JP2001264992A - 感光性樹脂印刷版材および感光性樹脂印刷版の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂印刷版材および感光性樹脂印刷版の製造方法

Info

Publication number
JP2001264992A
JP2001264992A JP2000370968A JP2000370968A JP2001264992A JP 2001264992 A JP2001264992 A JP 2001264992A JP 2000370968 A JP2000370968 A JP 2000370968A JP 2000370968 A JP2000370968 A JP 2000370968A JP 2001264992 A JP2001264992 A JP 2001264992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive resin
layer
printing plate
plate material
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000370968A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Tanaka
眞二 田中
Katsuhiro Uehara
克裕 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2000370968A priority Critical patent/JP2001264992A/ja
Publication of JP2001264992A publication Critical patent/JP2001264992A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性樹脂印刷版材の透明性が良好で、レーザ
ー光により感光性樹脂印刷版材上に画像形成でき、微細
はレリーフまで再現可能な感光性樹脂印刷版材を提供す
る。 【解決手段】支持体、感光性樹脂層、光発色層を少なく
とも有し、光発色層が、発色前は紫外線を透過可能であ
り、450〜1500nmの波長の光を照射することに
より発色し紫外線が実質上不透過となる層である感光性
樹脂印刷版材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は凸状の感光性樹脂印
刷版を形成することが可能な感光性樹脂印刷版材および
それから得られる感光性樹脂印刷版の製造方法に関する
ものであり、得られた感光性樹脂印刷版は凸版、フレキ
ソ印刷版として使用できる。
【0002】
【従来の技術】感光性樹脂組成物を印刷用版材として使
用することは一般的に行われており、凸版、平版、凹
版、フレキソ版印刷の各分野において主流となってい
る。
【0003】このような印刷版材は、ネガティブ、ポジ
ティブの原画フィルムを感光性樹脂層に密着させ、活性
光線を原画フィルムを通して照射することにより、感光
性樹脂層中に溶剤に溶解する部分と溶解しない部分を形
成することでレリーフ像を形成し、印刷版材として使用
するものである。
【0004】このような印刷版材は、ネガティブ、ポジ
ティブの原画フィルムを必要とし、また、現像工程を必
要とすることから、1つの印刷用版材を作成するため
に、多くの工程と労力を必要とするものであった。
【0005】現在、コンピューターが進歩し、コンピュ
ーター上で処理された情報を印刷版材上に直接出力し、
原画フィルムの作成工程を必要とせずに凸版やフレキソ
版の印刷版材を得る方法が提案されている。
【0006】具体的には、(1)感光性樹脂層上や感光性
樹脂層上に設けた薄膜層上に、トナーや液体インキによ
り画像形成することで、原画フィルムを必要としない方
法(特公昭58−20029号公報、特開平3−110
164号公報、特開平10−10709号公報、特開平
10−10710号公報など)や、(2)レーザー光を多
孔質材料や感光層に照射し、照射された部分を溶融や昇
華させることで直接印刷版を得る方法(特開昭52−5
6601号公報、特開昭53−127005号公報、特
公昭56−40033号公報、特開昭61−10624
9号公報、特表平7−505840号公報、特表平7−
506780号公報、特開平8−99478号公報、特
開平8−90947号公報、特開平9−142050号
公報、特開平9−254351号公報など)や、(3)感
光性樹脂層表面に感赤外線層を設け、感赤外線層上にレ
ーザーでパターン形成することで原画フィルムを必要と
しない方法(特開昭58−52646号公報、特許第2
773847号公報、特許第2773981号公報、特
表平10−509254号公報、特開平8−30500
7号公報、特開平8−305030号公報、特開平9−
171247号公報、特開平9−166875号公報、
特開平10−39512号公報、特開平10−3951
2号公報、特開平10−73917号公報など)が提案
されている。
【0007】(1)の方法では、トナーや液体インキによ
り画像形成するために、細かな画像形成することができ
ない問題がある。(2)の方法では、多孔質材料や感光層
にエネルギーの高いレーザー光を照射することから、多
孔質材料や感光層のレリーフエッジが溶融するなどシャ
ープな画像を得ることが難しい問題がある。(3)の方法
では、感赤外線層が不透明であるために、感光性樹脂印
刷版材の検査が難しい問題や、透明性があっても充分な
紫外線遮断効力を発現できない問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
鑑みて、感光性樹脂印刷版材が目視で検査できる程の透
明性を有し、感光性樹脂印刷版材上に450〜1500
nmの波長の光で画像形成が可能で、画像形成すること
により紫外線透過部位と不透過部位の差を付けることが
可能で、原画フィルムを使用することなく微細なレリー
フまで再現できる感光性樹脂印刷版材を提案することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、主として次の構成を有する。
【0010】すなわち、本発明の感光性樹脂印刷版材
は、支持体、感光性樹脂層、光発色層を少なくとも有
し、光発色層が、発色前は紫外線を透過可能であり、4
50〜1500nmの波長の光を照射することにより発
色し紫外線が実質上不透過となる層であることを特徴と
するものである。
【0011】また、本発明の感光性樹脂印刷版の製造方
法は、主として次の構成を有する。すなわち、光発色層
に画像を形成する工程、光発色層を通して感光性樹脂層
を露光する工程、感光性樹脂層を現像する工程を少なく
とも有することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における感光性樹脂印刷版
材は、支持体、感光性樹脂層、光発色層を有する。
【0013】以下、各層について詳細に説明する。
【0014】本発明における支持体とは、スチール、ス
テンレス、アルミニウムなどの金属やポリエステルなど
のプラスチックシート、スチレン−ブタジエンゴムなど
の合成ゴムシートのことである。これらの厚みは、使用
目的に応じて決められるが、通常は、50〜1000μ
