JP2001241953A - 振動ジャイロ - Google Patents

振動ジャイロ

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JP2001241953A
JP2001241953A JP2000052761A JP2000052761A JP2001241953A JP 2001241953 A JP2001241953 A JP 2001241953A JP 2000052761 A JP2000052761 A JP 2000052761A JP 2000052761 A JP2000052761 A JP 2000052761A JP 2001241953 A JP2001241953 A JP 2001241953A
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plane
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feet
tuning fork
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Toru Yanagisawa
徹 柳沢
Izumi Yamamoto
泉 山本
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Citizen Watch Co Ltd
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度で量産性の高い振動ジャイロを提供す
る。 【解決手段】 5脚音叉型振動体を用いることにより、
高い駆動検出振動のQ値を実現し、駆動振動により変位
しない検出部を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角速度を検出する
振動ジャイロに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から機械式の回転ジャイロスコープ
が、飛行機や船舶の慣性航行装置として使われている
が、装置が大きく、価格が高く、従って小型の電子機器
や小型の輸送機械に組み込むことは困難である。
【0003】しかし近年、ジャイロスコープも小型化の
研究が進み、圧電素子で振動体を励振し、振動体に設け
た別の圧電素子で振動体が回転により受けるコリオリ力
で起きる振動により発生する電圧を検出する振動ジャイ
ロの実用化が進み、自動車のナビゲーションシステムや
ビデオカメラの手振れ検出装置等に使われている。
【0004】特に圧電性単結晶を用いた振動ジャイロ
は、構造が簡単で、調整もしやすく、また温度特性に優
れ、有望視されている。以下に圧電性単結晶を使用した
例として、水晶を用いた音叉型振動ジャイロの構造を図
面を用いて説明する。図5は音叉型の振動ジャイロを示
す斜視図である。
【0005】図5において、音叉J10は水晶を一体加
工したものに、駆動検出電極を蒸着した構造を有してい
る。すなわち音叉J10は、平行に配置された第1の足
J11及び第2の足J12が、基部J15に結合した構
造を持つものである。第1の足J11には、駆動電極J
3及びJ4が蒸着されており、第2の足J12には、検
出電極J6,J7及びJ8が蒸着されている。基部J1
5の底面は、支持に用いられる。ここで、足の伸びた方
向をY’方向、2本の足の並ぶ方向をX方向、X及び
Y’方向に直交する方向をZ’方向とする。
【0006】作用について説明する。図6は、従来の音
叉型水晶ジャイロの駆動検出方法を説明する為の、足の
断面及び駆動検出回路の模式図である。図6において、
左側に記す第1の足J11の断面には、駆動電極J1,
J2,J3及びJ4の断面が配置され、右側に記す第2
の足J12の断面には検出電極J5,J6,J7及びJ
8の断面が配置されている。まず、第1の足J11が例
えば第2の足J12に向かってX方向に屈曲すると、電
極J2近傍がY’方向に伸び、電極J4近傍がY’方向
に縮むが、この時水晶内部では圧電効果により電極J2
近傍ではX方向に、また電極J4近傍では−X方向に電
界が発生する。この時電界の向きを考慮すると電極J2
及びJ4は同電位で、足の中央より例えば高い電位とな
る。X方向に見ると、足の中央付近に配置された電極J
1及びJ3は、相対的に電極J2及びJ4より低い電位
となるので、電極J2及びJ4と、電極J1及びJ3の
間には、電位差が発生する。圧電効果は可逆的なので、
電極J2及びJ4と、電極J1及びJ3の間に電位差を
与えれば、水晶内部には、これに応じた電界が発生し、
第1の足J11はX方向に屈曲することになる。これら
のことから、例えば電極J1及びJ3の電位を参照とし
て発振条件を超える増幅率でアンプJGを用いて増幅
し、発振条件を満足する位相に移相回路JPで整えて電
極J2及びJ4に戻すことにより、第1の足J11の屈
曲に伴う機械的な戻り力と電気的な力の間でエネルギー
の交換が起こり、第1の足J11をX方向に自励発振さ
せることができる。音叉J10全体で見ると、第1の足
J11及び第2の足J12の運動量をバランスさせる
為、第1の足J11がX方向に動く時、第2の足J12
は−X方向に動き、第1の足J11が−X方向に動く
時、第2の足J12がX方向に動く動作となるが、これ
を、通常の音叉が1つの面内で振動を行うのを理想とす
る慣例から、面内屈曲振動と呼ぶが、第1の足J11,
アンプJG及び移相回路JPで発生させる振動は面内屈
曲振動と同じ動作であり、その周波数は、音叉J10の
面内屈曲振動の共振周波数とほぼ一致する。この状態で
音叉J10全体をY’軸の回りに角速度ωで回転させる
と、音叉J10の2つの足には、面内屈曲振動と直交す
るZ’方向にコリオリ力Fcが働く。コリオリ力Fcは
以下の式で表すことができる。 FC=2・M・ω・V ここで、Mは第1の足J11又は第2の足J12の質量
であり、Vは第1の足J11又は第2の足J12の速度
である。このコリオリ力FCは、第1の足J11及び第
2の足J12に、面内屈曲振動の動作方向であるX方向
と直交する、Z’方向に変位する屈曲振動を励起する。
以下これを面外屈曲振動と呼ぶ。また、コリオリ力は変
位でなく、速度に比例する力なので、コリオリ力により
発生する面外屈曲振動は、面内屈曲振動より90度位相
が遅れて発生する。この面外屈曲振動により、例えば第
2の足J12の電極J5及びJ8の近傍はY’方向に伸
び縮みし、電極J6及びJ7の近傍は電極J5及びJ8
の近傍と逆相で伸び縮みする。例えば、電極J5及びJ
8の近傍がY’方向に伸びている時、第2の足J12の
内部の電極J5及びJ8の近傍では、X方向に電界が発
生し、この時電極J6及びJ7の近傍はY’方向に縮む
ので、第2の足12の内部の電極J6及びJ7の近傍で
は、−X方向に電界が発生する。すなわち電極J5の電
位が電極J8の電位より高い時、電極J7の電位は電極
J6の電位より高い状態となる。また、電極J5及びJ
8の近傍がY’方向に縮んでいる時、第2の足J12の
内部の電極J5及びJ8の近傍では、−X方向に電界が
発生し、この時電極J6及びJ7の近傍はY’方向に伸
びるので、第2の足12の内部の電極J6及びJ7の近
傍では、X方向に電界が発生する。すなわち電極J5の
電位が電極J8の電位より低い時、電極J7の電位は電
極J6の電位より低い状態となる。面外屈曲振動により
発生するこれら電極J5及びJ8と、電極J6及びJ7
