JP2001261165A - パレットの積降ろし設備及びその積降ろし方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工場や倉庫の出・入荷操作を行なうための建
屋や、その敷地面積を拡大することなく、大量の物品を
迅速且つ効率的に出・入荷し、物流コストを低減できる
パレットの積降ろし設備及び方法を創案する。 【解決手段】 （イ）〜（ハ）を備えた設備：（イ）出
荷品パレットを積み込むか入荷品パレットが積載された
トラックが進入自在なトラックバースを有するトラック
バース５床面、（ロ）少なくともトラックバース５床面
がある階とは異なる階にあって、出荷品パレットの仮置
場及び入荷品パレットの仮置場１５、１７を有する出・
入荷待機品パレット置場床面、（ハ）出荷品パレットあ
るいは入荷品パレットを仮置場からトラック１０に積み
込むか、あるいはトラックから仮置場へ降ろすかするた
めの、トラックバース床面が設けられている階とは異な
る階に設置されているパレット移載装置。上記設備を適
切に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、トラックで工場
や倉庫から物品を出荷したり、あるいは工場や倉庫に物
品を入荷する場合に、出荷品が積載されたパレットを効
率的に当該トラックに積み込んだり、あるいは入荷品が
積載されたパレットを効率的に当該トラックから降ろし
たりする場合の、当該工場や倉庫に配設されるパレット
の積降ろし設備、及びそのような場合におけるパレット
の積降ろし方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】工場や倉庫から物品をトラックで搬出し
たり、あるいは工場や倉庫に物品をトラックで搬入しよ
うとする場合、トラックはその荷台に物品を積み込んだ
り、あるいはその荷台から物品を降ろしたりするため
に、その工場や倉庫のトラックバースに進入し、物品の
積込み作業あるいは降ろし作業を行なうトラックホーム
に到着する。次いで、パレット移載装置でトラックの荷
台に所定の物品を積み込んだり、あるいはトラックの荷
台から所定の物品を降ろしたりする。この場合、その物
品は予めパレットに段積み等された状態のものを、トラ
ックの後方や横方向からその荷台に、大量に積み込もう
とする場合、あるいはその荷台から大量に降ろそうとす
る場合には、その物品が段積み等されたパレットを移載
するための適切な装置を用いる必要がある。

【０００３】このように、物品が段積み等されたパレッ
トをトラックの荷台に積み込むためには、その積込み前
に予め、その物品が段積み等されたパレット（以下、
「出荷品パレット」という）の仮置き、整列等の出荷段
取り作業を済ませておかなければならない。また、トラ
ックの荷台に積載され搬送されてきた物品が段積み等さ
れたパレット（以下、「入荷品パレット」という）を入
荷場に降ろすためには、それを降ろす前に予め、その降
ろし作業のための仮置場の確保等の入荷段取り作業を済
ませておかなければならない。

【０００４】ところが、上記出荷段取り作業あるいは入
荷段取り作業は従来、トラックが進入・退出するトラッ
クバースのトラックホームがあるフロアーと同じフロア
ーで行なわれている。即ち、出荷段取り作業あるいは入
荷段取り作業が行なわれるフロアー（以下、「出荷フロ
アー」、「入荷フロアー」あるいは「出・入荷フロア
ー」という）と同一フロアーには、出荷品が搬出を待つ
出荷品仮置場、あるいは入荷品を待つ入荷品仮置場やそ
れらの段取り場も備えられている。従って、大量の出・
入荷を短時間で行なうためには、従来、出・入荷フロア
ーは非常に広い床面積を必要としている。しかも、出・
入荷フロアーは通常、１階に設けられていることが多
い。

【０００５】しかしながら、トラックバースを有する建
屋の敷地面積が制限されている建設条件下において、こ
れら出・入荷フロアーに広い床面積の出・入荷品仮置場
や出・入荷段取場を確保することは、現実的には困難で
あったり、また、既設建屋の場合には、そのために建屋
面積を拡げたり、あるいは設計段階で建屋敷地面積の拡
大変更をしなければならない。しかし、これには困難を
伴う。従って、トラック床面に設けられている出荷フロ
アーあるいは入荷フロアーの床面積を拡大することな
く、所要の出荷品仮置場等あるいは入荷品仮置場等の面
積を確保し、しかも、迅速で効率的に出荷品あるいは入
荷品パレットをトラックに積み込んだり、トラックから
降ろしたりすることが要請される。

