JP2001250254A - 光学装置及び光ディスク装置 - Google Patents

光学装置及び光ディスク装置

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JP2001250254A
JP2001250254A JP2000056896A JP2000056896A JP2001250254A JP 2001250254 A JP2001250254 A JP 2001250254A JP 2000056896 A JP2000056896 A JP 2000056896A JP 2000056896 A JP2000056896 A JP 2000056896A JP 2001250254 A JP2001250254 A JP 2001250254A
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JP
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light
optical
laser
temperature
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JP2000056896A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Nemoto
和彦 根本
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のレーザ素子を同一特性のPDでモニタ
する場合でも、任意の波長の光に対し常に温度特性を相
殺して安定した出力特性を得ることのできるレーザカプ
ラの如き光学装置、及びこれを用いた光ディスク装置を
提供すること。 【解決手段】 複数のレーザダイオードLD1、LD2
の出射レーザ光L1、L2のうち、一方のレーザ光L1
(波長が例えば780nm)についてモニタ用PDの温
度特性を相殺するような反射特性をレーザ端面の保護膜
53が有し、かつ、他方のレーザ光L2(波長が例えば
650nm)に対する反射率が温度上昇時に増大する光
学膜54が複数のレーザダイオードLD1、LD2と複
数のフォトダイオード16及び17、18及び19との
間の光路中、特にプリズム20の分光面20aに設けら
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学装置及び光デ
ィスク装置に関し、特に、互いに異なる複数の光をそれ
ぞれ出射する複数の発光素子が光出射方向と交差する方
向に並置され、前記複数の光をそれぞれ受光する複数の
受光素子が設けられている光学装置(特に光ピックアッ
プ)及び前記複数の光をディスク状情報記録媒体に照射
してその反射光で情報を読み取る光ディスク装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】CD(コンパクトディスク)、DVD
(デジタルビデオディスク)又はMD(ミニディスク)
等の如く、光学的に情報を記録及び/又は再生する光学
記録媒体(以下、光ディスクと称することがある。)に
記録された情報の読み取り(再生)、或いはそれらへの
情報の書き込み(記録)を行う装置(以下、光ディスク
装置と称することがある。)には、光ピックアップが内
蔵されている。
【0003】こうした光ディスク装置や光ピックアップ
においては、一般に、光ディスクの種類(光ディスクシ
ステム)が異なる場合には、波長の異なるレーザ光を用
いる。例えば、CDの再生などには780nm帯の波長
のレーザ光を、DVDの再生などには650nm帯の波
長のレーザ光を用いる。
【0004】このように光ディスクの種類によってレー
ザ光の波長が異なる状況において、例えばDVD用の光
ディスク装置でCDの再生を可能にするコンパチブル光
ピックアップが望まれている。
【0005】図14は、上記のようなCD用のレーザダ
イオードLD1(発振波長780nm)とDVD用のレ
ーザダイオードLD2(発振波長650nm)とを搭載
し、CDとDVDの再生を可能にした従来のコンパチブ
ル光ピックアップ100の概略構成図である。
【0006】この光ピックアップ100は、例えば78
0nm帯の波長のレーザ光を出射する第1レーザダイオ
ードLD1、グレーティングG、第1ビームスプリッタ
BS1、第1ミラーM1、第1対物レンズOL1、第1
マルチレンズML1、及び第1フォトダイオードPD1
がそれぞれ個々に(即ち、ディスクリートに)所定の位
置に配設されたCD用光学系を有する。
【0007】さらに、この光ピックアップ100は、例
えば650nm帯の波長のレーザ光を出射する第2レー
ザダイオードLD2、第2ビームスプリッタBS2、コ
リメータC、第2ミラーM2、第2対物レンズOL2、
第2マルチレンズML2、及び第2フォトダイオードP
D2がそれぞれ個々に(即ち、ディスクリートに)所定
の位置に配設されたDVD用光学系を有する。
【0008】このように構成された光ピックアップ10
0のCD用光学系において、第1レーザダイオードLD
1からの第1レーザ光L1は、グレーティングGを通過
し、第1ビームスプリッタBS1によって一部反射さ
れ、第1ミラーM1により進路を屈曲して、第1対物レ
ンズOL1により光ディスクD上に集光される。
【0009】光ディスクDからの反射光は、第1対物レ
ンズOL1、第1ミラーM1および第1ビームスプリッ
タBS1を介して、第1マルチレンズML1を通過し、
第1フォトダイオードPD1上に入射され、この反射光
の変化により、光ディスクDのCD用記録面上に記録さ
れた情報の読み出しがなされる。
【0010】また、光ピックアップ100のDVD用光
学系においても、上記と同様に、第2レーザダイオード
LD2からの第2レーザ光L2は、第2ビームスプリッ
タBS2によって一部反射され、コリメータCを通過し
て、第2ミラーM2により進路を屈曲して、第2対物レ
ンズOL2により光ディスクD上に集光される。
【0011】光ディスクDからの反射光は、第2対物レ
ンズOL2、第2ミラーM2、コリメータCおよび第2
ビームスプリッタBS2を介して、第2マルチレンズM
L2を通過し、第2フォトダイオードPD2上に入射さ
れ、この反射光の変化により光ディスクDのDVD用記
録面上に記録された情報の読み出しがなされる。
【0012】この光ピックアップ100によれば、CD
用のレーザダイオードとDVD用のレーザダイオードを
搭載し、それぞれの光学系を有することにより、CDと
DVDの再生を可能にしている。
【0013】また、図15は、上記のようなCD用のレ
ーザダイオードLD1(発振波長780nm)とDVD
用のレーザダイオードLD2(発振波長650nm)を
搭載し、CDとDVDの再生を可能にした従来の他のコ
ンパチブル光ピックアップ101の概略構成図である。
【0014】この光ピックアップ101は、例えば78
0nm帯の波長のレーザ光を出射する第1レーザダイオ
ードLD1、グレーティングG、第1ビームスプリッタ
BS1、ダイクロイックビームスプリッタDBS、コリ
メータC、ミラーM、CD用開口制限アパーチャR、対
物レンズOL、第1マルチレンズML1、及び第1フォ
トダイオードPD1がそれぞれ個々に(即ち、ディスク
リートに)所定の位置に配設されたCD用光学系を有す
る。
【0015】さらに、この光ピックアップ101は、例
えば650nm帯の波長のレーザ光を出射する第2レー
ザダイオードLD2、第2ビームスプリッタBS2、ダ
イクロイックビームスプリッタDBS、コリメータC、
ミラーM、対物レンズOL、第2マルチレンズML2、
及び第2フォトダイオードPD2がそれぞれ個々に(即
ち、ディスクリートに)所定の位置に配設されたDVD
用光学系を有する。
【0016】この各光学系において、一部の光学部材は
共有しており、例えば、ダイクロイックビームスプリッ
タDBS、コリメータC、ミラーM及び対物レンズOL
が両光学系により共有されている。また、ダイクロイッ
クビームスプリッタDBSと光ディスクD間の光軸を共
有しているために、CD用の開口制限アパーチャRはD
VD用光学系の光軸上にも配置されることになる。
【0017】このように構成された光ピックアップ10
1のCD用光学系において、第1レーザダイオードLD
1からの第1レーザ光L1は、グレーティングGを通過
し、第1ビームスプリッタBS1によって一部反射さ
れ、ダイクロイックビームスプリッタDBS、コリメー
タC、ミラーMをそれぞれ通過あるいは反射して、CD
用開口制限アパーチャRを介して対物レンズOL1によ
り光ディスクD上に集光される。
【0018】光ディスクDからの反射光は、対物レンズ
OL、CD用開口制限アパーチャR、ミラーM、コリメ