の間の電位差は、Z’方向に振れる第2の足J12の方
向に従って変化する。見方を変えると、例えば電極J5
が高電位の時電極J7も高電位であり、この時電極J6
及び電極J8は低電位であり、電極J5が低電位の時電
極J7も低電位であり、この時電極J6及び電極J8は
高電位である。コリオリ力は、電極J5又は電極J7
と、電極J6又は電極J8の間の電位差として現れる。
【0007】コリオリ出力の検出信号は、電極J5及び
電極J7を一方の入力信号とし、電極J6及び電極J8
を他方の入力信号とした、差動バッファJDを経て乗算
回路JMに導かれ、面内屈曲振動の発振系の出力を、コ
リオリ力が90度遅れて発生するのを補正する目的で、
アンプJGの出力を、移相回路JP2により90度移相
し、コンパレータJCにより2値化した参照信号により
乗算され、乗算により検波された結果は、更に積分回路
JSにより平滑化され、正確な直流出力として検出でき
る。この直流出力はコリオリ力FCに比例し、コリオリ
力FCは角速度ωに比例するので、この直流出力により
角速度ωを知ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
圧電性単結晶を用いた音叉型の振動ジャイロには以下の
ような課題がある。一般に振動体を支持する場合は、支
持の影響が振動体に及ぶのを最小限にするため、振動体
が振動中に殆ど動かない位置、すなわち振動の節のみを
支持することを理想とする。音叉型振動ジャイロでは、
足の延びた方向に垂直な2方向の屈曲振動を扱う事にな
るが、これら2方向の屈曲振動の中で、駆動に用いる面
内屈曲振動においては、基部底面を支持する事によりほ
ぼ理想的な支持が実現する。この支持方法においては、
音叉型振動体は足の伸びた方向に僅かに変動するのみで
あり、支持部の変化による周波数変動は僅か数PPMに
留まる。一方、面内屈曲振動と振動体の回転により足に
生じたコリオリ力で励振される面外屈曲振動において
は、音叉型振動体は音叉の中心対称軸の周りの捻り振動
となるので、振動体の外部に振動を伝えない支持は難し
い。従来の基部底面支持のごとく支持の影響が振動体に
及ぶ理想的でない支持方法を用いる場合は、コリオリ力
により発生する検出振動である面外屈曲振動も、後述す
る駆動用の振動である面内屈曲振動の検出振動への漏れ
振動も支持部を通して振動体外部に伝わってしまい、S
/Nの低下やドリフトの原因となる。
【0009】また、2脚音叉型振動ジャイロにおいて
は、棒状の振動体が駆動と検出をかねており、検出部が
振動している。理論上は駆動方向が検出方向に直交して
いるので、駆動振動の影響は検出振動に及ばないのであ
るが、実際の加工精度においては、この直交度が充分で
なく、検出方向は駆動により予め振動しており、検出電
極は駆動振動を検出してしまう。駆動振動と検出振動の
共振周波数を互いに離せば駆動振動が検出振動を僅かに
励振する現象は少なくなるが、振動ジャイロにおいて
は、駆動振動と検出振動の共振周波数をコリオリ力が伝
達できる程度に接近させているので、駆動振動の検出振
動への漏れと言われるこの現象は避けられない。また、
駆動電極及び検出電極の電極間の静電容量結合によって
も、検出電極は駆動振動を検出してしまう。これはコリ
オリ力が無いにもかかわらず検出出力が出ている事を意
味する。駆動振動は振幅が大きいので、支持部の環境変
化や、振動体の温度変化による駆動振動の僅かな変化
も、振幅の小さな検出振動に多大な影響を与え、S/N
が低下し、ドリフトが発生する。
【0010】[発明の目的]本発明の目的は、上記課題
を解決しようとするもので、S/Nが高く、ドリフトが
少なく、検出精度の良い、振動ジャイロを提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明の振動ジャイロは、下記の構成を採用する。
【0012】本発明の振動ジャイロは、発振手段及び角
速度検出手段を有する振動子と、振動子を支持する支持
部とを備えた振動ジャイロにおいて、振動子は5本の足
と基部から構成され、5本の足と基部は略一定の厚さの
平面構造を為し、5本の足は互いに平行に配置し、5本
の足は各々基部に一方向から伸びた端部が接続し、基部
は支持部に接続したことを特徴とする振動ジャイロ。
【0013】足は形状が四角柱であり、基部は形状が四
角柱であり、支持部は形状が四角柱であることを特徴と
する振動ジャイロ。
【0014】5本の足の一部又は全部を、発振手段を用
いて、前記平面に垂直に面外屈曲振動させ、振動子の回
転によるコリオリ力により、面外屈曲振動が振動子に引
き起こす、前記平面に平行な面内屈曲振動を、角速度検
出手段により検出することを特徴とする。
【0015】5本の足の一部又は全部を、発振手段を用
いて、前記平面内で面内屈曲振動させ、振動子の回転に
よるコリオリ力により、面内屈曲振動が振動子に引き起
こす、前記平面に垂直な面外屈曲振動を、角速度検出手
段により検出することを特徴とする。
【0016】5本の足は同じ長さであり、5本の足は等
間隔に配置され、中央に配置された足以外の4本は同じ
巾を持ち、中央に配置された足は他の足の略2倍の巾を
有することを特徴とする。
【0017】5本の足の中から、両端に配置された2本
の足及び中央に配置された足を、発振手段を用いて、前
記平面に垂直に面外屈曲振動させ、残りの2本の足を静
止させておき、振動子の回転によるコリオリ力により、
面外屈曲振動が、静止した2本の足に引き起こす、前記
平面に平行な面内屈曲振動を、角速度検出手段により検
出することを特徴とする。
【0018】5本の足の中から、中央に配置された足以
外の4本の足を、発振手段を用いて、前記平面内で面内
屈曲振動させ、中央の足を静止させておき、振動子の回
転によるコリオリ力により、面内屈曲振動が、静止した
中央の足に引き起こす、前記平面に垂直な面外屈曲振動
を、角速度検出手段により検出することを特徴とする。
【0019】発振手段及び角速度検出手段を有する振動
子と、振動子を支持する支持部とを備えた振動ジャイロ
において、振動子は5本の足と基部から構成され、5本
の足と基部は略一定の厚さの平面構造を為し、5本の足
は互いに平行に配置し、5本の足は各々基部に一方向か
ら伸びた端部が接続し、基部は支持部に接続し、足は形
状が四角柱であり、基部は形状が四角柱であり、発振用
手段は振動子の前記平面に平行な表面に配置され、角速
度検出用手段は振動子の前記平面に平行な裏面に配置さ
れる事を特徴とする。
【0020】振動子が圧電性単結晶により一体に形成さ
れ、前記駆動手段は駆動電極であり、前記角速度検出手
段は角速度検出電極であることを特徴とする振動ジャイ
ロ。
【0021】加振及び検出の共振周波数の差を1000
0PPM以上としたことを特徴とする振動ジャイロ。
【0022】[作用]本発明による振動ジャイロは、5脚
音叉型形状を採用し、振動の節を支持する事により、極
めてQ値が高く外部への振動漏れの少ない駆動振動及び
検出振動を用い、また駆動振動によって振動しない検出
部を用いることにより、駆動振動の影響が殆ど検出部に
及ぶ事がなく、結果として高いS/Nと低いドリフトを
実現する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の振動ジャイロを実
施するための最良の形態による実施の形態を図面を基に
説明する。図1〜図4及び図7〜図9は本発明の実施の
形態である振動ジャイロであり、図1は以後5脚音叉1
0と呼ぶ、5脚音叉型の振動ジャイロの外観を示し、以