mの範囲のものが使用される。
【0015】支持体上には、感光性樹脂層との接着性を
上げるために接着剤層を設けることが好ましい。接着剤
層は、支持体の種類により使用されるものが変わるが、
一般的にポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤など
が使用される。接着層厚みは、0.5〜40μmの範囲
で使用されることが好ましい。
【0016】本発明における感光性樹脂層とは、光を照
射することにより樹脂が光硬化する層であり、好ましく
は300〜450nmの波長の光により光硬化する層で
ある。この感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物を好まし
くは厚さ0.1〜10mmのシート状に形成したもので
ある。
【0017】この感光性樹脂組成物は、好ましくはエチ
レン性不飽和モノマと光重合開始剤を少なくとも含有す
るものである。
【0018】エチレン性不飽和モノマとは、ラジカル重
合により架橋可能な物質である。ラジカル重合により架
橋可能な物質であれば、特に限定されるものではない
が、一般に次のようなものを挙げることができる。2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’
−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレートなどの
水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエ
チル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)ア
クリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレー
ト、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエ
チル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)ア
クリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシ
エチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル
(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコ
ール(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレン
グリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルア
ミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−
メチレンビス(メタ)アクリルアミドのような(メタ)
アクリルアミド類、2,2−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、などのエチレン性不飽和結合
を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレートのようなポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽
和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽
和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られ
る多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
リレートなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やア
ミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて
得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メ
タ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミ
ド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物、などの
2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物などが
挙げられる。
【0019】光重合開始剤とは、光によって重合性の炭
素−炭素不飽和基を重合させることができるものであれ
ば特に限定されない。なかでも、光吸収によって、自己
分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を
有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾイン
アルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノ
ン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類な
どある。
【0020】本発明における感光性樹脂組成物は固体状
態にして形態を保持するために、担体樹脂を加えること
が好ましい。このような担体樹脂としては、使用するイ
ンキによって、使い分けられるのが一般的である。水性
インキを使用する印刷版材を得る場合には、担体樹脂と
して、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、
イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンイ
ソプレンゴムなどの汎用ゴムやエラストマーが使用され
る。油性インキを使用する場合は、部分ケン化ポリ酢酸
ビニル、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、また
は、それらの変性体、例えば、マレイン酸変性体、コハ
ク酸変性体、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ
変性体などの親水性樹脂が使用される。
【0021】その他の成分として、相溶性、柔軟性を高
めるための相溶化剤としてエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンな
どの多価アルコール類や液状ポリブタジエンや液状ポリ
イソプレンなどの液状ゴムを添加することも可能であ
り、熱安定性を上げる為に、従来公知の重合禁止剤を添
加することができる。好ましい重合禁止剤としては、フ
ェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類などが挙
げられる。また、染料、顔料、界面活性剤、紫外線吸収
剤、香料、酸化防止剤などを添加することもできる。
【0022】担体樹脂を含有する感光性樹脂組成物から
感光性樹脂層を得る方法としては、担体樹脂をその樹脂
を溶解できる溶剤に溶解した後に、エチレン性不飽和モ
ノマ、光重合開始剤を添加して充分攪拌し、感光性樹脂
組成物溶液を得て、この溶液から溶剤を除去した後に、
