JP2001261943A - 樹脂組成物および樹脂成形品 - Google Patents
樹脂組成物および樹脂成形品Info
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Abstract
発煙や、酸化劣化による着色などがなくまたは少ない樹
脂組成物およびその樹脂成形品の提供。 【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、環状ポリオレフ
ィン系樹脂と、一般式(1)〜(3)〔式中、R1 〜R
24は、水素原子、メチル基、エチル基、2−フェニルプ
ロピル基またはtert−ブチル基を示す。〕で表され
る化合物から選ばれたリン系酸化防止剤とを含有する。 【化1】
Description
脂成形品に関し、さらに詳しくは、特定の化学構造を有
するリン系酸化防止剤を含有してなる熱可塑性の樹脂組
成物およびこの樹脂組成物からなる樹脂成形品に関す
る。
の剛直性に起因してガラス転移温度が高く、主鎖構造に
嵩高い基を含有するために、非晶性で光透過率が高く、
しかも分極率の異方性が小さいことによる低複屈折性を
示すなどの特長を有しており、耐熱性、透明性、光学特
性に優れた熱可塑性樹脂として注目されている。かかる
環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば特開平1−
132625号公報、特開平1−132626号公報、
特開昭63−218726号公報、特開平2−1334
13号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭
61−115912号公報等に開示されている。
ファイバーなどの光学材料、光半導体封止材などの封止
材料などの分野において、環状ポリオレフィン系樹脂を
応用することについて検討されている。しかして、ガラ
ス転移温度が高い環状ポリオレフィン系樹脂を成形する
ためには、高温で加工することが必要となる。
形加工を行うと、環状ポリオレフィン系樹脂が酸化劣化
することによって、得られる成形品が着色されて無色透
明性が損なわれ、また、環状ポリオレフィン系樹脂およ
び/または添加剤(含有成分)が熱分解することによっ
て、当該環状ポリオレフィン系樹脂から多量に発煙が生
じて作業環境が悪化すると共、当該発煙物質が金型の成
形面や成形ロールの表面に付着してこれらが汚染し、更
には、得られる成形品の表面が汚染する、という問題が
ある。
て光ディスクを射出成形する場合において、記録溝の転
写性を向上させるためには、成形温度を相当程度高くす
る(例えば300〜360℃)ことが必要であり、ま
た、光ディスクのような薄肉の成形品を得るために使用
する樹脂は少量であるため、当該樹脂(環状ポリオレフ
ィン系樹脂)の射出成形機内における滞留時間も長くな
る。このため、得られる光ディスクは、黄色味を帯びた
ものとなるとともに、金型の成形面に発煙物質による汚
染が発生し、延いては光ディスクの表面に汚染が発生し
やすい。
れる成形品を高温環境下で使用すると、当該成形品の色
相が経時的に変化し、環状ポリオレフィン系樹脂の有す
る無色透明性が損なわれてしまう、という問題もある。
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
高温条件下で成形加工しても、熱分解による発煙や、酸
化劣化による着色などがなくまたは少なく、環状オレフ
ィン系樹脂の有する良好な特性(透明性・耐熱性・光学
的特性)が維持された樹脂成形品が得られる樹脂組成物
を提供することにある。本発明の他の目的は、高温環境
下においても初期の色相(無色透明性)を維持すること
のできる樹脂成形品を提供することにある。
環状ポリオレフィン系樹脂(A)(以下、「(A)成
分」ともいう。)と、下記一般式(1)、下記一般式
(2)または下記一般式(3)で表される化合物から選
ばれた少なくとも1種のリン系酸化防止剤(B)(以
下、「(B)成分」ともいう。)とを含有することを特
徴とする。
れ独立して水素原子、メチル基、エチル基、2−フェニ
ルプロピル基またはtert−ブチル基を示す。〕
れ独立して水素原子、メチル基、エチル基、2−フェニ
ルプロピル基またはtert−ブチル基を示す。〕
れ独立して水素原子、メチル基、エチル基、2−フェニ
ルプロピル基またはtert−ブチル基を示す。〕
ル系酸化防止剤(C)(以下、「(C)成分」ともい
う。)を含有することが好ましい。このような樹脂組成
物においては、環状ポリオレフィン系樹脂(A)100
重量部に対して、リン系酸化防止剤(B)0.01〜
1.5重量部と、フェノール系酸化防止剤(C)0.0
1〜1.0重量部とを含有することが好ましい。また、
フェノール系酸化防止剤(C)が、下記式(i)で表さ
れる化合物または下記式(ii)で表される化合物からな
ることが好ましい。
状ポリオレフィン系樹脂(A)が、下記一般式(4)で
表される化合物を含む単量体の開環重合体またはその水
素添加物であることが好ましい。
素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R26
およびR28は、水素原子または一価の有機基であって、
R26およびR28の少なくとも一つは水素原子および炭化
水素基以外の極性基を示す。mは0〜3の整数、pは0
〜3の整数であり、m+pが0〜4である。〕
からなることを特徴とする。
て詳細に説明する。 <(A)成分>本発明の樹脂組成物において、(A)成
分として用いられる環状ポリオレフィン系樹脂として
は、下記〜に示す重合体を挙げることができる。 上記一般式(4)で表される単量体(以下、「特定
単量体」という。)の開環重合体 特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体 前記開環(共)重合体の水素添加重合体 前記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応に
より環化した後、水素添加した(共)重合体 特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共
重合体
は、上記一般式(4)中、R25およびR27が水素原子ま
たは炭素数1〜10の炭化水素基であり、R26およびR
28が水素原子または一価の有機基であって、R26および
