JP2001236877A - 光検出装置 - Google Patents

光検出装置

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JP2001236877A
JP2001236877A JP2000048216A JP2000048216A JP2001236877A JP 2001236877 A JP2001236877 A JP 2001236877A JP 2000048216 A JP2000048216 A JP 2000048216A JP 2000048216 A JP2000048216 A JP 2000048216A JP 2001236877 A JP2001236877 A JP 2001236877A
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light
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JP2000048216A
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Makoto Ishida
誠 石田
Kazuaki Sawada
和明 澤田
Yoshitaka Moriyasu
嘉貴 森安
Nagaaki Tei
永哲 鄭
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電界放射型電子源とフォトダイオードとが組み
合わされた構造の光検出装置において、光強度の2次元
分布を正確に検出できるようにする。 【解決手段】サファイア基板1上に電界放射型電子源2
を形成する。電界放射型電子源2を、p型結晶シリコン
層からなる基底部3と、先端部のみがn型結晶シリコン
からなるコーン状の突起4と、基底部3と突起4との間
のi層(p- 結晶シリコン層)5とで構成する。突起4
の周囲にはゲート電極6が形成され、突起4の先端とゲ
ート電極6との間に所定の隙間が開けてある。この光検
出装置は、サファイア基板1側から入射された光の強度
を、突起4から放出される電子量に変換して検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体pn接合に
よる光電変換を利用した光検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトダイオードは、半導体pn接合に
よる光電変換を利用した光検出装置として代表的な素子
であり、pn接合による光吸収で生じた電荷を電流とし
て取り出している。フォトダイオードを画素として2次
元に並べたCCDカメラは、各画素に当たった光の明る
さに応じて生じた電子を、電荷転送部で一行毎に処理す
ることにより、時系列的に2次元の光情報を画像化する
ものである。2次元の光強度分布を直接検出できる光検
出装置については、現時点で未だ実用化されているもの
はない。
【0003】「IEEE Trans.Electro
n Devices Vol45,p321,199
8」には、n型単結晶シリコンからなる電界放射型電子
源(冷陰極)とアモルファスシリコンpinフォトダイ
オードとが結合された構造の光検出装置が記載されてい
る。この光検出装置では、n型単結晶シリコン層の表面
をエッチングしてコーン状の突起を形成した後、このn
型単結晶シリコン層の裏面に、アモルファスシリコンか
らなるi層(ドーピングされていない層)と水素ドーピ
ングによるp型アモルファスシリコンカーバイド層(p
型a−SiC層)を形成している。また、この光検出装
置では、p型a−SiC層に電極が設けてあり、電界放
射型電子源の表面側(突起が設けてある側)に、所定の
距離を開けて陽極が対向配置されている。この陽極に所
定の電圧をかけ、p型a−SiC層の電極をアースに接
続している。
【0004】したがって、この光検出装置では、n型単
結晶シリコン層の裏面側、すなわちp型アモルファスシ
リコンカーバイド層から光を入射すると、アモルファス
シリコンpinフォトダイオード内での光吸収により生
成した電子−正孔対のうち、電子がドリフトによりn型
単結晶シリコン層に流れ込み、この電子が突起から陽極
向けて放出される。これにより、入射光の強度に比例し
た量の電子線強度が得られることが確認されている。
【0005】また、この光検出装置によれば、突起を2
次元に配列して各突起からの電子線強度を同時に検出す
ることにより、2次元の光強度分布を直接検出すること
が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記文
献に記載の光検出装置では、n型単結晶シリコン層に流
れ込んだ電子の一部が横方向に拡散して突起に到達しな
いことが予想され、光強度の2次元分布が正確に検出で
きないという問題点がある。本発明は、このような従来
技術の問題点に着目してなされたものであり、2次元の
光強度分布が直接検出可能な、電界放射型電子源とフォ
トダイオードとが組み合わされた構造の光検出装置にお
いて、2次元の光強度分布を正確に検出できるようにす
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、p型半導体からなる基底部とn型半導体
からなる突起とを有する電界放射型電子源が、単結晶酸