接着剤を塗布した支持体上に溶融押し出しすることによ
り得ることができる。
【0023】本発明における光発色層とは、発色前は紫
外線を透過可能で、450〜1500nmの波長の光を
照射することにより発色し紫外線が実質上不透過となる
層である。
【0024】紫外線が透過可能であるかどうかは、光学
濃度によって表すことができる。光学濃度(Optic
al Density)とは、一般にDで表され、以下
の式で定義される。 D=log10O=log10(1/T)=log10(I0
/I) ここでO=I0/Iは黒化度、Tは透過率、I0は透過率
測定の際の入射光強度、Iは透過光強度である。
【0025】光学濃度の測定には、透過光強度の測定を
行いて算出する方法と入射光強度の測定を行いて算出す
る方法が知られているが、本発明における光学濃度は透
過光強度から算出した値をいう。
【0026】このような光学濃度は、例えばオルソマチ
ックフィルターを用いて、マクベス透過濃度計「TR−
927」(コルモルゲンインスツルメンツ(Kollmorgen
Instruments Corporation)社製)を用いることで測定
できる。
【0027】本特許においては、紫外線が透過可能であ
るとは、光学濃度が0.5以下のことであり、紫外線が
実質上不透過であるとは、光学濃度が1.5以上である
ことを表している。
【0028】光発色層は、(1)一つの層中に光熱変換
物質、熱発色剤および顕色剤を少なくとも含有する層、
(2)光熱変換物質を含有する層と熱発色剤と顕色剤を
含有する層を少なくとも有する層、の場合がある。
【0029】ここでいう光熱変換物質とは、450〜1
500nmの波長の光を吸収し熱を発生する化合物のこ
とである。具体的には、カーボンブラック、チタンブラ
ック、アニリンブラック、シアニンブラックなどの黒色
顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑色顔
料、カーボングラファイト、ジアミン系金属錯体、ジチ
オール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、メ
ルカプトフェノール系金属錯体、結晶水含有無機化合
物、硫酸銅、硫化クロム、珪酸塩化合物や酸化チタン、
酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバル
ト、酸化タングステンなどの金属酸化物、これら金属の
水酸化物、硫酸塩などを挙げることができる。
【0030】その中でも、光熱変換物質として、300
nm〜450nmの波長の光透過性および透明性の点か
ら、赤外線または近赤外線を吸収する色素、特に染料が
好ましく使用される。特に好ましい色素としては、シア
ニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジチ
オール金属錯体系、ピアズレニウム系、スクアリリウム
系、クロコニウム系、アゾ系分散色素、ビスアズ系、ビ
スアゾスチルベン系、ナフトキノン系、アントラキノン
系、ペリレン系、ポリメチン系、インドアニリン金属錯
体染料、分子間型CT系、ベンゾチオピラン系、スピロ
ピラン系、ニグロシン系、チオインジゴ系、ニトロソ
系、キノリン系、フルギド系の色素、特に染料などが挙
げられる。
【0031】これら中では、光の吸収率の点から、シア
ニン系、ポリメチン系、ナフタロシアニン系の染料が特
に好ましい。
【0032】これら光熱変換物質の含有量は、光発色層
組成物の固形分中1〜40重量%が好ましく、2〜25
重量%がより好ましい。1重量%以上とすることでレー
ザー光の吸収を効率的に行うことができ、40重量%以
下にすることで光発色層組成物の物性に悪影響を及ぼす
こともなくなる。
【0033】熱発色剤とは、加熱されることにより発色
する化合物のことである。このような機能を有すれば、
従来公知のものを使用することができるが具体的には、
トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、
フェノチアジン系、チオフェルオラン系、キサンテン
系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド
系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニ
リノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン
系、ジアゾキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化
合物が好ましく用いられる。
【0034】これら熱発色剤の含有量は、光発色層が発
色したときの光学濃度により決まるため特に限定される
ものではないが、光発色層組成物の固形分中0.1〜3
0重量%が好ましく、0.5〜20重量%がより好まし
い。0.1重量%以上あれば必要な光学濃度が得られる
ので好ましく、30重量%以下であれば光発色層被膜強
度を弱めることがないので好ましい。
【0035】顕色剤は、熱発色剤の発色を助ける働きを
有する物質であれば特に限定されるものではないが、顕
色剤としては、フェノール性化合物、チオフェノール性
化合物、チオ尿素誘導体、有機酸およびその金属塩、二
塩基酸、有機リン酸化合物などが挙げられる。
【0036】これら顕色剤の含有量としては、光発色層
組成物の固形分中0.1〜50重量%が好ましい。0.
1重量%以上あれば、発色剤の発色を助ける効果を発現
されることが可能であり、50重量%以下であれば、発
色層被膜強度を弱めることがないので好ましい。
【0037】光発色層組成物には、通常、担体樹脂を含
有させる。使用する樹脂としては特に限定するものでは
ないが、次の様なものが挙げられる。ポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セ
ルロール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、
ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重
合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンブタ
ジエンゴム、ニトリルゴムなどが挙げられるがこれらに
限定するものではない。
【0038】担体樹脂は、光発色層組成物の固形分中に
20〜99重量%が好ましく、30〜60重量%がより
好ましい。20重量%以上にすることによって、光発色
層の形態保持ができ、99重量%以下にすることによ
り、光学濃度に悪影響を及ぼすことのない層となる。
【0039】その他の成分として、必要に応じて、可塑
剤を添加することが可能である。可塑剤としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコールなどのグリコール類、ポリエチレングリコー
ルやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコール、液状ポリブタジエン、液状イソプレンゴムな
どの液状ゴムなどが挙げられる。
【0040】光発色層の厚みとしては、発色後の光学濃
度で充分な濃度を有することができれば、特に限定する