ータC、ダイクロイックビームスプリッタDBSおよび
第1ビームスプリッタBS1を介して、第1マルチレン
ズML1を通過し、第1フォトダイオードPD1上に入
射され、この反射光の変化により、光ディスクDのCD
用記録面上に記録された情報の読み出しがなされる。
【0019】また光ピックアップ101のDVD用光学
系においても、上記と同様に、第2レーザダイオードL
D2からの第2レーザ光L2は、第2ビームスプリッタ
BS2によって一部反射され、ダイクロイックビームス
プリッタDBS、コリメータC、ミラーMをそれぞれ通
過あるいは反射して、CD用の開口制限アパーチャRを
介して対物レンズOL1により光ディスクD上に集光さ
れる。
【0020】光ディスクDからの反射光は、対物レンズ
OL、CD用開口制限アパーチャR、ミラーM、コリメ
ータC、ダイクロイックビームスプリッタDBSおよび
第2ビームスプリッタBS2を介して、第2マルチレン
ズML2を通過し、第2フォトダイオードPD2上に入
射され、この反射光の変化により、光ディスクDのDV
D用記録面上に記録された情報の読み出しがなされる。
【0021】この光ピックアップ101によれば、図1
4に示した光ピックアップ100と同様に、CD用のレ
ーザダイオードとDVD用のレーザダイオードを搭載
し、それぞれの光学系を有することによりCDとDVD
の再生を可能にしている。
【0022】
【発明に至る経過】本発明者は、こうした従来の光ピッ
クアップに対し、CDやDVDなどの波長の異なる光デ
ィスクシステムを構成することが可能であって、部品点
数を減らして容易に組み立てられ、小型化やコスト削減
を可能にする光学装置及びそれを用いた光ディスク装置
を既に提案した。
【0023】図16〜図19には、その一例を示し、図
16に示すコンパチブル光ピックアップ1aによれば、
CD用のレーザダイオードLD1(発振波長780n
m)とDVD用のレーザダイオードLD2(発振波長6
50nm)を搭載している。
【0024】この光ピックアップ1aは、それぞれ個々
に(即ち、ディスクリートに)或いは共通の基板上に
(即ち、モノリシックに)構成された光学系を有し、互
いに隣接して並列に形成され、例えば780nm帯の波
長のレーザ光を出射する第1レーザダイオードLD1と
650nm帯の波長のレーザ光を出射する第2レーザダ
イオードLD2を有するレーザダイオードLD、780
nm帯用であって650nm帯に対しては素通しとなる
グレーティングG、ビームスプリッタBS、コリメータ
C、ミラーM、CD用の開口制限アパーチャR、対物レ
ンズOL、マルチレンズML、及びフォトダイオードP
Dがそれぞれ所定の位置に配設されている。フォトダイ
オードPDには、780nm帯の光を受光する第1フォ
トダイオードと、650nm帯の光を受光する第2フォ
トダイオードが互いに隣接して並列に形成されている。
【0025】この光ピックアップ1aにおいて、第1レ
ーザダイオードLD1からの第1レーザ光L1は、グレ
ーティングGを通過し、ビームスプリッタBSによって
一部反射され、コリメータC、ミラーM及びCD用の開
口制限アパーチャRと通過(反射)して、対物レンズO
Lにより光ディスクD上に集光される。
【0026】光ディスクDからの反射光は、対物レンズ
OL、CD用開口制限アパーチャR、ミラーM、コリメ
ータC及びビームスプリッタBSを介して、マルチレン
ズMLを通過し、フォトダイオードPD(第1フォトダ
イオード)上に入射され、この反射光の変化により、C
Dなどの光ディスクDの記録面上に記録された情報の読
み出しがなされる。
【0027】そして、光ピックアップ1aにおいて、第
2レーザダイオードLD2からの第2レーザ光L2も、
上記と同じ経路を辿って光ディスクD上に集光され、そ
の反射光はフォトダイオードPD(第2フォトダイオー
ド)上に入射され、この反射光の変化により、DVDな
どの光ディスクDの記録面上に記録された情報の読み出
しがなされる。
【0028】この光ピックアップ1aによれば、CD用
のレーザダイオードとDVD用のレーザダイオードを搭
載し、共通の光学系によりその反射光をCD用のフォト
ダイオードとDVD用のフォトダイオードに結合させ、
CDとDVDの再生を可能にしている。
【0029】図17は、上記のレーザダイオードLDの
要部斜視図である。例えば、円盤状の基台21に設けら
れた突起部21a上にモニター用の光検出素子としての
PINダイオード12が形成された半導体ブロック13
が固着され、その上部に第1レーザダイオード14(L
D1)と第2レーザダイオード15(LD2)が配置さ
れている。また、基台1を貫通して端子22が設けられ
ており、リード23により上記の第1及び第2レーザダ
イオード14、15、或いはPINダイオード12に接
続されて、それぞれのダイオードの駆動電源が供給され
る。
【0030】図18(a)は、上記のレーザダイオード
のレーザ光の出射方向と垂直な方向からの要部平面図で
あり、また図18(b)は、レーザダイオードのレーザ
光の出射方向からの要部平面図である。PINダイオー
ド12が形成された半導体ブロック13の上部に第1レ
ーザダイオード14(LD1)と第2レーザダイオード
15(LD2)がディスクリートに配置されている。こ
れらのレーザダイオードは、図18(c)のように、後
述する如くにモノリシックに配置されてよい。
【0031】ここで、PINダイオード12は、例えば
2つに分割された領域を有し、第1および第2レーザダ
イオード14、15又はLD1、LD2のそれぞれにつ
いて、リア(後部)側に出射されたレーザ光を感知し、
その強度を測定して、レーザ光の強度が一定となるよう
に第1及び第2レーザダイオード14、15又はLD
1、LD2の駆動電流を制御するAPC(Automatic Po
wer Control)制御が行われるように構成されている。
PINダイオード12は、分割されずに1つでもよい
(切換えて使用可能)。
【0032】第1レーザダイオード14のレーザ光出射
部E1と第2レーザダイオード15のレーザ光出射部E
2の間隔dは例えば200μm程度以下の範囲(例えば
100μm程度)に設定される。各レーザ光出射部E
1、E2からは、それぞれ例えば780nm帯の波長の
レーザ光L1及び650nm帯の波長のレーザ光L2が
互いに同一の方向(平行)に出射される。
【0033】図19(a)は、上記のフォトダイオード
PDの要部平面図である。例えば、780nm帯の光を
受光する第1フォトダイオード16と、650nm帯の
光を受光する第2フォトダイオード18とが互いに隣接
して並列に形成されている。
【0034】ここで、第1フォトダイオード16は図面
に示すように6分割(a1、b1、c1、d1、e1、
f1)された構成を有している。第1レーザダイオード
14から出射された780nm帯のレーザ光は、グレー
ティングGにて3本のレーザ光に分割された後、上記光
学系を経て、CDなどの光ディスクDからの反射光とし
て、図19(a)に示すように第1フォトダイオード1
6上に3つのスポット(S1a、S1b、S1c)とし
て入射する。
【0035】また、第2フォトダイオード18は図面に
示すように4分割(a2、b2、c2、d2)された構
成を有している。第2レーザダイオード15から出射さ
れた650nm帯のレーザ光は、上記光学系を経て、D
VDなどの光ディスクDからの反射光として、図19
(a)に示すように第2フォトダイオード18上に1つ
のスポットS2として入射する。
【0036】第1及び第2フォトダイオード16、18
の間隔、すなわち、例えば第1フォトダイオード16の
中心線と第2フォトダイオード18の中心線との間隔d
は、例えば200μm程度以下の範囲(例えば100μ
m程度)に設定される。ここでは、例えば、上記の第1
レーザダイオード14のレーザ光出射部E1と第2レー
ザダイオード15のレーザ光出射部E2との間隔と実質
的に等しくなるように設定される。
【0037】上記のように、第1及び第2レーザダイオ
ードのレーザ光出射部の間隔、及び第1及び第2フォト
ダイオードの間隔を設定することにより、共通の光学部
材を用いて、第1レーザダイオード及び第2レーザダイ
オードの出射光をCDやDVDなどの光ディスクに照射
し、光ディスクからの反射光を第1フォトダイオード及
び第2フォトダイオードにそれぞれ入射させることが可
能となる。
【0038】上記のフォトダイオードPD(第1フォト
ダイオード16及び第2フォトダイオード18)におい
ては、上記のように入射するレーザ光のスポットS1
a、S1b、S1c、S2のスポット径、位置変化等を
検出することができる。
【0039】光ディスク装置の光ピックアップとして、
上記のフォトダイオードPDにより得られる信号から、
トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、及び
光ディスクに記録された情報信号の読み取りが行われ
る。これら信号の取り出しは、以下のようにそれぞれ行
われる。
【0040】即ち、第1フォトダイオード16において
は、6分割された第1フォトダイオード16上に入射す
る中央部のスポットS1aにおいて得られた信号a1、
b1、c1及びd1を用いて、次式(1)によって、C
Dなどの光ディスクに記録された情報信号RF1を求め
ることができる。 RF1=a1+b1+c1+d1 …(1)
【0041】また、上記の信号a1、b1、c1及びd
1を用いて、次式(2)によって、フォーカスエラー信
号FE1を得ることができる。 FE1=(a1+c1)−(b1+d1) …(2)
【0042】また、6分割された第1フォトダイオード
16上に入射する両側部のスポットS1b、S1cにお
いて得られた信号e1及びf1を用いて、次式(3)に
よって、トラッキングエラー信号TE1を得ることがで
きる。 TE1=e1−f1 …(3)
【0043】一方、第2フォトダイオード18において
は、4分割された第2フォトダイオード18上に入射す
る中央部のスポットS2において得られた信号a2、b
2、c2及びd2を用いて、次式(4)によって、DV
Dなどの光ディスクに記録された情報信号RF2を求め
ることができる。 RF2=a2+b2+c2+d2 …(4)
【0044】また、上記の信号a2、b2、c2及びd
2を用いて、次式(5)によって、フォーカスエラー信
号FE2を得ることができる。 FE2=(a2+c2)−(b2+d2) …(5)
【0045】また、上記の信号a2、b2、c2及びd
2を用いて、図19(b)に示すように、DPD(位相
差検出;Differential Phase Detection)法により、ト
ラッキングエラー信号TE2を得ることができる。たと
えば、位相比較器PCで信号a2とb2、信号c2とd
2の位相を比較した後、加算器ADにて加算演算処理を
行ってトラッキングエラー信号TE2を得る。DPD法
によれば、1スポットでオフセットのない安定なトラッ
キングが可能となる。
【0046】このレーザカプラを用いる光ディスクの再
生/記録装置においては、上記のようにして、CD又は
DVDなどの光ディスクの上下の振れによるフォーカス
エラー信号の検出を行い、得られたフォーカスエラー信
号に従ってフォーカシングサーボをかける。また、トラ
ッキングエラー信号の検出を行い、得られたトラッキン
グエラー信号に従ってトラッキングサーボをかける。
【0047】このレーザカプラは、CD用のレーザダイ
オードLD1(発振波長780nm)とDVD用のレー
ザダイオードLD2(発振波長650nm)を搭載し、
CDとDVDの再生を可能にするコンパチブル光ピック
アップを構成することができる。
【0048】このレーザカプラは、互いに隣接して並列
に配置された第1レーザダイオードLD1及び第2レー
ザダイオードLD2と、互いに隣接して並列に配置され
た第1フォトダイオード16及び第2フォトダイオード
18とを有しており、発振波長の異なるレーザダイオー
ドからの光軸を合わせる必要がなく、共通の光学部材を
用いて、第1レーザダイオードLD1及び第2レーザダ
イオードLD2の出射光をCDやDVDなどの光ディス
クに照射し、光ディスクからの反射光を第1フォトダイ
オード及び第2フォトダイオードにそれぞれ入射させ
る。従って、図14及び図15に示したものよりも部品
点数が少なく、容易に組み立てられ、小型化やコスト削
減が可能である。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】図20は、発光素子と
してのレーザダイオードLDと、RF信号等の検出用の
受光素子としてのフォトディテクタPD1、PD2とを
共通基板11上に設けた公知のレーザカプラを示し、こ
れを用いて光ピックアップが構成されている。このレー
ザカプラは、光ディスク(図示せず)側の出射位置にカ
バーガラス3及びλ/4(又はλ/2板)50を有した
パッケージ内に収容されている。レーザダイオードLD
の出射面から出射されたレーザ光Lはプリズム20の斜
面(分光面)20aで反射および一部透過する。
【0050】この場合、レーザダイオードLDの電流I
と光出力Loutは図21(A)のような関係にある。こ
の光出力は、例えば図20のように、レーザ素子LDの
リア端面51の後方に設けられたPINダイオードから
なるフォトディテクタ(PIN−PD)にリア側の出射
レーザ光L’を入射させることによってモニターされ、
これがフロント面52から出射されるレーザ光Lの光出
力のモニターとして用いられる。
【0051】しかし一般に、レーザ素子から出射される
光の波長には温度依存性があり、また、レーザ光の出射
方向に対してPIN−PDが傾斜状態で配置されている
と、その表面保護膜の反射率も温度依存性があり、入射
光の波長によっても異なる。
【0052】これについて詳細に説明する。まず、系の
温度が上昇すると、PIN−PDの検出出力(Imo
n)の温度変化が正特性を示す場合には、図21(B)
のように、PIN−PDの光出力が増大する。この時、
レーザLDの温度上昇によってレーザ光L(L’)の波
長が長くなり、一般に0.25nm/℃程度の温度依存
性がある。
【0053】このとき、レーザの出射光の波長がλ1
λ1’に増加すると、図21(C)のようにレーザ端面
での反射率Rが増加するように(透過分が減少するよう
に)、例えばアルミナ等の端面保護膜53を設定してお
けば、PIN−PDが正の温度特性を有することと、レ
ーザ波長が長くなることによる端面からの出射強度が減
少することによって、全体としてこれらが相殺して、温
度変化に対して常に一定の出射強度となるようにAPC
が機能し、温度変化に対して常に一定のPIN−PDの
光出力が得られ、これをモニターしていればよいことに
なる(特許第2663437号公報参照)。
【0054】しかしながら、こうした技術を図16〜図
19に示した如き2波長レーザ(即ち、波長の異なるレ
ーザダイオードLD1、LD2を設けた光源)に応用し
ようとすると、以下のような問題が発生する。
【0055】例えば、2波長レーザにおいても、2つの
異なるレーザを同時に動作させることは一般的ではない
ため、モニタ用のPIN−PDは1つでも共用されるこ
とが多い。しかし、レーザ素子相互の波長が互いに異な
るために、一般には、異なる波長に対して、2つのレー
ザの温度特性を同じように逆特性(PIN−PDの温度
特性を相殺する出射強度の減少)とすることは容易では
ない。
【0056】即ち、レーザ端面の反射膜(上記した保護
膜53)は、レーザが小型であることから1種類の膜厚
でしか形成できないため、互いに異なる波長(例えばλ
1=780nm、λ2=650nm)のレーザ光に対して
は、図22(図中のdは保護膜の膜厚)のように、反射
率が異なり、またレーザの温度変化による出射光の波長
変化に対して端面での反射率の変化の方向が一定とは限
らないからである(むしろ一定でないのが通常であ
る)。
【0057】本発明は、上述の如き問題点に鑑みてなさ
れたものであって、特に複数のレーザ素子を同一特性の
PDでモニタする場合でも、任意の波長の光に対し常に
温度特性を相殺して安定した出力を得ることのできるレ
ーザカプラの如き光学装置、及びこれを用いた光ディス
ク装置を提供することを目的とするものである。
【0058】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、互いに
異なる複数の光をそれぞれ出射する複数の発光素子が光
出射方向と交差する方向に並置され、前記複数の光をデ
ィスク状等の情報記録媒体に照射してその反射光をそれ
ぞれ受光する複数の受光素子が設けられている光学装
置、及びこれを用いた光ディスク装置において、前記複
数の発光素子の出射光のうち、少なくとも1つの出射光
に対する反射率又は透過率が温度によって変化する光学
手段が、前記複数の発光素子と前記複数の受光素子との
間の光路中に設けられていることを特徴とする光学装置
及び光ディスク装置に係るものである。
【0059】この光学装置及び光ディスク装置によれ
ば、複数の発光素子の各出射光のうち少なくとも1つの
出射光については反射率又は透過率が温度によって変化
する(例えば、温度上昇時に反射率が増大する)反射膜
等の光学手段が、複数の発光素子と複数の受光素子との
間の光路中に設けられているので、互いに異なる複数の
発光素子を用いても、上記出射光のうち他方の出射光を
出射する発光素子についてはその出射光の物性の変化
(例えば温度上昇時に波長が増大すること)に対し上述
