JP2001247842A - 水性ゲル化剤 - Google Patents

水性ゲル化剤

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JP2001247842A JP2000059558A JP2000059558A JP2001247842A JP 2001247842 A JP2001247842 A JP 2001247842A JP 2000059558 A JP2000059558 A JP 2000059558A JP 2000059558 A JP2000059558 A JP 2000059558A JP 2001247842 A JP2001247842 A JP 2001247842A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系に添加することで、チキソトロピー性を
有する水性ゲル組成物を得ることができるだけでなく、
酸性系、塩水系、含アルコール系で用いても良好なゲル
状態を作ることが可能であり、かつ安全性も高い水性ゲ
ル化剤を提供する。 【解決手段】 ペンタエリスリトール又はその縮合物、
グリセリン縮合物、炭素数6〜24の脂肪族飽和二塩基
酸および炭素数8〜28の脂肪酸をエステル化反応させ
たエステル生成物からなる水性ゲル化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水系において、ゲル
化機能を発揮するエステル化生成物に関する。更に詳し
くは、水性組成物に配合することによって、その系をチ
キソトロピー性流動を有するゲルにする機能を持ち、か
つ安全性も極めて高いものであり、化粧品、医薬品、農
薬、飼料、肥料、塗料等の幅広い分野の水性組成物に利
用できるエステル化生成物からなるゲル化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水系中で流動性を持つゲル化剤
は水系中で擬塑性流動またはチキソトロピー性流動など
の構造粘性を示し、静置しているときはゲルとしての物
性を示すがある一定以上の応力がかかることによりゾル
様の物性に変化し、流動性を示すようになる。このよう
な物性のゲル化剤は、水をベースとする製剤として化粧
品、医薬品、農薬、飼料、肥料、塗料等の分野で使用さ
れている。このようなゲル化剤には水溶性高分子が多
く、高分子間の水素結合やイオン結合によって緩い網目
構造を形成し、物理的橋架けによるゲルを作製するがシ
ェアにより一時的に結合が切れ流動性を示すものであ
り、瞬時もしくは経時で構造は回復する。その他に、無
機化合物であるコロイド性含水ケイ酸塩は、水中でカー
ドハウス構造を形成して分子内の金属カチオンの水和に
より膨潤しゲル化するが、その分散液はシェアにより容
易に流動し経時でゲルに回復する、所謂チキソトロピー
性を示す。
【0003】このような水溶性高分子の例としては、ア
ニオン性のものではカルボキシビニルポリマーやポリア
クリル酸とその中和塩がある。この水溶液は擬塑性流動
を示すが、微量の塩の共存により、ゲル化特性が失わ
れ、高粘性を示さない。ノニオン系ではキサンタンガ
ム、カラギーナンなどがチキソトロピー流動性を示す
が、これらの水溶性高分子は総じて増粘剤として作用が
有用であり、ゲル特性は弱く保形性はない。有限膨潤の
範囲では濃度を上げても増粘するが、ゲル特性は弱い。
さらに曵糸性が強いことや多糖類の性格上、他の溶剤が
配合されると溶解性が落ち充分に特性が出ない。また、
無機系の粘土鉱物としてはベントナイト、ケイ酸アルミ
ニウムマグネシウムなどがあるが、水分散液のpHがア
ルカリ性側でないと金属カチオンの水和が起きず、良い
ゲル化特性が出ない。また、我々は先にアルコールのゲ
ル化剤としてエステル化生成物を発明し出願(特願平5
−292567)しているが、これはアルコールのゲル
化剤としては適しているが、水系もしくは1部水を含有
した含水アルコールでは良好なゲルは得られず、構造粘
性を有した流動性もない。このように、シェアにより流
動性を有するゲル化をさせる場合、従来のゲル化剤では
様々な問題点があり、配合上の制約を余儀なくされてお
り、これらの問題点がない万能な水性ゲル化剤の出現が
待ち望まれていた。なお、ゼラチンや寒天のようなゲル
化剤は水をゲル化するが、水は流動性を示さず、応力に
よりゲルを破壊すれば状態は回復しない。このような特
性の物質は本発明の目的とは異なる。