化物からなる光透過性基板上に形成され、この光透過性
基板側から入射された光の強度を、電界放射型電子源内
のpn接合による光吸収で生じて前記突起から放出され
る電子量に変換して検出する光検出装置を提供する。
【0008】光透過性基板をなす単結晶酸化物として
は、サファイア(Al2 3 )、マグネシアスピネル
(MgO・Al2 3 )、酸化セリウム(CeO2 )、
チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )、(Zr
(1-x) ,Yx )Oy 、Pb(Zr,Ti)O3 、タンタ
ル酸リチウム(LiTaO3 )、ニオブ酸リチウム(L
iNbO3 )等が挙げられる。特に、サファイア基板
は、良質なシリコン単結晶を成長させることができるた
め好ましい。さらに、サファイア基板の裏面(光入射
面)が鏡面研磨処理されていることが好ましい。
【0009】本発明の光検出装置は、電界放射型電子源
は基底部と突起との間にi層を有することが好ましい。
このように、電界放射型電子源がpinフォトダイオー
ドの構成となっている場合には、p型半導体からなる基
底部の不純物濃度が1×10 18cm-3以上1×1022
-3以下であることが好ましい。また、この場合の基底
部(高濃度p型半導体層)の厚さが0.03μm以上
0.3μm以下であることが好ましい。
【0010】本発明の光検出装置は、電界放射型電子源
の突起が2次元に配置されていることにより、光強度の
2次元分布が直接検出可能となる。本発明の光検出装置
において、電界放射型電子源は結晶シリコン層からな
り、この結晶シリコン層の突起部での厚さが0.2μm
以上10μm以下であることが好ましい。この結晶シリ
コン層の厚さ(突起の先端から基底部の基板との境界面
までの距離)が0.2μm未満であると、入射された光
のほとんどが吸収されないため、pn接合による光電変
換がほとんど生じない。したがって、突起の先端からの
電子の放出がほとんど得られない。
【0011】この結晶シリコン層の厚さが10μmを超
えると、光吸収によって発生した電子のうち、ドリフト
によってゲート電極に引き寄せられる電子よりも拡散に
よって横方向に広がる電子の方が多くなる。そのため、
特に、突起を2次元に配列して光強度の2次元分布を検
出する場合に正確な検出ができない。また、結晶シリコ
ン層を10μmを超えた厚さで形成することには、コス
ト的な問題もある。
【0012】また、この結晶シリコン層は、光透過性基
板側の厚さ0.2μmの範囲での結晶欠陥密度が1×1
7 個/cm2 以下であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。 [第1実施形態]図1は、本発明の光検出装置の実施形
態を示す構成図である。この光検出装置は、サファイア
基板(光透過性基板)1と、このサファイア基板1の上
に形成された電界放射型電子源2とで構成されている。
【0014】電界放射型電子源2は、p型結晶シリコン
層からなる基底部3と、先端部のみがn型結晶シリコン
からなるコーン状の突起4と、基底部3と突起4との間
のi層(p- 結晶シリコン層)5とで構成されている。
すなわち、基底部3と突起4とi層5とによりpinフ
ォトダイオードが形成されている。基底部3は、サファ
イア基板1側の直上に設けられている。コーン状の突起
4は、電界放射型電子源2の表面に複数個配置されてい
る。
【0015】突起4の周囲にはゲート電極6が形成され
ており、突起4の先端とゲート電極6との間には所定の
隙間が開けてある。突起4の先端以外の部分とゲート電
極6との間には酸化膜7aが設けてある。ゲート電極6
の表面には酸化膜7bが設けてある。ゲート電極6には
端子8が接続されている。i層5の突起4のない位置
に、基底部3のオーミック電極9が形成されている。こ
のオーミック電極9に端子10が接続されている。そし
て、ゲート電極6の端子8に直流電圧源D1が接続さ
れ、オーミック電極9の端子10は接地されている。
【0016】また、電界放射型電子源2の表面側(突起
4が設けてある側)に、所定の距離を開けて陽極11が
対向配置されている。この陽極11は直流電圧源D2に
接続されている。この陽極11と直流電圧源D2との間
に、電流計12が接続されている。また、この光検出装
置と陽極11は、真空チャンバ内に配置される。この光
検出装置は、直流電圧源D1からゲート電極6に所定の
電圧を印加し、直流電圧源D2から陽極11に所定の電
位を印加した状態で使用される。この状態で、サファイ
ア基板1の裏面から光を入射すると、電界放射型電子源
2内のpn接合による光吸収で生じた電子が、ゲート電
極6に引きつけられて突起4から真空中に飛び出して陽
極11に向かう。このようにして突起4から陽極11に
向けて放出された電子線の強度が、陽極11に付与され
た電流として電流計12により検出される。
【0017】したがって、この光検出装置によれば、入
射された光の強度が、突起4から放出される電子量に変
換して検出される。また、サファイア基板1の表面に電
界放射型電子源2を形成して、サファイア基板1の裏面
から光を入射しているため、ゲート電極6や端子8,9
をITO(In2 (3-x) :Sn)等の透明材料で形成
しなくても、入射光の受光効率を高くすることができ
る。
【0018】この光検出装置は、例えば以下の方法で製