R28の少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外
の極性基を示し、mが0〜3の整数、pが0〜3の整数
であり、m+pが0〜4(更に0〜2、特に1)である
ものを挙げることができる。また、特定単量体のうち、
式−(CH2 )n COOR29で表される極性基を有する
特定単量体は、得られる樹脂組成物が高いガラス転移温
度と低い吸湿性を有するものとなる点で好ましい。極性
基にかかる上記の式において、R29は炭素原子数1〜1
2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、
nは通常0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得
られる樹脂組成物のガラス転移温度が高くなるので好ま
しく、さらにnが0である特定単量体は、その合成が容
易である点で好ましい。さらに、上記一般式(4)にお
いてR25またはR27はアルキル基であることが好まし
く、当該アルキル基の炭素数は1〜4であることが好ま
しく、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1であ
る。特に、このアルキル基が上記の式−(CH2 )n C
OOR29で表される極性基が結合した炭素原子と同一の
炭素原子に結合されていることが好ましい。また、一般
式(4)においてmが1である特定単量体は、ガラス転
移温度の高い樹脂組成物が得られる点で好ましい。
の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、ペン
タシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4
−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5 .
19,12.08,13]−3−ペンタデセン、トリシクロ
[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、5−メチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキ
シカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−イソプロポキシ
カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .
17,10]−3−ドデセン、8−n−ブトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12, 5 .17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12, 5 .17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ジメ
タノオクタヒドロナフタレン、エチルテトラシクロドデ
セン、6−エチリデン−2−テトラシクロドデセン、ト
リメタノオクタヒドロナフタレン、ペンタシクロ[8.
4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ヘキサデセ
ン、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6 .110,17 .1
12,15 .02,7 .011,16]−4−エイコセン、ヘプタ
シクロ[8.8.0.14,7 .111,18 .113,16 .0
3,8 .012,17]−5−ヘンエイコセン、5−エチリデ
ンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−エチ
リデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、8−フェニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、5−フルオロビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フルオロ
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5−ジフルオロビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリス(フル
オロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6,6−テトラキ
ス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(ト
リフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフル
オロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フル
オロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリ
フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−is
o−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロ−5,6,6−
トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメ
チル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,
5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−ト
リフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−フルオロテトラ
シクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ジフルオロメチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ペンタ
フルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8,8−ジフルオロテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.