【0004】本発明者らは、かかる実状に鑑み、水系の
あらゆる状態においても構造粘性を有するゲル化特性が
出るゲル化剤の開発に取り組んだ。すなわち、耐塩性、
耐pH性を有し、かつ他成分が水中に添加されても、問
題なく良好なゲル化性を有し、かつシェアにより、流動
特性を示す水性ゲル化剤である。我々は、特定の分子種
の脂肪酸、アルコールを複雑に組み合わせて得たオリゴ
エステルが上記の特性を満たすことを見出した。本発明
はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、水系の組成物に配合することによって、シェア
により流動性を有したチキソトロピー性の構造粘性を有
し、かつ静地時にはゲル特性を与える水性ゲル化剤を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ペンタエリス
リトール又はその縮合物、グリセリン縮合物、特定の二
塩基酸および脂肪酸をエステル化して得られるオリゴエ
ステル生成物に高いゲル化効果があることを発見した。
すなわち本発明は、ペンタエリスリトール又はその縮合
物、グリセリン縮合物、炭素数6〜24の脂肪族飽和二
塩基酸および炭素数8〜28の直鎖飽和脂肪酸、直鎖不
飽和脂肪酸、分枝脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸からなる群
から選ばれる1種または2種以上の脂肪酸を反応させた
エステル化生成物からなるゲル化剤である。なお、本発
明によるエステル化生成物はゲル化機能を発揮するが、
通常のエステル化生成物に比較するとはるかに大きな分
子量を有するため、安全性も極めて高い。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のゲル化剤は、ペンタエリ
スリトール又はその縮合物、グリセリン縮合物、炭素数
6〜24の脂肪族飽和二塩基酸および炭素数8〜28の
脂肪酸をエステル化反応させたエステル化生成物からな
る。かかる成分の比率は、ペンタエリスリトール又はそ
の縮合物が1〜10質量%、グリセリン縮合物が35〜
50質量%、炭素数6〜24の脂肪族飽和二塩基酸が1
0〜30質量%および炭素数8〜28の脂肪酸が15〜
40質量%の範囲内で使用することが好ましい。
【0008】本発明のエステル化生成物を製造するため
の必須原料成分としては、まずペンタエリスリトール又
はその縮合物とグリセリン縮合物がある。本発明におい
て、ペンタエリスリトール又はその縮合物は、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエ
リスリトール等があるが、本発明ではジペンタエリスリ
トールが好ましい。グリセリン縮合物の適正な縮合度は
水酸基価から計算した平均縮合度として5〜15のもの
を指すが、とりわけ平均縮合度が6以上のものが好まし
く、さらに好ましくは10程度のグリセリン縮合物であ
り、具体的にはペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、
デカグリセリン等を例示でき、これらは単独もしくは混
合物として使用できる。
【0009】次に本発明を構成する二塩基酸としては、
炭素数が6〜24の脂肪族飽和二塩基酸である。より好
ましくは、炭素数が6〜20の脂肪族飽和二塩基酸であ
る。炭素数が6〜24のものはチキソトロピー性を有す
るが、一方で、炭素数が26〜30のものは、構造はす
ぐに回復するためチキソトロピー性は弱いが擬塑性流動
を示す点で物性が異なる。不飽和を含むものはゲル化機
能が低下し、また炭素数が6未満の二塩基酸ではエステ
ル化物の安定性及び安全性が低下する。したがって本発
明では、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、オクタデカン二
酸、イコサン二酸等の二塩基酸を単独もしくは混合して
使用すれば良い。これらのうち、特に望ましいものはイ
コサン二酸であり、かかるイコサン二酸を主として用い
ることが望ましい。主としてとは、構成する全二塩基酸
に占める割合が50質量%以上、好ましくは70質量%
以上、さらに好ましくは90質量%以上である。また、
ゲル物性の調整のために炭素数が26〜30の二塩基酸
を構成成分に加えてもよい。
【0010】さらに、脂肪酸としては炭素数が8〜28
の直鎖飽和脂肪酸、直鎖不飽和脂肪酸、分枝脂肪酸、ヒ
ドロキシ脂肪酸であることを必須とする。具体的な脂肪