ものではないが、0.1μm〜30μmが好ましい範囲
である。0.1μm以上あれば、紫外線の透過を防止す
る機能を発現することが可能となり、30μm以下であ
れば担体樹脂による紫外線吸収を低く押さえることがで
きるので好ましい。
【0041】本発明においては、必要に応じて、最上層
の上に保護フィルムを設けることができる。保護フィル
ムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のフィルムを使用することができる。これらフィルム
は、厚み5μm〜150μmが好ましく使用できる。5
μm以上あれば、保護フィルムとして役目を持たせるこ
とが可能となり、150μm以下であれば保護フィルム
を剥離する際にフィルムの剛性が低く容易に剥離可能で
あるので好ましい。
【0042】また、必要に応じて、保護フィルムと光発
色層の間に剥離層を設けることができる。剥離層は、保
護フィルムだけを剥離することを可能にする層である。
特に保護フィルムの剥離性を向上できる物質であれば、
特に限定するものではないが、ポリビニルアルコール、
ポリ酢酸ビニル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロー
ル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルピロリドン、ナイロ
ン樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンブタジエン
ゴム、ニトリルゴム、ポリエステル樹脂を挙げることが
できるが、これらに限定するものではない。
【0043】また、必要に応じて、感光性樹脂層と光発
色層との間に、物質移動防止層を設けることができる。
これは、光発色層に含まれる光熱変換物質、熱発色剤、
顕色剤と感光性樹脂層に存在する物質が移動するのを防
止するために設けるものである。特に感光性樹脂層への
移動を防止できるものであれば特に限定するものではな
いが、次のような物質を挙げることができる。
【0044】物質移動防止層としては、水溶性樹脂、疎
水性樹脂、紫外線硬化性樹脂から選ばれるバインダー樹
脂を使用することができる。感光性樹脂層に使用する担
体樹脂が部分ケン化ポリ酢酸ビニルや水溶性ナイロン樹
脂などの水溶性樹脂の場合は、疎水性樹脂や紫外線硬化
性樹脂が物質移動防止の効果から好ましく、感光性樹脂
層に使用する担体樹脂がブタジエンゴムやスチレンイソ
プレンゴムなどの疎水性樹脂の場合は、水溶性樹脂や紫
外線硬化性樹脂を使用することが物質移動防止効果の点
から好ましい。
【0045】水溶性樹脂としては、具体的に、ポリビニ
ルアルコール、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(ケン化度9
0%以上)、セルロール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニ
ルピロリドン、ナイロン樹脂や、これら樹脂の変性体な
どを挙げることができる。疎水性樹脂としては、部分ケ
ン化ポリ酢酸ビニル(ケン化度90%未満)、ナイロン
樹脂、ポリ酢酸ビニル、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチ
レンブタジエンゴム、ニトリルゴム、ポリエステル樹脂
や、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リエチレンなどが挙げられる。
【0046】また、紫外線硬化性樹脂としては、エチレ
ン性不飽和化合物やエチレン性基を有するオリゴマ、光
重合開始剤からなる組成物を紫外線照射により重合反応
を起こさせ樹脂となる物質のことをいう。必要に応じて
紫外線硬化樹脂中に上記水溶性樹脂や疎水性樹脂を加え
ることも可能である。例えば、エチレン性不飽和化合物
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレー
トなどの化合物が挙げられる。エチレン性基を有するオ
リゴマとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアク
リレート、アクリル変性液状ブタジエンゴムなどを挙げ
ることができる。光重合開始剤としては、ベンゾインア
ルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン
類などの化合物を挙げることができる。
【0047】物質移動防止層の厚みは、物質遮断効果が
あれば特に限定するものではないが、0.5〜20μm
が好ましく使用できる。0.5μm以上あれば、物質移
動防止効果を発現することができ、20μm以下であれ
ば、光発色層を通して感光性樹脂層に紫外線を照射した
ときに、発色層のレリーフ像と感光性樹脂層のレリーフ
像とが実用上同等のものを得ることができる。
【0048】感光性樹脂印刷版材の作製方法としては、
支持体上の形成された感光性樹脂層上に光発色層組成物
を溶剤に溶解した液をバーコーター、スリットダイコー
ター、グラビアコーター、コンマコーター、リバースコ
ーターなどを用いて塗工、乾燥することにより感光性樹
脂印刷版材を得ることができる。また、保護フィルムを
使用する場合は、保護フィルム上に光発色層組成物を上
記コーターを用いて必要な厚みに塗工、乾燥した後に、
支持体上の形成された感光性樹脂層とローラーを用いて
密着させ、感光性樹脂印刷版材を得ることもできる。
【0049】物質移動防止層を設ける場合は、感光性樹
脂層上に物質移動防止層として使用するバインダー樹脂
を溶解できる溶剤に溶かした後、バーコーター、スリッ
トダイコーター、グラビアコーター、コンマコーター、
リバースコーターなどにより塗設した後に上記方法で光
発色層を設ける方法や、保護フィルムのある場合は、保
護フィルム上に光発色層組成物を上記方法で設けた後
に、物質移動防止層として使用するバインダー樹脂を溶
解できる溶剤に溶かし組成物を上記方法で光発色層上に
塗工し、必要であれば紫外線を照射して物質移動防止層
を設け、これを、支持体上に形成された感光性樹脂層と
ローラーで密着させ、感光性樹脂印刷版材とすることが
できる。
【0050】以上のようにして得られた感光性樹脂印刷
版材から次のようにして、感光性樹脂印刷版を製造する
ことができる。
【0051】次に本発明における感光性樹脂印刷版の製
造方法を説明する。
【0052】本発明における感光性樹脂印刷版の製造方
法は、光発色層に画像を形成する工程、画像を通して感
光性樹脂層を露光する工程、感光性樹脂層を現像する工
程を少なくとも有する。
【0053】また、さらに詳しくは、支持体上に感光性
樹脂層および光発色層を積層した感光性樹脂印刷版材
に、450〜1500nmの波長の光を画像状に照射す
ることにより光発色層を、光が照射された部位のみ発色
させて画像を形成させ、次いでこの画像を形成した光発
色層を通して300〜450nmの波長の光を照射する
ことにより、感光性樹脂層を画像状に硬化させ、次いで
これらの層の表面を、現像液で硬化した感光性樹脂を残
して溶出することにより支持体上にレリーフ像を得るこ
とを特徴とする感光性樹脂印刷版の製造方法である。
【0054】光発色層に画像を形成する工程とは、保護
フィルムを有する場合は保護フィルムを通してまたは保
護フィルムを剥離後、450〜1500nmの波長の光