後説明に用いる座標を示す斜視図であり、図2は5脚音
叉10の断面,回路ブロック及び配線模式図であり、図
3は5脚音叉型の振動ジャイロの外観を示し、座標を示
し、電極の一部を示す表面図であり、図4は5脚音叉型
の振動ジャイロの外観を示し、座標を示し、電極の一部
を示す裏面図であり、図7〜図9は5脚音叉型振動体の
振動モードを示す動作説明図である。
【0024】[振動ジャイロの構造説明:図1〜図4]
本実施の形態においては、圧電性単結晶の中で、特に温
度特性に優れた水晶を使用する。水晶は、Si02の単
結晶で、常温では4つの結晶軸を持つ三方晶系に属す
る。結晶軸の1つはc軸と呼ばれ、結晶の頂点を通る結
晶軸であり、残りの3つはa軸と呼ばれ、c軸に垂直な
面内に互いに120度の角度を成す結晶軸である。ここ
では、3つのa軸のいずれかをX軸とし、c軸をZ軸と
し、X軸及びZ軸に直交する方向にY軸をとる。
【0025】図1に示すように、本実施の形態で使用す
る座標系は、上記X,Y,Z軸から、X軸の回りに、Z
軸からY軸の方向にθ度回転させた座標軸Y’軸,Z’
軸及びX軸を用いる。このとき回転角θは0〜10度と
する。ここに示した回転角は、温度特性及び振動の安定
度を指標に最適なものが選択される。5脚音叉10は、
一定の厚みを持つ2次元形状であるが、この厚み方向を
Z’軸方向にして切り出す。こうして切り出された5脚
音叉10の5脚音叉形状は、X−Y’面内に2次元形状
で表現される。ここで以下の説明において、Z’軸方向
を表裏方向とする。
【0026】図1は、5脚音叉10を斜めから見た図で
あるが、電極は省略してある。図1に示すように、5脚
音叉10は足1〜5,基部9及び支持部11から構成さ
れる。足1,2,4及び5は弾性と圧電性を持つ水晶か
らなり、形状は、Y’方向の長さL,X方向の巾W,
Z’方向の厚さがtの、各々同一の寸法を持つ四角柱で
あり、側面に施された金属蒸着膜からなる電極を有して
いる。足3は弾性と圧電性を持つ水晶からなり、形状
は、Y’方向の長さL,X方向の巾2W,Z’方向の厚
さがtの四角柱であり、側面に施された金属蒸着膜から
なる電極を有している。基部9は弾性を持つ水晶からな
り、形状は、Y’方向の長さD,X方向の巾6W+4
U,Z’方向の厚さがtの四角柱である。支持部11
は、弾性を持つ水晶からなり、形状は、Z’方向の厚さ
がtの四角柱である。足1〜5は、X方向に足1,足
2、足3,足4,足5の順に平行に、隙間Uを開けて配
置され、各々の足は、基部9のY’方向に垂直な1つの
面に接合している。支持部11は、基部9の足1〜5の
接合した面と平行な、もう1つの面に接合している。上
記すべての部分は同じ厚さで、同一平面内にあり、一体
構造である。
【0027】図3及び図4には、電極の一例として5脚
音叉10に金属蒸着膜から成る電極を形成した様子を示
した。ただし、電極の説明に関係のない、支持部11は
省略してある。図3は5脚音叉10をZ’方向から見た
様子を示している。図4は5脚音叉10を−Z’方向か
ら見た様子を示している。以後、図3に示す面を表面,
図4に示す面を裏面と呼ぶ。電極の形状は、予め形状を
エッチングで作成したマスクを作成しておき、これを5
脚音叉10の電極を生成する面に密着させて真空蒸着を
施すことにより形成する。足1,3及び5の表面に、駆
動電極1L,1M,1R,3L,3M,3R,5L,5
M及び5Rを蒸着し、足2及び4の裏面に、検出電極2
L,2M,2R,4L,4M及び4Rを蒸着する。全て
の電極は長方形であり、X方向に並んでいる。基部9の
表面には回路と接続する為の端子T1L,T1M,T1
R,T3L,T3M,T3R,T5L,T5M及びT5
Rと、各々の足の電極と端子を結ぶ導線を蒸着し、裏面
には端子T2L,T2M,T2R,T4L,T4M及び
T4Rと、各々の足の電極と端子を結ぶ導線を蒸着す
る。
【0028】図2には、図3及び図4に示したのと同じ
足1〜5、及び駆動電極1L,1M,1R,3L,3
M,3R,5L,5M及び5R、及び検出電極2L,2
M,2R,4L,4M及び4Rの、Y’軸方向に垂直な
断面を示し、各電極の接続関係及び駆動検出回路を示
す。駆動回路は、駆動電極1L,3R及び5Lからの信
号をアンプG及び移相回路Pを用いて駆動電極1R,3
L及び5Rに返す自励発振回路で構成され、検出回路
は、検出電極2M及び4Mからの信号を検出するバッフ
ァD、アンプGの出力の位相を変化させる移相回路P
2、位相検出回路の信号を2値化するコンパレータC、
バッファDの出力を移相回路P2の出力と乗算する乗算
回路M、及び乗算結果を積分して直流化する積分回路S
で構成される。3電源系の回路で構成する場合は、駆動
検出回路に直接接続されない電極1M、3M,5M,2
L,2R,4L及び4Rはグランドに接地する。
【0029】[振動ジャイロの動作・作用説明:図2,
図7〜図9]以下、図7を用いて5脚音叉型振動体の駆
動振動を説明し、図8においては5脚音叉型振動体の検
出振動を説明し、図9においては、5脚音叉型振動体の
駆動振動から発生するコリオリ力を説明し、最後に図2
を用いて、電気的に5脚音叉10を駆動し、5脚音叉1
0の回転の結果である電圧出力から角速度を知る方法を
説明する。
【0030】最初に、本実施の形態において使用する5
脚音叉10を切り出す座標系が、水晶の結晶軸から傾い
ている事について説明する。本実施の形態において使用
する水晶は異方性単結晶であり、方向により弾性率の温
度依存性が異なる。厚み方向をZ軸方向とせず、X軸の
回りに、Z軸からY軸の方向にθ度回転させた座標軸
Y’軸,Z’軸及びX軸を用い、厚み方向をZ’軸方向
としたのは、回転角θにより駆動検出振動の共振周波数
の温度特性が変化するので、回転角θを温度特性を勘案
して決定する為である。この回転角θは、振動ジャイロ
を使用する温度条件を勘案し、0〜10度から選択す
る。
【0031】さて、振動ジャイロにおける理想は、振動
体内で自己完結的な振動モードのみを利用し、この振動
モードにおける振動の節を支持する事により、外部環境
に依存しない安定した振動ジャイロを得る事である。し
かしながら、直交する2方向が、共にこのような条件を
満足する振動体は、極めて希である。ところで、2脚音
叉は2本の足が決定する平面内で、2本の足が相反する
方向へバランスを取りながら1次屈曲振動する、いわゆ
る面内振動において、最も優れた振動体として発振器等
に利用されいる。また、3脚音叉は3本の足が決定する
平面に垂直な方向へ、両側の2本の足と中央の足が相反
する方向へ1次屈曲振動する、いわゆる面外振動におい
て、2脚音叉の面内振動に匹敵する優れた振動体として
利用されてきた。本実施の形態においては2脚音叉の面
内振動に匹敵する優れた振動と、3脚音叉の面外振動に
匹敵する優れた振動を、振動ジャイロの駆動と検出の振
動に用いる。
【0032】また、振動ジャイロにおいては、駆動振動
が発生している間に、検出部がコリオリ力に無関係な出
力を発生しないことが、高いS/Nと厄介な無回転時の
出力のドリフトを抑える点で有効である。理論的には、
無回転時に出力が無ければ、ドリフトは存在しないから
である。従って、振動体としては、駆動振動発生時に、
回転のない時は、駆動振動と無関係に静止しており、回
転による検出振動の発生時は、検出振動の振動体の一部
として大きく振動するような構造が望ましい。本実施の
形態においては、5本の足を持つ多脚音叉を振動体とし
て用い、並んだ5本の足の中で、中央の足3の巾を、他
