JP2001262841A - コンクリート構造物の補強工法、補強パネル、および補強パネル固定具 - Google Patents

コンクリート構造物の補強工法、補強パネル、および補強パネル固定具

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JP2001262841A
JP2001262841A JP2000337333A JP2000337333A JP2001262841A JP 2001262841 A JP2001262841 A JP 2001262841A JP 2000337333 A JP2000337333 A JP 2000337333A JP 2000337333 A JP2000337333 A JP 2000337333A JP 2001262841 A JP2001262841 A JP 2001262841A
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reinforcing
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reinforcing panel
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Akira Senba
昌 仙波
Toshio Fushimi
壽夫 伏見
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Haneda Concrete Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短期間に安全かつ安価に工事が完成し、維持
管理が容易に行なえるコンクリート構造物の補強工法、
それに用いる補強パネルおよび補強パネル固定具を提供
する。 【解決手段】 補修の対象となるコンクリート表面の下
地処理を行う。コンクリート面にアンカーボルト6を打
ち込む。下地が不良の場合は、エポキシプライマー2を
施工面に塗布し、必要に応じひび割れの充填を行う。そ
の上から接着用のエポキシパテ3を塗布する。エポキシ
パテ3が未硬化の状態で、補強パネル4を取り付け、ア
ンカーボルト6で締め付けて、コンクリート構造物1に
圧着、固定する。補強パネル4は、パネル面内方向に網
目状に配置される所定高さの多数の桁状部間に、パネル
厚さ方向に延びる多数の中空部を形成してなり、軽量で
ありながら、高強度、高剛性のパネルとして機能し、施
工後は中空部より補修面を直接目視し、劣化、ひび割れ
の進行を管理することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、補強パネルを用
いたコンクリート構造物の補強工法、その補強パネル、
および補強パネル固定具に関するもので、主として既設
コンクリート構造物について、劣化部位の剥落防止を兼
ねた補修、補強を目的として用いられるが、新設のコン
クリート構造物にも適用可能である。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物については、コンク
リート打設時の配合不良による劣化、コンクリートの中
性化、塩化物イオンの侵入、凍結融解作用、化学的浸
食、アルカリ骨材反応、コールドジョイント等による劣
化などが問題とされており、コンクリートにひび割れが
生じたり、コンクリートの剥落の恐れがある場合には、
その補修、補強が必要となる。
【0003】従来、既設コンクリートの劣化部位の剥落
防止対策としての補修は、ひび割れ部位にコーキング材
を注入したり、あるいはさらに劣化部分をはつり取るな
どの下地処理を施した後、モルタルや樹脂を塗布する方
法が行われている。
【0004】さらに、前述の補修をした表面をシート類
で覆い、既設コンクリートの表面剥離による剥落防止対
策とすることもある。また、既設コンクリート構造物の
劣化部位の剥落防止を兼ねた補強工法としては、コンク
リートの劣化した表面への、鋼板の張付けまたはコンク
リートによる覆工工法が一般に採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した補修工法は、
表面処理による表面保護に留まり、劣化した構造物の補
強効果はほとんど期待できない。
【0006】また、シート類の貼付けは、軽量小塊の少
量落下防止と引張応力に対しては効果があるが、シート
類を接着剤で既設コンクリート表面に接着する場合、接
着剤の硬化に長時間を要し、その間、圧着しておく手間
と方法が煩わしい上、大塊や大量の剥落の際にはシート
が破損してしまったり、引張、せん断や曲げには効果が