を発するレーザーにより光発色層に画像状に照射する工
程のことである。レーザー光は、光熱変換物質により吸
収され、レーザー光の照射された部分が高温となる。そ
れによって、熱発色剤が発色し、紫外線は実質上不透過
となる。このことから、光発色層上に発色した部位と発
色していない部位を有する画像が形成される。レーザー
光照射には通常のレーザー光源が使用されるが、この時
の光源としては、発振波長が450nm〜1500nm
の範囲にあるArイオンレーザ、Krイオンレーザ、H
e−Neレーザ、He−Cdレーザ、ルビーレーザ、ガ
ラスレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、チタンサフ
ァイアレーザ、色素レーザ、窒素レーザ、金属蒸気レー
ザ等の種々のレーザが使用できる。なかでも、半導体レ
ーザは近年の技術的進歩により、小型化し、経済的にも
他のレーザ光源よりも有利であるので好ましい。
【0055】光発色層を通して感光性樹脂層を露光する
工程とは、上記の方法でレーザ照射された感光性樹脂印
刷版材に、通常300nm〜450nmの波長の光を画
像が形成された光発色層を通して全面に照射する工程で
ある。レーザ光によって発色した部分は、実質上紫外線
が不透過の部位であるために、感光性樹脂層に300n
m〜450nmの波長の光が到達しない部位となる。感
光性樹脂印刷版材のサイド面からも照射光が入り込むの
で、照射光が透過しないカバーでサイド面を覆うように
しておくのが良い。通常300nm〜450nmの波長
を照射できる光源として、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、
メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク
灯、ケミカル灯などが使用できる。照射光で照射された
部分の感光性樹脂層は、現像液により溶出分散できない
物質に変化する。
【0056】感光性樹脂層を現像する工程とは、未露光
部分の感光性樹脂層を溶出分散可能な現像液を備えたブ
ラシ式洗い出し機やスプレー式洗い出し機に装着し現像
することである。照射光で照射された部分が残存し、レ
リーフ像が形成される。
【0057】その後、必要であれば、感光性樹脂印刷版
材の乾燥、後露光、粘着除去を行い、印刷機に装着でき
る感光性樹脂印刷版として使用できる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明する。
【0059】実施例で用いた各層組成物、その製造方法
を以下に示す。
【0060】(1)光発色層組成物 光発色層組成物1 以下の成分を室温で混合し、均一溶液とした。 (a)ポリビニルピロリドン(“K−120”ISPジ
ャパン製):40重量部 (b)ポリメチン系染料(“KAYASORB”IR8
20(B)、日本化薬(株)製):5重量部 (c)3−(N−イソアミル−N−エチルアミン)−
7,8−ベンズフルオラン:10重量部 (d)オクタデシルホスホン酸:30重量部 (e)トルエン:135重量部 (f)メチルエチルケトン:385重量部 (g)メタノール:100重量部 (h)メチルセロソルブ:200重量部
【0061】光発色層組成物2 <光熱変換物質を含む組成物>以下の成分を室温で混合
し、均一溶液とした。 (a)ポリビニルピロリドン(“K−120”ISPジ
ャパン製):40重量部 (b)ポリメチン系染料(“KAYASORB”IR8
20(B)、日本化薬(株)製):5重量部 (c)メチルエチルケトン:250重量部 (d)メタノール:100重量部 (e)メチルセロソルブ:200重量部 <熱発色剤と顕色剤を含む組成物>以下の成分を室温で
混合し、均一溶液とした。 (a)3−(N−イソアミル−N−エチルアミン)−
7,8−ベンズフルオラン:10重量部 (b)オクタデシルホスホン酸:30重量部 (c)塩化ビニル酢酸ビニル共重合体:30重量部 (d)トルエン:135重量部 (e)メチルエチルケトン:135重量部 (2)感光性樹脂層組成物
【0062】感光性樹脂層組成物1 数平均分子量600のポリエチレングリコールの両末端
にアクリロニトリルを付加し、これを水素還元して得た
α,ω−ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸との
等モル塩60重量部、ε−カプロラクタム20重量部お
よびヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩
20重量部を通常の条件で溶融重合して相対粘度(ポリ
マ1gを抱水クロラール100mlに溶解し、25℃で
測定)が2.50のポリアミド1を得た。
【0063】次に、以下の成分を混合し、感光性樹脂組
成物1を得た。 (a)上記ポリアミド1:50重量部 (b)エチレン性不飽和化合物としてグリシジルメタク
リレート1モルとアクリル酸1モルの付加反応物:30
重量部 (c)プロピレングリコールジグリシジルエーテル1モ
ルとアクリル酸2モルの付加重合物:15重量部 (d)ジエチレングリコール:5重量部 (e)ジメチルベンジルケタール:1重量部 (f)ヒドロキノンモノメチルエーテル:0.01重量
部 (g)水:30重量部 (h)エタノール:70重量部
【0064】感光性樹脂層組成物2 原料として水100重量部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.2重量部、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル3重量部、過硫酸カリ0.3重量部、
t−ドデシルメルカプタン0.2重量部、メチルメタク
リレート29重量部、メタクリル酸1重量部、ブタジエ
ン70重量部を50℃で20時間反応させ、数平均粒子
径140nm、ガラス転移温度−52℃、固形分濃度5
0.5重量%の“水分散ラテックスゴム1”を得た。
【0065】原料として水65重量部、不均化ロジン酸
カリウム1.3重量部、オレイン酸カリウム1.7重量
部、アルキルスルホン酸ナトリウム1.5重量部、t−
ドデシルメルカプタン0.05重量部、ポラメンタンヒ
ドロペルオキシド0.1重量部、硫酸鉄0.003重量
部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩0.006重
量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.005重量部、硫酸カリウム1.2重量部、ブタジ
エン100重量部を使用し、重合温度5℃の低温重合に
より反応させた。重合転換率は約60%であった。数平
均粒子径350nm、固形分濃度55重量%の“水分散
ラテックスゴム2”を得た。
【0066】次に、以下の成分を加熱混合した後、水分
除去して感光性樹脂組成物2を得た。 (a)水分散ラテックスゴム1:33.6重量部(固形
分で17重量部) (b)水分散ラテックスゴム2:14.5重量部(固形
分で8重量部) (c)フェノキシポリエチレングリコールアクリレー
ト:16重量部 (d)グリセリンポリエーテルポリオールと無水コハク
酸と2−ヒドロキシエチルアクリレートの重縮合物:1
4重量部 (e)ポリブタジエンゴム(日本ゼオン社製“Nipo
l”1220L):20重量部 (f)ニトリルゴム(日本ゼオン社製“Nipol”1