酸としてカプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウ
リン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナ
デカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、
セロチン酸、モンタン酸などの直鎖飽和脂肪酸、パルミ
トオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等
の直鎖不飽和脂肪酸、イソオクチル酸(2−エチルヘキ
サン酸)、イソパルミチン酸(2−ヘキシルデカン
酸)、イソステアリン酸等の分枝脂肪酸、12−ヒドロ
キシステアリン酸、リシノール酸等のヒドロキシ脂肪酸
を例としてあげることができ、本発明ではこれらを単独
あるいは混合物で使用しても差し支えない。これらのう
ち望ましい脂肪酸は、炭素数が16ないし18のもの
で、具体的にはステアリン酸、パルミチン酸、イソステ
アリン酸、オレイン酸および12−ヒドロキシステアリ
ン酸からなる群から選ばれる1種または2種以上であ
る。なお本発明においては、不飽和度の高い脂肪酸を多
く使用すると、本発明のエステル化生成物の保存安定性
が低下する場合があるために注意が必要である。かかる
脂肪酸の炭素数が8未満の場合のエステル化生成物は本
発明で言うゲル化機能を発揮しにくくなる。最大のゲル
化機能を実現するのは、脂肪酸として炭素数が16〜1
8のものを用いたときである。
【0011】ペンタエリスリトール又はその縮合物とグ
リセリン縮合物、炭素数6〜24の脂肪族飽和二塩基酸
の配合比率は特に限定されるものではないが、ペンタエ
リスリトール又はその縮合物とグリセリン縮合物を合わ
せたモル数が二塩基酸のモル数を越えるものが特に好ま
しい。二塩基酸のモル数が同数あるいはこれ以上の値と
なる場合には、水への溶解性が落ちるために、配合する
脂肪酸の種類と量で調整する必要がある。またペンタエ
リスリトール又はその縮合物のモル比率がグリセリン縮
合物の1モルに対して0.7〜0.1モルであることが
好ましい。ペンタエリスリトール又はその縮合物のモル
比率が0.7モル以上となる場合には、融点の上昇が認
められ、相溶性が低下する。また0.1モル以下となる
場合は、ゲル化物からの離水が増大し安定性が低下す
る。このような場合には、二塩基酸の種類や量で調整す
ることも可能である。従って、ペンタエリスリトール又
はその縮合物とグリセリン縮合物のモル数の総和が、二
塩基酸のモル数より大きく、且つ、ペンタエリスリトー
ル又はその縮合物とグリセリンのモル比率が0.1〜
0.7:1である組成が最もゲル化剤として優れてい
る。また、この母核に対する脂肪酸の添加量は反応可能
な水酸基の数以下であれば構わないが、ゲル化剤として
の機能を持たせるためにはペンタエリスリトール又はそ
の縮合物とグリセリン縮合物の有するすべての水酸基の
中で、1/2個以上は未反応の水酸基として残しておく
ことが極めて望ましい。なお、脂肪酸としてヒドロキシ
脂肪酸を使用する場合にはこの限りではない。
【0012】エステル化反応は、酸、アルカリ又は金属
触媒の存在下もしくは非存在下、好ましくは該反応に不
活性な有機溶剤又は/及び気体中で、100〜240℃
にて数時間〜20時間程度まで、副生する水を除去しな
がら行う。またエステル交換反応は、金属アルコラート
又はリパーゼ等の触媒を用い、20〜140℃にて数十
分〜数時間行う。前記反応経過は、系中の酸価あるいは
遊離状態の酸成分の組成を測定することにより評価で
き、これにより反応の終了時点を決定すれば良い。
【0013】なお、エステル化反応を完全に終結させず
に遊離のカルボキシル基をオリゴエステル構造中に残す
ことも可能だが、本発明ではほぼ完全にエステル基とす
ることが望ましい。エステル化反応物またはエステル交
換反応物は、未反応のペンタエリスリトール又はその縮
合物、グリセリン縮合物、脂肪酸及び/または二塩基酸
を含むことがあり、シリカゲル等の吸着剤処理等の公知
の方法で分離除去し、さらに脱色、脱臭処理を施して精
製する。
【0014】かくして得られる本発明のエステル化生成
物は、ペンタエリスリトール又はその縮合物、グリセリ
ン縮合物、脂肪酸および二塩基酸が直鎖状または/及び
分枝状にオリゴエステル化された混合物であり、常温に
おいて高粘性液体からワックス状となる。なお、エステ
ル化生成物の残存水酸基の数は、原料であるペンタエリ