造することができる。この製造方法について、図2およ
び3を用いて説明する。先ず、結晶の(012)面が露
出したサファイア基板上に、減圧化学気相成長法(LP
−CVD法)により500nmのシリコン薄膜を形成す
る。次に、熱酸化を行って、このシリコン薄膜の上に厚
さ50nmの保護酸化膜を形成した後、打ち込みエネル
ギー140keVで打ち込み量が4×1015ions/
cm2 となるように、ホウ素(B)をイオン注入する。
このようにして、サファイア基板上のシリコン薄膜にp
型ドーパントを高濃度でドーピングすることにより、図
2(a)に示すように、サファイア基板1上にp型結晶
シリコン層からなる基底部3を形成する。
【0019】次に、シリコン薄膜(基底部3)上の保護
酸化膜を、希フッ酸(フッ化水素の水溶液)を用いたエ
ッチングにより除去した後、このシリコン薄膜(基底部
3)の上に、さらにLP−CVD法によりシリコン結晶
を成長させることにより、シリコン薄膜50を形成す
る。この結晶成長は、p型結晶シリコン層からなる基底
部3とシリコン薄膜50との合計膜厚が5.5μmとな
るまで行う。図2(a)はこの状態を示す。
【0020】次に、このシリコン薄膜50の上に熱酸化
により酸化膜を形成した後、この酸化膜の上にレジスト
膜を形成する。このレジスト膜に、コーン状突起形成用
のパターンを電子線描画装置を用いて直接描画する。次
に、このレジストパターンをマスクとし、CHF3 をエ
ッチングガスとして用いて反応性イオンエッチングを行
い、酸化膜をエッチングする。これにより、シリコン薄
膜50上の酸化膜に突起形成用のマスクパターンを転写
する。
【0021】次に、レジストを除去した後、SF6 をエ
ッチングガスとした反応性イオンエッチング法で、酸化
膜からなるマスクパターンを介して、シリコン薄膜50
の表面をエッチングすることにより、コーン状の突起4
を形成する。図2(b)はこの状態を示す。なお、p型
結晶シリコン層からなる基底部3の上に形成されたシリ
コン薄膜50は、不純物のドーピングがなされていない
が、基底部3がp型結晶シリコン層であることから、p
- 結晶シリコン層(i層)5になっている。また、上述
のパターニングにより、このi層5の表面側部分にコー
ン状の突起4が形成される。
【0022】次に、突起4が形成されたシリコン薄膜5
0の表面に、図2(c)に示すように、約300nmの
厚さの酸化膜(下側酸化膜)7aを形成する。この下側
酸化膜7aは、酸化炉内の酸素雰囲気中でシリコン薄膜
50の表面を加熱することにより形成する。次に、この
下側酸化膜7aの上に、LP−CVD法により約300
nmのポリシリコン膜60を形成する。ここで、このポ
リシリコン膜60をゲート電極とするため、このポリシ
リコン膜60にリン(P)をイオン注入することにより
抵抗を低くする。
【0023】次に、このポリシリコン膜60に対して、
コンタクトホール60aと各突起4毎にゲート電極6を
分離するパターン62bを形成した後、図2(d)に示
すように、ポリシリコン膜60の上にレジスト膜15を
形成する。その後、このレジスト膜15には、ポリシリ
コン膜60のコンタクトホール60aの位置に、開口部
15aを設ける。この状態でホウ素(B)をイオン注入
することにより、レジスト膜15の開口部15aから下
側酸化膜7aを介して、i層5の所定位置にホウ素
(B)が打ち込まれる。これにより、基底部3のオーミ
ック電極9として、p型シリコン層が形成される。
【0024】次に、レジスト膜15を除去した後、図3
(a)に示すように、ポリシリコン膜60および下側酸
化膜7aの上に、約200nmの厚さの酸化膜(上側酸
化膜)7bを形成する。この上側酸化膜7bは、酸化炉
内で、ポリシリコン膜60を水蒸気中で加熱することに
より形成する。次に、突起4の先端に形成された上側酸
化膜7bが隠れる厚さで、上側酸化膜7b上に保護用の
レジスト膜16を形成した後、図3(b)に示すよう
に、突起4の先端に形成された上側酸化膜7bが露出す
るまで、アッシング装置でレジスト膜16をエッチバッ
クする。次に、突起4の先端部にある上側酸化膜7b
を、バッファードフッ酸(BHF)を用いたウエットエ
ッチングで除去する。その後、突起4の先端部にあるポ
リシリコン膜60を、SF6 をエッチングガスとして用
いた反応性イオンエッチングで除去する。
【0025】これにより、突起4の先端部が、下側酸化
膜7aが付着した状態で露出するとともに、突起4の周
囲にゲート電極6が形成される。図3(b)はこの状態
を示す。次に、図3(c)に示すように、突起4の先端
部に、打ち込みエネルギー60keVで打ち込み量が4
×1015ions/cm2 となるようにリン(P)をイ
オン注入する。このようにして、突起4の先端部に、n
型ドーパントがドーピングされる。
【0026】次に、レジスト膜16を除去した後、突起
4の先端部にある下側酸化膜7aを、BHFを用いたウ
エットエッチングで除去する。これにより、図3(d)
に示すように、突起4の先端部を露出させる。次に、オ
ーミック電極9の端子10とゲート電極6の端子8を、
通常のフォトリソグラフィ工程およびエッチング工程に
より、アルミニウムで形成する。
【0027】このようにして作製された、本発明の第1
実施形態に相当する光検出装置の光電変換特性を、以下
のようにして調べた。なお、この光検出装置の結晶シリ