042):20重量部 (g)ジメチルベンジルケタール:1重量部 (h)ジオクチルフタレート:2重量部 (i)ハイドロキノンモノメチルエーテル:0.1重量
部 (3)物質移動防止層組成物
【0067】物質移動防止層組成物 (a)部分ケン化ポリ酢酸ビニル(ケン化度95%、平
均重合度1000):100重量部 (b)エチレングリコールジグリシジルエーテルとアク
リル酸の付加反応によって得られた2官能ビニルモノ
マ:50重量部 (c)ベンゾインエチルエーテル:4重量部 (d)水:90重量部 (e)エタノール:210重量部
【0068】実施例1 保護フィルムである厚み12μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に、上記光発色層組成物1をバーコ
ーターを用いて塗布、乾燥して、膜厚10μmの光発色
層を形成した。このフィルムは透明性の良好な緑色をし
ていた。このフィルムの光学濃度は0.4であった。こ
の上に物質移動防止層組成物1をバーコーターで塗布、
乾燥し超高圧水銀灯で30秒間照射して光硬化させて8
μmの物質移動防止層を設けた。
【0069】次に、支持体であるポリエステル系接着剤
が塗布されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚
さ250μm)上に、上記感光性樹脂層組成物1を流延
し、60℃で3時間乾燥し、乾燥膜厚650μmの感光
性樹脂層を得た。
【0070】この感光性樹脂層を設けたフィルムに、感
光性樹脂層と物質移動防止層が合わさるように上記フィ
ルムをローラ圧着しながら装着し感光性樹脂印刷版材を
得た。
【0071】このようにして得られた感光性樹脂印刷版
材をFX400−AP(製版機、東レエンジニアリング
(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830n
m、ビーム直径20μm)を用いて、保護フィルムを通
して800mJ/cm2でイメージ照射したところ光発
色層に画像が形成できた。光発色した部分の光学濃度は
2.8であった。光発色部分を1週間後、光学濃度を測
定したところ、光学濃度は2.8を保っていた。
【0072】その後、紫外線を発するケミカルランプ
(三菱電機(株)製、FL20SBL−360)10本
を持つ露光機により、光発色層を通じて60mmの距離
から2分間露光した。版材のエッジ部分には遮光フィル
ムを掛けてエッジ部が照射されないようにした。
【0073】露光後、保護フィルムを剥離し、次いで、
ブラシ式現像機を使用して25℃の水により、1分間現
像して、感光性樹脂層の未架橋部部分を洗い出してレリ
ーフ像を形成した感光性樹脂印刷版を得ることができ
た。この版は、凸版印刷版として使用できる。
【0074】実施例2 実施例1の物質移動防止層を設けないで、その他は同様
にして感光性樹脂印刷版材を作成した。
【0075】この感光性樹脂印刷版材に実施例と同様に
光発色層上に光発色画像を形成したところ、光学濃度
2.5であった。光発色部分を1週間後、光学濃度を測
定したところ1.6にまで低下していた。感光性樹脂層
中の物質が移動したことにより光学濃度が低下したもの
と考えられる。
【0076】実施例1と同様に光発色層を通して感光性
樹脂層に紫外線を照射し保護フィルムを剥離後ブラシ現
像したところ、レリーフ像を形成でき感光性樹脂印刷版
を得ることができた。
【0077】実施例3 実施例1と同様にして、保護フィルム上に光発色層を作
成した。
【0078】次に、80℃に加熱したプレス機を用い
て、支持体であるポリエステル系接着剤が塗布されたポ
リエチレンテレフタレートフィルム(厚み125μm)
と上記光発色層を塗布した保護フィルムとで、感光性樹
脂層組成物2を感光層厚みが1.7mmになるように挟
み、光発色層と感光性樹脂層とが接した感光性樹脂版材
を得た。
【0079】このようにして得られた感光性樹脂印刷版
材を実施例1と同様にして、光発色層に画像が形成し
た。
【0080】その後、実施例と同様にケミカルランプ1
0本を持つ露光機により、まず、支持体側から2分間露
光し、次に、熱発色層を通じて5分間露光した。版材の
エッジ部分には遮光フィルムを掛けてエッジ部が照射さ
れないようにした。
【0081】露光後、保護フィルムを剥離し 次いで、
ブラシ式現像機を使用して40℃の水により、7分間現
像して、感光性樹脂層の未架橋部部分を洗い出してレリ
ーフ像を形成した感光性樹脂印刷版を得ることができ
た。この版は、フレキソ印刷に使用できる。
【0082】実施例4 保護フィルムである厚み12μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に、上記光発色層組成物2の熱発色
剤と顕色剤を含む組成物をバーコーターを用いて塗布、
乾燥して、膜厚12μmを形成した。その後、光熱変換
物質を含む組成物をバーコーターを用いて塗布、乾燥し
て、膜厚8μmを形成した。このフィルムの光学濃度
は、0.5であった。この上に物質移動防止層組成物を
バーコーターを用いて塗布、乾燥して、超高圧水銀灯で
30秒間照射して光硬化させて14μmの物質移動防止
層を設けた。
【0083】次に、支持体であるエポキシ系接着剤が塗
布されたスチール板(厚さ100μm)上に、上記感光
性樹脂層組成物1を流延し、60℃で3時間乾燥し、乾
燥膜厚650μmの感光性樹脂層を得た。
【0084】この感光性樹脂層を設けたスチール板に、
感光性樹脂層と物質移動防止層が合わさるように上記フ
ィルムをローラ圧着しながら装着し感光性樹脂印刷版材
を得た。
【0085】このようにして得られた感光性樹脂印刷版
材をFX400−AP(製版機、東レエンジニアリング
(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830n
m、ビーム直径20μm)を用いて、保護フィルムを通
して800mJ/cm2でイメージ照射したところ光発
色層に画像が形成できた。光発色した部分の光学濃度は
2.9であった。光発色部分を1週間後、光学濃度を測
定したところ、光学濃度は2.9を保っていた。
【0086】その後、紫外線を発するケミカルランプ
(三菱電機(株)製、FL20SBL−360)10本
を持つ露光機により、光発色層を通じて60mmの距離
から2分間露光した。版材のエッジ部分には遮光フィル
ムを掛けてエッジ部が照射されないようにした。
【0087】露光後、保護フィルムを剥離し、次いで、
ブラシ式現像機を使用して25℃の水により、1分間現
像して、感光性樹脂層の未架橋部部分を洗い出してレリ
ーフ像を形成した感光性樹脂印刷版を得ることができ
た。この版は、凸版印刷版として使用できる。
【0088】実施例5 保護フィルムである厚み12μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に、上記光発色層組成物2の熱発色
剤と顕色剤を含み組成物をバーコーターを用いて塗布、
乾燥して、膜厚8μmを形成した。さらにその上に光熱
変換物質を含む組成物をバーコーターを用いて塗布、乾
燥して膜厚2μmの層を形成した。このフィルムの光学
濃度は0.4であった。
【0089】次に、支持体であるポリエステル系接着剤
が塗布されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚
さ250μm)上に、上記感光性樹脂層組成物1を流延
し、60℃で3時間乾燥し、乾燥膜厚650μmの感光
性樹脂層を得た。
【0090】この感光性樹脂層を設けたフィルムに、感
光性樹脂層と光発色層が合わさるように上記フィルムを
ローラ圧着しながら装着し感光性樹脂印刷版材を得た。
【0091】このようにして得られた感光性樹脂印刷版
材をFX400−AP(製版機、東レエンジニアリング
(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830n
m、ビーム直径20μm)を用いて、保護フィルムを通
して800mJ/cm2でイメージ照射したところ熱発
色層に画像が形成できた。熱発色した部分の光学濃度は
2.6であった。光発色部分を1週間後に光学濃度測定
すると1.7になっていた。
【0092】その後、紫外線を発するケミカルランプ
(三菱電機株式会社製、FL20SBL−360)10
本を持つ露光機により、熱発色層を通じて60mmの距
離から2分間露光した。版材のエッジ部分には遮光フィ
ルムを掛けてエッジ部が照射されないようにした。
【0093】露光後、保護フィルムを剥離し、次いで、
ブラシ式現像機を使用して25℃の水により、1分間現
像して、感光性樹脂層の未架橋部部分を洗い出してレリ
ーフ像を形成した感光性樹脂印刷版を得ることができ
た。この版は、凸版印刷版として使用できる。
【0094】実施例6 実施例5と同様にして、保護フィルム上に光発色層を作
成した。
【0095】次に、80度に加熱したプレス機を用い
て、支持体であるポリエステル系接着剤が塗布されたポ
リエチレンテレフタレートフィルム(厚み125μm)
と上記熱発色層と光熱変換物質層を積層した保護フィル
ムとで、感光性樹脂層組成物2を感光層厚みが1.7m
mになるように挟み、感光性樹脂版材を得た。
【0096】このようにして得られた感光性樹脂印刷版
材を実施例1と同様にして、熱発色層に画像が形成し
た。
【0097】その後、実施例と同様にケミカルランプ1
0本を持つ露光機により、まず、支持体側から2分間露
光し、次に、熱発色層を通じて5分間露光した。版材の
エッジ部分には遮光フィルムを掛けてエッジ部が照射さ
れないようにした。
【0098】露光後、保護フィルムを剥離し 次いで、
ブラシ式現像機を使用して40℃の水により、7分間現
像して、感光性樹脂層の未架橋部部分を洗い出してレリ
ーフ像を形成した感光性樹脂印刷版を得ることができ
た。この版は、フレキソ印刷に使用できる。
【0099】実施例7 保護フィルムである厚み12μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に、上記光発色層組成物2の光熱変
換物質を含む組成物をバーコーターを用いて塗布、乾燥
して膜厚2μmを形成し、次に熱発色剤と顕色剤を含む
組成物をバーコーターで塗布、乾燥して、膜厚8μmを
形成し、光発色層を作成した。このフィルムの光学濃度
は0.4であった。
【0100】次に、支持体であるポリエステル系接着剤
が塗布されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚
さ250μm)上に、上記感光性樹脂層組成物1を流延
し、60℃で3時間乾燥し、乾燥膜厚650μmの感光
性樹脂層を得た。
【0101】この感光性樹脂層を設けたフィルムに、感
光性樹脂層と光発色層が合わさるように上記フィルムを
ローラ圧着しながら装着し感光性樹脂印刷版材を得た。
【0102】このようにして得られた感光性樹脂印刷版
材をFX400−AP(製版機、東レエンジニアリング
(株)製)に装着し、半導体レーザー(波長830n
m、ビーム直径20μm)を用いて、保護フィルムを通
して800mJ/cm2でイメージ照射したところ熱発
色層に画像が形成できた。熱発色した部分の光学濃度は
2.6であった。
【0103】その後、実施例1と同様にケミカルランプ
10本を持つ露光機により、熱発色層を通じて60mm
の距離から2分間露光した。版材のエッジ部分には遮光
フィルムを掛けてエッジ部が照射されないようにした。
【0104】露光後、保護フィルムを剥離し、次いで、
ブラシ式現像機を使用して25℃の水により、1分間現
像して、感光性樹脂層の未架橋部部分を洗い出してレリ
ーフ像を形成した感光性樹脂印刷版を得ることができ
た。この版は、凸版印刷版として使用できる。
【0105】比較例1 光発色層の光熱変換物質を含む層を設けない以外は実施
例5と同様にして、感光性樹脂印刷版材を作成した。
【0106】この感光性樹脂印刷版材をFX400−A
P(製版機、東レエンジニアリング(株)製)に装着
し、半導体レーザー(波長830nm、ビーム直径20
μm)を用いて、保護フィルムを通して800mJ/c
2でイメージ照射したところ熱発色層に画像が形成さ
れなかった。
【0107】これは、光熱変換物質を含む層が存在しな
い為に熱発色剤が加熱されず、発色しなかったものと考
えられる。
【0108】
【発明の効果】本発明は原画フィルムが不要な感光性樹
脂印刷版材であり、凸状レリーフ像を形成することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB02 AC08 AD01 BC31 BC51 CA01 CB07 CB17 CB23 DA03 FA06 FA17 2H096 AA02 BA05 BA20 CA20 EA04 EA14 GA08 JA02 2H114 AA01 AA23 AA24 AA28 AA30 BA01 BA10 DA03 DA21 DA50 DA51 DA52 DA53 DA61 EA01 EA08 FA01 FA10 GA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体、感光性樹脂層、光発色層を少なく
    とも有し、光発色層が、発色前は紫外線を透過可能であ
    り、450〜1500nmの波長の光を照射することに
    より発色し紫外線が実質上不透過となる層であることを
    特徴とする感光性樹脂印刷版材。
  2. 【請求項2】光発色層が、光熱変換物質、熱発色剤およ
    び顕色剤を少なくとも含有する層であることを特徴とす
    る請求項第1に記載の感光性樹脂印刷版材。
  3. 【請求項3】光発色層が、光熱変換物質を含有する層と
    熱発色剤と顕色剤を含有する層を少なくとも有すること
    を特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂印刷版材。
  4. 【請求項4】光熱変換物質が、シアニン系、ポリメチン
    系、ナフタロシアニン系染料から選ばれる少なくとも一
    種の染料であることを特徴とする請求項2または3に記
    載の感光性樹脂印刷版材。
  5. 【請求項5】熱発色剤と顕色剤を含有する層が、加熱前
    は紫外線を透過可能であり、加熱することにより発色し
    紫外線が実質上不透明となる層であることを特徴とする
    請求項3に記載の感光性感光性樹脂印刷版材。
  6. 【請求項6】感光性樹脂層が300〜450nmの波長
    の光により光硬化可能な層で、かつ厚みが0.1mm〜