の足の巾の2倍にする事で、上述の望ましい事項を全て
満足する振動体を提供する。
【0033】本実施の形態で使用する5脚音叉型振動体
は、複数の固有振動モードを持つ。これらの中で5脚音
叉形状の、厚み方向に直交する平面内、即ちX−Y’平
面内で完結する、5本の足のX方向への1次屈曲振動
を、5脚音叉10の面内振動と呼ぶこととする。また、
5脚音叉形状の、厚み方向、即ち5本の足のZ’方向へ
の1次屈曲振動を、5脚音叉10の面外振動と呼ぶこと
とする。
【0034】図7を用いて、5脚音叉10の駆動振動を
説明する。5脚音叉10の面外振動の中で、足1及び5
の組と足3が、互いに相対する方向へ屈曲する面外振動
を行い、この間足2及び4が静止している振動モードが
ある。図7は、ある瞬間の各々の足の変位方向を矢印で
示している。この振動モードを駆動振動と呼ぶ事とす
る。
【0035】5脚音叉10の各々の足の配置から、足2
及び4を除くと、足1,3及び5は3脚音叉と似た配置
を形成しており、駆動振動は足1,3及び5で構成され
る3脚音叉の面外振動と類似の振動と見る事が出来る。
3脚音叉の面外振動は、平行に並んだ3本の足の、両側
の足と中央の足が、相対する方向へ全体の運動量を保存
しながら振動する事により、基部の下部を支持部とした
自己完結的な振動体となるが、異方性単結晶において
は、両側の足の質量の合計と、中央の足の質量が同等の
場合に、支持部への振動の漏れが最も少ないことが一般
に知られている。足1及び5の合計の質量は足3の質量
と同じなので、基部9の底面に接続した支持部11を支
持する5脚音叉10の駆動振動は、3脚音叉の面外振動
の場合と類似して、支持部11への振動の漏れが最も少
ないことが確認されている。
【0036】駆動振動において、足2及び4が静止して
いる理由は、足1,3及び5のみで自己完結的な振動を
実現できるからである。5脚音叉10の面外振動として
は、駆動振動の周波数の近傍に他の面外振動が確認され
ている。これら駆動振動以外の面外振動の共振周波数
は、近いものでも駆動振動に対して50000PPM以
上離れており、駆動振動に影響を与えるものではない。
その中の1つに、足1,3及び5の組と足2及び4の組
が互いに相対する方向へ屈曲するものがある。この振動
モードでは、全ての足が振動しており、静止する足は存
在しない。このことは、5本の足の中で、足3のみを、
他の足の2倍の質量とした、5脚音叉10の構成が、足
2及び4を静止させるのに有効である事を示している。
【0037】次に、図8を用いて、5脚音叉10の検出
振動を説明する。5脚音叉10の面内振動の中で、足1
及び2が、互いに相対する方向へ屈曲する面内振動を行
い、これと同時に足4及び5が、互いに相対する方向へ
屈曲する面内振動を行い、この時足1及び5が同方向に
変位し、足2及び4が同方向に変位し、この間足3が静
止している振動モードがある。図8は、ある瞬間の各々
の足の変位方向を矢印で示している。この振動モードを
検出振動と呼ぶ事とする。
【0038】5脚音叉10の各々の足の配置において、
足1及び2の配置に着目すると、足1及び2は2脚音叉
に似た配置を形成しており、また足4及び5の配置に着
目すると、足4及び5は2脚音叉に似た配置を形成して
おり、検出振動は足1及び2で構成される2脚音叉と類
似の面内振動と足4及び5で構成される2脚音叉と類似
の面内振動が、逆相で同期している振動と見る事が出来
る。2脚音叉の面内振動は、基部をの下部を支持部とし
た自己完結的な振動体であるが、これに類似の検出振動
は、支持部11への振動の漏れが少ないことが確認され
ている。
【0039】検出振動において、足3が静止している理
由は、足1,2の組及び足4,5の組で自己完結的な振
動を実現できるからであるが、更に足3の巾が、他の足
の巾の2倍になっており、他の足の面内振動の共振周波
数とかけ離れていることが挙げられる。5脚音叉10の
面内振動としては、検出振動の周波数の近傍に他の面内
振動が確認されている。これら検出振動以外の面内振動
の共振周波数は、近い物も見られるが、これらは駆動振
動に起因して発生するコリオリ力に矛盾する位相で振動
する為、検出に影響を与えるものではない。一般に同質
量の多脚音叉においては、足の数が増えるにつれて、多
数の振動モードが発生して検出に問題を生じるが、5本
の足の中で、足3のみを、他の足の2倍の巾とした、5
脚音叉10の構成においては、足3が共振に参加しない
ことで、検出に問題を生じる他の振動モードを消滅させ
ている。
【0040】次に、駆動振動及び検出振動と、コリオリ
力の関係について説明する。駆動振動を行う5脚音叉1
0において、この時5脚音叉10をY’の周りに角速度
ωで回転すると、速度VZ’で運動する足1には、駆動
振動に直交する方向にコリオリ力FCが働き、速度V
Z’で運動する足5には、駆動振動に直交する方向にコ
リオリ力FCが働く。即ち、図9に示す様に、コリオリ
力FCは、面内振動方向に、駆動振動の周波数で5脚音
叉10の足1及び5に働く。駆動振動の周波数近傍に面
内振動の共振周波数を設定した場合、この近傍に足1及
び5が同方向に面内振動する振動モードは、検出振動以
外に存在しない。従って駆動振動が発生している5脚音
叉10をY’軸周りに角速度ωで回転すると、コリオリ
力により足1及び5の運動を媒介として検出振動のみが
励振されることが分かる。ただし、コリオリ力は速度に
比例する力なので、駆動振動により引き起こされる検出
振動の変位位相は、駆動振動の変位位相に対して90度
遅れることに注意しなければならない。
【0041】次に、実際の駆動検出回路を用いた、電気
的な駆動検出方法について説明する。図2には、5脚音
叉10の足の断面及び、電極1L,1M,1R,2L,
2M,2R,3L,3M,3R,4L,4M,4R,5
L,5M及び5Rの断面が示されている。
【0042】まず、足1が面外振動を行う場合を説明す
る。足1がZ’方向に屈曲すると、電極1L,1M及び
1Rを蒸着した面はY’方向に縮む。この時水晶内部の
電極近傍には圧電効果によりX方向に電界が発生する。
この電界により、電極1Lは電極1Rより高電位とな
り、電極1Mは中間電位となる。また、これとは逆に、
電極1Lと電極1Rの間に外部から電圧を印加すると、
圧電効果は可逆的なので、水晶内部にはX方向に電界が
発生するが、この電界により足1の電極の周辺は縮み、
結果として足1はZ’方向に屈曲する。従って、Z’方
向の屈曲によって電極1Lに発生する電圧を増幅し、位
相を調整して電極1Rにこの電圧を加える事により、足
1を用いて面外振動を発振させる事が出来る。この時、
電極1Mは、回路系の中間電位と水晶の中間電位を合わ
せる為のグランドとして利用する事が出来るが、必ずし
も電極1Mが必要な訳ではなく、電極1Mが無い構成の
方が同じ印加電圧で自励発振の振幅を大きく出来る。し
かし、電極1Mにより回路系と水晶の中間電位を合わせ
ることにより、発振の失敗を防止できる効果がある。
【0043】しかしながら、足1のみを用いて面外振動
を発振させた場合、その振動が駆動振動になるとは限ら
ない、先に述べた様に、5脚音叉10の面外振動は駆動
振動だけではないからである。本実施の形態において
は、駆動振動で動作する足1,3及び5を全て駆動する
ことにより、駆動振動を選択的に発振させている。即
ち、図7に示した駆動振動の足の動作方向を勘案し、足
1及び5は、紙面左側の電極1L及び5Lを参照電圧と
して、右側の電極1R及び5Rに電圧を印加し、足3に