したようにPIN−PDの如きモニタ用素子の温度特性
を相殺するように端面保護膜などが設定された場合に、
これによっても相殺しきれない発光素子についてはプリ
ズムの端面などに設ける光学膜などの光学手段が温度上
昇時に反射率を増大させる等の物性を有することによっ
て、全体として温度特性を相殺することができる。従っ
て、複数の発光素子を用いても、任意の波長等の物性に
対しても調整の自由度が増し、常に安定した出力特性を
得ることができる。
【0060】また、本発明は、所定の光を出射する発光
素子と、この光出射をディスク状等の情報記録媒体に照
射してその反射光を受光する受光素子とが設けられてい
る光学装置、及びこれを用いた光ディスク装置におい
て、前記出射光に対する反射率又は透過率が温度によっ
て変化する光学手段が、前記発光素子と前記受光素子と
の間の光路中に設けられていることを特徴とする光学装
置及び光ディスク装置も提供するものである。
【0061】この光学装置及び光ディスク装置によれ
ば、出射光に対する反射率又は透過率が温度によって変
化する(例えば、温度上昇時に反射率が減少する)反射
膜等の光学手段が発光素子と受光素子との間の光路中に
設けられているので、上記出射光の物性の変化(例えば
温度上昇時に波長が増大すること)に対し上述したよう
にしてPIN−PDの如きモニタ用素子の温度特性を相
殺するように端面保護膜などが設定された場合に、RF
信号等の受光素子の温度特性(温度上昇時に出力が増大
すること)を上記した反射率の減少による入射受光量の
減少等によって相殺することができ、単数の発光素子で
あっても全体としての温度特性を相殺でき、常に安定し
た出力特性を得ることができる。
【0062】
【発明の実施の形態】本発明の光学装置及び光ディスク
装置においては、前記複数の発光素子の出射光のうち、
一の出射光に対する反射率又は透過率と他の出射光に対
する反射率又は透過率とが温度によって互いに逆方向に
変化する光学膜が前記光学手段として、前記光路中に設
けられているのが望ましい。
【0063】この場合、前記複数の発光素子(又は前記
所定の発光素子)と、これらの各出射光を分光面を介し
て前記ディスク状情報記録媒体の如き被照射体へ導きか
つこの反射光を前記分光面から前記複数の受光素子(又
は前記受光素子)へ導くための光学部材と、前記受光素
子とが共通の基体上に設けられた光カプラとして構成さ
れ、前記分光面に前記光学膜が設けられているのがよ
い。この光カプラは、特に光ディスク装置の光ピックア
ップに含まれるのがよい。
【0064】また、前記複数の発光素子の第1の端面か
ら前記複数の光を出力光としてそれぞれ出射すると共に
第2の端面から複数のモニタ光をそれぞれ出射し、前記
出力光の強度を制御するために前記モニタ光を検知する
モニタ用受光素子を有し、前記複数のモニタ光のうち、
一のモニタ光についてその強度の温度依存特性と前記モ
ニタ用受光素子の検知出力の温度依存特性とが互いに逆
特性となるような反射率又は透過率を示す保護膜が前記
第2の端面に形成され、前記一のモニタ光が前記一の出
射光に対応し、他のモニタ光に対応した前記他の出射光
に対する前記光学膜の反射率又は透過率が温度によって
変化して、前記他の出射光に関する温度依存特性が相殺
されるのがよい。
【0065】前記複数の発光素子は、互いに異なる波長
のレーザ光を出射する例えば2波長レーザとして構成さ
れるのがよい。
【0066】また、前記発光素子の第1の端面から前記
所定の光を出力光として出射すると共に第2の端面から
モニタ光を出射し、前記出力光の強度を制御するために
前記モニタ光を検知するモニタ用受光素子を有し、前記
モニタ光の強度の温度依存特性と前記モニタ用受光素子
の検知出力の温度依存特性とが互いに逆特性となるよう
な反射率又は透過率を示す保護膜が前記第2の端面に形
成されているのがよい。
【0067】以下、本発明の好ましい実施の形態を図面
について説明する。
【0068】図4(a)は、本実施の形態にかかるレー
ザカプラ1aの概略構成を示す説明図である。レーザカ
プラ1aは、第1パッケージ部材2の凹部に装填され、
ガラスなどの透明な第2パッケージ部材3により封止さ
れている。
【0069】図4(b)は上記のレーザカプラ1aの要
部斜視図である。例えば、シリコンの単結晶を切り出し
た基板である集積回路基板11上に、モニター用の光検
出素子としてのPINダイオード12が形成された半導
体ブロック13が配置され、さらに、この半導体ブロッ
ク13上に、発光素子として第1レーザダイオードLD
1及び第2レーザダイオードLD2を1チップ上に搭載
するモノリシックレーザダイオード14aが配置されて
いる。
【0070】本実施の形態では、例えば、λ1=780
nm帯の光を受光する前部第1フォトダイオード16及
び後部第1フォトダイオード17と、λ2=650nm
帯の光を受光する前部第2フォトダイオード18及び後
部第2フォトダイオード19とが、基板11上に固定さ
れたプリズム20下に形成されている。
【0071】ここで、図5に示すように、前部第1フォ
トダイオード16は4分割(a1、b1、c1、d1)
され、後部第1フォトダイオード17も4分割(i1、
j1、k1、l1)された構成を有している。
【0072】基板11上に固定されたブロック13上に
第1レーザダイオードLD1がマウントされ、このレー
ザダイオードから出射された780nm帯のレーザ光L
1はプリズム20の分光面20aで反射され、更に上記
光学系を経て、光ディスク(CD)からの反射光とし
て、プリズム20を通して前部及び後部第1フォトダイ
オード16、17上に1つずつのスポットS1a、S1
bとして入射する。
【0073】また、前部第2フォトダイオード18は8
分割(a2、b2、c2、d2、e2、f2、g2、h
2)され、後部第2フォトダイオード19は4分割(i
2、j2、k2、l2)された構成を有している。
【0074】第2レーザダイオードLD2から出射され
た650nm帯のレーザ光L2も、上記光学系を経て、
光ディスク(DVD)からの反射光として、前部及び後
部第2フォトダイオード18、19上に1つずつのスポ
ットS2a、S2bとして入射する。
【0075】上記の前部第1フォトダイオード16及び
前部第2フォトダイオード18の間隔、及び、後部第1
フォトダイオード17及び後部第2フォトダイオード1
9の間隔は、例えば200μm程度以下の範囲(例えば
100μm程度)に設定される。ここでは、例えば、上
記の第1レーザダイオードLD1のレーザ光出射部E1
と第2レーザダイオードLD2のレーザ光出射部E2と
の間隔と実質的に等しくなるように設定される。
【0076】上記のように、第1及び第2レーザダイオ
ードのレーザ光出射部の間隔、および、第1および第2
フォトダイオードの間隔を設定することにより、共通の
光学部材を用いて、第1レーザダイオード及び第2レー
ザダイオードの出射光をCDやDVDなどの光ディスク
に照射し、光ディスクからの反射光を第1フォトダイオ
ードおよび第2フォトダイオードにそれぞれ入射させる
ことが可能となる。
【0077】上記のフォトダイオード(前後部第1フォ
トダイオード16、17及び前後部第2フォトダイオー
ド18、19)においては、上記のように入射するレー
ザ光のスポットS1a、S1b、S2a、S2bのスポ
ット径、位置変化等を検出することができる。
【0078】このレーザカプラを用いて光ディスク装置
の光ピックアップを構成した場合には、上記のフォトダ
イオードPDにより得られる信号から、トラッキングエ
ラー信号、フォーカスエラー信号、及び光ディスクに記
録された情報信号の読み取りが行われる。これら信号の
取り出しは、それぞれ以下のように行われる。
【0079】即ち、前後部第1フォトダイオード16、
17においては、それぞれ4分割された前後部第1フォ
トダイオード16、17上に入射するスポットS1a、
S1bにおいて得られた信号a1、b1、c1、d1、
i1、j1、k1及びl1を用いて、次式(6)によっ
て、CDなどの光ディスクに記録された情報信号RF1
を求めることができる。 RF1=a1+b1+c1+d1+i1+j1+k1+l1 …(6)
【0080】また、上記の信号a1、b1、c1、d
1、i1、j1、k1及びl1を用いて、次式(7)に
よって、フォーカスエラー信号FE1を得ることができ
る。 FE1〔(a1+d1)−(b1+c1)〕 −〔(i1+l1)−(j1+k1)〕 …(7)
【0081】また、上記の信号a1、b1、c1、d
1、i1、j1、k1及びl1を用いて、次式(8)に
よって、トラッキングエラー信号TE1を得ることがで
きる。 TE1=〔(a1+b1)−(c1+d1)〕 +〔(i1+j1)−(k1+l1)〕 …(8)