コン層の突起部での厚さ(突起4の先端から基底部3の
サファイア基板1との境界面までの距離)は5.5μm
であった。先ず、図1に示すように、ゲート電極6の端
子8に直流電圧源D1を接続し、オーミック電極9の端
子10を接地した。また、電界放射型電子源2の表面側
に陽極11を配置して、この陽極11を電流計12を介
して直流電圧源D2に接続した。なお、光検出装置と陽
極11は真空チャンバ内に設置した。
【0028】次に、真空チャンバ内を所定の真空度とし
た後、直流電圧源D1の電圧を変化させることによりゲ
ート電極6の電圧を変化させながら、突起4から放出さ
れて陽極11に到達した電子線の強度(電界放射電流)
を電流計12で測定した。ここで、入射光の波長は60
0nmとし、入射光の強度は100μWとした。また、
直流電圧源D2の電圧を500Vとすることにより、陽
極11の電位(アノード電位)を500Vとした。
【0029】この測定で得られた電界放射電流とゲート
電圧との関係を、図4にグラフで示す。このグラフから
分かるように、ゲート電圧が30V未満では電界放射電
流は僅かであるが、30V以上になると電界放射電流が
急激に増加し、36〜45Vの範囲で150nA程度の
電界放射電流が得られた。このときの光子−電子一次変
換効率は80%であった。また、ゲート電圧が45Vを
超えると、ゲート酸化膜(下側酸化膜7a)の破壊が生
じて電流がリークするため、電界放射電流は0となっ
た。 [第2実施形態]図5は、本発明の光検出装置の別の実
施形態を示す構成図である。この光検出装置は、サファ
イア基板(光透過性基板)1と、このサファイア基板1
の上に形成された電界放射型電子源2とで構成されてい
る。
【0030】電界放射型電子源2は、p型結晶シリコン
層からなる基底部3と、先端部のみがn型結晶シリコン
からなるコーン状の突起4と、基底部3と突起4との間
のi層(p- 結晶シリコン層)5とで構成されている。
すなわち、基底部3と突起4とi層5とによりpinフ
ォトダイオードが形成されている。基底部3は、サファ
イア基板1側の直上に設けられている。コーン状の突起
4は、電界放射型電子源2の表面に複数個配置されてい
る。
【0031】i層5上の突起4間の位置に、突起4の周
囲を取り囲むように、酸化膜72,73を介して、ニオ
ブ膜61とアルミニウム膜62からなるゲート電極6が
形成されている。また、i層5の突起4のない位置に、
基底部3のオーミック電極9が形成されている。このオ
ーミック電極9に端子10が接続されている。この光検
出装置においても、図1の光検出装置と同様に、ゲート
電極6の端子に直流電圧源D1を接続し、オーミック電
極9の端子10を接地する。また、電界放射型電子源2
の表面側に陽極11を配置し、この陽極11を電流計1
2を介して直流電圧源D2と接続する。そして、この光
検出装置と陽極11を真空チャンバ内に配置し、直流電
圧源D1からゲート電極6に所定の電圧を印加し、直流
電圧源D2から陽極11に所定の電位を印加した状態で
使用される。
【0032】この状態で、サファイア基板1の裏面から
光を入射すると、電界放射型電子源2内のpn接合によ
る光吸収で生じた電子が、ゲート電極6に引きつけられ
て突起4から真空中に飛び出して陽極11に向かう。こ
のようにして突起4から陽極11に向けて放出された電
子線の強度が、陽極11に付与された電流として電流計
12により検出される。
【0033】したがって、この光検出装置によれば、入
射された光の強度が、突起4から放出される電子量に変
換して検出される。また、サファイア基板1の表面に電
界放射型電子源2を形成して、サファイア基板1の裏面
から光を入射しているため、ゲート電極6や端子10を
ITO(In2 (3-x) :Sn)等の透明材料で形成し
なくても、入射光の受光効率を高くすることができる。
【0034】この光検出装置は、例えば以下の方法で製
造することができる。この製造方法について、図6〜8
を用いて説明する。先ず、図6(a)に示すように、結
晶の(012)面が露出したサファイア基板1上に、モ
ノシラン(SiH4 )ガスを原料として用い、減圧化学
気相成長法(LP−CVD法)により200nmのシリ
コン薄膜31を形成する。次に、このシリコン薄膜31
に対して、基板温度を0℃に保持しながら、打ち込みエ
ネルギー190keVで打ち込み量が1×1015ion
s/cm2 となるようにシリコン(Si)をイオン注入
する。これにより、シリコン薄膜31がアモルファス化
される。
【0035】次に、窒素ガス雰囲気下、温度550℃で
1時間保持した後、温度を900℃に上げて更に1時間
加熱する加熱処理を行うことにより、アモルファス化さ
れたシリコン薄膜31を再結晶化する。次に、これを酸
化炉内に入れ、炉内の温度を1000℃にし、炉内に水
素と酸素をそれぞれ180リットル/分の速度で導入しなが
ら、30分間保持することにより水蒸気酸化を行った。
これにより、再結晶化されたシリコン薄膜31の表面に
シリコン酸化膜31aが形成される。図6(b)はこの
状態を示す。
【0036】次に、図6(c)に示すように、このシリ
コン酸化膜31aを、BHFを用いたウエットエッチン
グで除去することにより、シリコン薄膜31の表面を露
出する。このように、アモルファス化後に再結晶化され
たシリコン薄膜31は、結晶欠陥密度が小さくなる。ま
た、シリコン酸化膜31aを除去して得られたシリコン