【０００６】従来、コンテナ等物品をトラック荷台に積
み込むための装置として、移載装置を備えた搬送台車が
知られている。例えば、特開平７−３３０１１１号公報
には、移載装置を搭載した搬送台車が所定のレール上に
配設されており、これを用いて当該レールの両側の収容
棚から、コンテナをパレットごと持ち上げ、所定位置に
あるトラックの側方まで運び、トラックの荷台に積み込
む方法、及びこれに使用するパレット積込み装置が記載
されている（同公報、［００２４］〜［００２６］、
［００３５］〜［００４１］）。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平７−３３０１１１号公報に記載されたパレット
積込み装置を用いても、上述したように、レールが設置
された床面に相当する出・入荷フロアーの床面積を拡大
せずに、大量の出・入荷品パレットを迅速に且つ効率的
に積み降ろし処理することは困難である。

【０００８】そこで、本発明者等は、出・入荷フロアー
の床面積が制限されるという条件下においても、多量の
パレットの出・入荷を迅速に行なうための、工場や倉庫
内部のレイアウトやそれに適したパレット移載装置、及
びそれを実現するための方法を創案することを課題とし
た。こうして、この発明の目的は、工場や倉庫の出・入
荷操作を行なうための建屋や、その敷地面積を拡大する
ことなく、大量の物品を迅速且つ効率的に出・入荷する
ことができ、物流コストを低減することができるパレッ
トの積降ろし設備及びそのような積降し方法を提供する
ことにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意、試験・検討を重ねた結果、下記
知見を得た。即ち、物品の出荷については、物品の出荷
段取り作業を行なったり、その物品をトラックに積み込
むための仮置場をすべて、従来のように当該物品の出荷
用トラックが進入してくる出荷フロアーがある階と同一
階のフロアーに設けるのではなく、そのような場所の少
なくとも一部はこれを出荷フロアー以外のフロアーに設
けると共に、上記仮置場に準備された出荷品が積載され
たパレットを、当該仮置場のある階と異なる階にある出
荷フロアーで待機するトラックに、効率的に積み込むた
めのパレット移載装置を用いて出荷作業を行なう。ま
た、物品の入荷については、できるだけ出荷作業と競合
しないようなタイムスケジュールを組んでできるだけ同
じ場所を共同使用する。こうすることにより、本発明の
課題を解決することが可能であるとの知見を得た。

【００１０】この発明は上記知見に基づきなされたもの
であり、その要旨は次の通りである。即ち、請求項１に
係る発明のパレット積降ろし設備は、下記（イ）〜
（ハ）のものを備えたことに特徴を有するものである。

【００１１】（イ）出荷品パレットを積み込むためのト
ラック及び入荷品パレットが積載されたトラックの内、
いずれか一方又は両方のトラックが進入自在なトラック
バースを有する、トラックバース床面、（ロ）少なくと
も、そのトラックバース床面がある階とは異なる階にあ
って、出荷段取り後の出荷品パレットの仮置場及び入荷
段取り後の入荷品パレットの仮置場の内、いずれか一方
又は両方の仮置場を有する、出・入荷待機品パレット置
場床面、及び、（ハ）上記出荷段取り後の出荷品パレッ
トをトラックバース床面で待機するトラックに積み込む
移載操作及びトラックバース床面に入庫したトラックに
積載された入荷品パレットを上記入荷品パレットの仮置
場に降ろす移載操作の内、いずれか一方又は両方の移載
操作を行なうことができ、少なくとも上記トラックバー
ス床面が設けられている階とは異なる階に設置されてい
るパレット移載装置。

【００１２】なお、この発明のパレット積降ろし設備に
おいて、出・入荷品パレットの仮置場は、少なくとも、
トラックバース床面がある階とは異なる階には設けられ
ており、トラックバース床面に余裕がある場合には、更
にトラックバース床面にも設けられてもよい。

【００１３】請求項２に係る発明のパレット積込み方法
は、出荷品パレットを積み込むためのトラックをトラッ
クバース床面に進入させ、出荷段取り場を少なくとも、
そのトラックバース床面がある階とは異なる階に設け、
上記出荷段取り場に仮置きされた出荷品パレットを、パ
レット移載装置により上記トラックに積み込むことに特
徴を有するものである。