12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8−ビス(トリ
フルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .
1 7,10]−3−ドデセン、8,9−ビス(トリフルオロ
メチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1 7,10]
−3−ドデセン、8−メチル−8−トリフルオロメチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1 7,10]−3−ド
デセン、8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8,9
−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.
4.0.12, 5 .17,10]−3−ドデセン、8,8,
9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8,9,9−テト
ラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8−ジフル
オロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチ
ル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、8,8,9−トリフルオロ−9−トリフル
オロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .
17,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフルオロ−
9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.
12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフ
ルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス
(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−
8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオ
ロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]
−3−ドデセン、8−クロロ−8,9,9−トリフルオ
ロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフル
オロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−
(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ンなどを挙げることができる。
8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−エチリデンテトラ
シクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセ
ン、8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .1
7,10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ〔7.4.0.1
2,5 .19,12.08,13〕−3−ペンタデセンは、最終的
に得られる樹脂組成物が耐熱性に優れたものとなる点で
好ましい。
の開環重合工程においては、上記の特定単量体を単独で
開環重合させてもよいが、当該特定単量体と共重合性単
量体とを開環共重合させてもよい。この場合に使用され
る共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シ
クロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリ
シクロ[5.2.1.02, 6 ]−3−デセン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなど
のシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレ
フィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに
好ましくは5〜12である。更にポリブタジエン、ポリ
イソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン
−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖
に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマ
ーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。
これらの共重合性単量体は、「特定単量体/共重合性単
量体(重量比)」が、100/0〜50/50であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは100/0〜60/4
0となる割合で用いられる。そして、この場合に得られ
る開環重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の
原料として有用である。
合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。このメタ
セシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から
選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表
IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素
(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、
Cd、Hgなど)、III B族元素(例えばB、Alな
ど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIV
B族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であ
って、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当
該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも
1種との組合せからなる触媒である。またこの場合に触
媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が添加さ
れたものであってもよい。
Reの化合物の代表例としては、WCl6 、MoC
l5 、ReOCl3 など特開平1−240517号公報
に記載の化合物を挙げることができる。(b)成分の具
体例としては、n−C4 H9 Li、(C2 H5 )3 Al
、(C 2 H5 )2 AlCl、(C2 H5 )1.5 AlC
l1.5 、(C2 H5 )AlCl2、メチルアルモキサ
ン、LiHなど特開平1−240517号公報に記載の
化合物を挙げることができる。添加剤である(c)成分
の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケト
ン類、アミン類などが好適に用いることができるが、更
に特開平1−240517号公報に示される化合物を使
用することができる。
(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特
定単量体」が、通常1:500〜1:50000となる
範囲、好ましくは1:1000〜1:10000となる
範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割合は、金
属原子比で「(a):(b)」が1:1〜1:50、好
ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。(a)成分
と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」
が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1
〜7:1の範囲とされる。
節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行う
ことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反
応系に共存させることにより調節することが好ましい。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレ
ン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
センなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げるこ
とができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが
特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるい
は2種以上を混合して用いることができる。分子量調節
剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量
体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは
0.02〜0.5モルとされる。
いて用いられる溶媒(特定単量体、メタセシス触媒およ
び分子量調節剤を溶解する溶媒)としては、例えばペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン
などのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、
シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロ
アルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、
ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキ
サメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホル
ム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;
アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、
酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシ
エタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエ
ーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは
混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭
化水素が好ましい。溶媒の使用量としては、「溶媒:特
定単量体(重量比)」が、通常1:1〜10:1となる
量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされ
る。
る開環(共)重合体は、そのまま(A)成分として使用
することもできるが、水素添加された水素添加(共)重
合体を(A)成分として使用することが好ましい。水素
添加反応は、通常の方法、すなわち、開環(共)重合体
の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気
圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200
℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによっ
て行われる。水素添加触媒としては、通常のオレフィン
性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用するこ
とができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒
および均一系触媒が公知である。不均一系触媒として
は、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウ
ムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミ
ナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げる
ことができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸
ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチル
アセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コ
バルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/
ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、ク
ロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジク
ロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ク
ロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができ
る。触媒の形態は粉末でも粒状でもよい。これらの水素
添加触媒は、「開環(共)重合体:水素添加触媒(重量
比)」が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用さ
れる。このように、水素添加することにより得られる水
素添加(共)重合体は優れた熱安定性を有するものとな
り、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっては
その特性が劣化することはない。ここに、水素添加率
は、通常50%以上、好ましく70%以上、より好まし
くは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好
ましくは97%以上である。
含有化合物>飽和共重合体よりなる(A)成分を得るた
めに、特定単量体との共重合反応に供される不飽和二重
結合含有化合物としては、例えばエチレン、プロピレ
ン、ブテンなど炭素数2〜12、好ましくは2〜8のオ
レフィン系化合物を挙げることができる。これらの不飽
和二重結合含有化合物は、「特定単量体/不飽和二重結
合含有化合物(重量比)」が、90/10〜40/60
であり、さらに好ましくは85/15〜50/50とな
る割合で用いられる。
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応
に使用される触媒としては、バナジウム化合物と有機ア
ルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。バナジ
ウム化合物としては、一般式VO(OR)a Xb または
V(OR)c X d (ただし、Rは炭化水素基、0≦a≦
3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d
≦4、3≦c+d≦4)で表されるバナジウム化合物、
あるいはこれらの電子供与体付加物が用いられる。電子
供与体としてはアルコール、フェノール類、ケトン、ア
ルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステ
ル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシラン
等の含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリ
ル、イソシアナート等の含窒素電子供与体などが挙げら
れる。有機アルミニウム化合物触媒成分としては、少な
くとも1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミニ
ウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1
種が用いられる。触媒成分の比率はバナジウム原子に対
するアルミニウム原子の比(Al/V)で2以上、好ま
しくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲であ
る。
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応
に使用される溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン
類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等のシクロ
アルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素およびそのハロゲン誘導体を挙げることがで
き、これらのうち、シクロヘキサンが好ましい。
クロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh )は、0.
2〜5.0dl/gであることが好ましい。また(A)
成分の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の
数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、
重量平均分子量(Mw)が20,000〜300,00
0の範囲のものが好適である。
定の化学構造を有するリン系酸化防止剤(B)が(B)
成分としてが含有されている点に特徴を有するものであ
る。このリン系酸化防止剤(B)は、上記一般式
(1)、上記一般式(2)または上記一般式(3)で表
される化合物であって、他のリン系酸化防止剤(例えば
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファ
イトなどの従来公知のリン系酸化防止剤)よりも、熱分
解・加水分解されにくく、従って、高温条件下において
も、酸化劣化(成形品の着色)の防止効果および熱分解
(成形加工時における発煙)の防止効果を確実に発揮す
ることができる。
12は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル
基、2−フェニルプロピル基またはtert−ブチル基
を示し、これらのうち好ましいものは、2−フェニルプ
ロピル基、tert−ブチル基である。このような一般
式(1)で表される化合物の具体例としては、ビス[ビ
ス(2,4,−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェ
ノキシ)ホスフィノ]ビフェニル、ビス[ビス(2,
4,−ジ−tert−ブチルフェノキシ)ホスフィノ]
ビフェニルなどが挙げられ、これらの中では、ビス[ビ
ス(2,4,−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェ
ノキシ)ホスフィノ]ビフェニルが特に好ましい。
18は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル
基、2−フェニルプロピル基またはtert−ブチル基
を示し、これらのうち好ましいものは、2−フェニルプ
ロピル基、tert−ブチル基である。このような一般
式(2)で表される化合物の具体例としては、ビス
(2,4,−ジクミルフェニル)ペンタエリスリルジホ
スファイトなどが挙げられる。
24は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル
基、2−フェニルプロピル基またはtert−ブチル基
を示し、これらのうち好ましいものは、メチル基、エチ
ル基、2−フェニルプロピル基またはtert−ブチル