薄膜31の表面は、結晶性の高い良好な状態となる。
【0037】次に、シリコン薄膜31に対して、ジボラ
ン(B2 6 )を原料とした熱拡散を行うことにより、
p型ドーパントを高濃度でドーピングする。これによ
り、図6(d)に示すように、サファイア基板1上にp
型結晶シリコン層からなる基底部3が形成される。次
に、モノシラン(SiH4 )ガスを原料として用い、超
高真空化学気相成長法(UHV−CVD法)により、成
長温度750℃の条件で、p型結晶シリコン層からなる
基底部3上に、シリコン薄膜50を形成する。この結晶
成長は、p型結晶シリコン層からなる基底部3とシリコ
ン薄膜50との合計膜厚が5.5μmとなるまで行う。
【0038】次に、図7(a)に示すように、このシリ
コン薄膜50の上に、熱酸化により厚さ約300nmの
酸化膜70を形成した後、この酸化膜70の上にレジス
ト膜を形成する。このレジスト膜に、コーン状突起形成
用のパターンを電子線描画装置を用いて直接描画する。
次に、このレジストパターンをマスクとし、CHF3
エッチングガスとして用いて反応性イオンエッチングを
行い、酸化膜70をエッチングすることにより、酸化膜
70に突起形成用のパターンを転写する。その後、レジ
スト膜を除去する。これにより、酸化膜70にコーン状
突起形成用のマスクパターン70aが形成される。
【0039】次に、SF6 をエッチングガスとして用い
た反応性イオンエッチング法により、マスクパターン7
0aを介して、シリコン薄膜50の表面をエッチングす
ることにより、コーン状の突起4を形成する。図7
(b)はこの状態を示す。次に、突起4の先端部の尖鋭
化とシリコン薄膜50表面の電気的絶縁を目的として、
シリコン薄膜50の表面に、熱酸化により厚さ約100
nmの酸化膜72を形成する。図7(c)はこの状態を
示す。
【0040】次に、これを反応性スパッタリング装置内
に入れ、オゾナイザーを通して一部がオゾン化された酸
素を酸素源として供給しながら、厚さ約2μmの酸化膜
73を形成する。この酸化膜73は、突起4の部分では
マスクパターン70aの上に、突起4以外の部分では酸
化膜72の上に形成される。次に、この酸化膜73の上
に、厚さ300nmのニオブ(Nb)薄膜61をスパッ
タリングにより形成する。図7(d)はこの状態を示
す。
【0041】次に、これを希フッ酸に浸漬することによ
り、突起4の上の酸化膜72と、酸化膜からなるマスク
パターン70aをエッチングして、突起4の上にある酸
化膜72とマスクパターン70aと酸化膜73とニオブ
薄膜61を除去する。なお、ニオブは耐酸化性を有する
ため、突起4間の酸化膜73上に形成されているニオブ
薄膜61は、エッチングされないで残る。
【0042】これにより、突起4が露出し、シリコン薄
膜50上の突起4間の位置に、酸化膜72,73とニオ
ブ薄膜61が残る。図8(a)はこの状態を示す。な
お、p型結晶シリコン層からなる基底部3の上に形成さ
れたシリコン薄膜50は、不純物のドーピングがなされ
ていないが、基底部3がp型結晶シリコン層であること
から、p- 結晶シリコン層(i層)5になっている。
【0043】次に、突起4の先端部に、打ち込みエネル
ギー60keVで打ち込み量が4×1015ions/c
2 となるようにリン(P)をイオン注入する。このよ
うにして、突起4の先端部に、n型ドーパントがドーピ
ングされる。次に、ニオブ薄膜61と酸化膜72,73
とを貫通するコンタクトホールを形成し、このコンタク
トホールから、i層5に対してホウ素(B)をイオン注
入する。これにより、基底部3のオーミック電極9が形
成される。
【0044】次に、このコンタクトホール内とニオブ薄
膜61の上に、アルミニウム薄膜62を堆積する。次
に、このアルミニウム薄膜62をパターニングすること
により、オーミック電極9の端子10を形成するととも
に、ニオブ薄膜61上のアルミニウム薄膜62を残す。
このようにして作製された、本発明の第2実施形態に相
当する光検出装置の光電変換特性を、以下のようにして
調べた。先ず、図5に示すように、ゲート電極6の端子
に直流電圧源D1を接続し、オーミック電極9の端子1
0を接地した。また、電界放射型電子源2の表面側に陽
極11を配置して、この陽極11を電流計12を介して
直流電圧源D2に接続した。なお、光検出装置と陽極1
1は真空チャンバ内に設置した。
【0045】次に、真空チャンバ内を所定の真空度とし
た後、直流電圧源D1の電圧を変化させることによりゲ
ート電極6の電圧を変化させながら、突起4から放出さ
れて陽極11に到達した電子線の強度(電界放射電流)
を電流計12で測定した。ここで、入射光の波長は60
0nmとし、入射光の強度は100μWとした。また、
直流電圧源D2の電圧を500Vとすることにより、陽
極11の電位(アノード電位)を500Vとした。
【0046】この測定で得られた電界放射電流とゲート
電圧との関係を、図9にグラフで示す。このグラフから
分かるように、ゲート電圧が45V未満では電界放射電
流は僅かであるが、45V以上になると電界放射電流が
急激に増加し、45〜95Vの範囲で150nA程度の
電界放射電流が得られた。このときの光子−電子一次変
換効率は80%であった。
【0047】また、ゲート電圧が95Vを超えると再び
電界放射電流が急激に増加し、ゲート電圧110Vで
1.9μAの電界放射電流が得られた。これは、pn接