【００１４】請求項２に係る発明のパレット積込み方法
は、出荷品パレットを積み込むためのトラックをトラッ
クバース床面に進入させ、出荷段取場を少なくとも、そ
のトラックバース床面が設けられている階とは異なる階
に設け、当該出荷段取場に仮置きされた出荷品パレット
を、上記トラックバース床面が設けられている階とは異
なる階に設置されたパレット移載装置によりそのトラッ
クに積み込むことに特徴を有するものである。

【００１５】請求項３に係る発明のパレット降ろし方法
は、入荷品パレットが積載されたトラックをトラックバ
ース床面に進入させ、入荷受入れ場を少なくとも、その
トラックバース床面が設けられている階とは異なる階に
設け、上記トラックに積載された入荷品パレットを、上
記トラックバース床面が設けられている階とは異なる階
に設置されたパレット移載装置により上記入荷受入れ場
に降ろすことに特徴を有するものである。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を、
図面を参照しながら説明する。図１は、本発明に係るパ
レット積降ろし設備の実施形態の一例を説明する、物流
センターの一部切欠き概略斜視図である。

【００１７】物流センター１は、物品を保管する倉庫エ
リア２と、物品の出荷及び入荷を行なう出・入荷エリア
３とを主な構成エリアとしており、両エリアがいずれも
１階と２階との両方に設けられている例を示す。倉庫エ
リア２は、所謂自動倉庫４で構成されており、ケース保
管、オリコン保管等の保管形態で物品が保管され、これ
がパレットに段積み等された形態で、この自動倉庫４に
大量に保管されている。自動倉庫４に保管されている物
品を出荷する場合には、所定のラックに収納されている
上記パレット（出荷品パレット）を、自動倉庫４に通常
備えられているスタッカークレーン（図示せず）により
ピックアップした後、フォークリフト等の通常用いられ
る搬送装置（図示せず）を用いて自動倉庫４から出・入
荷エリア３へ移送する。一方、トラックに積載されて物
流センター１に入荷した入荷品パレットを出・入荷エリ
ア３から倉庫エリア２に移送するためには、上記搬送装
置を用い、次いで上記スタッカークレーンでピックアッ
プし、自動倉庫４のラックに収納する。

【００１８】出・入荷エリア３は、１階及び２階からな
っている。１階の出・入荷エリア３ａには、トラックバ
ース５と出・入荷フロアー７とが配設されており、出・
入荷フロアー７には、出荷品パレットの出荷準備をする
ための、あるいは入荷品パレットの入荷準備をするため
の段取場１４及び仮置場１５が設けられている。

【００１９】一方、２階の出・入荷エリア３ｂのフロア
ーには、出荷品パレットの出荷準備をするための、ある
いは入荷品パレットの入荷準備をするための段取場１６
及び仮置場１７が設けられている。ここで、２階の仮置
場１７は同図に示すように、段取場１６の前方に連続し
た場所と、開口部１３を隔てた前方の場所との両方に設
けられている。なお、１階及び２階に設けられた段取場
１４、１６と仮置場１５、１７とは、出荷作業をする
か、入荷作業をするかにより、適宜出荷用あるいは入荷
用の作業場所として使用する。

【００２０】上述したように、出荷段取り後の出荷品パ
レットの仮置場及び入荷段取り後の入荷品パレットの仮
置場を有する、出・入荷待機品パレット置場の床面が、
トラックバース５床面がある１階にもあるが、これとは
別にこれと異なる階の２階にも設けられている。そし
て、１階及び２階いずれの仮置場１５、１７に置かれた
出荷品パレットをも、１階のトラックホーム５ａで待機
するトラック１０の荷台１０ａに降ろすことができるパ
レット移載装置９が、２階に設けられており、また、こ
のパレット移載装置９により、１階のトラックホーム５
ａへ到着したトラック１０の荷台１０ａに積載された入
荷品パレットを、１階及び２階いずれの仮置場１５、１
７へも積み込むことができるようになっている。