おいては、逆に電極3Rの電圧を参照に電極3Lに電圧
を印加すればよい。本実施の形態においては、電極1
L,3R及び5Lからの電圧をアンプGに入力し、移相
回路PでアンプGの出力を移相して、電極1R,3L及
び5Rに印加する事により、確実に駆動振動を自励発振
させている。また、駆動回路は3電源系の演算増幅器で
構成するので、電極1M,3M及び5Mは演算増幅器の
電圧基準値を与えるグランドに接続している。
【0044】この状態で5脚音叉10全体をZ’軸の回
りに角速度ωで回転させると、5脚音叉10の足1及び
5の運動を介して、5脚音叉10には、既に述べた様に
検出振動が発生し、回転のない場合には静止していた足
2及び4には、面内振動が発生する。まず、足2が面内
振動する場合を説明する。足2がX方向に屈曲すると、
電極2L近傍がY’方向に伸び、電極2R近傍がY’方
向に縮む。この時圧電効果により、X方向に見て、足2
の中央より左の領域では−X方向に電界が発生し、右の
領域ではX方向に電界が発生する。従って中央の電極2
Mに対して電極2Lは低電位になり、電極2Rも低電位
となる。これとは逆に、足2が−X方向に屈曲すると、
電極2L近傍がY’方向に縮み、電極2R近傍がY’方
向に伸びる。この時圧電効果により、X方向に見て、足
2の中央より左の領域ではX方向に電界が発生し、右の
領域では−X方向に電界が発生する。従って中央の電極
2Mに対して電極2Lは高電位になり、電極2Rも高電
位となる。即ち、検出振動は、足2の両側の電極2L及
び2Rの電位を基準とした、電極2Mの電圧として検出
できる。検出振動においては、足2及び4は同相で振動
するので、足4についても全く同様に、検出振動は、足
4の両側の電極4L及び4Rの電位を基準とした、電極
4Mの電圧として検出できる。
【0045】コリオリ力の検出信号は、電極2M,2
R,4M及び4Rをグランドに接続して基準電圧を作
り、電極2M及び4Mの電圧をバッファDに入力し、バ
ッファDを経て乗算回路Mに導き、駆動振動の発振系の
出力を、コリオリ力が90度遅れて発生するのを補正す
る目的で、アンプGの出力を、移相回路P2により90
度移相し、コンパレータCにより2値化した参照信号に
より乗算し、乗算により検波した結果は、更に積分回路
Sにより平滑化し、正確な直流出力として検出できる。
この直流出力はコリオリ力に比例し、コリオリ力は角速
度ωに比例するので、この直流出力により角速度ωを知
ることができる。
【0046】次に5脚音叉10の駆動振動と検出振動の
共振について具体的な数値を用いて説明する。5脚音叉
10は、エッチング又はワイヤソー等で製作できるが、
正確に製作すると駆動振動及び検出振動のQ値は10万
以上にもなる。共振周波数を10kHzで設計すると、
検出側のQ値は充分高いので、駆動振動と検出振動の共
振周波数を一致させる共振型で設計を行うと、コリオリ
力により発生した検出振動の時間的減衰が緩やかにな
り、角速度ωの変化に対する検出出力の時間応答性が極
めて悪くなり、実用的でない。これに対して駆動振動と
検出振動の共振周波数を離した設計では2つの共振周波
数の差に対して指数関数的に時間応答が改善されるが、
本実施の形態においては、駆動振動と検出振動の共振周
波数の差を10000PPM以上とすることにより、1
00Hz以上の応答性を得ている。
【0047】(第2の発明の実施の形態)以下、本発明
の振動ジャイロを実施するための最良の形態による実施
の形態を図面を基に説明する。図1,図3,図4,図
7,図8,図10及び図11は本発明の実施の形態であ
る振動ジャイロであり、図1は以後5脚音叉10と呼
ぶ、5脚音叉型の振動ジャイロの外観を示し、以後説明
に用いる座標を示す斜視図であり、図11は5脚音叉1
0の断面,回路ブロック及び配線模式図であり、図3は
5脚音叉型の振動ジャイロの外観を示し、座標を示し、
電極の一部を示す表面図であり、図4は5脚音叉型の振
動ジャイロの外観を示し、座標を示し、電極の一部を示
す裏面図であり、図7,図8,図10及び図11は5脚
音叉型振動体の振動モードを示す動作説明図である。
【0048】[振動ジャイロの構造説明:図1,図3,
図4及び図11]本実施の形態においては、圧電性単結
晶の中で、特に温度特性に優れた水晶を使用する。水晶
は、Si02の単結晶で、常温では4つの結晶軸を持つ
三方晶系に属する。結晶軸の1つはc軸と呼ばれ、結晶
の頂点を通る結晶軸であり、残りの3つはa軸と呼ば
れ、c軸に垂直な面内に互いに120度の角度を成す結
晶軸である。ここでは、3つのa軸のいずれかをX軸と
し、c軸をZ軸とし、X軸及びZ軸に直交する方向にY
軸をとる。
【0049】図1に示すように、本実施の形態で使用す
る座標系は、上記X,Y,Z軸から、X軸の回りに、Z
軸からY軸の方向にθ度回転させた座標軸Y’軸,Z’
軸及びX軸を用いる。このとき回転角θは0〜10度と
する。ここに示した回転角は、温度特性及び振動の安定
度を指標に最適なものが選択される。5脚音叉10は、
一定の厚みを持つ2次元形状であるが、この厚み方向を
Z’軸方向にして切り出す。こうして切り出された5脚
音叉10の5脚音叉形状は、X−Y’面内に2次元形状
で表現される。ここで以下の説明において、Z’軸方向
を表裏方向とする。
【0050】図1は、5脚音叉10を斜めから見た図で
あるが、電極は省略してある。図1に示すように、5脚
音叉10は足1〜5,基部9及び支持部11から構成さ
れる。足1,2,4及び5は弾性と圧電性を持つ水晶か
らなり、形状は、Y’方向の長さL,X方向の巾W,
Z’方向の厚さがtの、各々同一の寸法を持つ四角柱で
あり、側面に施された金属蒸着膜からなる電極を有して
いる。足3は弾性と圧電性を持つ水晶からなり、形状
は、Y’方向の長さL,X方向の巾2W,Z’方向の厚
さがtの四角柱であり、側面に施された金属蒸着膜から
なる電極を有している。基部9は弾性を持つ水晶からな
り、形状は、Y’方向の長さD,X方向の巾6W+4
U,Z’方向の厚さがtの四角柱である。支持部11
は、弾性を持つ水晶からなり、形状は、Z’方向の厚さ
がtの四角柱である。足1〜5は、X方向に足1,足
2、足3,足4,足5の順に平行に、隙間Uを開けて配
置され、各々の足は、基部9のY’方向に垂直な1つの
面に接合している。支持部11は、基部9の足1〜5の
接合した面と平行な、もう1つの面に接合している。上
記すべての部分は同じ厚さで、同一平面内にあり、一体
構造である。
【0051】図3及び図4には、電極の一例として5脚
音叉10に金属蒸着膜から成る電極を形成した様子を示
した。ただし、電極の説明に関係のない、支持部11は
省略してある。図3は5脚音叉10をZ’方向から見た
様子を示している。図4は5脚音叉10を−Z’方向か
ら見た様子を示している。以後、図3に示す面を表面,
図4に示す面を裏面と呼ぶ。電極の形状は、予め形状を
エッチングで作成したマスクを作成しておき、これを5
脚音叉10の電極を生成する面に密着させて真空蒸着を
施すことにより形成する。足1及び5の表面に、駆動電
極1L,1M,1R,5L,5M及び5Rを蒸着し、足
2及び4の裏面に、駆動電極2L,2M,2R,4L,
4M及び4Rを蒸着し、足3の表面に、検出電極3L,
3M,及び3Rを蒸着する。全ての電極は長方形であ
り、X方向に並んでいる。基部9の表面には回路と接続
する為の端子T1L,T1M,T1R,T3L,T3
M,T3R,T5L,T5M及びT5Rと、各々の足の
電極と端子を結ぶ導線を蒸着し、裏面には端子T2L,