基である。このような一般式(3)で表される化合物の
具体例としては、6−〔3−(3−tert−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−
2,4,8,10−テトラキス−tert−ブチルジベ
ンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピ
ン、6−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10
−テトラキス−tert−ブチルジベンゾ〔d,f〕
〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピンなどが挙げられ
る。
含有割合は、(A)成分100重量部に対して0.01
〜1.5重量部であることが好ましく、更に好ましくは
0.05〜1.0重量部とされる。ここで、(B)成分
の含有割合が過小である場合には、得られる樹脂組成物
の酸化劣化(成形品の着色)の防止効果と熱分解(発
煙)の防止効果とを十分に発揮することができない。一
方、(B)成分の含有割合が過大である場合には、得ら
れる樹脂組成物の機械的特性が損なわれることがある。
(B)成分とともに、(C)成分としてフェノール系酸
化防止剤(C)が含有されていることが好ましい。この
ように2種類の酸化防止剤を併用することにより、フェ
ノール系酸化防止剤(C)である(C)成分が、ラジカ
ルを捕捉する一次酸化防止剤として作用し、リン系酸化
防止剤(B)である(B)成分が、劣化とともに発生す
るヒドロパーオキサイドを還元して分解する二次酸化防
止剤として作用する。また、(C)成分は、常温条件下
での酸化劣化に対して優れた防止効果を有している。
(C)成分として用いられるフェノール系酸化防止剤
(C)の分子量は350以上であることが好ましく、こ
れにより、高温条件下においても、分解されにくく、こ
れを含有してなる樹脂組成物において分解ガスの発生を
抑制することができる。
剤(C)としては、上記式(i)で表される3,3’,
3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−
a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイ
ル)トリ−p−クレゾール、または上記式(ii)で表さ
れるペンタエリスリチルーテトラキス[3―(3,5―
ジ―tert―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]を用いることが好ましい。
含有割合は、(A)成分100重量部に対して0.01
〜1.0重量部であることが好ましく、更に好ましくは
0.05〜0.5重量部とされる。ここで、(C)成分
の含有割合が過小である場合には、その併用効果(一次
酸化防止剤としての効果)を十分に発揮することができ
ない。一方、(C)成分の含有割合が過大である場合に
は、得られる樹脂組成物の機械的特性が損なわれること
がある。
(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の樹脂成
分として炭化水素樹脂、ポリスチレンオリゴマー、ロジ
ン樹脂が含有されていてもよく、これらの樹脂成分によ
って得られる樹脂組成物の流動性が改良できる。上記の
樹脂成分の含有量としては、(A)成分100重量部あ
たり、通常0.01〜60重量部とされ、好ましくは
0.1〜30重量部とされる。
って、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が2
0,000以下、好ましくは200〜20,000もの
であることが好ましい。ここで、これらのポリスチレン
換算重量平均分子量が過大であると、(A)成分との相
溶性が悪くなり透明性が低減するので好ましくない。ま
た、常温で液状の炭化水素樹脂などを用いると、樹脂の
強度が低下され、しかも樹脂の表面にブリードするので
好ましくない。
脂、C9 系樹脂、C5 系/C9 系混合樹脂、シクロペン
タジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体系
樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族系化合物の共重合
体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳
香族系化合物の共重合体系樹脂、前記樹脂の水素添加物
水素添加物などを挙げることができる。
酸、ピマル酸などと、その誘導体としての水添体、不均
化体、重合体、エステル化体などが挙げられる。
上させる目的で、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、金
属フレーク、ガラスビーズ、ワラストナイト、ロックフ
ィラー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、マイカ、ガ
ラスフレーク、ミルドファイバー、カオリン、硫酸バリ
ウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグネシウム、酸
化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカーなどの
充填材を、単独で用いても、あるいは2種以上を混合し
ても用いることもできる。
燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、酸化防止剤、可
塑剤、着色剤、滑剤、シリコンオイル、発泡剤などの添
加剤を配合することもできる。
は、例えば、 (A)成分と(B)成分と任意成分とを、二軸押出
機、ロール混練機などを用いて混合することによりペレ
ット状の樹脂組成物を得る方法、 当該(A)成分の溶液と(B)成分の溶液とを混合
し、溶媒を除去することにより樹脂組成物を得る方法を
挙げることができる。
出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロ
ール、フィーダールーダーなどの溶融混練機を用いるこ
とができる。混練り温度は、好ましくは200〜400
℃、さらに好ましくは240〜350℃である。また、
各成分を混練りするに際しては、各成分を一括して混練
りしても数回に分けて添加しながら混練りしてもよい。
手段、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法など
を用いて成形品を作製することができる。ここに、成形
品の形状としても特に限定されるものではない。
た成形品の表面に、無機化合物、シランカップリング剤
などの有機シリコン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シ
リコーン樹脂などからなるハードコート層を形成するこ
とができる。ハードコート層の形成手段としては、熱硬