【００２１】上記パレット移載装置９は、次の構成及び
機能を有する。パレット移載装置９は、図１に示すよう
に、２階天井に敷設されたレール１１に架橋された走行
及び横行可能なクレーン１２に付属している。クレーン
１２の走行可能領域に対応して、２階フロアーには開口
部１３が設けられており、その下方にトラックホーム５
ａが設けられている。従って、パレット移載装置９は、
クレーン１２の走行・横行操作及び巻上げ・巻下げ操作
により、１階あるいは２階のいずれの仮置場１５、１７
の出荷品パレットであっても、スライドフォーク２７で
持ち上げて、１階で待機するトラック１０の荷台１０ａ
上に積み込むことができる。また、入荷品パレットにつ
いては、トラックに積載されて到着したものを、スライ
ドフォーク２８で持ち上げて、１階あるいは２階のいず
れの仮置場１５、１７へも降ろすこともできる。

【００２２】このように、上記実施形態のパレットの積
降ろし設備によれば、出荷品パレットのトラックへの積
込み作業、あるいは入荷品パレットのトラックからの降
ろし作業を、１階フロアーの段取場１４及び仮置場１５
のみならず２階フロアーの段取場１６及び仮置場１７を
も用いて行なうことができるので、大量の物品パレット
の積込みあるいは降ろしを短時間に行なうことができ
る。

【００２３】上述した本発明のパレットの積降ろし設備
の実施形態についての他の形態として、出・入荷段取り
場及び出・入荷品パレットの仮置場を配設するフロア
ー、即ち、出・入荷フロアー７を、図１に例示したよう
に、１階及び２階のみに限定する必要はなく、物品ケー
スの大きさ、扱い量の規模、あるいはパレットの積降ろ
し設備が物流センターにおけるものか、工場出荷センタ
ーにおけるものか等の違い、その他固有条件の違いに応
じて変更するのが望ましい。固有条件により、例えば、
１階にトラックバース及び出・入荷フロアーを設け、出
・入荷フロアーを更に２階及び３階に設けたり、あるい
は、地階にトラックバースを設け、出・入荷フロアーは
地上階の単数階又は複数階にわたって設ける等、適切に
変更する。いずれにしても、出・入荷フロアーを、トラ
ックバースのある階に設けても設けなくても、当該トラ
ックバースのある階以外の階にもこれを設けることが、
本発明のパレットの積降ろし装置の最大の特徴である。

【００２４】なお、クレーン１２とパレット移載装置９
とは両者１対で使用する。そして、これら両者はいずれ
も予備を含めて適宜複数基を備えるのが望ましい。

【００２５】図２に、上記パレット移載装置９の片側半
分の要部概略斜視図を示す。パレット移載装置９は、鉛
直方向に４本のマスト２２が４隅に設けられ、マスト２
２の長さは概略１階床面から２階仮置場に置かれた出荷
品パレットの高さ上端までを超える長さを有し、下端部
には車輪２２ａが取り付けられ、トラックホーム５ａに
平行に敷設されたレール８を走行する。マスト２２の内
側にマスト２２に対して垂直に、即ち水平姿勢に支持ア
ーム２２ｂが設けられ、パレットを載せるスライドフォ
ーク２７が設けられた昇降体２３が、昇降可能に架設さ
れている。マスト２２は横断面外周が四角形を呈し、両
側短辺面には、昇降体２３に付設されたガイドローラ２
２ｃが挟合して設けられている。昇降体２３は、マスト
２２をガイドローラ２２ｃによって案内されつつ、通常
の昇降装置に備えられているスプロケット、当該スプロ
ケットに掛け渡されたチェーン及び当該スプロケットの
回転駆動系（いずれも図示しない）等からなる昇降機構
によって、鉛直方向に昇降できるようになっている。

【００２６】昇降体２３の上面には、スライド伸縮構造
を備えたスライドフォーク２７が、図２に示すようにそ
の下面をスライド面として互いに平行に複数本配設され
ている。このスライドフォーク２７は、所謂「スライド
フォーク機構」の主要部を構成している。更に、昇降体
２３には、スライドフォーク２７の長手方向に平行にほ
ぼ同一高さ位置にチェーンコンベア２４が敷設されてい
る。チェーンコンベア２４は、上下に２〜３ｃｍ程度の
高さの昇降可能な常用の上下移動機構を備えた常用のパ
レット前後移動装置である。これは、出荷品パレットを
スライドフォーク２７上面から浮かせた状態で、後方の
スライドフォーク２７から前方のスライドフォーク（図
２で前後対称軸の右手前に設けられる部分であり、図示
していない）の上方に移して当該前方のスライドフォー
クの上に降ろす機能を有する。従って、パレット移載装
置９は、上記後方のスライドフォーク２７及び前方のス
ライドフォークとチェーンコンベア２４との連携動作に
より、仮置場１５、１７の出荷品パレットを次の操作に
よりトラック１０の荷台１０ａへ移す。