ないという問題がある。また、水の浸透圧によるシート
の剥離といった問題もある。
【0007】さらに、補強効果の期待できる厚さの鋼板
を覆工面にアンカーボルトで固定した覆工は、鋼板重量
が重く、作業能率や安全性に問題があり、覆工面が複雑
な形状の場合、その形状に合わせて厚い鋼板を裁断しな
ければならず、容易な作業ではない。
【0008】また、この場合、コンクリートと鋼材の材
質の違いから温度による伸び率が異なり、鋼板が撓みや
ひきつれ現象を引き起こし、アンカーボルトに加重がか
かるので、アンカーボルト周辺のコンクリートに劣化が
進行すると抜け落ちて、覆工材の剥がれ落ちる危険等、
覆工材固定の信頼性に問題が生じる。
【0009】場所打ちコンクリートによる覆工は、アン
カーの打ち込み、鉄筋の配筋、型枠の組立て、コンクリ
ートの打設、型枠の撤去と大がかりな工事となって、コ
ンクリートの養生にも長期間を要し、工費を多額なもの
としている。
【0010】また、これらによる覆工では、既設コンク
リートの補強と剥落防止を期待できるが、既設コンクリ
ートと覆工材の境界面を目視することはできず、新たな
亀裂の発生や劣化の進行を量り知ることはできないの
で、維持管理は専ら覆工材の表面に限られ、既に劣化が
生じており亀裂の発生や劣化の進行が最も懸念される部
分の管理ができないという問題がある。
【0011】本願発明は、上述のような背景のもとに創
案されたもので、短期間に安全かつ安価に工事が完成
し、維持管理が容易に行なえるコンクリート構造物の補
強工法、それに用いる補強パネルおよび補強パネル固定
具を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るコンクリ
ート構造物の補強工法は、パネル面内方向に網目状に配
置される所定高さの多数の桁状部間に、パネル厚さ方向
に延びる多数の中空部を形成してなる補強パネルを、補
強を必要とするコンクリート構造物の表面に、補強面が
前記中空部より透視できるように取り付けることを特徴
とするものである。
【0013】補強パネルは、基本的にはパネルとしてコ
ンクリートの補修面、あるいは補強面に取り付けられる
ものであり、軽量で高強度、高剛性で、せん断に強いパ
ネルとし、作業者が容易に取り扱えるよう幅が50〜2
00cm程度(矩形、その他特に形状は限定されない)
のものが好ましい。
【0014】本願発明で用いる補強パネルは、面内方向
に網目状に配置される所定高さの多数の桁状部間に、パ
ネル厚さ方向に延びる多数の中空部を形成してなるもの
であるため、桁状部が構造物の桁と同様の機能を有し、
パネルの剛性を高めつつ、中空部があることで軽量化が
図れる。
【0015】さらに、中空部を通して補修面、あるいは
補強面が透視できるので、補修後あるいは補強後にさら
にコンクリート本体部分について、劣化によるひび割れ
の進行や剥落の恐れが生じた場合でも、その状況を直接
目視することができる。
【0016】このようなことから、補強パネルの網目の
大きさは、通常2〜10cm程度とすることが好ましい
と考えられるが、剥落を防止する塊の大きさに応じて網
目の大きさや形状を変えてもよい。
【0017】なお、本願発明のコンクリート構造物の補
強工法は、主としてトネンル覆工や橋梁などの既設コン
クリート構造物について、劣化部位の剥落防止を兼ねた
補修、補強を目的として用いられるが、新設のコンクリ
ート構造物にも適用可能であり、また構造物の種類、用
途も特に限定されない。
【0018】請求項2は、請求項1に係るコンクリート
構造物の補強工法において、前記補強パネルを、補強面
の下地処理または表面処理を行った後に取り付ける場合
を限定したものである。
【0019】ここで、下地補修または表面補修には、サ
ンダーなどによる下地処理、ひび割れ補修、樹脂プライ
マーの塗布、樹脂の下塗りなどを含み、状況に応じて選
択的に行うことができる。なお、ひび割れが生じている
場合においては、必要に応じモルタルその他によりひび
割れの充填を行うことができるが、充填を行わずに補強
パネルの中空部を通して目視できる状態で、ひび割れの
進行を管理する場合もある。
【0020】請求項3に係るコンクリート補強パネル
は、請求項1、2に係るコンクリート構造物の補強工法
に適用することができる補強パネルであり、パネル面内
方向に網目状に配置される所定高さの多数の桁状部間
に、パネル厚さ方向に延びる多数の中空部を形成してな
ることを特徴とする。
【0021】網目形状は、一般的な格子状のものの他、
六角形その他の多角形、円形・楕円形の穴を有するもの
など特に限定されず、網目を構成する各2〜10cm程
度(これに限定されるものではない)の桁状部がパネル
面内方向に軸力の形で応力を伝達するとともに、桁状部