スリトール又はその縮合物とグリセリン縮合物の有する
水酸基のうちの最低1/2個以上であることが極めて好
ましい。ただし、ヒドロキシ脂肪酸の場合にはこの限り
ではない。ヒドロキシ脂肪酸以外において、残存水酸基
が全水酸基の1/2個以上存在しない場合、本発明で対
象とする水ゲル化組成物においてゲル化性がほとんど発
現されず、あるいは溶解性や分散性が著しく劣り、ゲル
化物は容易に分離する。本発明のエステル化生成物の水
酸基価は、原料の配合割合すなわちペンタエリスリトー
ル又はその縮合物及びグリセリン縮合物の反応モル当量
と脂肪酸及び二塩基酸の各反応モル当量とから容易に算
出でき調節できる。また反応温度、反応時間、反応の進
行に伴う生成水の量によっても調整可能である。
【0015】本発明のエステル化生成物は、これを単独
あるいは任意に混合して、水、必要に応じて低級アルコ
ール類、糖類などの親水性物質を混合した水溶液に添加
して良好なチキソトロピー性流動を有するゲルを生成す
る。これらに限定されるものではないが、低級アルコー
ル類の例としてはグリセリン、ジグリセリン、ポリグリ
セリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,3−ブ
タンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、ヘキシレングリコール、ソルビトール、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトー
ル、ブチルカルビトール等の一価もしくは多価アルコー
ル類、また糖類の例としてはグルコース、フルクトー
ス、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノ
ース、リボースなどの単糖類、マルトース、ラクトー
ス、スクロースなどの二等類、マンニット、ソルビッ
ト、マルビットなどの糖アルコール類などがあり、これ
らのうち一種もしくは二種以上の組み合わせたものを水
溶液に配合せしめて用いる。
【0016】なお、本発明のゲル化剤を含む水性組成物
は、既知の前記以外の水溶性成分、もしくは界面活性
剤、顔料、油性成分、前記エステル化生成物の単独また
は混合物とを配合することができる。また、本発明のゲ
ル化剤が効果を発現する水性組成物は、水溶性成分のみ
の組成物だけでなく油性成分などの乳化組成物、顔料や
色素などの粉体分散組成物も含む。なお、化粧品、医薬
品、農薬、飼料、肥料、塗料等の分野で使用する場合、
本発明のゲル化剤が効果を発現する水性組成物は水には
溶解しない不溶性成分(油性成分や顔料、色素などの粉
体)以外の水系中に水が1割以上含有した組成物を水性
組成物といい、配合量の目安としては水性成分全量に対
して0.5〜20質量%、望ましくは1〜15質量%配
合して使用する。
【0017】
【実施例】以下の合成例及び実施例において、%は質量
基準である。 合成例1 攪拌機、温度計、ガス吹き込み管および水分離器を付け
た四つ口フラスコに、ジペンタエリスリトール17.8
g(0.07モル)、デカグリセリン116g(0.1
5モル、但し固形分換算)、イコサン二酸47.6g
(0.14モル)、及びステアリン酸59.3g(0.
21モル)を仕込み、触媒としてp−トルエンスルホン
酸を対仕込み量0.1%、窒素ガス気流中、180〜2
20℃で、酸価の低下が見られなくなるまで6時間エス
テル化反応を行わせた。反応終了後に定法にて精製を行
い、本発明のエステル化生成物(試料No.1とする)
210gを得た。
【0018】比較合成例1 原料としてジペンタエリスリトール25.4g(0.1
0モル)、ジグリセリン33.5g(0.20モル)、
イコサン二酸68.4g(0.19モル)、ステアリン
酸85.34g(0.30モル)を用いる他は同様に操
作、処理し、エステル化生成物(試料No.11)18
0gを得た。
【0019】合成例2〜9、比較合成例2〜5 前記同様の方法により各種ポリグリセリン、脂肪酸及び
二塩基酸を組み合わせて合成例(試料No.2〜9)、
比較合成例(試料No.12〜15)のエステル化生成
物を得た。
【0020】合成例10 攪拌機、温度計、ガス吹き込み管および水分離器を付け
た四つ口フラスコに、ペンタエリスリトール9.5g
(0.07モル)、デカグリセリン116g(0.15
モル、但し固形分換算)、イコサン二酸47.6g
(0.14モル)およびステアリン酸59.3g(0.