【0082】一方、前後部第2フォトダイオード18、
19においては、それぞれ8分割および4分割された前
後部第2フォトダイオード18、19上に入射するスポ
ットS2a、S2bにおいて得られた信号a2、b2、
c2、d2、e2、f2、g2、h2、i2、j2、k
2及びl2を用いて、次式(9)によって、DVDなど
の光ディスクに記録された情報信号RF2を求めること
ができる。 RF2=a2+b2+c2+d2+e2+f2+g2+h2 +i2+j2+k2+l2 …(9)
【0083】また、上記の信号a2、b2、c2、d
2、e2、f2、g2、h2、i2、j2、k2及びl
2を用いて、次式(10)によって、フォーカスエラー
信号FE2を得ることができる。 FE2=〔(a2+d2+e2+h2)−(b2+c2+f2+g2)〕 −〔(i2+l2)−(j2+k2)〕 …(10)
【0084】また、前部第2フォトダイオード18によ
り得られる信号a2、b2、c2、d2、e2、f2、
g2及びh2を用いて、後述の図10(b)に示すよう
に、DPD(位相差検出;Differential Phase Detecti
on)法により、トラッキングエラー信号TE2を得るこ
とができる。たとえば、第1加算器(広帯域)AD1に
て、信号a2とb2、信号c2とd2、信号e2とf
2、信号g2とh2の加算演算処理を行い、位相比較器
PCで、信号a2とb2との和信号と信号c2とd2と
の和信号、信号g2とh2との和信号と信号e2とf2
との和信号の位相を比較した後、第2加算器AD2にて
加算演算処理を行ってトラッキングエラー信号TE2を
得る。DPD法によれば、1スポットでオフセットのな
い安定なトラッキングが可能となる。
【0085】このレーザカプラを用いる光ディスクの再
生/記録装置においては、上記のようにして、CDある
いはDVDなどの光ディスクの上下の振れによるフォー
カスエラー信号の検出を行い、得られたフォーカスエラ
ー信号に従ってフォーカシングサーボをかける。また、
トラッキングエラー信号の検出を行い、得られたトラッ
キングエラー信号に従ってトラッキングサーボをかけ
る。
【0086】このレーザカプラは、CD用のレーザダイ
オードLD1(発振波長780nm)とDVD用のレー
ザダイオードLD2(発振波長650nm)を搭載し、
CDとDVDの再生を可能にするコンパチブル光ピック
アップを構成することが可能である。
【0087】そして、このレーザカプラは、互いに隣接
して並列に配置された第1レーザダイオードLD1及び
第2レーザダイオードLD2と、互いに隣接して並列に
配置された前後部第1フォトダイオード16、17及び
前後部第2フォトダイオード18、19とを有してお
り、発振波長の異なるレーザダイオードからの光軸を合
わせる必要がなく、共通の光学部材を用いて、第1レー
ザダイオードLD1及び第2レーザダイオードLD2の
出射光をCDやDVDなどの光ディスクに照射し、光デ
ィスクからの反射光を前後部第1フォトダイオード1
6、17及び前後部第2フォトダイオード18、19に
それぞれ入射させる。従って、図14及び図15に示し
たものよりも部品点数が少なく、容易に組み立てられ、
小型化やコスト削減が可能である。
【0088】図1は、本実施の形態によるレーザカプラ
の拡大断面図を示す。即ち、複数の(ここでは2つの)
レーザダイオードLD1、LD2とRF信号等の検出用
の受光素子としてのフォトディテクタ16及び17、1
8及び19とを共通基板11上に設けたレーザカプラを
示し、これを用いて光ピックアップが構成されている。
このレーザカプラは、光ディスク(図示せず)側の出射
位置にカバーガラス3及びλ/4(又はλ/2板)50
を有したパッケージ内に収容されている。レーザダイオ
ードLD1、LD2の出射面から出射されたレーザ光L
1、L2はプリズム20の斜面(分光面20a)で反射
および一部透過する。
【0089】プリズム20の分光面20aには、実際に
は図2に示すようにビームスプリッタ(PBS)膜が形
成され、出射レーザ光を反射し、これが光ディスクに対
し行きと戻りで偏光方向が約90度回転する(s偏光→
p偏光)ので、偏光PBS膜の特性をps逆に設定する
ことによって、波長板50の追加前と同等の検出が可能
になる。
【0090】以上のレーザカプラの構成は図20に示し
たものと同様であるが、ここで注目すべきことは、プリ
ズム20の分光面20a上に特定の反射膜(例えばSi
O系、TiO系)54が設けられ、これによって温度上
昇時に、上述した2波長レーザLD1、LD2の出射レ
ーザ光L1、L2のうち、一方のレーザ光L1(λ1
780nm)の反射率が減少すると同時に他方のレーザ
光L2(λ2=650nm)の反射率が増大するように
構成されていることである。またこれと共に、レーザダ
イオードLD1、LD2のモニタ側の端面には、前述し
たと同様のアルミナ等の保護膜53が設けられ、上記レ
ーザ光L1についての温度特性をPIN−PDに対し相
殺している。
【0091】前述したように、レーザダイオードLD
1、LD2の光出力は、レーザ素子のリア端面51の後
方に設けられたPINダイオードからなるフォトディテ
クタ12(PIN−PD)にリア側の出射レーザ光L
1’、L2’を入射させることによってモニタされ、こ
れがフロント面52から出射されるレーザ光L1、L2
の光出力のモニタとして用いられる。
【0092】しかし、一般に、レーザ素子から出射され
る光の波長には温度依存性があり、また、レーザ光の出
射方向に対してPIN−PDが傾斜状態で配置されてい
ると、その表面保護膜の反射率も温度依存性があり、入
射光の波長によっても異なることは前述した。
【0093】ここで、温度が上昇した場合を考える。温
度の上昇により、PIN−PD12の光出力が増大する
(図21(B)参照)と共に、レーザの発振波長が長く
なる。そこで、レーザ端面51の反射膜53はレーザの
波長(λ1、例えば780nm)の近傍で、波長がλ1
λ1’と長くなると、反射率が増加するようにしてお
く。このとき、温度上昇によって、透過するレーザ光L
1’の強度は、発振波長が長くなるために透過する割合
が減少し、一方、PIN−PD12の光出力は大きくな
る(感度が増加する)から、全体として、温度の変化に
対してPIN−PD12の光出力は一定となる。
【0094】こうして、PIN−PDの光出力が一定と
なるようにコントロールすれば、レーザの温度特性に拘
わらず、レーザの出力も一定になるようにAPCで制御
することができる(この詳細な説明は、特許第2663
437号公報参照)。
【0095】しかし、前述したように、本実施の形態の
如き2波長レーザにおいては、レーザ端面の反射膜53
は、レーザが小型であることから1種類の膜厚でしか形
成できないため、互いに異なる波長(例えばλ1、例え
ば780nm、λ2、例えば650nm)のレーザ光に
対しては反射率が異なり、またレーザの温度変化による
出射光の波長変化に対して端面での反射率の変化の方向
が一定とは限らず、むしろ一定でないのが通常である。
【0096】この問題は、本実施の形態において、次の
ようにして解決した。互いに異なる波長(λ1、例えば
780nm、λ2、例えば650nm)のレーザ光につ
いては、温度上昇時のPIN−PDの光出力の温度特性
は同じ関係にある。波長がλ1とλ2とで異なることか
ら、一般には波長の変化に対するレーザ端面の反射率の
変化は異なるはずである(図22参照)。従って、78
0nm帯のレーザ光に対して、温度特性を相殺できたと
しても、異なる波長である650nm帯のレーザ光に対
しては、温度特性を相殺できることにならない。例え
ば、650nm帯のレーザ光に対してレーザ端面の反射
膜53の反射率Rは、波長の増加に対する変化が減少す
るものとした。
【0097】このとき、異なる波長のレーザ光に対して
いずれも温度特性を相殺する必要がある。そこで、例え
ば、図1に示すプリズム端面の反射膜54の膜厚を調節
することにより、異なる波長において全体として温度特
性を相殺することができる。
【0098】即ち、プリズム端面の反射膜54の膜厚
を、650nm帯において反射率が大になり、780n
m帯で反射率が小さくなるように設定することにより
(図3(b))、650nm帯(λ2)のレーザ光はレ
ーザ端面での反射率が小さい(図22)ことによりPI
N−PD12の光出力が増大し、APCによってレーザ
出力が減少するように制御されたとしても(PIN−P
Dの温度特性を相殺できないとしても)、プリズム端面
の反射膜54によるレーザ光L2の反射量が増大するこ
とから、この増大分がレーザ出力の減少分を相殺するこ
とになる。
【0099】この結果、レーザ光L2についても、温度
上昇時の温度特性を相殺でき、そのレーザ出力を安定化