合内でアバランシェ(雪崩れ)現象が生じて、光電流が
増幅されたためである。この実施形態の光検出装置は、
第1実施形態の光検出装置と比較して、ゲート電極6と
突起4との間に大きな空間を有することと、ゲート酸化
膜(酸化膜72,73)が厚く形成されていることか
ら、pn接合に高電圧がかかってもゲート酸化膜の破壊
が生じ難い。その結果、高電圧を印加できるため、アバ
ランシェ現象による増幅作用でより大きな電界放射電流
が得られる。
【0048】したがって、この第2実施形態の光検出装
置は、第1実施形態の光検出装置よりも高感度で光検出
を行うことができる。また、図6(d)の状態でシリコ
ン薄膜50を表面側から除去して、サファイア基板1よ
り上側のシリコン層(基底層3とシリコン薄膜50とを
含む)の厚さを0.2μmとした。この厚さ0.2μm
のシリコン層の結晶欠陥密度を測定したところ、2.0
×106 個/cm2 であった。すなわち、シリコン薄膜
をアモルファス化後に再結晶化することにより、結晶性
が良好なシリコン結晶が得られた。
【0049】そして、この第2実施形態の光検出装置
は、このような良質のシリコン層をp型基底部3および
i層5として有するため、pn接合による光電変換特性
が良好になる。 [第3実施形態]本発明の光検出装置の第3実施形態と
して、図1に示す構造の光検出装置を以下の手順で作製
した。
【0050】先ず、図10(a)に示すように、結晶の
(012)面が露出したサファイア基板1上に、ホウ素
(B)をドーパントとして含むp型シリコン薄膜32
を、厚さ200nmで形成した。この成膜は、モノシラ
ン(SiH4 )ガスとジボラン(B2 6 )ガスを原料
として用い、成長温度950℃の条件で、LP−CVD
法により行った。
【0051】次に、これを酸化炉内に入れ、炉内の温度
を1000℃にし、炉内に水素と酸素をそれぞれ180
リットル/分の速度で導入しながら、30分間保持すること
により水蒸気酸化を行った。これにより、シリコン薄膜
32の表面にシリコン酸化膜32aが形成された。図1
0(b)はこの状態を示す。この酸化後に、シリコン酸
化膜32aを剥離してシリコン薄膜32の膜厚を測定し
たところ、120nmであった。
【0052】次に、図10(c)に示すように、このシ
リコン酸化膜32aを、BHFを用いたウエットエッチ
ングで除去することにより、シリコン薄膜32の表面を
露出した。これにより、サファイア基板1上に、p型結
晶シリコン層からなる基底部3が形成された。このよう
に、シリコン酸化膜32aを除去して得られたシリコン
薄膜32の表面は、結晶性の高い良好な状態となる。
【0053】次に、このシリコン薄膜32(基底部3)
の上に、モノシラン(SiH4 )ガスを原料として用
い、超高真空化学気相成長法(UHV−CVD法)によ
り、成長温度750℃の条件でシリコン薄膜50を形成
した。この結晶成長は、p型結晶シリコン層からなる基
底部3とシリコン薄膜50との合計膜厚が5.5μmと
なるまで行った。
【0054】次に、第1実施形態で説明した図2(b)
から図3(d)に示す工程を行うことにより、図1に示
す光検出装置を作製した。このようにして作製された光
検出装置の光電変換特性を、第1実施形態と同様にして
調べた。その結果、ゲート電圧が45V未満では電界放
射電流は僅かであったが、45V以上になると電界放射
電流が急激に増加し、36〜45Vの範囲で170nA
程度の電界放射電流が得られた。このときの光子−電子
一次変換効率は90%であった。また、ゲート電圧が4
5Vを超えると、ゲート酸化膜(下側酸化膜7a)の破
壊が生じて電流がリークするため、電界放射電流は0と
なった。
【0055】この実施形態の光検出装置の光子−電子一
次変換効率が、第1実施形態の光検出装置よりも高かっ
た理由は、シリコン薄膜32上への酸化膜32aの形成
後にこれを除去することによって、基底部3(シリコン
薄膜32)の表面の結晶性が良好にされたためであると
考えられる。 [結晶シリコン層の厚さが好適範囲から外れる形態]図
1の構造を有する光検出装置であって、結晶シリコン層
の突起部での厚さ(突起4の先端から基底部3のサファ
イア基板1との境界面までの距離)が200nm未満で
あるものを、以下のようにして作製した。
【0056】先ず、図12(a)に示すように、結晶の
(012)面が露出したサファイア基板1上に、減圧化
学気相成長法(LP−CVD法)により200nmのシ
リコン薄膜33を形成した。次に、熱酸化を行って、こ
のシリコン薄膜33の上に厚さ50nmの保護酸化膜3
3aを形成した。この熱酸化によりシリコン薄膜33の
厚さは約175nmとなる。
【0057】この状態で、図12(b)に示すように、
打ち込みエネルギー50keVで、打ち込み量が4×1
15ions/cm2 となるように、ホウ素(B)をイ
オン注入した。これにより、シリコン薄膜33のサファ
イア基板1側の部分に、厚さ約95nmでp型ドーパン
トが高濃度でドーピングされる。この部分がp型結晶シ
リコン層からなる基底部3となり、この基底部3の上側
に約80nmのシリコン層(i層)35が存在する。図
12(c)は、ホウ素のイオン注入後に保護酸化膜33
aを除去した状態を示す。
【0058】次に、このシリコン層(i層)35に対し
てコーン状の突起4を形成する。この突起4の形成方法