21モル)を仕込み、触媒としてp−トルエンスルホン
酸を対仕込み量0.1%、窒素ガス気流中、180〜2
20℃で、酸価の低下が見られなくなるまで7時間、エ
ステル化反応を行わせた。室温まで冷却後、定法にて精
製を施して、本発明のエステル化生成物(試料No.1
0)200gを得た。
【0021】エステル化反応の原料配合およびエステル
化生成物の性状、分析値をまとめて表1、表2に示す。
なお、表中の原料は次のものを用いた。また、原料配合
における数値はモル数を示す。 ペンタエリスリトール:広栄化学工業(株)製、商品名
「ペンタリット」 ジペンタエリスリトール:広栄化学工業(株)製、商品
名「ジ・ペンタリット」 デカグリセリン:阪本薬品工業(株)製、商品名「ポリ
グリセリン#750」 ヘキサグリセリン:阪本薬品工業(株)製、商品名「ポ
リグリセリン#500」ジグリセリン:阪本薬品工業
(株)製、商品名「ジグリセリン」 イコサン二酸:岡村製油(株)製、商品名「SL−2
0」 アジピン酸:旭化成工業(株)製、商品名「アジピン
酸」 ステアリン酸:花王(株)製、商品名「ルナックS−9
8」 イソステアリン酸:ユニケマ社製、商品名「PRISORINEI
SAC 3505」 オレイン酸:日本精化(株)製、商品名「パモリン#1
00」 n−オクタン酸:新日本理化(株)製、商品名「カプリ
ル酸」 12−ヒドロキシステアリン酸:川研ファインケミカル
(株)製、商品名「ヒドロキシステアリン」
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】実施例1〜10、比較例1〜5(水のゲル
化評価) 合成例1〜10および比較合成例1〜5で得られたエス
テル化生成物について水性組成物におけるゲル化能を以
下の方法により評価した。すなわち、合成例1〜10で
得たエステル化生成物(試料No.1〜10)のいずれ
か5gを80℃の水95gに添加、プロペラ攪拌機で攪
拌して均一に溶解または分散させ、80℃に加温した。
添加終了後さらに5分間攪拌を行った後、攪拌を続けな
がら30℃まで冷却し、水性組成物を調製した。これを
25℃下で24時間放置した。得られた水性組成物のゲ
ル化能は、ちょう度計(JISK2220、使用した円
錐はA型で32g)によりちょう度を25℃で測定し
た。また、流動性はB型粘度計(東京精機(株)製、B
L型、粘度10000mPa・s以上はローターNO.4、
6回転、2000以上10000未満はローターNO.
3、6回転、2000未満はローターNO.2、6回転
で測定)を用いて粘度を25℃で測定した。また、その
後にディスパーで1000rpmで攪拌し、構造の回復
を見るために粘度の経時変化をみた(実施例1〜1
0)。この結果を表3に示す。また、比較合成例1〜5
で得たエステル化生成物(試料No.11〜15)同様
にして水性組成物を調製しゲル化能評価を行った(比較
例1〜5)。この結果を表4に示す。(観察状態の目安
として、ちょう度は300未満であると100gをガラ
スサンプル瓶中に入れ傾けても流れ出さない程度、保形
性がある。300以上360以下であればやや流動性が
あり360以上であると完全に流れてしまう。)
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】なお、キサンタンガム(Kelco社製、
商品名Keltrol)2%水分散液を同様に作製した
が、粘度は17600mPa・sであったがちょう度は36
0より大きくゲル化能は弱かった。
【0028】実施例11〜20、比較例6〜10(酸
性、水のゲル化評価) 同様の方法で、酸性系でゲル化能評価を行なった。精製
水のかわりに、フタル酸標準液(pH4.01)を用い
た。この結果を表5、6に示す
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】なお、ケイ酸アルミニウムマグネシウム
(クニミネ社製、商品名スメクトンSA)4%水分散液
を同様に作製したが、粘度は500mPa・s未満であり、
ちょう度は360より大きくゲル化能は弱かった。
【0032】実施例21〜30、比較例11〜15(塩
水のゲル化能評価) 同様の方法で、塩水系でゲル化能評価を行なった。精製
水のかわりに、塩化ナトリウム1wt%水溶液を用い
た。この結果を表7、8に示す。
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】なお、カルボキシビビルポリマー(Goo
drich社製、商品名カーボポール940)2%水分
散水酸化ナトリウム中和液を同様に作製したが、粘度は