の断面剛性によりパネル全体の剛性を高めることができ
る。
【0022】また、材質も、補強パネルとして必要な強
度が得られるものであれば、金属、合成樹脂、その他特
には限定されない。請求項4および請求項5は、それぞ
れ請求項3に係るコンクリート補強パネルが軽量金属を
成形してなる場合、および繊維強化プラスチックを成形
してなる場合を限定したものである。
【0023】請求項3では、上述のように補強パネルの
材質を特に限定していないが、特に適するものとして
は、比較的軽量で高い強度が期待できるアルミニウム合
金などの軽量金属やガラス繊維などで補強した繊維強化
プラスチック(FRP)などが挙げられる。
【0024】また、繊維強化プラスチックの場合、現場
において、適宜、カッターなどで簡単に裁断、加工する
ことも可能である。請求項6に係る補強パネル固定具
は、パネル面内方向に網目状に配置される所定高さの多
数の桁状部間に、パネル厚さ方向に延びる多数の中空部
を形成してなるコンクリート補強パネルを、コンクリー
ト構造物の補強面に固定するための固定具であって、前
記補強パネルの中空部内に嵌入されコンクリート構造物
の表面に固定される固定部と、前記固定部より立ち上が
り、前記補強パネルの桁状部に係止される係止部とから
なることを特徴とする。
【0025】請求項1、2に係る発明において、補強パ
ネルの取付け方法は、直接接着剤で固定する方法、補修
面あるいは補強面に打ち込んだ金具を利用して取り付け
る方法、これらを併用した方法など、特に限定されない
が、補強パネルが中空部を有する網目状になっているこ
とから、請求項6に係る発明はその中空部を利用して補
強パネルを容易にかつ確実に固定できる固定具として発
明されたものである。
【0026】この場合、例えば、補修面あるいは補強面
に補強パネルを押しつけた状態で、パネルの中空部にパ
ネル固定具の固定部を差し込むと同時に、係止部を補強
パネルの桁状部に係止し、固定部をコンクリート構造物
にアンカーボルトなどで固定することにより、補強パネ
ルを固定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1および図2は本願発明の補強
工法をトンネル覆工の補修に適用した場合の一実施形態
を示したものであり、図3はその工法に使用される補強
パネルの一例を、図4は必要に応じて使用される二次覆
工パネルの一例を示したものである。
【0028】図中、符号1はコンクリート構造物、2は
エポキシプライマー、3はエポキシパテ、4は補強パネ
ル、5は押さえ板、6は補強パネル固定用のアンカーボ
ルト、6’は二次覆工パネル固定用のアンカーボルト、
7は二次覆工パネルを指している。
【0029】補強パネル4は、アルミニウム合金、ある
いは繊維強化プラスチックなどを材料として成形するこ
とができる。この例では、パネル厚さに対応する高さを
有する桁状部を六角形状に組み合わせ、蜂の巣断面状の
穴を多数形成し、軽量でありながら、高強度、高剛性の
補強パネル4となっている。この穴部の径は2〜10c
m程度とし、穴部を通して補修面あるいは補強面が透視
可能となっている。
【0030】なお、成形においては、補強パネル4全体
を一体成形することができる。また、繊維強化プラスチ
ックの場合、カッターなどにより、現場でも簡単に裁
断、加工を行うことができる。
【0031】二次覆工パネル7は、導水や劣化部分の剥
離落下の完全防止の目的で、必要に応じて使用されるも
のであり、材料としては、補強パネル4と同様に、アル
ミニウム合金、あるいは繊維強化プラスチックなどが適
する。
【0032】上記実施形態における作業手順を、図1を
用いて説明すると以下の通りである。 (1) 第1工程 コンクリート表面の劣化層について、サンダー11によ
るサンダーケレン、高圧洗浄、またはショットブラスト
などにより、研磨、除去などを行う。
【0033】(2) 第2工程 補修面に補強パネル4などを取り付けるためのアンカー
ボルト6,6’を打ち込む。
【0034】(3) 第3工程 下地が悪い場合は、エポキシプライマー2をローラー刷
毛12などにより施工面に塗布する。また、必要に応
じ、ひび割れの充填を行う。
【0035】(4) 第4工程 エポキシプライマー2の乾燥後、接着用のエポキシパテ
3をローラー刷毛12などで塗布し、ゴムベラ13で押
さえる。
【0036】(5) 第5工程 エポキシパテ3が未硬化の状態で、補強パネル4を取り
付ける。なお、この例では補強パネル4のトンネル内面
側に押さえ板5を渡し、第2工程で準備したアンカーボ
ルト6で締め付けて、コンクリート構造物1に圧着し、
固定している。
【0037】(6) 第6工程 必要に応じ、補強パネル4を覆うように、二次覆工パネ