することができる。従って、上記した理由から、レーザ
端面の保護膜53に波長依存性があっても、これが他の
波長のレーザ出力に影響を与えないようにプリズム端面
の反射膜54が機能することによって、レーザ光L1は
勿論、レーザ光L2についても温度特性を相殺できるこ
とになり、任意の波長に対する設計の自由度が増す。
【0100】また、信号検出用のフォトダイオード16
及び17、18及び19も温度上昇時に出力が増大する
傾向があるが、この出力増加分は、レーザ光L1につい
ては、プリズム端面の反射膜54の反射率の減少により
相殺でき、またレーザ光L2については、APCによる
レーザ出力の減少分と、プリズム端面の反射膜54の反
射率の増大分及びフォトダイオード出力増加分とが同等
となるように設定することによって、これらを相殺する
ことができる。
【0101】なお、プリズム端面の反射膜54につい
て、その反射率の波長依存性は、膜厚、材質などによっ
て図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の如く
に様々であり、これらの中から適切なものを選択すれば
よい。例えば、反射膜54の膜厚、材質(SiO系、T
iO系など)、SiO系/TiO系などの積層膜構造又
はその膜厚比など、種々の設計により反射率の波長依存
性をコントロールできる。この場合、それに応じて、P
IN−PDの温度特性を相殺する対象となるレーザ光
(例えば上述のレーザ光L1の如きもの)を選択してお
く。
【0102】次に、本実施の形態によるレーザカプラ、
光ピックアップ及び光ディスク装置の構成を更に詳細に
説明する。
【0103】図6は、例えば780nm帯の波長のレー
ザ光を出射する第1レーザダイオードLD1と650n
m帯の波長のレーザ光を出射する第2レーザダイオード
LD2を1チップ上に搭載するモノリシックレーザダイ
オード14aを示すものである。
【0104】例えば、円盤状の基台21に設けられた突
起部21a上に、モニター用の光検出素子としてのPI
Nダイオード12が形成された半導体ブロック13が固
着され、その上部に、第1及び第2レーザダイオードL
D1、LD2を1チップ上に有するモノリシックレーザ
ダイオード14aが配置されている。また、基台21を
貫通して端子22が設けられており、リード23により
上記の第1及び第2レーザダイオードLD1、LD2、
或いはPINダイオード12に接続されて、それぞれの
ダイオードの駆動電源が供給される。
【0105】図7(a)は上記のレーザダイオードのレ
ーザ光の出射方向と垂直な方向からの要部平面図であ
り、図7(b)はレーザダイオードのレーザ光の出射方
向と垂直な平面での断面図である。PINダイオード1
2が形成された半導体ブロック13の上部に第1レーザ
ダイオードLD1と第2レーザダイオードLD2を1チ
ップ上に有するモノリシックレーザダイオード14aが
配置されている。
【0106】PINダイオード12においては、第1及
び第2レーザダイオードLD1、LD2のリア側に出射
されたレーザ光を感知し、その強度を測定して、レーザ
光の強度が一定となるように第1及び第2レーザダイオ
ードLD1、LD2の駆動電流を制御するAPC制御が
行われるように構成されている。
【0107】上記のモノリシックレーザダイオード14
aについて説明する。第1レーザダイオードLD1とし
て、n型GaAs基板30上に、n型GaAsバッファ
層31、n型AlGaAsクラッド層32、活性層3
3、p型AlGaAsクラッド層34、p型GaAsキ
ャップ層35が積層している。p型GaAsキャップ層
35表面からp型AlGaAsクラッド層34の途中の
深さまで絶縁化された領域41となって、電流狭窄構造
となるストライプを形成している。
【0108】一方、第2レーザダイオードLD2とし
て、n型GaAs基板30上に、n型GaAsバッファ
層31、n型InGaPバッファ層36、n型AlGa
InPクラッド層37、活性層38、p型AlGaIn
Pクラッド層39、p型GaAsキャップ層40が積層
している。p型GaAsキャップ層40表面からp型A
lGaInPクラッド層39の途中の深さまで絶縁化さ
れた領域41となって、電流狭窄構造となるストライプ
を形成している。
【0109】上記の第1レーザダイオードLD1及び第
2レーザダイオードLD2においては、p型GaAsキ
ャップ層35、40にはp電極42が、n型GaAs基
板30にはn電極43が接続して形成されている。この
モノリシックレーザダイオード14aは、p電極42側
から、半導体ブロック13上に形成された電極13aに
ハンダなどにより接続及び固定されている。
【0110】上記の第1レーザダイオードLD1のレー
ザ光出射部と第2レーザダイオードLD2のレーザ光出
射部の間隔dは例えば200μm程度以下の範囲(例え
ば100μm程度)に設定される。各レーザ光出射部か
らは、例えば780nm帯の波長のレーザ光L1及び6
50nm帯の波長のレーザ光L2がほぼ同一の方向(ほ
ぼ平行)に出射される。
【0111】一方、上記した第1及び第2フォトダイオ
ード16−17、18−19間の間隔も上記と同様に2
00μm程度以下の範囲(例えば100μm程度)に設
定され、共通の光学部材を用いて、第1レーザダイオー
ド及び第2レーザダイオードの出射光をCDやDVDな
どの光ディスクに照射し、光ディスクからの反射光を第
1フォトダイオード及び第2フォトダイオードにそれぞ
れ結合させることが可能となる。
【0112】次に、上記の第1レーザダイオードLD1
と第2レーザダイオードLD2をチップ上に搭載するモ
ノリシックレーザダイオード14aの形成方法について
説明する。
【0113】まず、図8(a)に示すように、例えば有
機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE)などの
エピタキシャル成長法により、n型GaAs基板30上
に、n型GaAsバッファ層31、n型AlGaAsク
ラッド層32、活性層(発振波長780nmの多重量子
井戸構造)33、p型AlGaAsクラッド層34、p
型GaAsキャップ層35を順に積層させる。
【0114】次に、図8(b)に示すように、第1レー
ザダイオードLD1として残す領域をレジスト膜(図示
せず)で保護して、硫酸系の無選択エッチング、及び、
フッ酸系のAlGaAs選択エッチングなどのウエット
エッチング(EC1)により、第1レーザダイオードL
D1領域以外の領域でn型AlGaAsクラッド層32
までの上記の積層体を除去する。
【0115】次に、図9(c)に示すように、例えば有
機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE)などの
エピタキシャル成長法により、n型GaAsバッファ層
31上に、n型InGaPバッファ層36、n型AlG
aInPクラッド層37、活性層(発振波長650nm
の多重量子井戸構造)38、p型AlGaInPクラッ
ド層39、p型GaAsキャップ層40を順に積層させ
る。
【0116】次に、図9(d)に示すように、第2レー
ザダイオードLD2として残す領域をレジスト膜(図示
せず)で保護して、硫酸系のキャップエッチング、リン
酸−塩酸系の4元選択エッチング、塩酸系の分離エッチ
ングなどのウエットエッチング(EC2)により、第2
レーザダイオードLD2領域以外の領域でn型InGa
Pバッファ層36までの上記の積層体を除去し、第1レ
ーザダイオードLD1と第2レーザダイオードLD2を
分離する。
【0117】次に、図10(e)に示すように、レジス
ト膜(図示せず)で電流注入領域となる部分を保護し
て、不純物Dをイオン注入などにより導入し、p型Ga
Asキャップ層35、40の表面からp型AlGaAs
クラッド層34、39の途中の深さまで絶縁化された領
域41を形成し、電流狭窄構造となるストライプとす
る。
【0118】次に、図10(f)に示すように、p型G
aAsキャップ層35、40に接続するように、Ti/
Pt/Auなどのp型電極42を形成し、一方、n型G
aAs基板30に接続するように、AuGe/Ni/A
uなどのn型電極43を形成し、ペレタイズ工程を経
て、所望の第1レーザダイオードLD1と第2レーザダ
イオードLD2を1チップ上に搭載するモノリシックレ
ーザダイオード14aとする。
【0119】図11は、上記の本実施の形態によるレー
ザカプラを用いた光ピックアップの構成を示す。このレ
ーザカプラ1aに内蔵される第1及び第2レーザダイオ
ードからの出射レーザ光L1、L2をコリメータC、ミ
ラーM、CD用開口制限アパーチャR及び対物レンズO
Lを介して、CD又はDVDなどの光ディスクDに入射
する。光ディスクDからの反射光は、入射光と同一の経