化法、紫外線硬化法、真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法などの公知の方法を挙げること
ができる。これによって、成形品の耐熱性、光学特性、
耐薬品性、耐摩耗性および耐水性などを向上させること
ができる。
るものではなく、広い範囲にわたって使用することがで
き、例えばメガネレンズ、一般カメラ用レンズ、ピック
アップレンズ、ビデオカメラ用レンズ、望遠鏡レンズ、
レーザビーム用レンズなどのレンズ類、光学式ビデオデ
ィスク、オーディオディスク、文書ファイルディスク、
メモリディスクなどの光ディスク類、OHPフィルム等
の光学フィルムなどの光学材料、フォトインタラプタ
ー、フォトカプラー、LEDランプ等の光半導体封止
材、ICカードなどのICメモリーの封止材として特に
好適に使用することができる。
本発明がこれらによって制限されるものではない。な
お、以下において「部」は「重量部」を示す。
される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(特
定単量体)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)
41部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部と
を窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃
に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチル
アルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/l)0.6
2部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化
タングズテン(t−ブタノール:メタノール:タングス
テン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン
溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、こ
の系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合
反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応におけ
る重合転化率は97%であり、得られた開環重合体の3
0℃、クロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh )は
0.45dl/gであった。
4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合
体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6 H5 )3 ]3
0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2 、
反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することに
より水素添加反応させた。得られた反応溶液(水素添加
重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧し、当該反
応溶液を大量のメタノール中に注いで水素添加重合体を
凝固させて分離回収した。このようにして得られた水素
添加重合体(以下、「樹脂(A−1)」という。)の水
素化率は実質上100%であり、GPCで測定したポリ
スチレン換算の数平均分子量(Mn)は19,800、
重量平均分子量(Mw)は62,000であった。
て、(A)成分として樹脂(A−1)100部と、
(B)成分としてビス[ビス(2,4,−ジ−tert
−ブチルー5−メチルフェノキシ)ホスフィノ]ビフェ
ニル(以下、「リン系酸化防止剤(B−1)」とい
う。)、0.3部と、(C)成分としてペンタエリスリ
チルーテトラキス−〔3−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(以
下「フェノール系酸化防止剤(C−1)」という。)
0.1部とをドライブレンドし、得られた混合物を、押
出機TEM−37(東芝機械(株)製)を使用して溶融
混練(スクリュー回転数:150rpm、設定温度29
0℃)し、ペレット化することにより、本発明の樹脂組
成物を得た。
て、(B)成分として、リン系酸化防止剤(B−1)の
代わりに6−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,
8,10−テトラキス−tert−ブチルジベンゾ
〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン(以
下、「リン系酸化防止剤(B−2)」という。)0.3
部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の
樹脂組成物を得た。
て、(C)成分として、フェノール系酸化防止剤(C−
1)の代わりに3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキ
サ−tert−ブチル−a、a’、a”−(メシチレン
−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール(以
下、「フェノール系酸化防止剤(C−2)」という。)
0.3部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本
発明の樹脂組成物を得た。
て、(B)成分として、リン系酸化防止剤(B−1)の
代わりにビス(2,4,−ジクミルフェニル)ペンタエ
リスリルジホスファイト(以下、「リン系酸化防止剤
(B−3)という)0.3部を用いたこと以外は実施例
1と同様にして、本発明の樹脂組成物を得た。
て、(B)成分であるリン系酸化防止剤(B−1)の使
用量を0.3部から1.0部に変更し、(C)成分とし
て、フェノール系酸化防止剤(C−1)の代わりにフェ
ノール系酸化防止剤(C−2)0.5部を用いたこと以
外は実施例1と同様にして、本発明の樹脂組成物を得
た。
て、(B)成分として、リン系酸化防止剤(B−1)の
代わりにリン系酸化防止剤(B−1)0.2部およびリ
ン系酸化防止剤(B−3)0.2部を用い、(C)成分
として、フェノール系酸化防止剤(C−1)の代わりに
フェノール系酸化防止剤(C−2)0.3部を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして、本発明の樹脂組成物を
得た。
て、(B)成分として、リン系酸化防止剤(B−1)の
代わりにリン系酸化防止剤(B−3)0.3部を用い、
(C)成分として、フェノール系酸化防止剤(C−1)
の代わりにフェノール系酸化防止剤(C−2)0.3部