【００２７】図１に示した１階のレイアウトのように、
出荷品パレットを仮置場１５から、前方（図１の左方）
に待機するトラック１０の荷台１０ａに積み込む場合に
は、図３（ａ）に示すように、仮置場１５のパレット置
台２５上の出荷品パレット２６底部の隙間２６ａへ、後
方のスライドフォーク２７を挿入し（図４参照）、昇降
体２３（図２参照）を上昇させて当該出荷品パレット２
６を当該スライドフォーク２７で持ち上げた後、当該ス
ライドフォーク２７を縮めて前方に移動させ、昇降体２
３に引き込む。次に、チェーンコンベア２４（図２参
照）を少し上昇させて出荷品パレット２６を当該スライ
ドフォーク２７から浮かせて当該チェーンコンベア２７
で支持した後、チェーンコンベア２４を前方（図２の右
方手前、即ち図３で左方）に移動させて、前方のスライ
ドフォーク（図２で前後対称軸の右手前に設けられる部
分であり、図２には図示していない。図３（ｂ）の２
８）上方へ出荷品パレット２６がきた位置で、チェーン
コンベア２４を停止させ、次いで元の高さに下降させ
て、出荷品パレット２６を当該前方のスライドフォーク
２８上に載り移らせる。次に、昇降体２３（図２参照、
以下同じ）を下降させて（図３（ｂ）参照）、当該スラ
イドフォーク２８の高さをトラック１０の荷台１０ａ上
面より少し高い位置で停止させ、次いで、当該スライド
フォーク２８を前方に伸ばして、出荷品パレット２６が
トラック１０の荷台１０ａの上方にきた位置で停止させ
る。最後に昇降体２３をインチング操作で下降させて出
荷品パレット２６をトラック１０の荷台１０ａ上に着床
させ、その荷重を荷台１０ａに負荷させた後、スライド
フォーク２８を縮めて後退させ、出荷品パレット２６底
部の隙間２６ａから抜き去る。

【００２８】なお、スライドフォーク２７、２８は、油
圧シリンダー等のシフト装置により上下方向の微動調
整、及び、水平面内左右方向の微動調整が可能な構造に
し、且つトラック１０の荷台１０ａ上面とスライドフォ
ーク２８の底面との距離検出手段を備えておけば、出荷
品パレット２６をトラック１０の荷台１０ａに着床させ
るときの衝撃等を緩和することができる。また、スライ
ドフォーク２７、２８の形状は、フォーク状構造体の他
に、パレットの形態種類に応じて平板状構造体等、適切
なものを選択する。

【００２９】次に、図１に示した２階の出荷品パレット
を仮置場１７から、１階で待機するトラック１０の荷台
１０ａに積み込む操作方法は、２階の仮置場１７にある
所定の出荷品パレットを、上述した１階の仮置場１５の
出荷品パレットをパレット移載装置９の昇降体２３に引
き込んだのと同じようにして、後方のスライドフォーク
２７で昇降体２３に引き込んだ後に、昇降体２３を２階
の高さレベルから１階の高さレベルへ下降させる操作が
付加されることを除き、上述した１階の出荷品パレット
２６をトラック１０に移載する方法に準じた操作方法で
行なう。

【００３０】以上の実施形態は、出荷品が１階フロアー
と２階フロアーとに段取りされ仮置きされていた場合で
あるが、出荷品の段取り準備が１階、２階及び３階フロ
アーというように、あるいはそれ以上に多数階フロアー
にわたって段取りされた場合でも、上述した実施の形態
に準じてそれらの出荷品を一括してトラックに移載する
ことができる。