路をたどってレーザカプラに戻り、レーザカプラに内蔵
される第1及び第2フォトダイオードにより受光され
る。
【0120】このレーザカプラにおいては、第1及び第
2フォトダイオードを図12に示すように分割すること
も可能である。この場合、前部第1フォトダイオード1
6の領域d1と、前部第2フォトダイオード18の領域
a2とe2が共通化されており、信号a2とe2を加算
することで信号d1が得られる。また、後部第1フォト
ダイオード17の領域l1と、後部第2フォトダイオー
ド19の領域i2が共通化されている。
【0121】上記したレーザカプラ1aは、2波長レー
ザLD1、LD2を搭載したものであるが、本発明は1
波長レーザを搭載したレーザカプラ、光ピックアップ及
び光ディスク装置に対しても上記したと同様の効果があ
る。
【0122】例えば、上記したレーザ光L1について説
明したと同様に、レーザ端面51の反射膜53はレーザ
波長の近傍で、波長が長くなると、反射率が増加するよ
うにしておくことにより、全体として、温度の変化に対
してPIN−PD12の光出力は一定となる。
【0123】こうして、PIN−PDの光出力が一定と
なるようにコントロールすれば、レーザの温度特性に拘
わらず、レーザの出力も一定になるようにAPCで制御
することができる(この詳細な説明は、特許第2663
437号公報を参照)。
【0124】これと同時に、信号検出用のフォトダイオ
ード16及び17、18及び19も温度上昇時に出力が
増大する傾向があるが、この出力増加分は、レーザ光に
ついてプリズム端面の反射膜54の反射率が減少する
(フォトダイオードへの入射量が減少してその出力が減
少する)ように設定しておくことにより、相殺すること
ができる。
【0125】以上、本発明を実施の形態により説明した
が、本発明はこれらの実施の形態に何ら限定されるもの
ではない。
【0126】例えば、本発明に用いる発光素子として
は、レーザダイオードに限定されず、発光ダイオード
(LED)を用いることも可能である。
【0127】また、第1及び第2レーザダイオードの発
光波長は、780nm帯と650nm帯に限定されるも
のではなく、その他の光ディスクシステムに採用されて
いる波長とすることができる。すなわち、種々の波長の
組み合せを用い、CDとDVD以外の他の組み合わせの
光ディスクシステムを採用することができる。
【0128】また、波長が同じであっても、パワーが異
なる光や偏光方向が異なる光を用いてもよい。また、波
長など、物性の異なる光は2種類に限らず、それ以上と
してもよい。複数の光が3種類又はそれ以上の場合に
は、例えばその2種類の光に対する反射率が温度によっ
て変化する光学膜を設けることができる。
【0129】また、APC制御を行うためのPINダイ
オードは、第1及び第2フォトダイオードが形成されて
いる集積回路基板上に形成する構成としてもよい。この
場合には、プリズムの構成を変更して、第1及び第2レ
ーザダイオードのフロント側の出射光の一部を取り出し
てPINダイオードに結合する構成とすることが好まし
い。再生信号やトラッキング、フォーカスエラー信号の
読み取りは、図20で述べたように行ってもよい。
【0130】また、上述したプリズム20の反射膜54
の反射率は、一の波長のレーザ光に対し温度変化時に増
大又は減少させ、他の波長のレーザ光に対し温度変化時
に減少又は増大させることができるが、他の波長のレー
ザ光については温度変化しても反射率が変化しなくても
よい。このような光学膜の反射率の変化だけでなく、光
学膜等の光学手段が温度上昇時に透過率変化(透過率の
増大又は減少)を生じる物性を有するように構成して
も、上述したと同様に温度特性を相殺できる。この場合
は、光学手段は、例えば光路中に配置された上記物性の
透光板などであってよいし、或いは透光板に上記物性の
光学膜を形成したものでもよい。
【0131】また、図13に示すように、レーザダイオ
ード14(LD1)と15(LD2)を別々に(即ち、
ディスクリートに)作製し、それぞれをマウントする構
成としたレーザカプラ1bとしてもよい。
【0132】その他、フォトダイオードのパターン、レ
イアウトなどは種々変更してよく、ダイオード以外のデ
ィテクタ構造としてもよい。
【0133】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、前記複数の
発光素子の出射光のうち少なくとも1つの出射光につい
ては反射率又は透過率が温度によって変化する(例え
ば、温度上昇時に反射率が増大する)反射膜等の光学手
段が、複数の発光素子と複数の受光素子との間の光路中
に設けられているので、互いに異なる複数の発光素子を
用いても、上記出射光のうち他方の出射光を出射する発
光素子についてはその出射光の物性の変化(例えば温度
上昇時に波長が増大すること)に対しモニター用素子の
温度特性を相殺するように端面保護膜などが設定された
場合に、これによっても相殺しきれない発光素子につい
てはプリズムの端面などに設ける光学膜などの光学手段
が温度上昇時に反射率を増大させる等の物性を有するこ
とによって、全体として温度特性を相殺することができ
る。従って、複数の発光素子を用いても、任意の波長等
の物性に対しても調整の自由度が増し、常に安定した出
力特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるレーザカプラの概略
断面図である。
【図2】同、プリズムの拡大断面図である。
【図3】同、プリズムの反射膜の波長依存性を各種示す
グラフである。
【図4】同、レーザカプラのパッケージの斜視図(a)
と同レーザカプラの斜視図(b)である。
【図5】同、フォトダイオードの要部平面図(a)とD
PD法を説明するためのブロック図(b)である。
【図6】同、レーザダイオードの要部斜視図である。
【図7】同、レーザダイオードのレーザ光の出射方向を
示す要部平面図(a)と同出射方向と垂直方向における
断面図(b)である。
【図8】同、レーザダイオードの製造方法を工程順に示
す断面図である。
【図9】同、レーザダイオードの製造方法を工程順に示
す断面図である。
【図10】同、レーザダイオードの製造方法を工程順に
示す断面図である。
【図11】同、レーザカプラを用いた光ピックアップの
概略構成図である。
【図12】同、フォトダイオードの変形例の要部平面図
である。
【図13】同、レーザカプラの他のパッケージの斜視図
(a)と同レーザカプラの斜視図(b)である。
【図14】従来例による光ピックアップの概略構成図で
ある。
【図15】他の従来例による光ピックアップの概略構成
図である。
【図16】本発明者が既に提案した光ピックアップの概
略構成図である。
【図17】同、レーザダイオードの要部斜視図である。
【図18】同、レーザダイオードのレーザ光の出射方向
を示す要部平面図(a)と同出射側の要部側面図(b)
と他のレーザダイオードのレーザ光の出射方向を示す要
部平面図(c)である。
【図19】同、フォトダイオードの要部平面図(a)と
DPD法を説明するためのブロック図(b)である。
【図20】レーザカプラの概略断面図である。
【図21】同、モニタ用フォトダイオードのI−V特性
図(A)、温度変化時のそのI−V特性図(B)及びレ
ーザ端面の反射率の温度特性図(C)である。
【図22】同、2波長レーザを用いる場合のレーザ端面
の反射率の波長依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1a、1b…レーザカプラ、11…集積回路基板、12
…PINダイオード、13…半導体ブロック、14、L
D1…第1レーザダイオード、14a…モノリシックレ
ーザダイオード、15、LD2…第2レーザダイオー
ド、16…前部第1フォトダイオード、17…後部第1
フォトダイオード、18…前部第2フォトダイオード、
19…後部第2フォトダイオード、20…プリズム、2
0a…分光面、51、52…端面、53…端面保護膜、
54…反射膜、LD…レーザダイオード、PD1、PD
2…フォトダイオード、E1、E2…レーザ光出射部、
BS…ビームスプリッタ、C…コリメータ、R…CD用
の開口制限アパーチャ、ML…マルチレンズ、PD…フ
ォトダイオード、G…グレーティング、M…ミラー、O
L…対物レンズ、D…光ディスク、L…レーザ光、L1
…第1レーザ光、L2…第2レーザ光、PC…位相比較
器、AD…加算器、S1a、S1b、S2a、S2b…