T2M,T2R,T4L,T4M及びT4Rと、各々の
足の電極と端子を結ぶ導線を蒸着する。
【0052】図11には、図3及び図4に示したのと同
じ足1〜5、及び駆動電極1L,1M,1R,2L,2
M,2R,4L,4M,4R,5L,5M及び5R、及
び検出電極3L,3M,及び3Rの、Y’軸方向に垂直
な断面を示し、各電極の接続関係及び駆動検出回路を示
す。駆動回路は、駆動電極1M,2L,2R,4L,4
R及び5Mからの信号をアンプG及び移相回路Pを用い
て駆動電極1L,1R,2M,4M,5L及び5Rに返
す自励発振回路で構成され、検出回路は、検出電極3L
及び3Rからの信号を検出する差動バッファD2、アン
プGの出力の位相を変化させる移相回路P2、位相検出
回路の信号を2値化するコンパレータC、差動バッファ
D2の出力を移相回路P2の出力と乗算する乗算回路
M、及び乗算結果を積分して直流化する積分回路Sで構
成される。3電源系の回路で構成する場合は、駆動検出
回路に直接接続されない電極3Mはグランドに接地す
る。
【0053】[振動ジャイロの動作・作用説明:図7,
図8,図10,図11]以下、図7を用いて5脚音叉型
振動体の検出振動を説明し、図8においては5脚音叉型
振動体の駆動振動を説明し、図10においては、5脚音
叉型振動体の駆動振動から発生するコリオリ力を説明
し、最後に図11を用いて、電気的に5脚音叉10を駆
動し、5脚音叉10の回転の結果である電圧出力から角
速度を知る方法を説明する。
【0054】最初に、本実施の形態において使用する5
脚音叉10を切り出す座標系が、水晶の結晶軸から傾い
ている事について説明する。本実施の形態において使用
する水晶は異方性単結晶であり、方向により弾性率の温
度依存性が異なる。厚み方向をZ軸方向とせず、X軸の
回りに、Z軸からY軸の方向にθ度回転させた座標軸
Y’軸,Z’軸及びX軸を用い、厚み方向をZ’軸方向
としたのは、回転角θにより駆動検出振動の共振周波数
の温度特性が変化するので、回転角θを温度特性を勘案
して決定する為である。この回転角θは、振動ジャイロ
を使用する温度条件を勘案し、0〜10度から選択す
る。
【0055】さて、振動ジャイロにおける理想は、振動
体内で自己完結的な振動モードのみを利用し、この振動
モードにおける振動の節を支持する事により、外部環境
に依存しない安定した振動ジャイロを得る事である。し
かしながら、直交する2方向が、共にこのような条件を
満足する振動体は、極めて希である。ところで、2脚音
叉は2本の足が決定する平面内で、2本の足が相反する
方向へバランスを取りながら1次屈曲振動する、いわゆ
る面内振動において、最も優れた振動体として発振器等
に利用されいる。また、3脚音叉は3本の足が決定する
平面に垂直な方向へ、両側の2本の足と中央の足が相反
する方向へ1次屈曲振動する、いわゆる面外振動におい
て、2脚音叉の面内振動に匹敵する優れた振動体として
利用されてきた。本実施の形態においては2脚音叉の面
内振動に匹敵する優れた振動と、3脚音叉の面外振動に
匹敵する優れた振動を、振動ジャイロの駆動と検出の振
動に用いる。
【0056】また、振動ジャイロにおいては、駆動振動
が発生している間に、検出部がコリオリ力に無関係な出
力を発生しないことが、高いS/Nと厄介な無回転時の
出力のドリフトを抑える点で有効である。理論的には、
無回転時に出力が無ければ、ドリフトは存在しないから
である。従って、振動体としては、駆動振動発生時に、
回転のない時は、駆動振動と無関係に静止しており、回
転による検出振動の発生時は、検出振動の振動体の一部
として大きく振動するような構造が望ましい。本実施の
形態においては、5本の足を持つ多脚音叉を振動体とし
て用い、並んだ5本の足の中で、中央の足3の巾を、他
の足の巾の2倍にする事で、上述の望ましい事項を全て
満足する振動体を提供する。
【0057】本実施の形態で使用する5脚音叉型振動体
は、複数の固有振動モードを持つ。これらの中で5脚音
叉形状の、厚み方向に直交する平面内、即ちX−Y’平
面内で完結する、5本の足のX方向への1次屈曲振動
を、5脚音叉10の面内振動と呼ぶこととする。また、
5脚音叉形状の、厚み方向、即ち5本の足のZ’方向へ
の1次屈曲振動を、5脚音叉10の面外振動と呼ぶこと
とする。
【0058】図7を用いて、5脚音叉10の検出振動を
説明する。5脚音叉10の面外振動の中で、足1及び5
の組と足3が、互いに相対する方向へ屈曲する面外振動
を行い、この間、足2及び4が静止している振動モード
がある。図7は、ある瞬間の各々の足の変位方向を矢印
で示している。この振動モードを検出振動と呼ぶ事とす
る。
【0059】5脚音叉10の各々の足の配置から、足2
及び4を除くと、足1,3及び5は3脚音叉と似た配置
を形成しており、検出振動は足1,3及び5で構成され
る3脚音叉の面外振動と類似の振動と見る事が出来る。
3脚音叉の面外振動は、平行に並んだ3本の足の、両側
の足と中央の足が、相対する方向へ全体の運動量を保存
しながら振動する事により、基部の下部を支持部とした
自己完結的な振動体となるが、異方性単結晶において
は、両側の足の質量の合計と、中央の足の質量が同等の
場合に、支持部への振動の漏れが最も少ないことが一般
に知られている。足1及び5の合計の質量は足3の質量
と同じなので、基部9の底面に接続した支持部11を支
持する5脚音叉10の検出振動は、3脚音叉の面外振動
の場合と類似して、支持部11への振動の漏れが最も少
ないことが確認されている。
【0060】検出振動において、足2及び4が静止して
いる理由は、足1,3及び5のみで自己完結的な振動を
実現できるからである。5脚音叉10の面外振動として
は、検出振動の周波数の近傍に他の面外振動が確認され
ている。これら検出振動以外の面外振動の共振周波数
は、最も近いものが、検出振動に対して50000PP
M高い周波数であり、更に10000PPM高い周波数
にもう1つ存在する。しかし、駆動周波数を検出振動よ
り低く設定すれば、これらは検出振動に影響を与えるも
のではない。
【0061】次に、図8を用いて、5脚音叉10の駆動
振動を説明する。5脚音叉10の面内振動の中で、足1
及び2が、互いに相対する方向へ屈曲する面内振動を行
い、これと同時に足4及び5が、互いに相対する方向へ
屈曲する面内振動を行い、この時足1及び5が同方向に
変位し、足2及び4が同方向に変位し、この間、足3が
静止している振動モードがある。図8は、ある瞬間の各
々の足の変位方向を矢印で示している。この振動モード
を駆動振動と呼ぶ事とする。
【0062】5脚音叉10の各々の足の配置において、
足1及び2の配置に着目すると、足1及び2は2脚音叉
に似た配置を形成しており、また足4及び5の配置に着
目すると、足4及び5は2脚音叉に似た配置を形成して
おり、駆動振動は足1及び2で構成される2脚音叉と類
似の面内振動と足4及び5で構成される2脚音叉と類似
の面内振動が、逆相で同期している振動と見る事が出来
る。2脚音叉の面内振動は、基部の下部を支持部とした
自己完結的な振動体であるが、これに類似の駆動振動
は、支持部11への振動の漏れが少ないことが確認され
ている。
【0063】駆動振動において、足3が静止している理
由は、足1,2の組及び足4,5の組で自己完結的な振
動を実現できるからであるが、更に足3の巾が、他の足
の巾の2倍になっており、他の足の面内振動の共振周波
数とかけ離れていることが挙げられる。5脚音叉10の
面内振動としては、駆動振動の周波数の近傍に他の面内