500mPa・s未満であり、ちょう度は360より大きく
ゲル化能は弱かった。
【0036】実施例31〜40、比較例16〜20(アルコール
含有でのゲル化能評価) 同様の方法で、アルコール含有系でゲル化能評価を行な
った。精製水のかわりに、エタノール50wt%水溶液
を用いた。この結果を表9、10に示す。
【0037】
【表9】
【0038】
【表10】
【0039】キサンタンガム(Kelco社製、商品名
Keltrol)2%水分散液を同様に作製したが、粘
度は17600mPa・sであったがちょう度は342.5
とゲル化能は弱かった。また、カルボキシビビルポリマ
ー(Goodrich社製、商品名カーボポール94
0)2%水分散水酸化ナトリウム中和液を同様に作製し
たが、粘度は87600mPa・sであったが、ちょう度は
345.5とゲル化能は弱かった。
【0040】これらに示したデータから、本発明のエス
テル化生成物(試料No.1〜10)は、水系でチキソ
トロピー流動性を有したゲル化能を有することがわかっ
た。これは、比較合成例で調製したエステル化生成物
(試料No.11〜15)や従来既知のゲル化剤に比較
して顕著な効果があり、またあらゆる諸条件においても
ゲル化能を有し、本発明の生成物が有用であることを意
味する。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ペンタエリスリトール
又はその縮合物、グリセリン縮合物、炭素数6〜24の
脂肪族飽和二塩基酸および炭素数8〜28の脂肪酸との
エステル化生成物からなる水性のゲル化剤を提供でき
る。このゲル化剤を水系に添加することで、チキソトロ
ピー性を有する水性ゲル組成物を得ることができる。ま
た本発明のエステル化生成物は、酸性系、塩水系、含ア
ルコール系で用いても良好なゲル状態を作ることが可能
である。かかる水系でゲル化能を有する本発明のエステ
ル化生成物は、化粧品、医薬品等の身体に関わる分野の
他、一般工業用としても広範囲の産業の乳化製品に応用
することができ、極めて有用である。なお、本発明品の
流動特性は温度依存性が少ないため、使用場面の季節を
問わず、同様に使用できるメリットもある。参考例を次
に示す。
【0042】
【表11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 63/12 C08G 63/12 Fターム(参考) 4C076 AA09 DD38 DD41 DD46P EE01 FF35 GG22 4J029 AA01 AA07 AB01 AC04 AD02 AE18 CA02 CA06 EA01 EA02 FB02 FB03 FB04 FC08 FC29 GA41 HA01 HB01 HD07 KB02 KE02 KE03 KH05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペンタエリスリトール又はその縮合物、
    グリセリン縮合物、炭素数6〜24の脂肪族飽和二塩基
    酸および炭素数8〜28の脂肪酸をエステル化反応させ
    たエステル化生成物からなるゲル化剤。
  2. 【請求項2】 炭素数8〜28の脂肪酸が直鎖飽和脂肪
    酸、直鎖不飽和脂肪酸、分枝脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸
    からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求
    項1に記載のゲル化剤。
  3. 【請求項3】 グリセリン縮合物が平均重合度5〜15
    である請求項1または2に記載のゲル化剤。
  4. 【請求項4】 ペンタエリスリトール又はその縮合物と
    グリセリン縮合物のモル数の総和が脂肪族飽和二塩基酸
    のモル数より大きいものである請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のゲル化剤。
  5. 【請求項5】 ペンタエリスリトール又はその縮合物の
    モル数が、グリセリン縮合物の1モルに対して0.1〜
    0.7モルである請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    ゲル化剤。
  6. 【請求項6】 脂肪族飽和二塩基酸が主として炭素数2
    0のイコサン二酸である請求項1〜5のいずれか1項に
    記載のゲル化剤。
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