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の樹
脂組成物を得た。
て、リン系酸化防止剤(B−1)を用いず、フェノール
系酸化防止剤(C−1)の代わりにフェノール系酸化防
止剤(C−2)0.1部を用いたこと以外は実施例1と
同様にして、比較用の樹脂組成物を得た。
て、リン系酸化防止剤(B−1)の代わりにトリス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファ
イト(以下、「リン系酸化防止剤(b−4)」とい
う。)0.3部を用い、フェノール系酸化防止剤(C−
1)の代わりにフェノール系酸化防止剤(C−2)0.
1部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較用
の樹脂組成物を得た。
て、リン系酸化防止剤(B−1)の代わりにオクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート(以下、「フェノール系
酸化防止剤(c−3)」という。)0.3部を用い、フ
ェノール系酸化防止剤(C−1)の使用量を0.1部か
ら0.3部に変更したこと以外は実施例1と同様にし
て、比較用の樹脂組成物を得た。
て、リン系酸化防止剤(B−1)を用いず、フェノール
系酸化防止剤(C−1)の代わりにフェノール系酸化防
止剤(c−3)0.5部を用いたこと以外は実施例1と
同様にして、比較用の樹脂組成物を得た。
1〜4により得られたペレット状の樹脂組成物の各々
を、40mm押出機(日立造船(株)製)により290
℃で溶融して500mmTダイから膜状に吐出させた
後、縦型ポリシングロール(成形ロール)により賦型し
て樹脂シートを製造した。この工程において、Tダイの
吐出口から発生する煙の状態および縦型ポリシングロー
ルの状態を目視で観察し、以下の基準により評価した。 ◎…発煙が全く認められない。 ○…発煙がわずかに認められる。 △…発煙が多量に認められる。 ×…発煙が多量に認められ、縦型ポリシングロールの表
面に発煙による曇りが認められる。 以上の結果を下記表1に示す。
1〜7および比較例1〜4により得られたペレット状の
樹脂組成物の各々について、加熱時における色相の変化
を以下のようにして調べ、その評価を行った。樹脂組成
物をトルエンに溶解して樹脂溶液を調製し、この樹脂溶
液を表面が平滑な金属板に塗布して乾燥することによ
り、樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムを26
0℃で8分間加熱処理した。以上において、加熱処理の
前後における樹脂フィルムについて、JIS K710
3に従って黄色度(YI値)を測定し、その差を求め
た。以上の結果を下記表1に示す。
例1〜7に係る樹脂組成物によれば、成形加工の工程に
おける発煙が少なく、しかも、高温環境下に放置して
も、当該成形品の色相の経時的変化は小さい樹脂成形品
が得られることが確認された。これに対して、(B)成
分を含有しない比較例1〜4に係る樹脂組成物により得
られる成形品は、高温環境下に放置されると、当該成形
品の色相が大きく変化し、黄色味が強くなった。また、
比較例2〜4に係る樹脂組成物においては、成形加工の
工程における発煙の量が多く、成形ロールの表面に汚れ
が発生して、成形品の表面が汚染するなどの問題が生
じ、成形加工性の観点から好ましいものではない。
下でこれを成形加工しても、熱分解による発煙や、酸化
劣化による着色などがなくまたは少なく、環状オレフィ
ン系樹脂の有する良好な特性(透明性・耐熱性・光学的
特性)が維持された樹脂成形品が得られる。本発明の樹
脂成形品によれば、高温環境下において使用(放置)し
ても初期の色相(無色透明性)を維持することができ
る。そして、本発明の樹脂組成物によれば、半導体封
止、光半導体封止などの封止剤、光学レンズ、光ファイ
バー、光ディスクなどの光学材料の分野における環状オ
レフィン系樹脂の応用の拡大に貢献することができ、こ
のことによる工業的価値は極めて高い。
Claims (6)
- 【請求項1】 環状ポリオレフィン系樹脂(A)と、 下記一般式(1)、下記一般式(2)または下記一般式
(3)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の
リン系酸化防止剤(B)とを含有することを特徴とする
樹脂組成物。 【化1】 〔一般式(1)中、R1 〜R12は、それぞれ独立して水
素原子、メチル基、エチル基、2−フェニルプロピル基
またはtert−ブチル基を示す。〕 【化2】 〔一般式(2)中、R13〜R18は、それぞれ独立して水
素原子、メチル基、エチル基、2−フェニルプロピル基
またはtert−ブチル基を示す。〕 【化3】 〔一般式(3)中、R19〜R24は、それぞれ独立して水
素原子、メチル基、エチル基、2−フェニルプロピル基
またはtert−ブチル基を示す。〕 - 【請求項2】 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
フェノール系酸化防止剤(C)を含有することを特徴と
する樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項2に記載の樹脂組成物であって、
環状ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し
て、リン系酸化防止剤(B)0.01〜1.5重量部
と、フェノール系酸化防止剤(C)0.01〜1.0重
量部とを含有することを特徴とする樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項2または請求項3の何れかに記載
の樹脂組成物であって、フェノール系酸化防止剤(C)
が、下記式(i)で表される化合物または下記式(ii)
で表される化合物からなることを特徴とする樹脂組成
物。 【化4】 【化5】 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の樹脂組成物であって、環状ポリオレフィン系樹脂
(A)が、下記一般式(4)で表される化合物を含む単
量体の開環重合体またはその水素添加物であることを特
徴とする樹脂組成物。 【化6】 〔一般式(4)中、R25およびR27は、水素原子または
炭素数1〜10の炭化水素基を示し、R26およびR
28は、水素原子または一価の有機基であって、R26およ
びR28の少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以
外の極性基を示す。mは0〜3の整数、pは0〜3の整
数であり、m+pが0〜4である。〕 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
の樹脂組成物よりなることを特徴とする樹脂成形品。
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