【００３１】一方、トラックバース床面に入庫したトラ
ックに積載された入荷品パレットを、１階及び２階の入
荷品パレットの仮置場に降ろす移載操作の方法について
も、上述した出荷品パレットのトラックへの移載操作の
方法と逆の手順で行なうことにより、所期の目的を果た
すことができる。

【００３２】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
出荷品仮置き場や入荷品仮置場を必ずしもトラックバー
スがある階と同じ階にのみ設けなくてもよく、それらを
トラックバースがある階以外のフロアーに分散させて設
けることができる。従って、物流センターや工場の出荷
センター等において、その建設敷地面積を縮小すること
ができ、全体の物流コストを削減することができる。こ
のようなパレットの積降ろし装置及びその積降し方法を
提供することができ、製造品の物流が効率的に行なわれ
るようになり、ひいては工業上有用な効果がもたらされ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパレット積降ろし設備の実施形態
の一例を説明する、物流センターの一部切欠き概略斜視
図である。

【図２】本発明のパレット積降ろし設備におけるパレッ
ト移載装置の要部概略斜視図である。

【図３】図１の１階の出荷品パレットをパレット移載装
置でトラックに積み込む操作方法を説明する側面概要図
である。

【図４】図３（ａ）のＡＡ矢視図である。

【符号の説明】

１ 物流センター ２ 倉庫エリア ３ 出・入荷エリア ３ａ １階の出・入荷エリア ３ｂ ２階の出・入荷エリア ４ 自動倉庫 ５ トラックバース ５ａ トラックホーム ６ 段取場の出・入荷品パレット ７ 出・入荷フロアー ８ レール ９ パレット移載装置 １０ トラック １０ａ 荷台 １１ レール（走行用） １１ａ レール（横行用） １２ クレーン １３ 開口部 １４ １階の段取場 １５ １階の仮置場 １６ ２階の段取場 １７ ２階の仮置場 ２２ マスト ２２ａ 車輪 ２２ｂ 支持アーム ２２ｃ ガイドローラ ２３ 昇降体 ２４ チェーンコンベア ２５ パレット置台 ２６ 出荷品パレット ２６ａ 隙間 ２７ 後方のスライドフォーク ２８ 前方のスライドフォーク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊本 昌毅 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 Ｆターム(参考） 3F076 AA02 BA01 CA03 DA02 DA11 DB11 GA05

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記（イ）〜（ハ）のものを備えたこと
   を特徴とする、パレットの積降ろし設備。 （イ）出荷品パレットを積み込むためのトラック及び入
   荷品パレットが積載されたトラックの内、いずれか一方
   又は両方のトラックが進入自在なトラックバースを有す
   る、トラックバース床面、 （ロ）少なくとも、前記トラックバース床面がある階と
   は異なる階にあって、出荷段取り後の出荷品パレットの
   仮置場及び入荷段取り後の入荷品パレットの仮置場の
   内、いずれか一方又は両方の仮置場を有する、出・入荷
   待機品パレット置場床面、及び、 （ハ）前記出荷段取り後の出荷品パレットを前記トラッ
   クバース床面で待機するトラックに積み込む移載操作及
   び前記トラックバース床面に入庫したトラックに積載さ
   れた入荷品パレットを前記入荷品パレットの仮置場に降
   ろす移載操作の内、いずれか一方又は両方の移載操作を
   行なうことができ、少なくとも前記トラックバース床面
   が設けられている階とは異なる階に設置されているパレ
   ット移載装置。
2. 【請求項２】 出荷品パレットを積み込むためのトラッ
   クをトラックバース床面に進入させ、出荷段取り場を少
   なくとも、当該トラックバース床面が設けられている階
   とは異なる階に設け、当該出荷段取り場に仮置きされた
   出荷品パレットを、前記トラックバース床面が設けられ
   ている階とは異なる階に設置されたパレット移載装置に
   より前記トラックに積み込むことを特徴とする、パレッ
   トの積込み方法。
3. 【請求項３】 入荷品パレットが積載されたトラックを
   トラックバース床面に進入させ、入荷受入れ場を少なく
   とも、当該トラックバース床面が設けられている階とは
   異なる階に設け、前記トラックに積載された入荷品パレ
   ットを、前記トラックバース床面が設けられている階と
   は異なる階に設置されたパレット移載装置により前記入
   荷受入れ場に降ろすことを特徴とする、パレットの降ろ
   し方法。