    10mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の感光性樹脂印刷版材。
  7. 【請求項7】感光性樹脂層が、部分ケン化ポリ酢酸ビニ
    ル、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、または、
    それらの変性体からなる群より選ばれる少なくとも1種
    のポリマ、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤を少
    なくとも含有することを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の感光性樹脂印刷版材。
  8. 【請求項8】感光性樹脂層と光発色層との間に物質移動
    防止層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    かに記載の感光性樹脂印刷版材。
  9. 【請求項9】物質移動防止層が、水溶性樹脂、疎水性樹
    脂、紫外線硬化性樹脂から選ばれるバインダー樹脂を含
    有することを特徴とする請求項8に記載の感光性樹脂印
    刷版材。
  10. 【請求項10】光発色層に画像を形成する工程、光発色
    層を通して感光性樹脂層を露光する工程、感光性樹脂層
    を現像する工程を少なくとも有することを特徴とする感
    光性樹脂印刷版の製造方法。
  11. 【請求項11】支持体上に感光性樹脂層および光発色層
    を積層した感光性樹脂印刷版材に、450〜1500n
    mの波長の光を画像状に照射することにより光発色層
    を、光が照射された部位のみ発色させて画像を形成さ
    せ、次いでこの画像を形成した光発色層を通して300
    〜450nmの波長の光を照射することにより、感光性
    樹脂層を画像状に硬化させ、次いで現像液で、硬化した
    感光性樹脂を残して溶出することにより支持体上にレリ
    ーフ像を得ることを特徴とする感光性樹脂印刷版の製造
    方法。
JP2000370968A 1999-12-09 2000-12-06 感光性樹脂印刷版材および感光性樹脂印刷版の製造方法 Pending JP2001264992A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000370968A JP2001264992A (ja) 1999-12-09 2000-12-06 感光性樹脂印刷版材および感光性樹脂印刷版の製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35079399 1999-12-09
JP2000-5044 2000-01-13
JP2000005044 2000-01-13
JP11-350793 2000-01-13
JP2000370968A JP2001264992A (ja) 1999-12-09 2000-12-06 感光性樹脂印刷版材および感光性樹脂印刷版の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001264992A true JP2001264992A (ja) 2001-09-28

Family

ID=27341354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000370968A Pending JP2001264992A (ja) 1999-12-09 2000-12-06 感光性樹脂印刷版材および感光性樹脂印刷版の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001264992A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4515877A (en) Image-recording materials and image-recording carried out using these to produce an optical mask
JP3463953B2 (ja) レーザーで像を生成する印刷板
TWI254835B (en) Processless digitally imaged photopolymer elements using microspheres
CN102239447B (zh) 柔性版元件及成像方法
US5759742A (en) Photosensitive element having integral thermally bleachable mask and method of use
JP4223226B2 (ja) フレキソ印刷版用光重合性エレメントおよびそのエレメントから前記版を調製する方法
JPS6131860B2 (ja)
JPH0461004B2 (ja)
US7998659B2 (en) Photosensitive laminated original printing plate for letterpress printing and process for producing letterpress printing plate using the photosensitive laminated original printing plate
JP4442187B2 (ja) 感光性樹脂印刷版原版、その製造方法およびこれを用いた樹脂凸版印刷版の製造方法
JPH08240908A (ja) 感光性樹脂組成物、それを用いた感光性平版印刷版、および平版印刷用版材の製造方法
JP5050821B2 (ja) 感光性樹脂印刷版原版
JP2012068423A (ja) 感光性樹脂印刷版原版およびその製造方法
US7078150B1 (en) Photosensitive resin print plate material and production method for photosensitive resin print plate
JP2001264992A (ja) 感光性樹脂印刷版材および感光性樹脂印刷版の製造方法
EP1067436A1 (en) Image forming composition, image recording material comprising the same, and process of image formation
JP2001260551A (ja) フレキソ印刷用多層感光性構成体及びそれを用いたフレキソ印刷用版材の製造方法
US5912105A (en) Thermally imageable material
JP2009244314A (ja) 感光性樹脂印刷版原版
JPS6022341B2 (ja) 剥離によるレジスト画像の形成方法
JP2005326442A (ja) 感光性樹脂印刷版原版、その製造方法およびこれを用いた樹脂凸版印刷版の製造方法
JPH0493843A (ja) 熱―光重合性組成物及びそれを用いる重合画像の形成方法
JP2003107719A (ja) 感光性転写材料、フォトマスク材料、並びにフォトマスク及びその製造方法
JP2005284143A (ja) 感光性組成物および感光性平版印刷版
JP2003107677A (ja) フォトマスク及びその製造方法、並びにフォトマスク材料