は、前述のシリコン薄膜50に対して突起4を形成した
方法と同じ方法で行った。次に、第1実施形態の図2
(c)から図3(d)に示す工程を行うことにより、図
1に示す光検出装置を作製した。この光検出装置の光電
変換特性を前記と同じ方法で調べたところ、ゲート電圧
0〜50Vの範囲で電界放射電流は見られなかった。な
お、この光検出装置の結晶シリコン層の突起部での厚さ
(突起4の先端から基底部3のサファイア基板1との境
界面までの距離)は0.175μmであった。
【0059】さらに、図1の構造を有する光検出装置で
あって、結晶シリコン層の突起部での厚さ(突起4の先
端から基底部3のサファイア基板1との境界面までの距
離)が10μmを超えるものを、第1実施形態と同じ方
法で作製した。ただし、シリコン薄膜50を形成する際
の結晶成長は、p型結晶シリコン層からなる基底部3と
シリコン薄膜50との合計膜厚が11.0μmとなるま
で行った。
【0060】この光検出装置の光電変換特性を前記と同
じ方法で調べたところ、ゲート電圧30V以上で電界放
射電流が増加したが、電界放射電流は最大でも95nA
であった。また、このときの光子−電子一次変換効率は
50%であった。なお、この光検出装置の結晶シリコン
層の突起部での厚さ(突起4の先端から基底部3のサフ
ァイア基板1との境界面までの距離)は11.0μmで
あった。 [比較例]図1の光検出装置において、サファイア基板
1に代えてシリコン基板上に、電界放射型電子源2が形
成されている光検出装置を以下の手順で作製した。
【0061】先ず、結晶の(100)面が露出したシリ
コン基板を用い、この基板の上に、熱酸化により厚さ5
0nmの保護酸化膜を形成した。次に、この保護酸化膜
を介して、打ち込みエネルギー140keVで打ち込み
量が4×1015ions/cm2 となるようにホウ素
(B)をイオン注入した。これにより、シリコン基板の
表面側に、p型結晶シリコンからなる基底部が形成され
た。
【0062】次に、このシリコン基板上の保護酸化膜
を、希フッ酸を用いたエッチングにより除去した後、こ
のシリコン基板の上に、さらにモノシランを原料ガスと
して用いたLP−CVD法により厚さ5.0μmのシリ
コン薄膜を形成した。次に、第1実施形態で説明した図
2(b)から図3(d)に示す工程を行った。このよう
にして作製された光検出装置の光電変換特性を、光を突
起4の側から入射した以外は第1実施形態と同様にして
調べた。その結果、ゲート電圧が30V未満では電界放
射電流は僅かであったが、30V以上になると電界放射
電流が急激に増加し、36〜45Vの範囲で155nA
程度の電界放射電流が得られた。このときの光子−電子
一次変換効率は70%であった。また、ゲート電圧が4
5Vを超えると、ゲート酸化膜(下側酸化膜7a)の破
壊が生じて電流がリークするため、電界放射電流は0と
なった。
【0063】なお、上記実施形態の光検出装置におい
て、多数の突起4を電界放射型電子源2の表面に2次元
に配置し、陽極11で各突起4の位置毎に電子線強度を
同時に検出するように構成すれば、光強度の2次元分布
が直接検出可能となる。この場合、光吸収で生じた電子
は、横方向へ拡散することなく、空乏層となるi層5を
高速で通過して直ちに突起4の先端部に向かうため、光
強度の2次元分布が正確に検出される。
【0064】第1実施形態の光検出装置の製造方法で得
られた、突起が2次元に配列された電界放射型電子源の
電子顕微鏡写真を図11に示す。このように、p型半導
体からなる基底部とn型半導体からなる突起とを有し、
基底部と突起との間にi層を有し、突起が2次元に配列
された電界放射型電子源が、サファイア基板(光透過性
基板)上に形成された光検出装置によれば、前述の文献
の光検出装置と比較して2次元の光強度分布をより正確
に検出できる。
【0065】また、本発明の光検出装置によれば、陽極
11と突起4との間に、少なくとも一つ以上の集束電極
または偏向電極を配置することにより、光検出の感度を
高くすることができる。また、本発明の光検出装置によ
れば、突起4を2次元に配置し、陽極11の突起4側の
面に蛍光膜を設けることにより、光強度の2次元分布を
観察することができる。
【0066】また、本発明の光検出装置は、突起4を2
次元に配置し、光強度の2次元分布を電気信号として検
出する構成となっていてもよい。また、本発明の光検出
装置は、突起4から放出された電子を加速して電子を増
幅させる構成となっていてもよい。また、本発明の光検
出装置は、突起4を2次元に配置し、各突起4用の容量
と、各突起からの電子の放出を所定の時間間隔で行う手
段を設けることにより、各容量に所定の時間間隔の電気
信号を蓄積する構成となっていてもよい。さらに、各容
量に蓄積された電気信号を、順次読み出す手段を有する
構成となっていてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光検出装
置によれば、光透過性基板の裏面から光を入射するた
め、表面側に設ける電極や端子を透明材料で形成しなく
ても、入射光の受光効率を高くすることができる。これ
により、光検出感度が高くなる。また、電界放射型電子
源の突起を2次元に配置することにより、容易に光イメ
ージセンサを作製することができる。
【0068】特に、請求項2のように、電界放射型電子
源がpinフォトダイオードの構成となっている場合に