振動が確認されている。これら駆動振動以外の面内振動
の共振周波数は、近い物も見られるが、これらは各々の
足が駆動振動に矛盾する位相で振動する為、駆動に影響
を与えるものではない。一般に同質量の多脚音叉におい
ては、足の数が増えるにつれて、多数の振動モードが発
生して検出に問題を生じるが、5本の足の中で、足3の
みを、他の足の2倍の巾とした、5脚音叉10の構成に
おいては、足3が共振に参加しないことで、駆動に問題
を生じる他の振動モードを消滅させている。
【0064】次に、駆動振動及び検出振動と、コリオリ
力の関係について説明する。駆動振動を行う5脚音叉1
0において、この時5脚音叉10をY’の周りに角速度
ωで回転すると、速度VXで運動する足1には、駆動振
動に直交する方向にコリオリ力FCが働き、速度VXで
運動する足5には、駆動振動に直交する方向にコリオリ
力FCが働く。また、速度−VXで運動する足2には、
駆動振動に直交する方向にコリオリ力−FCが働き、速
度−VXで運動する足4には、駆動振動に直交する方向
にコリオリ力−FCが働く。即ち、図10に示す様に、
コリオリ力FC及び−FCは、面外振動方向に、駆動振
動の周波数で5脚音叉10の足1,2,4及び5に働
く。駆動振動の周波数近傍に検出振動の共振周波数を設
定した場合、この近傍に足1及び5が同方向に面外振動
する振動モードは、検出振動以外に存在しない。従って
駆動振動が発生している5脚音叉10をY’軸周りに角
速度ωで回転すると、コリオリ力により足1,2,4及
び5の運動を媒介として検出振動のみが励振されること
が分かる。ただし、コリオリ力は速度に比例する力なの
で、駆動振動により引き起こされる検出振動の変位位相
は、駆動振動の変位位相に対して90度遅れることに注
意しなければならない。
【0065】次に、実際の駆動検出回路を用いた、電気
的な駆動検出方法について説明する。図11には、5脚
音叉10の足の断面及び、電極1L,1M,1R,2
L,2M,2R,3L,3M,3R,4L,4M,4
R,5L,5M及び5Rの断面が示されている。
【0066】まず、足1が面内振動を行う場合を説明す
る。足1がX方向に屈曲すると、電極1L近傍はY’方
向に伸び、電極1R近傍はY’方向に縮む。この時水晶
内部の電極1L近傍には圧電効果により−X方向に電界
が発生し、電極1R近傍には圧電効果によりX方向に電
界が発生する。これらの電界により、電極1Mは電極1
L及び1Rより高電位となる。またこれとは逆に、電極
1Lと電極1Mの間に外部から電圧を印加し、電極1M
と電極1Rの間に外部から逆電圧を印加すると、圧電効
果は可逆的なので、水晶内部には電極1L近傍に−X方
向に電界が発生し、電極1R近傍にX方向に電界が発生
するが、この電界により足1の電極1Lの近傍は伸び、
電極1Rの近傍は縮み、結果として足1はX方向に屈曲
する。従って、X方向の屈曲によって電極1Mに発生す
る電圧を増幅し、位相を調整して電極1L及び1Rにこ
の電圧を加える事により、足1を用いて面内振動を発振
させる事が出来る。
【0067】しかしながら、足1のみを用いて面内振動
を発振させた場合、その振動が駆動振動になるとは限ら
ない、先に述べた様に、5脚音叉10の面内振動は駆動
振動だけではないからである。本実施の形態において
は、駆動振動で動作する足1,2,4及び5を全て駆動
することにより、駆動振動を選択的に発振させている。
即ち、図8に示した駆動振動の足の動作方向を勘案し、
足1及び5は、中央の電極1M及び5Mを参照電圧とし
て、両側の電極1L,1R,5L及び5Rに電圧を印加
し、足2及び4においては、逆に両側の電極2L,2
R,4L及び4Rの電圧を参照に中央の電極2M及び4
Mに電圧を印加すればよい。本実施の形態においては、
電極1M,2L,2R,4L,4R及び5Mからの電圧
をアンプGに入力し、移相回路PでアンプGの出力を移
相して、電極1L,1R,2M,4M,5L及び5Rに
印加する事により、確実に駆動振動を自励発振させてい
る。
【0068】この状態で5脚音叉10全体をZ’軸の回
りに角速度ωで回転させると、5脚音叉10の足1,
2,4及び5の運動を介して、5脚音叉10には、既に
述べた様に検出振動が発生し、回転のない場合には静止
していた足3には、面外振動が発生する。足3が面外振
動する場合を説明する。足3がZ’方向に屈曲すると、
電極が存在する面近傍がY’方向に縮む。この時圧電効
果により、Z’方向に見て、足3の電極が存在する領域
ではX方向に電界が発生する。従って電極3Lに対して
電極3Rは低電位になり、電極3Mは中間電位となる。
これとは逆に、足3が−Z’方向に屈曲すると、電極の
存在する領域がY’方向に伸びる。この時圧電効果によ
り、電極の存在する領域では−X方向に電界が発生す
る。従って電極3Lに対して電極3Rは高電位になり、
電極3Mは中間電位となる。即ち、検出振動は、足3の
中央の電極3Mの電位を基準とした、電極3Lと電極3
Rに生じる互いに逆方向の電圧として検出できる。勿
論、電極3Mを使用せずに、直接に電極3Lと3R間の
電圧を測定しても良い。
【0069】コリオリ力の検出信号は、電極3Mをグラ
ンドに接続して基準電圧を作り、電極3L及び3Rの電
圧を差動バッファD2に入力し、差動バッファD2を経
て乗算回路Mに導き、駆動振動の発振系の出力を、コリ
オリ力が90度遅れて発生するのを補正する目的で、ア
ンプGの出力を、移相回路P2により90度移相し、コ
ンパレータCにより2値化した参照信号により乗算し、
乗算により検波した結果は、更に積分回路Sにより平滑
化し、正確な直流出力として検出できる。この直流出力
はコリオリ力に比例し、コリオリ力は角速度ωに比例す
るので、この直流出力により角速度ωを知ることができ
る。ここで、検出に差動検出を用いたのは、回路の対称
性を向上し、回路系のドリフトを低減する為である。
【0070】次に5脚音叉10の駆動振動と検出振動の
共振について具体的な数値を用いて説明する。5脚音叉
10は、エッチング又はワイヤソー等で製作できるが、
正確に製作すると駆動振動及び検出振動のQ値は10万
以上にもなる。共振周波数を10kHzで設計すると、
検出側のQ値は充分高いので、駆動振動と検出振動の共
振周波数を一致させる共振型で設計を行うと、コリオリ
力により発生した検出振動の時間的減衰が緩やかにな
り、角速度ωの変化に対する検出出力の時間応答性が極
めて悪くなり、実用的でない。これに対して駆動振動と
検出振動の共振周波数を離した設計では2つの共振周波
数の差に対して指数関数的に時間応答が改善されるが、
本実施の形態においては、駆動振動と検出振動の共振周
波数の差を10000PPM以上とすることにより、1
00Hz以上の応答性を得ている。
【0071】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よる振動ジャイロは、Q値の高い圧電性単結晶を用い、
5脚音叉型の構成を採り、殆ど振動漏れのない支持部を
支持する事により、極めてQ値が高く雑音の少ない駆動
振動及び検出振動を用い、駆動振動によっては振動しな
い検出部を用いることにより、高いS/Nと低ドリフト
を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である5脚音叉型の振動ジ
ャイロの外観を示し、以後説明に用いる座標を示す斜視
図である。
【図2】本発明の実施の形態である5脚音叉の断面を示
