列接続
された、従来の直交共通システムの太陽光発電装置の構
成例を示すブロック図

【図４】インバータの発電効率の例を示す線図

【図５】各太陽電池とインバータが一対一で接続され
た、従来の直流分離システムの太陽光発電装置の構成例
を示すブロック図

【図６】本発明の第１実施形態における発電量が大であ
るときの接続状態を示すブロック図

【図７】同じく発電量が小であるときの接続状態を示す
ブロック図

【図８】同じく発電量が中であるときの接続状態の例を
示すブロック図

【図９】本発明の第２実施形態における発電量が大であ
るときの接続状態を示すブロック図

【図１０】同じく発電量が小であるときの接続状態を示
すブロック図

【図１１】同じく発電量が中であるときの接続状態の例
を示すブロック図

【図１２】本発明の実施形態における制御手順の例を示
す流れ図

【図１３】本発明の実施例における、一対一運転時の太
陽電池パネルの発電量とインバータの運転効率の例を示
すブロック図

【図１４】同じく、壁面取付の太陽電池パネルの出力を
まとめた場合のインバータの運転効率の例を示すブロッ
ク図

【符号の説明】

１０ａ、１０ｂ、１０ｃ、１０ｄ…太陽電池パネル １２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄ…インバータ ２０、２２…接続器 ３０…接続制御装置 ３２…接続・運転制御装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】太陽電池と、該太陽電池から出力される直
   流電力を交流電力に交換するインバータとを組み合わせ
   た発電装置が複数台並列接続され、電力系統へ連係され
   る太陽光発電装置を制御するための太陽光発電制御方法
   において、 各太陽電池の発電量に応じて、発電量が大きい太陽電池
   は、インバータと一対一に接続して運転し、 発電量が小さい太陽電池は、複数組み合わせて、太陽電
   池より少ない数のインバータに直流側で並列に接続して
   運転することを特徴とする太陽光発電制御方法。
2. 【請求項２】太陽電池と、該太陽電池から出力される直
   流電力を交流電力に交換するインバータとを組み合わせ
   た発電装置が複数台並列接続され、電力系統へ連係され
   る太陽光発電装置を制御するための太陽光発電制御装置
   において、 前記太陽電池とインバータの接続状態を変更可能な接続
   手段と、 各太陽電池の発電量に応じて、発電量が大きい太陽電池
   は、インバータと一対一に接続し、発電量が小さい太陽
   電池は、複数組み合わせて、太陽電池より少ない数のイ
   ンバータに直流側で並列に接続する接続制御手段と、 を備えたことを特徴とする太陽光発電制御装置。