は、電界放射型電子源の突起を2次元に配置することに
より、従来技術で挙げた文献の光検出装置と比較して2
次元の光強度分布をより正確に検出することができる。
したがって、本発明の光検出装置をこのような構成とす
ることにより、解像度の高い光イメージセンサを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光検出装置の実施形態を示す構成図で
ある。
【図2】本発明の第1実施形態に相当する光検出装置の
製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の第1実施形態に相当する光検出装置の
製造方法を示す工程図である。
【図4】本発明の第1実施形態に相当する光検出装置の
電界放射電流とゲート電圧との関係を示すグラフであ
る。
【図5】本発明の光検出装置の別の実施形態を示す構成
図である。
【図6】本発明の第2実施形態に相当する光検出装置の
製造方法を示す工程図である。
【図7】本発明の第2実施形態に相当する光検出装置の
製造方法を示す工程図である。
【図8】本発明の第2実施形態に相当する光検出装置の
製造方法を示す工程図である。
【図9】本発明の第2実施形態に相当する光検出装置の
電界放射電流とゲート電圧との関係を示すグラフであ
る。
【図10】本発明の第3実施形態に相当する光検出装置
の製造方法を示す工程図である。
【図11】第1実施形態の光検出装置の製造方法におい
て得られた、突起が2次元に配列された電界放射型電子
源であって、基板上に形成された微細なパターンを示す
図面代用写真である。
【図12】本発明の実施形態に相当する光検出装置の製
造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 サファイア基板(光透過性基板) 2 電界放射型電子源 3 p型結晶シリコン層からなる基底部 4 n型結晶シリコンからなる突起 5 i層(p- 結晶シリコン層) 6 ゲート電極 7a 下側酸化膜 7b 上側酸化膜 8 ゲート電極用の端子 9 基底部のオーミック電極 10 オーミック電極用の端子 11 陽極 14 電流計 15 レジスト膜 15a レジスト膜の開口部 16 レジスト膜 31 シリコン薄膜 31a シリコン酸化膜 32 シリコン薄膜 32a シリコン酸化膜 33 シリコン薄膜 33a シリコン酸化膜 35 シリコン層(i層) 50 シリコン薄膜 60 ポリシリコン膜 60a コンタクトホール 61 ニオブ薄膜 62 アルミニウム薄膜 70a 酸化膜からなるマスクパターン 72 酸化膜 73 酸化膜 D1 直流電圧源 D2 直流電圧源
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 31/26 H01J 40/06 40/06 H01L 27/15 D H01L 27/15 H04N 5/335 U 31/10 H01J 1/30 F H04N 5/335 H01L 31/10 Z (72)発明者 森安 嘉貴 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工業 株式会社内 (72)発明者 鄭 永哲 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工業 株式会社内 Fターム(参考) 2G065 AA11 AB04 BA09 BA34 BE08 DA18 5C024 AX01 CX37 CX41 CY47 EX02 EX13 EX55 GX03 GX24 GY31 GZ04 GZ16 5C035 CC01 CC09 5C037 AA07 AB08 GH05 GH06 GH18 5F049 MA20 MB03 NA20 NB03 SS03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型半導体からなる基底部とn型半導体
    からなる突起とを有する電界放射型電子源が、単結晶酸
    化物からなる光透過性基板上に形成され、この光透過性
    基板側から入射された光の強度を、電界放射型電子源内
    のpn接合による光吸収で生じて前記突起から放出され
    る電子量に変換して検出する光検出装置。
  2. 【請求項2】 電界放射型電子源は基底部と突起との間
    にi層を有する請求項1記載の光検出装置。
  3. 【請求項3】 電界放射型電子源は結晶シリコン層から
    なり、この結晶シリコン層の突起部での厚さが0.2μ
    m以上10μm以下である請求項1または2記載の光検
    出装置。
  4. 【請求項4】 前記結晶シリコン層は、光透過性基板側
    の厚さ0.2μmの範囲での結晶欠陥密度が1×107
    個/cm2 以下である請求項3記載の光検出装置。
  5. 【請求項5】 光透過性基板はサファイア基板である請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の光検出装置。
  6. 【請求項6】 電界放射型電子源の突起が2次元に配置
    されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の光検出
    装置。
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