し,回路ブロック及び配線を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態である5脚音叉型の振動ジ
ャイロの外観を示し、以後説明に用いる座標を示し、電
極の一部を示す表面図である。
【図4】本発明の実施の形態である5脚音叉型の振動ジ
ャイロの外観を示し、以後説明に用いる座標を示し、電
極の一部を示す裏面図である。
【図5】従来の音叉型の水晶ジャイロの外観を示し、座
標を示し、電極の一部を示し、異方性結晶の回転方向を
示す斜視図である。
【図6】従来の音叉型水晶ジャイロの、足の断面及び駆
動検出回路の配線模式図である。
【図7】本発明の実施の形態である5脚音叉型振動体の
駆動振動を示す動作説明図である。
【図8】本発明の実施の形態である5脚音叉型振動体の
検出振動を示す動作説明図である。
【図9】本発明の実施の形態である5脚音叉型振動体の
駆動検出振動を示す動作説明図である。
【図10】本発明の実施の形態である5脚音叉型振動体
の駆動検出振動を示す動作説明図である。
【図11】本発明の実施の形態である5脚音叉の断面を
示し,回路ブロック及び配線を示す模式図である。
【符号の説明】
1L,1M,1R 電極 2L,2M,2R 電極 3L,3M,3R 電極 4L,4M,4R 電極 5L,5M,5R 電極 T1L,T1M,T1R 端子 T2L,T2M,T2R 端子 T3L,T3M,T3R 端子 T4L,T4M,T4R 端子 T5L,T5M,T5R 端子 1〜5 足 9 基部 10 5脚音叉型の振動ジャイロ 11 支持部 C コンパレータ D バッファ D2 差動バッファ G アンプ M 乗算回路 P ,P2 移相回路 S 積分回路 FC,−FC コリオリ力 VX,−VX 速度 VZ’,−VZ’ 速度 J1〜J8 電極 J10 音叉型振動体 J11 第1の足 J12 第2の足 J15 基部 JC コンパレータ JD 差動バッファ JG アンプ JM 乗算回路 JP ,JP2 移相回路 JS 積分回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振手段及び角速度検出手段を有する振
    動子と、振動子を支持する支持部とを備えた振動ジャイ
    ロにおいて、振動子は5本の足と基部から構成され、5
    本の足と基部は略一定の厚さの平面構造を為し、5本の
    足は互いに平行に配置し、5本の足は各々基部に一方向
    から伸びた端部が接続し、基部は支持部に接続したこと
    を特徴とする振動ジャイロ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の振動ジャイロであっ
    て、足は形状が四角柱であり、基部は形状が四角柱であ
    り、支持部は形状が四角柱であることを特徴とする振動
    ジャイロ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の振動ジャイロであっ
    て、5本の足の一部又は全部を、発振手段を用いて、前
    記平面に垂直に面外屈曲振動させ、振動子の回転による
    コリオリ力により、面外屈曲振動が振動子に引き起こ
    す、前記平面に平行な面内屈曲振動を、角速度検出手段
    により検出することを特徴とする振動ジャイロ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の振動ジャイロであっ
    て、5本の足の一部又は全部を、発振手段を用いて、前
    記平面内で面内屈曲振動させ、振動子の回転によるコリ
    オリ力により、面内屈曲振動が振動子に引き起こす、前
    記平面に垂直な面外屈曲振動を、角速度検出手段により
    検出することを特徴とする振動ジャイロ。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の振動ジャイロであっ
    て、5本の足は同じ長さであり、5本の足は等間隔に配
    置され、中央に配置された足以外の4本は同じ巾を持
    ち、中央に配置された足は他の足の略2倍の巾を有する
    ことを特徴とする振動ジャイロ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の振動ジャイロであっ
    て、5本の足の中から、両端に配置された2本の足及び
    中央に配置された足を、発振手段を用いて、前記平面に
    垂直に面外屈曲振動させ、残りの2本の足を静止させて
    おき、振動子の回転によるコリオリ力により、面外屈曲
    振動が、静止した2本の足に引き起こす、前記平面に平
    行な面内屈曲振動を、角速度検出手段により検出するこ
    とを特徴とする振動ジャイロ。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の振動ジャイロであっ
    て、5本の足の中から、中央に配置された足以外の4本
    の足を、発振手段を用いて、前記平面内で面内屈曲振動
    させ、中央の足を静止させておき、振動子の回転による
    コリオリ力により、面内屈曲振動が、静止した中央の足
    に引き起こす、前記平面に垂直な面外屈曲振動を、角速
    度検出手段により検出することを特徴とする振動ジャイ
    ロ。
  8. 【請求項8】 発振手段及び角速度検出手段を有する振
    動子と、振動子を支持する支持部とを備えた振動ジャイ
    ロにおいて、振動子は5本の足と基部から構成され、5
    本の足と基部は略一定の厚さの平面構造を為し、5本の
    足は互いに平行に配置し、5本の足は各々基部に一方向
    から伸びた端部が接続し、基部は支持部に接続し、足は
    形状が四角柱であり、基部は形状が四角柱であり、発振
    用手段は振動子の前記平面に平行な表面に配置され、角
    速度検出用手段は振動子の前記平面に平行な裏面に配置
    される事を特徴とする振動ジャイロ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の振動ジャイロであっ
    て、振動子が圧電性単結晶により一体に形成され、前記
    駆動手段は駆動電極であり、前記角速度検出手段は角速
    度検出電極であることを特徴とする振動ジャイロ。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の振動ジャイロであっ
    て、加振及び検出の共振周波数の差を10000PPM
    以上としたことを特徴とする振動ジャイロ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013190304A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Seiko Epson Corp ジャイロセンサーおよび電子機器
JP2015219204A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 京セラクリスタルデバイス株式会社 角速度センサ及びセンサ素子
US9222776B2 (en) 2012-03-13 2015-12-29 Seiko Epson Corporation Gyro sensor and electronic apparatus

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