ル7を設置し、この二次覆工パネル7をアンカーボルト
6’によりコンクリート構造物1に圧着し、固定する。
このとき、コンクリート構造物1と二次覆工パネル7と
の間に軟化ゴムなどからなるパッキン8を挟み込み、水
密性を確保する。
【0038】なお、二次覆工パネル7は、導水や補修面
におけるコンクリートの剥離落下の面では効果がある
が、ひび割れの進行や劣化状況を常に監視するためには
邪魔になるので、現場の状況に応じて取り付ける。ま
た、二次覆工パネル7を取り付けた場合でも、アンカー
ボルト6’部分で取り外せるようにしておけば、補修面
の管理が可能となる。
【0039】図5は、本願発明の補強パネルの他の実施
形態を示したもので、互いに直角に交差する桁状部4a
によって格子状に形成されており、桁状部4a間が透孔
としての中空部4bとなっている。
【0040】材料として、アルミニウム合金、あるいは
繊維強化プラスチックなどが適すること、軽量でありな
がら、高強度、高剛性の補強パネル4となっているこ
と、繊維強化プラスチック製の場合、カッターなどによ
り、現場でも簡単に裁断、加工を行うことができること
などは、図1〜図4に基づいて説明した補強パネルと同
様であるが、格子状であることで、成形が容易であり、
強度も確保しやすいという利点がある。
【0041】図6(a) は図5の補強パネル4をコンクリ
ート構造物の補修または補強に適用した場合の一実施形
態を示し、(b) はその際に用いる補強パネル固定具9a
を示したものである。
【0042】固定具9aは、補強パネル4の中空部4b
内に嵌入され、コンクリート構造物1の表面に、アンカ
ーボルト6などによって固定される固定部21と、固定
部21から立ち上がり、補強パネル4の桁状部4aに係
止される係止部22とからなる。
【0043】この固定具9aは、図6(a) に示すよう
に、コンクリート構造物1の表面に沿わせた補強パネル
4の表面側からその中空部4b内に嵌め込む形で簡単に
取り付けることができ、アンカーボルト6にナットなど
で締め付け、コンクリート構造物1の表面に一体化する
ことができる。
【0044】図7は、本願発明の補強工法をコンクリー
ト構造物1としての橋梁の橋桁下面から高欄外面にわた
る部分に適用した場合の一実施形態を示したものであ
り、図8(a) はその橋軸直角方向の断面、(b) は補強パ
ネル4の外周部で固定するための補強パネル固定具9b
を示したものである。
【0045】補強パネル4としては、前述した図4のも
のを用いることができる。また、補強パネル4の固定
は、外周部の固定具9bの他、任意形状の固定具を用い
ることができる。例えば、図8(a) 下面側については、
補強パネル4の桁状部間にわたる板状の固定具9cを用
い、この固定具9cを介してアンカーボルト6で固定し
ている。
【0046】
【発明の効果】本願発明のコンクリート構造物の補強工
法において、補強パネルは面内方向に網目状に配置され
る所定高さの多数の桁状部間に、パネル厚さ方向に延び
る多数の中空部を形成してなるものであるため、桁状部
が構造物の桁と同様の機能を有し、パネルの剛性を高め
つつ、中空部があることで軽量化が図れる。
【0047】また、パネルの中空部を通して補修面、あ
るいは補強面が透視できるので、補修後あるいは補強後
にさらにコンクリート本体部分について、劣化によるひ
び割れの進行や剥落の恐れが生じた場合でも、その状況
を直接目視することができ、早期に対策を施すことが可
能となる。
【0048】本願発明のコンクリート補強パネルは、コ
ンクリート構造物の補強工法に適用した場合において、
上記の効果を有する他、軽量金属や繊維強化プラスチッ
ク製の補強パネルにおいては、軽量で高い強度が期待で
き、繊維強化プラスチックの場合は、現場において、適
宜、カッターなどで簡単に裁断、加工することも可能で
あり、取扱いが容易である。
【0049】また、補強パネルの加工により、複雑な形
状にも対応可能であり、引張り、せん断、曲げに対して
高強度のパネルとなるので、この補強パネルを既設コン
クリートに埋め込まれたアンカーボルトなどを介して、
コンクリート表面に一体的強固に固着することで、既設
コンクリート構造物を効果的に補強することができる。
【0050】さらに、補強パネルはアンカーボルトなど
で、コンクリート表面に固定することができるので、コ
ンクリートの表面に塗布した接着性樹脂などの硬化を待
つ必要がなく、短時間で取付け施工が終了し、施工に要
する時間の短縮を図ることができる。
【0051】また、仮にコンクリート構造物の表面に剥
離が生じても、補強パネルの網目より大きな塊は補強パ
ネルの網目で落下が防止され、補強パネルの網目より小