スポット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 5/022 H01S 5/022 Fターム(参考) 5D119 AA05 AA41 AA50 BA01 CA10 EC45 EC47 FA05 FA08 FA09 FA26 JA63 JA64 JA65 KA02 LB04 5F073 AA74 AB12 AB27 BA05 CA14 CB02 DA05 DA22 EA04 EA15 FA02 FA06 FA11 FA23 FA27 FA29 GA02 GA12 5F089 BA04 EA01 FA10 GA01

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる複数の光をそれぞれ出射す
    る複数の発光素子が光出射方向と交差する方向に並置さ
    れ、前記複数の光をそれぞれ受光する複数の受光素子が
    設けられている光学装置において、 前記複数の発光素子の出射光のうち、少なくとも1つの
    出射光に対する反射率又は透過率が温度によって変化す
    る光学手段が、前記複数の発光素子と前記複数の受光素
    子との間の光路中に設けられていることを特徴とする光
    学装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の発光素子の出射光のうち、一
    の出射光に対する反射率又は透過率と他の出射光に対す
    る反射率又は透過率とが温度によって互いに逆方向に変
    化する光学膜が前記光学手段として、前記光路中に設け
    られている、請求項1に記載した光学装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の発光素子と、これらの各出射
    光を分光面を介して被照射体へ導きかつこの反射光を前
    記分光面から前記複数の受光素子へ導くための光学部材
    と、前記受光素子とが共通の基体上に設けられた光カプ
    ラとして構成され、前記分光面に前記光学膜が設けられ
    ている、請求項2に記載した光学装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の発光素子の第1の端面から前
    記複数の光を出力光としてそれぞれ出射すると共に第2
    の端面から複数のモニタ光をそれぞれ出射し、前記出力
    光の強度を制御するために前記モニタ光を検知するモニ
    タ用受光素子を有し、前記複数のモニタ光のうち、一の
    モニタ光についてその強度の温度依存特性と前記モニタ
    用受光素子の検知出力の温度依存特性とが互いに逆特性
    となるような反射率又は透過率を示す保護膜が前記第2
    の端面に形成され、前記一のモニタ光が前記一の出射光
    に対応し、他のモニタ光に対応した前記他の出射光に対
    する前記光学膜の反射率又は透過率が温度によって変化
    して、前記他の出射光に関する温度依存特性が相殺され
    る、請求項2に記載した光学装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の発光素子が、互いに異なる波
    長のレーザ光を出射する、請求項1に記載した光学装
    置。
  6. 【請求項6】 光ディスク装置の光ピックアップとして
    構成された、請求項1に記載した光学装置。
  7. 【請求項7】 互いに異なる複数の光をそれぞれ出射す
    る複数の発光素子が光出射方向と交差する方向に並置さ
    れ、前記複数の光をディスク状情報記録媒体に照射して
    その反射光をそれぞれ受光する複数の受光素子が設けら
    れている光ディスク装置において、 前記複数の発光素子の出射光のうち、少なくとも1つの
    出射光に対する反射率又は透過率が温度によって変化す
    る光学手段が、前記複数の発光素子と前記複数の受光素
    子との間の光路中に設けられていることを特徴とする光
    ディスク装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の発光素子の出射光のうち、一
    の出射光に対する反射率又は透過率と他の出射光に対す
    る反射率又は透過率とが温度によって互いに逆方向に変
    化する光学膜が前記光学手段として、前記光路中に設け
    られている、請求項7に記載した光ディスク装置。
  9. 【請求項9】 前記複数の発光素子と、これらの各出射
    光を分光面を介して光ディスク状情報記録媒体へ導きか
    つこの反射光を前記分光面から前記複数の受光素子へ導
    くための光学部材と、前記受光素子とが共通の基体上に
    設けられた光カプラを有し、前記分光面に前記光学膜が
    設けられている、請求項8に記載した光ディスク装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の発光素子の第1の端面から
    前記複数の光を出力光としてそれぞれ出射すると共に第
    2の端面から複数のモニタ光をそれぞれ出射し、前記出
    力光の強度を制御するために前記モニタ光を検知するモ
    ニタ用受光素子を有し、前記複数のモニタ光のうち、一
    のモニタ光についてその強度の温度依存特性と前記モニ
    タ用受光素子の検知出力の温度依存特性とが互いに逆特
    性となるような反射率又は透過率を示す保護膜が前記第
    2の端面に形成され、前記一のモニタ光が前記一の出射
    光に対応し、他のモニタ光に対応した前記他の出射光に
    対する前記光学膜の反射率又は透過率が温度によって変
    化して、前記他の出射光に関する温度依存特性が相殺さ
    れる、請求項8に記載した光ディスク装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の発光素子が、互いに異なる
    波長のレーザ光を出射する、請求項7に記載した光ディ
    スク装置。
  12. 【請求項12】 所定の光を出射する発光素子と、この
    出射光を受光する受光素子とが設けられている光学装置
    において、 前記出射光に対する反射率又は透過率が温度によって変
    化する光学手段が、前記発光素子と前記受光素子との間
    の光路中に設けられていることを特徴とする光学装置。
  13. 【請求項13】 前記発光素子と、この出射光を分光面
    を介して被照射体へ導きかつこの反射光を前記分光面か
    ら受光素子へ導くための光学部材と、前記受光素子とが
    共通の基体上に設けられた光カプラとして構成され、前
    記分光面に前記光学手段としての光学膜が設けられてい
    る、請求項12に記載した光学装置。
  14. 【請求項14】 前記発光素子の第1の端面から前記所
    定の光を出力光として出射すると共に第2の端面からモ
    ニタ光を出射し、前記出力光の強度を制御するために前
    記モニタ光を検知するモニタ用受光素子を有し、前記モ
    ニタ光の強度の温度依存特性と前記モニタ用受光素子の
    検知出力の温度依存特性とが互いに逆特性となるような
    反射率又は透過率を示す保護膜が前記第2の端面に形成
    されている、請求項1に記載した光学装置。
  15. 【請求項15】 光ディスク装置の光ピックアップとし
    て構成された、請求項12に記載した光学装置。
  16. 【請求項16】 所定の光を出射する発光素子と、この
    光出射をディスク情報記録媒体に照射してその反射光を
    受光する受光素子とが設けられている光ディスク装置に
    おいて、 前記出射光に対する反射率又は透過率が温度によって変
    化する光学手段が、前記発光素子と前記受光素子との間
    の光路中に設けられていることを特徴とする光ディスク
    装置。
  17. 【請求項17】 前記発光素子と、この出射光を分光面
    を介して前記ディスク状情報記録媒体へ導きかつこの反
    射光を前記分光面から前記受光素子へ導くための光学部
    材と、前記受光素子とが共通の基体上に設けられた光カ
    プラとして構成され、前記分光面に前記光学手段として
    の光学膜が設けられている、請求項16に記載した光デ
    ィスク装置。
  18. 【請求項18】 前記発光素子の第1の端面から前記所
    定の光を出力光として出射すると共に第2の端面からモ
    ニタ光を出射し、前記出力光の強度を制御するために前
    記モニタ光を検知するモニタ用受光素子を有し、前記モ
    ニタ光の強度の温度依存特性と前記モニタ用受光素子の
    検知出力の温度依存特性とが互いに逆特性となるような
    反射率又は透過率を示す保護膜が前記第2の端面に形成
    されている、請求項16に記載した光ディスク装置。
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