さな塊はコンクリートの表面に接着性樹脂などを塗布し
ておくことで、補強面の全面にわたり連続して形成され
るフィルム状の樹脂層によって阻まれ、落下が防止され
る。
【0052】さらに、補強パネルの網目を通して、亀裂
の発生や劣化の進行が視認された場合には、補強パネル
を取り外して既設コンクリートの表面を再度表面処理す
ることが可能であり、その上で、桁状部の高さや厚さを
増したより高強度の補強パネルに取り替えたり、あるい
はパネルの中空開口部分にモルタルや樹脂を充填するこ
とによる維持管理が可能であり、それによって災害発生
を未然に防止することができる。
【0053】補強パネルの寸法を50cm〜2m角程度
とすれば、パネルとコンクリートの両材料の伸縮量の差
は小さく、アンカーボルトがコンクリートから抜け落ち
て、補強パネルが外れるといったこともない。
【0054】本願発明の補強パネル固定具は、補強パネ
ルをその中空部と桁状部の形状を利用して、補修あるい
は補強が必要とされるコンクリート構造物の表面に取り
付けられるようにしたものであり、補強パネル取付け作
業が容易となり、また施工コストの低減が図れる。
【0055】このように、本願発明によれば、作業が容
易で特別な技術の必要もなく、安全、確実、かつ迅速
に、そして安価な工費でコンクリート構造物の安全化対
策と補強、並びに維持管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の補強工法をトンネル覆工の補修に
適用した場合の一実施形態を段階的に示した斜視図であ
る。
【図2】 図1の実施形態に対応する断面図である。
【図3】 図1の実施形態に使用した補強パネルの形態
の一例を示したもので、(a) は断面図、(b) は平面図で
ある。
【図4】 図1の実施形態に使用した二次覆工パネルの
形態の一例を示したもので、(a) は断面図、(b) は平面
図である。
【図5】 本願発明の補強パネルの他の実施形態を示す
斜視図である。
【図6】 (a) は図5の補強パネルをコンクリート構造
物の補修または補強に適用した場合の一実施形態を示す
断面図、(b) は補強パネル固定具の斜視図である。
【図7】 本願発明の補強工法を橋梁の橋桁下面から高
欄外面に適用した場合の一実施形態を示す斜視図であ
る。
【図8】 (a) は図7の実施形態に対応する橋軸直角方
向の断面図、(b) は補強パネル固定具を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…コンクリート構造物、2…プライマー、3…エポキ
シパテ、4…強化パネル、4a…桁状部、4b…中空
部、5…押さえ板、6…アンカーボルト、6’…アンカ
ーボルト、7…二次覆工パネル、8…パッキン、9a…
補強パネル固定具、9b…補強パネル固定具、9c…補
強パネル固定具、11…サンダー、12…ローラー刷
毛、13…ゴムベラ、21…固定部、22…係止部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル面内方向に網目状に配置される所
    定高さの多数の桁状部間に、パネル厚さ方向に延びる多
    数の中空部を形成してなる補強パネルを、補強を必要と
    するコンクリート構造物の表面に、補強面が前記中空部
    より透視できるように取り付けることを特徴とするコン
    クリート構造物の補強工法。
  2. 【請求項2】 前記補強パネルは、補強面の下地処理ま
    たは表面処理を行った後に取り付ける請求項1記載のコ
    ンクリート構造物の補強工法。
  3. 【請求項3】 パネル面内方向に網目状に配置される所
    定高さの多数の桁状部間に、パネル厚さ方向に延びる多
    数の中空部を形成してなることを特徴とするコンクリー
    ト補強パネル。
  4. 【請求項4】 軽量金属を成形してなる請求項3記載の
    コンクリート補強パネル。
  5. 【請求項5】 繊維強化プラスチックを成形してなる請
    求項3記載のコンクリート補強パネル。
  6. 【請求項6】 パネル面内方向に網目状に配置される所
    定高さの多数の桁状部間に、パネル厚さ方向に延びる多
    数の中空部を形成してなるコンクリート補強パネルを、
    コンクリート構造物の補強面に固定するための固定具で
    あって、前記補強パネルの中空部内に嵌入されコンクリ
    ート構造物の表面に固定される固定部と、前記固定部よ
    り立ち上がり、前記補強パネルの桁状部に係止される係
    止部とからなることを特徴とする補強パネル固定具。
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